JPH0682294A - 動的計量装置の計量値補正装置 - Google Patents

動的計量装置の計量値補正装置

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JPH0682294A
JPH0682294A JP25723992A JP25723992A JPH0682294A JP H0682294 A JPH0682294 A JP H0682294A JP 25723992 A JP25723992 A JP 25723992A JP 25723992 A JP25723992 A JP 25723992A JP H0682294 A JPH0682294 A JP H0682294A
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Toru Takahashi
孝橋  徹
Morihito Kamon
守人 加門
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Yamato Scale Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 先行物品との時間間隔等に係わりなく後続物
品を正確に計量できるようにすること。 【構成】 予め設定された計測タイミング時に重量検出
器の出力する動的計量信号に基づいて物品の重量を計量
する動的計量装置において、重量検出器に物品が順次載
荷される載荷時間間隔を測定する載荷時間間隔測定手段
(ステップ400、402)と、載荷時間間隔と先に計
量した先行物品の静止重量値とが起因して後続物品の動
的計量値を変動させる第2の変動成分を算出する第2の
変動成分算出手段(ステップ408)と、後続物品を計
量して得られた動的計量値から第2の変動成分を減算す
る第2の減算手段(ステップ410)と、を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば計量コンベア
によって搬送中の物品の重量を計量する動的計量装置に
おいて、種々の誤差を含む動的計量値を補正する動的計
量装置の計量値補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】計量コンベアにより搬送する物品の重量
を計量する場合において、計量信号に含まれる計量コン
ベアの低周波数の振動成分を除去するために、大きな時
定数のアナログ又はデジタルフィルタをアナログ計測回
路又は演算アルゴリズムに設けている。このようなアナ
ログ計測回路等では、物品が高速で搬送される場合、計
量コンベア上に滞在する時間が短くなるので、計量値の
重量過渡波が完全に最終値まで応答する前に物品が計量
コンベアから送り出される。しかし、重量計量は、物品
が計量コンベアから排出される前に完了する必要があ
る。一方、物品が順次計量コンベアに送り込まれる状況
において、先行する物品が計量コンベアを離脱してから
後続の物品が計量コンベア上に乗り込むまでの時間間隔
が短い場合、先行物品の重量過渡波(フィルタ出力)が
完全に零点に戻らないうちに後続物品の計量が開始され
て、後続物品の重量過渡波が形成される。その結果、先
行物品と後続物品との時間間隔に差があると、先行物品
の重量過渡波の零点側への戻り量、言い換えれば後続物
品の重量過渡波の立ち上がるスタート点に差ができるの
で、同じ重量の後続物品を計量しても、後続物品の重量
計測点における重量過渡応答量に差を生じて、計量値に
違いが生じる。
【0003】この計量値の差を補正する装置(計量コン
ベア装置)が特開平2−206726号公報に掲載され
ている。この装置による計量値の補正の原理は、まず、
停止する計量コンベア上に物品を載置して物品の静止重
量値Wを求める。次に、この計量コンベアを定速度で駆
動させて、物品がこの計量コンベア上を移動していると
きの所定のタイミングにおける物品の動的計量値W’を
求める(図8参照)。そして、両者の差を取って基準誤
差ΔW=W−W’を求める。一方、補正率α(t)を予
め定めておき、ΔG=ΔW×α(t)により、補正量Δ
Gを算出する。そして、W=W’+ΔGにより静止重量
値Wを求めようとするものである。ただし、α(t)の
tは、この計量コンベアにより順次計量される物品の先
行物品と後続物品の時間間隔である。そして、時間間隔
tが大きくなる程α(t)が大きくなり、α(t)の最
大値が1となるように定めてある。
【0004】つまり、計量コンベア上を移動する物品の
時間間隔tが大きくα(t)が1である場合は、ΔG=
ΔWであり、よって静止重量W=W’+ΔG=W’+Δ
Wを得ることができる。また、物品の時間間隔tが小さ
くα(t)が小さい場合は、ΔG=ΔW×α(t)であ
るので、ΔGも小さくなる。そして、tが小さい場合
は、tが大きい場合と比較して、後続物品の動的計量値
W’が大きくなる。即ち、tが小さい場合は、W’の大
きくなった分をΔGの小さくなった分で相殺して、正し
い静止重量W=W’+ΔWを得ようとするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の装
置では、α(t)とtの関係が、tが大きくなるに従っ
てα(t)が大きくなり、α(t)の最大値が1となる
ように定めてあるということが記載されているだけであ
って、α(t)が具体的にどのような関数で有るのかは
不明である。つまり、計量コンベア上を順次移動する物
品の時間間隔が変動したときに、その時間間隔の変動量
に対してどの程度の補正量を適応するかが不明であり、
従って、動的計量値を正しく補正することができないと
いう問題がある。
【0006】また、静止重量値W=動的計量値W’+補
正量ΔGの関係により、静止重量を求めているが、図8
に示すように、例えば静止重量値がWの先行物品と後続
物品とを順次計量したとき、その載荷時間間隔が短い場
合、後続物品の動的計量値W”が静止重量値Wを超える
ことがある。この場合、W”にΔGを加算して静止重量
値Wを求めようとすると、補正量ΔGが正の値であるの
で、計量誤差を増加させることとなり、動的計量値を正
しく補正することができず、従って正しい静止重量値を
得ることができないという問題がある。
【0007】そして、後続物品の動的計量値が変動する
のは、先行物品と後続物品との時間間隔の変動のみが原
因するのではなく、先行物品の重量値の変動によっても
原因する。つまり、例えば先行物品が何らかのトラブル
で中身の入っていない容器のみが計量された場合、図8
の破線で示す如く、先行物品の重量波形(フィルタ出
力)が実線の重量波形の略1/10となり、後続物品の
重量波形の頂点(動的計量値)がW’を少し超える程度
となる。一方、中身の入った通常の先行物品と後続物品
を破線で示す場合と同じ時間間隔で計量した場合、後続
物品の重量波形は、実線で示す通りであり、重量波形の
頂点W”(動的計量値)が静止重量Wよりも大きくなる
ことがある。このように、先行物品と後続物品とを同じ
時間間隔で計量しても、先行物品の重量によって後続物
品の動的計量値が相違するので、従来のように時間間隔
tに基づく補正率α(t)を定めただけでは、動的計量
値を正しく補正することができないという問題がある。
【0008】本発明は、上記問題点を解決する動的計量
装置の計量値補正装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、予め設定
された計測タイミング時に重量検出器の出力する動的計
量信号に基づいて物品の重量を計量する動的計量装置に
おいて、上記重量検出器に物品が順次載荷される載荷時
間間隔を測定する載荷時間間隔測定手段を有し、先行サ
ンプル物品との或る載荷時間間隔に起因する計量誤差を
含む後続のサンプル物品の動的計量信号と載荷時間間隔
に起因する計量誤差を含まないサンプル物品の動的計量
信号とに基づいて得られた第1の補正手段を使用して、
任意の載荷時間間隔に起因する計量誤差を含む被計量物
品の動的計量信号を該計量誤差を含まない動的計量信号
に補正することを特徴とするものである。
【0010】第2の発明は、予め設定された計測タイミ
ング時に重量検出器の出力する動的計量信号に基づいて
物品の重量を計量する動的計量装置において、上記重量
検出器に物品が順次載荷される載荷時間間隔を測定する
載荷時間間隔測定手段を有し、先行サンプル物品との或
る載荷時間間隔に起因する計量誤差を含む後続のサンプ
ル物品の動的計量信号と載荷時間間隔に起因する計量誤
差を含まないサンプル物品の動的計量信号とに基づいて
第1の補正手段を求め、この第1の補正手段及び先に計
量した被計量物品の重量を使用して、任意の載荷時間間
隔及び該先行の被計量物品の重量に起因する計量誤差を
含む被計量物品の動的計量信号を該計量誤差を含まない
動的計量信号に補正することを特徴とするものである。
【0011】
【作用】第1の発明によると、先行物品と後続物品との
載荷時間間隔を載荷時間間隔測定手段が測定する。そし
て、本稼働前のテスト段階で、先行物品との或る載荷時
間間隔に起因する計量誤差を含む後続物品の動的計量信
号とこの計量誤差を含まないサンプル物品の動的計量信
号とに基づいて第1の補正手段を求める。そして、本稼
働において、この第1の補正手段を使用して、任意の載
荷時間間隔に起因する計量誤差を含む被計量物品の動的
計量信号を、その計量誤差を含まない動的計量信号に補
正する。つまり、この補正した動的計量信号に基づいて
後続物品の静止重量値を得ることができる。
【0012】第2の発明は、第1の発明と同様にして、
テスト段階で、第1の補正手段を求める。そして、本稼
働において、この第1の補正手段と先に計量した先行の
被計量物品の重量を使用して、任意の載荷時間間隔及び
先行の被計量物品の重量に起因する計量誤差を含む動的
計量信号を、それらに起因する計量誤差を含まない動的
計量信号に補正する。つまり、この補正した動的計量信
号に基づいて後続物品の静止重量値を得ることができ
る。
【0013】
【実施例】この実施例は、重量選別機に第2の発明の動
的計量装置の計量値補正装置を実施したものである。こ
の重量選別機は、図5に示すように、送り込みコンベア
1、計量コンベア2、送り出しコンベア3を備えてお
り、計量コンベア2は、ロードセル4等の重量検出器に
より支持されている。また、送り込みコンベア1と計量
コンベア2との間には、物品5の有無を検出するための
例えばフォトセンサPH1 等の物品検出器を設けてあ
る。物品5は、送り込みコンベア1、計量コンベア2、
送り出しコンベア3によって図5の左側から右側方向に
搬送される。
【0014】また、図5に示す6は増幅器、7はA/D
変換器、8はマイクロコンピュータの入出力回路であ
り、9はマイクロプロセッサ(以下、CPUとい
う。)、10はROM、RAM、E2 ROM等のメモリ
ー素子を備える記憶部である。そして、11は表示部、
12は入力部である。
【0015】この重量選別機により物品5の重量選別を
するときは、物品を送り込みコンベア1に供給する。送
り込みコンベア1で搬送される物品は、計量コンベア2
の直前位置でフォトセンサPH1 を遮光して、この時、
フォトセンサPH1 の出力パルスがCPU9に入力す
る。そして物品が計量コンベア2上に乗ると、重量検出
器4が計量信号を出力し、この計量信号は増幅器6で増
幅されて、A/D変換器7によりデジタル計量信号に変
換される。そして、フォトセンサPH1 の出力パルスが
CPU9に入力してから予め設定されている所定時間T
1 が経過した時(計測タイミングとなった時)に、CP
U9が物品計量値を求め、その計量値を予め設定されて
いる許容重量値と比較し、その比較結果を選別信号とし
て送り出しコンベア3に送出する。これにより、許容重
量外の物品は許容重量内の物品と異なる搬送経路に送ら
れる。
【0016】また、この重量選別機は、上述したように
順次搬入される物品の重量選別を行う選別モードと、テ
ストモードとを有しており、テストモードにおいては、
計量して得られた物品の動的計量値を補正する演算式等
を決定して記憶する。この実施例の動的計量装置の計量
値補正装置は、簡単に言うと、テストモードで決定され
た動的計量値を補正する演算式等を選別モード(本稼
働)において使用して、物品の正確な静止重量を求める
ものである。
【0017】この計量値補正装置は、CPU9、記憶部
10、及び記憶部10に書き込まれているプログラムに
よって構成されている。即ち、CPU9は、選別モード
(本稼働時)において、先行物品と後続物品との載荷時
間間隔と、先行物品の静止重量値とをデータとして、記
憶部10に記憶されているプログラムに従って補正値を
算出し、この算出した補正値でもって重量検出器から供
給される動的計量信号を補正する機能を備えている。つ
まり、この機能を達成するための載荷時間間隔測定手
段、第2の変動成分算出手段及び第2の減算手段を備え
ている。そして、この補正した動的計量信号に基づいて
静止重量値が得られる。
【0018】載荷時間間隔測定手段は、フォトセンサP
1 が物品を検出する時間間隔を測定することにより、
重量検出器4に物品が順次載荷される載荷時間間隔を測
定するものである。第2の変動成分算出手段は、載荷時
間間隔と先に計量した先行物品の静止重量値とが起因し
て後続物品の動的計量信号を変動させる第2の変動成分
を算出するものである。第2の減算手段は、後続物品を
計量したときの動的計量信号から第2の変動成分を減算
して、動的計量信号を補正するものである。
【0019】ここで、載荷時間間隔と先に計量した先行
物品の静止重量値とが起因して後続物品の動的計量信号
を変動させる第2の変動成分を算出するための演算式を
求める手順を説明するが、その前に、後続物品の動的計
量値が先行物品との関係でどの様に変動するかについて
説明する。
【0020】図8に示すように、静止重量値Wの物品を
1個だけ計量コンベア2に流し、所定の計測タイミング
における動的計量値をW’とすると、W−W’=ΔW
は、1個の物品を流したときの補正値となる。即ち、動
的計量値W’+補正値ΔW=静止重量値Wを得ることが
できる。しかし、この物品の前に別の物品(先行物品)
が流れたときは、この物品(後続物品)の動的計量値は
双方の物品の載荷時間間隔によって影響を受けて変動す
る。この理由は、従来例で述べた如くである。つまり、
動的計量値がW’であるのは、先行物品と後続物品との
載荷時間間隔が無限大の場合である。従って、載荷時間
間隔が或る有限のt1 である場合は、後続物品の動的計
量値(過渡応答値)はW’よりも大きいW1 となる。
【0021】そして、載荷時間間隔が小さくなるに従っ
て後続物品の動的計量値は大きくなるが、先行物品の計
測タイミングと同時又はそれ以前に後続物品が計量コン
ベア2に乗り込むと、先行物品の計量が不可能となるの
で、先行物品が計量可能な最小時間間隔t2 が存在し、
この最小時間間隔t2 のときに、後続物品の動的計量値
2 が最大となる。故に、後続物品の動的計量値は、先
行物品との時間間隔tの変動に伴ってW’からW1 を経
てW2 の間で変動する。この関係を図6に示す。
【0022】図6に示すように、或る任意の載荷時間間
隔tx のときの後続物品の動的計量値をWx とすると、
(Wx −W’)=ΔWx が載荷時間間隔の変動によって
動的計量値が変化する値である。図6に示す曲線aは、
先行及び後続の2個の物品の静止重量値Wが等しい場合
である。ただし、後続物品の動的計量値Wx は、先行物
品の重量の変動によっても変わる。つまり、先行物品の
静止重量値がWよりも大きい場合は曲線bとなり、先行
物品の静止重量値がWよりも小さい場合は曲線cとな
る。
【0023】次に、上記理論に基づいて第2の変動成分
を算出するための演算式を求める手順(第1次テスト及
び第2次テスト)を図2乃至図4を参照して説明する。
まず、第1次テストを行うにあたり、重量選別機をテス
トモードにセットして、本稼働時(選別モード時)の最
小表示重量よりも1/2〜1/4程度、或いは一桁分小
さい重量表示ができるようにセットする。次に、本稼働
時に重量選別する物品と略同一重量であり、かつ、略同
一形状の2個の物品を用意して、図2のフローチャート
に示すように、この2個の物品を最小載荷時間間隔t2
(物品の距離間隔L2 )で順次計量して(ステップ10
0、102)、(ステップ108、114)、各物品の
動的計量値W1 、W2 を読み込む(ステップ104、1
16)。そして、この2個の物品の計量をN回繰り返し
て(ステップ120、122)、N回計量した先行物品
の動的計量値の総和ΣW1 と、同じくN回計量した後続
物品の動的計量値の総和ΣW2 を算出する(ステップ1
06、118)。更に、2個の物品を計量した際の載荷
時間間隔tを毎回測定して、N回分の合計値Σtを算出
する(ステップ110、112)。なお、載荷時間間隔
は、フォトセンサPH1 とCPU9内のタイマで計測す
る。
【0024】次に、図3のフローチャートに示すよう
に、入力部12の動補正キーを操作して(ステップ20
0)、先行物品及び後続物品の動的計量値のN回の夫々
の平均値(バーW’)、(バーW2 )、載荷時間間隔の
N回分の平均値(バーt2 )を算出して、各平均値を記
憶部10に記憶する(ステップ202〜208)。そし
て、この物品の静止重量値W−(バーW’)=ΔWを算
出して記憶する(ステップ210、212)。このΔW
は、先行物品に影響されない状態で後続物品を計量した
ときの静止重量値と動的計量値との差である。これら
(バーW’)、(バーW2 )、(バーt2 )を図7に示
す。これで第1次テストを終了する。
【0025】第2次テストは、上記2個の物品の間隔を
順次広げながら計量を繰り返し、後続物品の動的計量値
2 −先行物品の動的計量値W’が実稼働時の保証精
度、若しくはその1/2程度となる距離間隔L1 (時間
間隔t1 )を表示部11に表示される動的計量値の重量
表示を見ながら探す。この距離間隔L1 が見つかると、
その間隔で2物品をN回計量して、第1次テストと同様
に図2に示すフローチャートを内容を実行する。これに
より、後続物品の動的計量値の総和ΣW2 、載荷時間間
隔の総和Σtを得る。
【0026】次に、図4のフローチャートに示すよう
に、第2次テスト用の動補正キーを操作して(ステップ
300)、第2次テストで得られた後続物品の総和ΣW
2 のN回の平均値(バーW1 )及び載荷時間間隔の総和
ΣtのN回の平均値(バーt1)を算出して記憶する
(ステップ302、304、306)。
【0027】ここで、図6に示す2物品の時間間隔の変
動による後続物品の動的計量値の軌跡aを図7に示す直
線a’に近似する。軌跡aは、曲線であるが、W’と比
較してW2 −W’は小さいので、曲線を直線に近似する
ことができる。直線a’の式f(t)は、次式で表すこ
とができる。簡単の為に、バーW2 、バーW1 、バー
W’、バーt2 、バーt1 を単にW2 、W1 、W’、t
2 、t1という。a’の直線は、(t2 、W2 )、(t
1 、W1 )を通るので、
【数1】 f(t)=−(W2 −W1 )t/(t1 −t2 ) +(W2 1 −W1 2 )/(t1 −t2 )・・・(1) と表すことができる。この(1)式が請求項1、2に記
載の第1の補正手段である。また、f(t)=W’とな
るときのtがt3 であるとすると、
【数2】 t3 =〔(t1 −t2 )/(W2 −W1 )〕 ×〔(W2 1 −W1 2 )/(t1 −t2 )−W’〕・・(2) となる。(1)、(2)式より、載荷時間間隔が起因し
て後続物品の動的計量値を変動させる第1の変動成分Δ
x (計量誤差)を算出するための式を得ることができ
る。つまり、 a)t2 ≦t≦t3 のとき、
【数3】 ΔWx =f(t)−W’ =−(W2 −W1 )t/(t1 −t2 ) +(W2 1 −W1 2 )/(t1 −t2 )−W’・・(3) b)t>t3 のとき、即ち、時間間隔が後続物品の動的
計量値に影響がない場合、
【数4】ΔWx =0 ・・・・(4) となる。
【0028】次に、先行物品の重量による後続物品の過
渡応答値への影響を考える。まず、先行物品の重量が0
であると、先行物品との時間間隔がどの様な値であって
もΔWx =0である。一方、先行物品の静止重量値がW
y であると、その静止重量値Wy の増加に伴って後続物
品の動的計量値が増加する。ここで、後続物品の動的計
量値の増加分が先行物品の静止重量値Wy と基準物品の
静止重量値Wとの比に比例すると見なすと、(3)式の
第1の変動成分ΔWx を次式のように修正することがで
きる。
【数5】ΔWxy=Wy ・ΔWx /W ・・・・(5) 即ち、ΔWxyは、載荷時間間隔と先行物品の静止重量値
とが起因する第2の変動成分(計量誤差)である。
【0029】要するに、第2次テストにおいて、上記の
ようにして(t2 、W2 )、(t1、W1 )に基づいて
f(t)、t3 を求める演算を、図4に示すステップ3
08で行い、(5)式、(4)式に表す補正アルゴリズ
ムを決定する(ステップ310)。これで、第2次テス
トを終了する。
【0030】以上の如く稼働前のテスト段階で重量、形
状の異なる品種ごとの第2の変動成分ΔWxyと時間間隔
3 を夫々作成し、それらを記憶した上で本稼働に入
る。本稼働での物品の重量選別の手順を図1に示すフロ
ーチャートに従って説明する。
【0031】まず、入力部12を操作して選別モードに
セットする。そして、物品を順次計量コンベア2に流す
と、フォトセンサPH1 が物品を検出することにより物
品の載荷時間間隔tをCPU9が測定すると共に計測タ
イミングを測定するためのタイマが作動する(ステップ
400、402、404)。そして、計測タイミングと
なった時、先行物品及びそれに続く後続物品の動的計量
値Wx を読み込む(ステップ406)。そして、計測し
て得られた載荷時間間隔tがt2 ≦t≦t3 のときは、
先行物品の静止重量値Wy と載荷時間間隔tを(5)式
に代入してΔWxyを算出し、t>t3 の時はΔWx =0
とする。ただし、先行物品は、載荷時間間隔tがt>t
3 とみなせるので、ΔWx =0とする。そして、先行物
品の静止重量値Wy は、後述する補正した動的計量値W
x ’から求めることができる(ステップ408)。
【0032】次に、このようにして、先行物品との時間
間隔tと先行物品の静止重量値Wyとに影響される第2
の変動成分ΔWxyが求まると、今回得られた動的計量値
xからΔWxyを減算して、先行物品が無かったとした
ら得られたであろう後続物品の動的計量値Wx ’、即
ち、後続物品を1個だけ計量したときに得られる動的計
量値Wx ’を求める(ステップ410)。つまり、
【数6】Wx ’=Wx −ΔWxy ・・・・(6) として求める。
【0033】しかる後に、この補正した動的計量値
x ’にΔW(ΔWは、上述したように、物品を1つだ
け計量したときの静止重量値Wと動的計量値W’との差
である。)を加算して静止重量値Wy を算出する(ステ
ップ412)。つまり、
【数7】Wy =Wx ’+ΔW ・・・・(7) として求める。これにより、物品の静止重量値Wy を求
めることができ、この静止重量値Wy を予め設定されて
いる許容重量値と比較して、その選別信号を選別結果と
して送り出しコンベア3に送出する。その結果、許容重
量外の物品は許容重量内の物品と異なる搬送経路に送ら
れる。
【0034】以上の如く、先行物品との時間間隔tによ
る影響分と、先行物品の静止重量値による応答遅れ分を
分離して、後続物品の動的計量値Wx を補正してWx
を求め、この補正した動的計量値Wx ’に基づいて静止
重量値Wy を算出しているので、先行物品の静止重量値
の変動及び載荷時間間隔の変動に拘わらず、先行物品及
び後続物品の正確な静止重量値を求めることができる。
【0035】ただし、上記実施例では、後続物品の動的
計量値の増加分が先行物品の静止重量値Wy と基準物品
の静止重量値Wとの比に比例すると見なして、(3)式
の第1の変動成分ΔWx を(5)式のように修正して、
その後続物品の動的計量値の増加分を第2の変動成分Δ
xy=Wy ・ΔWx /W によって算出したが、後続物
品の動的計量値の増加分に対して先行物品の静止重量値
y の影響が小さい場合は、後続物品の動的計量値の増
加分を(3)式の第1の変動成分ΔWx によって算出す
ることができる。つまり、ステップ408において、W
y 、tを(3)式に代入してΔWx を算出し、この算出
したΔWx を(6)式に代入してWx ’を求めることが
できる。これが第1の発明の動的計量装置の計量値補正
装置である。
【0036】そして、上記実施例のにおいて、(5)式
の第2の変動成分を算出するために先行物品の静止重量
値Wy を使用したが、静止重量値Wy を使用する代わり
に先行物品の補正した動的計量値Wx ’を使用してもよ
い。
【0037】また、上記実施例において、図7に示すよ
うに、本稼働前のテスト段階で、〔(バーt2 )、(バ
ーW2 )〕、〔(バーt1 )、(バーW1 )〕の2点を
求めて(1)式のf(t)を求めたが、2物品の間隔を
略L2 (時間間隔t2 )〜略L1 (時間間隔t1 )の間
の任意の間隔に設定して、両物品をN回(複数回)計量
し、この計量により得られる後続物品と先行物品の動的
計量値の差の値(N個)と各差の値と対応する時間間隔
(N個)とをデータとして、最小2乗法により(1)式
のf(t)に相当する回帰直線を求めてもよい。
【0038】更に、上記実施例では、(6)式を使用し
て先行物品の影響による計量誤差を含まない動的計量値
x ’を算出する方法を説明したが、この方法に代えて
別の方法を使用して、先行物品との載荷時間間隔に起因
する計量誤差を含まない動的計量値Wx ’を算出する方
法を以下に説明する。
【0039】まず、(1)式により得られるf(t)
は、先行物品(サンプル物品)との載荷時間間隔がtの
ときの後続物品(サンプル物品)の動的計量値であるこ
とから、先行のサンプル物品がない場合のサンプル物品
の動的計量値(バーW’)とf(t)との比(バー
W’)/f(t)を任意の被計量物品の補正に適用す
る。つまり、先行物品との載荷時間間隔がtである任意
の被計量物品の動的計量値をW x とすると、このWx
ら、先行物品との載荷時間間隔に起因する計量誤差を含
まない(1個だけ計量したときに得られる)動的計量値
x ’を、
【数8】 Wx ’=Wx ・(バーW’)/f(t) ・・・・(8) の如く演算して求めることができる。
【0040】また、先行物品の静止重量Wy を考慮した
場合は、
【数9】 Wx ’=Wx ・(バーW’)・W/〔Wy {f(t)−(バーW’)} +(バーW’)〕 ・・・・(9) の如く演算してWx ’を求めることができる。ただし、
y {f(t)−(バーW’)}/Wは、(5)式と同
一の内容であり、ΔWxyを得るための式である。そし
て、Wは、サンプル物品の静止重量である。
【0041】
【発明の効果】第1の発明によると、先行物品と後続物
品が重量検出器に順次載荷するときの載荷時間間隔が起
因する第1の変動成分を、後続物品を計量したときに得
られる動的計量信号から減算しているので、補正した適
正な後続物品の動的計量信号を得ることができるという
効果がある。そして、この適正な動的計量信号に基づい
て後続物品の適正な静止重量値を得ることができる。
【0042】第2の発明によると、先行物品と後続物品
が重量検出器に順次載荷するときの載荷時間間隔と先行
物品の重量とが起因する第2の変動成分を、後続物品を
計量したときに得られる動的計量信号から減算している
ので、第1の発明よりも適正に補正した後続物品の動的
計量信号を得ることができるという効果がある。そし
て、この適正な動的計量信号に基づいて後続物品の適正
な静止重量値を得ることができる。
【0043】そして、第1及び第2の発明によると、被
計量物品と略同等のサンプル物品を使用して、第一次テ
ストと第二次テストを行うだけで(3)、(4)式に示
す第1の補正手段を極めて容易に得ることができるとい
う効果がある。また、特開平2−206726号公報に
記載されている従来のものでは、取込タイミング(載荷
時間間隔)ΔT1 、ΔT2 、・・・・ΔT6 、・・・ご
とに誤差ΔW1 、ΔW2 、・・・・ΔW6 、・・・を定
めて記憶させる必要があり、非常に手間と時間がかかっ
ているが、本発明によると、上記第1の補正手段を求め
るだけで任意の載荷時間間隔に対する補正が可能である
ので、調整に手間と時間がかからないという効果があ
る。しかも、この従来例の計量コンベア装置よりも被計
量物品の重量を正確に計量できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る動的計量装置の計量
値補正装置により動的計量値を補正する手順を示すフロ
ーチャートである。
【図2】同実施例の同計量値補正装置により第1次テス
トにおいてf(t)を求める手順を示すフローチャート
である。
【図3】同実施例の同計量値補正装置により第1次テス
トにおいてf(t)を求める手順を示すフローチャート
である。
【図4】同実施例の同計量値補正装置により第2次テス
トにおいてf(t)を求める手順を示すフローチャート
である。
【図5】同実施例の同計量値補正装置が設けられている
重量選別機の電気回路を示すブロック図である。
【図6】同実施例の後続物品の動的計量値と載荷時間間
隔の関係を示す図である。
【図7】同実施例の後続物品の動的計量値と載荷時間間
隔の関係を直線で近似させた図6と対応する図である。
【図8】同実施例の重量選別機により計量した物品の重
量過渡波(フィルタ出力)を示す図である。
【符号の説明】
4 重量検出器(ロードセル) 7 A/D変換器 9 CPU 10 記憶部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め設定された計測タイミング時に重量
    検出器の出力する動的計量信号に基づいて物品の重量を
    計量する動的計量装置において、 上記重量検出器に物品が順次載荷される載荷時間間隔を
    測定する載荷時間間隔測定手段を有し、先行サンプル物
    品との或る載荷時間間隔に起因する計量誤差を含む後続
    のサンプル物品の動的計量信号と載荷時間間隔に起因す
    る計量誤差を含まないサンプル物品の動的計量信号とに
    基づいて得られた第1の補正手段を使用して、任意の載
    荷時間間隔に起因する計量誤差を含む被計量物品の動的
    計量信号を該計量誤差を含まない動的計量信号に補正す
    ることを特徴とする動的計量装置の計量値補正装置。
  2. 【請求項2】 予め設定された計測タイミング時に重量
    検出器の出力する動的計量信号に基づいて物品の重量を
    計量する動的計量装置において、 上記重量検出器に物品が順次載荷される載荷時間間隔を
    測定する載荷時間間隔測定手段を有し、先行サンプル物
    品との或る載荷時間間隔に起因する計量誤差を含む後続
    のサンプル物品の動的計量信号と載荷時間間隔に起因す
    る計量誤差を含まないサンプル物品の動的計量信号とに
    基づいて第1の補正手段を求め、この第1の補正手段及
    び先に計量した被計量物品の重量を使用して、任意の載
    荷時間間隔及び該先行の被計量物品の重量に起因する計
    量誤差を含む被計量物品の動的計量信号を該計量誤差を
    含まない動的計量信号に補正することを特徴とする動的
    計量装置の計量値補正装置。
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JP2011203088A (ja) * 2010-03-25 2011-10-13 Yamato Scale Co Ltd 計量装置

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