JPH0681876A - 回転ダンパ - Google Patents

回転ダンパ

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JPH0681876A
JPH0681876A JP4255722A JP25572292A JPH0681876A JP H0681876 A JPH0681876 A JP H0681876A JP 4255722 A JP4255722 A JP 4255722A JP 25572292 A JP25572292 A JP 25572292A JP H0681876 A JPH0681876 A JP H0681876A
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忠正 若林
Yukihisa Kajiyama
幸久 梶山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 重量の重い開閉蓋等であっても適切な制動力
を発揮させる。 【構成】 内周面にめねじ部2cが形成されていると共
に、底壁部近傍の内周面2eが平滑面状に形成されてい
る有底筒状の本体ケース2に、外周面のうち先端部近傍
の外周面3dが平滑面状に形成されていると共に、該外
周面3dの外径が本体ケース2の底壁部近傍の内径より
もわずかに小さく、先端部近傍を除く外周面3aに本体
ケース2のめねじ部2cと螺合する多条のおねじ部3b
が設けられているピストン3を装填する。本体ケース2
内には粘性液体9を充填する。ピストン3に係合する連
結部材8が回転すると、該ピストン3がめねじ部2cに
沿って回転しつつ、本体ケース2の軸心方向に沿って往
復動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は回転ダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ピアノ,レコードプレーヤー,
ポータブルパソコン,コピーマシンその他の事務機器の
開閉用の回転蓋、洋式トイレの便座や便蓋等の開閉蓋
は、回転軸によって一端基部が支持されると共に、他端
は遊端とされて90〜120度前後の回転角の範囲で上
下方向に回動可能に設けられている。しかしながら、こ
のような回転蓋等は閉成する際に、最後まで手等を添え
て閉じない場合には、自由落下回転物となり、閉成回転
の最終点で衝突して大きな衝撃音を生じたり、回転蓋や
機器本体に破損が生じたりする場合がある。そのため、
回転基部に回転ダンパを配設し、閉成動作を遅動させる
手段が用いられている。かかる回転ダンパとして、従
来、二重筒の間隙にオイルを充填し、このオイルの粘性
抵抗を利用して回転トルクを減殺する構造のものが一般
に普及している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の回転ダンパはグリスの粘性抵抗を利用しているだ
けであるため、便蓋や便座、あるいは開閉動作する回転
蓋に表示装置が組込まれているラップトップパソコンの
ように開閉蓋が重量の重いもの等に対しては、所定の抵
抗力を働かせることができないという問題がある。ま
た、かかる場合に、グリスのみで所定の抵抗力を発揮さ
せようとする場合には、回転ダンパ自体を大型化せざる
を得ないという問題もある。
【0004】かかる課題を解決する回転ダンパとして、
本発明者らは特願平4−113221号に、図7に示し
たように、中空部内周面に多条のめねじ部71aが形成
されている本体ケース71と、該めねじ部71aに螺合
する多条のおねじ部72aが形成されたピストン72と
を有してなる回転ダンパ70を提案している。この回転
ダンパ70によれば、ピストン72が中空部内を回転し
つつ前進・後退移動することにより回転動作を遅動させ
る構造であるため、小型であっても大きな抵抗力を発生
させることができる。
【0005】しかし、この回転ダンパ70は、閉成動作
する際に、弁部材73が第1の液体室74から第2の液
体室75に流入する粘性液体76の流圧を受けて圧接せ
しめられるものである。したがって、開閉蓋をゆっくり
と閉成動作させた場合には、粘性液体76の流れが遅く
弁部材73が圧接しなかったりして、粘性液体76によ
る制動力の作用が一定しないという問題がある。また、
本体ケース71の中空部内に粘性液体76を注入する場
合、回転ダンパ70を粘性液体が充填されている真空容
器内に収納して本体ケース71内を真空吸引しつつ液体
注入孔77から注入するが、真空吸引すると弁部材73
が弁座部78aに圧接されて液体通過孔78を閉塞して
しまうため、棒部材等により弁部材73を押圧しつつ行
わなければならない。したがって、液体注入作業が煩雑
であるという問題もある。
【0006】本発明は上記課題を解消するためになされ
たものであり、小型軽量で、便蓋や便座等、開閉蓋が所
定の重量を有する場合にも、確実に制動力を作用させる
ことができると共に、液体注入作業も容易とすることが
できる回転ダンパの提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明にかかる回転ダンパは、任意の不動部に固定配設
され、少なくとも底壁部近傍を除く中空部を形成する内
周面に、めねじ部が設けられていると共に、該底壁部近
傍の内周面が平滑面状に形成され、かつ該底壁部又は周
壁部の任意の位置に液体注入孔が形成されている有底筒
状の本体ケースと、外周面の先端部近傍が平滑面状に形
成されていると共に、該平滑面状に形成されている先端
部近傍の外径が本体ケースの底壁部近傍の内径よりもわ
ずかに小さな外径で形成され、かつ少なくとも該先端部
近傍を除く外周面に本体ケースのめねじ部と螺合する多
条のおねじ部が設けられており、回転せしめられること
により本体ケースの中空部内を該本体ケースの軸心方向
に沿って往復動可能に配設されたピストンと、粘性液体
が充填配設されると共に、該ピストンを境として本体ケ
ースの中空部内に形成される第1及び第2の液体室と、
中途に弁座部が形成されていると共に、該第1及び第2
の液体室を連通するようにピストンに形成された液体通
過孔と、該液体通過孔内に挿入し得るように形成された
突起部を有すると共に、一部がピストンの後端部に係合
可能に形成され、かつ任意の回転体の回転軸に連結され
て本体ケースの開口部を閉塞するように配設され、回転
軸の回転に伴って該ピストンを回転させることができる
連結部材と、スプリング部材により該液体通過孔の弁座
部に当接する方向へ付勢されている一方、開閉蓋の閉成
動作時にはピストンが所定量前進移動するまで該スプリ
ング部材の弾発力に抗して前記連結部材に形成された突
起部に押圧されて該弁座部から離間していると共に、ピ
ストンが所定量前進移動すると該突起部から離間して弁
座部に当接し、開閉蓋の開放動作時には、ピストンの後
退移動に伴って弁座部から離間する弁部材と、を有する
ことを特徴とする。
【0008】
【作用】連結部材に、開閉蓋の回転軸を連結する。開閉
蓋が本体部に対し所定の角度以上開放している場合に
は、スプリング部材により弁座部方向に押圧されている
弁部材は、連結部材に設けた突起部により反対方向から
押圧されている。したがって、このとき液体通過孔は開
放状態となっている。
【0009】開閉蓋の本体部となす回転角が所定の角度
より小さくなると、該開閉蓋は自由落下回転物となる。
開閉蓋をこの所定の回転角度に至るまで閉成させている
間、連結部材の一部と係合しているピストンが回転運動
をしつつ本体ケース内を所定量前進移動するため、弁部
材は連結部材の突起部から離間する。これにより、弁部
材はスプリング部材の弾発力によって液体通過孔の弁座
部に圧接される。開閉蓋がさらに閉成動作すると、該開
閉蓋の回転トルクが大きくなると共に、ピストンもさら
に本体ケース内を前進移動し第1の液体室内に侵入して
いく。第1の液体室内に充填されている粘性液体は、ピ
ストン外周面と本体ケース内周面との間に形成された間
隙、さらにはめねじ部とおねじ部との間に形成される第
1の液体通過用隙間を通過してピストン後端部側の第2
の液体室に移動する。
【0010】ピストンはこの粘性液体が間隙を通過する
際の粘性抵抗及び動圧抵抗により、ゆっくりと前進移動
することになる。したがって、開閉蓋は回転トルクが減
殺されて閉成動作が遅動せしめられる。
【0011】なお、本体ケースの中空部内に液体を注入
する場合は、ピストンの位置が上記した所定の回転角度
以上の状態と同じ状態、すなわち、連結部材の突起部に
より弁部材が押圧されている状態において液体注入孔か
ら注入する。これにより、液体通過孔の開放状態を維持
させつつ注入することができ、液体が中空部内全体に行
きわたる。
【0012】
【実施例】以下、本発明にかかる回転ダンパを図面に示
した一実施例に基づきさらに詳細に説明する。図におい
て、1は回転ダンパであり、本体ケース2、ピストン
3、第1及び第2の液体室4,5、液体通過孔6、連結
部材7、弁部材8等を有して構成される。
【0013】本体ケース2は所定長の有底筒状に形成さ
れ、中空部を形成する内周面には、めねじ部2cが形成
されているが、このめねじ部2cは一回転あたりの移動
距離を大きくするため、ねじ溝が多条に切ってある。な
お、図1で示したように、ねじ溝及びねじ山の形状を台
形とすれば、強度的に優れると共に、後述するピストン
3の移動もスムースとなる。また、このめねじ部2cは
少なくとも底壁部2dの近傍を除く内周面に形成され、
該めねじ部2cが形成されてない底壁部2d近傍の内周
面2eは平滑面状に形成されている。なお、本実施例で
は本体ケース2の開口端2f近傍の内周面も、後述する
連結部材7を該内周面に沿って回転可能に保持するため
平滑面状に形成している。2gは開口端2fを閉塞する
蓋部材であり、2hは底壁部2dに貫通形成した液体注
入孔、2iが該液体注入孔2hを閉塞するためのねじ部
材である。
【0014】ピストン3は外周面に本体ケース2のめね
じ部2cと螺合する位置におねじ部3bが形成され、本
体ケース2の中空部内を前進・後退移動可能に配設され
ている。このおねじ部3bは上記しためねじ部2cと同
様、多条のねじ溝が切ってあると共に、そのねじ溝及び
ねじ山は台形状に形成されている。おねじ部3bを形成
する位置は上記本体ケース2のめねじ部2cの形成位置
に対応していればよく、また、ピストン3の先端部3c
近傍の外周面3dは上記本体ケース2の底壁部近傍内周
面2eに対応して平滑面状に形成されている。
【0015】また、この平滑面状に形成された先端部近
傍の外周面3dの外径は、本体ケース2の底壁部近傍内
周面2eの内径よりもわずかに小さな径で形成され、こ
の平滑面状の外周面3dと内周面2eとの間にわずかな
間隙3fが形成されることになる。そして、本実施例で
は、この間隙3fが粘性液体9の動圧抵抗、粘性抵抗を
働かせるオリフィスとして機能する。この場合、該平滑
面状の外周面3dを形成する部分は筒状に形成してもよ
いが、図1に示したように、先端部3cにいくに従い次
第に小さな径となるようなテーパ状に形成すると、粘性
液体による制動力が次第に大きくなるように機能させる
ことができる。なお、ピストン3のおねじ部3bと本体
ケース2のめねじ部2cとの間にはねじとして機能する
ため、当然に一定隙間、すなわち第1の液体通過用隙間
3gが形成されており、オリフィスとして機能する間隙
3fを通過した粘性液体9はこの第1の液体通過用隙間
3gを通過する。
【0016】また、このピストン3の後端部3h側は、
図4に示すように、角形に形成されており、後述の連結
部材7に対して回転不能に係合される。さらに、この角
形に形成された後端部3h側の外周面の外径は連結部材
7の凹部7cの内径よりも小さな径で形成され、おねじ
部3bとめねじ部2cとにより形成される第1の液体通
過用隙間3gを通過した粘性液体9を通過させるための
第2の液体通過用隙間3iが形成されている。
【0017】本体ケース2の中空部内であって、ピスト
ン3の先端部3cと本体ケース2の底壁部2dとの内面
にはシリコンオイル等の粘性液体9が充填される第1の
液体室4が形成され、ピストン3の後端部3h側には後
述する連結部材7の間に第2の液体室5が形成される。
【0018】液体通過孔6は粘性液体9の抵抗を小さく
しピストン3の復帰動作(後退移動)を容易にするた
め、第2の液体室5から第1の液体室4への液体流入量
を大量とすべく設けられたものであり、第1の液体室4
と第2の液体室5とを連通するように、ピストン3の先
端部3cから後端部3hまで貫通形成される。
【0019】また、液体通過孔6はピストン3の先端部
3c寄りの部分が大径の孔6aとして、後端部3h寄り
の部分が小径の孔6bとして、その中間部分が中径の孔
6cとして形成されている。そして、この液体通過孔6
の中径孔6cと小径孔6bとの境界部が弁座部6dとし
て機能する。
【0020】連結部材7は一端7a側が本体ケース2内
に位置し、その周壁7bが本体ケース2の内周面に対し
て摺動回転可能であると共に、ピストン3の後端部3h
に係合するように角溝状に形成された凹部7cを有し、
他端7dが本体ケース2の開口端2fから突出するよう
に配設される。また、該凹部7cには、その底面(他端
7dの反対面)7eから内方へ突出し、上記液体通過孔
6の小径孔6bの後端部3h寄りの開口部から該小径孔
6b内へ出没可能な突起部7fが形成されている(図1
〜3参照)。なお、突起部7fの外径は、小径孔6bの
孔径よりも小さいものとする。7gは本体部7eと本体
ケース2の内周面2bとの間に配設される液漏れ防止用
のOリングである。
【0021】弁部材8はボール状に形成され、液体通過
孔6の弁座部6dに当接し、小径孔6bを閉塞・開口可
能に配設されている。この弁部材8は、液体通過孔6の
大径孔6aと中径孔6cとの境界部6eに配設した略環
状のキャップ部材8aに一端が支持されているスプリン
グ部材8bの他端に支持され、常態において弁座部6d
に圧接される方向へ付勢されている。キャップ部材8a
は該境界部6eに当接するように、一端が本体ケース2
の底壁部2dの内面に支持されている補助スプリング部
材8cによって弾発付勢されている。なお、キャップ部
材8aの支持手段はこれに限定されず、キャップ部材8
aに突部(図示せず)を形成すると共に、液体通過孔6
の大径孔6aを形成するピストン3の内周面にこの突部
と嵌合する凹部(図示せず)を形成して両者をはめ合わ
せ固定するものとしてもよい。但し、いずれの場合に
も、補助スプリング部材8cを配設することにより、ピ
ストン3に対し、粘性液体による抵抗力の他にこの補助
スプリング部材8cによる抵抗力も機能させることがで
きる。また、キャップ部材8aとしては略環状のものに
限定されず、大径孔6a内に掛け渡される棒状のもの等
であってもよい。
【0022】粘性液体9としてはシリコンオイル等が用
いられるが、この粘性液体9を充填する場合は、真空容
器(図示せず)内に予めシリコンオイルを充填してお
き、この真空容器内に、連結部材7に形成した突起部7
fにより弁部材8が押圧され、かつ液体注入孔2hを閉
塞するねじ部材2iを取りはずした状態で回転ダンパ1
を収納する。これにより、本体ケース2内が真空吸引さ
れ、空気と入れ替わるように粘性液体9が充填されてい
く。このとき、本実施例では、弁部材8が突起部7fに
押圧されることにより弁座部6dから離間しているた
め、本体ケース2内全体に粘性液体9がいきわたる。
【0023】上記構成からなる本実施例の回転ダンパ1
は、任意の不動部に固定配設され、開閉蓋の回転軸に連
結部材7が連結されて配設される。このとき、開閉蓋が
本体部となす回転角が例えば略90°以上開放している
状態において、図1に示すように、ピストン3が最も連
結部材7の底面7e寄りに位置して連結部材7の突起部
7fの先端と弁部材8とが当接し、該弁部材8を弁座部
6dから離間させている状態で設置する。回転角略90
°に至るまでは、該開閉蓋は自由落下回転物ではない。
すなわち、手等を添えて閉成しなければ、開閉蓋は閉成
動作しない。したがって、回転角略90°までは該開閉
蓋に粘性液体9等による制動力を機能させる必要はない
と共に、むしろ、手等を添えて閉じるためこの間は制動
力が作用しない方がスムースに閉成させることができ
る。
【0024】一方、回転角略90°まで閉成動作させて
いる間、開閉蓋の回転軸に連結された連結部材7が回転
する。ピストン3は、その後端部3hが角形に形成さ
れ、角溝状に形成された連結部材7の凹部7cに係合し
ているため、連結部材7と共に回転する。該ピストン3
は回転すると、おねじ部3bが本体ケース2のめねじ部
2cに螺合していくため、該ピストン3の角形の後端部
3hが連結部材7の凹部8c内をスライドし、本体ケー
ス2の中空部内を本体ケース2の底壁部2d方向へ前進
移動する(図2参照)。弁部材8は常態においてスプリ
ング部材8bにより弁座部6dに当接する方向へ付勢さ
れているため、ピストン3が前進移動することによって
突起部7fから離間すると、弁座部6dに圧接され、液
体通過孔6の小径孔6bを閉塞する。また、弁部材8は
第1の液体室4内の粘性液体9が液体通過孔6の大径孔
6a、中径孔6cに流入し、第2の液体室5側へ移動し
ようとするため、この粘性液体9の流圧も受ける。
【0025】開閉蓋が回転角略90°の状態から、さら
に閉成動作しようとすると、弁部材8はすでに閉弁作動
しているため、第1の液体室4内の粘性液体9は、ピス
トン3の先端部付近の平滑面状の外周面3dと本体ケー
ス2の底壁部付近の平滑面状の内周面2eとにより形成
されるわずかな間隙3fを通じて第2の液体室5内へ流
入しようとする。そして、粘性液体9がこのオリフィス
として機能する間隙3fを通過するときに発生する動圧
抵抗及び粘性抵抗によりピストン3の前進移動が遅動せ
しめられる。その結果、連結部材7に回転軸が連結され
ている開閉蓋がゆっくりと閉成動作する。
【0026】回転角略90°の状態から閉成する場合に
は該開閉蓋は自由落下回転物となるため、常時粘性液体
9による制動力を機能させないと該開閉蓋の閉成動作は
急速なものとなる。しかしながら、本実施例によれば、
この状態においては、スプリング部材8bにより弁部材
8が常時液体通過孔6の小径孔6bを確実に閉塞してい
るため、遊びがなく、確実に粘性液体9の粘性抵抗を機
能させることができる。
【0027】しかも、本実施例では、ピストン3の先端
部3c近傍が、オリフィスとして機能する間隙3fをピ
ストン3が前進移動するに従い次第に狭くさせるような
テーパ状に形成されている。したがって、開閉蓋は閉成
回転の最終点に近付くほど回転トルクが大きくなるが、
この回転トルクの変化に対応してピストン3に作用する
粘性液体の抵抗力も次第に大きくなる(図3参照)。ま
た、本実施例では、補助スプリング部材8cを配設して
いるため、ピストン3に対し、この補助スプリング部材
8cの抵抗力も機能する。
【0028】なお、第2の液体室5には、間隙3fを通
過した粘性液体9が、おねじ部3bとめねじ部2cとの
間に形成されている第1の液体通過用隙間3g及びピス
トン3の角形後端部3hの外周面と連結部材8の凹部8
cの内周面との間に形成された第2の液体通過用隙間3
iを通じて第2の液体室5内へ流入する。
【0029】開閉蓋を開放動作する場合には、ピストン
3が後退方向(復帰方向)へめねじ部2cに沿って回転
しつつスライド移動する。したがって、連結部材7の凹
部7cとピストン3の後端部3hとの間に形成される第
2の液体室5の容積が小さくなっていき、該第2の液体
室5に充填されている粘性液体9が主として液体通過孔
6内へ流入する。弁部材8はスプリング部材8bの弾発
力に抗して弁座部6dから離間する方向へ押圧移動する
ため、該液体通過孔6の小径孔6bは開口され、中径孔
6c及び大径孔6aを経由して粘性液体9は第1の液体
室4へ流入する。したがって、開放動作する場合には、
該液体通過孔6を通じて大量に粘性液体9が流入するた
め、粘性液体9の抵抗はほとんど作用せず、開放動作は
スムースに行われる。なお、本実施例では、おねじ部3
bとめねじ部2cが多条ねじ構造となっているため、ピ
ストン3が前進・後退移動するにあたって、該ピストン
3が回転することに伴う軸方向移動距離は、比較的大き
い。
【0030】なお、上記した実施例では、回転ダンパ1
を一組配設した場合について説明したが、この回転ダン
パ1を二組用い、本体ケース2の底壁部同士を対面する
ように、図5に示したように、本体ケース2ごと収納し
得る筒状の収納ケース50内に収納配設するものとして
もよい。かかる構成とすれば、例えば、洋式便器の便座
と便蓋の双方の閉成動作を緩衝させることができる。す
なわち、この収納ケース50は、隔壁部51を境として
その内部に2つの収納部52,53を有するものであ
り、軸方向に対して略直交する方向に貫通させた貫通孔
54に回り止めピン(図示せず)を挿通させて任意の不
動部に固定されるものである。
【0031】隔壁部51を中心として両側に2つの収納
部52,53を有する収納ケース50は、一体成形によ
り形成してもよいが、図6に示したように隔壁部分から
2つに分断して成形してもよい。すなわち、共に有底筒
状の第1の収納ケース60と第2の収納ケース61とを
成形し、両者の底壁同士を連結固定した態様であり、各
底壁部60d,61dが上記隔壁部51と同様の機能を
果たす。
【0032】連結手段は特に限定されるものではない
が、隔壁部51の機能を果たす底壁部60d,61dに
貫通孔を設ける必要があるため、本実施例のように、第
1の収納ケース60として底壁部60d外面に突状部6
0fが突設されていると共に、該突状部60fを軸方向
と略直交する方向に沿って貫通する第1の貫通孔60g
が形成されているものを、第2の収納ケース61として
底壁部61d外面にこの突状部60fが嵌合する凹状部
61fが形成されていると共に、該凹状部61fを形成
する周壁部に軸方向と略直交する方向に沿って第2の貫
通孔61gが穿設されているものを用いることが好まし
い。
【0033】かかる構成によれば、第1の収納ケース6
0と第2の収納ケース61とを別体に成形することがで
きるため、成形が容易である。任意の不動部に固定する
際には、第1の貫通孔60gと第2の貫通孔61gとが
連通するようにはめ合わせてこの貫通孔60g,61g
に回り止め用ピンを挿通して固定すればよい。
【0034】本発明の回転ダンパは上記した各実施例の
ものになんら限定されるものではない。上記した各実施
例では、開閉蓋が回転角略90°以下となると自由回転
落下物となって閉成動作するものを例に挙げ説明した
が、閉成方向へ弾発部材等によって常時付勢されている
ものに対しては回転角が略90°以上でも連結部材の突
起部7fによる弁部材8の押圧が解除されて粘性液体の
抵抗が働く構成としてもよい。すなわち、開閉蓋の回転
トルクが大きくなった際に、遊びなく確実に粘性液体の
抵抗力を発揮させることができる構成であればよく、そ
の作用開始時は回転ダンパを開閉蓋と連結して配設する
際に自由に設定できるものである。
【0035】
【発明の効果】本発明の回転ダンパは、ピストンが中空
部内を回転しつつ前進・後退移動することにより回転動
作を遅動させる構造であるため、小型であっても大きな
抵抗力を発生させることができる。したがって、開閉蓋
の重量が重く大きな回転トルクを発生するものに対して
も、閉成回転の最終時における衝撃を吸収することがで
きる。また、本発明の回転ダンパは、開閉蓋の閉成回転
時に閉成動作を遅動させたい回転角度以降は遊びがなく
確実に制動力を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ピストンが前進移動を開始する前の、
本発明の回転ダンパの一実施例を示す断面図である。
【図2】図2は、同実施例において、ピストンが所定量
前進移動したときの状態を示す断面図である。
【図3】図3は、同実施例において、ピストンが閉成回
転の最終点付近まで前進移動したとき状態を示す断面図
である。
【図4】図4は、図1のA−A線に沿う断面図である。
【図5】図5は、収納ケースに2つの回転ダンパを装填
した実施例を示す断面図である。
【図6】図6は、同実施例において収納ケースを2つ用
いた場合の連結手段の一態様を示す部分斜視図である。
【図7】図7は、従来の回転ダンパを示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 回転ダンパ 2 本体ケース 2c めねじ部 3 ピストン 3b おねじ部 3f 間隙(オリフィス) 4 第1の液体室 5 第2の液体室 6 液体通過孔 7 連結部材 8 弁部材 9 粘性液体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G10C 3/02 B 6821−5H G11B 33/02 301 X H02K 7/00 B 7315−5H

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 任意の不動部に固定配設され、少なくと
    も底壁部近傍を除く中空部を形成する内周面に、めねじ
    部が設けられていると共に、該底壁部近傍の内周面が平
    滑面状に形成され、かつ該底壁部又は周壁部の任意の位
    置に液体注入孔が形成されている有底筒状の本体ケース
    と、 外周面の先端部近傍が平滑面状に形成されていると共
    に、該平滑面状に形成されている先端部近傍の外径が本
    体ケースの底壁部近傍の内径よりもわずかに小さな外径
    で形成され、かつ少なくとも該先端部近傍を除く外周面
    に本体ケースのめねじ部と螺合する多条のおねじ部が設
    けられており、回転せしめられることにより本体ケース
    の中空部内を該本体ケースの軸心方向に沿って往復動可
    能に配設されたピストンと、 粘性液体が充填配設されると共に、該ピストンを境とし
    て本体ケースの中空部内に形成される第1及び第2の液
    体室と、 中途に弁座部が形成されていると共に、該第1及び第2
    の液体室を連通するようにピストンに形成された液体通
    過孔と、 該液体通過孔内に挿入し得るように形成された突起部を
    有すると共に、一部がピストンの後端部に係合可能に形
    成され、かつ任意の回転体の回転軸に連結されて本体ケ
    ースの開口部を閉塞するように配設され、回転軸の回転
    に伴って該ピストンを回転させることができる連結部材
    と、 スプリング部材により該液体通過孔の弁座部に当接する
    方向へ付勢されている一方、開閉蓋の閉成動作時にはピ
    ストンが所定量前進移動するまで該スプリング部材の弾
    発力に抗して前記連結部材に形成された突起部に押圧さ
    れて該弁座部から離間していると共に、ピストンが所定
    量前進移動すると該突起部から離間して弁座部に当接
    し、開閉蓋の開放動作時には、ピストンの後退移動に伴
    って弁座部から離間する弁部材と、を有することを特徴
    とする回転ダンパ。
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