JPH0681738B2 - 4−(パラフルオロベンゾイル)フエノ−ル類を製造する方法 - Google Patents

4−(パラフルオロベンゾイル)フエノ−ル類を製造する方法

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JPH0681738B2
JPH0681738B2 JP61166605A JP16660586A JPH0681738B2 JP H0681738 B2 JPH0681738 B2 JP H0681738B2 JP 61166605 A JP61166605 A JP 61166605A JP 16660586 A JP16660586 A JP 16660586A JP H0681738 B2 JPH0681738 B2 JP H0681738B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、耐熱性ポリマー用のモノマー、あるいは農
薬、医薬等の中間体として重要な4−(パラフルオロベ
ンゾイル)フエノール類の製造方法に関する。
(従来の技術及び問題点) 4−(パラフルオロベンゾイル)フエノールの製法とし
て、パラフルオロ安息香酸とフエノールとを、大量のポ
リリン酸中で反応させる方法(特公昭50-4653号公
報)、大量の無水フツ化水素中で反応させる方法(特開
昭53-9735号公報)、大量のメタンスルホン酸中で反応
させる方法(特開昭57-154140号公報)、大量のトリフ
ルオロメタンスルホン酸中で反応させる方法(特開昭58
-62132号公報)が提案されているが、これらの方法では
パラフルオロ安息香酸が高価なことと、大量の強酸を使
用することと、さらには脱水反応によつて生成した水に
よつてこれらの酸が希釈されてしまい、必要な酸の濃度
を保持するためには濃縮しなければならないが、これら
の酸と水との親和性が大きくその分離が困難であること
などの欠点を有している。また、パラフルオロ安息香酸
クロリドとフエノールとのフリーデル・クラフツ反応を
行う方法(特開昭53-9735号公報、特開昭58-15936号公
報)も提案されているが、パラフルオロ安息香酸クロリ
ドはさらに高価なものである。
さらに、フツ化ベンゼンとパラヒドロキシ安息香酸と
を、無水フツ化水素−三フツ化ホウ素中で反応させる方
法(特開昭58-15936号公報)、大量のトリフルオロメタ
ンスルホン酸中で反応させる方法(特開昭58-62132号公
報)も提案されているが、パラヒドロキシ安息香酸が比
較的高価な原料であることと、脱水反応によつて生成し
てくる水とこれらの強酸との分離が前述のように困難な
ことなどの欠点を有している。
(問題点を解決するための手段) そこで本考案者らは、簡単な化合物であるフツ化ベンゼ
ン、一酸化炭素、フエノール類のアルカリ金属塩から安
価に、4−(パラフルオロベンゾイル)フエノール類を
製造する方法について鋭意検討を重ねた結果、本考案を
完成するに至つた。
すなわち本考案は、 a)臭素、または/及び分子状酸素と臭化水素とから成
るブロム化剤をフツ化ベンゼンに反応させてパラブロモ
フルオロベンゼンを得るブロム化工程、 b)該パラブロモフルオロベンゼンをカルボニル化触媒
の存在下に一酸化炭素及びパラ位に置換基を持たないフ
エノール類のアルカリ金属塩と反応させて、パラフルオ
ロ安息香酸フエニルエステル類を得るエステル化工程、
及び c)該パラフルオロ安息香酸フエニルエステル類を酸触
媒の存在下、4−(パラフルオロベンゾイル)フエノー
ル類に転位させる転位反応工程を包含することを特徴と
する4−(パラフルオロベンゾイル)フエノール類を製
造する方法である。
本発明の方法は次のような反応式で表わされる。
a)ブロム化工程 b)エステル化工程 c)転位反応工程 (式中、R1、R2、R3、R4は、それぞれ水素または、低級
アルキル基、低級アルコキシ基、フツ素原子、ニトロ
基、シアノ基から選ばれた置換基を表わし、これらは、
それぞれが同じものであつてもよい。また、M′はアル
カリ金属原子を表わす。) 本発明のブロム化工程においては、ブロム化剤として臭
素、または分子状酸素と臭化水素を、それぞれ単独で、
または組み合わせて用いることができる。
臭素を用いるフツ化ベンゼンのブロム化反応は気相、液
相いずれでもできるが、パラブロモフルオロベンゼンを
高選択率、高収率で得るためには液相での反応がより好
ましい。そしてこの液相ブロム化反応を実施する際に
は、臭素1モル当り、1.1〜10モルのフツ化ベンゼンを
用いることが好ましく、より好ましくは1.3〜5モルの
フツ化ベンゼンが用いられる。フツ化ベンゼンの使用量
が臭素1モル当り1.1モルより少ないと、ジブロモフル
オロベンゼンやトリブロモフルオロベンゼン等の多ブロ
ム化フルオロベンゼンの副生量が増したり、未反応の臭
素が残つたりして、パラブロモフルオロベンゼンの収率
や選択率が低下する。また、10倍モルより多くのフツ化
ベンゼンを用いることは、ブロム化反応自体は問題がな
いが、反応器が大きくなつたり、分離すべき未反応のフ
ツ化ベンゼンの量が多くなるので、好ましい方法ではな
い。
また、パラブロモフルオロベンゼンの選択率を上げ、異
性体であるオルトブロモフルオロベンゼンやメタブロモ
フルオロベンゼン、あるいは多ブロム化フルオロベンゼ
ンの副生量を低くするためには、液相ブロム化反応はで
きるだけ低温で行うことが好ましい。このような意味で
は、反応は100℃以下の温度で行われるのが好ましく、
その範囲は−20〜100℃であり、より好ましくは−10〜8
0℃の範囲である。
この液相ブロム化反応は、無触媒でも実施できるが、触
媒を使用することも、反応温度を低下させてパラブロモ
フルオロベンゼンの選択率を向上させたり、反応速度を
上げたりできるので好ましい方法である。
このような触媒としては、鉄粉、塩化鉄、臭化鉄、水酸
化鉄などの鉄触媒;塩化アルミニウム、臭化アルミニウ
ムなどのアルミニウム触媒;ヨウ素などを用いることが
できる。特に好ましいのは鉄触媒である。
また、液相ブロム化反応においては、フツ化ベンゼン以
外の他の溶媒を用いずに実施することも好ましい方法で
あるが、必要に応じて溶媒を用いることもできる。この
ような溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないもので
あれば、どのようなものも使用できるが、例えば、酢
酸、プロピオン酸等の低級脂肪族カルボン酸類;四塩化
炭素、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエタン
などの低級脂肪族ハロゲン化炭化水素類;エーテル、ジ
オキサンなどのエーテル類;二硫化炭素などがあげられ
る。
この液相ブロム化反応は、回分式でも流通式でも実施で
きるが、反応系中では、臭素に対してフツ化ベンゼンが
当量より過剰に存在している状態で反応させることが重
要である。
このような臭素をブロム化剤とする液相ブロム化反応に
よつて、パラブロモフルオロベンゼンが臭素に対して80
%以上の収率及び選択率で得られ、通常の場合、さらに
高い90%以上あるいは95%以上の収率及び選択率が達成
できる。
また、分子状酸素と臭化水素をブロム化剤として使用す
るフツ化ベンゼンのオキシブロム化反応の場合も、気
相、液相のいずれでも実施できるが生産性の高いことや
爆発限界のことを考慮すれば気相での反応がより好まし
い。
この気相オキシブロム化反応は、無触媒でも実施できる
が、パラブロモフルオロベンゼンの収率や選択率をより
向上させたり、反応温度を低下させたり、反応速度を向
上させる目的で、触媒を用いることがより好ましい方法
である。このような触媒としては、銅系触媒や液相ブロ
ム化反応で用いることのできる鉄系触媒、およびこれら
を混合した触媒などが好ましく用いられるが、特に好ま
しいのは、銅を含有する固体触媒である。このような銅
系触媒としては、銅粉などの銅金属;塩化銅、臭化銅、
ヨウ化銅などのハロゲン化物類;硝酸銅、硫酸銅、酢酸
銅などの塩類;酸化第一銅、酸化第二銅、硫化銅などの
酸化物および硫化物類などの各種銅化合物が用いられ
る。
これらの金属状銅または銅化合物は、単独でも用いるこ
ともできるが、例えば、活性炭、グラフアイト、シリ
カ、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ−チタニア、
チタニア、ジルコニア、硫酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、アスベスト、ベントナイト、ケイソウ土、ポリマ
ー、イオン交換樹脂、ゼオライト、モレキユラーシー
ブ、ケイ酸マグネシウム、マグネシアなどの担体に担持
されたものであつてもよい。
また、銅を含有する固体触媒として、銅イオンでイオン
交換したゼオライトも好ましく用いられる。このような
銅イオン交換ゼオライトは、ゼオライトを銅イオンを含
む水溶液中に浸漬することによつて、ゼオライト中のナ
トリウムカチオンを所定量の銅カチオンで交換した後、
乾燥したものであつて、容易に得られるものである。銅
イオンの交換量は、イオン交換容量の5%以上であり、
より好ましくは10%以上である。なお、ここでいうイオ
ン交換容量とは、ゼオライトのアニオン部であるAlO
と対をなすカチオン部の総量である。
このようなゼオライトとしては、Y型ゼオライト、モル
デナイト、ZSM−5などが好ましく用いられるが、特に
好ましいのはY型ゼオライトである。
この気相オキシブロム化反応の原料中のフツ化ベンゼン
の臭化水素に対するモル比は1.0〜10の範囲であり、よ
り好ましくは1.2〜8の範囲である。この比が1.0より小
さいと、未反応の臭化水素が残つたり、多ブロム化フル
オロベンゼンの副生量が増加するので好ましくない。ま
た、この比を10以上で実施することは、反応上は悪影響
はないが、パラブロモフルオロベンゼンの空時収率が低
下し、分離すべき未反応のフツ化ベンゼンの量が増える
ので好ましい方法ではない。
また、供給ガス中の分子状酸素の臭化水素に対するモル
比は0.5〜10の範囲であり、より好ましくは0.6〜5の範
囲である。この比が0.5より小さいと、未反応の臭化水
素が残るので好ましくない。また、10より大きくする
と、生成物の空時収率が低下するので好ましくない。
この分子状酸素とは、純酸素または酸素を含むものであ
つて、空気でもよいし、あるいは空気または純酸素に反
応を阻害しない他のガス、例えば、窒素、アルゴン、ヘ
リウム、炭酸ガスなどの不活性ガスを加えて希釈したも
のであつてもよい。
気相オキシブロム化反応の反応温度は、反応系を気相に
保てる温度であれば特に制限はないが、あまり高温にな
ると、パラブロモフルオロベンゼンの選択率や収率が低
下するため、通常は60〜400℃、好ましくは100〜300
℃、さらに好ましくは150〜250℃の範囲である。
気相オキシブロム化反応は、減圧、常圧、加圧のいずれ
の圧力下でも実施できるが、通常、0.5〜10気圧、好ま
しくは0.8〜5気圧の範囲で行われる。
このような気相オキシブロム化反応によつて、パラブロ
モフルオロベンゼンが臭化水素に対して、80%以上の収
率及び選択率で得られ、通常の場合、さらに高い90%以
上の収率及び選択率が達成できる。
気相オキシブロム化反応において、ブロム源ととして、
臭化水素のみでなく、臭化水素と臭素の混合物を用いる
ことも、もちろん可能である。
臭素を用いるブロム化反応の場合、通常、臭化水素が副
生するので、この副生臭化水素をオキシブロム化反応に
使用することも好ましい方法である。この場合、副生臭
化水素を系外に取り出して別のオキシブロム化反応装置
で反応を行うこともできるし、臭素を使うブロム化の反
応系内に酸化剤である分子状酸素や硝酸などを加えるこ
とによつてオキシブロム化反応を併発させながら行うこ
ともできる。
もちろん、副生する臭化水素あるいはそれを塩の形でブ
ロム化反応の系外に取り出して、公知の方法で臭素とし
て回収することも可能である。
このようなブロム化反応によつて得られたブロム化フル
オロベンゼン混合物は、パラブロモフルオロベンゼンを
主成分とするものであるが、通常は少量のオルトブロモ
フルオロベンゼンを含んでいる場合があり、場合によつ
ては微量のメタブロモフルオロベンゼンやジブロモフル
オロベンゼンを含んでいることもあるが、これらの副生
物は必要に応じて蒸留および/または晶析等の操作によ
つて除去することができる。
本発明のエステル化工程においては、ブロム化工程で得
られたパラブロモフルオロベンゼンをカルボニル化触媒
の存在下に、一酸化炭素、及びパラ位に置換基を持たな
いフエノール類のアルカリ金属塩と反応させて、パラフ
ルオロ安息香酸フエニルエステル類を得る。
カルボニル化触媒としては、パラジウム、ロジウム、ル
テニウム、白金、イリジウムなどの白金属元素を含む触
媒、あるいは、鉄、コバルト、ニツケルなどの金属元素
を含む触媒が好ましく用いられる。特に好ましいのはパ
ラジウム触媒またはニツケル触媒である。パラジウム触
媒としては、成分としてパラジウム元素を含むものであ
れば特に制限はなく、パラジウムが金属状態であつても
よいし、化合物を形成する成分であつてもよい。また、
このパラジウム成分が例えば、活性炭、グラフアイト、
シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ−チタニ
ア、チタニア、ジルコニア、硫酸バリウム、炭酸カルシ
ウム、アスベスト、ベントナイト、ケイソウ土、ポリマ
ー、イオン交換樹脂、ゼオライト、モレキユラーシー
ブ、ケイ酸マグネシウム、マグネシアなどの担体に担持
されたものであつてもよい。
金属状態のパラジウムとしては、パラジウム金属、パラ
ジウム黒、パラジウムイオンを含む化合物を前記のよう
な担体に担持した後、水素やホルムアルデヒド、ヒドラ
ジンなどで還元処理したもの、およびパラジウムを含む
合金あるいは金属間化合物などが用いられる。合金ある
いは金属間化合物としては、例えば、セレン、テルル、
イオウ、アンチモン、ビスマス、銅、銀、金、亜鉛、ス
ズ、バナジウム、鉄、コバルト、ニツケル、水銀、鉛、
タリウム、クロム、モリブデン、タングステンなどを含
むものがあげられる。もちろん、これらの合金あるいは
金属間化合物が、前記のような坦体に担持されたもので
あつてもよい。
一方、パラジウムを含む化合物としては、PdCl2、PdB
r2、PdI2、Pd(NO3)2、PdSO4などの無機塩類;Pd(OCOC
H3)2、シユウ酸パラジウムなどの有機酸塩類;Pd(CN)2;
PdO;PdS;M〔PdX4〕、M〔PdX5〕で示されるパラジ
ウム酸塩類(Mはアルカリ金属、またはアンモニウムイ
オンを表わし、Xはニトロ基、シアノ基、ハロゲン、NO
3を表わす);〔Pd(NH3)4〕X、〔Pd(en)2〕Xなど
のパラジウムのアンミン錯体類(Xは上記と同じ意味を
もち、enはエチレンジアミンを表わす);PdCl2(PhC
N)2、PdCl2(PR3)2)、Pd(CO)(PR3)3、Pd(PPh3)4、PdCl
(R)(PPh3)2、Pd(C2H4)(PPh3)2、Pd(C3H5)2などの錯化合
物または有機金属化合物類(Rはアルキル、アリールな
どの有機基を表わす);Pd(acac)2などのキレート配位
子が配位した錯化合物類(acacはアセチルアセトンを表
わす)などが用いられる。
また、本発明では用いられるニツケル触媒とは、成分と
してニツケル元素を含むものであれば特に制限はなく、
ニツケルが金属状態であつてもよいし、化合物を形成す
る成分であつてもよい。さらに、このニツケル成分が前
記のような坦体に担持されたものであつてもよい。
一方、ニツケルを含む化合物としては、NiCl2、NiBr2
NiI2などのハロゲン化ニツケル類;NiSO4、Ni(NO3)2、N
iCO3、Ni(SCN)2、Ni(ClO4)2などの無機酸のニツケル塩
類;Ni(OCOCH3)2、シユウ酸ニツケルなどの有機酸のニ
ツケル塩類;酸化ニツケル;水酸化ニツケル;硫化ニツ
ケル;リン化ニツケル;M〔NiX4〕、M〔NiX6〕で示
されるニツケル酸塩類(Mはアルキル金属またはアンモ
ニウムイオンを表わし、Xはニトロ基、シアノ基、ハロ
ゲン、NO3、1/2SO4を表わす);Ni(NH3)4〕X2、〔Ni(Y)
3〕X、〔Ni(Y)2〕X、〔Ni(py)4〕Xなどのニツ
ケルのアンミン錯体類(Xは上記と同じ意味をもち、Y
はエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ビピリジ
ン、フェナントロリンなどのキレート配位子を表わし、
pyはピリジンを表わす);Ni(acac)2などのキレート配
位子が配位した錯化合物類(acacはアセチルアセトンを
表わす);Ni(CO)4、Ni(CO)3(PR3)、Ni(CO)2(PR3)2、Ni
X2(PR3)2、NiX(PR3)3、Ni(PR3)4、NiXPh(PR3)2、Ni(RN
C)2、〔NiX(allyl)〕Ni(C、Ni(CO)2(C5H
5)2、NiX(C5H5)(PR3)、Ni(COD)2、Ni(COD)(PR3)などの
錯化合物または有機ニツケル化合物類(R、Xは前記の
通りで、CODはシクロオクタジエンを表わす)などが用
いられる。なお、これらの化合物の中で或る種のものに
ついては、水和物の形で用いてもよい。
これらのパラジウム触媒およびニツケル触媒は、1種だ
け用いてもよいし、2種以上を用いることもできる。
さらに、収率や選択率を向上させたり、反応速度を上げ
たり、反応温度を下げたりする目的で、他の化合物を添
加することもできる。このような化合物としては、例え
ば、一般式(1)で示されるようなホスフイン化合物が
あげられる。
PR1′R2′R3′ (1) (式中、R1′、R2′R3′は水素、ハロゲン、脂肪族基、
脂環族基、芳香族基、芳香脂肪族基を表わし、これらは
同じものであってもよいし、また、リンを含む環を構成
する要素であつてもよい。) もちろん、このようなリンを1分子中に2個以上含むポ
リホスフイン化合物であつてもよい。
このようなホスフイン化合物としては、例えば、n−オ
クチルホスフイン、ジ−n−ブチルホスフイン、ジエチ
ルブチルホスフイン、ジ−n−ブチルホスフイン、ジエ
チルブチルホスフイン、トリ−n−プロピルホスフイ
ン、トリ−n−ブチルホスフインなどのアルキルホスフ
イン、ジアルキルホスフインおよびトリアルキルホスフ
イン類;シクロヘキシルホスフイン、ジシクロヘキシル
ホスフインなどの脂肪族ホスフイン類;ベンジルホスフ
イン、ジベンジルヘホスフイン、ジベンジルエチルホス
フイン、トリベンジルホスフインなどの芳香脂肪族ホス
フイン類;メチルフエニルホスフイン、エチルフエニル
ホスフイン、ジメチルフエニルホスフイン、メチルジフ
エニルホスフイン、メチルベンジルフエニルホスフイ
ン、エチルジフエニルホスフイン、ジシクロヘキシルフ
エニルホスフインなどの混合ホスフイン類;フエウニホ
スフイン、トリルホスフイン、ジフエニルホスフイン、
トリフエニルホスフイン、トリストリルホスフイン、ジ
フエニルトリルホスフインなどのアリールホスフイン、
ジアリールホスフインおよびトリアリールホスフイン
類;ビス(ジフエニルホスフイノ)メタン、ビス(ジフ
エニルホスフイノ)エタン、オルトフエニレンビス(ジ
エチルホスフィン)、2,2′−ビス(ジフエニルホスフ
イン)−1,1′−ビナフチルなどのジホスフイン類など
が用いられる。
このようなホスフイン化合物は、1種類でもよいし、2
種類以上混合して用いてもよい。このようなホスフイン
化合物の中で、特にトリアリールホスフインが好ましく
用いられる。トリアリールホスフインの中でも、入手の
容易さなどの理由でトリフエニルホスフインが特に好ま
しく用いられる。
本発明で用いられるパラ位に置換基を持たないフエノー
ル類のアルカリ金属塩とは一般式 で表わされる化合物であつて、フエノール類のヒドロキ
シ基の水素原子がアルキル金属原子によつて置換された
化合物である。(但し、R1、R2、R3、R4、M′は前記の
通りである。) このような化合物は、どのような方法で得られたもので
あつてもよいが、例えばアルカリ金属原子を含む塩基性
物質と、パラ位に置換基を持たないフエノール類とから
容易に得られる。アルキル金属原子を含む塩基性物質と
しては、例えば、アルカリ金属、アルカリ金属酸化物、
アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ
金属重炭酸塩などがあげられる。とりわけ、フエノール
類と水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウムなどのアルカリ
金属水酸化物との反応による方法が最も容易である。
このようなパラ位に置換基を持たないフエノール類のア
ルカリ金属塩の原料となるフエノール類としては例えば
フエノール、クレゾール、ジメチルフエノール、トリメ
チルフエノール、テトラメチルフエノール、エチルフエ
ノール、ジエチルフエノール、トリエチルフエノール、
エチレンクレゾール、メトキシフエノール、エトキシフ
エノール、ジメトキシフエノール、メトキシクレゾー
ル、フルオロフエノール、ジフルオロフエノール、フル
オロクレゾール、ニトロフエノール、ジニトロフエノー
ル、ニトロクレゾール、シアノフエノール、ジシアノフ
エノール、シアノクレゾール、フルオロニトロフエノー
ル、フルオロニトロクレゾール、フルオロシアノフエノ
ール、ニトロシアノフエノール、シクロヘキシルフエノ
ール、シクロヘキシルクレゾーン、シクロヘキシルフル
オロフエノールなどが用いられる(但し、置換フエノー
ルの場合、ヒドロキシル基に対してパラ位が置換された
ものは除く)。
このようなフエノール類のアルカリ金属塩の中で、フエ
ノールまたは2,6−ジメチルフエノールのナトリウム塩
またはカリウム塩が特に好ましく用いられる。
一酸化炭素は純一酸化炭素でもよいし、窒素、アルゴ
ン、ヘリウム、低級炭化水素などの反応に悪影響を及ぼ
さない他のガスで希釈されたものであつてもよい。一酸
化炭素は分圧で0.1〜300kg/cm2、好ましくは1〜200kg/
cm2の範囲で使用される。
エステル化工程を実施するに当り、カルボニル化触媒
は、その中に含まれる金属原子として、バラブロモフル
オロベンゼンに対して、通常0.0001〜1,000倍モルの量
で使用されるのが好ましい。
また、ホスフイン化合物のような添加剤を用いる場合に
は、カルボニル化触媒中の金属原子に対して通常0.01〜
1,000倍モルの量で使用されるのが好ましい。
パラ位に置換基を持たないフエノール類のアルカリ金属
塩は、パラブロモフルオロベンゼンに対して0.5〜2.0当
量、より好ましくは0.8〜1.5当量の範囲で用いられる。
本発明のエステル化工程においては、反応溶媒を用いな
くてもよいが、必要に応じて、反応に悪影響を及ぼさな
い溶媒を用いることができる。
このような溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、デカン、ペンタデカンなどの脂肪族炭化
水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの
脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メ
シチレンなどの芳香族炭化水素類;アセトニトリル、ベ
ンゾニトリルなどのニトリル類;スルホラン、メチルス
ルホラン、ジメチルスルホランなどのスルホン類;テト
ラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエ
タンなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン
などのケトン類;酢酸エチル、安息香酸エチルなどのエ
ステル類;N.N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルホ
スホルアミドなどのアミド類などがあげられる。
エステル化反応は、通常50〜350℃、好ましくは100〜30
0℃の範囲で、また、反応圧力は、通常1〜500kg/cm2
好ましくは5〜300kg/cm2の範囲で実施される。
このようなカルボニル化反応を行うことによつて、パラ
ブロモフルオロベンゼンのフツ素原子は置換されずに、
臭素原子のみがアリーロキシカルボール基によつて置換
されたパラフルオロ安息香酸フエニルエステル類が、90
%以上の高収率及び高選択率で得られることがわかつ
た。
またエステル化工程で副生するアルカリ金属臭化物は、
例えばエステル化反応混合物を水洗するなどの方法によ
り、パラフルオロ安息香酸フエニルエステル類から容易
に分離される。そしてこのアルカリ金属臭化物からは、
公知の方法によつて、臭化水素、または臭素が回収する
ことができ、これらはブロム化工程に循環再使用するこ
とができる。
本発明の転位反応工程においては、エステル化工程で得
られたパラフルオロ安息香酸フエニルエステル類を酸触
媒の存在下、転位反応を行つて目的とする4−(バラフ
ルオロベンゾイル)フエノール類を得る。
転位反応工程において用いることのできる酸触媒として
は、実質的に水を殆んど含まないものであれば使用する
ことができるが、収率や選択率をできるだけ高くするた
めに、ルイス酸、および/または強酸性プロトン酸を用
いることが好ましい。このようなルイス酸としては、ホ
ウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウ
ム、スカンジウム、イツトリウムなどのIII属の元素の
ハロゲン化物類;ケイ素、ゲルマニウム、スズ、チタ
ン、ジルコニウムなどのIV属の元素のハロゲン化物類;
アンチモン、ビスマス、バナジウム、ニオブ、タンタル
などのV属の元素のハロゲン化物類、鉄、銅、亜鉛など
の金属のハロゲン化物類などが用いられる。また強酸性
プロトン酸としては、無水フツ化水素;トリフルオロ酢
酸、パーフルオロプロピオン酸などのフルオロカルボン
酸類;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼン
スルホン酸などのスルホン酸類;フルオロスルホン酸、
クロルスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ト
リクロロメタンスルホン酸、パーフルオロエタンスルホ
ン酸などのハロゲン化スルホン酸類及び、ハロゲン化ア
ルカンスルホン酸類などが用いられる。また固体酸であ
る高シリカ含有ゼオライト、強酸性陽イオン交換樹脂
や、固体超強酸と呼ばれる酸類も本発明の転位反応に用
いることができる。固体超強酸とは100%硫酸よりも強
い酸強度をもつ固体状の強酸のことであり、このものと
しては、例えばSbF5、TaF5、BF3、CF3SO3H、SbF5-HF、S
bF5-FSO3H又はこれらの混合物などをSiO2-Al2O3、SiO2-
TiO2、SiO2-ZrO2、TiO2-ZrO2、Al2O3-B2O3、SiO2-WO3
HF−ゼオライト、Al2O3、SiO2、グラフアイト、陽イオ
ン交換樹脂、活性炭、フツ素化グラフアイトなどに担持
させたもの、フツ素化スルホン酸樹脂などを挙げること
ができる。ここで、フツ素化スルホン酸樹脂とは-CF2SO
3H基および/またはCFSO3H基を有する樹脂のことであ
る。
これらの酸は、単独で、あるいは2種以上を混合して用
いることができる。
また、この転位反応は無溶媒で行つてもよいが、反応に
悪影響を及ぼさない溶媒を用いることもできる。このよ
うな溶媒としては、二硫化炭素;クロロホルム、塩化メ
チレン、四塩化炭素、ジクロルエタン、トリクロロエタ
ン、テトラクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;
クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、ブロムベンゼン、
クロルナフタレンなどのハロゲン化芳香族炭化水素類;
ニトロベンゼン、ニトロトルエン、ニトロメタンなどの
ニトロ化合物類などが用いられる。
この転位反応は、実質的に無水の条件下で行うことが好
ましい。反応系中に水が存在するとパラフルオロ安息香
酸フエニルエステル類の加水分解が起り、目的とする4
−(パラフルオロベンゾイル)フエノール類の収率が低
下するからである。したがつて酸触媒中の水分はもちろ
んのこと、溶媒を用いる場合は溶媒中の水分率をできる
だけ低くしておくことが好ましい。
またこの転位反応を行う温度及び反応時間は用いる触媒
や溶媒の種類などの他の反応条件によつて異なるが、通
常−30〜250℃、好ましくは−20〜200℃の温度範囲で、
数分〜数十時間の範囲である。
このような転位反応を行うことによつて、パラフルオロ
安息香酸フエニルエステル類から、高収率、高選択率で
4−(パラフルオロベンゾイル)フエノール類が得られ
る。
(発明の効果) 本発明の方法により、フツ化ベンゼン、一酸化炭素及び
パラ位に置換基を持たないフエノール類のアルカリ金属
塩から、高収率、高選択率で4−(パラフルオロベンゾ
イル)フエノール類が製造できることが明らかとなつ
た。
(実施例) 以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明
は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 攪拌装置、温度計、液中まで延びた窒素導入口、冷却管
およびガス出口、液中まで導入口が延びている滴下ロト
を備えた4つ口フラスコを用いて液相ブロム化反応を実
施した。フラスコ内にフツ化ベンゼン40g、鉄粉0.2gを
入れ、乾燥窒素を少しずつ流しながら、系を5〜10℃に
冷却した。攪拌下に、滴下ロートから臭素25gを徐々に
滴下した。臭化水素ガスの発生量がほぼ一定となるよう
に臭素を加え、10〜15℃で反応させた。約30分を要し
た。次いで、40℃で約30分反応を続けた結果、臭素は完
全に消費された。
液相から未反応のフツ化ベンゼンを留去することによつ
て、ブロム化フルオロベンゼン混合物27.3gが得られ
た。ブロム化フルオロベンゼン混合物中の組成は、パラ
ブロモフルオロベンゼン98.5%、オルトブロモフルオロ
ベンゼン1.0%、メタブロモフルオロベンゼン0.5%であ
つた。
このブロム化フルオロベンゼン混合物から晶折操作によ
つて、分離されたパラブロモフルオロベンゼンを用いて
次のエステル化工程を行つた。
バラブロモフルオロベンゼン17.5g、ナトリウムフエノ
キシド11.6g、塩化パラジウム0.1g、トリフエニルホス
フイン0.3g、トルエン60gをオートクレーブに入れ、オ
ートクレーブの内部を一酸化炭素で置換した後、一酸化
炭素を50kg/cm2に圧入した。攪拌下に220℃で2時間反
応させた後、冷却し、反応液を分析した結果、パラブロ
モフルオロベンゼンの反応率は98%で、パラフルオロ安
息香酸フエニルエステルが収率97%、選択率99%で得ら
れた。
エステル化反応混合物を減圧蒸留することによつて得ら
れたパラフルオロ安息香酸フエニルエステルを用いて、
次の転位反応工程を行つた。
パラフルオロ安息香酸フエニル10.8g、トリフルオロメ
タンスルホン酸22gをフラスコに入れ、攪拌下45〜50℃
で2時間反応させた。その後大部分のトリフルオロメタ
ンスルホン酸を減圧下に留去した後、反応混合物を冷水
に入れた。生成した白色結晶をロ別にして減圧下に乾燥
して分析した結果、4−(パラフルオロベンゾイル)フ
エノールが収率96%、選択率96%で得られたことがわか
つた。
未反応のフッ化ベンゼン及びパラブロモフルオロベンゼ
ンは、それぞれ回収されてブロム化工程及びエステル化
工程に循環再使用できるので、本実施例は、反応したフ
ツ化ベンゼンを基準として4−(パラフルオロベンゾイ
ル)フエノールが収率93.6%、選択率93.6%で得られた
ことを示している。
実施例2 Y型ゼオライトのナトリウムイオンの約65%を2価の銅
イオンで交換して調製した銅−Y型ゼオライトを触媒と
して充填した内径1.5cmのガラス製の反応管の上部か
ら、臭化水素ガス、分子状酸素、フツ化ベンゼン、およ
び希釈剤としての窒素を導入することでフツ化ベンゼン
の気相オキシブロム化反応を行つた。
供給原料組成は、モル比でフツ化ベンゼン/HBr/O2/N2
=2/1/1/3で、フツ化ベンゼン基準のWHSVは10hr-1、常
圧下、190〜200℃の温度で反応を行い、定常状態になつ
た後、反応生成物を分析した結果、臭素水素の反応率は
100%で、フツ化ベンゼンの反応率は49%であり、ブロ
ム化フルオロベンゼン混合物中の組成は、モル%でパラ
ブロモフルオロベンゼン93.1%、オルトブロモフルオロ
ベンゼンナ2.7%、メタブロモオルフロベンゼン3.0%、
ジブロモフルオロベンゼン1.2%であつた。
このブロム化フルオロベンゼン混合物から蒸留及び晶折
によつて得られたパラブロモフルオロベンゼンを用い
て、次のエステル化反応を行つた。
パラブロモフルオロベンゼン17.5g、ナトリウム−2,6−
ジメチルフエノキシド14.4g、パラジウム黒25mg、トリ
フエニルホスフイン0.4gを用い、実施例1のエステル化
工程と同様な方法で230℃で2時間反応させた結果、パ
ラブロモフルオロベンゼンの反応率は98%で、パラフル
オロ安息香酸−2,6−ジメチルフエニルエステルが収率9
7%、選択率99%で得られた。
なお、ナトリウム−2,6−ジメチルフエノキシドは、2,6
−ジメチルフエノールと当量の水酸化ナトリウムを水溶
液中で反応させた後、脱水・乾燥して得られたものを使
用した。
このパラフルオロ安息香酸2,6−ジメチルフエニルエス
テル19,5g、メタンスルヘホン酸76gをフラスコに入れ攪
拌下に150℃で1.5時間反応させた後、減圧下に大部分の
メタンスルホン酸を留去した。次いで反応混合物を冷水
に入れ生成してくる白色結晶をロ別し、減圧下に乾燥し
た。この白色結晶は、4−(パラフルオロベンゾイル)
−2,6−ジメチルフエノールであり、その収率は97%で
選択率は99%であつた。
未反応のフツ化ベンゼン及びパラブロモフルオロベンゼ
ンは、それぞれ回収されてブロム化工程及びエステル化
工程に循環再使用できるので、本実施例は、反応したフ
ツ化ベンゼンを基準として4−(パラフルオロベンゾイ
ル)−2,6−ジメチルフエノールが収率89.4%、選択率9
1.2%で得られたことを示している。
実施例3 ブロム化工程を図1に示すような連続反応装置を用い
て、臭素による液相ブロム化反応と、その時に副生して
くる臭化水素による気相オキシブロム化反応を連続的に
実施した。
液相ブロム化反応装置の第1槽(1)は5〜10℃、第2
槽(2)は20〜25℃、第3槽(3)は40〜45℃に保たれ
ており、平均滞留時間は、それぞれ40分となるように、
フツ化ベンゼンと臭素をモル比3対1の割合で第1槽
(1)に導入した。触媒はFeBr3がフツ化ベンゼンに対
して0.1モル%となるように添加されていた。
第3槽(3)からオーバフローで流出してくる液相反応
混合物は、蒸留装置(4)に導き、塔頂よりフツ化ベン
ゼンを、塔中段よりモノブロモフルオロベンゼンを回収
し、塔底より多ブロム化フルオロベンゼンと触媒を分離
した。
塔頂より回収されたフツ化ベンゼンの一部と、液相ブロ
ム化反応で生成した臭化水素ガスは、気相オキシブロム
化反応器(5)の上部から、酸素および窒素と共に導入
されている。そのモル比は、フツ化ベンゼン/HBr/O2/N
2=1.2/1/0.8/3となるように調整されており、反応混合
物は蒸留装置(6)に導き、分離されている。気相オキ
シブロム化反応装置には、実施例1で用いたのと同じCu
2+イオン交換Yゼオライトが充填されており、反応温度
190〜200℃、WHSV7hr-1で反応が行われた。
液相ブロム化反応で得られたブロム化フルオロベンゼン
中のモノブロモフルオロベンゼンの選択率は99%であ
り、モノブロモフルオロベンゼン中のパラ体は97%、オ
ルト体2%、メタ体1%であつた。
また気相オキシブロム化反応で得られたたブロム化反応
で得られたブロム化フルオロベンゼン中のモノブロモフ
ルオロベンゼンの選択率は97%であり、モノブロモフル
オロベンゼン中のパラ体は94%、オルト体2%、メタ体
4%であつた。
このブロム化フルオロベンゼン混合物から、蒸留及び晶
折によつて得られたパラブロモフルオロベンゼンを用い
て、次のエステル化工程を行つた。
パラブロモフルオロベンゼン17.5g、フエノールと当量
の水酸化ナトリウムを水溶液中で反応させた後、脱水、
乾燥して得られたナトリウムフエノキシド12.8g、ニツ
ケルアセチルアセトナートNi(acac)25mmol、トルエン60
gをオートクレーブに入れ、オートクレーブの内部を一
酸化炭素で置換した後、一酸化炭素を50kg/cm2に圧入し
た。攪拌下に250℃で2時間反応させた後、冷却し、反
応液を分析した結果、パラブロモフルオロベンゼンの反
応率は96%で、パラフルオロ安息香酸フエニルエステル
が収率84%、選択率88%で得られた。
エステル化反応混合物を減圧蒸留することによつて得ら
れたパラフルオロ安息香酸フエニルエステルを用いて、
次の転位反応工程を行つた。
パラフルオロ安息香酸フエニルエステル15g、液状無水
フツ化水素150gを還流冷却器付ポリエチレン製フラスコ
に入れ、攪拌下0〜10℃で6時間反応させた。反応後、
系を20〜40℃に上げ、無水フツ化水素を蒸留によつて回
収した。得られた残渣を少量の希アルカリ水および蒸留
水で洗浄した後、減圧下に乾燥した、生成物を分析した
結果、パラフルオロ安息香酸フエニルエステルの反応率
は67%で、4−(パラフルオロベンゾイル)フエノール
が収率66.3%、選択率99%で生成していた。異性体であ
る2−(パラフルオロベンゾイル)フエノールは1%し
か検出されなかつた。
未反応のフツ化ベンゼン、パラブロモフルオロベンゼン
及びパラフルオロ安息香酸フエニルエステルは、それぞ
れ回収されて、ブロム化工程、エステル化工程及び転位
反応工程に循環再使用できるので、本実施例は、反応し
たフツ化ベンゼンを基準として、4−(パラフルオロベ
ンゾイル)フエノールが収率81.5%、選択率81.5%で得
られたことを示している。
実施例4 実施例1のブロム化反応工程と同様な方法により臭素と
フツ化ベンゼンとの液相ブロム化反応によつて得られた
パラブロモフルオロベンゼンを用いて、次のエステル化
工程を行つた。
パラブロモフルオロベンゼン17.5g、カリウム−2,6−ジ
メチルフエノキシド17.6g、酢酸パラジウム60mg、トリ
ス−(4−メチルフエニル)ホスフイン0.3g、キシレン
50gをオートクレーブに入れ、実施例1のエステル化工
程と同様な方により反応を行つた結果、パラフルオロ安
息香酸−2,6−ジメチルフエニルエステルが収率95%、
選択率97%で得られた。
次いで、このパラフルオロ安息香酸−2,6−ジメチルフ
エニルエステル12.2g、無水塩化アルミニウム7.3g、乾
燥オルトジクロルベンゼン70mlをフラスコに入れ、150
℃で攪拌下に4時間反応させた。反応後、オルトジクロ
ルベンゼンを減圧下で留去、残渣に塩酸水溶液を入れ攪
拌した。次いで酢酸エチルで抽出を行い、抽出液から酢
酸エチルを留去するとこによつて、4−(パラフルオロ
ベンゾイル)−2,6−ジメチルフエノールを収率94%で
得た。反応で消費されたフツ化ベンゼン基準の収率は90
%であつた。
実施例5 実施例3のブロム化工程で得られたパラブロモフルオロ
ベンゼンを用いて、次のエステル化工程を行つた。
パラブロモフルオロベンゼン17.5g、ナトリウムフエノ
キシド13g、活性炭にパラジウム5w%担持した5%Pd/C1
g、トリフエニルホスフイン0.6g、トルエン60gをオート
クレーブに入れ、オートクレーブの内部を一酸化炭素で
置換した後、一酸化炭素を50kg/cm2圧入した。攪拌下に
200℃で2時間反応させた後、冷却し、Pd/C及び臭化ナ
トリウムをロ別し、液成分を分析した結果、パラフルオ
ロ安息香酸フエニルが収率99%、選択率99%で生成して
いた。
このエステル化反応混合物を含むロ液からベンゼンを留
去した後、減圧蒸留を行うことによつてパラフルオロ安
息香酸フエニルエステル20.6gを得た。
このパラフルオロ安息香酸フエニルエステル17.3g、メ
タンスルホン酸50g、トリフルオロメタンスルホン酸1g
をフラスコに入れ、攪拌下100℃で30分間反応させた
後、メタンスルホン酸及びトリフルオロメタンスルホン
酸の大部分を減圧下に留去した。次いで反応混合物を冷
水に入れ生成してくる白色結晶をロ別し、減圧下に乾燥
した。4−(パラフルオロベンゾイル)フエノールが収
率96%、選択率96%で得られた。反応で消費されたフツ
化ベンゼン基準の収率は89%であつた。
本発明の好ましい実施態様は次の通りである。
(1)ブロム化工程を、臭素による液相ブロム化反応で
実施する特許請求の範囲記載の方法 (2)ブロム化工程を、分子状酸素と臭化水素を用いる
気相オキシブロム化反応で実施する特許請求の範囲記載
の方法 (3)ブロム化工程を、臭素による液相ブロム化反応
と、分子状酸素と臭化水素を用いる気相オキシブロム化
反応を併用して実施する特許請求の範囲記載の方法 (4)パラ位に置換基を持たないフエノール類のアルカ
リ金属塩が、フエノールまたは2,6−ジメチルフエノー
ルのナトリウム塩またはカリウム塩である特許請求の範
囲記載の方法 (5)カルボニル化触媒が、パラジウム触媒またはニッ
ケル触媒である特許請求の範囲記載の方法 (6)酸触媒がルイス酸、および/または強酸性プロト
ン酸である特許請求の範囲記載の方法
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のブロム化工程の連続流通反応装置の
一例を示す模式図である。 1、2、3……液相ブロム化反応槽 4、6……蒸留塔 5……気相オキシブロム化反応器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)臭素、または/及び分子状酸素と臭化
    水素とから成るブロム化剤をフツ化ベンゼンに反応させ
    てパラブロモフルオロベンゼンを得るブロム化工程、 b)該パラブロモフルオロベンゼンをカルボニル化触媒
    の存在下に一酸化炭素及びパラ位に置換基を持たないフ
    エノール類のアルカリ金属塩と反応させて、パラフルオ
    ロ安息香酸フエニルエステル類を得るエステル化工程、
    及び c)該パラフルオロ安息香酸フエニルエステル類を酸触
    媒の存在下、4−(パラフルオロベンゾイル)フエノー
    ル類に転位させる転位反応工程を包含することを特徴と
    する4−(パラフルオロベンゾイル)フエノール類を製
    造する方法。
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