JPH0681720B2 - 感熱記録紙 - Google Patents

感熱記録紙

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JPH0681720B2
JPH0681720B2 JP2007929A JP792990A JPH0681720B2 JP H0681720 B2 JPH0681720 B2 JP H0681720B2 JP 2007929 A JP2007929 A JP 2007929A JP 792990 A JP792990 A JP 792990A JP H0681720 B2 JPH0681720 B2 JP H0681720B2
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良一 木西
英三郎 角
直樹 花山
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は発色感度、耐候性、保存性の向上した感熱記録
紙に関する。
〔従来技術・発明が解決しようとする課題〕
従来、クリスタルバイオレットラクトンなどの無色ない
し淡色の発色性物質とフェノール化合物が反応して発色
することは古くから知られており、この反応の感熱紙へ
の応用は、たとえば米国特許第3,539,375号において公
知である。
感熱記録紙では、感熱塗層中に発色性物質とフェノール
化合物がそれぞれ微細粒子状で分散あるいは異なる層中
に分割安定に存在しているものが加熱によって両者の一
成分が溶融または昇華し、あるいは両成分が溶融または
昇華して互いに密に接触し混合して熱発色すると考えら
れる。従って、反応発色剤の各成分は常温で無色ないし
淡色の結晶ないし固体であることが必要であって、融点
は70℃以上でかつ150〜200℃で完全に液化および/また
は気化するものがましい。
米国特許第3,539,375号にはこのような目的に使用する
適当なフェノール化合物の例の1つとして、4,4′−イ
ソプロピリデンジフェノールが記載されており、かつ、
今日多く使用されている化合物である。
しかしながら、最近の記録装置の進歩と用途の多様化、
高速反応性、高感度性などに対応すべき多くの難点を有
している。たとえば、サーマルプリンター、サーマルフ
ァクシミリ等において感熱記録紙の発色感度が不充分な
場合には消費電力が大きくなったり印字スピードが低下
するので発色感度を高める必要がある。
このような感熱記録紙の発色感度を向上させる方法とし
て、発色性物質とフェノール化合物の組合せにおいて、
たとえば、ワックス類を使用する例が特開昭48−19231
号に、また、含窒素化合物などの感度向上剤を使用する
例が特開昭49−34842号にそれぞれ記録されている。
また、これらの方法による発色感度の向上は記録画像の
消色などの保存性の問題を生ずる。
従って、発色感度、耐候性、保存性の向上した感熱記録
紙の開発が望まれていた。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、発色感度、耐候性、保存性の向上した感
熱記録紙について鋭意研究の結果、本発明を完成したも
のである。すなわち、本発明は、通常無色ないし淡色の
発色性物質とフェノール化合物を組み合わせて用いる感
熱記録紙において、一般式 (式中、Rは炭素数1〜5のアルキルを示す。)で表わ
されるジエーテル化合物を含有した発色感度、耐候性、
保存性の向上した感熱記録紙に関する。
本発明は、通常無色ないし淡色の発色性物質とフェノー
ル化合物を組み合わせてなる感熱記録紙において、一般
(式中、Rは炭素数1〜5のアルキルを示す。)で表わ
されるジエーテル化合物を含有した発色感度、耐候性、
保存性の向上した感熱記録紙を提供する。
一般式(I)の化合物としては、4,4′−ジメトキシジ
フェニルスルホン、4,4′−ジエトキシジフェニルスル
ホン、4,4′−ジプロポキシジフェニルスルホン、4,4′
−ジイソプロポキシジフェニルスルホン、4,4′−ジブ
トキシジフェニルスルホン、4,4′−ジイソブトキシジ
フェニルスルホン、4,4′−ジ第三ブトキシジフェニル
スルホン、4,4′−ジアミルオキシジフェニルスルホ
ン、4,4′−ジイソアミルオキシジフェニルスルホン、
4,4′−ジ第三アミルオキシジフェニルスルホン、4,4′
−ジフェネチルオキシジフェニルスルホンなどがあげら
れる。
用いられる発色性物質とは、通常(即ち、フェノール化
合物と未反応の状態)無色ないし淡色であり、フェノー
ル化合物と反応して発色しうるものであればいかなるも
のでもよく、たとえば、クリスタルバイオレットラクト
ン、マラカイトグリーンラクトン、3,3−ビス(パラジ
メチルアミノフェニル)−4,5,6,7−テトラクロルフタ
リド、ベンゾ−β−ナフトスピロピラン、3−メチル−
ジ−β−ナフトスピロピラン、1,3,3−トリメチル−
6′−クロロ−8′−メトキシインドリノベンゾスピロ
ピラン、N−フェニルローダミンラクタム、3−エチル
アミノ−6−クロロフルオラン、3−モルホリノ−5,6
−ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル
−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−
メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−
6,7−ジメチルフルオラン、3−ジメチルアミノ−7,8−
ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシ
フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミ
ノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフル
オラン、3−ジエチルアミノ−5,6−ベンゾ−7−ベン
ジルアミノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル
−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル・トリルア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−7−(N−3−トリフルオロメチルフェニ
ル)アミノフルオランがあげられるが、これらに限定さ
れるものではない。
フェノール化合物とは、一般に70℃以上で液化または気
化して前記発色性物質と反応して発色させる性質を有す
るフェノール化合物、たとえば、4−フェニルフェノー
ル、4−メチル−2,6−ジ第三ブチルフェノール、4,4′
−ジヒドロキシジフェノール、4,4′−イソプロピリデ
ンジフェノール、4,4′−イソプロピリデンビス(2−
クロルフェノール)、4,4′−イソプロピリデンビス
(2−メチルフェノール)、4,4′−イソプロピリデン
ビス(2−第三−ブチルフェノール)、4,4′−イソプ
ロピリデンビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4′−
第二−ブチリデンジフェノール、4,4′−シクロヘキシ
リデンジフェノール、4,4′−シクロヘキシリデンビス
(2−メチルフェノール)、4,4′−シクロヘキシリデ
ンビス(2−イソプロピルフェノール)、2,2′−メチ
レンビス(4−クロルフェノール)、2,2′−メチレン
ビス(4−メチル−6−第三−ブチルフェノール)、2,
2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2′
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2′−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、4,4′−チ
オジフェノール、4,4′−チオビス(3−メチル−6−
第三−ブチルフェノール)、p−ヒドロキシ安息香酸メ
チル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ
安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸トリルメチ
ル、p−ヒドロキシ安息香酸フェネチル、p−ヒドロキ
シ安息香酸3−フェニルプロピル、p−ヒドロキシ安息
香酸フェニル、4−ヒドロキシアセトフェノン、4−ヒ
ドロキシベンゾフェノン、サリチル酸アニリド、ノボラ
ック型フェノール樹脂、ハロゲン化ノボラック型フェノ
ール樹脂、α−ナフトール、β−ナフトール、2,2′−
ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−n−ヘプタン、4
−メトキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、
4′−エトキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4−プロポキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスル
ホン、4−イソプロポキシ−4′−ヒドロキシジフェニ
ルスルホン、4−ブトキシ−4′−ヒドロキシジフェニ
ルスルホンなどの4−置換ヒドロキシ−4′−ヒドロキ
シジフェニルスルホンである。
本発明の発色感度、耐候性、保存性の向上剤としての一
般式(I)の化合物は、前記した如きフェノール化合物
1重量部に対して、たとえば0.01〜1重量部用いられ
る。
本発明の感熱記録紙自体は公知の方法で製造される。た
とえば、発色性物質、フェノール化合物および化合物
(I)をそれぞれ別に、または化合物(I)を発色性物
質およびフェノール化合物いずれか一方または両方に入
れて、水中で、または有機溶媒中で、必要ならば界面活
性剤、結着剤、分散剤と共に、ボールミル、サンドグラ
インダーなどの粉砕機で粉砕し、両分散液を支持体に塗
布し乾燥する。
代表的な一般式(I)の化合物: (1) 4,4′−ジメトキシジフェニルスルホン、融点1
29〜130℃ (2) 4,4′−ジエトキシジフェニルスルホン、融点1
64℃ (3) 4,4′−ジ−n−プロポキシジフェニルスルホ
ン、融点142〜143℃ (4) 4,4′−ジ−イソプロポキシジフェニルスルホ
ン、融点157℃ (5) 4,4′−ジブトキシジフェニルスルホン、融点9
2.5℃ (6) 4,4′−ジアミルオキシジフェニルスルホン、
融点86.5℃ (7) 4,4′−ジイソアミルオキシジフェニルスルホ
ン、融点98℃ 〔実施例〕 以下の実施例により本発明を一層具体的に説明するが、
これらに限定されるものではない。“部”は“重量部”
を意味する。
比較例1 分散液A: クリスタルバイオレットラクトン 1部 5%ポリビニルアルコール 5部 水 40部 分散液B: 4,4′−イソプロピリデンジフェノール 5部 5%ポリビニルアルコール 25部 水 20部 比較例2 分散液A: 比較例1の分散液Aと同一 46部 分散液B: 4,4′−ブチリデンビス(6−第三−ブチル−m−クレ
ゾール) 5部 5%ポリビニルアルコール 25部 水 20部 実施例1 分散液A: 比較例1の分散液Aと同一 46部 分散液B: 4,4′−イソプロピリデンジフェノール 4部 4,4′−ジブトキシジフェニルスルホン 1部 5%ポリビニルアルコール 25部 水 20部 実施例2 分散液A: 比較例1の分散液Aと同一 46部 分散液B: 4−プロポキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン
4.75部 4,4′−ジアミルオキシジフェニルスルホン 0.25部 5%ポリビニルアルコール 25部 水 20部 実施例3 分散液A: 比較例1の分散液Aと同一 46部 分散液B: 4−ブトキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン4
部 4,4′−ジブトキシジフェニルスルホン 1部 5%ポリビニルアルコール 25部 水 20部 上記比較例および実施例の各々において、固体成分をボ
ールミルで2日間粉砕分散させることにより分散液Aお
よびBを別々に、すなわち、分散液AおよびBを混和す
ることなく、調整し、ついで分散液AおよびBを混合し
て、感熱記録紙用塗液とする。該塗液を50g/m2の秤量を
有する上質紙の表面に乾燥塗布量が4g/m2になるように
塗布し、乾燥機中50℃で乾燥する。かくして得られた感
熱記録紙を80〜150℃に加熱された熱板に圧力1.5kg/cm2
(ゲージ)で5秒間プレスする。
実施例1〜3の感熱記録紙の記録感度および記録像の保
存状態は良好であったが、比較例1〜2は普通以下であ
った。
実施例4 実施例1および3における分散液Bで、フェノール化合
物に対する4,4′−ジブトキシジフェニルスルホンの割
合を、二成分の合計量を変えることなく、次の第1表に
記載の如く変更し、前記の場合と同様に感熱記録紙を製
造する。
サーマルプリンターで記録するとき、感熱記録紙No.1〜
9は動的発色濃度も高く、保存性のよい鮮明な画像が得
られた。
実施例5 分散液A: 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン 1部 5%ポリビニルアルコール 5部 水 40部 分散液B: 4,4′−イソプロピリデンジフェノール 4部 4,4′−ジブトキシジフェニルスルホン 1部 5%ポリビニルアルコール 25部 水 20部 分散液AおよびBを用い、前記と同様に感熱記録紙を製
造する。サーマルプリンターで記録するとき、発色感度
と保存性のよい鮮明な画像が得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図は光学濃度計で測定した温度と発色濃度との関係
を示すものである。第1図において、曲線(1)は比較
例1、曲線(2)は実施例1、曲線(3)は実施例2、
曲線(4)は実施例3の感熱記録紙である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】通常無色ないし淡色の発色性物質とフェノ
    ール化合物を組み合わせて用いる感熱記録紙において、
    一般式 (式中、Rは炭素数1〜5のアルキルを示す。)で表さ
    れるジエーテル化合物を含有することを特徴とする感熱
    記録紙。
  2. 【請求項2】ジエーテル化合物が4,4′−ジブトキシジ
    フェニルスルホンである、請求項(1)記載の感熱記録
    紙。
  3. 【請求項3】フェノール化合物が4,4′−イソプロピリ
    デンジフェノールである、請求項(1)記載の感熱記録
    紙。
  4. 【請求項4】フェノール化合物がp−ヒドロキシ安息香
    酸ベンジルである、請求項(1)記載の感熱記録紙。
  5. 【請求項5】フェノール化合物が4−ブトキシ−4′−
    ヒドロキシジフェニルスルホンまたは4−プロポキシ−
    4′−ヒドロキシジフェニルスルホンである、請求項
    (1)記載の感熱記録紙。
  6. 【請求項6】発色性物質がフルオラン化合物である、請
    求項(1)記載の感熱記録紙。
  7. 【請求項7】フルオラン化合物が3−ジエチルアミノ−
    6−メチル−7−アニリノフルオランである請求項
    (6)記載の感熱記録紙。
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