JPH0681595B2 - 軟腐病菌の固定化方法および防除方法 - Google Patents
軟腐病菌の固定化方法および防除方法Info
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- JPH0681595B2 JPH0681595B2 JP2048053A JP4805390A JPH0681595B2 JP H0681595 B2 JPH0681595 B2 JP H0681595B2 JP 2048053 A JP2048053 A JP 2048053A JP 4805390 A JP4805390 A JP 4805390A JP H0681595 B2 JPH0681595 B2 JP H0681595B2
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Description
rotovora)に属する細菌の固定化方法および該固定化物
を散布して、軟腐病を防除する方法に関するものであ
る。
イ、キャベツ、セロリ、レタス、ニンジン、ダイコン、
ワサビ、ジャガイモ、タバコ、トマト、シクラメンなど
多数があり、エルビニア・カロトボーラ細菌により引起
こされるいわゆる軟腐病(Soft rot disease)が対象病
害である。
わゆる軟腐病に対する防除方法としては一般に、ストレ
プトマイシン等の抗生物質製剤や、ボルドー液のような
銅剤の散布が行われている。
効果が満足すべきものではないうえに、病原菌以外の有
益な細菌までも死滅させてしまうことや、環境汚染上の
問題、更に薬害の問題がある。また、抗生物質について
は、それに対する抵抗性をもった細菌の出現があり、こ
れらが問題となっている。
異処理株のなかから、病原性を有する系統の同細菌と競
合してよく生育し、かつ、病原性をもたない系統を選び
出した。これらの病原性を欠失させたエルビニア・カロ
トボーラ細菌の生菌を前記対象植物の根部、または葉部
に接種する事により、軟腐病を有効に防除できる事を見
い出し本発明を完成した。
粉末および高分子物質を用いて固定化することを特徴と
する対軟腐病の微生物農薬の提供にある。
織に軟腐を引きおこし、植物組織の細胞間接合物質とし
て働いているペクチン物質を分解するペクチン分解酵素
生産能を持ったことに起因すると云われており、これら
の細菌は不偏的に土壌に存在している事が報告されてい
る。例えば5年以上この菌の宿主となる作物を作ってい
ない畑でも軟腐病の発生が観察される場合があり、この
菌の生態は(津山博之、植物防疫第34巻294頁−298頁19
80年によれば)次のように考えられている。例えば、白
菜の場合には播種後、40日位から根部の周囲でこの細菌
が増殖し、根圈土壌、葉部など殆どあらゆる箇所に存在
が認められるようになる。また台風や昆虫、あるいは日
常の農作業などにより白菜に傷がつくと、そこから細菌
が侵入し、気候条件さえ整えば一晩のうちに病原菌濃度
が上昇し病斑が認められることになる。そこでかかる現
象を阻止するため病原性のある細菌に替って病原性の無
いエルビニア・カロトボーラ細菌が、根圈土壌や葉部で
病原株と同等に増殖させることが可能になれば、軟腐病
を防除することが期待できるためかかる観点から鋭意研
究の結果、軟腐病の病原性を突然変異あるいは変異処理
法により欠失させ、かつ該病原株に対して有効に拮抗作
用を持ついくつかの有望な細菌株を得、以下の菌が有効
に軟腐病を防除することを見出し特許出願を行った(特
願平1−239622(特開昭3−101606号))。なお、これ
らの菌は以下の如く微工研に寄託されている。
菌学的性質を示す。
方法およびこれを用いる防除方法に関するものである。
エルビニア・カロトボーラ細菌は水中では死滅し、例え
ば1カ月後には始めの濃度の1000分の1以下に減少して
しまう。また、白菜などの栽培されていない土壌中では
高濃度で菌を散布したとしても1週間程度で菌の検出限
界以下にその菌濃度を下げてしまう。
細菌は高い菌濃度を長期間保つことはできないため、該
菌体を微生物農薬として用いる場合、病原性欠失菌を培
養してかつ使用するまでの期間の保存性が問題となる。
また使用形態として粉剤、粒剤、液剤もしくは水和剤な
どのような形態で使用するとしてもなんらかの方法によ
り、一定の間菌濃度を高く保つ必要がある。その試みの
一つとして菌の固定化があり、種々の菌について検討さ
れている。しかしながら、エルビニア・カロトボーラ細
菌についての固定化の試みはなされていない。
について種々検討した結果、鉱物粉末と高分子物質およ
び水存在下で病原性を欠失させた軟腐病菌とを混合、保
存することで、6カ月以上高い菌濃度を保ったまま固定
化することを可能としたものである。以下、本発明を詳
述する。まず、軟腐病菌の病原性欠失株を適当な液体培
地で培養した後、遠心分離して集菌を行い培地成分を取
り除く。使用する液体培地は菌が増殖するものであれ
ば、特に限定することはなく通常使用されている802培
地、ブイヨン培地等の培地で増殖させることができる。
次に、湿菌体に滅菌水と滅菌した高分子物質、例えばグ
アーガムをよく混合し、その混合物をやはり滅菌した鉱
物粉末に添加し、均一に混合するがこれらの操作は無菌
下で行なわねばならない。使用する高分子物質としては
植物及び細菌由来の多糖類であるザンサンガム、グアー
ガム、トラガカントガムなどやポリビニルアルコール、
レシチン等が長期の菌濃度保持の点から好ましいもので
ある。一方担体として使用する鉱物粉末としてはタル
ク、海砂、けいそう土、活性白土、ゼオライト、石膏等
が好ましく、特にタルクの使用が望ましい。
(重量比)鉱物粉体1に対して、高分子物質0.001〜1
好ましくは0.1〜0.5、水0.02〜1好ましくは0.2〜0.5の
範囲が長期菌体の固定化保存に好ましいものである。
るものではない。実施例に用いた培地の組成を次に示
す。
2O1g、水1、pH7.0(プレートの場合は、寒天15gを含
む) ドリガルスキー改良培地:肉エキス4g、乳糖10g、ペプ
トン10g、ブロムチモールブルー0.04g、寒天16g、水1
、pH7.4 実施例1 802培地にエルビニア・カロトボーラCGE10M2〔微工研菌
寄託第11000号(FERMP−11000)として寄託されてい
る〕を接種し、30℃で15時間培養した。培養液は遠心分
離機を用いて集菌を行い菌体ペレットを得た。菌体ペレ
ット(菌数8.3×1010)に対して滅菌水164gとザンサン
ガム16.4gを混合したものを、タルク820gに添加し良く
混合し菌体固定化を行った。このものの菌濃度(計算
値)は、8.3×107/gである。得られた固定化物を室温で
保管し経時変化を調べた。その結果1日後、1週間後、
1カ月後および3カ月後の菌濃度は、それぞれ、1.3×1
08/g、1.4×108/g、4.8×107/g、および9.5×107/gであ
った。
ムの替りにグアーガム、トラガカントガム、ポリビニル
アルコール(平均分子量:1500)およびレシチンを用い
た場合の菌の生存率を、更に鉱物粉末としてタルクの替
りに海砂を用いた場合経時変化における菌の生存率を測
定し、その結果を第1表に示す。また比較として高分子
物質として何も用いない場合の菌の生存率も併せて第1
表に示す。
の割合で配合した培土を詰めた。肥料としては、ポット
当り高度化成肥料(8:8:8)を25g混入した。このポット
に白菜(松島2号)を播種後、35日目に実施例1で作成
した固定化菌体物(1.3×108/g)10gを根及び葉上に散
布した。播種66日目に葉1cm2を採取し稀釈液をドリガ
ルスキー改良培地に塗布し菌体濃度を求めた。葉上の検
定菌濃度は、2.2×104/cm2であった。
た固定化物を露地栽培した白菜30株について1株当り10
g(菌量約109)散布した。1週間後、外葉を採り葉の裏
側1cm2をすり潰し希釈後ドリガルスキー改良培地プレ
ートに塗布し黄色のコロニーを数えた結果、10枚の葉の
うち5枚に散布したCGE10M2株が検出され、菌濃度は1
〜2×104/cm2を示した。なお、これらは引続き栽培を
続け2.5ケ月後に収穫するまで全く軟腐病の発生は認め
られなかった。一方隣接する露地栽培において固定化物
を散布しないで栽培したものは約30%の軟腐病の発生が
認められた。
寄託第10999号(FERMP-10999)として寄託されている〕
を接種し、30℃で15時間培養した、培養液を遠心分離機
を用いて集菌し菌体ペレットを得た。菌体ペレット(菌
数7.2×1010)に対して滅菌水164gとポリビニルアルコ
ール16.4gを混合したものを、タルク820gに添加し良く
混合した。この場合の菌濃度(計算値)は、7.2×107/g
である。得られた固定化物は室温で保管し経時変化を調
べた。その結果1週間後、1カ月後および3カ月後の菌
濃度は、それぞれ、1.0×107/g、5.5×107/g、および1.
6×107/gであった。
化方法が解決し、従来防除が困難とされてきた植物細菌
病の主要な一つである軟腐病を生物防除手段により効果
的に防除するとが可能となった。本発明では生きた細菌
を、固定化しいわゆる生物防除策として用いる方法であ
り、しかも薬害がなく安全な軟腐病防除方法を提供する
ものである。
Claims (6)
- 【請求項1】病原性を欠失させた軟腐病菌を鉱物粉末お
よび高分子物質を用いて固定化することを特徴とする軟
腐病菌の固定化方法。 - 【請求項2】鉱物粉末がタルクまたは海砂であることを
特徴とする請求項1に記載の軟腐病菌の固定化方法。 - 【請求項3】高分子物質が植物または細菌由来の多糖
類、ポリビニルアルコールまたはレシチンであることを
特徴とする請求項1または2に記載の軟腐病菌の固定化
方法。 - 【請求項4】病原性を欠失させた軟腐病菌を鉱物粉末お
よび高分子物質を用いて固定化し、土壌に施用すること
を特徴とする軟腐病の防除方法。 - 【請求項5】鉱物粉末がタルクまたは海砂であることを
特徴とする請求項4に記載の軟腐病菌の防除方法。 - 【請求項6】高分子物質が植物または細菌由来の多糖
類、ポリビニルアルコールまたはレシチンであることを
特徴とする請求項4または5に記載の軟腐病菌の防除方
法。
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JP2048053A JPH0681595B2 (ja) | 1990-02-28 | 1990-02-28 | 軟腐病菌の固定化方法および防除方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2009085357A3 (en) * | 2007-10-03 | 2009-08-27 | 3M Innovative Properties Company | Microorganism concentration process |
JP2012522984A (ja) * | 2009-04-03 | 2012-09-27 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 微生物濃縮方法及び装置 |
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JPH0656614A (ja) * | 1992-07-31 | 1994-03-01 | Central Glass Co Ltd | 微生物農薬 |
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-
1990
- 1990-02-28 JP JP2048053A patent/JPH0681595B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2011517278A (ja) * | 2007-10-03 | 2011-06-02 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 微生物濃縮プロセス |
JP2012522984A (ja) * | 2009-04-03 | 2012-09-27 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 微生物濃縮方法及び装置 |
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