JPH0681547U - 医療用のガイドワイヤ - Google Patents

医療用のガイドワイヤ

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JPH0681547U
JPH0681547U JP030167U JP3016793U JPH0681547U JP H0681547 U JPH0681547 U JP H0681547U JP 030167 U JP030167 U JP 030167U JP 3016793 U JP3016793 U JP 3016793U JP H0681547 U JPH0681547 U JP H0681547U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 先端部がX線不透過性の材質からなり、比較
的低コストで製造できるようにしたガイドワイヤを提供
する。 【構成】 芯線22の先端部22aを次第に細く形成
し、この先端部22a外周にコイル23を固着し、コイ
ル23の先端を丸い頭部24とする。コイル23を、X
線不透過性を有するタングステンコイルの表面に、耐食
性のある生体親和性の物質、好ましくは金、白金又はフ
ッ素樹脂を被覆したもので構成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、例えば血管、尿管、胆管、気管などにカテーテルを挿入する際に用 いられる医療用のガイドワイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、血管、尿管、胆管、気管などの人体の管状気管における検査・治療のた め、カテーテルを挿入して造影剤などの薬剤を投与したり、カテーテルを通して 鉗子等によって組織の一部を採取したりすることが行われている。カテーテルの 挿入に際しては、管状気管内に、まず、比較的細くて柔軟なガイドワイヤを挿入 し、このガイドワイヤの外周に沿ってカテーテルを挿入した後、ガイドワイヤを 抜き出すようにしている。
【0003】 上記ガイドワイヤとして、金属の芯線の先端部を次第に細く形成し、この先端 部外周にコイルを固着したものが知られている。このガイドワイヤによれば、芯 線の先端部を細くして、柔軟なコイルを装着したので、挿入時における組織の損 傷を少なくできるという利点が得られる。
【0004】 図4には、上記ガイドワイヤの1例として、特公平4−25024号に開示さ れたガイドワイヤが示されている。このガイドワイヤは、金属の芯線11の先端 部11aを次第に細くなるように形成し、この先端部11a外周に2つのコイル 12、13を装着し、コイル13及び芯線11の先端を丸い頭部14に固着した 構造をなしている。
【0005】 コイル12は、芯線11の先端部11aの基部寄りに配置され、その基端部を 芯線11に金属ろう15で固着されている。また、コイル13は、芯線11の先 端部11aの先端寄りに配置され、上記のように先端を丸い頭部14に固着され ている。コイル12の先端部とコイル13の基端部は、それぞれのピッチ間に互 いにねじ込まれ、金属ろう16で芯線11に固着されている。そして、先端寄り のコイル13がX線不透過性材料で形成されている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
ガイドワイヤは、その先端位置をX線テレビモニターで確認しながら体内に挿 入されるので、その先端部がX線不透過性の材料からなることが好ましい。しか しながら、X線不透過性の材料、例えば金、白金は、極めて高価な材料であるた め、ガイドワイヤの先端部、例えばコイルを上記材料で構成すると、製品コスト が極めて高くなるという問題があった。
【0007】 図4に示したガイドワイヤでは、2つのコイル12、13を芯線11の先端部 において軸方向に連結し、先端寄りのコイル13のみをX線不透過性の材料とす ることにより、製品コストの低減を図っているが、2つのコイル12、13を連 結するため、コイル12、13の端部を互いにねじ込んでろう付けするなど、製 造作業が煩雑となることを避けられなかった。
【0008】 したがって、本考案の目的は、先端部がX線不透過性の材質からなり、比較的 低コストで製造できるようにしたガイドワイヤを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本考案による医療用のガイドワイヤは、先端部が次 第に細くなるように形成された芯線と、この芯線の先端部外周に固着されたコイ ルと、このコイル先端に形成された丸い頭部とを備え、 前記コイルが、タングステンコイルの表面に耐食性のある生体親和性の物質を 被覆したもので構成されていることを特徴とする。
【0010】 本考案において、前記コイルの直径は、0.5 mm以下であることが好ましい。コ イルの直径が0.5 mmを超えると、ステンレス等の通常の金属であってもX線不透 過性を得やすくなるため、タングステンコイル等を用いる必要がなくなるからで ある。
【0011】 また、前記耐食性のある生体親和性の物質としては、例えば金、白金、フッ素 樹脂から選ばれたものが好ましい。
【0012】
【作用】
タングステンは、金、白金と同等なX線不透過性を有しているので、先端部を タングステンコイルで形成することにより、血管カテーテル用のガイドワイヤな ど、極めて細い径のガイドワイヤであっても、X線テレビモニターによる先端位 置の確認が容易になされる。そして、タングステンは、金、白金に比べてはるか に安価なので、製品コストを低減することができる。
【0013】 一方、タングステンは、金、白金に比べると耐食性に劣るため、生体内に直接 挿入するのには不安がある。また、タングステンは、金、白金に比べるともろい ため、管状器官内に挿入している途中で折れたりする虞れもある。
【0014】 本考案では、上記の問題をタングステンコイルの表面に耐食性のある生体親和 性の物質を被覆することで解決したのである。すなわち、上記物質を被覆するこ とにより、タングステンコイルの耐食性が向上し、補強効果も得られる。また、 被覆する物質として高価な金、白金などを用いた場合でも、その使用量は極めて 少なくてすむので、製造コストを低減することができる。
【0015】
【実施例】
図1には、本考案のガイドワイヤの一実施例が示されている。このガイドワイ ヤ21は、芯線22と、その先端部に固着されたコイル23と、それらの先端に 設けられた丸い頭部24とで構成されている。
【0016】 芯線22としては、例えばステンレス、形状記憶合金、ピアノ線などの弾性金 属材料が好ましく使用される。また、芯線22は、1本のワイヤーからなるもの ばかりでなく、複数の細線をより合わせたより線で構成されていてもよい。芯線 22の先端部22aは、例えばテーパ状や段状をなして、次第に細くなるように 形成されている。芯線22の直径は、0.1 〜3mm程度、より好ましくは0.1 〜0. 5 mmの範囲で、目的に応じて適度な弾性、剛性が得られ、しかも挿入しやすいよ うに定められる。芯線22の先端は、頭部24に固着されている。
【0017】 コイル23は、図2に示すように、タングステンコイル23aの表面に、耐食 性のある生体親和性の物質、例えば金、白金、フッ素樹脂などからなる被膜27 を形成したもので構成されている。被膜27の膜厚は、タングステンコイル23 aに耐食性を付与し、かつ、それを補強できる程度の厚さとされ、例えば金、白 金の場合は、0.1 〜10μm程度が好ましく、フッ素樹脂の場合は、10〜50μm程 度が好ましい。被膜27が金、白金の場合、例えばめっき、イオンプレーティン グ、スパッタリング、蒸着、CVDなどの方法で形成できるが、特にめっきが好 ましい。
【0018】 コイル23の外径は、芯線22の外径とほぼ等しい外径、すなわち0.1 〜3mm 程度、更には0.1 〜0.5 mmの範囲が好ましい。また、コイル23の長さは、30〜 500mm 程度が好ましい。
【0019】 コイル23は、その基部を金属ろう25によって芯線22に固着され、その先 端を金属ろう26によって頭部24に固着されている。頭部24は、例えば芯線 22やコイル23の先端を溶融させることによって形成することもでき、その場 合には、金属ろう26などを用いなくても芯線22、コイル23を固着すること ができる。
【0020】 なお、芯線22、コイル23、頭部24などの外周には、必要に応じてフッ素 樹脂などの合成樹脂膜(あるいは合成樹脂チューブ)を被覆してもよく、更には その合成樹脂膜の表面に親水性ポリマーを被覆してもよい。このような親水性ポ リマーとしては、例えば特公平4−14991号に開示されたような樹脂が挙げ られる。
【0021】 また、図1に示した実施例において、コイル23の中間部を芯線22にろう付 けなどの手段で固着してもよく、その場合には、芯線22に対するコイル23の ずれなどを防止する効果が得られる。
【0022】 図3には、本考案のガイドワイヤの他の実施例が示されている。このガイドワ イヤ31は、芯線22の先端部22aに、安全ワイヤ28の基端部が固着されて いる。そして、安全ワイヤ28の先端部が、コイル23の内部を通って頭部24 に固着されている。このように、安全ワイヤ28によってコイル23の伸びが規 制されている点が異なり、他の構成は上記実施例と同じである。すなわち、コイ ル23は、上記実施例と同様に、タングステンコイル23aの外周に、耐食性の ある生体親和性の物質からなる被膜27を被覆したもので構成されている。
【0023】 試験例 素線径0.08mm、コイル外径0.35mmのタングステンコイルの表面に、表1に示す ような各種の厚さの金めっきを施した。また、比較のため、素線径0.08mm、コイ ル外径0.35mmのプラチナコイルを用意した。これらのコイルをX線カメラにかけ て撮影し、その映像のコントラストをプラチナコイルを基準にして評価した。こ の結果を表1に示す。
【0024】 評価は、×:プラチナコイルに比較してコントラストが弱い、△:プラチナコ イルに比較してコントラストがやや弱い、○:プラチナコイルと同等である、と いう基準で行った。なお、X線カメラの撮影条件は、90KV、200mA である。
【0025】
【表1】
【0026】 表1の結果から、金めっきの厚さが0.1μmでも、タングステンコイルは、 プラチナコイルと同等のX線不透過性を有することがわかる。
【0027】 次に、上記タングステンコイルと、プラチナコイルの強度を比較した。強度の 試験方法は、プッシュプルゲージ(フルスケール2kgf )を用い、引張り速度5 mm/minにて行った。この結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】 表2から、金めっきを施したタングステンコイルは、プラチナコイルより強い 強度が得られることがわかる。
【0030】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案によれば、タングステンコイルの表面に耐食性の ある生体親和性の物質を被覆したコイルを芯線の先端部に固着してなるので、先 端部におけるX線不透過性が得られると共に、材料コストを低減することができ る。また、タングステンは、耐食性や強度において劣るものの、その表面に形成 される被膜によって、耐食性付与と補強がなされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案によるガイドワイヤの一実施例を示す要
部断面図である。
【図2】同ガイドワイヤの部分拡大断面図である。
【図3】本考案によるガイドワイヤの他の実施例を示す
要部断面図である。
【図4】従来のガイドワイヤの一例を示す要部断面図で
ある。
【符号の説明】
21、31 ガイドワイヤ 22 芯線 23 コイル 23a タングステンコイル 24 頭部 25、26 金属ろう 27 耐食性のある生体親和性の物質の被膜 28 安全ワイヤ

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部が次第に細くなるように形成され
    た芯線(22)と、この芯線(22)の先端部(22
    a)外周に固着されたコイル(23)と、このコイル
    (23)先端に形成された丸い頭部(24)とを備え、 前記コイル(23)が、タングステンコイル(23a)
    の表面に耐食性のある生体親和性の物質(27)を被覆
    したもので構成されていることを特徴とする医療用のガ
    イドワイヤ。
  2. 【請求項2】 前記コイルの直径が0.5 mm以下である請
    求項1記載の医療用のガイドワイヤ。
  3. 【請求項3】 前記耐食性のある生体親和性の物質が、
    金、白金、フッ素樹脂から選ばれたものである請求項1
    又は2記載の医療用のガイドワイヤ。
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