JPH068131Y2 - ケーブルリール - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ドラム内に巻回される電線などのケーブルの
巻取り・送り出しのためのケーブルリールに関する。

［従来の技術および課題］ 屋外配線あるいは工場などの広域配線に使用される電線
などのケーブルは長尺であり、電線メーターから受け入
れた束巻電線から配線等でケーブルをくり出すとき、ケ
ーブルによれが生ずる問題があった。そのため、ケーブ
ルによれが生じなく、その運搬および格納を容易にする
ためのケーブルリールが使用されている。このケーブル
リールは一般にドラム内に設けられた回転板上に巻取り
ロッドが立設されたものが使用され、前記ドラムにはケ
ーブル引き出し窓が形成されている。ケーブルを巻取り
ロッドに巻回する場合、別に設けられたケーブル巻取機
により予め巻取りロッドに巻き取ったものを前記ドラム
内に移設・収納したのち、ケーブルを引き出し窓から引
っ張ると回転板が回転してケーブルが順次引き出される
ようになっている。

しかしながら、このようなケーブルリールにおいては、
ケーブルを巻取る場合、上記したように一旦別の巻取機
が必要であり、使用するドラム内に移し替えなければな
らない繁雑さがある。また、ケーブルをドラム内に巻取
る場合、従来きケーブル引き出し窓を通して行うと、引
き出し窓には巻取り巾方向に拡がりがないため前記巻取
りロッド上の一部に集中して巻取られ巻取りロッド上に
均一に行き渡らない。

本考案は上記問題点を解消し、ケーブルの巻取りおよび
送出しが可能なケーブルリールを提供することを目的と
する。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するため本考案に係るケーブルリール
は、ケーブルの引き出し窓と引き込み窓が外周壁に設け
られたドラムと、前記ドラム内に回転自在に支持されケ
ーブルを巻回収納する巻取りロッドを立設した回転板
と、前記回転板の回転中心部位に下端が固定され先端に
ハンドル等の回動手段を着脱自在に係合する係合部が設
けられた操作ロッドを具備したことを特徴とする。前記
ドラムのケーブル引き込み窓は前記ケーブルの巻巾方向
に長い窓であってもよい。

［作用］ 本考案は上記の通り構成されるので、回転板を回転させ
ることによってケーブルリールをケーブル収納時の巻取
用として兼用することができる。巻取りにおいて、ドラ
ム側面にケーブルの巻取りの際、ケーブルを上記巻巾方
向へ適宜、移動させることを可能としている。このケー
ブルの移動により、ケーブルは巻巾方向へ略均一の層状
に巻取られる。

［実施例］ 以下、本考案を添付図面により具体的に説明する。

第１図は本考案の一実施例のケーブルリール１の斜視
図、第２図は同ケーブルリール１の正面図、第３図は同
ケーブルリール１の側面図、第４図は本考案の操作ロッ
ドの取付拡大断面図、第５図および第６図はケーブルリ
ール１の構造を示す断面図およびＡ部拡大断面図であ
る。まず、本考案が適用されるケーブルリール１を第１
図、第２図、第５図および第６図により説明する。ケー
ブルリール１は上面が開放されたドラム２内に回転板３
が回転可能に取り付けられて構成されている。ドラム２
は巻回されるケーブルの太さ、長さおよび束巻電線の内
径に応じてその径が適宜選定される。また、ドラム２の
側面にはケーブルが挿通される引き出し窓４が開口され
ており、ケーブルは引き出し窓４を介して引き出しが行
われるようになっている。さらに、ドラム２の下部側面
には段リング５が設けられている。この段リング５は複
数のケーブルリールを段積みする場合に、下段のケーブ
ルリールのドラム上縁と当接して上段のケーブルリール
が下段のケーブルリール内に落ち込まないように支承す
るものである。また、ドラム２の側面には取手１２，１
２が設けられ、前記のケーブルリールの段積みや持ち運
ぶ際に使用する。

前記回転板３はこのようなドラム２の底面上に設けら
れ、支軸６を中心に自由回転するようになっており、ケ
ーブルの引き出しおよび巻取りの際に、力が作用する方
向に回転して、これらの作動が円滑且つ容易に行われる
ようになっている。この回転板３上には複数（図示例で
は４本）の巻取りロッド７が立設されており、ケーブル
は巻取りロッド７を囲むようにしてドラム２内に巻回さ
れて収納されるようになっている。この場合、回転板３
には径方向のスリット８が形成されており、巻取りロッ
ド７はスリット８に添って回転板３の径方向（第２図お
よび第５図の矢印Ｂ方向）にケーブル束巻の内径に合わ
せて移動調整可能としている。これにより、巻取りロッ
ド７相互の距離が調整できるので、ケーブルの長さ，太
さおよび束巻電線の内径に応じた巻取りが可能となって
いる。すなわち、ケーブルが長い場合あるいはケーブル
が太い場合には各巻取りロッド７を近接させて、巻取り
ロッド７とドラム２との間の巻取容積の拡大を図り、一
方、ケーブルが短い場合あるいはケーブルが細い場合に
は巻取りロッド７を離反させて巻取容積の縮小を図るこ
とができる。これによりケーブルは巻取りロッド７とド
ラム２との間に常に充填した状態で巻回されるので弛む
ことなく、弛みに起因するケーブルの絡み、捩れを防止
することができる。また、第６図に示したように、巻取
りロッド７のガイド路となるスリット８には下方に延び
る一対の線条突起９が形成されている。そして、巻取り
ロッド７の下端面にはねじ穴ａが軸方向に刻設されてお
り、このねじ穴７ａにスライドブロック１０のロッド１
０ａが螺合されている。スライドブロック１０は上部が
前記線条突起９内に挿入されており、これによりスライ
ドブロック１０は回転が拘束されている。従って、巻取
りロッド７の上部を手で把持して一方向に回転させるス
ライドブロック１０は回転することがなく、ねじ穴７ａ
とねじロッド１０ａとの螺合が長くなり、スライドブロ
ック１０は上方に引き上げられ、これによりスライドブ
ロック１０と巻取りロッド７とによって回転板３を締め
付けるのでスライドブロック１０は定位置に固定され
る。一方、巻取りロッド７を反対方向に回転させると、
スライドブロック１０下方に押し下げられるので、回転
板３の締め付けが解除される。これにより回転板３の径
方向への移動が可能となる。

このようなケーブルリール１に対して、操作ロッド１３
は第１図および第４図に示すように回転板３の支軸６に
枢支され、ビス１４および固定部材１５により回転板３
に固着され、操作ロッド１３の他端に係合部１９が設け
られ回動手段のハンドル１６が係合されている。また、
第１図および第３図に示すようにケーブル１１の引き込
み窓１７がドラム２の側面にケーブルの巻巾方向に長い
窓が形成されている。このように構成されたケーブルリ
ール１に対して電線などのケーブルがドラム２内に巻回
されて巻取られ、次にケーブルの使用に際して引き出す
ときの作動について説明する。第１図においてケーブル
１１がケーブルの引き込み窓１７に挿通、巻取りロッド
７に掛け渡されハンドル１６を手で回し巻取りロッド７
を回転させる。ケーブル１１が巻取りロッド７に巻き取
られて一周するごとにケーブル１１の送り込み位置を第
１図の矢印Ｃに従って少しずつ移動させる。かくして巻
取りロッド７の上にケーブル１１を層状に均一に行き渡
らせることができる。引き込み窓１７の縁に設けた保護
カバー１８はケーブル１１が引き込まれる際、ケーブル
１１に傷がつかないよう保護する。このようにしてドラ
ム２内にケーブル１１の巻回が完了すればハンドル１６
を係合部１９から上方に引き抜き、操作ロッド１３から
取り外す。この状態では第５図に示すように操作ロッド
１３の高さはその周囲に立設する巻取りロッド７の高さ
と同一にされる。前記したように複数のケーブルリール
を段積みする場合、下段のケーブルリール１のドラム上
縁と当接して上段のケーブルリール１の段リング５によ
り支承され、操作ロッド１３は何ら障害になることはな
い。つぎにケーブル１１を配線などのため引き出す場
合、第１図の引き出し窓４にケーブル１１を挿通して引
っ張るだけで簡単に取出すことができる。ケーブル１１
を引き出す場合、巻取る場合と異なり引き出し位置が上
下に移動することなく一点から引き出されるのが好まし
い。そのため、第１図の引き出し窓４の形状はドラム２
の周方向に横長としている。

また、配線工事等が終った後、余分にくり出したケーブ
ルをケーブルリール１内に回収するに当っては、ハンド
ル１６を操作ロッドの係合部１９にセットしてケーブル
１１を巻き取りロッド７に巻き取ることにより、容易に
余分のケーブルが回収される。

なお、本考案は上記実施例に限定されることなく種々の
変更が可能である。例えば回転ロッドを回転板にビス止
めするかわりに、回転板３に止めるビス１４のビス穴の
位置にピンを立設し、操作ロッド１３を止めるビス１４
のビス穴をピンに挿入し操作ロッドを回転板に止めても
よい。この場合は、必要に応じて巻取りロッドおよび回
転板をドラム内から容易に取出し可能となる。逆に取出
す必要のない場合、回転ロッドを回転板に接着剤などで
止めてもよい。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案は、ハンドルを着脱自在に設
けた操作ロッドを、巻取りロッドを立設した回転板に取
り付けたことにより、巻取りロッドを備えた送り出し専
用のケーブルリールが簡単に巻取り、送り出し両用のケ
ーブルリールとして使用することが可能となった。ま
た、ドラム側面にケーブルの引き込み窓をケーブルの巻
巾方向に長い形で設けたので、ケーブルが層状に巻取ら
れてドラム内にケーブルを満杯することができ、またこ
のケーブルの引き出しにおいては縺れや絡みがなく、ス
ムースに取出すことが可能となった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のケーブルリールの斜視図、第２図は本
考案のケーブルリールの正面図、第３図は本考案のケー
ブルリールの側面図、第４図は本考案の操作ロッドの取
り付け拡大断面図、第５図および第６図はケーブルリー
ルの構造を示す断面図およびＡ部拡大断面図である。 １…ケーブルリール、２…ドラム、 ３…回転板、４…引き出し窓、 ７…巻取りロッド、１１…ケーブル、 １３…操作ロッド、１６…ハンドル、 １７…引き込み窓、１９…係合部。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ケーブルの引き出し窓と引き込み窓が外周
   壁に設けられたドラムと、前記ドラム内に回転自在に支
   持されケーブルを巻回収納する巻取りロッドを立設した
   回転板と、前記回転板の回転中心部位に下端が固定され
   先端にハンドル等の回動手段を着脱自在に係合する係合
   部が設けられた操作ロッドを具備したことを特徴とする
   ケーブルリール。
2. 【請求項２】前記ドラムのケーブル引き込み窓が前記ケ
   ーブルの巻巾方向に長い窓である請求項(1)項記載のケ
   ーブルリール。