JPH0318458Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、電線などのケーブルが巻回されて引
出されるケーブルリール、特に、ケーブルを案内
するケーブルのガイド装置を有するケーブルリー
ルに関する。

〔従来の技術〕

屋外配線あるいは工場などの広域配線に使用さ
れる電線などのケーブルは長尺なため、その運搬
および格納を容易にするためのケーブルリールが
使用されている。このケーブルリールは一般にド
ラム内に設けられた回転板上に巻取りロツドが立
設されたものが使用されている。前記ドラムには
ケーブル引出口が形成されており、ケーブルは巻
取りロツドに巻回されてドラム内に収納され、ケ
ーブルを引出口から引張ると回転板が回転してケ
ーブルが順次引き出されるようになつている。

〔考案が解決しようとする課題〕 しかしながら、このようなケーブルリールにお
いては、現場作業時ケーブルを垂直方向あるいは
水平方向に引出す必要性もあり、その際ケーブル
を引出口に引掛かり易く、引き出しに支障を生じ
ている。又、この引掛かりや引出口の縁辺との接
触によりケーブルの外皮が傷付いたり、破れたり
するため、ケーブルが使用不可能となる問題も生
じている。

本考案は上記事情を考慮してなされ、ケーブル
の引掛かりや損傷を防止することができる垂直引
出しガイド装置を、設けたケーブルリールを提供
することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、前記目的を達成するため、側面にケ
ーブルの引出口を開口するドラムと、該ドラム内
の底部に回転自在に設けた回転板と、該回転板に
移動調整可能に固定して立設しケーブルが掛け渡
し状に巻回される複数の巻取りロツドと、軸受板
に回転自在に枢支され、前記ドラムの引出口に水
平方向あるいは垂直方向に位置し着脱可能に設け
られる一対のガイドローラとよりなる構成とした
ものである。

〔作用〕

ケーブルは、巻取りロツドに掛け渡し状に巻回
し収納できる。ケーブルをドラムの引出口より引
出すと回転板が回転しスムーズに引出せる。この
時、一対のガイドロールが、ケーブルが引出口に
引掛かつたり、引出口で傷付いたりするのを防止
する。

〔実施例〕

以下、本考案を添付図面により具体的に説明す
る。

第１図はガイド装置２０を備えたケーブルリー
ル１の斜視図、第２図はガイド装置２０の斜視
図、第３図および第４図はケーブルリール１の構
造を示す断面図およびＡ部拡大断面図である。ま
ず、本考案は適用されるケーブルリール１を第１
図、第３図および第４図により説明する。ケーブ
ルリール１は上面が開放されたドラム２内に回転
板３が回転可能に取り付けられて構成されてい
る。ドラム２は巻回されるケーブルの太さ、長さ
に応じてその径が適宜、選定される。又、側面に
はケーブルが挿通される引出口４が開口されてお
り、ケーブルは引出口４を介して引き出しおよび
巻取りが行われるようになつている。さらに、ド
ラム２の下部側面には段リング５が設けられてい
る。この段リング５は複数のケーブルリールを段
積みする場合に、下段のケーブルリールのドラム
上縁と当接して上段のケーブルリールが下段のケ
ーブルリール内に落ち込まないように支承するも
のである。

前記回転板３はこのようなドラム１の底面上に
設けられ、支軸６を中心に自由回転するようにな
つており、ケーブルの引き出しおよび巻取りの際
に、力が作用する方向に回転して、これらの作動
が円滑且つ容易に行われるようになつている。こ
の回転板３上には複数（図示例では４本）の巻取
りロツド７が立設されており、ケーブルは巻取り
ロツド７を囲むようにして巻回されて収納され
る。この場合、回転板３には径方向のスリツト８
が形成されており、巻取りロツド７はスリツト８
に沿つて回転板３の径方向（第３図の矢印Ｂ方
向）にケーブル束巻の内径に合わせて移動調整可
能となつている。これにより、巻取りロツド７相
互の距離が調整できるので、ケーブルの長さおよ
び太さに応じた巻取りが可能となつている。すな
わち、ケーブルが長い場合あるいはケーブルが太
い場合には各巻取りロツド７を近接させて、巻取
りロツド７とドラム２との間の巻取容積の拡大を
図り、一方、ケーブルが短い場合あるいはケーブ
ルが細い場合には巻取ロツド７を離反させて巻取
容積の縮小を図ることができる。これによりケー
ブルは巻取ロツド７とドラム２との間に、常に充
満した状態で巻回されるので、弛むことなく弛み
に起因するケーブルの絡み、捩れを防止すること
ができる。又、第４図々示のように、巻取りロツ
ド７のガイド路となるスリツト８には下方に延び
る一対の線条突起９が形成されている。そして、
巻取りロツド７の下端面にはねじ穴７ａが軸方向
に刻設されており、このねじ穴７ａにスライドブ
ロツク１０のねじロツド１０ａが螺合されてい
る。スライドブロツク１０は上部が前記線条突起
９内に挿入されており、これによりスライドロツ
ク１０は回転が拘束されている。従つて、巻取り
ロツド７の上部を手で把持して一方向に回転させ
るとスライドロツク１０は回転することがなく、
ねじ穴７ａとねじロツド１０ａとの螺合が長くな
り、スライドブロツク１０は上方に引き上げら
れ、これによりスライドブロツク１０と巻取りロ
ツド７とによつて回転板３を締め付けるのでスラ
イドブロツク１０は定位置に固定される。一方、
巻取りロツド７を反対方向に回転させると、スラ
イドブロツク１０は下方に押し下げられるので、
回転板３の締め付けが解除される。これにより巻
取りロツド７は自由状態となり、回転板３の径方
向への移動調整が可能となる。

このようなケーブルリール１に対してガイド装
置２０は第２図々示のように、軸受板２１に上下
一対のガイドローラ２２が回転自由に枢支されて
構成される。軸受板２１は左右両端部から外方に
延設される取付フランジ２３が形成されており、
取付フランジ２３を前記ドラム２の外面に当接さ
せてねじ止めすることによりガイド装置２０の取
り付けが行われ、又、ねじを外すことでその取り
外しが行われるようになつている。前記ガイドロ
ーラ２２はこのような軸受板２１の前面部分に回
転自由に支承されており、このガイドローラ２２
間にケーブル１１を挿通せさて引張ると、ガイド
ローラ２２が追従回転してケーブル１１が円滑に
引き出されるようになつているのでケーブルの引
き出しも容易になる。この場合、軸受板２１には
ケーブルの挿通穴２４が開設され、ケーブルは挿
通穴２４を介してガイドローラ２２間に挿入され
るものである。かかるガイド装置２０のドラム２
への取り付けにあつては、第１図々示のように、
ドラム２の引出口４にガイドローラ２２が位置す
るように行われる。これにより、引出口４から引
き出されたケーブル１１はガイドローラ２２間に
挟まれて支持されるので、引出口４の縁辺から幾
分、浮いた状態となる。従つて、引出口４との接
触や引掛かりが防止されるので、ケーブル１１の
引き出しを円滑且つ迅速に行うことができるばか
りでなく、ケーブル１１の外皮の損傷も防止する
ことができる。さらに、ガイドローラ２２を取り
付けたまま、積み重ねも可能である。

なお、本考案は上記実施例に限定されることな
く種々変更が可能である。例えば、ガイドローラ
を左右に一対配設してケーブルを左右から挟むよ
うにしてもよく、この場合にはケーブルをドラム
の横方向から引き出すことが容易となる。又、軸
受板のドラムへの取り付けをフツクなどの掛着手
段で行つても良く、これにより着脱が容易とな
る。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案は、ケーブルが引き
出されるドラムの引出口に一対のガイドローラが
設けられ、ケーブルを案内するようにしたので、
ケーブルの引き出しが容易となると共に、ケーブ
ルの損傷も防止することができる。また、巻取り
ロツドに掛け渡し状に巻回し収納したケーブル
は、ドラムの引出口より引き出すと回転板が回転
し、円滑、且つ迅速に引き出すことができ、しか
も、巻取りロツドは、移動調整が可能なため、ケ
ーブルの長さ及び太さに応じて巻取りロツドで形
成する巻取り芯の径を調整でき、常に最良の状態
での巻取りができる、等の効果を奏するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示すケーブルリール
の斜視図、第２図はガイド装置の斜視図、第３図
および第４図はケーブルリールの構造を示す断面
図およびＡ部拡大断面図である。 １……ケーブルリール、２……ドラム、３……
回転板、７……巻取りロツド、１１……ケーブ
ル、２０……ガイド装置、２１……軸受板、２２
……ガイドローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 側面にケーブルの引出口を開口するドラムと、
   該ドラム内の底部に回転自在に設けた回転板と、
   該回転板に移動調整可能に固定して立設しケーブ
   ルが掛け渡し状に巻回される複数の巻取りロツド
   と、軸受板に回転自在に枢支され、前記ドラムの
   引出口に水平方向あるいは垂直方向に位置し着脱
   可能に設けられる一対のガイドローラとよりなる
   ケーブルリール。