JPH0681199A - Ｚｎ−Ｎｉ系合金めっき浴への亜鉛イオンの補給方法 - Google Patents
Ｚｎ−Ｎｉ系合金めっき浴への亜鉛イオンの補給方法Info
- Publication number
- JPH0681199A JPH0681199A JP23481392A JP23481392A JPH0681199A JP H0681199 A JPH0681199 A JP H0681199A JP 23481392 A JP23481392 A JP 23481392A JP 23481392 A JP23481392 A JP 23481392A JP H0681199 A JPH0681199 A JP H0681199A
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- JP
- Japan
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- zinc
- bath
- plating
- dissolution
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- Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 Zn−Ni系合金電気めっき浴中へ攪拌槽を用い
て金属亜鉛を溶解供給するとき、Znより貴なNiが金属亜
鉛表面に置換析出し、金属亜鉛の効率的溶解が阻害され
ていた。 【構成】 金属亜鉛の投入時の比表面積Ｘ（ｍ2 ／kg）
と攪拌槽中のZn−Niめっき液の浴温Ｔ（℃）を下記の条
件にすることにより効率的溶解が可能となった。 Ｔ≦ 75logＸ＋7.5
て金属亜鉛を溶解供給するとき、Znより貴なNiが金属亜
鉛表面に置換析出し、金属亜鉛の効率的溶解が阻害され
ていた。 【構成】 金属亜鉛の投入時の比表面積Ｘ（ｍ2 ／kg）
と攪拌槽中のZn−Niめっき液の浴温Ｔ（℃）を下記の条
件にすることにより効率的溶解が可能となった。 Ｔ≦ 75logＸ＋7.5
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、連続電気めっきライン
において不溶性陽極を用いてZn−Ni合金めっき鋼板を製
造する際の、めっき浴への亜鉛イオンの補給方法に関す
るものである。
において不溶性陽極を用いてZn−Ni合金めっき鋼板を製
造する際の、めっき浴への亜鉛イオンの補給方法に関す
るものである。
【０００２】
【従来の技術】近年、自動車、家電製品等の耐食性向上
の要求が強く、表面処理鋼板の需要が増加している。こ
の高耐食性の要求に応えるため、鉄鋼メーカーではZn−
NiやZn−Feなどの合金めっき鋼板を開発した。その中
で、Zn−Niめっき鋼板は、裸の耐食性がZnめっきの５〜
10倍あるため、最も一般的な合金めっき鋼板として著し
く需要が増加している。
の要求が強く、表面処理鋼板の需要が増加している。こ
の高耐食性の要求に応えるため、鉄鋼メーカーではZn−
NiやZn−Feなどの合金めっき鋼板を開発した。その中
で、Zn−Niめっき鋼板は、裸の耐食性がZnめっきの５〜
10倍あるため、最も一般的な合金めっき鋼板として著し
く需要が増加している。
【０００３】こうした需要増に対処するには、効率的な
生産が可能である高電流密度による高速めっき法が必要
である。高速めっき法においては、陽極交換を頻繁に行
う可溶性陽極よりも、陽極交換のほとんどない不溶性陽
極を用いる方が有利である。しかし、不溶性陽極を用い
る場合には、めっきにより消費される金属イオンを連続
的に補給する必要がある。
生産が可能である高電流密度による高速めっき法が必要
である。高速めっき法においては、陽極交換を頻繁に行
う可溶性陽極よりも、陽極交換のほとんどない不溶性陽
極を用いる方が有利である。しかし、不溶性陽極を用い
る場合には、めっきにより消費される金属イオンを連続
的に補給する必要がある。
【０００４】めっきの高速化に伴い、めっき浴中の金属
イオンの消費速度が比例的に大きくなるため、金属イオ
ンの補給特に消費量（析出量）の多いZnイオンの補給を
低コストにて実施することが極めて重要になる。不溶性
陽極を用いる電気亜鉛めっき浴におけるZnイオンの補給
方法としては、次の２つの方法が一般的である。 亜鉛を炭酸塩など可溶性薬品の形でめっき液に溶解
する方法。 亜鉛金属をめっき液と直接接触させることにより溶
解する方法。
イオンの消費速度が比例的に大きくなるため、金属イオ
ンの補給特に消費量（析出量）の多いZnイオンの補給を
低コストにて実施することが極めて重要になる。不溶性
陽極を用いる電気亜鉛めっき浴におけるZnイオンの補給
方法としては、次の２つの方法が一般的である。 亜鉛を炭酸塩など可溶性薬品の形でめっき液に溶解
する方法。 亜鉛金属をめっき液と直接接触させることにより溶
解する方法。
【０００５】しかし、の方法は、の方法に比較して
溶解性が優れている反面、コストが高いという欠点があ
る。一方の方法はコストが安いが溶解性が劣る欠点が
ある。電気亜鉛めっき浴への金属亜鉛の溶解を促進させ
る方法として、亜鉛や亜鉛合金をステンレスと接触させ
る方法（特開昭55-32701号公報) 、あるいは亜鉛めっき
浴中に微量のNi2+またはFe3+イオンを存在させる方法
（特開昭61-600号公報、特開昭61-3900 号公報）などが
開示されている。これらの方法は、金属亜鉛にステンレ
ス、Ni、Fe等亜鉛より貴な電位を持ち且つ水素過電圧の
小さな金属を接触させることにより、金属亜鉛の溶解速
度を速くしたものである。
溶解性が優れている反面、コストが高いという欠点があ
る。一方の方法はコストが安いが溶解性が劣る欠点が
ある。電気亜鉛めっき浴への金属亜鉛の溶解を促進させ
る方法として、亜鉛や亜鉛合金をステンレスと接触させ
る方法（特開昭55-32701号公報) 、あるいは亜鉛めっき
浴中に微量のNi2+またはFe3+イオンを存在させる方法
（特開昭61-600号公報、特開昭61-3900 号公報）などが
開示されている。これらの方法は、金属亜鉛にステンレ
ス、Ni、Fe等亜鉛より貴な電位を持ち且つ水素過電圧の
小さな金属を接触させることにより、金属亜鉛の溶解速
度を速くしたものである。
【０００６】Zn−Niめっき液中に亜鉛を供給する場合
は、炭酸塩などの薬品の形で行う。亜鉛金属めっき液に
直接溶解する方法は、Znめっき液の場合上述のようにす
でに実施されているが、Zn−Niめっき液では行われてい
ない。これは、めっき液中に存在する多量のNiの標準還
元電位がZnよりも 0.5Ｖ程度貴であるため、亜鉛が溶解
するとき、その金属表面にNiが析出し、経時とともに亜
鉛の溶解速度が低下するためである。
は、炭酸塩などの薬品の形で行う。亜鉛金属めっき液に
直接溶解する方法は、Znめっき液の場合上述のようにす
でに実施されているが、Zn−Niめっき液では行われてい
ない。これは、めっき液中に存在する多量のNiの標準還
元電位がZnよりも 0.5Ｖ程度貴であるため、亜鉛が溶解
するとき、その金属表面にNiが析出し、経時とともに亜
鉛の溶解速度が低下するためである。
【０００７】Niの析出を防止する方法として特開昭63−
238300号公報が開示されているが、金属亜鉛を溶解する
ために、Co、Moなどを添加している。Co、Moなどの金属
は高価でありまた、Zn−Niめっきに及ぼす影響が明確で
はなく、溶解のためにめっき液中に元素を添加すること
には問題が残る。
238300号公報が開示されているが、金属亜鉛を溶解する
ために、Co、Moなどを添加している。Co、Moなどの金属
は高価でありまた、Zn−Niめっきに及ぼす影響が明確で
はなく、溶解のためにめっき液中に元素を添加すること
には問題が残る。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、一
般的なZn−Ni系合金めっき浴への金属亜鉛溶解におい
て、異種金属を添加するなどのめっき自身の品質に影響
を及ぼす可能性のない亜鉛金属の溶解補給方法を提供す
ることを目的とするものである。
般的なZn−Ni系合金めっき浴への金属亜鉛溶解におい
て、異種金属を添加するなどのめっき自身の品質に影響
を及ぼす可能性のない亜鉛金属の溶解補給方法を提供す
ることを目的とするものである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明は、Zn−Ni系合金
電気めっき浴中に攪拌槽を用いて金属亜鉛を溶解して亜
鉛イオンを補給する方法において溶解に用いる金属亜鉛
の投入時の比表面積Ｘ（ｍ2 ／kg）と攪拌槽中のZn−Ni
めっき液の浴温Ｔ（℃）を下記の条件で溶解することを
特徴とするZn−Ni系合金電気めっき浴への亜鉛イオンの
補給方法である。
電気めっき浴中に攪拌槽を用いて金属亜鉛を溶解して亜
鉛イオンを補給する方法において溶解に用いる金属亜鉛
の投入時の比表面積Ｘ（ｍ2 ／kg）と攪拌槽中のZn−Ni
めっき液の浴温Ｔ（℃）を下記の条件で溶解することを
特徴とするZn−Ni系合金電気めっき浴への亜鉛イオンの
補給方法である。
【００１０】Ｔ≦ 75logＸ＋7.5
【００１１】
【作用】本発明者らは、Zn−Ni系合金電気めっき浴中に
攪拌槽を用いた金属亜鉛の溶解を鋭意検討した結果、次
のことを知見した。すなわち、亜鉛の溶解時に析出する
Niは経時とともにその量が増し、亜鉛の溶解速度を低下
させるが、めっき浴温と攪拌槽へ投入する金属亜鉛の初
期比表面積の大きさを適切にとると、亜鉛溶解が最後ま
で進行することである。
攪拌槽を用いた金属亜鉛の溶解を鋭意検討した結果、次
のことを知見した。すなわち、亜鉛の溶解時に析出する
Niは経時とともにその量が増し、亜鉛の溶解速度を低下
させるが、めっき浴温と攪拌槽へ投入する金属亜鉛の初
期比表面積の大きさを適切にとると、亜鉛溶解が最後ま
で進行することである。
【００１２】ここで、本発明者らが行った溶解速度の実
験結果を図１に示す。実験条件は以下のとおりである。 溶解液組成 ZnSO4 ・７H2O ：120g／l NiSO4 ・６H2O ：230g／l Na2SO4 ： 50g／l 溶解液 pH ： 1.3 内径250mm の円筒容器中に上記Zn−Niめっき液を７ｌい
れ、金属亜鉛を50ｇ充填した。インペラーは径60mmの４
枚羽根（傾き40度）を用い 400〜800rpmの回転数で実験
した。pHは、硫酸により±0.3 の範囲でコントロールし
た。図１の評価は上記条件で２hr溶解後残査が１ｇ未満
のものを良好（○）１ｇ以上のものを不良（×）とし
た。
験結果を図１に示す。実験条件は以下のとおりである。 溶解液組成 ZnSO4 ・７H2O ：120g／l NiSO4 ・６H2O ：230g／l Na2SO4 ： 50g／l 溶解液 pH ： 1.3 内径250mm の円筒容器中に上記Zn−Niめっき液を７ｌい
れ、金属亜鉛を50ｇ充填した。インペラーは径60mmの４
枚羽根（傾き40度）を用い 400〜800rpmの回転数で実験
した。pHは、硫酸により±0.3 の範囲でコントロールし
た。図１の評価は上記条件で２hr溶解後残査が１ｇ未満
のものを良好（○）１ｇ以上のものを不良（×）とし
た。
【００１３】本溶解実験において、２hr後に溶解残査が
有るのは、前述のように亜鉛金属表面にNiが析出し溶解
速度が著しく低下したためと考えられる。投入した亜鉛
粉の溶解は、比表面積が大きいと、単位重量当りの溶解
速度が大きいこと、また、粒径も小さいために一つ一つ
の亜鉛粒の溶解が比較的短時間で完了する。一方、浴温
が低い場合、Niの析出速度の低下の割合が亜鉛溶解速度
の低下の割合より大きいため、Ni析出による亜鉛表面積
の低下が小さく、経時の溶解速度の低下が小さい。従っ
て、浴温が低い場合は、亜鉛粉の比表面積が小さくても
溶解の良好な範囲が広い。
有るのは、前述のように亜鉛金属表面にNiが析出し溶解
速度が著しく低下したためと考えられる。投入した亜鉛
粉の溶解は、比表面積が大きいと、単位重量当りの溶解
速度が大きいこと、また、粒径も小さいために一つ一つ
の亜鉛粒の溶解が比較的短時間で完了する。一方、浴温
が低い場合、Niの析出速度の低下の割合が亜鉛溶解速度
の低下の割合より大きいため、Ni析出による亜鉛表面積
の低下が小さく、経時の溶解速度の低下が小さい。従っ
て、浴温が低い場合は、亜鉛粉の比表面積が小さくても
溶解の良好な範囲が広い。
【００１４】本発明は、Zn−Ni系めっきへの亜鉛イオン
供給であるから、めっきする温度と著しく掛離れた温度
で溶解することになると、供給系とめっき系の間で液の
やり取りをするとき、多くのエネルギーが必要でランニ
ングコストが高くなり、経済上問題である。従って、溶
解時の液温は、15〜60℃が望ましい。溶解残査の観点よ
り求めた図１とあわせて、Zn−Ni系めっき液への溶解の
適正な範囲を図２に示す。
供給であるから、めっきする温度と著しく掛離れた温度
で溶解することになると、供給系とめっき系の間で液の
やり取りをするとき、多くのエネルギーが必要でランニ
ングコストが高くなり、経済上問題である。従って、溶
解時の液温は、15〜60℃が望ましい。溶解残査の観点よ
り求めた図１とあわせて、Zn−Ni系めっき液への溶解の
適正な範囲を図２に示す。
【００１５】以上より本発明においては、投入する金属
亜鉛の比表面積Ｘ（ｍ2 ／Kg）と攪拌槽中のZn−Niめっ
き液の浴温Ｔ（℃）との関係を、 Ｔ≦75log Ｘ＋7.5 に限定した。ここで述べたZn−Ni系合金めっきとは、Zn
−NiめっきおよびZn−Niに第３元素を添加しためっき例
えばZn−Ni−Cr、Zn−Ni−Cuなどがあげられる。
亜鉛の比表面積Ｘ（ｍ2 ／Kg）と攪拌槽中のZn−Niめっ
き液の浴温Ｔ（℃）との関係を、 Ｔ≦75log Ｘ＋7.5 に限定した。ここで述べたZn−Ni系合金めっきとは、Zn
−NiめっきおよびZn−Niに第３元素を添加しためっき例
えばZn−Ni−Cr、Zn−Ni−Cuなどがあげられる。
【００１６】
【実施例】一般的に用いられているZn−Niめっき液に対
して、種々の比表面積の亜鉛粒を溶解した結果を表１に
示す。本発明法により、溶解速度が速くしかも亜鉛表面
に析出するNiの割合が低いため、極めて経済的な亜鉛溶
解が可能であることが分かる。
して、種々の比表面積の亜鉛粒を溶解した結果を表１に
示す。本発明法により、溶解速度が速くしかも亜鉛表面
に析出するNiの割合が低いため、極めて経済的な亜鉛溶
解が可能であることが分かる。
【００１７】
【表１】
【００１８】
【発明の効果】本発明により、Zn−Niめっきへの金属亜
鉛の効率的溶解が可能となり、不溶性陽極を用いるZn−
Niめっきがより効率的に製造できるようになった。
鉛の効率的溶解が可能となり、不溶性陽極を用いるZn−
Niめっきがより効率的に製造できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図１】金属亜鉛の溶解試験における溶解速度から、適
正な比表面積と浴温との関係を示したグラフである。
正な比表面積と浴温との関係を示したグラフである。
【図２】金属亜鉛の望ましい溶解速度を呈する比表面積
と浴温との関係を整理したグラフである。
と浴温との関係を整理したグラフである。
Claims (1)
- 【請求項１】 Zn−Ni系合金電気めっき浴中に攪拌槽を
用いて金属亜鉛を溶解して亜鉛イオンを補給する方法に
おいて溶解に用いる金属亜鉛の投入時の比表面積Ｘ（ｍ
2 ／kg）と攪拌槽中のZn−Niめっき液の浴温Ｔ（℃）を
下記の条件で溶解することを特徴とするZn−Ni系合金電
気めっき浴への亜鉛イオンの補給方法。 Ｔ≦ 75logＸ＋7.5
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23481392A JPH0681199A (ja) | 1992-09-02 | 1992-09-02 | Ｚｎ−Ｎｉ系合金めっき浴への亜鉛イオンの補給方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23481392A JPH0681199A (ja) | 1992-09-02 | 1992-09-02 | Ｚｎ−Ｎｉ系合金めっき浴への亜鉛イオンの補給方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0681199A true JPH0681199A (ja) | 1994-03-22 |
Family
ID=16976795
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23481392A Pending JPH0681199A (ja) | 1992-09-02 | 1992-09-02 | Ｚｎ−Ｎｉ系合金めっき浴への亜鉛イオンの補給方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0681199A (ja) |
-
1992
- 1992-09-02 JP JP23481392A patent/JPH0681199A/ja active Pending
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