JPH068116Y2 - 電子写真式印刷装置の搬送通路位置決め装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の技術分野］ 本考案は、電子写真式印刷装置の搬送通路位置決め装置
に関する。

［従来技術とその欠点］ 電子写真式印刷装置（複写機を含む。）は、帯電器、露
光器、感光ドラム、現像器、転写器、定着器及び搬送装
置など複数の機能要素を所定の位置関係をもって組立て
たものである。組立、保守、点検、寿命による交換など
の容易性を考えて、できるだけユニット化されている。
通常、帯電器、感光ドラム及び現像器までをユニット化
して（以下、これをユニットと称する）、これを本体に
対して出し入れ自在な受台に着脱自在に収容している。

そして、印刷品質は感光ドラムの保守、感光ドラムと転
写器の適正な位置に依存し、また用紙をつまらせるジャ
ムを起こすこともあり、この場合は転写器と搬送通路を
感光ドラムから離隔して、ジャムした用紙を除去した
後、再び正常な位置にセットする。

ジャム発生時にドラム・転写器間を離間する方法に、ド
ラム側を上方に移動させる方法と、転写器を搬送通路側
に取付け、搬送通路を下方に移動させる方法がある。

後者の場合は、位置決めが容易でない。また、ユニット
化した感光ドラムを本体に対して受台を介して出入自在
に収容する場合は、受台収納時に、所定位置にロックす
る必要がある。従来は、位置決めとロックとに別々の操
作を要した。

［解決しようとする技術課題］ 本考案は、搬送部と転写部を単一のフレームに設置した
電子写真式印刷装置の搬送通路において、取り扱いが容
易で転写器の感光ドラムに対する適正な位置決めと受台
のロックを一挙動で行える搬送通路位置決め装置を提供
することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本考案に係る装置は、上記課題を解決するため、 搬送部と転写部を単一のフレームに設置し、 前記フレームの用紙入口側の一端を回動自在に基台に固
定し、 フレームの後半部と前記基台との間に第一の位置決め手
段を、前記フレームの他端部に第二の位置決め手段を備
え、 第一の位置決め手段は、フレームの後半部下面に取付け
た停止部材と、一端を基台に回動自在に固定した支持部
材の先端に設けられ、その支持部材の回動に伴って前記
停止部材を介してフレームを昇降させ、かつ、上昇時に
停止部材に係止されるローラとで構成し、かつ、前記支
持部材を一体的に回動させる操作レバーを備えて、その
操作レバーの回転により前記フレームを回動昇降させる
ようにし、 第二の位置決め手段は、フレーム後端に突設した第２停
止部材と、基台から立上がり、縦長孔を有して、その縦
長孔に第２停止部材を挿入させた規制部材とで構成した
ことを特徴とする。

［作用］ 操作レバーを上方に回動すると、第一の位置決め手段の
回動軸を介して支持部材が上方に回動し、その支持部材
の先端に設けてあるローラが第１の停止部材に当接し
て、フレームを上方に押上げ移動させる。

フレームが所定位置まで上昇すると、ローラがばねの死
点を越えた位置で第１の停止部材の停止部に停止され
て、所定位置にロックする。また、第二の位置決め手段
の第２停止部材も、規制部材の縦長孔の上端部に停止さ
れて、フレームを所定位置に位置決めする。

従って、転写器が感光ドラムに対して適正な位置に保持
され、搬送部は用紙を感光ドラムと転写器の間に円滑確
実に搬送し得る状態に位置決めされる。

同時に、操作レバーは、上昇位置においてユニットを収
容する受台の外側面に当接して、その引き出しを阻止す
る。

次に、操作レバーを反対方向に回転すると、操作レバー
が受台を解放してその引き出しを可能にすると同時に、
転写器及び搬送部を感光ドラムから下方に離間させる。

従って、ユニット又は転写器の保守点検、交換又は用紙
ジャムの解消を行うことができる。

［この考案の実施例］ 以下に、本考案の実施例を図面により説明する。

本考案に係る搬送通路Ａは、第１図及び第２図に示すよ
うに、ほぼ長方形の平板で形成したガイド板１の両側に
側板２，３を取付けたフレームで構成されている。

搬送通路Ａの用紙入口側において、基台４の水平な上面
に立設した一対の第１の軸受台５の軸受及びフレームの
両側板２，３に設けた軸受に軸６を貫入して、フレーム
を水平軸回りに回動自在に支持してある。

この軸６の一端には伝動プーリ７，７′が、両側板の間
には左右一対の送りローラ８を設けてあって、送りロー
ラ８の上端部はガイド板１に設けた孔から上方の搬送面
に臨ませてある。

また、フレームの両側板２，３の後半部に設けた軸受に
軸９を貫通し、その軸９に、入口側の伝動プーリ７及び
送りローラ８と同様の伝動プーリ１０と送りローラ１１
を設け、プーリ７，１０間に伝動ベルト１２をかけ渡し
てある。プーリ７′には一部をモータのプーリにかけた
伝動ベルト１３がかけてある。

搬送通路Ａの後半部には、第一の位置決め手段Ｂが設け
られている。次に、その構成を説明する。

フレームには、側板２，３の間において、ほぼ断面Ｌ字
形の第１の停止部材１４を設けてある。

他方、基台４の第１の停止部材１４に対応する位置に、
一対の第２の軸受台１５を固定し、その軸受台の軸受に
回動軸１６を貫通し、この回動軸の停止部材１４に対応
する位置にＵ字形の支持部材１７の底部を固定し、その
支持部材の上部に設けた縦長孔１８に軸受部材１９を移
動自在に嵌合するとともに、この軸受部材にローラ２０
を回動自在に支持する支持軸２１を挿通し、両軸受部材
１９をばね受け部材２２で連結し、支持部材１７に固定
したばね座部材２３に挿入したばね２４の先端を、ばね
受け部材２２で固定することにより、ローラ２０を回動
軸１６から遠ざかる方向に付勢している。

さらに、この回動軸１６には、フレームの側板２の外側
で固着されて、支持部材１７と一体的に回動する扇形の
操作レバー２５を設けてある。

この操作レバー２５を、図において反時計方向に回す
と、支持部材１７も同方向に回転し、ローラ２０が第１
の停止部材１４の下面に当ってこれを押し上げるためフ
レームを回動して持上げる。そして、ローラ２０の中心
がばね２４の死点ａを越えた位置ｂまで移動したとき、
ローラ２０が停止部１４ａに当って停止されるように設
計されている。

搬送通路Ａの後端部に設けられた第二の位置決め手段Ｃ
の構成を説明すると、フレームの他端の下部に、前記フ
レームの後端部から後方に延びる棒状の第２の停止部材
２６を設けてある。基台４には、また、第２の停止部材
２６に対応する下側位置において垂直に立ち上がる取付
部材２７を設け、その取付部材に縦長孔２８を有する規
制部材２９を取付け、この縦長孔２８に前記第２の停止
部材２６を貫入させて、第二の位置決め手段Ｃが構成さ
れている。

規制部材２９の取付部材２７に対する取付けを、前者に
設けた長孔３０にねじ３１を通し、これを取付部材２７
にねじ込んで行うことにより、規制部材の長孔２８の上
端の高さの微調整が可能である。

規制部材２９は、搬送通路Ａが操作レバー２５により上
昇されたとき、フレームの後端近傍に設けた転写器３２
がその上方にセットされているユニットＵの感光ドラム
３３の下面に対して適正な距離で停止し、かつ、搬送通
路のローラ１１がユニットのピンチローラ３４と圧接す
るように、縦長孔２８を位置決めされ、固定される。

この構成により、規制部材２９の縦長孔２８の上端位置
の調整後、前記操作レバー２５を上方に回動して搬送通
路を正しい位置にセットした時は、ローラ２０の中心点
の位置は、第８図のばね１２の死点（最短点）ａを越え
たｂ点であり、この点でのばねの付勢力の円周方向への
分力が水平方向に大きく作用するため、停止部材１４の
停止部１４ａと共働して安定化し、フレームは停止す
る。

なお、上記ユニットＵは、印刷装置本体に固定したケー
ス３５内にスライドレール３６を介して出入れ自在に取
付けた受台３７に、受台を引出した状態でその上方から
着脱自在に収容される。そして、受台をケース内に収容
した状態で操作レバー２５を上方に回動して搬送通路を
上昇させ適正位置に固定したときは、操作レバー２５が
受台３７の外側面に当接して、受台を引出せないように
ロックする。

次に動作について説明する。ユニットＵの保守点検、交
換のため受台３７を引出す時、又は、転写器３２の保
守、交換を行なう場合、あるいは用紙のジャムを解消す
る時は、操作レバー２５を第１図において時計方向に回
動すれば、ローラ２０が第８図のｂ点から死点ａを通過
して停止部材１４の平面上を転動し、これに併せて搬送
通路Ａは自重により軸６を中心として反時計方向に回動
降下して第３図に示すような状態となる。

従って、ドラム下面とフレームとの間に保守、修理、ジ
ャム解消に必要十分な間隔が得られる。これらの作業が
終れば、操作レバー２５を反時計方向に回して再び立ち
上げると、ローラ２０は停止部材１４の平面上を移動す
るのでフレームも上昇し、前述のｂ点において停止部１
４ａによりローラ２０が停止され、フレームの正しい位
置決めを行なう。

この際、第二の位置決め手段Ｃの規制部材２９がフレー
ムの必要以上の上昇を阻止するので、ドラム下面にフレ
ームや転写器が接触して傷をつけることはない。

［この考案の効果］ 以上のように、本考案による搬送通路の位置決め装置
は、操作レバーの回動のみで搬送部と転写部を一体的に
移動でき、また感光ドラムと転写器の間の接近距離を適
正に保ち、さらにユニットの保守、交換又は転写器の保
守交換あるいは用紙ジャムの解消を容易に行なうことが
できる。

さらに、操作レバーの回動により、同時にユニット受台
のロック又はその解除ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に基く実施例の搬送通路の位置決め装置
の正面図、第２図は搬送通路の多少縮小した平面図、第
３図は下降させた状態の側面図、第４図は第１図の状態
における縦断面図、第５図は第一の位置決め手段を設け
た部分の平面図、第６図は同じく第一の位置決め手段の
一部の断面図、第７図は同部の側面図、第８図は操作レ
バー回動時の作用説明図、第９図は第二の位置決め手段
の背面図である。 Ａ……搬送通路、 １，２，３……フレーム、 １……ガイド板、 ２，３……側板、 ４……基台、 １４……第１の停止部材、 Ｂ……第一の位置決め手段、 １６……回動軸、 ２０……ローラ、 ２４……ばね、 ２５……操作レバー、 Ｃ……第二の位置決め手段、 ２６……第２の停止部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】搬送部と転写部を単一のフレームに設置し
   た電子写真式印刷装置の搬送通路において、 （イ）前記フレームの一端を、基台に立設した第１の軸
   受台の軸受に貫入した軸により回動自在に支持し、 （ロ）前記フレームの後半部下面に第１の停止部材を設
   けるとともに、前記基台の前記第１の停止部材に対応す
   る位置に立設した第２の軸受台の軸受に貫入した回動軸
   に支持部材を固着し、その支持部材の先端に、前記回動
   軸の回動に伴なって前記第１の停止部材に接触転動し、
   かつ停止されるローラを前記支持部材の長手方向に移動
   自在に支持し、かつ、このローラを支持部材の長手方向
   に付勢する部材を設けてなる第一の位置決め手段を備
   え、さらに前記回動軸に前記フレームの外側で固着され
   て前記支持部材を一体的に回動させる操作レバーを設
   け、 （ハ）前記フレームの他端に第２の停止部材を設け、前
   記基台の前記第２の停止部材に対応する位置に、垂直に
   立ち上がって所定の縦長孔を有する規制部材を取付け
   て、この縦長孔に前記第２の停止部材を貫入させてなる
   第二の位置決め手段を備え、 （ニ）前記第一の位置決め手段の第１の停止部材は、前
   記ローラとの接触点がばねの死点を越えた位置でローラ
   を停止させ、 （ホ）前記操作レバーは、第一の位置決め手段の停止部
   材がローラを停止する位置において、感光体ユニットを
   着脱自在に収納する受台の外側面に当接してその引出し
   を阻止すること、 を特徴とする電子写真式印刷装置の搬送通路位置決め装
   置。