JPH0681140U - ラダー型フィルタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 実装面積が減少する小型で、且つ製造が容易
で、プリント配線基板との接合信頼性が高いラダー型フ
ィルタを提供する。 【構成】 圧電共振子６、８、１０、１１と端子板５、
７、９、１２との積層体３と、開口４を有しかつ前記積
層体３を収納するケース２と、前記ケース２に一体成型
されるとともに、プリント配線基板との接合部がケース
２底面に露出する複数の金属端子２１、２２、２３と、
前記ケース２の開口４を封止し且つ端子板５、７、９、
１２と金属端子２１、２２、２３とを接続する中間導体
４５、４６、４７を有する蓋体とから成るラダー型フィ
ルタである。前記複数の金属端子２１、２２、２３は、
ケース２の開口４部側底面に露出する金属端子２１、２
３と、前記中間導体４６との接続部分からケース２の底
面肉厚部の埋設され、ケース２の開口４側と対向する側
の底面に露出する金属端子２２とを有する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ラダー型フィルタ、特に表面実装型ラダー型フィルタに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、表面実装型ラダー型フィルタとして、圧電共振子と端子板とが積み重ね られた積層体と、開口を有し且つ積層体を収納するためのケースと、ケースの開 口を封止する蓋体及びシール材と、蓋体に一体成型され、シール材を介して外方 に延びるリード端子とを備えたものが知られている。

【０００３】 リード端子は、蓋体にモールド成型により一体化されており、蓋体から外方に 延出し、さらにシール材を介してプリント配線基板側に向かって斜めに延出した 延出部と、該延出部の先端がケースから離れる方向に延び、且つプリント配線基 板と表面実装可能にするためケース底面と同一平面となる固定部とから構成され ていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上述のラダー型フィルタでは、リード端子がシール材を介して、外方に突出し ているため、リード端子はケースの外形よりも大きく突出してしまい、プリント 配線基板にラダー型フィルタを表面実装した時、実装に必要な面積が増大してし まうという問題点があった。

【０００５】 また、製造工程中においても、蓋体に取着されたリード端子がケースから大き く突出しているため、ケースに蓋体を取着する製造工程において、リード端子に 外部からの衝撃が加えられ、リード端子が変形したり、傾いて取着されたりする ため、全てのリード端子がケースの底面と略同一平面に揃うことは困難であり、 表面実装に適したラダー型フィルタを製造することは困難であった。

【０００６】 また蓋体を取着した各リード端子の上述の変形を防止するために、各リード端 子の先端を金属リードフレームなどで連設しておき、製造工程の最終工程でリー ド端子と金属リードフレームを切断することが考えられるが、このような製造方 法では、金属リードフレームが必要となったり、また切断工程が増加するなど、 製造コストが増大し、製造工程が複雑となってしまう。

【０００７】 本考案は上述の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は実装面積が 減少する小型で、且つ製造が容易で、プリント配線基板上での実装安定性に優れ たラダー型フィルタを提供することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、圧電共振子と端子板との積層体と、開口を有しかつ前記積層体を収 納するケースと、前記ケースに一体成型されるとともに、プリント配線基板との 接合部がケース底面に露出する複数の金属端子と、前記ケースの開口を封止し且 つ端子板と金属端子とを接続する中間導体を有する蓋体とから成るラダー型フィ ルタにおいて、前記複数の金属端子は、ケースの開口部側底面に露出する金属端 子と、前記中間導体との接続部分からケースの底面肉厚部の埋設され、ケースの 開口側と対向する側の底面に露出する金属端子とを有するラダー型フィルタであ る。

【０００９】

【作用】

本考案によれば、複数の金属端子は、中間導体との接続部分からケースの開口 部側底面にまで延出し、プリント配線基板との接合部がケースの底面に露出する 金属端子と、中間導体との接続部分からケースの底面の肉厚部に埋設され、ケー スの開口部側と対向する側のケースの底面に露出する金属端子とからなるため、 金属端子がケースの外形よりも大きく突出することがなく、ラダー型フィルタの 全体の形状は実質的にケース外形と同じになり、プリント配線基板上の実装面積 が極めて小さなラダー型フィルタとなる。

【００１０】 また、金属端子がケースに一体的に形成されているため、製造工程中で、金属 端子部分に外部衝撃が加えられても、各金属端子の変形はなく、プリント配線基 板に接合される金属端子の接合面をケースの底面と実質的に同一平面に維持する ことができ、表面実装が確実に行えるラダー型フィルタを容易に製造することが できる。

【００１１】 また、金属端子がケースから露出し、実際にプリント配線基板に実装される部 位が、ケースの開口側の端部のケース底面と、それに対向する側の端部のケース 底面であるため、プリント配線基板上での表面実装状態が安定し、強固な接合が 可能となる。

【００１２】 さらに、従来に比較して、開口側のみに延出するリード端子が減少するので、 その間のリード端子の間隔を広くすることができるので、プリント配線基板に半 田接合をおこなった際に、その間の半田ブリッジによる短絡がなく、接合信頼性 が向上する。これは、小型化の傾向にあるラダー型フィルタにとって極めて有効 に作用する。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案のラダー型フィルタを図面に基づいて詳説する。

【００１４】 図１は、本考案のラダー型フィルタの外観斜視図であり、図２は図１中のII− II線断面を示す図である。

【００１５】 ラダー型フィルタ１は、ケース２とケース２内に収納されたフィルタ部材群３ とを主として有している。

【００１６】 ケース２は、比較的溶融温度が高い樹脂、例えば液晶ポリマーから成り、内部 に収納中空部を有する概ね直方体形状を成している。このケース２の一端には開 口４が設けられており、開口４には図２に示すように僅かな段部４ａが形成され 、フィルタ部材群３の収納領域と、封止部が配置・充填される領域が区別されて いる。尚、本考案では、封止部が配置される部位のケース２の内壁を、特に開口 ４の内壁という。

【００１７】 また、ケース２には、プリント配線基板（図示せず）に接合する、例えば３つ の金属端子２１、２２、２３が一体的に形成されている。

【００１８】 金属端子２１、２２、２３のうち、例えば金属端子２１、２３は、ケース２の 開口４の底面側開口縁部を取り巻くようにしてケース２の開口４の内壁とケース ２の底面とに露出する概略コ字状の金属金具からなる。

【００１９】 また、金属端子２２は、ケース２の開口４の内壁部に露出し、その部分からケ ース２の底面肉厚部に埋設され、開口４側と対向する側のケース２の一端に延出 され、端部に近接した部位でケース２の底面に露出する金属金具からなる。

【００２０】 具体的には、図３に示すように金属端子２１、２２、２３は、Ａｇメッキなど の半田ヌレ性のよい金属がメッキされた鉄板から成る各形状の金属金具を、ケー ス２を樹脂でモールド成型する際に、同時にモールド一体成型する。

【００２１】 また、金属端子２１、２３として概略コ字状金属金具をケース２の開口４の底 面側開口縁部に嵌合接着してもよい。

【００２２】 さらに、金属端子２１、２２、２３として金属金具を用いず、ケース２を成型 する際に、表面メッキ処理可能な部材と、メッキがかからない部材とで樹脂の二 色成型して、その後、Ａｇメッキなどの金属メッキ処理を行って、金属端子２１ 、２３を薄い導体膜で被着形成するなど種々の方法で形成することができる。

【００２３】 ケース２内に収納されたフィルタ部材群３は、図２の下から順に、第１及び第 ４の端子板を兼ねたコ字状の端子板５と、第１直列共振子６と、第２端子板７と 、第２並列共振子８と、第３端子板９と、第２並列共振子１０と、第４の端子板 となるコ字状端子板５上に配置された第２直列共振子１１と、第５の端子１２と が積層されて構成されている。尚、ケース２に収納する際には、フィルタ部材群 ３の各端子板５、７、９、１２と共振子６、８、１０、１１とを安定的に接続す るためのバネ端子１３がさらに積層される。

【００２４】 尚、各端子板５、７、９、１２の主面の共振子６、８、１０、１１と接続部分 には、夫々突起５ａ、７ａ、９ａ、１２ａが形成されている。

【００２５】 さらに、第２端子板７、第３端子板９、第５端子板１２は、ケース２の開口４ に延びるリード部７ｂ、９ｂ、１２ｂが形成されている。尚、リード部７ｂ、９ ｂ、１２ｂは、ラダー型フィルタの上面から見た時、互いに重ならないように配 置されて延出されている。

【００２６】 共振子６、８、１０、１１は、両主面に電極( 図示せず）が形成された圧電セ ラミックの板状部材からなり、概ね正方形状である。第１及び第２直列共振子６ 、１１は、第１及び第２並列共振子８、１０よりも厚みが大きく設定されている 。

【００２７】 上述のフィルタ部材群３が収納されたケース２の開口４は、紙ベース４１と蓋 体４２とシール材４３とから成る封止部により気密的に封止されている。紙ベー ス４１は第２端子板７、第３端子板９、第５端子板１２のリード部７ｂ、９ｂ、 １２ｂに対応する位置にスリットが形成されており、その周囲で段部４ａに当接 している。リード部７ｂ、９ｂ、１２ｂは、夫々対応する紙ベースのスリットか ら外方に突出している。

【００２８】 蓋体４２は図４に示すように、例えば液晶ポリマーなどの樹脂製の本体４４と 中間導体４５、４６、４７とから構成されている。本体４４には、リード部７ｂ と連結する第１中間導体４５、リード部９ｂと連結する第２中間導体４６及びリ ード部１２ｂと連結する第３中間導体４７が夫々形成されている。この中間導体 ４５、４６、４７は、リード部７ｂ、９ｂ、１２ｂに対応するスリット４５ａ、 ４６ａ、４７ａとケース２の底面側の端部との間に形成され、また、蓋体４２の 外側表面には、中間導体４５、４６、４７を夫々仕切る突条のリブ４８、４９が 形成されている。

【００２９】 この中間導体４５、４６、４７は、ケース２に一体成型した金属端子２１、２ ２、２３と同様に、中間導体４５、４６、４７となる平板金具を、蓋体４２を樹 脂でモールド成型する際に、同時にモールド一体成型して形成されたり、平板金 具を蓋体４２の表面に接着したり、さらに、導体膜で被着形成などによって形成 することができる。

【００３０】 蓋体４２は、開口４の段差部４ａに配置された紙ベース４１に積層されて配置 されている。そして、各端子板７、９、１２のリード部７ｂ、９ｂ、１２ｂの先 端が対応する第１、第２及び第３中間導体４５、４６、４７のスリット４５ａ、 ４６ａ、４７ａを貫通し、このリード部７ｂ、９ｂ、１２ｂとスリット２５ａ、 ２６ａ、２７ａと間隙を完全に隠蔽するように半田や導電材料を含む樹脂接着剤 などの導電性接合材５０により機械的に接合され、且つ電気的に接続されている 。

【００３１】 また、同時に、蓋体４２の底面側の端部にまで延出した第１、第２及び第３中 間導体４５、４６、４７とケース２の開口４の内壁に露出したリード端子２１、 ２２、２３が夫々半田や導電材料を含む樹脂接着剤などの導電性接合材５１によ り機械的に接合され、且つ電気的に接合される。

【００３２】 この時、蓋体４２の表面にはリブ４８、４９が形成されており、ケース２の開 口４の内壁との接触面積が大きくなるので、ケース２の開口４内に蓋体４２を安 定して保持させるとともに、さらに、リード部７ｂ、９ｂ、１２ｂと中間導体４ ５、４６、４７とを接続する導電性接合材５０及び中間導体４５、４６、４７と リード端子２１、２２、２３とを接続する導電性接合材５１が、隣接する中間導 体にまで流出することが防止できるので、中間導体４５、４６、４７間での短絡 が防止できる。

【００３３】 シール材４３は、例えばエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂であり、ケース２の 開口４の内壁と蓋体４２とで形成される凹部に充填し硬化して形成される。これ により、開口４は気密的に封止され、内部のフィルタ部材群３及び導電性接合材 ５０、５１による接合部の信頼性を高めることができる。

【００３４】 上述の構造のラダー型フィルタでは、図５に示す等価回路となる。図において 、対応する部分には、同一の符号が付されている。図５から明らかなように、第 １金属端子２１及び第３金属端子２３が入出力端子となり、また第２金属端子２ ２が接地端子となる。

【００３５】 上述のラダー型フィルタでは、第１金属端子２１、第２金属端子２２、第３金 属端子２３が夫々ケース２に一体的に形成されているので、従来のようにリード 端子がケースが大きく突出することがない。このため、プリント配線基板上にラ ダー型フィルタ１を表面実装した時に、その実装面積は、実質的にケース２の外 形寸法で決定される小型のラダー型フィルタ１が達成できる。

【００３６】 また、金属端子２１、２２、２３がケース２から突出していないため、シール 材４３の充填工程などで、シール材４３の注入の障害によるものがないため、製 造工程が極めて容易になる。また、製造工程中に金属端子２１、２２、２３に外 部衝撃が与えられても、変形することがなく、安定したプリント配線基板への表 面実装性が維持できる。

【００３７】 さらに、シール材４３を充填すると、シール材４３の表面張力によりリード端 子２１、２３部分でシール材４３の這い上がり現象が発生するが、図１では、リ ード端子２１、２３がケース２の開口４の縁部で折り返された構造となっている ので、リード端子２１、２３が配置されていないケース２の他の開口４の縁部と シール材４３の這い上がり量が同じとなり、リード端子２１、２２、２３のプリ ント配線基板との接合面まで流れでて、プリント配線基板との半田接合を阻害す ることなく、また、シール材４３の表面高さのバラツキがなく、安定したシール の信頼性が達成される。

【００３８】 特に、第２金属端子２２が、蓋体４２に形成した中間導体４６との接続部位か らケース２の開口４と対向する端面側の近傍まで埋設され、プリント配線基板と の接合に必要な面積分だけ、ケース２の底面に露出されている。即ち、一般に開 口側に引き出される金属端子、例えば３つのうち、本考案では、所定金属端子、 例えば２２を対向する側にまで延出し、開口側に引き出される金属端子の数が、 金属端子２１、２３の２つに減少されるため、金属端子２１、２３との間隔を広 くすることができる。従って、プリント配線基板上に半田接合した際に、金属端 子間の半田ブリッジの発生による短絡現象が皆無とすることができる。

【００３９】 また、より小型なラダー型フィルタ１においても、充分に対応することができる 。さらに、ケース２の開口部側では金属端子２１、２３によって、それと対向す る側で金属端子２２によってプリント配線基板に接合されるため、接合安定性が 向上する。

【００４０】 また、図１に示すように、金属端子２２のケース２の底面の露出先端をケース ２の端面にまで延出させることが有効である。これにより、プリント配線基板と の接合を行う半田が、ケース２の端面部分にまで這い上がり、半田のフレットが 形成され、より強固な接合が可能となる。

【００４１】 尚、上述の実施例では、２つの直列共振子、２つの並列共振子を用いた４素子 のラダー型フィルタで説明たが、その素子数は４つに限定されることはなく、フ ィルタ特性に応じて素子数は任意変更が可能である。

【００４２】 さらに、ケース２の両端に開口を設け、その両開口からフィルタ部材群３から 導出されるリード端子を導出させても構わない。

【００４３】

【考案の効果】

以上のように、本考案に係るラダー型フィルタでは、金属端子がケースに一体 的に形成されているので、実装面積が極小化できる小型なラダー型フィルタとな る。また、製造工程におけるリード端子の変形がなく、製造が極めて容易となる 。

【００４４】 さらに、ケース底面に露出するリード端子を開口側及びそれと対向する側に分 けて配置されているため、例えば開口側の底面に露出するリード端子の数、間隔 を簡単に制御できるので、プリント配線基板に実装した際に、各リード端子間の 半田ブリッジによる短絡が防止でき、また、ケースの小型化の対応が極めて容易 となる。また、両端部の底面に夫々リード端子が形成されているので、プリント 配線基板上での接合姿勢が安定する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のラダー型フィルタの外観斜視図であ
る。

【図２】図１中のII−II線断面を示す縦断面図である。

【図３】ケースの外観斜視図である。

【図４】蓋体の外観斜視図である。

【図５】本考案のラダー型フィルタの等価回路図であ
る。

【符号の説明】

１・・・・ラダー型フィルタ ２・・・・ケース ２１、２２、２３・・・リード端子 ３・・・・フィル部材群 ５、７、９、１２ ・・・端子板 ６、１１・・・直列共振子 ８、１０・・・並列共振子 ４・・・・開口 ４２・・・蓋体 ４３・・・シール材 ４５、４６、４７・・・中間導体 ４８、４９・・・・・・リブ ５０、５１・・・・・・導電性接着材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 圧電共振子と端子板との積層体と、 側部に開口を有しかつ前記積層体を収納するケースと、 前記ケースに一体成型されるとともに、一部がケース底
   面に露出する複数の金属端子と、 前記ケースの開口を封止し且つ端子板と金属端子とを接
   続する中間導体を有する蓋体とから成るラダー型フィル
   タにおいて、 前記複数の金属端子は、その一部がケースの開口部側底
   面に露出し、残余がケースの開口側と対向する側の底面
   に露出していることを特徴とするラダー型フィルタ。