JPH0680664A - 新規キノリン誘導体 - Google Patents

新規キノリン誘導体

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JPH0680664A
JPH0680664A JP5164222A JP16422293A JPH0680664A JP H0680664 A JPH0680664 A JP H0680664A JP 5164222 A JP5164222 A JP 5164222A JP 16422293 A JP16422293 A JP 16422293A JP H0680664 A JPH0680664 A JP H0680664A
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alkyl group
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Jun Sasaki
潤 佐々木
Takashi Okazoe
隆 岡添
Yoshitomi Morisawa
義富 森澤
Arata Yasuda
新 安田
Norifumi Nakamura
憲史 中村
Yoshihisa Inoue
佳久 井上
Hajime Ebisu
一 戎
Naomichi Ishida
尚道 石田
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Mitsubishi Tanabe Pharma Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】高血圧症などの循環器系疾患治療薬として有効
な非ペプチド性の化合物を得る。 【構成】一般式(1)で示される新規なキノリン誘導体
およびその塩。 〔式中、X,YはCHまたはN;Rは低級(ハロ)ア
ルキル基、アルコキシ基等;R,RはH,Cl,B
r、低級(ハロ)アルキル基、−(CHCOR
等;RはH,Cl,Br、低級(フルオロ)アルキル
基、アルコキシ基;RはH,Cl,−CN−COO
H,−CONH等;Rは−COOH,−CON
,−CN,テトラゾール−5−イル基等;R,R
はH,Cl,Br、低級(フルオロ)アルキル基、ア
ルコキシル基;RはOH又はアルコキシ基;pは0〜
4の整数を示す〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた薬理作用を有する
新規キノリン誘導体、およびその塩に関する。さらに詳
しくは、アンジオテンシンII拮抗作用および血圧降下作
用を有し、高血圧症などの循環器系疾患治療剤として有
用な新規キノリン誘導体およびその塩に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】生体
の血圧は、交感神経系や昇圧系と降圧系のバランスなど
で調節されている。昇圧系に関与するものとしてレニン
−アンジオテンシン系がある。レニンはアンジオテンシ
ノーゲンに作用してアンジオテンシンIを生成する。ア
ンジオテンシンIはさらにアンジオテンシン変換酵素に
より、アンジオテンシンIIに変換される。アンジオテン
シンIIは強い血管収縮作用を有するとともに、副腎皮質
に作用してアルドステロンの分泌を促し、血圧の上昇を
もたらす。アンジオテンシンIIは細胞膜上のアンジオテ
ンシンII受容体を介して作用するので、その拮抗薬はア
ンジオテンシン変換酵素阻害剤と同様アンジオテンシン
IIによって引き起こされる高血圧症の治療薬として使用
できる。
【0003】これまで、サララシンに代表されるペプチ
ド性アンジオテンシンII拮抗剤が知られていたが、ペプ
チド性であるために経口投与では有効でないことが知ら
れている。最近、非ペプチド性アンジオテンシンII拮抗
剤が報告されており(たとえば、特開昭56−7107
4号公報、特表平3−501020号公報など)、経口
投与で有効であることが確認されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アンジオ
テンシンII拮抗作用を有し、経口投与で有効である非ペ
プチド性化合物を鋭意探索した。その結果、下記一般式
(1)で表される新規キノリン誘導体およびその塩が有
効であることを見いだした。本発明はこの新規なキノリ
ン誘導体およびその塩である。
【0005】
【化2】
【0006】[一般式(1)中、R1 〜R8 は下記のも
のを示す。 R1 :低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、シクロ低
級アルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、アルコ
キシ低級アルキル基、またはアルキルチオ基。 R2 、R3 :両者は同一でも異なっていてもよく、それ
ぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル
基、ハロ低級アルキル基、シクロ低級アルキル基、アル
ケニル基、アルコキシル基、Cm2m+1−、−(CH
2n9 、または−(CH2p COR10
【0007】R4 :水素原子、ハロゲン原子、低級アル
キル基、アルコキシル基、またはCm2m+1−。 R5 :水素原子、ハロゲン原子、−COOH、−COO
11、−CONH2 、または−CN。 R6 :−COOH、−COOR12、−CONH2 、−C
N、−NHSO2 CF3 、またはC結合テトラゾリル
基。 R7 、R8 :両者は同一でも異なっていてもよく、それ
ぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル
基、アルコキシル基、またはCm2m+1−。 X、Y:両者は同一でも異なっていてもよく、それぞれ
独立して、CHまたは窒素原子。
【0008】ただし、上記のR9 〜R12、およびm、
n、pは下記のものを示す。 R9 :ヒドロキシル基またはアルコキシル基。 R10:水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、ま
たはアルコキシル基。 R11、R12:両者は同一でも異なっていてもよく、それ
ぞれ独立して、低級アルキル基、アルケニル基、シクロ
低級アルキル基、アリール基、またはアルアルキル基。
【0009】mは1〜6の整数。nは1〜4の整数。p
は0〜4の整数。]
【0010】一般式(1)で表されるキノリン誘導体の
塩としては、このキノリン誘導体と無機酸または有機酸
から誘導される酸付加塩がある。このような塩として
は、たとえば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸
塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、
シュウ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フ
マル酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、グルタル酸塩、酢酸
塩、トリフルオロ酢酸塩、種々のアミノ酸の塩などがあ
る。
【0011】また、一般式(1)で表されるキノリン誘
導体の塩としては、このキノリン誘導体と塩基とから形
成される塩がある。このような塩としては、たとえば、
アルカリ金属(たとえばナトリウム、カリウム)、アル
カリ土類金属(たとえばカルシウム、マグネシウム)、
アンモニウムおよび置換アンモニウム(たとえばジメチ
ルアンモニウム、トリエチルアンモニウム)などから形
成される塩がある。
【0012】本明細書の以上の説明および以下の説明に
おいて、有機基が「低級」とは炭素原子1〜6個を意味
する。「低級アルキル基」は直鎖状または分岐状のいず
れでもよく、その適当な例としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などがあ
げられる。「ハロ低級アルキル基」はハロゲンで置換さ
れた低級アルキル基であり、その適当な例としては、ク
ロロメチル基、2−クロロエチル基、ブロモメチル基、
2−ブロモエチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,
2−ジブロモエチル基、3−トリフルオロメチルプロピ
ル基などがあげられる。「低級シクロアルキル基」は、
環を構成する炭素原子の数が3〜6のシクロアルキル基
をいい、その適当な例としては、シクロプロピル基、シ
クロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基な
どがあげられる。
【0013】また、「アルケニル基」としては、低級ア
ルケニル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数2〜4
の直鎖状あるいは分岐状のアルケニル基であり、その適
当な例としては、ビニル基、アリル基、1−プロペニル
基、イソプロペニル基、1−ブテニル基などがあげられ
る。「アルコキシル基」としては、低級アルコキシル基
が好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜4の直鎖状あ
るいは分岐状のアルコキシル基であり、その適当な例と
しては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブト
キシ基などがあげられる。「アルコキシ低級アルキル
基」としては、そのアルコキシル基部分が低級アルコキ
シル基であるものが好ましく、その適当な例としては、
メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、2−エト
キシエチル基などがあげられる。「アルキルチオ基」と
しては、低級アルキルチオ基が好ましく、その適当な例
としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ
基、ブチルチオ基などがあげられる。なお、「アルケニ
ル基」、「アルコキシル基」、および「アルキルチオ
基」のより好ましい炭素数は1〜4である。
【0014】さらに、本明細書の以上の説明および以下
の説明において、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を意味する。「アリー
ル基」とは1価の芳香族炭化水素基をいい、置換基(例
えば、低級アルキル基、ハロゲン原子、低級アルコキシ
ル基、低級アルキルアミノ基など)を有していてもよ
く、好ましくはフェニル基やその誘導体であり、例え
ば、フェニル基、トリル基、p−ハロフェニル基(例え
ばp−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基な
ど)、アルコキシフェニル基(例えば、メトキシフェニ
ル基、エトキシフェニル基など)、ジアルキルアミノフ
ェニル基(例えば、ジメチルアミノフェニル基、ジエチ
ルアミノフェニル基など)などがあげられる。また「ア
ルアルキル基」とはアリール基置換アルキル基をいい、
置換基としてのアリール基としては上記のものがあげら
れ、またアルキル基の炭素数は1〜4が好ましい。その
適当な例としては、ベンジル基、ベンズヒドリル基、ト
リチル基、フェネチル基などがあげられる。
【0015】一般式(1)で表されるキノリン誘導体の
中でも好ましいのは、R1 が低級アルキル基またはアル
ケニル基、R2 とR3 が両者は同一でも異なっていても
よく、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、低
級アルキル基、−(CH2n9 、または−(CH
2p COR10(ここにおいて、R9 はヒドロキシル基
またはアルコキシル基、R10は水素原子、ヒドロキシル
基、またはアルコキシル基、nは1〜4の整数、pは0
〜4の整数である)、R4 が水素原子、R5 が水素原
子、−COOH、または−COOR11(R11は低級アル
キル基、アルケニル基、シクロ低級アルキル基、アリー
ル基、またはアルアルキル基である)、R6が−COO
H、−COOR12(R12は低級アルキル基、アルケニル
基、シクロ低級アルキル基、アリール基、アルアルキル
基である)、またはC結合テトラゾリル基、R7 とR8
は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して水素
原子、フッ素原子、塩素原子、低級アルキル基、または
アルコキシル基、Xが窒素原子、YがCHである化合物
である。
【0016】一般式(1)で表されるキノリン誘導体の
中でさらに好ましいのは、R1 が低級アルキル基、R2
とR3 が両者は同一でも異なっていてもよく、それぞれ
独立して、水素原子、低級アルキル基、−(CH2n
9 、または−(CH2pCOR10(ここにおいて、
9 はヒドロキシル基、R10は水素原子、ヒドロキシル
基、またはアルコキシル基、nは1、pは0〜1であ
る)、R4 が水素原子、R5 が水素原子、または塩素原
子、R6 が−COOH、−COOR12(ここにおいて、
12は低級アルキル基、アルケニル基、シクロ低級アル
キル基、アリール基、またはアルアルキル基)、または
C結合テトラゾリル基、R7 とR8 は同一でも異なって
いてもよく、それぞれ独立して水素原子、フッ素原子、
塩素原子、または低級アルキル基、Xが窒素原子、Yが
CHである化合物である。
【0017】抗高血圧活性について最も好ましいのは次
のキノリン誘導体、およびその塩である。
【0018】2−{6−[(2−ブチル−3H−イミダ
ゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]キノリ
ン−2−イル}安息香酸、2−{6−[(7−メチル−
2−プロピル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン
−3−イル)メチル]キノリン−2−イル}安息香酸、
2−{6−[(2−エチル−5、7−ジメチル−3H−
イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]
キノリン−2−イル}安息香酸、またはそれらの塩。
【0019】2−{6−[(2−ブチル−3H−イミダ
ゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]キノリ
ン−2−イル}安息香酸メチル、2−{6−[(7−メ
チル−2−プロピル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピ
リジン−3−イル)メチル]キノリン−2−イル}安息
香酸メチル、または、2−{6−[(2−エチル−5、
7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン
−3−イル)メチル]キノリン−2−イル}安息香酸メ
チル。
【0020】2−ブチル−3−{{2−[2−(1H−
テトラゾール−5−イル)フェニル]キノリン−6−イ
ル}メチル}−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジ
ン、7−メチル−2−プロピル−3−{{2−[2−
(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]キノリン
−6−イル}メチル}−3H−イミダゾ[4,5−b]
ピリジン、2−エチル−5、7−ジメチル−3−{{2
−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]
キノリン−6−イル}メチル}−3H−イミダゾ[4,
5−b]ピリジン、2−エチル−5、7−ジメチル−3
−{{4−クロロ−2−[2−(1H−テトラゾール−
5−イル)フェニル]キノリン−6−イル}メチル}−
3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン、またはそれら
の塩。
【0021】一般式(1)で表されるキノリン誘導体
は、たとえば以下に示すような方法で製造することがで
きる。
【0022】第1の方法は、一般式(1)で表される化
合物相互を変換する方法(A)である。第2の方法は、
置換基等が異なる一般式(1)と類似の化合物を一般式
(1)で表される化合物に変換する方法(B)である。
この類似の化合物とは、骨格が一般式(1)で表される
化合物と同一の化合物をいう。第三の方法は、2つ以上
の中間化合物の反応により一般式(1)で表される化合
物あるいはそれと類似の化合物を合成する方法(C)で
あり、後者の類似化合物はついで方法(B)で一般式
(1)で表される化合物に変換する。この方法(C)
は、骨格を形成する反応に係わる方法をいう。
【0023】方法(A)の例としては、たとえば次の方
法がある。一般式(1)においてR5 が−COOH、R
6 が−COOR12(R12が低級アルキル基、アルケニル
基、シクロ低級アルキル基、アルアルキル基、またはア
リール基である)のものは、R5 が−COOR11(R11
は低級アルキル基、アルケニル基、シクロ低級アルキル
基、アルアルキル基またはアリール基である)であるも
のを1当量のアルカリ、たとえば水酸化ナトリウム、水
酸化カリウムなどで加水分解することにより、R6 の−
COOR12(R12が低級アルキル基、アルケニル基、シ
クロ低級アルキル基、またはアリール基である)に影響
を及ぼさずに得ることができる。
【0024】一般式(1)においてR5 が水素のもの
は、R5 が−COOHであり、R6 が−COOR12(R
12が低級アルキル基、アルケニル基、シクロ低級アルキ
ル基、またはアリール基である)である化合物にジフェ
ニルエーテルなどの沸点の高い溶媒中溶媒の沸点近辺の
温度での加熱還流により得ることができる。
【0025】一般式(1)においてR6 が−COOHの
ものは、R6 が−COOR12(R12は低級アルキル基、
アルケニル基、シクロ低級アルキル基、アルアルキル
基、またはアリール基である)であるものを加水分解す
ることにより得られる。
【0026】一般式(1)においてR6 がC結合テトラ
ゾリル基のものを得る一つの方法は、R6 が−CNのも
のをアジ化ナトリウム、アジ化アンモニウム(好ましく
は、アジ化ナトリウムと塩化アンモニウムからその場で
調製する)またはアジ化トリブチルすず(好ましくはア
ジ化ナトリウムと塩化トリブチルすずからその場で調製
する)のような適当なアジド化合物と、トルエン、キシ
レン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどの無
水溶媒中で、溶媒の還流温度またはその近傍温度で反応
させる方法である。アジ化トリブチルすずを用いる場合
は、反応後塩基性水溶液または酸性水溶液で処理してト
リブチルすず基を除去する。
【0027】一般式(1)においてR6 がC結合テトラ
ゾリル基のものを得る別の方法は、J. V. Dunciaらの方
法[J. Org. Chem., 56, 2395 (1991)] にしたがって、
6が−COOHである化合物の−COOHを酸クロリ
ドまたは活性エステルに変換した後、2−アミノプロピ
オニトリルを反応させ、さらにトリフェニルホスフィ
ン、アゾジカルボン酸ジエチル、およびトリメチルシリ
ルアジドと反応させる方法である。
【0028】方法(B)の代表例としては、官能基や置
換基を変換する方法がある。たとえば、一般式(1)で
表される化合物と骨格が同一でかつ官能基や置換基が一
般式(1)の範疇にない類似の化合物より官能基や置換
基を変換して一般式(1)で表される化合物を合成する
方法がある。官能基変換の代表例の一つとしては、保護
基で保護された官能基を脱保護する例がある。また、R
6 の保護された官能基をR6 に変換して一般式(1)で
表される化合物を合成することができる。このような方
法(B)の例としては、たとえば次の方法がある。
【0029】一般式(1)においてR6 がC結合テトラ
ゾリル基のものは、R6 に対応する位置に適当な保護基
で保護されたC結合テトラゾリル基を有する一般式
(1)に類似する化合物に脱保護操作を施すことによっ
て得られる。この場合の保護基としては、たとえばトリ
フェニルメチル基、シアノエチル基などがある。脱保護
操作は、たとえばT. W. Greene, “Protective Groups
in Organic Synthesis”(John Wiley and Sons. Inc.,
1981) に記載されているような汎用操作であってよい。
【0030】一般式(1)においてR6 が−NHSO2
CF3 であるものは、R6 に対応する位置にアミノ基を
有する一般式(1)に類似する化合物から、適当な溶
媒、たとえばジクロロメタン中で、適当な塩基、たとえ
ばトリエチルアミンの存在下に無水トリフルオロメタン
スルホン酸と反応させて得ることができる。
【0031】R6 に対応する位置にアミノ基を有する一
般式(1)に類似する化合物は、一般式(1)でR6
−COOHである化合物に、必要であれば他の官能基を
適当な保護基で保護した後、たとえばt−ブチルアルコ
ールのようなアルコールを溶媒として、トリエチルアミ
ンのような塩基存在下に、ジフェニルホスホリルアジド
を用いてクルチウス転位を行なうことによりカーバメー
トを得、その後エタノールなどの溶媒中で塩酸を作用さ
せて酸加水分解を施すことにより合成することができ
る。
【0032】方法(C)は、骨格形成の反応を伴う方法
であり、これにより一般式(1)で表される化合物やそ
れに類似する化合物が得られる。代表的な骨格形成反応
は一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表さ
れる化合物を反応させる方法である。
【0033】一般式(1)で表されるキノリン誘導体の
骨格は、下記一般式(2)で表される化合物と下記一般
式(3)で表されるイミダゾピリジン類とを、塩基、た
とえば水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、ナトリウムメトキシドなどの存在下に、非プロトン
性溶媒、たとえば、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、
ジオキサンなどの溶媒中、0℃〜溶媒の還流温度で反応
させることにより形成される。
【0034】
【化3】
【0035】[一般式(2)中Lは脱離基を表し、たと
えば塩素、臭素またはヨウ素のようなハロゲン原子ある
いはメタンスルホニルオキシまたはp−トルエンスルホ
ニルオキシのような基である。R24、R25、R26
27、R28はそれぞれ、一般式(1)の対応するR4
5 、R6 、R7 、R8 と同義であるか、または対応す
るR4 、R5 、R6 、R7 、R8 に変換し得る基であ
る。]
【0036】たとえば、R26としてはR6 はもちろん、
官能基が保護基で保護された点のみR6 と異なる基など
のR6 に変換し得る基がある。他のR6 に変換し得るR
26としては、たとえば前記のようなアミノ基や保護され
たアミノ基がある。
【0037】
【化4】
【0038】[一般式(3)中R21、R22、R23はそれ
ぞれ、一般式(1)の対応するR1 、R2 、R3 と同義
であるか、または対応するR1 、R2 、R3 に変換し得
る基である。]
【0039】一般式(1)で表されるキノリン誘導体を
合成するにあたって、R1 、R2 、R3 、R4 、R5
6 、R7 、R8 が出発物質から最終生成物までかなら
ずしも同じままであるとは限らない。しばしば、以下に
例示するような変換を行なって最終生成物に導くことが
必要になる。以下の方法(C)の例として、R26以外の
21〜R28は一般式(1)の対応するR1 〜R8 と同一
の中間化合物を用いた例をあげてこの方法を説明する。
【0040】R6 がC結合テトラゾリル基である一般式
(1)で表されるキノリン誘導体は、R26が保護された
C結合テトラゾリル基である一般式(2)で表される化
合物を一般式(3)のイミダゾピリジン類と塩基、たと
えば水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、ナトリウムメトキシドなどの存在下に、非プロトン
性溶媒、たとえば、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、
ジオキサンなどの溶媒中、0℃〜溶媒の還流温度で反応
させることによって得られる。
【0041】あるいは、R26が保護されたC結合テトラ
ゾリル基である一般式(2)で表される化合物を一般式
(3)で表されるイミダゾピリジン類を、テトラアルキ
ルアンモニウム塩などの相間移動触媒、たとえば、「Al
iquat 336」などの存在下、塩基性水溶液、たとえば、
水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液と適当
な有機溶媒、たとえば塩化メチレンの混合溶媒中で、0
℃〜溶媒の還流温度で反応させることによっても得られ
る。
【0042】一般式(2)で表される中間化合物は、た
とえば下記一般式(4)で表される化合物の6位メチル
基を−CH2 L(Lは脱離基)に変換することにより製
造することができる。なお、一般式(4)における置換
基は一般式(2)の置換基と同一(すなわち、R24、R
25、R26、R27、R28は両者共通)としたが、変換でき
る置換基であればこれに限定されるものではない。ま
た、後述の一般式(5)〜(6)においても同様に置換
基は一般式(2)の置換基と同一と仮定して説明する。
【0043】
【化5】
【0044】たとえば、Lが塩素、臭素またはヨウ素で
ある場合、一般式(4)で表される化合物をアゾビスイ
ソブチロニトリルまたは過酸化ジベンゾイルのようなラ
ジカル開始剤の存在下でN−クロロコハク酸イミド、N
−ブロモコハク酸イミドまたはN−ヨードコハク酸イミ
ドと反応させることによって一般式(2)で表される化
合物に変換することができる。上記ラジカル開始剤を用
いる代わりに光照射によっても同様の反応を行なうこと
ができる。
【0045】一般式(4)で表される化合物のうちR25
が−COOHであるものは、下記一般式(5)で表され
る化合物に下記一般式(6)で表される化合物を加えて
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのような適当なアル
カリ水溶液中で加熱還流することにより得られる。
【0046】
【化6】
【化7】
【0047】R25が水素原子である一般式(4)で表さ
れる化合物は、R25が−COOHである一般式(4)で
表される化合物よりその置換基を変換する方法で合成す
ることができる。たとえば、ジフェニルエーテルなどの
沸点の高い溶媒中溶媒の沸点近辺の温度での加熱還流に
より得ることができる。
【0048】R25、R26がそれぞれ−COOR11、−C
OOR12である一般式(4)で表される化合物は、
25、R26が−COOHである一般式(4)で表される
化合物よりその置換基を変換する方法で合成することが
できる。たとえば、メタノール中塩化チオニルを反応さ
せることにより、R11、R12がメチル基であるものを得
ることができる。
【0049】R25が−COOH、R26が−COOR12
ある一般式(4)で表される化合物は、R25、R26がそ
れぞれ−COOR11、−COOR12である一般式(4)
で表される化合物のR25の置換基のみを変換することに
より得ることができる。たとえば、メタノール水混合溶
媒中水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ
を1当量加えることによる加水分解によって得ることが
できる。
【0050】また、R26がトリフェニルメチル基やシア
ノエチル基などの適当な保護基を付したC結合テトラゾ
リル基である一般式(4)で表される化合物は、R26
−CNである一般式(4)で表される化合物よりその置
換基を変換する方法で合成することができる。
【0051】たとえば、R26が−CNである一般式
(4)で表される化合物を、アジ化ナトリウム、アジ化
アンモニウム(好ましくは、アジ化ナトリウムと塩化ア
ンモニウムからその場で調製する)、またはアジ化トリ
ブチルすず(好ましくはアジ化ナトリウムと塩化トリブ
チルすずからその場で調製する)のような適当なアジド
化合物と、トルエン、キシレン、ジメトキシエタン、テ
トラヒドロフランなどの無水溶媒中で、溶媒の還流温度
またはその近傍温度で反応させた後(アジ化トリブチル
すずを用いる場合は、反応後塩基性水溶液または酸性水
溶液で処理してトリブチルすず基を除去する)、保護基
を付けることによって得られる。
【0052】R26がトリフェニルメチル基やシアノエチ
ル基などの適当な保護基を付したC結合テトラゾリル基
である一般式(4)で表される化合物を得るさらに別の
方法としては、J. V. Dunciaらの方法[J. Org. Chem.,
56, 2395 (1991)] にしたがって、R26が−COOHで
ある一般式(4)で表される化合物の−COOHを酸ク
ロリドまたは活性エステルに変換した後、2−アミノプ
ロピオニトリルを反応させ、さらにトリフェニルホスフ
ィン、アゾジカルボン酸ジエチル、およびトリメチルシ
リルアジドと反応させる方法である。
【0053】R26が保護基を付したアミノ基である一般
式(4)で表される化合物は、R26が−COOHである
一般式(4)で表される化合物に、たとえばt−ブチル
アルコールのようなアルコールを溶媒として、トリエチ
ルアミンのような塩基存在下に、ジフェニルホスホリル
アジドを用いてクルチウス転位を行なうことにより得ら
れる。この場合、アミノ基の保護基はt−ブチルカーバ
メートなどのカーバメートである。
【0054】一般式(3)で表されるイミダゾピリジン
は、特開平3−95181号明細書に記載されている方
法またはそれに準じた方法で製造することができる。
【0055】本発明の目的の化合物(1)は、常法によ
り、たとえば抽出、晶出、分別結晶化、再結晶、クロマ
トグラフィー等により、単離、精製できる。また、こう
して得られた目的の化合物(1)は常法によってそれの
塩に転換できる。
【0056】本発明の目的化合物[(1)およびその
塩]は新規であり、アンジオテンシンII拮抗作用等の優
れた薬理作用を示し、かつ低毒性であり、優れた吸収性
や安定性、即効性等の特性を有する。それゆえ、アンジ
テオンシンII介在性の諸疾患、たとえば高血圧症(たと
えば本態性高血圧症、腎性高血圧症等)、心不全等の循
環器系疾患に対する治療または予防のためのアンジオテ
ンシンII拮抗剤として有用である。
【0057】また、本発明の目的化合物は、心臓障害
(たとえば狭心症、不整脈、心筋梗塞等)、アルドステ
ロン血症、脳循環疾患、老人性痴呆、眼疾患(たとえば
緑内障等)等に対する治療剤または予防剤として、また
レニン−アンジオテンシン系試験用の診断薬として有用
であると期待される。
【0058】治療または予防のための投与には、本発明
の目的化合物を活性成分とし、経口投与、非経口投与あ
るいは外用に適した有機あるいは無機固体または液体賦
形剤等の医薬として許容しうる担体との混合物として該
化合物を含有する慣用的医薬製剤の形で用いる。医薬製
剤は、錠剤、顆粒、散剤、カプセル等の固形状であって
もよく、液剤、懸濁液、シロップ、乳剤、レモナーデ剤
の液状であってもよい。必要ならば、上記製剤に補助
剤、安定化剤、湿潤剤、その他の常用添加剤、たとえば
乳糖、クエン酸、酒石酸、ステアリン酸、ステアリン酸
マグネシウム、白土、庶糖、トウモロコシ澱粉、タル
ク、ゼラチン、寒天、ペクチン、落花生油、オリーブ
油、カカオ油、エチレングルコール等を配合してもよ
い。
【0059】本発明の目的化合物の用量は、患者の年
齢、病状、疾患または病状の種類、適用せんとする本発
明の目的化合物種類等によっても変動するが、一般には
1日当り0.01mg〜500mgの範囲の量を、ある
いはさらに多量を患者に投与すればよい。諸疾患の処置
に当って、本発明の目的化合物の平均1回量を0.05
mg、0.1mg、0.25mg、0.5mg、1m
g、20mg、50mg、100mg、等として用いれ
ばよい。
【0060】以下、実施例により本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0061】
【実施例】
[参考例1] 5−メチルイサチンの合成
【0062】包水クロラール16.7g(0.10mol)の水(222m
l) 溶液、硫酸ナトリウム243g、p−トルイジン 10.0g
(93.3mmol)の濃塩酸 9.56gと水(56.0ml)溶液およびヒド
ロキシルアミン塩酸塩20.5g(0.29mol)の水(242ml) 溶液
をこの順序で混合し、撹拌下30分加熱還流した。室温
まで冷却した後、黄褐色の沈殿物を吸引濾取した。1.5N
水酸化ナトリウム溶液500ml に溶解し、2M塩酸で中和し
た。これを濾過し濾液を2M塩酸で酸性にした。沈殿した
イソニトロソ化合物を濾取し、氷冷水で洗浄して乾燥し
た。これを60℃に温めた濃硫酸62g に40分かけて加
えた。さらに10分間75℃で加熱した。室温に冷却後
氷冷水 160mlに注ぎ沈殿を濾取し、5−メチルイサチン
10.0g を得た。
【0063】NMR(270MHz,Acetone-d6) δ9.9(bs,1H);
6.9-7.5(m,3H);2.3(s,3H)
【0064】[参考例2]2−(2−カルボキシフェニ
ル)−6−メチル−4−キノリンカルボン酸の合成
【0065】水9.93mlに参考例1で得られた5−メチル
イサチン 10.0g(62.1mmol)と水酸化ナトリウム4.96g(0.
12mol)を溶解し、ついで2−アセチル安息香酸 10.2g(6
2.1mmol)を加え、90℃に加熱、還流した。反応がおだ
やかになった後さらに115℃の温浴で1時間加熱し
た。室温まで放冷した後氷冷水200gに注いだ。水層をエ
ーテルで洗浄後2M塩酸で酸性にした。生成した沈殿を濾
取して2−(2−カルボキシフェニル)−6−メチル−
4−キノリンカルボン酸 6.55gを得た。
【0066】NMR(270MHz,Acetone-d6) δ7.70-8.70(m,
8H);2.66(s,3H)
【0067】[参考例3]2−(2−メトキシカルボニ
ルフェニル)−6−メチル−4−キノリンカルボン酸メ
チルの合成
【0068】参考例2で得られた2−(2−カルボキシ
フェニル)−6−メチル−4−キノリンカルボン酸 2.7
7g(9.03mmol)をメタノール10mlに懸濁した。−10℃に
保ちながら塩化チオニル 1.3ml(18mmol)を加えた。一昼
夜撹拌後、減圧濃縮した。残渣をクロロホルムを用いた
シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精
製して2−(2−メトキシカルボニルフェニル)−6−
メチル−4−キノリンカルボン酸メチル 377mgを得た。
【0069】NMR(270MHz,CDCl3) δ7.49-8.56(m,8H);4.
04(s,3H);3.62(s,3H);2.60(s,3H)
【0070】[参考例4]2−(2−メトキシカルボニ
ルフェニル)−6−メチル−4−キノリンカルボン酸の
合成
【0071】参考例3で得られた2−(2−メトキシカ
ルボニルフェニル)−6−メチル−4−キノリンカルボ
ン酸メチル 377mg(1.23mmol)と水酸化ナトリウム 49mg
(1.2mmol)をメタノール 2mlに溶解した。水 3mlを加え
一昼夜撹拌した。減圧濃縮した後残渣に水を加え、水層
を酸性にした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸
マグネシウムで乾燥した後減圧蒸留し、残渣をクロロホ
ルム/メタノール(70/1)混合溶媒を用いたシリカ
ゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して
2−(2−メトキシカルボニルフェニル)−6−メチル
−4−キノリンカルボン酸 267mgを得た。
【0072】NMR(270MHz,CD3OD) δ7.70-8.58(m,8H);3.
60(s,3H);2.59(s,3H)
【0073】[参考例5]2−(6−メチルキノリン−
2−イル)安息香酸メチルの合成
【0074】参考例4で得られた2−(2−メトキシカ
ルボニルフェニル)−6−メチル−4−キノリンカルボ
ン酸267mg(0.831mmol)をジフェニルエーテル 4.0mlに溶
かし、225℃で10分加熱した。室温まで放冷後、ヘ
キサン/酢酸エチル(10/1)混合溶媒を用いたシリ
カゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し
て2−(6−メチルキノリン−2−イル)安息香酸メチ
ル 154mgを得た。
【0075】NMR(270MHz,CDCl3) δ7.47-8.13(m,9H);3.
63(s,3H);2.56(s,3H)
【0076】[参考例6]2−(6−メチルキノリン−
2−イル)安息香酸の合成
【0077】2−(6−メチルキノリン−2−イル)安
息香酸メチル 7.08g(25.5mmol)をメタノ−ル75mlに懸濁
し、水酸化ナトリウム 3.06g(76.6mmol)を溶解した水35
mlを加えた。60℃で3時間加温した。反応液を減圧濃
縮し、残渣に水 200mlを加え、2N塩酸で酸性とした。析
出する固体を濾取、水洗して乾燥することにより、2−
(6−メチルキノリン−2−イル)安息香酸を得た。
【0078】NMR(270MHz,CD3OD) δ7.6-8.3(m,9H),2.58
(s,3H)
【0079】[参考例7]2−(6−メチルキノリン−
2−イル)ベンズアミドの合成
【0080】参考例6で得た2−(6−メチルキノリン
−2−イル)安息香酸 2.47g(9.38mmol)にトルエン30ml
を加えて懸濁し、塩化チオニル 1.37ml(18.76mmol)、ジ
メチルホルムアミド一滴を加えた。3時間加熱還流して
室温まで放冷し、固体を濾取した。濾滓をトルエン10ml
で3回洗浄し乾燥した。氷冷した濃アンモニア水30mlを
激しく撹拌しながら、内温が15℃を超えないように得
られた固体を加えた。一晩室温で撹拌し、水30mlを加え
て固体を濾取した。水20mlで3回洗浄し、濾滓をジエチ
ルエーテルに懸濁して濾取、乾燥して、2−(6−メチ
ルキノリン−2−イル)ベンズアミド 2.05gを得た。
【0081】NMR(270MHz,CDCl3) δ7.5-8.2(m,9H);6.4
(bs,1H);5.6(bs,1H);2.58(s,3H)
【0082】[参考例8]2−(6−メチルキノリン−
2−イル)ベンゾニトリルの合成
【0083】参考例7で得た2−(6−メチルキノリン
−2−イル)ベンズアミド 2.05g(7.82mmol)にピリジン
15mlを加えて撹拌し、塩化p−トルエンスルホン酸 1.4
9g(7.82mmol)を加えた。室温で2時間撹拌したのち、2
時間40℃で加温撹拌した。反応液を水30mlにあけ、塩
化メチレン50mlで抽出して硫酸マグネシウムで乾燥し
た。濾過して濾液を濃縮し、7:1のヘキサン/酢酸エ
チルの混合溶媒を使用して、シリカゲルクロマトグラフ
ィーを行なうことにより、2−(6−メチルキノリン−
2−イル)ベンゾニトリル 0.86g得た。
【0084】NMR(270MHz,CDCl3) δ7.5-8.2(m,9H);2.58
(s,3H)
【0085】[参考例9]5−[2−(6−メチルキノ
リン−2−イル)フェニル]−2−(トリフェニルメチ
ル)−2H−テトラゾールの合成
【0086】参考例8で得た2−(6−メチルキノリン
−2−イル)ベンゾニトリル855mg(3.5mmol)にトルエン
3.5mlを加えて撹拌し、さらにアジ化ナトリウム 0.24g
(3.68mmol)、塩化トリブチルすず 1ml(3.83mmol)を加
え、45時間加熱還流した。放冷しトルエン 7mlで希釈し
たのち、撹拌下10N水酸化ナトリウム水溶液0.4ml(4mmo
l)、トリチルクロリド 1.01g(3.61mmol)を加えた。室温
で1.5 時間撹拌した後、ヘキサン15mlを加えた。固体を
濾取し、水10mlで2回、メタノール 5mlで3回、順に洗
浄した。濾滓を真空乾燥して、5−[2−(6−メチル
キノリン−2−イル)フェニル]−2−(トリフェニル
メチル)−2H−テトラゾール 1.36gを得た。
【0087】NMR(270MHz,CDCl3) δ6.8-8.1(m,24H); 2.
54(s,3H)
【0088】[参考例10]2−(4−クロロ−6−メ
チルキノリン−2−イル)ベンゾニトリルの合成
【0089】参考例7で得た2−(6−メチルキノリン
−2−イル)ベンズアミド 1.28g(4.88mmol)に塩化チオ
ニル 2.5ml(34.2mmol)を加えて撹拌し、3時間加熱還流
した。塩化チオニルを留去し、残渣をクロロホルム 100
mlに溶解して氷水中にあけた。有機層を分取し、飽和重
曹水 150mlで中和し、飽和食塩水で洗浄して、硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。濾過して濾液を濃縮し、10:1
のヘキサン/酢酸エチルの混合溶媒を使用して、シリカ
ゲルクロマトグラフィーを行なうことにより、2−(4
−クロロ−6−メチルキノリン−2−イル)ベンゾニト
リル150mg を得た。
【0090】NMR(270MHz,CDCl3) δ7.5-8.1(m,8H);2.62
(s,3H)
【0091】[参考例11]5−[2−(4−クロロ−
6−メチルキノリン−2−イル)フェニル]−2−(ト
リフェニルメチル)−2H−テトラゾールの合成
【0092】参考例10の方法で得た2−(4−クロロ
−6−メチルキノリン−2−イル)ベンゾニトリル 290
mgに参考例9と同様の方法を施し、5−[2−(4−ク
ロロ−6−メチルキノリン−2−イル)フェニル]−2
−(トリフェニルメチル)−2H−テトラゾール 133mg
を得た。
【0093】NMR(270MHz,CDCl3) δ6.8-8.2(m,23H); 2.
6(s,3H)
【0094】[実施例1]2−{6−[(2−エチル−
5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリ
ジン−3−イル)メチル]キノリン−2−イル}安息香
酸メチルの合成
【0095】参考例5で得られた2−(6−メチルキノ
リン−2−イル)安息香酸メチル154mg(0.554mmol)に四
塩化炭素 2mlを加え、さらに、N−ブロモコハク酸イミ
ド 98.7mg(0.554mmol)とアゾビスイソブチロニトリル4.
55mg(0.0277mmol)を加え、1時間加熱還流した。減圧濃
縮した後残渣にジクロロメタンを加えて溶かし、水で洗
浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後これを
濾過して濾液を減圧濃縮した。残渣をN,N−ジメチル
ホルムアミド1ml に溶かした。これを、2−エチル−
5,7−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリ
ジン 71.1mg(0.406mmol)をジメチルホルムアミド 1mlに
溶かし、水素化ナトリウム 16.2mg(0.406mmol)を加えて
30分撹拌して得られた溶液に加えて一昼夜撹拌した。
【0096】その後、減圧濃縮して得られた残渣を酢酸
エチルで抽出した後、水20mlで2回洗浄した。有機層に
硫酸マグネシウムを加え30分放置した後、濾過、濃縮
した。残渣をヘキサン/酢酸エチル(2/3)混合溶媒
を用いたシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー
により精製して2−{6−[(2−エチル−5,7−ジ
メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−
イル)メチル]キノリン−2−イル}安息香酸メチル 1
48mgを得た。
【0097】NMR(270MHz,CDCl3) δ6.94-8.08(m,10H);
5.66(s,2H);3.63(s,3H);2.83(q,J=7.5Hz,2H);2.70(s,3
H);2.61(s,3H);1.34(t,J=7.5Hz,3H)
【0098】[実施例2]2−{6−[(2−エチル−
5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリ
ジン−3−イル)メチル]キノリン−2−イル}安息香
酸ナトリウムの合成
【0099】実施例1で得られた2−{6−[(2−エ
チル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−
b]ピリジン−3−イル)メチル]キノリン−2−イ
ル}安息香酸メチル116.9mg(0.260mmol)と水酸化ナトリ
ウム 31.1mg(0.778mmol)、水 2ml、エタノール 2mlを加
え室温で一昼夜撹拌した。
【0100】次いで、減圧濃縮した後、水、エーテルに
分配した。水層を1N塩酸でpH5にし酢酸エチルで抽出
した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後濾過し濾
液を減圧濃縮して2−{6−[(2−エチル−5,7−
ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3
−イル)メチル]キノリン−2−イル}安息香酸46.0mg
を得た。これに水と1N水酸化ナトリウム水溶液を1当量
(0.105mmol) になるように加えて溶かし、凍結乾燥する
ことにより2−{6−[(2−エチル−5,7−ジメチ
ル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イ
ル)メチル]キノリン−2−イル}安息香酸ナトリウム
43.6mgを得た。
【0101】NMR(270MHz,D2O) δ6.89-8.00(m,10H);5.5
0(s,2H);2.79(q,J=7.6Hz,2H);2.49(s,3H);2.41(s,3H);
1.17(t,J=7.6Hz,3H)
【0102】[実施例3]2−エチル−5,7−ジメチ
ル−3−{[2−[2−(2−(トリフェニルメチル)
−2H−テトラゾール−5−イル)フェニル]キノリン
−6−イル]メチル}−3H−イミダゾ[4,5−b]
ピリジンの合成
【0103】参考例9で得た5−[2−(6−メチルキ
ノリン−2−イル)フェニル]−2−(トリフェニルメ
チル)−2H−テトラゾール 1.36g(2.56mmol)に四塩化
炭素13mlを加えて撹拌し、N−ブロモコハク酸イミド
0.46g(2.46mmol)、アゾビスイソブチロニトリル 21mg
(0.128mmol)を加えて3時間加熱還流した。放冷した後
濃縮し、残渣を塩化メチレン40ml、水40mlに分液した。
有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、濾過し、減圧濃縮し
て得られる残渣を、2−エチル−5,7−ジメチル−1
H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン 354mg(2.02mmol)
のDMF11ml溶液に水素化ナトリウム89mg(2.22mmol)を
加えて30分撹拌して得られた溶液に加えた。室温で15時
間撹拌し、濃縮したのち酢酸エチル20mlと水20mlに分配
し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。
【0104】濾過して濾液を濃縮し、2:3のヘキサン
/酢酸エチル混合溶液を使用して、フラシュシリカゲル
クロマトグラフィーを行なうことにより、2−エチル−
5,7−ジメチル−3−{[2−[2−(2−(トリフ
ェニルメチル)−2H−テトラゾール−5−イル)フェ
ニル]キノリン−6−イル]メチル}−3H−イミダゾ
[4,5−b]ピリジン 0.86gを得た。
【0105】NMR(270MHz,CDCl3) δ6.8-8.2(m,25H);5.0
4(s,2H);2.76(q,J=7.5Hz,2H);2.68(s,3H);2.6(s,3H);1.
28(t,J=7.5Hz,3H)
【0106】[実施例4]2−エチル−5,7−ジメチ
ル−3−{[2−[2−(1H−テトラゾール−5−イ
ル)フェニル]キノリン−6−イル]メチル}−3H−
イミダゾ[4,5−b]ピリジンの合成
【0107】実施例3で得た2−エチル−5,7−ジメ
チル−3−{[2−[2−(2−(トリフェニルメチ
ル)−2H−テトラゾール−5−イル)フェニル]キノ
リン−6−イル]メチル}−3H−イミダゾ[4,5−
b]ピリジン 852mg(1.21mmol)をメタノール12mlに懸濁
し、氷水浴上濃塩酸12mlを加え、室温で24時間撹拌し
た。反応液を氷冷し、10N水酸化ナトリウム水溶液を用
いてアルカリ性にした。水10mlを加えて濾過し、濾滓を
1N水酸化ナトリウム水溶液10mlで洗浄した。濾液に撹
拌下、濃塩酸を滴下していき酸性とした。酢酸エチル 1
00mlで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、濾過
して濾液を濃縮して、2−エチル−5,7−ジメチル−
3−{[2−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)
フェニル]キノリン−6−イル]メチル}−3H−イミ
ダゾ[4,5−b]ピリジン 518mgを得た。
【0108】NMR(270MHz,CD3OD) δ7.2-8.3(m,10H);5.8
4(s,2H);2.99(q,J=7.5Hz,2H);2.73(s,3H);2.67(s,3H);
1.36(t,J=7.5Hz,3H)
【0109】[実施例5]2−{6−[(2−ブチル−
3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メ
チル]キノリン−2−イル}安息香酸メチルの合成
【0110】2−エチル−5,7−ジメチル−1H−イ
ミダゾ[4,5−b]ピリジンの代わりに2−ブチル−
1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン 0.60g(3.44mmo
l)を用いて実施例1と同様の操作を行ない、2−{6−
[(2−ブチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジ
ン−3−イル)メチル]キノリン−2−イル}安息香酸
メチル 0.68gを得た。
【0111】NMR(270MHz,CDCl3) δ7.2-8.4(m,12H); 5.
7(s,2H); 3.62(s,3H); 2.85(t,J=7.6Hz,2H); 1.83(m,2
H); 1.41(m,2H); 0.9(t,J=7.3Hz,3H)
【0112】[実施例6]2−{6−[(2−ブチル−
3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メ
チル]キノリン−2−イル}安息香酸ナトリウムの合成
【0113】実施例5で得た2−{6−[(2−ブチル
−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)
メチル]キノリン−2−イル}安息香酸メチル 0.68g
(1.52mmol)に、実施例2と同様の操作を施し、2−{6
−[(2−ブチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリ
ジン−3−イル)メチル]キノリン−2−イル}安息香
酸ナトリウム 0.47gを得た。
【0114】NMR(270MHz,D2O) δ7.2-8.1(m,12H); 5.12
(s,2H); 2.69(t,J=7.6Hz,2H); 1.49(m,2H); 1.15(m,2
H); 0.68(t,J=7.3Hz,3H)
【0115】[実施例7]2−{6−[(2−プロピル
−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)
メチル]キノリン−2−イル}安息香酸メチルの合成
【0116】2−エチル−5,7−ジメチル−1H−イ
ミダゾ[4,5−b]ピリジンの代わりに2−プロピル
−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン 0.47g(2.92m
mol)を用いて実施例1と同様の操作を行ない、2−{6
−[(2−プロピル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピ
リジン−3−イル)メチル]キノリン−2−イル}安息
香酸メチル 0.64gを得た。
【0117】NMR(270MHz,CDCl3) δ7.2-8.4(m,12H); 5.
7(s,2H); 3.62(s,3H); 2.84(t,J=7.7Hz,2H); 1.89(m,2
H); 1.0(t,J=7.3Hz,3H)
【0118】[実施例8]2−{6−[(2−プロピル
−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)
メチル]キノリン−2−イル}安息香酸ナトリウムの合
【0119】実施例7で得た2−{6−[(2−プロピ
ル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イ
ル)メチル]キノリン−2−イル}安息香酸メチル 0.6
4g(1.46mmol)に、実施例2と同様の操作を施し、2−
{6−[(2−プロピル−3H−イミダゾ[4,5−
b]ピリジン−3−イル)メチル]キノリン−2−イ
ル}安息香酸ナトリウム 0.64gを得た。
【0120】NMR(270MHz,D2O) δ7.2-8.2(m,12H); 5.5
(s,2H); 2.76(t,J=7.8Hz,2H); 1.63(m,2H); 0.83(t,J=
7.3Hz,3H)
【0121】[実施例9]2−エチル−5,7−ジメチ
ル−3−{[4−クロロ−2−[2−(2−(トリフェ
ニルメチル)−2H−テトラゾール−5−イル)フェニ
ル]キノリン−6−イル]メチル}−3H−イミダゾ
[4,5−b]ピリジンの合成
【0122】参考例11で得た5−[2−(4−クロロ
−6−メチルキノリン−2−イル)フェニル]−2−
(トリフェニルメチル)−2H−テトラゾール133mg(0.
236mmol)に実施例3と同様の操作を施すことにより、2
−エチル−5,7−ジメチル−3−{[4−クロロ−2
−[2−(2−(トリフェニルメチル)−2H−テトラ
ゾール−5−イル)フェニル]キノリン−6−イル]メ
チル}−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン57mgを
得た。
【0123】NMR(270MHz,CDCl3) δ6.8-8.2(m,24H); 5.
7(s,2H); 2.8(q,J=8Hz,2H); 2.7(s,3H); 2.6(s,3H); 1.
4(t,J=8HZ,3H)
【0124】[実施例10]2−エチル−5,7−ジメ
チル−3−{[4−クロロ−2−[2−(1H−テトラ
ゾール−5−イル)フェニル]キノリン−6−イル]メ
チル}−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジンの合成
【0125】実施例9で得た2−エチル−5,7−ジメ
チル−3−{[4−クロロ−2−[2−(2−(トリフ
ェニルメチル)−2H−テトラゾール−5−イル)フェ
ニル]キノリン−6−イル]メチル}−3H−イミダゾ
[4,5−b]ピリジン56mgに実施例4と同様の操作を
施し、2−エチル−5,7−ジメチル−3−{[4−ク
ロロ−2−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)フ
ェニル]キノリン−6−イル]メチル}−3H−イミダ
ゾ[4,5−b]ピリジン22mgを得た。
【0126】NMR(270MHz,CDCl3) δ7.2-8.0(m,8H); 6.9
(s,1H); 5.6(s,2H); 2.8(q,J=8Hz,4H); 2.6(s,3H); 2.5
(s,3H); 1.3(t,J=8Hz,3H)
【0127】[実施例11]以上の参考例、実施例と同
様の方法により、出発化合物を変えて下記表1〜表2に
示される種々の本発明化合物が合成される。表には下記
一般式(7)で表される化合物の置換基であるR31、R
32、R33、R35、およびR36を示す。なお、表中、「テ
トラゾリル」とは「1H−テトラゾール−5−イル基」
を、「Me」はメチル基を示す。また、備考に示す
[A]〜[D]の化合物あるいはその塩のNMRデータ
を下記に示す。
【0128】
【化8】
【0129】
【表1】
【0130】
【表2】
【0131】化合物[A]:NMR(270MHz,CD3OD) δ 7.2
-8.3(m,9H); 5.6(s,2H); 2.9(q,J=8.1Hz,2H); 2.6(s,3
H); 2.5(s,3H); 0.7(t,J=8.1Hz,3H) 化合物[B]:NMR(270MHz,Acetone -d6) δ 7.1-8.3
(m,12H); 5.6(s,1H); 2.7(t,J=7.0Hz,2H); 1.5(m,2H);
0.8(t,J=7.0Hz,3H) 化合物[C]のNa塩:NMR(270MHz,D2O) δ 7.2-8.2
(m,11H); 5.5(s,2H); 4.0(q,J=7.0Hz,2H); 2.5(s,3H);
1.4(t,J=7.0Hz,3H) 化合物[D]のNa塩:NMR(270MHz,D2O) δ 7.2-8.2
(m,10H); 5.5(s,2H); 4.0(t,J=7.0Hz,2H); 2.6(s,3H);
2.5(s,3H); 1.4(t,J=7.0Hz,3H) 化合物[E]のNa塩:NMR(270MHz,D2O) δ 7.2-8.2
(m,12H); 5.5(s,2H); 4.0(q,J=7.1Hz,2H); 2.5(s,3H);
2.2(m,1H); 1.4(t,J=7.1Hz,3H); 1.1(m,4H)
【0132】[活性試験例1]ラット平滑筋細胞へのア
ンジオテンシンIIの結合阻害実験
【0133】ラット大動脈由来平滑筋細胞に本発明化合
物および 125I-Tyr4-アンジオテンシンII(0.25μCi,
150μl:"NEX-105", NEX社製、以下 125I−AIIと
略す)を加えて室温にて1時間インキュベートした。未
結合 125I−AIIをPBS(リン酸緩衝液)にて洗浄し
た後、結合 125I−AIIの放射活性を測定し、各実施例
で合成した本発明化合物のアンジオテンシンIIの受容体
への結合阻害活性値(IC50)を求めた。その結果は以
下の通りであった。
【0134】実施例1の化合物のIC50:4.4 ×10-7M 実施例2の化合物のIC50:6.4 ×10-9M 実施例4の化合物のIC50:9.4 ×10-10 M 実施例6の化合物のIC50:1.1 ×10-8M 実施例10の化合物のIC50:7.7 ×10-9
【0135】 製剤例1:錠剤 1)本発明の目的化合物 10.0mg 2)直打用微粒No.209(富士化学社製) 46.6mg メタケイ酸アルミン酸ナトリウム 20wt% トウモロコシ澱粉 30wt% 乳糖 50wt% 3)結晶セルロース 24.0mg 4)カルボキシルメチルセルロース・カルシウム 4.0mg 5)ステアリン酸マグネシウム 0.4mg
【0136】1)、3)、および4)はいずれも予め1
00メッシュの篩いに通す。この1)、3)、4)、お
よび2)をそれぞれ乾燥して一定含水率にまで下げた
後、上記の重量割合で混合機を用いて混合する。全質均
等にした混合末に5)を添加して短時間(30秒間)混
合し、混合末を打錠(杵:6.3mmφ,6.0mm
R)して、1錠8.5mgの錠剤とした。
【0137】この錠剤は必要に応じて通常用いられる胃
溶性フィルムコーティング剤(たとえばポリビニルアセ
タールジエチルアミノアセテート)や食用性着色剤でコ
ーティングしてもよい。
【0138】製剤例2:カプセル剤 1)本発明の目的化合物 50g 2)乳糖 935g 3)ステアリン酸マグネシウム 15g 上記成分をそれぞれ秤量した後均一に混合し、混合粉体
をハードゼラチンカプセルに200mgずつ充填した。
【0139】製剤例3:注射剤 1)本発明の目的化合物 5mg 2)庶糖 100mg 3)生理食塩水 10ml 上記の混合液をメンブランフィルターで濾過後、再度除
菌濾過を行い、その濾過液を無菌的にバイアルに分注
し、窒素ガスを充填した後、密封して静脈内注射剤とし
た。
【0140】
【発明の効果】活性試験例で示されるとおり、本発明の
キノリン誘導体は高いアンジオテンシンII拮抗作用を有
し、その血圧降下作用により高血圧症や心不全などの循
環器系疾患治療剤として有用であると考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 471/04 107 Z 8829−4C A 8829−4C E 8829−4C 473/00 473/02 473/28 473/40 (72)発明者 森澤 義富 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 安田 新 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 中村 憲史 大阪府枚方市招提大谷2丁目25番1号 株 式会社ミドリ十字中央研究所内 (72)発明者 井上 佳久 大阪府枚方市招提大谷2丁目25番1号 株 式会社ミドリ十字中央研究所内 (72)発明者 戎 一 大阪府枚方市招提大谷2丁目25番1号 株 式会社ミドリ十字中央研究所内 (72)発明者 石田 尚道 大阪府枚方市招提大谷2丁目25番1号 株 式会社ミドリ十字中央研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)で表されるキノリン誘導体ま
    たはその塩。 【化1】 [一般式(1)中、R1 〜R8 は下記のものを示す。 R1 :低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、シクロ低
    級アルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、アルコ
    キシ低級アルキル基、またはアルキルチオ基。 R2 、R3 :両者は同一でも異なっていてもよく、それ
    ぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル
    基、ハロ低級アルキル基、シクロ低級アルキル基、アル
    ケニル基、アルコキシル基、Cm2m+1−、−(CH
    2n9 、または−(CH2p COR10。 R4 :水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、アル
    コキシル基、またはCm2m+1−。 R5 :水素原子、ハロゲン原子、−COOH、−COO
    11、−CONH2 、または−CN。 R6 :−COOH、−COOR12、−CONH2 、−C
    N、−NHSO2 CF3 、またはC結合テトラゾリル
    基。 R7 、R8 :両者は同一でも異なっていてもよく、それ
    ぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル
    基、アルコキシル基、またはCm2m+1−。X、Y:両
    者は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、
    CHまたは窒素原子。ただし、上記のR9 〜R12、およ
    びm、n、pは下記のものを示す。 R9 :ヒドロキシル基またはアルコキシル基。 R10:水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、ま
    たはアルコキシル基。 R11、R12:両者は同一でも異なっていてもよく、それ
    ぞれ独立して、低級アルキル基、アルケニル基、シクロ
    低級アルキル基、アリール基、またはアルアルキル基。 mは1〜6の整数。nは1〜4の整数。pは0〜4の整
    数。]
  2. 【請求項2】キノリン誘導体が、一般式(1)におい
    て、R1 が低級アルキル基またはアルケニル基であり、
    2 とR3 が両者は同一でも異なっていてもよく、それ
    ぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル
    基、−(CH2n9 、または−(CH2p COR
    10(ここにおいて、R9 はヒドロキシル基またはアルコ
    キシル基、R10は水素原子、ヒドロキシル基、またはア
    ルコキシル基、nは1〜4の整数、pは0〜4の整数で
    ある)であるキノリン誘導体である、請求項1の化合
    物。
  3. 【請求項3】キノリン誘導体が、一般式(1)におい
    て、R4 が水素原子であり、R5 が水素原子、塩素原
    子、−COOH、または−COOR11であるキノリン誘
    導体である、請求項1または2の化合物。
  4. 【請求項4】キノリン誘導体が、一般式(1)におい
    て、R6 が−COOH、−COOR12、またはC結合テ
    トラゾリル基であるキノリン誘導体である、請求項1〜
    3のいずれか一項の化合物。
  5. 【請求項5】キノリン誘導体が、一般式(1)におい
    て、R7 とR8 は同一でも異なっていてもよく、それぞ
    れ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、低級ア
    ルキル基、またはアルコキシル基であるキノリン誘導体
    である、請求項1〜4のいずれか一項の化合物。
  6. 【請求項6】キノリン誘導体が、一般式(1)におい
    て、Xが窒素原子、YがCHであるキノリン誘導体であ
    る、請求項1〜5のいずれか一項の化合物。
  7. 【請求項7】キノリン誘導体が、一般式(1)におい
    て、R1 が低級アルキル基、R2 とR3 が両者は同一で
    も異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素原子、
    低級アルキル基、−(CH2n9 、または−(CH
    2p COR10(ここにおいて、R9 はヒドロキシル
    基、R10は水素原子、ヒドロキシル基、またはアルコキ
    シル基、nは1、pは0〜1である)、R4 が水素原
    子、R5 が水素原子または塩素原子、R6 が−COO
    H、−COOR12(ここにおいて、R12は低級アルキル
    基、アルケニル基、シクロ低級アルキル基、アリール
    基、またはアルアルキル基)、またはC結合テトラゾリ
    ル基、R7 とR8 は同一でも異なっていてもよく、それ
    ぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、また
    は低級アルキル基、Xが窒素原子、YがCHであるキノ
    リン誘導体である、請求項1の化合物。
  8. 【請求項8】請求項1記載のキノリン誘導体またはその
    塩を有効成分とするアンジオテンシンII拮抗剤。
  9. 【請求項9】請求項1記載のキノリン誘導体またはその
    塩を有効成分とする循環器系疾患の予防剤または治療
    剤。
  10. 【請求項10】請求項1記載のキノリン誘導体またはそ
    の塩を有効成分とする高血圧症または心不全の予防剤ま
    たは治療剤。
  11. 【請求項11】請求項1記載のキノリン誘導体またはそ
    の塩と、医薬として許容されうる担体を含有してなる医
    薬組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0709377A1 (en) 1994-10-27 1996-05-01 Asahi Glass Company Ltd. Process for producing quinolin-2-yl benzoic acid compounds
EP0763536A1 (en) * 1995-08-17 1997-03-19 Asahi Glass Company Ltd. Process for producing 6-aminomethyl-substituted quinoline-benzoic acids
EP0786460A2 (en) 1996-01-25 1997-07-30 Asahi Glass Company Ltd. 2-Arylquinolines and process for producing the same
WO1998008514A1 (fr) * 1996-08-30 1998-03-05 Yoshitomi Pharmaceutical Industries, Ltd. Compositions destinees au traitement preventif ou curatif de la degenerescence du tissu musculaire

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