JPH0680472B2 - 定着用ローラ及びそれを有する定着装置 - Google Patents

定着用ローラ及びそれを有する定着装置

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JPH0680472B2
JPH0680472B2 JP59205751A JP20575184A JPH0680472B2 JP H0680472 B2 JPH0680472 B2 JP H0680472B2 JP 59205751 A JP59205751 A JP 59205751A JP 20575184 A JP20575184 A JP 20575184A JP H0680472 B2 JPH0680472 B2 JP H0680472B2
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    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
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    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
    • G03G15/2053Structural details of heat elements, e.g. structure of roller or belt, eddy current, induction heating
    • G03G15/2057Structural details of heat elements, e.g. structure of roller or belt, eddy current, induction heating relating to the chemical composition of the heat element and layers thereof

Description

【発明の詳細な説明】 (分野) 本発明は第1発明として画像形成装置等に使用される加
熱加圧用又は搬送用又は加熱用の定着用ローラ、第2発
明としてこの加熱定着用ローラを有する定着装置、に関
する。
(従来技術) 従来、多用されているローラにはゴムローラや樹脂ロー
ラがあるが、いずれも長所短所があり、これらの長所を
兼ね備えた定着用ローラが望まれていた。
これに対して提案されているローラに、特開昭58−2864
号、特開昭58−5770号及び特開昭58−27175号がある。
これらの提案は、前者が金属ローラ表面に弗素ゴムと弗
素樹脂との混合塗料を塗布してなるローラを、後者はゴ
ムローラ表面に弗素ゴムと弗素樹脂との混合塗料を塗布
してなるローラを、夫々開示している。
しかしこれらは特開昭57−135871号公報に開示された上
記混合塗料を希望するローラに適用することを開示する
ものに過ぎず、ローラ表面に得られる樹脂成分はかなり
少ないものであった。この混合塗料の樹脂成分は高温下
で焼成した時に低温焼成よりも多くローラ表面に得られ
る傾向にあるが、その増加量もわずかなものであった。
この樹脂成分の量は、混合層表面の離型性と分離爪や接
触センサー,ヒューズ,紙等による摩耗に対する耐摩耗
性に多大な影響をもつため、その増加を達成することは
急務である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであっ
て、樹脂とゴムの混合層の表面部に樹脂成分を多量にし
て、耐摩耗性及び離型性を向上する定着用ローラを得る
ものである。
又、定着用ローラを加熱源内蔵型の加熱定着ローラとし
て用いる場合、樹脂層表面の厚さを増大させて耐摩耗性
を向上することは重要である。さらに混合層の下層に設
けられたシリコーンゴム層の如き断熱ゴム層は弾性増大
の利点もあるが、高温下にさらされると熱劣化しやす
く、内部加熱源の熱を合理的に定着熱に変換できない欠
点もある。依って、ゴムと樹脂の混合層を表面に有し、
その下層にゴム層を有する加熱定着用ローラの熱効率向
上と樹脂部分の増大は重要な課題である。
(目的) 本発明の目的は、ゴム層と、ゴム材と樹脂材とを混合し
ている素材からなる混合層と、を有するローラに、耐摩
耗性及び離型性の物性を向上する樹脂成分を表面域に多
く付与せしめ、長期にわたって、良好な離型性を持続可
能な定着用ローラを提供することである。
本発明の他の目的は、定着装置に要求される弾性や強度
を満足できる加熱定着用ローラを備えた定着装置を提供
することを目的とする。
本発明の他の目的は、良好な熱伝導効果を奏し定着性に
優れた定着用ローラ及びそれを有する加熱定着装置を提
供することである。
(本発明の概要) 本発明は、第1発明,第2発明に共通するものとして、
本発明は上記目的を達成するために、ゴム層の上にゴム
材と樹脂材との混合層を表層として形成した定着用ロー
ラ及びそれを有する定着装置において、前記ゴム層は熱
伝導性材を有しており、前記定着用ローラは、前記ゴム
層の上に前記混合層の素材を設け、このゴム層と混合層
の素材を第1設定温度で加熱処理し、その後第1設定温
度より高い第2設定温度で加熱処理することで形成され
ていることを特徴とする。
これにより、このゴム層は混合層表面の樹脂成分増大を
達成し、更にローラの強度と耐久性を向上する。
(実施例の説明) 第1図は本発明の第1発明例の加熱定着用ローラAの断
面図を示す。ローラAは中空円筒状の金属性基体3に熱
伝導性プライマー3aで接着された熱加硫後のゴム層2を
有し、表面弾性層として混合成分の弗素ゴムと弗素樹脂
とを含有した内面部1b及び外表面側に樹脂成分層1aを20
μ〜60μもった混合層1を備えている。
又、このゴム層2中には、混合層1中にある熱伝導性物
質(カーボンやシリカ又は酸化マグネシウム、酸化鉄等
の微粉末や伝熱性のフイラー)よりも多量の熱伝導性物
質が含まれている。従って、ゴム層2は混合層1よりも
熱伝導性は高く、離型性の低いゴム質となる。
ローラAのゴム層2は、熱伝導性物質をゴム100部に対
して10部〜40部含有したもので、未加硫ゴムシートをプ
ライマー3aが塗布された基体3上に巻き一次加硫、二次
加硫等の熱加硫を受けてゴム弾性を得たものである。こ
のゴム層2のゴム弾性を得るための温度を一次加硫温度
とする(室温加硫の場合は室温とする)。混合層1を得
るために、ゴム層2にゴム層2より薄く被覆された少な
くとも、ゴム材と樹脂材とを混合している素材は、ゴム
層2より少ない熱伝導性物質を素材100部に対して5部
以下有しており、ゴム層2と共に以下の加熱処理を受け
る。
第2図はローラ基体上にゴム物性を特性として有するゴ
ム層2と、ゴム層2に対して相対的に上側の層として少
なくともゴム材と樹脂材を混合している素材からなる未
加熱処理の混合層を設けたローラ(以下未処理ローラと
称する)をステップ段階で加熱処理する行程の例を示し
ている。
この行程における利点は後述するとして、本実施例では
混合層1の下層であるゴム層2の熱伝導性が、混合層1
の熱伝導性より高いために、混合層1中に分散混合され
ている樹脂成分を表面層側に集中させ、混合層1の表層
としての樹脂層の厚みを従来の1.5倍〜3倍にも成長さ
せることができた。更に、ゴム層2内の熱伝導物質の活
性により、ゴム層2上に形成される混合層がプライマー
成しでも良好な接着を示すためローラ表面に平滑性を与
えることができる。
この構成は以下の理由から得られるものと思料される。
ゴム層2は混合層1の下層に位置し熱伝導性が混合層1
よりも高いため混合層1に対しては熱伝導体として働
く。つまり、混合層1の混合素材を加熱して焼成する
際、ゴム層2は混合素材の局部的な昇温を防止して混合
素材のゴム層2側での熱だまりを減少する。同時にゴム
層2は混合素材のゴム層2側の低温域を減少し、十分な
熱を供給する。これにより、混合層1は全体的に表面
側,内面側も含め、かなり均等分配された熱供給を受け
る。従って、混合層1の全体にわたって混合素材中のゴ
ム材がゴム組織としての網目構造を形成していく。特に
ローラの内側であるゴム層2側の内面域においては、ゴ
ム組織が急激に固定化して樹脂材の移動を阻止したり、
ゴム組織が網目構造を作らないためにゴム材と樹脂材の
混合状態が平衡化して樹脂材を分離できない状態になる
といった問題が大幅に減少される。つまり、混合素材中
のゴム材をほぼ組織化しつつ、樹脂材の移動を容易なも
のにでき、またこのとき樹脂材は均一化される。この
後、焼成温度が上昇していくと、ローラ表面とローラ内
面とで温度差が生じてきて(特に炉内では顕著)、ロー
ラ表面部がローラ内面より高温となってくる。このた
め、ローラ表面は、よりエネルギーの低い安定状態を形
成しようとする。その結果、表面エネルギーが小さい樹
脂材がローラ表面の空気層へと移動し、焼成温度の高温
域で集合される。
この後、さらに高温になると、混合素材中のゴム組織は
ゴム物性を得るための共重合を起こし、組織をゴム組織
とする。この際ゴム材がローラ表面近くへさらに樹脂材
を集合させると共に残余の樹脂材とゴム材とが混合層と
して成長する。そして最終焼成温度下で混合層の表面域
に厚い樹脂層1aが形成される。
いずれにせよ、ゴム層2の熱伝導性によって混合層1の
樹脂層1aの厚みはムラなく大幅に増大できる。
要点をまとめると、以下の2点のようになる。
1;ゴム層2として熱伝導性が良好で且つ活性の高い(離
型性の悪い)フィラーを混入したものを使用する。
2;混合層1の焼成時に少なくとも2つの異なる設定温度
下で夫々所定時間の間加熱焼成させる。
以上の2点によって最終焼成時に表面層に厚い樹脂層を
形成できる。このメカニズムは以下の如きものと思われ
る。
まず低温焼成の時に混合層の内外における温度分布をで
きる限り均一にすることが必要であり、これは、ゴム層
2として熱伝導性が良好なゴム材を用いることにより達
成される。
この状態では混合層1内のゴム材と樹脂材は未だランダ
ムな混合状態であるが、全体の温度が上昇するために混
合層全体が活性状態となり、樹脂成分が表面に移動でき
る条件を満たす。
更に焼成温度を上げることにより混合層の内層(ゴム層
2側)と外層(空気層と接した表面側)との間に大きな
温度差が形成される。つまり、ローラ表面が高温となる
が、ローラ表面はよりエネルギーの低い安定状態を形成
しようとする。その結果、ミクロブラウン運動によって
混合樹脂中の樹脂材はローラ表面に向って一気に移動し
てローラ表面に多く集中する。この後冷却されると、ロ
ーラ表面には厚い樹脂層が形成される。
従来の方法では急激な温度上昇であるためゴム層に大き
な温度勾配を形成してゴム劣化を招き、樹脂材の集中を
充分得られないため樹脂層の厚さは高々2〜3μであっ
た。
これに対し、上記方法によれば、5〜10μの樹脂層がロ
ーラ表面に形成され、対摩耗性、離型性に優れたローラ
を得ることができる。これによって得られたローラは非
常に平滑な表面を持つために離型性の効果をより向上で
きる。更にゴム層2中の活性なフィラーと混合層のゴム
層側にゴム材が集中することにより、ゴム層2と混合層
との接着が非常に良好となり、プライマーを使用しなく
ても充分な接着強度が得られた。同時にこのフィラーに
よって、ゴム層2に与える温度勾配を小さくできるの
で、ゴム弾性を安定したものにでき定着性を向上し安定
できる。更に、後述のステップ焼成によりゴム層2の機
械的強度、ゴム弾性等の諸物性を全く損なうことなくロ
ーラを得ることができた。
更にステップ焼成について詳述する。本実施例に係わる
加熱処理は少なくとも2つの設定温度下で所定時間の間
加熱して、未処理ローラ全体を段階的になじませ、ゴム
層に極端な温度勾配を与えることなく樹脂層の厚みを大
幅に増大するため最終焼成温度に至らしめるものであ
る。
第2図は、ステップ焼成の一例で、温度を3段階に変化
させたものである。第2図中で、縦軸のT1,T2,T3は夫々
未処理ローラを加熱する設定温度で、T1<T2<T3の関係
になっている。尚、T3は最終焼成温度であり、横軸は時
間である。設定温度T1,T2,T3を夫々所定時間t1,t2,t3
間、加熱処理する加熱工程H1,H2,H3は、本実施例では、
工程H1をt1分間行い、次に工程H2をt2分間行い、さらに
工程H3をt3分間行うといった順に、未処理ローラを加熱
処理するものである。
このように未処理ローラに対して最終焼成温度T3よりも
低い設定温度(H1,H2等)で所定時間(t1,t2等)の間、
加熱処理を施すことにより、下層として設けられたゴム
層2の解重合を防止できる。さらに、上記混合素材の未
加熱処理混合層に対してより高温の最終焼成処理を施す
ことができる。
このため、混合層1の表面に樹脂成分をゴム成分に対し
て多量に形成できるので、混合層1表面の強度(特に定
着ローラとしては離型性、すべり性、耐摩耗性が向上さ
れる)を高めることができた。又、混合層1の下層側の
内表面にゴム成分を樹脂成分に対して多量化できるの
で、直接ゴム層2を下層に設けた第1図ローラAの層1,
2間の接合性をプライマーがなくても向上できる。無
論、層1,2は夫々適切な弾性を持つことになり、弾性ロ
ーラAは充分な弾性と強度とを兼ね備える。
第2図中、設定温度T1,時間t1の加熱準備工程を示して
いるが、これはゴム層2の加硫の安定促進と混合層1中
のゴム材の加硫促進を行うためであり、ローラA表面層
全体を比較的温度の低い(70゜〜100℃程度)状態にな
らす。これによりローラ全体の熱的バランスを良好にで
きる。この時間t1は、時間t2,t3のいずれよりも短くて
良い。
工程H1は、混合層1中のゴム組織を全体的に作り上げる
ための段階に相当し、工程H2よりも時間t1を長くするこ
とが好ましい。設定温度T1としては混合層中のゴム材の
二次加硫温度より低いものが適している。
ただし、時間t2はt3>t1≧t2とするのが良い。この時間
設定はゴム層2の安定化と樹脂層の厚み向上に適する。
これに対して、従来の構成は、最終焼成温度である設定
温度T3下でのみ所定時間加熱するか又は良好な表面強度
を得るためには、短時間のうちに設定温度T3まで急速加
熱し、設定温度T3下で所定時間加熱するかのいずれかだ
けであったため(第2図工程H4参照のこと)、ゴム層2
は解重合を起こしやすく弾性の低下が生じる他、樹脂層
の厚みを多くできなかった。逆にゴム層2の弾性欠如を
防ごうと最終焼成温度を下げようとすると、弾性ローラ
表面の樹脂分が点在化してゴム分が表面に多量に露出す
るため、離型性、すべり性、耐摩耗性がさらに低下し、
実用的でなかった。
第3図は、上記未処理ローラを加熱処理する電気炉、流
体加熱炉又は通常の加熱炉等の炉20の断面を示してい
る。炉20の中には3本の未処理ローラが定位置支持板23
に保持され、未処理ローラ近傍の温度を検知する検知手
段19が設けられている。21は予め第2図のグラフに相当
するプログラムが装填された制御手段で、タイマーカウ
ント器22を備え炉内の温度を各設定温度T1,T2,T3に各所
定時間t1,t2,t3の間維持すべく、炉22の加熱源を制御す
る。この例は炉内に未処理ローラを固定しているが、ロ
ーラ表面を均一化するためにローラを遅い速度で回転せ
しめても良く又、長い炉を使用する場合は未処理ローラ
を移動させ、炉の一定域に所定温度を保持するようにし
ても良い。
いずれにしても、第2図に例示したように未処理ローラ
を複数段階的に加熱温度を上昇させつつ加熱処理するこ
とで、ゴム層2の解重合を防止し、混合層1の表面特性
を適切なものにできる。
特に、定着装置の弾性ローラとして上記弾性ローラを使
用した場合、混合層をローラ表面とすれば、表面に薄く
樹脂成分過多の離型層であって弾性を充分備えた混合表
面層1とその下層にさらに富んでゴム特性を安定して有
するゴム層2を有することができる。これによって従来
の四弗化エチレン樹脂表面層のローラに比べて、オフセ
ットを1/2〜1/10までも減少でき、紙等の記録材のカー
ルを減少し、しかも画質が良好な定着性を得ることがで
きる。又、通常のゴムローラ、特に、一般的に離型性の
良いシリコーンゴムローラでは、離型性が劣化する他径
変化や傷の発生率も高くクリーニングしにくいという問
題があるが、弾性ローラAではこれらの問題を大幅に解
決でき、加圧用ローラとしてではなく、トナー像側の加
熱ローラとしても使用できるようになった。
更にゴム層2に熱伝導が良好で、活性の強いフィラーを
混入させているので前述したメカニズムにより、混合層
の表層に樹脂の膜厚を増大させることができ、長期にわ
たって離型性の良好なゴムローラが得られた。また、ゴ
ム層と混合層との接着が良好になって両者間にプライマ
ーを介在させる必要が無くなり表面の平滑なローラを得
ることができた。
具体的数値例を挙げる。
本発明実施例では例1としてT1=80(℃),T2=180
(℃),T3=260(℃)〜340(℃),t1=15(分),t2=3
0(分),t3=30〜60(分)を、例2として工程H1を除去
してT2=260(℃),T3=300(℃),t2=30(分),t3=6
0(分)を、夫々設定し、ゴム層2にシリカ,カーボン
をゴム100部に対して25部含有させた熱加硫型シリコー
ンゴムを、混合層1に弗素ゴムと弗素樹脂を4:1で混合
した素材を、夫々主成分として、以下の弾性ローラを製
造した。
まず金属円筒に一液性RTVシリコーンゴムのプライマー
を塗布し、この上に熱加硫型シリコーンゴム材を0.2mm
〜2mmの範囲内の一定厚で被覆し、一時加硫を170℃で30
分(ここで通常のゴム特性がほぼ得られる。)、二次加
硫(より、ゴム物性を安定化するために行うもので、必
ずしも行う必要はない)を200℃で4時間行う。これに
よって作成されたローラに上記混合素材を主成分とする
被覆を30μ程度施した後上記段階熱処理工程を行う。
これによって得られた弾性ローラは、混合層1表面に樹
脂成分が多くしかも混合層1とゴム層2が十分な弾性を
示し、特にゴム層2はゴム特性を遣憾無く発揮できる。
比較例として同じ構成で加熱処理をT3=260℃,t3=60分
のみにした比較例1と、T3=300℃,t3=60分のみにした
比較例2と、による弾性ローラを挙げる。比較例1は混
合層1表面に十分な樹脂成分が得られず、定着装置に適
用した場合、1,000枚程度の通紙でトナー汚れが発生す
るばかりか傷の発生も多かった。比較例2はゴム層2の
ゴムが解重合を起こしとしまい弾性を失ったローラとな
り使用不可であった。
これに対し、本実施例の例1,例2の各ローラは、前述し
た優れた効果を奏し、トナー離型性も良く耐久枚数が最
悪な条件下でも10万枚以上であって、比較例1,2より格
段に優れている。得られた混合層の熱伝導率は1〜8
(×10-4),ゴム層の熱伝導率は10〜27(×10-4)であ
った。又混合層の樹脂分過多の層は5〜10μも得られ
た。
第4図は、本発明の第2発明に相当する実施例である。
第4図では第1図乃至第3図の実施例の定着用ローラA
をトナー像と接する加熱定着用ローラとしての加熱ロー
ラA′として用いている。第4図は記録装置に用いられ
る定着装置の一例で、加熱ローラA′の金属性基体3、
プライマー2a,3a、弾性ゴム層2、表面混合層1につい
ては前述したものを用いた。
加熱ローラA′は円筒状基体3の内部に加熱ヒータ4を
設け、ローラA′の表面温度を検知するための検知部材
6(本例では接触タイプ)と温度制御手段5により、ト
ナー像Tを記録材としての紙Pに定着するために必要な
温度(例えば180℃〜200℃)に維持される。加圧ローラ
Bは不図示の加圧手段により、加熱ローラA′に圧接
し、紙Pを加熱ローラA′と共に挟持搬送する。
加圧ローラBの構成は回転軸18にシリコーンプライマー
を介して固定されたシリコーンゴムのスポンジ層24と、
スポンジ層24の被覆層として固定された断熱性に優れた
耐熱ゴム層25と、ゴム層25に熱伝導性の低い即ち、熱伝
導性材料が少ないか又はほとんど含まれない断熱性プラ
イマー25aを介して設けられた混合層26を有するもので
ある。混合層26は加熱ローラA′の混合層1と比較して
表面域に樹脂層の厚みが少ないものであるか又は樹脂層
というよりは樹脂とゴムの混合表面を有するものであ
る。この加圧ローラBは、以下のように製造される。シ
リコーンゴム材を発泡させてなるスポンジ層を軸18にプ
ライマーで接着し、これらの最終加硫前にゴムチユーブ
として形成しておくか又は液状,エラストマーのゴム材
をスポンジ層表面に設けたスポンジローラを構成する。
次にこのスポンジローラを熱処理してスポンジ層24,ゴ
ム層25を同時に加硫し、夫々の弾性特性を得る。この
後、加硫後のスポンジローラに弗素ゴム材と弗素樹脂材
の混合材を20〜50μ程度塗布し、加熱ローラA′の最高
焼成温度T3よりも低い温度域で加硫焼成する。好ましく
は弗素ゴム材の加硫温度程度が良い。
しかし、この加硫焼成は内層のゴム層25,スポンジ層24
の熱劣化を防止するため、段階的に温度を上昇させると
共に段階設定温度下で加熱する時間(第2図のt1,t
2等)を加熱ローラA′の製造より短くし、少なくとも
5分〜10分の間は加熱するように設定すれば良い。これ
は、下層としての層24,25の特性変化防止と比較的高温
の焼成を可能にするためである。このようにすることで
加圧ローラは、加圧用ローラとしての弾性を従来より増
強すると共に弾性ゴムローラより優れた安定性を示すこ
とができる。この安定性とは、シリコーンオイル膨潤度
が低くなることや、離型性の向上を含む。
7はシリコーンオイルやフッ素オイル等の離型液を含浸
しているクリーニングウエブで、巻取り軸9、供給軸8
及び押圧ローラ10により間歇的に或は加熱ローラA′と
相対速度をもって移動される。この移動により加熱ロー
ラA′の表面はオフセットトナーをクリーニングされる
と共にオフセット防止用の離型液が供給される。
12は搬送ベルトで、所定の画像形成手段により片面上に
トナー像Tを形成された紙Pを、案内板11、加熱ローラ
A′と加圧ローラBとの圧接部へ導く。13は加熱ローラ
A′より紙Pを分離する分離爪、14は加圧ローラBより
紙Pを分離する分離爪で夫々各ローラ面に当接してい
る。15,16は排出用又は他の部分へ送る排紙ローラ対で
ある。図中の各矢印は各部材の回転又は移動方向であ
る。
加熱ローラA′は前述したように、混合層1より熱伝導
性の優れたゴム層2にゴム特性を持たせた後に、加熱温
度を上昇させ且つ複数の異なる設定温度で所定時間の間
加熱するという加熱段階処理を受けて表面に樹脂成分が
非常に多い樹脂層を厚く有しており、しかも弾性を示す
混合層1を有しているため、適切な強度と弾性とを備え
ている。
従って、トナー像は画質が良く、しかも細部にわたって
定着性の良い画像として紙Pに加熱定着される。しかも
その際のトナー像が加熱ローラA′へオフセットするの
を大幅に防止でき、且つ加熱ローラA′での摩耗を大幅
に減少できる。
このため、本例のようにウエブ7を用いる型では、クリ
ーニング部材としてウエブの消費を減少できると共にオ
フセット防止の離型液供給ができる。
同時に加熱ローラA′自体を長期使用に耐え得る、実用
化を達成することができる。
本発明の具体的数値例については前述のものを採用すれ
ば良いが、混合層1の段階加熱処理は異なる複数の設定
温度を各所定時間の間、施すものであれば良い。より好
ましい処理は、定着時に使用される温度よりも高温の複
数設定温度下で所定時間行われるものが良い。又さらに
好ましい処理はゴム層2の一次加硫温度以上で、しかも
この加硫温度近傍で比較的短時間(10〜20分程度)加熱
した後に、240℃〜280℃の範囲内の所定温度で所定時間
(30分程度)加熱しさらに300℃〜340℃の範囲内の所定
温度で所定時間(30分〜60分程度)加熱するといった様
に加熱温度、加熱時間を順に高める工程を有するものが
良い。無論、加熱工程H1,H2,H3の数が多い程最終焼成温
度が高くできると共にゴム弾性を失わないので好まし
い。
上記工程H2をゴム層2の二次加硫温度と同じくして加硫
工程と焼成工程を兼用しても良い。
本実施例では第1図弾性ローラAを加熱定着ローラに適
用した例を示したが、加圧ローラBのみ又はローラ
A′,Bの両方にも適用しても良く、この両方に弾性ロー
ラAを使用した場合はより一層上記効果が向上される。
又、上記第4図は加熱定着装置の例を示し、本発明の実
施例として好ましいものを示したが、転写同時定着等の
加熱定着装置にも本発明は適用できる。
又、上記例は2本ローラ構成であるが、3本ローラ又は
それ以上のローラ数の定着装置の加熱ローラ、加圧ロー
ラ、離型剤供給兼用定着ローラ、或はクリーニング兼用
定着用ローラの少なくとも一つは本発明第1発明ローラ
を適用したものは本発明の第2発明に含まれるものであ
る。本発明のゴム層は主として熱伝導性ゴム又は金属酸
化物,炭素材料,金属材又はシリカ等の充填剤といった
熱伝導性材を多量に有し、混合層よりも熱伝導性の高い
ゴム層である。このゴム層としては、離型性に劣るHTV
シリコーンゴム,LTVシリコーンゴムが適しており、熱伝
導性材としてはカーボンブラック等のようなゴム物性を
増強するものが良い。
(効果) 本発明の共通効果は混合層の表面域に樹脂分の多い樹脂
層を従来よりもムラなく厚くすることができるので耐久
性,耐摩耗性,離型性のさらなる向上が達成できる点に
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の第1発明の定着用ローラの一実施例
断面図、第2図は第1図の定着用ローラを製造するにあ
たっての段階加熱処理を説明するための図、第3図は第
2図設定温度を実施する具体例の説明図、第4図は本発
明の第2発明の定着装置の一実施例説明図である。 1は混合層、2はゴム層、3は基体、4は加熱ヒータ、
5は温度制御手段、20は炉、H1,H2,H3は加熱工程、T1,T
2,T3は設定温度、t1,t2,t3は所定時間、Aは定着用ロー
ラ、A′は加熱ローラ、Bは加圧ローラ、24はスポンジ
層、25はゴム層、26は混合層、3a,25aはプライマー。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴム層の上にゴム材と樹脂材との混合層を
    表層として形成した定着用ローラにおいて、 前記ゴム層は熱伝導性材を有しており、前記定着用ロー
    ラは、前記ゴム層の上に前記混合層の素材を設け、この
    ゴム層と混合層の素材を第1設定温度で加熱処理し、そ
    の後第1設定温度より高い第2設定温度で加熱処理する
    ことで形成されていることを特徴とする定着用ローラ。
  2. 【請求項2】前記ゴム層はシリコーンゴム層であり、前
    記混合層はフッ素ゴムとフッ素樹脂の混合層であること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の定着用ロー
    ラ。
  3. 【請求項3】ゴム層の上にゴム材と樹脂材との混合層を
    表層として形成した定着用ローラを有する定着装置にお
    いて、前記ゴム層は熱伝導性材を有しており、前記定着
    用ローラは、前記ゴム層の上に前記混合層の素材を設
    け、このゴム層と混合層の素材を第1設定温度で加熱処
    理し、その後第1設定温度より高い第2設定温度で加熱
    処理することで形成されていることを特徴とする定着装
    置。
  4. 【請求項4】前記ゴム層はシリコーンゴム層であり、前
    記混合層はフッ素ゴムとフッ素樹脂の混合層であること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の定着装置。
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