JPH0680393U - モーターコントローラー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 停止精度を高める。応答性を高める。回路設
計および配線作業を簡単にする。 【構成】 モーターの逆起電流を吸収する電気ブレーキ
コントロール回路１５を用い、制動時間を短縮する。Ｃ
Ｗ・ＣＣＷ切換え用入力端子４に入力される１ビットの
制御信号により、ＣＷ・ＣＣＷの切換えをモーター起動
中に連続的に行う。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はレバーシブルモーターまたはインダクションモーターの駆動制御に使 用されるモーターコントローラーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

レバーシブルモーターやインダクションモーターは安価な駆動源として制御機 器等に多用されており、そのコントローラーとしてはブレーキパックおよびコン トロールパックが市販されている。ブレーキパックは、モーターの起動・停止、 ＣＷ・ＣＣＷの切換えを行うことができ、停止では電気ブレーキによる瞬時停止 を行うことができる。コントロールパックはこれらの機能に加え、２速のスピー ドコントロール機能を有し、更に電磁ブレーキコントロール機能も有する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような従来のモーターコントローラーには次のような問題点があった。

【０００４】 ＣＷ・ＣＣＷの切換えを行うためにリレー回路を構成する必要があり、外部 回路が複雑になる。そのため回路設計・配線作業に時間がかかり間違いが発生し やすい。

【０００５】 電気ブレーキによる瞬時停止時に制動電流が２００〜４００ｍｓもの長い時 間流れるために、停止精度が悪い。

【０００６】 接点保護のため、モーター停止後0.５秒間はモーターを起動できない。その ため、ＣＷ・ＣＣＷの切換えに時間がかかる。

【０００７】 スピードコントロールについても、多段階のスムーズな速度切換えを行うこ とができない。

【０００８】 〜により、高精度の制御機器への適用は不可能であった。

【０００９】 本考案の目的はこれらの問題点を解決した外部回路が簡単で停止精度が高く、 しかもスムーズな回転切換および速度切換えを行うことができるモーターコント ローラーを提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案のモーターコントローラーは、インダクションモーターまたはレバーシ ブルモーターに使用されるモーターコントローラーであって、 １ビットの起動・停止用入力端子、１ビットの電磁ブレーキＯＮ・ＯＦＦ用入 力端子、１ビットの電気ブレーキＯＮ・ＯＦＦ用入力端子、１ビットのＣＷ・Ｃ ＣＷ切換え用入力端子および１ビットまたは複数ビットの速度切換え用入力端子 を有すると共に、 起動停止用入力端子に入力される信号に基づいてモーターの起動・停止を制御 する起動・停止コントロール回路、切換え用入力端子に入力される信号に基づい てモーターの回転速度を複数段階に制御するスピードコントロール回路、ＣＷ・ ＣＣＷ切換え用入力端子に入力される信号に基づいてモーターのＣＷ・ＣＣＷの 切換え行う正逆コントロール回路、モーターの位相遅れを解消する制動電流をモ ーターに供給し、モーターの逆起電流を吸収する電気ブレーキコントロール回路 、およびモーターに付設された電磁ブレーキをＯＮ・ＯＦＦする電磁ブレーキコ ントロール回路を有し、 電気ブレーキコントロール回路は、電気ブレーキＯＮ・ＯＦＦ用入力端子に入 力される信号により電気ブレーキが有効とされている状態でモーター停止が指示 されたときに電気ブレーキを作動させると共に、ＣＷ・ＣＣＷ切換え用入力端子 に入力される信号によりＣＷ・ＣＣＷの切換えが指示されたときに電気ブレーキ を作動させるように構成され、 電磁ブレーキコントロール回路は、電磁ブレーキＯＮ・ＯＦＦ用入力端子に入 力される信号により電磁ブレーキが有効とされている状態で電気ブレーキが作動 したときにはその作動後に電磁ブレーキを作動させ、モーター起動が指示された ときにはその電磁ブレーキを解除するように構成されていることを特徴とする。

【００１１】

【作用】

本考案のモーターコントローラーにおいては、電気ブレーキにより瞬時停止を 行う場合に、モーターの逆起電流を吸収するので、大きな制動電流をモーターに 供給でき、その通電時間を従来の１／１０程度まで小さくできる。また、電磁ブ レーキを有効としている場合には短時間の電気ブレーキに引き続いて電磁ブレー キが作動する。従って、安価なレバーシブルモーターやインダクションモーター を高精度に停止制御することができる。

【００１２】 ＣＷ・ＣＣＷの切換えが、ＣＷ・ＣＣＷ切換え用入力端子に入力される信号に より行われ、その切換えのためのリレー回路を構成する必要がない。従って、外 部回路が簡単になる。しかも、その切換えはＣＷ・ＣＣＷ切換え用入力端子に入 力される１ビットの制御信号によりモーター起動中に連続して行われる。

【００１３】 スピードコントロールについても、速度切換え用入力端子に入力される信号に 基づいて、モーターを完全停止させることなくスムーズに実行される。

【００１４】

【実施例】

以下に本考案の実施例を図面に基づいて説明する。図１は本考案を実施したモ ーターコントローラーの一例についてその構成を示すブロック図である。

【００１５】 本実施例のモーターコントローラーは、制御入力端子として１ビットの起動・ 停止用入力端子１、１ビットの電磁ブレーキＯＮ・ＯＦＦ用入力端子２、１ビッ トの電気ブレーキＯＮ・ＯＦＦ用入力端子３、１ビットのＣＷ・ＣＣＷ切換え用 入力端子４および２ビットの速度切換え用入力端子５ａ，５ｂを備えている。

【００１６】 また、ＡＣ１００Ｖの電源入力端子６、インターロックに使用する電流計の接 続端子７、モーター位相制御用のコンデンサー接続端子８、回転数モニター出力 端子９およびモーター接続端子１０を備えている。モーター接続端子１０は、４ つのモーター入力端子１０ａ（ＣＯＭ，ＣＯＭ，単相１，単相２）と、２つの電 磁ブレーキ入力端子１０ｂと、２つのタコジュネーレータ出力端子１０ｃの８つ である。

【００１７】 制御入力用端子より入力された信号はインターフェース回路１１を介して制御 回路１２に与えられる。制御回路１２は、インターフェース回路１１を介して入 力される信号に基づいて、起動・停止コントロール回路１３、スピードコントロ ール回路１４、電気ブレーキコントロール回路１５、正逆コントロール回路１６ および電磁ブレーキコントロール回路１７に作動を指示する。これにより、各コ ントロール回路は次のような動作を行う。

【００１８】 起動・停止コントロール回路１３は、起動・停止用入力端子１に入力される１ ビットの制御信号に基づいて、モーターの起動・停止を制御する。

【００１９】

【表１】

【００２０】 スピードコントロール回路１４は、表１に示すように、速度切換え用入力端子 ５ａ，５ｂに入力される２ビットの制御信号に基づいて、モータースピードを４ 段階に制御し、モーター起動中に速度切換え用入力端子５ａ，５ｂが操作された 場合は、モーターを停止させずにその速度切換えを行う。

【００２１】 電気ブレーキコントロール回路１５は、ハード的には、図２に示すように、モ ーターの位相遅れを解消する制動電流をモーターに供給し、モーターに吸収され ない逆起電流をコンデンサ１５ａおよびトライアック１５ｂを用いて回路内に戻 す構成となっている。また、電気ブレーキＯＮ・ＯＦＦ用入力端子に入力される １ビットの制御信号により電気ブレーキの有効・無効が選択され、有効状態でモ ーター停止が指示されたときおよびＣＷ・ＣＣＷの切換えが指示されたときには 、電気ブレーキを自動的に作動させるようになっている。

【００２２】 正逆コントロール回路１６は、ＣＷ・ＣＣＷ切換え用入力端子４に入力される １ビットの制御信号に基づいて、ＣＷ・ＣＣＷの切換えを行い、モーター起動中 にＣＷ・ＣＣＷ切換え用入力端子４が操作された場合は、ＣＷ−電気ブレーキ− ＣＣＷあるいはＣＣＷ−電気ブレーキ−ＣＷというように、電気ブレーキを挟ん で連続的に切換えを行う。

【００２３】 電磁ブレーキコントロール回路１７は、電磁ブレーキＯＮ・ＯＦＦ用入力端子 ３に入力される１ビットの制御信号に基づいて、電磁ブレーキの有効・無効が選 択され、電気ブレーキの有効・無効と合わせて表２に示す４種類のブレーキモー ドを実現する。

【００２４】 そして、電磁ブレーキが有効とされている状態で、モーター起動が指示された 場合には、電磁ブレーキが自動解除された後に起動が開始され、モーター停止後 に電磁ブレーキが作動する。また、電気ブレーキおよび電磁ブレーキが有効とさ れている状態で、モーター停止が指示された場合には、電気ブレーキの後に電磁 ブレーキが作動する。また、モーター停止後に電磁ブレーキを無効とすれは、モ ーターの出力軸を自由に回転させることができる。

【００２５】

【表２】

【００２６】 本実施例のモーターコントローラーは、ブレーキパックやコントロールパック に比して次の利点がある。

【００２７】 ブレーキパックやコントロールパックでは、瞬時停止時に制動電流が２００ 〜４００ｍｓもの間流れるが、本モーターコントローラーでは、モーターの逆起 電流を吸収する構成としているので、大きな制動電流をモーターに供給でき、制 動電流の通電時間を従来の１／１０の４０ｍｓ程度まで短縮できる。また、電磁 ブレーキを併用する場合には、電気ブレーキの後に電磁ブレーキが作動し、モー ター停止の指示から１００ｍｓ以内でモーター停止を完了させることができる。 従って、高価なインバーターモーターを使わず、安価なレバーシブルモーターや インダクションモーターにより高精度な停止位置制御が可能となる。

【００２８】 ブレーキパックやコントロールパックでは、ＣＷ・ＣＣＷの切換えを行うた めに、リレー等により外部回路を構成する必要があるが、本モーターコントロー ラーでは、ＣＷ・ＣＣＷ切換え用入力端子に入力される１ビットの制御信号によ りこの切換えを行うことができ、外部制御回路が簡単になる。従って、回路設計 ・配線作業が容易となり、使用性が著しく向上する。

【００２９】 モーター起動中にＣＷ・ＣＣＷの切換えを行う場合、ブレーキパックやコン トロールパックではモーターを一時的に完全停止する必要があり、切換え操作に 時間がかかるが、本モーターコントローラーでは、前述した制動時間短縮のため 、ＣＷ・ＣＣＷ切換え用入力される１ビットの制御信号により、モーター起動中 にこの切換えを連続的に行うことができる。

【００３０】 コントロールパックでは、スピードコントロールが２速（低速／高速）であ り、多段階のコントロールが出来ないが、本モーターコントローラーでは、２つ の速度切換え用入力端子に入力される２ビットの制御信号により４速切換えが可 能であり、しかも変速時間が短い。

【００３１】 ブレーキパックやコントロールパックでは、モータに供給する動力電源（１ ００Ｖ）の他に制御電源（２４Ｖ）を必要とするが、本モーターコントローラー ではトランス１８およびＡＣ／ＣＤ変換回路１９が内蔵されているので、制御電 源を必要とせず、この点からも使用性に優れる。

【００３２】 ブレーキパックやコントロールパックでは低速（９０rpm ）での回転が安定 しないが、本モーターコントローラーでは低速（６０rpm ）での安定回転が実現 されることも確認している。

【００３３】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本考案のモーターコントローラーは制動時間 を著しく短縮し、これによりレバーシブルモーターやインダクションモーターの 停止精度を高めると共に、ＣＷ・ＣＣＷの連続切換え運転を可能にし、更に連続 的な速度切換えも可能にし、安価で高精度な制御機器の構築を可能にする。また 、外部制御回路が簡単になり、回路設計・配線作業も容易となり、それらの間違 いがなくなる。

【００３４】 従って、本考案のモーターコントローラーはブレーキパックやコントロールパ ックよりも高性能で使い易く、その上コスト的にはこれらの従来コントローラー と実質的に差がなく、その実用的価値は非常に大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のモーターコントローラーの構成例を示
すブロック図である。

【図２】電気ブレーキコントロール回路の構成例を示す
回路図である。

【符号の説明】

１ 起動・停止用入力端子 ２ 電磁ブレーキＯＮ・ＯＦＦ用入力端子 ３ 電気ブレーキＯＮ・ＯＦＦ用入力端子 ４ ＣＷ・ＣＣＷ切換え用入力端子 ５ａ，５ｂ 速度切換え用入力端子 ６ 電源入力端子 １０ モーター接続端子 １１ インターフェース回路 １２ 制御回路 １３ 起動・停止コントロール回路 １４ スピードコントロール回路 １５ 電気ブレーキコントロール回路 １６ 正逆コントロール回路 １７ 電磁ブレーキコントロール回路

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 インダクションモーターまたはレバーシ
   ブルモーターに使用されるモーターコントローラーであ
   って、 １ビットの起動・停止用入力端子、１ビットの電磁ブレ
   ーキＯＮ・ＯＦＦ用入力端子、１ビットの電気ブレーキ
   ＯＮ・ＯＦＦ用入力端子、１ビットのＣＷ・ＣＣＷ切換
   え用入力端子および１ビットまたは複数ビットの速度切
   換え用入力端子を有すると共に、 起動停止用入力端子に入力される信号に基づいてモータ
   ーの起動・停止を制御する起動・停止コントロール回
   路、切換え用入力端子に入力される信号に基づいてモー
   ターの回転速度を複数段階に制御するスピードコントロ
   ール回路、ＣＷ・ＣＣＷ切換え用入力端子に入力される
   信号に基づいてモーターのＣＷ・ＣＣＷの切換え行う正
   逆コントロール回路、モーターの位相遅れを解消する制
   動電流をモーターに供給し、モーターの逆起電流を吸収
   する電気ブレーキコントロール回路、およびモーターに
   付設された電磁ブレーキをＯＮ・ＯＦＦする電磁ブレー
   キコントロール回路を有し、 電気ブレーキコントロール回路は、電気ブレーキＯＮ・
   ＯＦＦ用入力端子に入力される信号により電気ブレーキ
   が有効とされている状態でモーター停止が指示されたと
   きに電気ブレーキを作動させると共に、ＣＷ・ＣＣＷ切
   換え用入力端子に入力される信号によりＣＷ・ＣＣＷの
   切換えが指示されたときに電気ブレーキを作動させるよ
   うに構成され、 電磁ブレーキコントロール回路は、電磁ブレーキＯＮ・
   ＯＦＦ用入力端子に入力される信号により電磁ブレーキ
   が有効とされている状態で電気ブレーキが作動したとき
   にはその作動後に電磁ブレーキを作動させ、モーター起
   動が指示されたときにはその電磁ブレーキを解除するよ
   うに構成されていることを特徴とするモーターコントロ
   ーラー。