JPH068037Y2 - キヤツプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、液体注出容器等に装着されるキャップに関す
る。

「従来の技術」 この種のキャップとして、ドーム状頂壁を有するキャッ
プ本体外面に、上記頂壁に沿って回動自在な弦状部材を
装着させ、該弦状部材を回動させることによって、当該
弦状部材下面に付設した栓体がドーム状頂壁中央部に穿
設した注出孔に着脱してこれを開閉するようにしたもの
がある。

「考案が解決しようとする問題点」 ところで、上記従来のキャップにあっては、栓体が弦状
部材に対して剛に連結し、弦状部材回動時には、母材で
ある当該弦状部材の弾性変形によって栓体が頂壁外面を
摺動可能になっていたため、摺動摩擦により頂壁外面が
摩耗してすじ等が発生し、容器の美感が損われると共に
注出孔開口縁における栓体とのシール性が低下して容器
転倒時等に液洩れが生じるという問題があった。

本考案は、このような従来の問題点に着目して案出され
たもので、栓体を弦状部材に対して揺動自在に連結する
ことにより、摺動摩擦を可及的に小さく抑制して上記問
題点を解決するとともに、栓体嵌合状態で弦状補助部材
を固定保持する突起８をキャップ本体頂壁外面に付設す
ることにより、弦状補助部材の適正位置への確実な係止
を可能にした優れた容器を提案することを目的とするも
のである。

「問題点を解決するための手段」 上記目的を達成するため、本考案キャップは、ドーム状
頂壁２の中央部に注出孔３を穿設させると共に該頂壁の
下端周縁から、容器体口頸部に嵌合可能な周壁４を垂設
させたキャップ本体１と、該キャップ本体の上部外面
に、両端部を上記周壁の点対称位置にそれぞれ枢着し
て、上記頂壁に沿って回動自在に装着された弾性変形可
能な弦状補助部材５とからなる。

そして、上記弦状補助部材中央部分の下面から、下端部
が上記注出孔に着脱自在に嵌合した栓体６を垂設させ、
かつ該栓体上端部と弦状補助部材との連結部に、該弦状
補助部材回動方向と同方向に屈折可能な薄肉の屈折部７
を設け、さらに上記栓体嵌合状態で弦状補助部材を固定
保持する突起８をキャップ本体頂壁外面に付設させてい
る。

「作用」 栓体６嵌合状態即ち注出孔３閉塞状態（第１図及び第２
図参照）から弦状補助部材５を、突起８を適宜乗越えさ
せるなどして、枢着部を中心として任意の方向へ回動さ
せると、栓体６は、その上端部において屈折部７により
屈折しつつ下端部が注出孔３から離脱して頂壁２外面を
滑動する（第３図及び第４図参照）。これにより、上記
注出孔３が開放されて液体注出が可能となる。

液体注出後は上述したのと逆の動作で注出孔３が栓体６
により閉塞されるが、この際、キャップ本体頂壁外面に
付設させた突起８の存在で、弦状補助部材５を栓体嵌合
状態に確実に固定保持させることが出来る。

「実施例」 第１図乃至第４図が示す実施例は、既述「問題点を解決
するための手段」で述べたところと同様であり、重複を
避けるために該既述部分についての説明は省略し、既述
しない事項についてだけ説明を加える。

キャップ本体周壁４は、容器本体９の口頸部１０外面に
螺合するようになっている。

上記周壁４外面の上部には上向き段部１１が形成され、
該段部上方小外径の周壁部分に弦状部材５両端部がピン
１２結合している。図中１３，１３が周壁側の軸受穴で
ある。

キャップ本体頂壁２外面には、弦状補助部材５の回動方
向に対をなした突起８，８が上記回動方向と直角方向に
２組形成され、これら対をなした突起間に挟持されるこ
とにより、弦状補助部材５が栓体嵌合状態で固定保持さ
れるようになっている。

尚、上記のような突起８群をキャップ本体頂壁２の外面
下部に設ければ、第３図及び第４図が示すような回動位
置で弦状補助部材を固定保持することが出来ることは言
う迄もない。また、上記突起群に代えて頂壁外面下部に
凹部を形成して栓体６を当該位置で直立させるようにす
ることでも上記のようなストッパ機能が得られる。

弦状補助部材５の下面中央部分には切欠き凹部１４が形
成され、該凹部内に位置して栓体６が当該凹部上面から
揺動自在に垂設されている。

上記栓体６の下端面には突子１５が付設され、該突子が
注出孔３に嵌合するようになっている。勿論、この際突
子１５は、栓体直立状態で十分注出孔３に嵌合するよう
な突出高さを有している。

上記実施例にて各部は適宜合成樹脂材で成形製作され
る。

「考案の効果」 以上説明したように本考案によれば、栓体を弦状補助部
材に対して揺動自在に連結するようにしたので、弦状補
助部材回動時における栓体と頂壁外面との間の摺動摩擦
を小さく抑制でき、よって頂壁外面におけるすじ等の発
生を回避して容器の美感と注出孔開口縁における栓体と
のシール性を良好に維持出来るという効果が得られる。

また、本考案では栓体と弦状補助部材とを薄肉の屈折部
を介して連結するので、一体成形により安価に製作でき
るという利点もある。

また、液体注出後は注出孔が栓体により閉塞されるが、
この際、キャップ本体頂壁外面に付設させた突起の存在
で、弦状補助部材を栓体嵌合状態に確実に固定保持させ
ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案キャップの一実施例を示す斜視図、第２
図はその要部縦断面図、第３図及び第４図は作用状態を
示す斜視図及び縦断面図である。 １…キャップ本体、５…弦状補助部材、 ６…栓体、８…突起

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ドーム状頂壁２の中央部に注出孔３を穿設
   させると共に該頂壁の下端周縁から、容器体口頸部に嵌
   合可能な周壁４を垂設させたキャップ本体１と、該キャ
   ップ本体の上部外面に、両端部を上記周壁の点対称位置
   にそれぞれ枢着して、上記頂壁に沿って回動自在に装着
   された弾性変形可能な弦状補助部材５とからなり、該弦
   状補助部材中央部分の下面から、下端部が上記注出孔に
   着脱自在に嵌合した栓体６を垂設させ、かつ該栓体上端
   部と弦状補助部材との連結部に、該弦状補助部材回動方
   向と同方向に屈折可能な薄肉の屈折部７を設け、さらに
   上記栓体嵌合状態で弦状補助部材を固定保持する突起８
   をキャップ本体頂壁外面に付設させたことを特徴とする
   キャップ。