JPH0679294U - 冷却装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 食材の冷却を衛生的に行うとともに、冷却時
の空間利用効率及び省エネルギー性を向上させる。 【構成】 前面２ｆに開閉ドア２ｄにより開閉せしめら
れるカート出入口４を有するとともに、底部２ｂの脚部
５…により所定の高さに支持される冷却庫２を具備し、
さらに、食材搬送カート３は底部２ｂの下方の空間Ｐに
進入可能なキャスタ７…を有するベース部６と、このベ
ース部６の上方に離間して配した複数のトレイＳａ…を
有するトレイ支持部８と、ベース部６の一端とトレイ支
持部８の一端を結合する結合部９を備えることにより、
トレイ支持部８のみを前記カート出入口４から冷却庫２
の内部に進入可能に構成する食材搬送カート３を具備す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は特に真空調理法に用いる食材等の冷却に用いて好適な冷却装置に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、食品素材の保存や再調理のための冷凍保存、さらには新調理法を目的 とした真空調理法或いはクックチルは知られている。真空調理法は食材を真空パ ックに収容して保存するものであり、特に、調理過程で必要な食材の冷却工程で は、雑菌の繁殖を抑え、鮮度、味、栄養価等を保持する必要があることから、加 熱処理された高温（７０〜１００℃）の食材を急冷するための冷却庫を必要とす る。また、凍結点（０〜３℃）以上の低温条件で制御された中で急冷・保存した 後、顧客に提供する前に再加熱するという調理加工システム（クックチル）にお いても同様の冷却庫を必要とする。

【０００３】 従来の冷却庫、特に、大量のパン等を同時に冷却する大型冷却庫の場合には、 大量のパン等を載置できる複数のトレイを多段式に支持する食材搬送カートを利 用し、食材搬送カート全体を、そのまま冷却庫の中に収容して冷却を行っていた （ウォークイン方式）。なお、食材搬送カートはキャスタにより移動自在である 。また、冷却庫の前面に設けられるカート出入口と床面間には、食材搬送カート を直接出入させるための渡し等が設けられる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上述した従来の冷却庫は内部に食材搬送カートをそのまま収容するた め、次のような問題点があった。

【０００５】 第一に、冷却庫に収容されるキャスタには、雑菌、塵、ゴミ等の汚染物質が多 量に付着しており、また、冷却庫の冷却室内は、通常、送風ファンにより冷風が 循環しているため、食材に汚染物質が付着しやすく、衛生上問題がある。

【０００６】 第二に、冷却する必要のないキャスタやベース等が冷却庫に一緒に収容される ため、冷却室における空間の一部が無駄となり、食材を収容する際の空間利用効 率が悪くなるとともに、省エネルギー性に劣る。

【０００７】 本考案はこのような従来の技術に存在する課題を解決したものであり、食材の 冷却を極めて衛生的に行うことができるとともに、冷却時の空間利用効率及び省 エネルギー性を向上させることができる冷却装置の提供を目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る冷却装置１は、前面２ｆに開閉ドア２ｄにより開閉せしめられる カート出入口４を有するとともに、底部２ｂの脚部５…により所定の高さに支持 される冷却庫２を具備し、さらに、食材搬送カート３は前記底部２ｂの下方の空 間Ｐに進入可能なキャスタ７…を有するベース部６と、このベース部６の上方に 離間して配した複数のトレイＳａ、Ｓｂ、Ｓｃ…Ｓｈ…を有するトレイ支持部８ と、ベース部６の一端とトレイ支持部８の一端を結合する結合部９を備えること により、トレイ支持部８のみを前記カート出入口４から冷却庫２の内部に進入可 能に構成する食材搬送カート３を具備する。

【０００９】 なお、カート出入口４を形成する冷却庫２の前面２ｆの一部に、スペーサ装着 部１１を設けるとともに、このスペーサ装着部１１に着脱し、かつ異なる形式の 食材搬送カート３、３ｘにそれぞれ形状的に適合するように形成した複数の密閉 用スペーサ１２、１２ｘを備えて構成することが望ましい。

【００１０】

【作用】

本考案に係る冷却装置１によれば、トレイＳａ…に食材を載せた食材搬送カー ト３を、冷却庫２のカート出入口４に進入させることにより、食材搬送カート３ におけるキャスタ７…を有するベース部６は、冷却庫２における底部２ｂ下方の 空間Ｐに進入するとともに、カート出入口４から冷却庫２の内部には、このベー ス部６の上方に離間して配したトレイ支持部８のみが収容される。そして、開閉 ドア２ｄを閉じれば、冷却庫２は密閉される。

【００１１】 この際、カート出入口４を形成する冷却庫２の前面２ｆの一部に設けたスペー サ装着部１１に、使用する食材搬送カート３（３ｘ）に形状的に適合するように 形成した密閉用スペーサ１２（１２ｘ）を装着することにより、食材搬送カート ３（３ｘ）の構成及び形状に拘わらずカート出入口４は密閉される。よって、異 なる形式の各種食材搬送カート３、３ｘを利用できる。

【００１２】

【実施例】

次に、本考案に係る好適な実施例を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。

【００１３】 まず、本実施例に係る冷却装置１の構成について、図１〜図６を参照して説明 する。

【００１４】 １は本実施例に係る冷却装置であり、冷却庫２と食材搬送カート３を備える。 冷却庫２は断熱材により構成した冷却庫ケース２１を備える。冷却庫ケース２１ は前面２ｆにカート出入口４を有するとともに、このカート出入口４を開閉する 開閉ドア２ｄを備える。また、底部２ｂの下面四隅には四本の脚部５…をそれぞ れ設ける。これにより、冷却庫ケース２１は所定の高さに支持され、底部２ｂの 下方には空間Ｐが設けられる。なお、脚部５…の長さ、即ち、冷却庫ケース２１ の高さは調整可能である。

【００１５】 また、２２、２２ｘは冷却庫ケース２１に対して別体に構成した冷却モジュー ルであり、冷却庫ケース２１の内部における左右両側に設置する。冷却モジュー ル２２は支持フレーム２３を有し、この支持フレーム２３における少なくとも前 面及び左右側面には通気開口Ａを設けるとともに、底部には脚部２３ｒ…を設け る。そして、図４に示すように、支持フレーム２３の左右に冷却用熱交換器（蒸 発器）２４と送風ファン２５をそれぞれ支持する。この場合、冷却用熱交換器２ ４と送風ファン２５は向きを対称的に配するとともに、送風ファン２５の送風方 向と冷却用熱交換機２４における通風方向の交差角は略１２０°程度に選定する 。これにより、冷却用熱交換器２４と送風ファン２５は平面視がハの字形の位置 関係となる。なお、冷却モジュール２２には、その他、膨張弁２６（図６参照） が配設される。また、他方の冷却モジュール２２ｘも冷却モジュール２２と同様 に構成する。

【００１６】 さらにまた、２７、２７ｘは冷却庫ケース２１の外部に配設した室外機であり 、それぞれ対応する冷却モジュール２２、２２ｘに接続する。この場合、冷却モ ジュール２２、２２ｘは室内機となる。室外機２７（室外機２７ｘ側も同じ）は 図６に示す圧縮機２８及び凝縮器２９を備え、圧縮機２８は電磁開閉弁３０を介 して冷却用熱交換器２４に接続するとともに、この電磁開閉弁３０には蒸発圧力 調整弁３１と電磁開閉弁３２の直列回路を並列に接続する。以上により、図６に 示す冷凍機Ｃが構成される。

【００１７】 他方、食材搬送カート３は冷却庫２における底部２ｂの下方の空間Ｐに進入可 能なベース部６と、このベース部６の上方に離間して配したトレイ支持部８と、 ベース部６の一端とトレイ支持部８の一端を結合する結合部９からなる。ベース 部６はトレイ支持部８を安定に支持する機能を有し、例えば、平板材等により構 成しする。この場合、ベース部６の下面四隅には回動自在な四つのキャスタ７… を有する。また、トレイ支持部８はフレーム部８ｆとこのフレーム部８ｆにより 多段状に支持される複数のトレイＳａ、Ｓｂ、Ｓｃ…Ｓｈ…からなり、トレイＳ ｈ…は図２に示すように、フレーム部８ｆに対して矢印Ｋ１方向に差し込んで装 着（又は離脱）可能である。さらにまた、結合部９は鉛直に起立した角棒材等に より構成し、結合部９の上端にはシーリングプレート３３を有する。

【００１８】 一方、図３に示すように、カート出入口４を形成する冷却庫ケース２１におけ る前面２ｆの一部となる下端部には凹状に形成したスペーサ装着部１１を設ける とともに、このスペーサ装着部１１に装着する密閉用スペーサ１２を用意する。 密閉用スペーサ１２は食材搬送カート３に対して形状的に適合させて形成したも のであり、食材搬送カート３を冷却庫２にセットし、かつ開閉ドア２ｄを閉じた 際に、隙間を生ずることなく、冷却庫２を密閉させる機能を有する。実施例の密 閉用スペーサ１２は、角棒状に形成し、スペーサ装着部１１に対して矢印Ｋ２方 向から装着（嵌入）させることができる。そして、装着時には、複数のネジ３４ …によりスペーサ装着部１１に固定する。よって、密閉用スペーサ１２をスペー サ装着部１１に装着すれば、冷却庫ケース２１の前面２ｆに連続する平面１２ｆ が設けられる。

【００１９】 なお、このような密閉用スペーサ１２は異なる形式の食材搬送カートにそれぞ れ形状的に適合させて形成したものを複数用意する。例えば、図７には前記食材 搬送カート３とは異なる形式の食材搬送カート３ｘを示すが、この食材搬送カー ト３ｘは前記食材搬送カート３に対して、トレイ支持部８ｘ及び結合部９ｘの横 幅が狭く、かつ前記シーリングプレート３３は設けられない。この場合、使用す る密閉用スペーサ１２ｘは角棒状に形成するとともに、その前面に結合部９ｘが 嵌合する凹部１２ｘｃを切欠形成する。よって、食材搬送カート３ｘを冷却庫２ にセットした際には、凹部１２ｘｃに結合部９ｘが嵌合し、冷却庫ケース２１の 前面２ｆに連続する平面１２ｘｆ及び９ｘｆが設けられる。なお、その他、図７ において、図２と同一部分には同一符号を付した。

【００２０】 次に、本実施例に係る冷却装置１の全体の使用方法について、各図を参照して 説明する。なお、実施例は加熱された食材Ｅ…をチルド冷却する場合について説 明する。

【００２１】 まず、トレイＳａ…には冷却する食材Ｅ…を載せ、さらに、このトレイＳａ… は食材搬送カート３（３ｘも同様）のトレイ支持部８にセットする。そして、食 材搬送カート３は冷却庫２におけるカート出入口４から冷却庫ケース２１の中に 収容する。この場合、図４に示すように、開閉ドア２ｄを開き、食材搬送カート ３をそのままカート出入口４に進入させればよい。これにより、トレイ支持部８ は左右の冷却モジュール２２と２２ｘ間に位置するとともに、ベース部６、結合 部９の一部及びキャスタ７…は底部２ｂの下方の空間Ｐに進入し、開閉ドア２ｄ を閉じることにより、トレイ支持部８は冷却庫ケース２１の内部に、また、ベー ス部６、結合部９の一部及びキャスタ７…は冷却庫ケース２１の外部に位置する 。この際、食材搬送カート３を用いた場合にはシーリングプレート３３が冷却庫 ケース２１の前面２ｆ及び密閉用スペーサ１２の平面１２ｆを覆うとともに、開 閉ドア２ｄによりシーリングプレート３３が覆われ、この状態で冷却庫ケース２ １は隙間なく密閉される。他方、食材搬送カート３ｘを用いた場合には冷却庫ケ ース２１の前面２ｆ、密閉用スペーサ１２ｘの平面１２ｘｆ及び結合部９ｘの平 面９ｘｆが開閉ドア２ｄにより覆われ、この状態で冷却庫ケース２１は隙間なく 密閉される。

【００２２】 そして、最初に、急冷モードによる冷却が行われる。この際、冷凍機Ｃ…は一 方の電磁開閉弁３０が開、他方の電磁開閉弁３２が閉となり、通常の冷凍サイク ルによるフルパワーの冷却が行われる。なお、冷凍機Ｃの冷却温度は−２０℃程 度に設定される。また、運転時には送風ファン２５…が、例えば、数分間隔で正 回転又は逆回転を繰り返し、冷風は冷却庫ケース２１の内部を水平方向に回って 循環する。よって、食材Ｅ…は均一かつ効率的に冷却（急冷）される。この急冷 モードは一定時間の経過或いは一定温度に達するまで行われる。

【００２３】 急冷モードによる冷却が終了したなら、チルドモードによる冷却が行なわれる 。チルドモードでは、食材温度が２℃程度となるようにチルド冷却が行われる。 この場合、冷凍機Ｃ…は一方の電磁開閉弁３０が閉、他方の電磁開閉弁３２が開 となり、冷媒は蒸発圧力調整弁３１をバイパスして流れる。これにより、弱含み に温度制御される。

【００２４】 以上、実施例について詳細に説明したが、本考案はこのような実施例に限定さ れるものではなく、細部の構成、手法、数量、数値等において、本考案の要旨を 逸脱しない範囲で任意に変更できる。

【００２５】

【考案の効果】

このように、本考案に係る冷却装置は、前面に開閉ドアにより開閉せしめられ るカート出入口を有するとともに、底部の脚部により所定の高さに支持される冷 却庫を具備し、さらに、前記底部より下方の空間に進入可能なキャスタを有する ベース部と、このベース部の上方に離間して配した複数のトレイを有するトレイ 支持部と、ベース部の一端とトレイ支持部の一端を結合する結合部を備えること により、トレイ支持部のみを前記カート出入口から冷却庫の内部に進入可能に構 成した食材搬送カートを具備してなるため、次のような顕著な効果を奏する。

【００２６】 冷却庫には食材搬送カートのキャスタ等を除くトレイ支持部のみが収容さ れるため、冷却庫への雑菌、塵、ゴミ等の汚染物質の侵入が防止され、食材の冷 却を極めて衛生的に行うことができる。

【００２７】 同様に、トレイ支持部のみが冷却庫に収容されることから、冷却庫の冷却 室を有効利用できるため、冷却時の空間利用効率及び省エネルギー性を向上させ ることができる。

【００２８】 密閉用スペーサを使用することにより、異なる形式の各種食材搬送カート を利用できるため、汎用性及び利便性に優れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る冷却装置の側面方向から見た主要
部の一部断面構成図、

【図２】同冷却装置の一部を示す斜視図、

【図３】同冷却装置におけるスペーサ装着部及び密閉用
スペーサの斜視図、

【図４】同冷却装置の平面方向から見た内部構成図、

【図５】同冷却装置の正面方向から見た内部構成図、

【図６】同冷却装置の冷却庫に備える冷凍機のブロック
構成図、

【図７】本考案の他の実施例に係る冷却装置の一部を示
す斜視図、

【符号の説明】

１ 冷却装置 ２ 冷却庫 ２ｆ 前面 ２ｂ 底部 ２ｄ 開閉ドア ３ 食材搬送カート ３ｘ 食材搬送カート ４ カート出入口 ５… 脚部 ６ ベース部 ７ キャスタ ８ トレイ支持部 ９ 結合部 １１ スペーサ装着部 １２ 密閉用スペーサ １２ｘ 密閉用スペーサ Ｐ 空間 Ｓａ… トレイ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 次の（ａ）及び（ｂ）を備えてなること
   を特徴とする冷却装置。 （ａ）前面に開閉ドアにより開閉せしめられるカート出
   入口を有するとともに、底部の脚部により所定の高さに
   支持された冷却庫、 （ｂ）前記底部より下方の空間に進入可能なキャスタを
   有するベース部と、このベース部の上方に離間して配し
   た複数のトレイを有するトレイ支持部と、ベース部の一
   端とトレイ支持部の一端を結合する結合部を備えること
   により、トレイ支持部のみを前記カート出入口から冷却
   庫の内部に進入可能に構成してなる食材搬送カート、
2. 【請求項２】 カート出入口を形成する冷却庫の前面一
   部に、スペーサ装着部を設けるとともに、このスペーサ
   装着部に着脱し、かつ異なる形式の食材搬送カートにそ
   れぞれ形状的に適合するように形成した複数の密閉用ス
   ペーサを備えることを特徴とする請求項１記載の冷却装
   置。