JPH0679094A - 洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 洗濯水を一旦他の水槽にプールすることなく
直接再使用できる洗濯水。 【構成】 洗濯機Ａは，洗濯槽１から一旦排出された洗
濯水を再度洗濯槽１に供給する管路２と，管路２中に配
設されて洗濯水から汚れなどを分離するフィルタ３と，
管路２の内の洗濯槽１の排水部とフィルタ３との間の管
路部分に接続されて排水を行う第１排水管４と，フィル
タ３に接続されてフィルタ３により分離された汚れなど
を排出する第２排水管５と，フィルタ３に洗濯水の流れ
と逆方向に洗浄水を流す第３切り替え弁６等とから構成
されている。上記構成により，洗濯水を一旦他の水槽に
プールすることなく直接再使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は洗濯機に係り，詳しくは
洗濯水を再使用する洗濯機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来，洗濯水を再使用する洗濯機として
は，洗濯槽から排出された洗濯水をフィルタを通してろ
過した後一旦他の水槽にプールし，この水槽からポンプ
で再び汲み上げて洗濯槽に供給するものが知られている
（実公昭５９−３６２３９）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記したような従来の
洗濯機では， （１）洗濯槽の他に大きな水槽が必要となり洗濯機が大
型化すること （２）浄化処理時間が長いこと （３）洗濯水を保存することから不衛生になりやすいこ
と などの問題があった。本発明は，このような従来の技術
における課題を解決するために，洗濯機を改良し，洗濯
水を一旦他の水槽にプールすることなく直接再使用でき
る洗濯機の提供を目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は，洗濯槽から一旦排出された洗濯水を再度上
記洗濯槽に供給する循環手段を具備し，上記循環手段に
上記洗濯水から少なくとも汚れを分離するフィルタ手段
を設けてなる洗濯機として構成されている。更には，上
記循環手段の上記洗濯槽の排水部と上記フィルタ手段と
の間の管路に接続されて排水を行う第１の排水手段を設
けてなる洗濯機である。更には，上記フィルタ手段に接
続されて該フィルタ手段により分離された少なくとも汚
れを排出する第２の排水手段を設けてなる洗濯機であ
る。更には，上記第２の排水手段が上記第１の排水手段
に接続されてなる洗濯機である。更には，上記フィルタ
手段に，上記洗濯水の流れと逆方向に洗浄水を流す逆流
手段と，上記逆流手段により逆流させた上記洗浄水を排
出する第３の排水手段とを設けてなる洗濯機である。更
には，上記第１の排水手段が上記第３の排水手段を兼ね
る洗濯機である。更には，上記フィルタ手段がメッシュ
の異なる複数種類のフィルタからなる洗濯機である。

【０００５】

【作用】本発明によれば，洗濯槽から一旦排出された洗
濯水が，循環手段により別の場所に貯められることなく
直接的に上記洗濯槽に供給される。その際，上記循環手
段に設けられたフィルタ手段により上記洗濯水から少な
くとも汚れが分離される。その結果，洗濯水を一旦他の
水槽にプールする従来例のような問題を生じない。更
に，上記循環手段の上記洗濯槽排水部と上記フィルタ手
段との間の管路に第１の排水手段が接続され，上記第１
の排水手段により排水が行われる。その結果，循環させ
ずに使用済み液を排出する場合は，この第１の排水手段
が用いられ，外部への排水手段が１本化されて管路が簡
略化される。更に，上記フィルタ手段に第２の排水手段
が接続され，上記第２の排水手段により上記フィルタ手
段によって分離された少なくとも汚れが排出される。そ
の結果，洗濯水から少なくとも汚れを効率的に分離する
ことができる。更に，上記第２の排水手段が上記第１の
排水手段に接続される。その結果，外部への排水手段が
１本化されて，管路が簡略化される。更に，上記フィル
タ手段に，逆流手段により上記洗濯水の流れと逆方向に
洗浄水が流され，上記逆流手段により逆流された洗浄水
が第３の排水手段により排水される。その結果，フィル
タ手段の交換頻度が減少するため，メンテナンスが煩雑
でなくなる。更に，上記第１の排水手段が上記第３の排
水手段と兼用される。その結果，外部への排水手段が１
本化されて管路が簡略化される。更に，上記フィルタ手
段にメッシュの異なる複数種類のフィルタが用いられ
る。その結果，洗濯水をより確実に浄化できる。

【０００６】

【実施例】以下，添付図面を参照して本発明を具体化し
た実施例につき説明し，本発明の理解に供する。尚，以
下の実施例は，本発明を具体化した一例であって，本発
明の技術的範囲を限定する性格のものではない。ここ
に，図１は本発明の一実施例に係る洗濯機Ａの概略構成
を示す模式図，図２はフィルタによる界面活性剤等の分
離状態を示す原理図，図３はフィルタ廻りの部分詳細図
である。図１に示す如く，本実施例に係る洗濯機Ａは，
主として洗濯槽１から一旦排水された洗濯水を再度洗濯
槽１に供給する管路２（循環手段に相当）と，管路２中
に配設されて洗濯水から汚れなどを分離するフィルタ３
（フィルタ手段に相当）と，管路２の内の洗濯槽１の排
水部とフィルタ３との間の管路部分に接続されて排水を
行う第１排水管４（第１及び第３の排水手段に相当）
と，フィルタ３に接続されてフィルタ３により分離され
た汚れなどを排出する第２排水管５（第２の排水手段に
相当）と，フィルタ３に洗濯水の流れと逆方向に洗浄水
を流す第３切り替え弁６（逆洗手段に相当）とからな
る。そして，具体的には以下のように構成されている。
即ち，図１に示すように洗濯機本体７の内部に配置され
た洗濯槽１は，その下方に配設されたモータ８の回転に
伴い回転するように構成されている。一方，洗濯槽１の
後部上方には給水弁９と，給水ホース１０と，第３切り
替え弁６とが配設されている。この第３切り替え弁６と
洗濯槽１下部の排水弁１２との間の管路２にはプレフィ
ルタ１１と，フィルタ３と，ポンプ１３と，第１切り替
え弁１４とが配設されると共に，フィルタ３の第２排水
管５は第２切り替え弁１５を介して第１排水管４に接続
されている。このように管路を簡略化することにより洗
濯機Ａをコンパト化することができる。以下，この洗濯
機Ａの動作について説明する。まず，洗濯開始時には洗
濯物と洗剤とを洗濯槽１内に投入し，給水弁９から給水
する。洗濯をした後，排水弁１２を開放すると共に第１
切り替え弁１４をポンプ１３の方に開放し，ポンプ１３
の電源を入れる。すると，洗濯水はポンプ１３により吸
引されてプレフィルタ１１を通り，ここで洗濯水の中に
含まれているサイズの比較的大きな糸屑とか土・汚れ等
が取り除かれる。その後，洗濯水は更に目の細かなフィ
ルタ３を通り，ここで洗剤中の界面活性剤や小さな汚れ
（以下界面活性剤等と略す）が分離されることにより浄
化されて再び洗濯槽１に供給される。洗濯水から分離さ
れた界面活性剤等を含む排水は切り替え弁１５を開放す
ることにより第２排水管５を経由して第１排水管４から
外部へ排出される。そして，浄化された洗濯水は濯ぎ水
として再使用される。濯ぎ終わると，排水弁１２を開放
し，第１切り替え弁１４を第１排水管４側に切り替える
ことにより再使用された濯ぎ水が外部に排出される。ま
た，１回目の濯ぎを終えた時，濯ぎ水の汚れ具合によっ
ては上記と同様の手順で１回目の濯ぎ水を再度浄化し，
２回目以降の濯ぎ水として使用することもできる。すべ
て洗濯が終わると，第３切り替え弁６をフィルタ３側に
開放し，第２切り替え弁１５を閉じ，第１切り替え弁１
４を第１排水管４側に開放する。そして，給水弁９から
給水すれば，プレフィルタ１１及びフィルタ３につまっ
ていたごみが水圧により逆に押し出され，プレフィルタ
１１及びフィルタ３が洗浄される（即ち，洗浄水による
逆洗が施される）。

【０００７】ところで，プレフィルタ１１を何段階も設
けたのは大きいごみから除々に選別して行き，フィルタ
の取り換えが簡単にできるようにしたものである。ま
た，ひとつのプレフィルタに止まるごみの大きさが揃う
ので，このフィルタの目詰まり状態もほぼ均一になり取
り換え時期とか取り換え方法などメンテナンスが容易と
なる。このため，プレフィルタ１１は，８００μｍ〜５
μｍ程度のメッシュの市販の金属製フィルタあるいは布
製フィルタを用いて主に比較的大きな糸屑，土砂，油汚
れなどをフィルタリングする。一方，フィルタ３は，５
μｍ〜０．５μｍ程度のメッシュの市販の分離膜を用
い，図２に示すように洗濯水（原液）を界面活性剤等を
多く含む洗濯水（濃縮液）と界面活性剤等を余り含まな
い洗濯水（透過液）とに分離する。フィルタ３について
もプレフィルタ１１と同様に複数種類のメッシュのフィ
ルタを用いることにより洗濯水をより確実に浄化でき
る。即ち，図３に示すように洗濯水（透過液）を除々に
目の細かくなるフィルタを通してその都度界面活性剤等
を多く含む洗濯水を第２切り換え弁１５側に排出する。
このようにして界面活性剤等を分離した洗濯水（透過
液）はポンプ１３の働きにより第３切り換え弁６を介し
て給水ホース１０から再び洗濯槽１に給水され，次の濯
ぎの１回目，２回目，…の濯ぎ水として再使用される。
そして，この再使用される洗濯水量と要求される水量と
の差が給水弁９から補給される。以上のように本実施例
によれば，洗濯機Ａの排水系にフィルタ３を設けて洗濯
水から連続的に界面活性剤を分離することにより洗濯水
を浄化し，その水を直接１回目，２回目，…の濯ぎ水と
して使用することができる。その結果，節水が図れると
共に浄化時間が比較的短くなる。又，従来例のように洗
濯槽から排出された洗濯水を一旦他の水槽にプールしな
いため衛生的となる。これに伴い他の水槽が不要とな
り，又管路自体も簡略化されるため洗濯機の大型化，大
重量化等を抑えることができる。更に，フィルタの逆洗
及び多段化によりフィルタの交換頻度が減少し，メンテ
ナンスが煩雑でなくなる。尚，本実施例ではプレフィル
タ１１を２段，フィルタ３を３段として例示したが，実
使用に際しては更に多段化しても良い。その場合は洗濯
水を一層確実に浄化できると共に各フィルタの交換頻度
を減少できる。尚，本実施例ではフィルタ３により洗濯
水の透過液側のみを多段ろ過し，濃縮液側はそのまま排
出したが，実使用に際しては濃縮液側のみ又は透過液側
と濃縮液側との両方を多段ろ過してもよい。その場合は
再使用される洗濯水量が増大するため更に節水を図るこ
とができる。

【０００８】

【発明の効果】本発明に係る洗濯機は，上記したように
構成されているため，洗濯槽から一旦排出された洗濯水
から連続的に界面活性剤等を分離することにより洗濯水
を浄化し，その水を直接１回目，２回目，…の濯ぎ水と
して使用することができる。その結果，節水が図れると
共に浄化時間が比較的短くなる。又，従来例のように洗
濯槽から排出された洗濯水を一旦他の水槽にプールしな
いため衛生的となる。これに伴い他の水槽が不要とな
り，又管路自体も簡略化されるため洗濯機の大型化，大
重量化等を抑えることができる。更に，フィルタの逆洗
及び多段化によりフィルタの交換頻度が減少し，メンテ
ナンスが煩雑でなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例に係る洗濯機Ａの概略構成
を示す模式図。

【図２】 フィルタによる界面活性剤等の分離状態を示
す原理図。

【図３】 フィルタ廻りの部分詳細図。

【符号の説明】

Ａ…洗濯機 １…洗濯槽 ２…管路（循環手段に相当） ３…フィルタ（フィルタ手段に相当） ４…第１排水管（第１及び第３排水手段に相当） ５…第２排水管（第２の排水手段に相当） ６…第３切り替え弁（逆洗手段に相当）

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗濯槽から一旦排出された洗濯水を再度
   上記洗濯槽に供給する循環手段を具備し，上記循環手段
   に上記洗濯水から少なくとも汚れを分離するフィルタ手
   段を設けてなる洗濯機。
2. 【請求項２】 上記循環手段の上記洗濯槽の排水部と上
   記フィルタ手段との間の管路に接続されて排水を行う第
   １の排水手段を設けてなる請求項１記載の洗濯機。
3. 【請求項３】 上記フィルタ手段に接続されて該フィル
   タ手段により分離された少なくとも汚れを排出する第２
   の排水手段を設けてなる請求項１又は２記載の洗濯機。
4. 【請求項４】 上記第２の排水手段が上記第１の排水手
   段に接続されてなる請求項３記載の洗濯機。
5. 【請求項５】 上記フィルタ手段に，上記洗濯水の流れ
   と逆方向に洗浄水を流す逆流手段と，上記逆流手段によ
   り逆流させた上記洗浄水を排出する第３の排水手段とを
   設けてなる請求項１，２，３又は４記載の洗濯機。
6. 【請求項６】 上記第１の排水手段が上記第３の排水手
   段を兼ねる請求項５記載の洗濯機。
7. 【請求項７】 上記フィルタ手段がメッシュの異なる複
   数種類のフィルタからなる請求項１，２，３，４又は５
   記載の洗濯機。