JPH0678919A - 歯科用断層撮影装置 - Google Patents

歯科用断層撮影装置

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JPH0678919A
JPH0678919A JP4257287A JP25728792A JPH0678919A JP H0678919 A JPH0678919 A JP H0678919A JP 4257287 A JP4257287 A JP 4257287A JP 25728792 A JP25728792 A JP 25728792A JP H0678919 A JPH0678919 A JP H0678919A
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JP
Japan
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ray
data
pin
scan arm
image
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JP4257287A
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Inventor
Hiroyuki Hattori
博幸 服部
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SHIMAZU S D KK
Original Assignee
SHIMAZU S D KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成でパノラマ撮影と顎関節の多層断
層撮影が行なえる歯科用断層撮影装置を提供する。 【構成】 一端にX線検出部15、他端にX線発生装置
16を取り付けたスキャンアーム8が、ピン5、9で回
動できるように構成されている。被検体はピン9に右顎
関節を位置付けてスキャンアーム8をピン9を中心に回
転させて右顎関節の断層撮影を行なう。撮影データはA
/D変換器21を介してデータ処理部22で合成され
る。次にピン5を中心にスキャンアーム8を回転させ、
ピン9を左顎関節に位置付けて同様に左顎関節の断層撮
影を行なう。また、ピン5にパノラマ撮影中心点を位置
付けてピン5を中心にスキャンアーム8を回転させてパ
ノラマ撮影を行ない、撮影したデータはデータ処理部2
2で合成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、歯科のX線検査にお
いて、歯科領域、特に顎関節の多層断層撮影および上下
歯列のパノラマ撮影に使用される歯科用断層撮影装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】歯科領域のX線診断において、顎関節の
断層撮影や上下歯列のパノラマ撮影等が行なわれてい
る。顎関節の断層撮影を行なう装置として、従来、汎用
のX線断層撮影装置あるいはX線CT装置やMRI(核
磁気共鳴断層撮影)装置等が一般に用いられている。ま
た、上下歯列のパノラマ撮影を行なう装置としては、専
用機が実用化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。すなわち、顎関節の断層撮影に用いられている汎
用のX線断層撮影装置あるいはX線CT装置やMRI装
置は大型でしかも高額であり、歯科臨床検査機器として
は実用性に欠けるという問題がある。
【0004】また、近年、歯科用の顎関節の断層撮影専
用機も開発されているが、1回の撮影で1面の断層像し
か得られないので、撮影したい断層面の照準がずれてい
れば撮影し直さなければならず、しかも、ある体積内の
診断に必要な情報を得るためには複数回のスキャンを要
するという問題もある。
【0005】一方、パノラマ撮影に用いられている専用
機では、顎関節の断層撮影が行なえるものもあるが、断
層厚さが大きいため、十分な情報のあるパノラマ撮影と
顎関節の断層撮影の両方を行なうには、それぞれの機能
を備えた2台の装置が必要であり、設置面積や設備コス
トがかかるという問題がある。
【0006】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、簡単な構成でパノラマ撮影と顎関節
の多層断層撮影が行なえる歯科用断層撮影装置を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、このような
目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、この発明は、着脱可能なスリットを備えたX線発生
手段と、前記X線発生手段から曝射されたX線を画像デ
ータとして検出するX線検出手段と、前記X線検出手段
によって検出された画像データをデジタルデータに変換
するデータ変換手段と、前記データ変換手段によって変
換されたデジタルデータを記憶しておき、前記記憶した
データに基づいて合成画像を作成する合成画像作成手段
と、前記X線発生手段と前記X線検出手段とを対向させ
て取り付けたスキャンアームと、前記X線発生手段と前
記X線検出手段との間の回動支点を中心として前記スキ
ャンアームを回動させるパノラマ撮影用回動機構と、被
検体の左右の顎関節の間隔の約半分に相当する長さだけ
前記回動支点から前記X線検出手段寄りにずらせた位置
を中心として前記スキャンアームを回動させる顎関節断
層撮影用回動機構と、前記顎関節断層撮影用回動機構に
よって前記スキャンアームを回動させて顎関節断層撮影
を行なう際に、前記X線検出手段の検出面が常に同じ方
向を向くように前記X線検出手段を移動させるリンク機
構とを備えたものである。
【0008】
【作用】この発明の作用は次のとおりである。スキャン
アームの回動支点に被検体の頭部の略中心を位置付け、
顎関節断層撮影用回動機構によるスキャンアームの回動
の中心と被検体の左右のいずれかの顎関節が位置付けら
れるように、被検体を装置に固定して以下の顎関節の多
層断層撮影を行なう。顎関節の多層断層撮影は、顎関節
断層撮影用回動機構がスキャンアームを回動させながら
行なわれる。スリットがはずされたX線発生手段から
は、顎関節断層撮影用回動機構によるスキャンアームの
回動の中心に位置付けられた被検体の顎に向けてX線を
曝射し、そのX線はX線検出手段で画像データとして検
出される。顎関節断層撮影用回動機構によるスキャンア
ームの回動は、被検体の顎関節位置に相当する位置を中
心に行なうので、回動による各ポイントで検出した画像
データは、顎関節の所定撮影面に照準が合っていること
になる。なお、X線検出手段はリンク機構により、回動
動作中も検出面は前記所定の撮影面と平行を保ちながら
移動する。X線検出手段で検出された画像データはデー
タ変換手段でデジタルデータに変換され、合成画像作成
手段に記憶され、必要な断層面の像はそれらのデータか
ら合成される。すなわち、前記照準のあった所定の撮影
面における断層像であれば、記憶された各X線像を単に
重ね合わせればよく、また、記憶された各X線像をずら
せ、ずらせた像を重ね合わせれば、照準の合っていない
面の断層像を合成することもできる。このように、多層
の断層像を1回のスキャンで入手することができる。い
ずれか一方の顎関節の断層撮影が終わったら、被検体を
そのままの状態で、被検体の頭部の略中心に位置付けら
れている回動支点を中心として、パノラマ撮影用回動機
構がスキャンアームを約180°回転させ、X線発生手
段とX線検出手段とによって検出する画像データの照準
を、もう一方の顎関節に合わせて、その顎関節の多層断
層撮影を上述と同様に行なう。
【0009】次に、スキャンアームの回動支点に被検体
のパノラマ撮影中心を位置付けて装置に固定し、以下の
上下歯列のパノラマ撮影を行なう。パノラマ撮影は、ス
リットを取り付けたX線発生手段を被検体の一方の側面
から後頭部を介して他方の側面に回転させるように、パ
ノラマ撮影用回動機構がスキャンアームを回動させて行
なわれる。このとき、X線検出手段もX線発生手段に対
向するように、円弧状に回転する。スリットを介して曝
射されたX線を検出した画像データを合成画像作成手段
で記憶して合成する(繋ぎ合わせる)と上下歯列のパノ
ラマ撮影像が得られる。
【0010】すなわち、各撮影部位に照準を合わせて、
X線発生手段とX線検出手段とを対向させて回動させな
がらX線撮影を行ない、撮影したX線像を後で合成する
ようにしたので、簡単な構成で顎関節の多層断層撮影と
パノラマ撮影とを実現することができる。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の一実施例を
説明する。図1はこの発明の一実施例に係る歯科用断層
撮影装置の全体構成を示す斜視図であり、図2はその撮
影部の構成を示す平面図、図3はその側面図である。
【0012】図中、符号1は床面に固定された支柱であ
り、支柱1には支持アーム2が支柱1に沿って上下動可
能に取り付けられている。支持アーム2の端部付近の下
部には、円盤型の歯車3を上面に固設したプレート4が
ピン5によって、歯車3の中心点を支点として回動自在
に取り付けられており、歯車3に噛合するピニオン6と
そのピニオン6を正逆転させるモーター7とが支持アー
ム2に取り付けられている。また、代表的な被検体の左
右の顎関節の間隔の約半分に相当する長さ(例えば、4
0mm)だけ上述のピン5からずらせた位置において、ス
キャンアーム8がピン9で回動自在にプレート4に取り
付けられている。さらに、ピン9を中心とした円周上に
位置するように円弧型の歯車10がスキャンアーム8に
取り付けられ、その歯車10に噛合するピニオン11と
そのピニオン11を正逆転させるモーター12とがプレ
ート4に取り付けられている。スキャンアーム8の一
端、すなわち、前記ピン5に対してピン9がある側の端
部には、蛍光板あるいはイメージインテンシファイア1
3、高感度テレビカメラ14等から構成されたこの発明
におけるX線検出手段としてのX線検出部15が取り付
けられ、他端部には、X線検出部15に対向するよう
に、この発明におけるX線発生手段としてのX線発生装
置16が取り付けられている。X線発生装置16は、図
示しないX線管と、着脱可能に備えられたスリット17
によって構成されている。また、ピン18によってプレ
ート4に一端が固定され、ピン19によって蛍光板13
の上部に他端が固定されたコネクティングロッド20が
設けられている。
【0013】モーター7を正逆転させることにより、ピ
ニオン6を介して歯車3、プレート4がピン5を中心に
回動し、プレート4にピン9で取り付けられたスキャン
アーム8も回動する。この歯車3、ピニオン6、モータ
ー7は、この発明におけるパノラマ撮影用回動機構に相
当し、ピン5は、その回動支点に相当する。また、モー
ター12を正逆転させることにより、ピニオン11を介
して歯車10が円弧移動し、スキャンアーム8がピン9
を中心として回動する。このとき、X線発生装置16、
X線検出部15は円弧移動するが、コネクティングロッ
ド20により、蛍光板13の検出面13aは、図2に示
すような方向を常に向いた状態で移動する。この歯車1
0、ピニオン11、モーター12は、この発明における
顎関節断層撮影用回動機構に相当し、また、ピン9はそ
の回動中心、コネクティングロッド20は、リンク機構
に相当する。
【0014】テレビカメラ14の走査は、通常の横方向
ではなく縦方向になるように構成する方が好ましい。こ
れは、後述するように、曝射されたX線を縦方向に検出
するからである。なお、走査を縦方向にするには、従来
の横走査のテレビカメラを90°回転して取り付けてや
ればよい。
【0015】このテレビカメラ14で取り込んだ2次元
のX線像は、この発明におけるデータ変換手段としての
A/D(アナログ to デジタル)変換器21によりデジ
タルデータに変換され、この発明における合成画像作成
手段としてのデータ処理部22に記憶される。データ処
理部22では、後述するように記憶したデータに基づい
て得たい撮影像を合成するように構成されている。ここ
で、テレビカメラ14で取り込んだ2次元のX線像は、
この発明における画像データに相当する。なお、このデ
ータ処理部22は、例えば、CPU(中央処理装置)や
CPUメモリ、ROM(読み出し専用メモリ)等で構成
されている。このとき、ROMには、後述するような処
理手順が予め記憶されており、その処理手順に従ってC
PUがデータ処理を行なう。また、CPUメモリには、
A/D変換器21からの入力データ等を記憶する。な
お、外部記憶装置を設けて、CPUメモリに入力したデ
ータを外部記憶装置に記憶しておいてもよい。このよう
に、データを外部記憶装置に記憶しておけば、そのデー
タに基づいて後で必要な断層像等を合成することもでき
る。また、処理手順(プログラム)を外部記憶装置か
ら、システムを起動する時にCPUメモリへ読み出すよ
うにする場合もある。
【0016】装置全体の動作は図示しない制御部によっ
て制御される。この制御部もCPUやCPUメモリ、R
OM等で構成される。なお、上述したデータ処理部22
を構成したCPU等に制御部の機能を付加させて、1組
のCPU、CPUメモリ、ROM等で構成してもよい。
【0017】次に、上述の構成を有する歯科用断層撮影
装置による顎関節の多層断層撮影とパノラマ撮影時の動
作を説明する。まず、顎関節の多層断層撮影時の動作に
ついて図4を参照して説明する。被検体Mの頭部の略中
心をピン5に位置付け、ピン9と被検体Mの右の顎関節
が位置付けられるように、被検体Mを装置に固定させて
顎関節の多層断層撮影を行なう。
【0018】被検体Mが図4の位置に固定されると、制
御部はX線発生装置16を図4(a)の実線に示す右顎
関節の撮影開始位置ARSに設定し、X線発生装置16
からX線を曝射し、被検体Mの右顎関節のX線像をX線
検出部15で検出する。検出したデータはデジタルデー
タに変換してデータ処理部22で記憶される。次に、モ
ーター12を駆動してスキャンアーム8を矢印方向に所
定角度回転させ、その位置でのX線像の撮影を行なう。
以下、同様にしてX線発生装置16を図4(a)の二点
鎖線に示す右顎関節の撮影終了位置AREまで、所定角
度ごとにX線像を撮影して、データ処理部22に記憶す
る。なお、スキャンアーム8の回転はピン9を中心に行
なわれるので、X線発生装置1から曝射されたX線の照
準は、被検体Mの右顎関節の所定の撮影面に合っている
ことになる。また、X線検出部15の円弧移動中も蛍光
板13の検出面13aは上述したようにコネクティング
ロッド20によって、常に被検体Mの所定の(曝射され
たX線の照準の合っている)撮影面に対して平行に水平
移動する。
【0019】データ処理部22は記憶した各X線像を合
成して断層像を作成する。その原理を図5を参照して説
明する。図5において、#0は上述した曝射されたX線
の照準の合っている撮影面を示し、#1はその撮影面か
らΔhだけずれた位置にある断層面を示す。#0上の
「▲」と#1上の「●」とを各方向からX線撮影し、そ
れらのX線像を合成して、#0上の「▲」と#1上の
「●」とを得る場合について説明する。X線発生装置1
6がS1のポイントでX線を曝射したとき、X線検出部
15では、@1のように撮影される。このとき、「△」
と「○」との間隔Δxは、ΔhとX線の入射角によって
特定される。また、X線発生装置16がS2、S3にあ
るときには、同様に@2、@3のように撮影される。
【0020】次に、図6に示すように、各X線像@1〜
@3を合成して、#0、#1の断層像を作成する。すな
わち、#0の場合は、曝射されたX線の照準が合ってお
り、各X線像@1〜@3に撮影される「△」の位置は一
致しているので、図6(a)に示すように各X線像@1
〜@3をそのまま重ね合わせてやれば、#0の断層像&
0が得られる。なお、#1の「●」のX線像「○」はそ
れぞれのX線像@1〜@3で写し出される位置が異なる
ので、重ね合わせたときぼけてしまう。
【0021】また、#1のように、曝射されたX線の照
準があっていない断層面の場合には、図6(b)に示す
ように各X線像@1〜@3に撮影されるずれΔxを、デ
ータ処理によってずらしてやり、得たい断層像の位置を
合わせてから重ね合わせることにより、#1の断層像&
1を得る。このとき、各X線像@1〜@3を「○」に合
わせてずらしたので、もともと撮影位置が合っていた#
0のX線像「△」はそれぞれの位置がずれてしまい、重
ね合わせても像がぼけてしまう。
【0022】#0からずれた位置の断層面については、
上述した#1と同様の方法により、各断層像をずらせて
重ね合わせることにより合成することができる。すなわ
ち、1回のスキャンで複数枚の断層像を得ることができ
る。
【0023】ここで、上述したスキャンアーム8を回転
させる所定角度について説明する。上述したように、例
えば#1の断層像を作成する場合には、撮影した各X線
像をΔxずらせる必要がある。このΔxは#0と#1と
の間隔ΔhとX線の入射角によって特定される。従っ
て、Δhを予め決めておけば、X線の入射角を操作する
ことにより、Δxをデータ処理し易い値にすることがで
きる。
【0024】例えば、Δhを2mm、視野を51.2mm、
X線検出部15で検出し、デジタルデータに変換されて
データ処理部22に記憶されたときのX線像の画素が5
12×512であった場合には、Δxを0.1mm(5
1.2÷512)に設定すれば、最小のずれ幅を1画素
にできるので、データのずらし処理を画素単位で行な
え、データ処理を容易にすることができる。2mm離れた
断層面のずれΔxを0.1mmにするには、tan
-1(0.1÷2)で計算することができ、約2.86°
になる。すなわち、X線発生装置16を40°回転する
とすれば、15回(40÷2.86)X線を曝射すれば
よいことになる。なお、この角度でX線像を得ていけ
ば、例えば、#0から4mm離れた断層面のデータ処理に
おいては、2画素ずつずらせてやればよいことになる。
【0025】ところで、上述した顎関節の断層撮影で
は、X線発生装置16は横一直線方向に移動する構成で
あったが、スキャンアーム8を上下移動できるように構
成して、図7に示すようにX線発生装置16を正方形
(又は、矩形)に移動させて、X線を曝射するようにし
てもよい。断層像を作るとき、X線発生装置16を円形
や渦巻き形にすることにより、断層面から外れている部
分のぼけを目立たなくすることが知られているが、その
ような動きを機械的に実現するのは難しくデータ処理も
複雑になる。従って、断層面から外れている部分のぼけ
を目立たなくし、しかも、機械的に実現し易いものとし
て、正方形(又は、矩形)軌道にするものである。この
ように、正方形(又は、矩形)にX線発生装置16を移
動させて断層撮影を行なうことにより、不要部分の像の
ぼけが直線移動させた場合よりも目立たなくすることが
できるので、より鮮明な断層像を得ることができる。な
お、図中、符号Qは曝射されたX線の照準が合った断層
面(図5における#0と同じ)を示し、L1はX線発生
装置16の軌跡を示し、L2はX線検出部15がX線発
生装置16に追従して辿った軌跡を示す。
【0026】上述により右顎関節の断層撮影が完了する
と、被検体Mを動かすことなく、モーター7を駆動して
スキャンアーム8を約180°回転して、X線発生装置
16を図4(b)の実線に示す左顎関節の撮影開始位置
ALSに設定する。そして、上述の右顎関節の断層撮影
と同様に所定角度ごとにX線発生装置16を図4(b)
の二点鎖線に示す左顎関節の撮影終了位置ALEまで移
動させながらX線撮影を行ない、データ処理部22で複
数枚の断層像を合成する。
【0027】次に、パノラマ撮影時の動作を図8、図9
を参照して説明する。まず、ピン5に被検体Mのパノラ
マ撮影中心PX(図9参照)を位置付けて、被検体Mを
装置に固定し、X線発生装置16にスリット17を取り
付けて、以下の上下歯列のパノラマ撮影を行なう。制御
部は、モーター12を駆動して蛍光板13の検出面13
aが図8に示すようにX線発生装置16に対向するよう
にし、次に、モーター7を駆動してスキャンアーム8を
ピン5を中心として回転させ、X線発生装置16を図8
に示すパノラマ撮影開始位置PSに設定する。この状態
で、X線を曝射させてX線像を撮影する。このとき、ス
リット17を介しているので、撮影されるX線像は例え
ば、図9に示すように縦長のもの(PX1〜PX5)と
なる。なお、蛍光板13にも同様のスリットを取り付け
て、X線像を撮影すれば、余分な像はX線検出部15で
検出しないようにできる。次に、モーター9を駆動して
スキャンアーム8を矢印方向に所定角度回転させ、その
位置でのX線像の撮影を行なう。以下、同様にしてX線
発生装置1を図8の二点鎖線に示すパノラマ撮影終了位
置PEまで、所定角度ごとにX線像を撮影して、データ
処理部22に記憶する。
【0028】データ処理部22では、図9に示すよう
に、記憶したデータを撮影した順に並べて繋ぎ合わせる
ことにより、上下歯列のパノラマ撮影像を合成する。図
9では、P1〜P5でX線発生装置16が曝射したX線
をX線検出部15で検出して、X線像PX1〜PX5を
データ処理部22で記憶し、各X線像を順次繋ぎ合わせ
て上下歯列のパノラマ撮影像&Pを合成した場合を示し
ている。なお、図中、符号Tは、撮影対象である歯列を
示す。図9では、データは重なるところがなく、横方向
に継ぎ足しているが、実際には、ずれながらも重なり合
う部分があり、また、これによって歯列のところに断層
面が来るようにすることができるものである。
【0029】このとき、スキャンアーム8を回転させる
所定角度は、例えば、それぞれのポイントで得られたX
線像が、512×512画素で構成される内の1×51
2画素であり、X線発生装置16が240°回転するの
であれば、約0.46°(240÷512)である。ま
た、上に述べたように、1回のX線放射によって得られ
る画像が1×215ではなく、10×215であるとす
ると、2画素ずつずらして重ね合わせていく場合、51
2回のX線放射で、1024×512の画像ができるこ
とになる。
【0030】なお、上述の実施例では、ピン5とピン9
との間隔を代表的な被検体の左右の顎間隔の約半分に相
当する長さにし、被検体の顎関節をピン9に位置付けて
左右の顎関節の撮影を行なうようにしているが、被検体
ごとに顎関節の位置が一致しているわけではない。この
ような場合でも、この発明では、1回のスキャンで複数
枚の断層像を得ることができるので、特に問題はない。
【0031】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明によれば、顎関節の断層撮影において、複数枚の断層
像を得ることができるので、1回のスキャンで必要な部
位の断層像をまとめて得ることができ、被検体への被曝
線量も減少させることができる。また、簡単な構成で顎
関節の多層断層撮影とパノラマ撮影を行なえる装置を実
現することができるので、設置スペースを取らず、ま
た、設備コストを低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る歯科用断層撮影装置
の全体構成を示す斜視図である。
【図2】実施例装置の撮影部の構成を示す平面図であ
る。
【図3】実施例装置の撮影部の構成を示す側面図であ
る。
【図4】顎関節の断層撮影の動作を説明するための図で
ある。
【図5】顎関節の断層撮影像の合成の原理を説明するた
めの図である。
【図6】顎関節の断層撮影像の合成の原理を説明するた
めの図である。
【図7】X線発生装置とX線検出部の移動方法を変えた
変形例を示す図である。
【図8】パノラマ撮影の動作を説明するための図であ
る。
【図9】パノラマ撮影像の合成の原理を説明するための
図である。
【符号の説明】
3、10 … 歯車 5、9 … ピン 6、11 … ピニオン 7、12 … モーター 8 … スキャンアーム 13 … 蛍光板 13a … 検出面 14 … テレビカメラ 15 … X線検出部 16 … X線発生装置 17 … スリット 20 … コネクティングロッド 21 … A/D変換器 22 … データ処理部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着脱可能なスリットを備えたX線発生手
    段と、前記X線発生手段から曝射されたX線を画像デー
    タとして検出するX線検出手段と、前記X線検出手段に
    よって検出された画像データをデジタルデータに変換す
    るデータ変換手段と、前記データ変換手段によって変換
    されたデジタルデータを記憶しておき、前記記憶したデ
    ータに基づいて合成画像を作成する合成画像作成手段
    と、前記X線発生手段と前記X線検出手段とを対向させ
    て取り付けたスキャンアームと、前記X線発生手段と前
    記X線検出手段との間の回動支点を中心として前記スキ
    ャンアームを回動させるパノラマ撮影用回動機構と、被
    検体の左右の顎関節の間隔の約半分に相当する長さだけ
    前記回動支点から前記X線検出手段寄りにずらせた位置
    を中心として前記スキャンアームを回動させる顎関節断
    層撮影用回動機構と、前記顎関節断層撮影用回動機構に
    よって前記スキャンアームを回動させて顎関節断層撮影
    を行なう際に、前記X線検出手段の検出面が常に同じ方
    向を向くように前記X線検出手段を移動させるリンク機
    構とを備えたことを特徴とする歯科用断層撮影装置。
JP4257287A 1992-08-31 1992-08-31 歯科用断層撮影装置 Pending JPH0678919A (ja)

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