JPH0678135U - アンチスキッド装置用液圧制御装置 - Google Patents

アンチスキッド装置用液圧制御装置

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JPH0678135U
JPH0678135U JP2619393U JP2619393U JPH0678135U JP H0678135 U JPH0678135 U JP H0678135U JP 2619393 U JP2619393 U JP 2619393U JP 2619393 U JP2619393 U JP 2619393U JP H0678135 U JPH0678135 U JP H0678135U
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茂 武政
武志 篠原
信二 小泉
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日本エービーエス株式会社
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Abstract

(57)【要約】 [目的] 絞り弁装置を用いて、車体振動やハンマリン
グ音を大巾に減少しながら、常に適正なアンチスキッド
制御を行なうことができること。 [構成] 切換弁17a、20a、17b、20bに並
列に接続される逆止弁119a、121a、119b、
121bのマスタシリンダ側をマスタシリンダ1と絞り
弁装置6a、6bとを接続する管路5a、5bに管路1
20a、120bを介して接続する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、車両の車輪のスキッド状態に応じて車輪ブレーキ装置のブレーキシ リンダに供給されるブレーキ液圧を制御するアンチスキッド装置の液圧制御装置 、特に、ブレーキシリンダから排出されたブレーキ液を液圧ポンプで加圧して、 マスタシリンダの圧液供給管路に還流する形式の液圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】
例えば実開昭63−98869号公報では上述の形式の液圧制御装置において 、液圧ポンプの吐出圧力を受け、この吐出圧力が所定の値に達するまでは両方向 の自由な連通を許容し、この吐出圧力が上記所定の値以上になると両方向を絞り 連通させるようにする絞り弁装置を圧液供給管路に介設し、この絞り弁装置と上 記液圧制御弁との間の圧液供給管路側に上記液圧ポンプの吐出口を接続した装置 を開示している。
【0003】 このような装置によって装置全体を小型化しながらアキュムレータを設けてい ないので重量も小さく、ブレーキペダルへのキックバック現象を抑制して運転者 へのフィーリングを良好なものとしている。然しながらアンチスキッド制御にお いて再加圧制御時、液圧制御弁を開閉制御するが、ブレーキ液の増圧加速度に従 ったハンマリング音(衝撃音)が発生する。またそれに伴う車体振動も発生する 。確かにブレーキペダルへのキックバック現象は大巾に減少したが、このような 減少はなくなっていない。あるいはこれが運転者に好ましくないフィーリングを 与えている。
【0004】 また実開平2−54769号公報では上記公報と同様にマスタシリンダと液圧 ポンプとの間には可変絞りが設けられ、これは液圧ポンプの吐出口に接続された アキュムレータ内のピストンの移動量に応じてその絞り量が変わるもので、上記 公報と同様にブレーキペダルへのキックバック現象は抑制されるものの、液圧ポ ンプの吐出液圧は順方向にある逆止弁を介するのみで、可変絞りを通ってマスタ シリンダに加わるので、上記公報と同様にハンマリングや車体振動はかなり大き く生ずるものと思われる。
【0005】 また特開昭53−43180号公報においてはマスタシリンダと液圧ポンプと の吐出口との間にダンパー及び固定絞りが配設されている。この装置によっても 液圧ポンプの駆動時にこの脈圧がマスタシリンダに減衰して伝達されるのでこれ がない場合に比べキックバック現象は良好なものとされる。然しながらアンチス キッド制御時に液圧制御弁の開閉により、車輪のホイールシリンダに加圧したブ レーキ液を供給するのに、この絞りを介して伝達されるためにブレーキ再加圧速 度が小さくなるばかりかやはり上述のようなハンマリング音や車体振動が生ずる ものと思われる。
【0006】 また特公昭61−16657号公報においては液圧ポンプの吐出圧力を受け、 この吐出圧力が所定の値に達するまでは両方向の連通を許容し、この吐出圧力が 上記所定の値になるとマスタシリンダから液圧制御弁への連通のみを許容する弁 装置を圧液供給管路に配設し、この弁装置と液圧制御弁装置との間の圧液供給管 路側に上記液圧ポンプの吐出口を接続した装置を開示している。このような装置 によっても液圧ポンプの駆動時に上記弁装置が逆止弁として働くのでブレーキペ ダルへは何らキックバックを与えることはない。然しながら液圧ポンプの脈圧に より、なおブレーキ液の増圧加速度に従ったハンマリング音(衝撃音)が発生し 、またそれに伴う車体振動も発生している。
【0007】 本出願人は上述の問題に鑑みて先に、ブレーキペダルへのキックバック現象を 抑制しながらアンチスキッド制御時の再加圧制御する時のブレーキ液の増圧加速 度に従ったハンマリング音(衝撃音)を抑制し、よって車体振動も大巾に減少さ せることができるアンチスキッド装置用液圧制御装置を提供することを目的とし て、マスタシリンダと車輪ブレーキ装置のブレーキシリンダとの間に配置され、 車輪のスキッド状態を評価するコントロール・ユニットからの指令を受けて、該 ブレーキシリンダのブレーキ液圧を制御する液圧制御弁と、該液圧制御弁の制御 によりブレーキ液圧を低下させる際、前記ブレーキシリンダから前記液圧制御弁 を介して排出されるブレーキ液を貯えるリザーバと、該リザーバのブレーキ液を 加圧して、前記マスタシリンダと前記液圧制御弁とを接続する圧液供給管路に還 流する液圧ポンプと、前記圧液供給管路に介設され、前記液圧ポンプの吐出圧力 を受け、該吐出圧力が所定の値に達するまでは両方向の自由な連通を許容し、該 吐出圧力が前記所定の値以上になると、両方向を絞り連通させるようにする絞り 弁装置とを備えたアンチスキッド装置用液圧制御装置において、前記絞り弁装置 と前記液圧制御弁との間の圧液供給管路側に前記液圧ポンプの吐出口をダンパー を介して接続したことを特徴とするアンチスキッド装置用液圧制御装置を提案し た(実願平3−84256号)。
【0008】 図3及び図4は、この具体例を示すアンチスキッド装置用液圧制御装置である が、図3においてブースタ付マスタシリンダ1はブレーキペダル4を踏むことに より駆動され、公知の構造のブースタ部2及び液圧発生部3を有している。液圧 発生部3は2つの液圧発生室を内蔵し、これらに管路5a、5bが接続され、本 具体例ではX配管が適用されるが、管路5a側には後述する各弁部材を介して左 側後輪RL及び右側前輪FRのホイールシリンダが接続され、他方の管路5bに は同様な各弁部材を介して左側前輪FL及び右側後輪RRのホイールシリンダが 接続されている。なお管路5a、5bには全く同一の配管構成が接続されるので 一方の系統、すなわち左側後輪RL及び右側前輪FRのホイールシリンダの系統 についてのみ説明し、他方の系統の対応する部分についてはaの代わりにbを付 すものとする。
【0009】 管路5aには絞り弁装置6aが接続されており、これには並列にホイールシリ ンダ側からマスタシリンダ1側への方向を順方向とする逆止弁7aが接続されて いる。本実施例では絞り弁装置6aと逆止弁7aとが一体化され、図4にその詳 細が示される絞り逆止弁装置Tとして構成されている。この絞り弁装置6aは管 路16aを介して供給弁17a及び管路18aを介して左側後輪RLのホイール シリンダに接続される。また供給弁17aには並列にホイールシリンダ側からマ スタシリンダ側への方向を順方向とする逆止弁19aが接続される。
【0010】 また管路16aから分岐する管路には他方の供給弁20a及び管路22aを介 して右側前輪FRのホイールシリンダに接続されている。この供給弁20aにも 並列にホイールシリンダ側からマスタシリンダ側への方向を順方向とする逆止弁 21aが接続されている。
【0011】 更に左側後輪RL及び右側前輪FRのホイールシリンダには、それぞれ排出弁 23a、24aが接続され、これらは低圧リザーバ25aに接続される。低圧リ ザーバ25aは公知の構造を有し、ケーシング内に弱いばねで固定されたピスト ンが摺動自在に嵌合しており、図において上方部にリザーバ室を画成している。 また他方の系統のリザーバ25bと共通に液圧ポンプ10が接続されており、こ の液圧ポンプ10は公知の構造を有するが電動機11により偏心カム機構12が 駆動され、これにより2つのピストンが交互に図において左右に駆動され、両側 の液圧室に正圧、負圧を発生し、これら液圧室に接続される逆止弁13aを介し てリザーバ25aからブレーキ液が吸込まれると共に逆止弁13aを介してダン パー14aに接続されている。ダンパー14aは公知の構造を有し、逆止弁13 aを介して吐出される液圧を流動抵抗を小さくしてこの下流側に伝達する働きを し、管路9aを介して図4にその詳細が示される絞り弁装置6aに接続されてい る。また管路9aから分岐する管路にはダンパー14a側からマスタシリンダ側 への方向を順方向とする逆止弁8aが接続されている。
【0012】 前述の供給弁17a、20a及び排出弁23a、24aは電磁切換弁であって 、それぞれソレノイド部を有し、これが励磁されないと図示の連通状態または遮 断位置をとり、励磁されると遮断位置または連通位置をとるよう構成されている 。
【0013】 絞り弁装置6aは管路9aの液圧が所定値以上になると図示の連通位置から絞 り位置をとるよう構成されている。
【0014】 次に図4を参照して絞り弁装置6aを含む絞り逆止弁装置Tの詳細について説 明する。
【0015】 図4においてハウジング31内には段付孔31aが形成され、これに外周部に シールリング33、34を装着したスリーブ32が嵌着されており、これには段 付孔が形成されるがこの小径孔部に形成された溝に嵌着されたシールリング35 を摺動自在に液圧駆動ピストン36の小径部36aが摺動自在に嵌合しており、 これはシールリング37を装着して段付孔31aの小径孔部に摺動自在に嵌合し 、ばね38により左方に付勢されており、通常はスリーブ32に当接して図示の 位置をとっている。
【0016】 またハウジング31の左方開口端部ではシールリング41を装着した栓体40 がスリーブ32に嵌着されており、これはナット42がハウジング32のねじ孔 に螺着し、締付けることにより固定されている。
【0017】 以上のようにしてスリーブ32内の内孔には弁室Vが形成され、これに弁体4 3がばね47により付勢されて配設され、液圧駆動ピストン36の小径部36a により通常は図示するように、その端部がスリーブ32の段部61から離座して おり、またその端部には切欠き43aが形成されていて、これが段部61に当接 した場合には弁室Vと管路16a側との間に絞り通路を形成するよう構成されて いる。またハウジング31には孔44、45、46が形成されており、それぞれ 図3における管路5a、16a及び9aに接続されている。
【0018】 以上のようにして液圧駆動ピストン36とスリーブ32との間に液圧ポンプ圧 室62が形成されており、これは管路9a、すなわち液圧ポンプ10の吐出側と ダンパー14aを介して連通している。液圧駆動ピストン36を付勢するばね3 8のばね力及び液圧駆動ピストン36の受圧面積により図3における絞り弁装置 6aが絞り機能を有する位置に切り換わる所定の液圧が決定される。
【0019】 本具体例によるアンチスキッド装置用液圧制御装置は以上のように構成される が、次にこの作用について説明する。
【0020】 ブレーキペダル4を踏み込むとブースタ部2の踏力助成作用が加わり、液圧発 生部3に液圧が発生する。これは管路5a、5bを介してX配管された前後輪に 伝達されるが一方の系統についてのみ説明する。すなわち管路5aからの液圧は 図4における逆止弁・絞り弁装置Tにおける孔44を通り、更に弁室V及び弁体 43の外周部の液通路及び液圧駆動ピストン36の小径部36aのまわりの液通 路及び孔45を通って管路16a側、すなわち供給弁17a及び管路18aを通 り後輪RLのホイールシリンダに伝達される。また管路16aから分岐する管路 を介し供給弁20a及び管路22aを通り右側前輪FRのホイールシリンダに伝 達される。よって全車輪にブレーキがかけられる。
【0021】 図示しないコントロール・ユニットがブレーキを弛めるべきであると判断する と(なお、説明をわかり易くするために1系統の車輪RL、FRは同じスキッド 状態とする。)供給弁17a、20aのソレノイド部が励磁され、管路18a、 22a側と管路16a側とは遮断され、また排出弁23a、24aのソレノイド 部が励磁されて連通状態になり、左側の後輪RL及び右側前輪FRのホイールシ リンダから排出弁23a、24aを通りリザーバ25aにブレーキ液が排出され る。これと共に液圧ポンプ10が駆動され、直ちにリザーバ25aからブレーキ 液が吸入され逆止弁13aを通りダンパー14aに供給される。ここで液圧ポン プ10の脈圧は大巾に減少されて逆止弁8aを通り絞り弁装置6aと供給弁17 aとを接続する圧液供給管路16aに伝達される。
【0022】 他方、液圧ポンプ10の吐出側、すなわち管路9aは絞り弁装置6aに接続さ れており、図4に示すようにこの液圧駆動ピストン36の大径部とスリーブ32 との間に形成される液圧ポンプ圧室62に伝達される。これが所定圧に達すると 液圧駆動ピストン36が右方に移動し、その小径部36aも右方に移動すること により弁体43がばね47のばね力により、その端部が段部61に当接する。よ って切欠き43aにより絞り機能が働き、以後マスタシリンダ1側の液圧はこの 絞りを介して管路16a側に伝達されるようになるが、これまでは絞りが機能し ていないので、迅速にブレーキがかけられる。またダンパー14aと絞り弁装置 6aとが接続されているので従来生じていたアンチスキッド制御時に再加圧する 時にブレーキ液の増圧加速度に従ったハンマリング音(衝撃音)は大巾に減少す るか、殆どなくなり、よって車体振動も大巾に減少するか、なくなる。従って運 転者や乗員には非常に良好なフィーリングを与える。
【0023】 上述のハンマリング音や振動はブレーキペダルとブースタとの結合体と車両と の接続部、マスタシリンダと液圧制御弁との結合体と車両との接続部や液圧制御 弁とホイールシリンダとの結合部との車両との接続部を介して伝達するものであ るが、本具体例によれば液圧ポンプの吐出口とマスタシリンダとの間には絞り機 能を発揮している絞り弁装置6aとダンパー14aとの直列接続回路が設けられ ているので上記接続部を介して運転者や乗員に伝わっていたハンマリング音や振 動は大巾に低減するか、ほぼ零となる。
【0024】 また絞り機能を発揮している時にブレーキを弛める時には絞り弁装置6aにお いて液圧制御弁側に接続される管路16aに接続される孔45及び駆動液圧ピス トン36の小径部36aの外周部の通路を通って弁体43をばね47のばね力に 抗して図4において左方へと押動させる。これによりこれまで絞りとして働いて いた逆止弁・絞り弁装置Tは逆止弁として働くことになる。よってホイールシリ ンダからの圧液はマスタシリンダ1側へと迅速に還流させてブレーキを弛めるこ とができる。
【0025】 本出願人が先に開発した、アンチスキッド装置用液圧制御装置は以上のように 構成され作用を行ない、その目的とする効果を得るのでるが、以下のような欠点 を有するものである。
【0026】 すなわち、アンチスキッド制御中においては、切換弁17a、20a及び23 a、24aのソレノイド部に対しブレーキを緩めるか、保持するか、込めるかに 応じて図示しないコントロール・ユニットにより、選択的に励磁及び非励磁を行 なうのであるが、今、右側前輪FRはブレーキを保持すべきであり、左側後輪R Lはブレーキを込めるべきであるとコントロール・ユニットが判断している場合 には、上述の具体例では説明を分かり易くするために一方の系統の両輪について は同等のスキッド状態にあるとしたが、以下の説明では右側前輪FRと左側後輪 RLとは、異なるスキッド状態をとるものとする。これは道路の右側と左側とで 摩擦係数が異なる場合に著しく生じるものであるが、液圧ポンプ10は既に駆動 を開始しており、特にこの液圧ポンプ10の吐出液圧が、絞り弁装置6aが切り 換わった直後には、マスタシリンダ1からの管路5aを通る液圧が管路16a側 で急に低下する。絞り弁装置6aが図示する連通位置にある時には、管路5aと 管路16a側とは同等に上昇していたのであるが、絞り弁装置6aが切り換わっ た直後においては管路16a側の圧力が急激に低下することがある。他方、右側 前輪FRにおいてはブレーキを保持するべきであると判断され、切換弁20aの ソレノイドは励磁されて遮断位置に切換えられるが、左側後輪RLはなおブレー キ上昇中であり、すなわち、切換弁17aのソレノイドが励磁されることな、連 通位置をとっており、管路16a側から流入させている。
【0027】 今、右側前輪FRの液圧を保持させたいのであるが、切換弁20aに並列に接 続されている逆止弁21aのマスタシリンダ側、すなわち管路16a’側の液圧 が右側前輪FRのホイールシリンダ側の液圧に比べて低下することがある。この 場合には、右側前輪FRのホイールシリンダからの圧液は切換弁20aが保持位 置をとっているにも係わらず、鎖線Qで示すように逆止弁21aを通って管路1 6a’側に漏出することがある。これは切換弁17aを通り、今、ブレーキ力を 上昇中の左側後輪RLのホイールシリンダ側へと流入される。このブレーキ力を 上昇させるべき左側後輪RLに対しては問題ないが、ブレーキ力を保持すべき高 圧側の右側前輪FRは液圧が保持されなくて、その液圧が徐々に低下する。これ では、適正なアンチスキッド制御を行なうことができない。また、非常に危険で ある。
【0028】
【考案が解決しようとする問題点】
本考案は上述の問題に鑑みてなされ、常に適正なアンチスキッド制御を行なう ことができる、アンチスキッド装置用液圧制御装置を提供することを目的とする 。
【0029】
【問題点を解決するための手段】
以上の目的は、マスタシリンダと車輪ブレーキ装置のブレーキシリンダとの間 に配置され、車輪のスキッド状態を評価するコントロール・ユニットからの指令 を受けて、該ブレーキシリンダのブレーキ液圧を制御する液圧制御弁と、該液圧 制御弁の制御によりブレーキ液圧を低下させる際、前記ブレーキシリンダから前 記液圧制御弁を介して排出されるブレーキ液を貯えるリザーバと、該リザーバの ブレーキ液を加圧して、前記マスタシリンダと前記液圧制御弁とを接続する圧液 供給管路に還流する液圧ポンプと、前記圧液供給管路で前記液圧制御弁に並列に 接続され、前記ブレーキシリンダ側から前記マスタシリンダ側への方向を順方向 とする逆止弁と、前記圧液供給管路に介設され、前記液圧ポンプの吐出圧力を受 け、該吐出圧力が所定の値に達するまでは両方向の自由な連通を許容し、該吐出 圧力が前記所定の値以上になると、両方向を絞り連通させるようにする絞り弁装 置とを備え、前記絞り弁装置と前記液圧制御弁との間の圧液供給管路側に前記液 圧ポンプの吐出口を接続したアンチスキッド装置用液圧制御装置において、前記 逆止弁のマスタシリンダ側を前記マスタシリンダと前記絞り弁装置との間の管路 に接続したことを特徴とするアンチスキッド装置用液圧制御装置、によって達成 される。
【0030】
【作用】
圧液供給管路において、液圧制御弁と並列に接続される逆止弁のマスタシリン ダ側はマスタシリンダと絞り弁装置との間の管路に接続されているので、今、絞 り弁装置が絞り位置に切り換わり、その下流側の圧液供給管路の液圧が急激に低 下し、かつ高圧側の、例えば右側前輪のホイールシリンダの液圧を保持すべく、 これに接続されている切換弁を保持状態に切換えた時には、逆止弁のホイールシ リンダ側が相対的に液圧が高くなるが、マスタシリンダ側は、今、ブレーキペダ ルを踏込んでいるので、ホイールシリンダ側の液圧よりも高いので開弁すること はできず、従って、逆止弁はその阻止機能を失うことはない。すなわち、高圧側 の切換弁は保持位置を安定にとることができ、保持状態を維持する。従って、適 正なアンチスキッド制御を行なうことができる。
【0031】
【実施例】
以下、本考案の実施例によるアンチスキッド装置用液圧制御装置について、図 面を参照して説明する。なお、上記具体例と同様な部分については、同一の符号 を付し、その詳細な説明は省略する。
【0032】 すなわち、図1は本考案の第1実施例を示すが、従来例と同様にX配管が採用 され、一方の系統は右側前輪FR及び左側後輪RLに接続され、他方の系統は左 側前輪FL及び右側後輪RRに接続されている。また、液圧制御弁を構成する切 換弁17a、20a、23a及び24a(本実施例においても、他方の系統と構 成及び作用は同等である。一方の系統についてのみ説明する。)の内、切換弁1 7a、20aに並列に接続される逆止弁119a、121aは、そのホイールシ リンダ側は従来例と同様に右側前輪FR及び左側後輪RLのホイールシリンダに 接続されるが、マスタシリンダ側は管路120aを介して、マスタシリンダ1と 絞り弁装置6aとの間の管路5aに接続される。これら逆止弁119a、121 aは、ホイールシリンダ側からマスタシリンダ側への方向を順方向とする。
【0033】 本考案の第1実施例によるアンチスキッド装置用液圧制御装置は以上のように 構成されるが、次にこの作用について説明する。
【0034】 絞り弁装置6aの作用は上記具体例と同様であるが、アンチスキッド制御開始 と共に液圧ポンプ10が駆動を開始し、これにより、その吐出側の液圧が所定値 に達すると、絞り弁装置6aが絞り位置に切り換わる。この時には、この下流側 の管路16a側の液圧がその上昇速度が低下することにより、特にその当初は低 下するが、この前に図示しないコントロール・ユニットから右側前輪FRのブレ ーキ力を保持すべきであると判断すると、切換弁20aのソレノイド部が励磁さ れて、これが遮断位置に切り換えられている。他方、低圧側の左側後輪RLにつ いては、なおブレーキを上昇すべきであると、コントロール・ユニットが判断し ており、従って、切換弁17aのソレノイド部は励磁されることなく、それまで と同様に連通位置をとっている。
【0035】 高圧側の右側前輪FRのホイールシリンダの液圧は切換弁20aが遮断位置を とることにより、その直前の液圧を保持し、ブレーキを一定にしている。他方、 マスタシリンダ1から発生する液圧は、なお上昇を続行しており、管路120a においてはこの液圧がそのまま伝達されているので、逆止弁121aのマスタシ リンダ側の液圧はホイールシリンダ側の液圧より大となっており、従って、この 逆止弁121aは開弁することはない。従って、右側前輪FRのブレーキは安定 に、一定に保持される。他方、低圧側の左側後輪RLのブレーキ力は、その上昇 を続行する。
【0036】 なお、アンチスキッド制御において、以上では高圧側を右側前輪FRとし、低 圧側を左側後輪RLとしたが、これらの両者についてブレーキ力を上昇すべきで ある時には、本実施例によるコントロール・ユニットによれば、位相差を設けて 再込め、増圧が行なわれるようにしている。すなわち、両者がブレーキ力を上昇 すべきであるとコントロール・ユニットが判断している時には、一方、例えば右 側前輪FRのブレーキ力を所定時間、もしくは所定割合を増大させる。この間、 同系統の他の車輪である左側後輪RLのブレーキ力は、切換弁17aを遮断位置 に切換えることによって保持する。これにより、X配管された右側前輪FRと左 側後輪RLのホイールシリンダ間の圧力上昇時に生ずるかもしれない両端のブレ ーキ力の干渉作用がなくなり、一方の車輪につき確実にアンチスキッド制御によ るブレーキ力増加作用を行なうことができる。また、他方の車輪RLのブレーキ 力を上昇する時には、一方の右側前輪FRのホイールシリンダの液圧は一定にす べく、切換弁20aを遮断位置に切換えることにより、上述と同様に同系統にお ける両輪のアンチスキッド制御における再込めでの干渉作用を無くして、適正な アンチスキッド制御を保証することができる。
【0037】 図2は本考案の第2実施例を示すものであるが、図において上記従来例及び第 1実施例に対応する部分については同一の符号を付しその詳細な説明は省略する 。
【0038】 すなわち、第2実施例においてはH配管が採用されており、マスタシリンダの 一方の配管5aは絞り弁装置6aを介して右側後輪RR及び左側後輪RLのホイ ールシリンダに接続される。又、絞り弁装置6aは後輪側にしか設けられておら ず、前輪側では設けられていない。これに応じて、切換弁17a、20aに並列 に接続される逆止弁129a、131aのマスタシリンダ側は第1実施例と同様 に管路120aを介してマスタシリンダ1と絞り弁装置6aとの間の管路5aに 接続されているが、他方の前輪の系統については絞り弁装置を設けていないので 、従来と同様に切換弁17b、20bに並列に接続される逆止弁19b、21b のマスタシリンダ側への接続は結果として後輪の系統と同等になる。
【0039】 なお、本実施例においても、後輪の系統については上記第1実施例と同様な作 用を得ることができる。また、後輪側が先にロックすることは運転制御上好まし くないのであるが、本実施例によれば後輪側にのみ絞り弁装置6aを設けている ので、先に後輪側がロックすることを防止することができ、又、車室フロアの下 側には、リヤ配管用サポートが取り付けられており、後輪の増圧時には、制御変 動圧による脈動がここに伝達され、この共振現象が騒音の大きな要因の一つにな っているが、これを防止することができるので、X配管で両系統に絞り弁装置を 取り付けた場合と比べ、車体騒音の減少はほぼ同等に得ることができる。
【0040】 以上、本考案の各実施例について説明したが、勿論、本考案はこれらに限定さ れることなく、本考案の技術的思想に基いて種々の変形が可能である。
【0041】 例えば、以上の実施例では液圧制御弁としては各系統につき、2個の切換弁を 設けたが、これを1個の切換弁、例えば3ポート3位置電磁切換弁に代えたもの にも本考案は適用可能である。
【0042】
【考案の効果】
以上述べたように、本考案のアンチスキッド装置用液圧制御装置によれば、常 に適正なアンチスキッド制御を保証することができる。
【提出日】平成5年7月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】 本出願人が先に開発した、アンチスキッド装置用液圧制御装置は 以上のように構成され作用を行ない、その目的とする効果を得るのでるが、以下 のような不具合を生じる可能性が有る。
【提出日】平成6年7月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】 本出願人が先に開発した、アンチスキッド装置用液圧制御装置は 以上のように構成され作用を行ない、その目的とする効果を得られるのでるが、 以下のような条件において制御性能の問題点を生じる場合があることがわかった
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】 今、右側前輪FRの液圧を保持させたいのであるが、切換弁20 aに並列に接続されている逆止弁21aのマスタシリンダ側、すなわち管路16 a’側の液圧が右側前輪FRのホイールシリンダ側の液圧に比べて低下すること がある。この場合には、右側前輪FRのホイールシリンダからの圧液は切換弁2 0aが保持位置をとっているにも係わらず、鎖線Qで示すように逆止弁21aを 通って管路16a’側に漏出することがある。これは切換弁17aを通り、今、 ブレーキ力を上昇中の左側後輪RLのホイールシリンダ側へと流入される。この ブレーキ力を上昇させるべき左側後輪RLに対しては問題ないが、ブレーキ力を 保持すべき高圧側の右側前輪FRは液圧が保持されなくて、その液圧が徐々に低 下する。これによりコントロールユニットの保持指令にもかかわらず右側前輪F R制御液圧が低下することにより減圧速度の低下を生ずる可能性がある
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例によるアンチスキッド装置
用液圧制御装置の配管系統図である。
【図2】本考案の第2実施例によるアンチスキッド装置
用液圧制御装置の配管系統図である。
【図3】従来例のアンチスキッド装置用液圧制御装置の
配管系統図である。
【図4】図3における絞り逆止弁装置Tの詳細を示す断
面図である。
【符号の説明】
17a 切換弁 17b 切換弁 20a 切換弁 20b 切換弁 119a 逆止弁 119b 逆止弁 120a 管路 120b 管路 121a 逆止弁 121b 逆止弁 129a 逆止弁 131a 逆止弁

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスタシリンダと車輪ブレーキ装置のブ
    レーキシリンダとの間に配置され、車輪のスキッド状態
    を評価するコントロール・ユニットからの指令を受け
    て、該ブレーキシリンダのブレーキ液圧を制御する液圧
    制御弁と、該液圧制御弁の制御によりブレーキ液圧を低
    下させる際、前記ブレーキシリンダから前記液圧制御弁
    を介して排出されるブレーキ液を貯えるリザーバと、該
    リザーバのブレーキ液を加圧して、前記マスタシリンダ
    と前記液圧制御弁とを接続する圧液供給管路に還流する
    液圧ポンプと、前記圧液供給管路で前記液圧制御弁に並
    列に接続され、前記ブレーキシリンダ側から前記マスタ
    シリンダ側への方向を順方向とする逆止弁と、前記圧液
    供給管路に介設され、前記液圧ポンプの吐出圧力を受
    け、該吐出圧力が所定の値に達するまでは両方向の自由
    な連通を許容し、該吐出圧力が前記所定の値以上になる
    と、両方向を絞り連通させるようにする絞り弁装置とを
    備え、前記絞り弁装置と前記液圧制御弁との間の圧液供
    給管路側に前記液圧ポンプの吐出口を接続したアンチス
    キッド装置用液圧制御装置において、前記逆止弁のマス
    タシリンダ側を前記マスタシリンダと前記絞り弁装置と
    の間の管路に接続したことを特徴とするアンチスキッド
    装置用液圧制御装置。
JP2619393U 1993-04-21 1993-04-21 アンチスキッド装置用液圧制御装置 Pending JPH0678135U (ja)

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