JPH0678088U - 角度調整機能付サイドステップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 坂路等で車両が傾斜した状態で停止した場合
の乗降時においてサイドステップ本体が水平方向とされ
る角度調整機能付サイドステップを提供する。 【構成】 車速センサー２２からの停車状態の信号及び
ドアセンサー２３からのドア開放状態の信号がコントロ
ーラー２０に入力された場合、コントローラー２０に入
力された傾斜センサー２１からの車両の傾斜状態の信号
に応じた電力がコントローラー２０から角度調整用モー
ター９に送られ、モーター９は一定方向に一定数回転す
る。この回転はウォーム１４，ギヤ１５及びシャフト１
０によって前リンク３の上下移動とされる。サイドステ
ップ本体１下面に設置された後リンク２及び前リンク３
において後リンク２は固定状態とされ前リンク３が上下
に移動することによりサイドステップ本体１の角度が調
整され、水平とされる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は角度調整機能付サイドステップに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、４ＷＤ車等、車高の高い車には乗降を容易にする為のサイドステップが 取り付けられているが、そのステップ本体は車体に対して所定の基準位置に固定 して設置されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし従来のサイドステップにおいては坂路３０等で車両が傾斜した状態で停 車した場合、図９に示される様にサイドステップのステップ本体１も傾斜した状 態となる為、乗降時にステップ本体１に足を置載した際不安定な姿勢となり、乗 降性が悪かった。 そこで本考案の課題は、停車時の車両の傾斜状態においてサイドステップのス テップ本体１が図１０に示される様に水平方向に調整され得る角度調整機能付サ イドステップを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するため、本考案においては乗降途中に乗降者が足を載せるサ イドステップ本体と、 そのサイドステップ本体を車両の前後方向に回動させる駆動機構と、 その駆動機構に駆動力を出力するモータと、 車両の速度に応じた信号を出力する車速センサと、 車両の前後方向の傾斜角度に応じた信号を出力する傾斜センサと、 前記車速センサからの信号に基づき、車両が停止状態にあると判定したとき、 前記傾斜センサからの信号に基づき、車両が傾斜状態にあると認識した場合には 前記モータに駆動電力を供給し、前記サイドステップ本体が水平になるまでサイ ドステップ本体を回動させる一方、車両が走行をした場合には前記モーターに駆 動電力を供給し、前記サイドステップ本体を基準位置まで回動させる制御手段と を備えたことを特徴とする角度調整機能付サイドステップを創作した。

【０００５】

【作用】

前記構成の角度調整機能付サイドステップによると、前記制御手段は前記車速 センサからの信号に基づき、車両が停止状態にあると判定したとき、前記傾斜セ ンサからの信号に基づき、車両が傾斜状態にあると認識した場合には前記モータ ーに駆動電力を供給し、前記サイドステップ本体が水平になるまでサイドステッ プ本体を回動させる一方、車両が走行をした場合には前記モーターに駆動電力を 供給し、前記サイドステップ本体を基準位置まで回動させる。

【０００６】

【実施例】

次に本考案の実施例について説明する。 まず最初に本例の角度調整機能付サイドステップの構成について図１〜図６に 基づき説明する。本例のサイドステップのサイドステップ本体１はその下面に車 体の後方向から順に後リンク２及び前リンク３がほぼ並行に適当な間隔を有して 設置されている。後リンク２の先端部は図２に示される様にサイドステップ本体 １と一体的に形成されたブッシュ挿通部４に挿着されたブッシュ５に回転可能に 挿入されている。そして基端部は車体シャシフレーム６に固定状態で取付けられ ている。

【０００７】 前リンク３先端側のサイドステップ本体１への取付け部位においては、図３及 び図５に示す様にサイドステップ本体１と一体的に車の前後方向の所要長さ分に 形成されたガイド７内に、ブッシュ挿通部であるスライドピース８が可動状態で 挿嵌されている。そして前リンク３の先端部はスライドピース８に固定されたブ ッシュ５内部にて回転可能とされ、さらにはガイド７にガイドされたスライドピ ース８が移動することにより、車の前後方向に所要寸法可動とされている。 前リンク３の基端部は角度調整用モーター９の出力軸１３に形成されたウォー ム１４とかみ合うギヤ１５を下端部に形成したシャフト１０部に連結されている 。

【０００８】 シャフト１０のほぼ全長にわたって、その外周面にはネジが加工されており、 前リンク３の基端部との連結部分は前記ネジとかみ合うネジが切られている為、 シャフト１０が回転したときに前リンク３が上下に移動するようになっている。 このシャフト１０は上下でベアリング１１，１１と介しハウジング１２で固定さ れ、出力軸１３のウォーム１４及びギヤ１５に連結されている。このハウジング １２はシャシフレーム６に取付けられている。なお上記の本例の角度調整機能付 サイドステップの構成は、請求項中の「サイドステップ本体を車両の前後方向に 回動させる駆動機構」に相当する。 次に本例の角度調整機能付サイドステップの作動状態を説明する。 すなわち、モーター９の回転がウォーム１４及びギヤ１５によりシャフト１０ に伝達され、シャフト１０が回転する。 次にこのシャフト１０の回転により、前リンク３が上方又は下方に移動する。 この前リンク３の上下移動により図６に示す様に後リンク２を中心としてサイド ステップ本体１が回動する。 なお本例では後リンク２の基端部及びハウジング１２はシャシフレーム６に取 付けたが、これらは車体に取付けてもよい。

【０００９】 次に上記サイドステップ本体１の回動においてその角度を調整する制御機構に ついて図７の電気制御ブロック図に基づき説明する。 コントローラ２０はその制御中枢としてマイクロコンピュータが使用されてい る。なおこのコントローラ２０は請求項中の「制御手段」に相当する。

【００１０】 前記コントローラー２０には車両の傾きを検出する傾斜センサー２１から車両 の傾斜の状態に応じた信号が入力される。車速センサー２２は車両が走行中か停 車状態かを検出し、その検出結果に応じた信号をコントローラー２０に入力する 。またＤ（運転者）席ドアカーテシＳＷ２３及びＰａ（助手者）席ドアカーテシ ＳＷ２４は各々の席のドアの開閉状態を検出し、その検出結果に応じた信号をコ ントローラー２０に入力する。

【００１１】 一方コントローラー２０からはＤ席側及びＰａ席側のサイドステップに設置さ れた角度調整用モーター９，９に対して駆動電力が供給される。

【００１２】 そして両席側のサイドステップに設置された角度調整用モーター９，９に内蔵 された回転数検出器２５，２５により、角度調整用モーター９，９の回転数がコ ントローラー２０に入力される。

【００１３】 すなわち車両停止状態でＤ席側ドアを開けた場合コントローラー２０には車速 センサ２２から停止状態に応じた信号が出力され、かつＤ席ドアカーテシＳＷ２ ３からドア開信号とが入力されるため、傾斜センサー２１からの入力信号により その傾斜検出信号に対応した回転数分だけＤ席側のサイドステップ１に設置され た角度調整用モーター９を作動させる駆動電力をモーター９に供給し、Ｄ席側の サイドステップ本体１の角度を調整し、水平方向にする。そして回転数検出器２ ５で検出された回転数を記憶しておく。

【００１４】 一方、車両が動き出すと、車速センサー２２からコントローラー２０に車走行 速度に対応した信号が入力されることにより、回転数検出器２５で記憶された回 転数分だけ前記モーターを逆転させることによりＤ席側のサイドステップ本体１ を元の基準位置に戻す。

【００１５】 図８に前記コントローラ２０による本例の処理内容がフローチャートで示され ている。このフローチャートのステップＳ１において車両が停車状態であるか否 かを判断し、その判断結果がイエスの場合は次のステップＳ２に移行する。この ステップＳ２においてはドアが開いた状態であるか否かを判断し、その判断結果 がイエスの場合は次のステップＳ３に移行して車両が傾斜状態であるか否かを判 断する。

【００１６】 前記ステップＳ３における判断結果がイエスの場合には傾斜センサー２１によ り検出された傾斜の大きさ分に応じた分だけ角度調整用モーター９が一定方向に 回転する。

【００１７】 このモーター９の一定方向及び一定量の回転は前記した本例の角度調整機能付 サイドステップの構造及び作動によって前リンク３の上方向又は下方向への一定 量の移動となり車両の傾斜状態に応じてサイドステップ本体１の角度が調整され 水平とされる。

【００１８】 なお前リンク３は前記した様にその先端部はサイドステップ本体１の下面に回 転可能及び車の前後方向に所要寸法可動とされており、後リンク２の先端部はサ イドステップ本体１の下面に回転可能に設置されていることから前リンク３の上 下方向の動きにより、サイドステップ本体１がなめらかに回動することが可能と される。

【００１９】 なお前記ステップＳ３における判断結果がノーの場合は車両は傾斜せず停車し ているのであるからサイドステップ本体１の角度を調整する必要はなく、ステッ プＳ１へ戻る。

【００２０】 一方、ステップＳ１において、その判断結果がノーの場合、すなわち車両が走 行状態の場合にはステップＳ４に移行し、サイドステップ本体１は基準位置にあ るか否かを判断する。その判断結果がノーの場合は、すなわち、車両が傾斜状態 で停止した際にサイドステップ本体１の角度が水平に調整されたままの状態の場 合である。この場合には回転数検出器２５により検出され、記憶された回転数に 応じた分だけ角度調整用モーター９が逆転する。

【００２１】 このモーター９の回転により、前記と同様のかつ反対方向の作動によりサイド ステップ本体１の角度が調整され、基準位置にまで戻る。

【００２２】 なお、ステップＳ４において、その判断結果がイエスの場合はすなわち車両が 走行状態においてサイドステップ本体１が基準位置にある場合であるから、サイ ドステップ本体１の角度を調整する必要はなく、ステップＳ１へ戻る。

【００２３】

【考案の効果】

本考案の角度調整機能付サイドステップによると、坂路等で車両が傾斜した状 態で停止した場合の乗降時において、サイドステップ本体が水平方向とされるの で乗降時に足元が安定し、乗降がより容易かつ安全とされる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本例の角度調整機能付サイドステップ全体の斜
視図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線における断面図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ線における断面図である。

【図４】角度調整用モータと駆動機構の連結状態を示し
た斜視図である。

【図５】図１のＢ−Ｂ線における断面図である。

【図６】本例の角度調整機能付サイドステップのサイド
ステップ本体の角度調整作用説明図である。

【図７】電気制御ブロック図である。

【図８】制御フローチャートである。

【図９】従来のサイドステップを備えた車両が坂路に停
車した場合の状態図である。

【図１０】本例のサイドステップを備えた車両が坂路に
停車した場合の状態図である。

【符号の説明】

１ サイドステップ本体 ９ 角度調整用モーター ２０ コントローラ ２１ 傾斜センサー ２２ 車速センサー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 乗降途中に乗降者が足を載せるサイドス
   テップ本体と、 そのサイドステップ本体を車両の前後方向に回動させる
   駆動機構と、 その駆動機構に駆動力を出力するモータと、 車両の速度に応じた信号を出力する車速センサと、 車両の前後方向の傾斜角度に応じた信号を出力する傾斜
   センサと、 前記車速センサからの信号に基づき、車両が停止状態に
   あると判定したとき、前記傾斜センサからの信号に基づ
   き、車両が傾斜状態にあると認識した場合には前記モー
   タに駆動電力を供給し、前記サイドステップ本体が水平
   になるまでサイドステップ本体を回動させる一方、車両
   が走行をした場合には前記モーターに駆動電力を供給
   し、前記サイドステップ本体を基準位置まで回動させる
   制御手段とを備えたことを特徴とする角度調整機能付サ
   イドステップ。