JPH0677645A - グリーンシートの印刷方法及びビア印刷装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ビア印刷工程中にグリーンシートに設けられ
たパンチ穴にペーストが十分に埋め込まれないことに起
因して生じる断線を低減する。 【構成】 配置部１には連結部２が配され、この連結部
２は真空ポンプ３と連結されている。配置部１上にはプ
レート４及びプレート４と同じ高さのフレーム板５が載
せられ、さらにその上方には金属板１０、インク返し１
１及びスキージ１２が配されている。フレーム板５には
グリーンシート６が圧着され、このグリーンシート６は
プレート４に接している。プレート４にはパンチ穴７ａ
が、グリーンシート６にはビア９がそれぞれ設けられ、
パンチ穴７ａとビア９は同パターンでかつ互いに重なり
合っている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、基板材料とバインダー
成分とを混合した材料をシート状にしたグリーンシート
へのビア印刷を行う場合に用いるグリーンシートの印刷
方法及びビア印刷装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、グリーンシートに印刷を行う場合
には、まずビア印刷装置を用いてビア印刷を行い、次い
でライン印刷を行うのが主流となっている。以下、従来
のグリーンシートの印刷方法及びビア印刷装置について
図４〜図１２を参照しながら説明する。

【０００３】図４，図５に示す通り、ビア印刷装置は
Ａ，Ｂ方向への移動が自在な配置部１に中空の連結部２
が配され、この連結部２に真空ポンプ３が連結された構
成を主としている。配置部１はＡ，Ｂ方向の移動が自在
であり、その上にはプレート４及びプレート４と同じ高
さのフレーム板５が載せられている。フレーム板５には
グリーンシート６が圧着されている（図６参照）。グリ
ーンシート６はプレート４上に位置しているものであ
り、プレート４にはパンチ穴７ａが、グリーンシート６
には開口部８ａ，８ｂを有するビア（グリーンシートに
設けられる穴のことである。）９がそれぞれ配されてい
る。パンチ穴７ａとビア９は配置パターンが同じであ
り、互いに重なり合っている。グリーンシート６の上方
には金属板１０（図７参照）、インク返し１１及びスキ
ージ１２が配され、金属板１０はパンチ穴７ａ、ビア９
と同じ配置パターンのパンチ穴７ｂを有し連結部材１３
を介して金属板支持部１４に連結され（図４のＣ部、図
８参照）、インク返し１１及びスキージ１２と共に配置
部１の下方にある制御部１５と電気接続されている。

【０００４】以下、このような構成における動作を説明
する。配置部１が制御部１５上に位置している状態で金
属板１０にペースト１６を載せて電源を入力すると、イ
ンク返し１１が金属板１０に接触するまで下降し、次い
でインク返し１１がＢ方向に滑動し、これにより、ペー
スト１６が金属板１０上に広げられる（図９参照。イン
ク返し１１は図９（ａ）の状態から図９（ｂ），図９
（ｃ）の状態へと移行する）。その後インク返し１１が
下降前の高さまで上昇し、それと共に配置部１がＢ方向
に移動し、配置部１はグリーンシート６に設けられたビ
ア９が金属板１０に設けられたパンチ穴７ｂの下方に達
したときに停止する。配置部１が停止すると金属板１０
が下降してフレーム板５に接触し、次いでスキージ１２
が下降して金属板９に接触し、その後真空ポンプ３が作
動し、スキージ１２が金属板１０上をＡ方向に滑動する
（図１０参照。スキージ１２は図１０（ａ）の状態から
図１０（ｂ），図１０（ｃ）の状態へと移行する）。こ
のとき、金属板１０はスキージ１２に押さえつけられ、
その結果金属板１０はスキージ１２と接触する際に同時
にグリーンシート６とも接触することとなり（つまり、
金属板１０はスキージ１２とグリーンシート６に挟まれ
ることになり）、パンチ穴７ｂに入ったペースト１６に
は真空ポンプ３による吸引力が作用し、ペースト１６は
開口部８ａを通過しビア９に吸引される。これにより、
ビア８はペースト１６で埋められるものとなる。以上の
動作でビア印刷工程が終了し、この後グリーンシート６
及びこのグリーンシート６に塗着したペースト１６に再
びペースト１７を塗布し（図１１参照）、同面にライン
印刷（図１２参照）を行う。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなビア印刷装置を用いてグリーンシート６へのビア印
刷を行う場合、フレーム板５の位置を固定するものがな
いため、フレーム板５が位置ずれを起こしやすく、フレ
ーム板５が位置ずれを起こした場合にはパンチ穴７ａと
ビア９が重ならなくなり、このためパンチ穴７ｂには真
空ポンプ３からの吸引力が作用しなくなったり、また作
用するとしても弱い力であるので、パンチ穴７ｂに入り
込んだペースト１６の殆どがグリーンシート６に塗着さ
れた後ビア９に吸引されずにそのままグリーンシート６
上に残ってビア９を埋めることができず、この後グリー
ンシート６及びこのグリーンシート６に塗着されたペー
スト１６にさらにペースト１７を塗着してライン印刷を
行い、このグリーンシート６を他のグリーンシートに積
層して基板を作製した場合に、このグリーンシート６の
ビア９と他のグリーンシートのビアとの間にすき間が生
じてこのグリーンシート６と他のグリーンシートとが電
気的に接続されず、断線が生じることがあった。

【０００６】本発明は上記課題に鑑み、ビア印刷工程中
に、グリーンシートに設けられたビアにペーストが十分
埋め込まれないことに起因して発生する基板の断線を低
減できるグリーンシートの印刷方法及びビア印刷装置の
実現を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、第１の手段として、ペーストをビアの両開
口部からビア内に塗着するものとした。また第２の手段
として、ビア印刷装置の配置部にプレート嵌合用の第１
の凹部とグリーンシート嵌合用の第２の凹部とを設け
た。

【０００８】

【作用】上記した構成により、ビア印刷とライン印刷は
グリーンシートの異なる面に行われ、ビア印刷の行われ
ない面にライン印刷が行われる。

【０００９】

【実施例】本発明の第１の実施例について図１〜図４、
図９及び図１０を参照しながら説明する。尚、従来例と
同じものには同一符号を用い、その説明を省略する。

【００１０】本実施例のビア印刷装置は、従来と同じよ
うにＡ，Ｂ方向への移動が自在な配置部１に中空の連結
部２が配され、この連結部２に吸引部である真空ポンプ
３が連結された構成を主としており、配置部１上にはプ
レート４及びプレート４と同じ高さのフレーム板５が載
せられ、さらにその上方には金属板１０、インク返し１
１及びスキージ１２が配されているものである。フレー
ム板５にはグリーンシート６が圧着されている。プレー
ト４にはパンチ穴７ａが、グリーンシート６には開口部
８ａ，８ｂを有するビア９がそれぞれ配されており、パ
ンチ穴７ａ及びビア９は配置パターンを同じにして、か
つ互いに重なり合っている。金属板１０はパンチ穴７
ａ、ビア９と同パターンのパンチ穴７ｂを有し連結部材
１３を介して金属板支持部１４に連結され（図４のＣ
部、図８参照）、またインク返し１１及びスキージ１２
と共に配置部１の下方にある制御部１５と電気接続され
ている。本実施例でのビア印刷装置が従来のそれと異な
るところは、プレート４を表裏逆にして（つまり、表裏
をひっくり返して）配置部１に載せ、さらにプレート４
上に、フレーム板５をグリーンシート６の上にして、フ
レーム板５及びグリーンシート６を載せ、パンチ穴７ａ
とビア９とを互いに重ね合わせた点である（図１参
照）。尚、グリーンシート６は表側がプレート４と接触
し、裏側はプレート４とは非接触状態にあるものとす
る。

【００１１】以下、上記構成における動作を説明する。
配置部１が制御部１５上に位置している状態で金属板１
０にペースト１６を載せて電源を入力すると、インク返
し１１が下降して金属板１０に接触し、その後インク返
し１１が金属板１０上をＢ方向に滑動してペースト１６
が金属板１０上に広げられる（図９参照。インク返し１
１は図９（ａ）の状態から図９（ｂ），図９（ｃ）の状
態へと移行する）。その後、インク返し１１が下降前の
高さまで上昇すると共に配置部１がＢ方向に移動し、配
置部１はグリーンシート６に設けられたビア９が金属板
１０に設けられたパンチ穴７ｂに達したときに停止す
る。配置部１が停止すると、金属板１０が下降してフレ
ーム板５に接触し、次いでスキージ１２が下降して金属
板１０に接触し、その後真空ポンプ３が作動を開始し、
スキージ１２が金属板９上をＡ方向に滑動する（図１０
参照。スキージ１１は図１０（ａ）の状態から図１０
（ｂ），図１０（ｃ）の状態へと移行する）。この際、
パンチ穴７ｂ及びビア９には真空ポンプ３からの吸引力
が作用しており、パンチ穴７ｂに入ったペースト１６は
パンチ穴７ｂを通過後開口部８ａからビア９に入り込
む。これによりビア印刷が終了し、この後開口部８ｂ側
（つまり、表側）からグリーンシート６及びビア９にペ
ースト１７を塗布し、同面にライン印刷を行う。

【００１２】このように本発明の第１の実施例によれ
ば、プレート４を表裏逆にして配置部１に載せ、さらに
プレート４上に、フレーム板５をグリーンシート６の上
にして、フレーム板５及びグリーンシート６を載せてパ
ンチ穴７ａとビア８とを互いに重ね合わせた状態で開口
部８ａからビア９にペースト１６を塗着してビア印刷を
行い、その後開口部８ｂ側からグリーンシート６及びビ
ア９にペースト１６を塗布してライン印刷を行うので、
ビア印刷工程中にプレート４又はグリーンシート６が多
少位置ずれを起こした場合でも、ライン印刷を行う段階
ではビア９はペーストで満たされることになり（図２参
照）、ビア印刷工程におけるパンチ穴７ａのペーストの
埋め込みが不十分であることに起因する断線の発生を低
減できるものとなる。

【００１３】本発明の第２の実施例について図３を参照
しながら説明する。本実施例では、配置部１の上部に第
１の凹部１８及び第２の凹部１９を設け、第１の凹部１
８にプレート４を、第２の凹部１９にグリーンシート６
を嵌合した上でビア印刷を行うものとした。

【００１４】これにより、ビア印刷工程でプレート４及
びグリーンシート６の位置ずれが生じにくくなるので、
パンチ穴７ａ、ビア９が塞がれにくくなり、第１の実施
例で得られる効果の他にビア９へのペースト１６の埋め
込みが確実になるという効果が得られる。

【００１５】尚、第１及び第２の実施例において、吸引
部として真空ポンプ３を用いたが、これに限定する必要
はなく、エアーポンプ等を用いてもよい。

【００１６】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のグリーンシートの印刷方法及びビア印刷装置によれ
ば、グリーンシートの一方の開口部からビア内にペース
トを塗着してビア印刷を行った後ビアの他方の開口部か
らビア内にペーストを塗着し、他方の開口部側のグリー
ンシートの面にライン印刷を行うものとしたので、ビア
の両開口部からビア内にペーストが塗着されるものとな
り、ビア印刷を行う段階でプレート又はグリーンシート
が多少位置ずれを起こした場合でも、ライン印刷を行う
段階でグリーンシートに設けられたビアはペーストで満
たされ、グリーンシートを積層して基板を作製した場合
に、ビア印刷工程でのビアへのペーストの埋め込みが不
十分であることに起因する断線の発生を低減することが
できるものとなる。

【００１７】また、配置部に第１，第２の凹部を設け、
第１の凹部にプレートを、第２の凹部にグリーンシート
をそれぞれ嵌合させた場合には、プレート及びグリーン
シートの位置ずれが生じにくくなり、プレートに設けら
れたパンチ穴及びグリーンシートに設けられたビアが塞
がれにくくなり、ビアへのペーストの埋め込みの確実性
が向上するものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例におけるビア印刷装置の
要部切断部端面図

【図２】同実施例においてビア印刷の終了後にペースト
を塗着したときのグリーンシートの部分断面図

【図３】本発明の第２の実施例におけるビア印刷装置の
要部切断部端面図

【図４】ビア印刷装置の正面図

【図５】従来のビア印刷装置の要部切断部端面図

【図６】（ａ）はグリーンシートを熱圧着したフレーム
板の平面図 （ｂ）は同底面図

【図７】金属板の断面図

【図８】図４におけるＣ部の断面図

【図９】インク返しを金属板に滑動させる場合の部分断
面図

【図１０】スキージを金属板に滑動させる場合の部分断
面図

【図１１】従来においてビア印刷の終了後にペーストを
塗着したときのグリーンシートの部分断面図

【図１２】ライン印刷を行ったグリーンシートの平面図

【符号の説明】

１ 配置部 ２ 連結部 ３ 真空ポンプ ４ プレート ６ グリーンシート ８ａ，８ｂ 開口部 ９ ビア １６，１７ ペースト １８ 第１の凹部 １９ 第２の凹部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】グリーンシートに設けられたビアの一方の
   開口部から前記ビア内にペーストを塗着し、前記ビアの
   他方の開口部から前記ビア内にペーストを塗着し、前記
   グリーンシートの前記他方の開口部側の面にライン印刷
   を行うことを特徴とするグリーンシートの印刷方法。
2. 【請求項２】プレートが嵌合する第１の凹部と、前記第
   １の凹部の上方に設けられグリーンシートが嵌合する第
   ２の凹部と、前記第１の凹部及び前記第２の凹部に通じ
   る連結部とを配した配置部と、前記連結部に連結される
   吸引部とを備えたビア印刷装置。