JPH0677594U - 車両用シートのヘッドレスト装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヘッドレストの使用状態と格納状態との間の
相互の変換を遠隔操作可能とする。 【構成】 ヘッドレストＨを第１及び第２ブロック体１
０、２０ならびに第３及び第４ブロック体３０、４０に
て構成して、第１、第２ブロック体及び第３、第４ブロ
ック体をそれぞれ互いに回動可能に上下に連接して第
３、第４ブロック体を第１、第２ブロック体に対向して
位置させ、第１ブロック体と第３ブロック体のそれぞれ
の上端部を上部ベース６０を介して互いに回動可能に連
接し、また第２ブロック体と第４ブロック体のそれぞれ
の下端部を下部ベース７０を介して互いに回動可能に連
接し、下部ベースにはリードスクリュ９０の下部を支承
する超音波モータ８０を備え、超音波モータでリードス
クリュを昇降させることによりヘッドレストを使用状態
とし、また格納状態とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は車両用シートのヘッドレスト装置に関し、特にヘッドレストの使用状 態と格納状態との間の相互の変換が遠隔操作可能なヘッドレスト装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ヘッドレストにシートバックに対する倒伏機能を持たせたヘッドレスト装置は 、車両のフロントシートまたはリヤシートのシートバックに装備され、リヤシー トまたはフロントシートの着座者の前方、後方、側方等の広い視野を確保するも ので、その一例が実開昭61-158247号公報に示されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、従来のこの種のヘッドレスト装置にあっては、ヘッドレストを前方 または後方に倒伏させるのを手動操作に依存している。したがって、例えば運転 者がリヤシートのヘッドレストを倒伏させようとするような場合には手間がかか って極めて面倒である。本考案はこのような問題を解決するために、ヘッドレス トの使用状態と格納状態との間の変換を遠隔で操作可能なヘッドレスト装置を提 供することを目的とする。また、前記従来例においては、ヘッドレストのブロッ ク体を前倒しした状態では、車両の走行時に振動して騒音が発生し、またシート バックの前面に接触してこれを傷つけるという欠点があったが、本考案のヘッド レスト装置はこのような問題の解決も目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案はシートバックの頂部に組み付けられて着座者の頭部後側を支承するヘ ッドレストを備えた車両用シートのヘッドレスト装置に関するもので、当該ヘッ ドレスト装置は、ヘッドレストを１対の第１ブロック体、第２ブロック体及び１ 対の第３ブロック体、第４ブロック体にて構成して、前記第１ブロック体と第２ ブロック体を水平方向の軸の周りに互いに回動可能に上下に連接し、また前記第 ３ブロック体と第４ブロック体を水平方向の軸の周りに互いに回動可能に上下に 連接して前記第１ブロック体、第２ブロック体に対向して位置させ、前記第１ブ ロック体の上端部と前記第３ブロック体の上端部を上部ベースを介して水平方向 の軸の周りに互いに回動可能に連接し、また前記第２ブロック体の下端部と前記 第４ブロック体の下端部を下部ベースを介して水平方向の軸の周りに互いに回動 可能に連接し、前記下部ベースには上下方向に組み付けられたリードスクリュの 下部をこれと螺合するナットを介して支承する駆動手段を備え、前記上部ベース には前記リードスクリュの上端部を軸支する軸受け手段を備えてなり、前記駆動 手段により前記ナットを回転させ前記リードスクリュを上昇させることによって 、前記第１及び第２ブロック体ならびに前記第３及び第４ブロック体をそれぞれ 上下に展開、起立させて使用状態とし、また前記駆動手段により前記ナットを逆 方向に回転させ前記リードスクリュを下降させることによって、前記第１及び第 ２ブロック体ならびに前記第３及び第４ブロック体をそれぞれ水平方向に重合さ せて格納状態とすることを特徴とするものである。

【０００５】

【考案の作用・効果】

上記の構成を有するヘッドレスト装置においては、駆動手段を作動させること によって、リードスクリュを昇降させ、これと連動する第１、第２ブロック体及 び第３、第４ブロック体を上下に展開、起立させて使用状態とし、また第１、第 ２ブロック体及び第３、第４ブロック体をそれぞれ水平方向に重合させて格納状 態とする。したがって、車両内の着座者は着座したまま駆動手段を遠隔操作によ り作動させることによって、極めて容易にヘッドレストを使用状態にすることも 、またこれを格納状態にすることもできる。

【０００６】 また、本考案によるヘッドレスト装置においては、使用状態でも格納状態でも シートバックの前面に接触しないので、これを傷つけることがなく、振動による 騒音の発生もない。

【０００７】

【実施例】 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。本考案によるヘッドレスト装 置のヘッドレストＨは、図１ないし図３に示すように、それぞれ１対をなして上 下に組み付けられた第１ブロック体１０と第２ブロック体２０及び第３ブロック 体３０と第４ブロック体４０によって構成されており、かつ第１、第２ブロック 体と第３、第４ブロック体とは互いに対向して位置している。第１ブロック体１ ０と第２ブロック体２０とは、それぞれ対をなすねじ１１、２１及び第１リンク ５１を介して横方向の両端部で連接され、上下に展開、起立させた使用状態と水 平方向に重合させた格納状態との間をそれぞれねじ１１、２１の周りに回動可能 となっている。同様に、第３ブロック体３０と第４ブロック体４０とは、それぞ れ対をなすねじ３１、４１及び第２リンク５２を介して横方向の両端部で連接さ れ、上下に展開、起立させた使用状態と水平方向に重合させた格納状態との間を それぞれねじ３１、４１の周りに回動可能となっている。

【０００８】 また、第１ブロック体１０の上端部と第３ブロック体３０の上端部とは、それ ぞれ対をなすねじ１２、３２及び上部ベース６０に固定した第３リンク５３を介 して横方向の両端部で連接され、上下に起立、並立させた使用状態と図１におい て左右の水平方向に展開させた格納状態との間をそれぞれねじ１２、３２の周り に回動可能となっている。同様に、第２ブロック体２０の下端部と第４ブロック 体４０の下端部とは、それぞれ対をなすねじ２２、４２及び下部ベース７０に固 定した第４リンク５４を介して横方向の両端部で連接され、上下に起立、並立さ せた使用状態と図１において左右の水平方向に展開させた格納状態との間をそれ ぞれねじ２２、４２の周りに回動可能となっている。

【０００９】 下部ベース７０の上面には１対の超音波モータ８０が図１において前後の方向 に並んで固定され、また下部ベースの下面には中空の１対のステー７１が上下方 向に固定され、その下端部は図６に示すシートバックＳの頂部に上下に調整可能 に取り付けられている。超音波モータ８０は、ステー７１に挿通された導線、コ ネクタ８１を介して電源に接続され、車両内の着座者が着座したままでモータを 遠隔操作により作動させることができるようになっている。１対のリードスクリ ュ９０が、超音波モータ８０の中心部に設けられた図４に示すナット８２と螺合 して上下方向に組み付けられ、下部ベース７０を挿通して下方に延び、各ステー ７１の中空部に収容されている。また、上部ベース６０には図５に示す１対の軸 受け６１が一体的に固定され、各リードスクリュ９０の上端部を軸支している。 かくして、リードスクリュ９０は、超音波モータ８０を作動させナット８２を回 転させることによって上下に昇降可能となっている。

【００１０】 次に本考案のヘッドレスト装置の作用について説明する。図６（ａ）に示す使 用状態にあるヘッドレスト装置の超音波モータ８０に遠隔操作により通電してナ ット８２を一方向に回転（正回転）させると、リードスクリュ９０が下降して軸 受け６１、上部ベース６０、第３リンク５３、ねじ１２、３２を介して第１、第 ３ブロック体１０、３０を下方に引っ張り、第１、第２ブロック体１０、２０及 び第３、第４ブロック体３０、４０をそれぞれ水平方向に重合させて図６（ｂ） に示す格納状態として、着座者の視野を広げる作用をする。逆に図６（ｂ）に示 す格納状態から図６（ａ）に示す使用状態にするためには、超音波モータ８０の ナット８２を前記と逆方向に回転（逆回転）させればよく、これによりリードス クリュ９０が上昇し第１、第３ブロック体１０、３０を上方に引っ張って、第１ 、第２ブロック体１０、２０及び第３、第４ブロック体３０、４０はそれぞれ上 方に展開、起立した状態となる。

【００１１】 以上の実施例においては、リードスクリュ９０の駆動手段として超音波モータ ８０を使用したが、これと同様な機能を有するその他の駆動手段も使用すること ができる。

【００１２】 上記の説明で明らかなとおり、本考案によるヘッドレスト装置によれば、車両 内の着座者が着座したままで、駆動装置を遠隔操作によって作動させることによ って、ヘッドレストを使用状態から格納状態に、または逆に格納状態から使用状 態に容易に変換することができる。また、使用状態においても格納状態において もシートバックの前面に接触しないので、これを傷つけることがなく、振動によ る騒音発生のおそれもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例に係るヘッドレスト装置の
ヘッドレストの使用状態と格納状態との間の移行状態に
おける縦断面図である。

【図２】 同ヘッドレストの使用状態における縦断面図
である。

【図３】 同ヘッドレストの分解斜視図である。

【図４】 同ヘッドレストの超音波モータの斜視図であ
る。

【図５】 同ヘッドレストのリードスクリュの軸受けへ
の取り付けを示す斜視図である。

【図６】 同ヘッドレストの使用状態と格納状態を示す
斜視図である。

【符号の説明】

Ｈ ヘッドレスト Ｓ シートバック １０ 第１ブロック体 ２０ 第２ブロック体 ３０ 第３ブロック体 ４０ 第４ブロック体 ６０ 上部ベース ６１ 軸受け（軸受け手段） ７０ 下部ベース ８０ 超音波モータ（駆動手段） ８２ ナット ９０ リードスクリュ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シートバックの頂部に組み付けられて着
   座者の頭部後側を支承するヘッドレストを備えた車両用
   シートのヘッドレスト装置において、前記ヘッドレスト
   を１対の第１ブロック体、第２ブロック体及び１対の第
   ３ブロック体、第４ブロック体にて構成して、前記第１
   ブロック体と第２ブロック体を水平方向の軸の周りに互
   いに回動可能に上下に連接し、また前記第３ブロック体
   と第４ブロック体を水平方向の軸の周りに互いに回動可
   能に上下に連接して前記第１ブロック体、第２ブロック
   体に対向して位置させ、前記第１ブロック体の上端部と
   前記第３ブロック体の上端部を上部ベースを介して水平
   方向の軸の周りに互いに回動可能に連接し、また前記第
   ２ブロック体の下端部と前記第４ブロック体の下端部を
   下部ベースを介して水平方向の軸の周りに互いに回動可
   能に連接し、前記下部ベースには上下方向に組み付けら
   れたリードスクリュの下部をこれと螺合するナットを介
   して支承する駆動手段を備え、前記上部ベースには前記
   リードスクリュの上端部を軸支する軸受け手段を備えて
   なり、前記駆動手段により前記ナットを回転させ前記リ
   ードスクリュを上昇させることによって、前記第１及び
   第２ブロック体ならびに前記第３及び第４ブロック体を
   それぞれ上下に展開、起立させて使用状態とし、また前
   記駆動手段により前記ナットを逆方向に回転させ前記リ
   ードスクリュを下降させることによって、前記第１及び
   第２ブロック体ならびに前記第３及び第４ブロック体を
   それぞれ水平方向に重合させて格納状態とすることを特
   徴とする車両用シートのヘッドレスト装置。