JPH0677388A - 多リード線付き電子部品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】プリント基板の取付け孔に嵌まる多数本のリー
ド線を備えた電子部品を、自動装着装置にてプリント基
板に装着するにおいて、装着不良を防止する。 【構成】多数本のリード線２のうち中央部に位置した適
宜本数をガイド用リード線２ａに形成し、他のリード線
２ｂ，２ｃ，２ｄを、ガイド用リード線２ａから遠ざか
るに従って長さが短くなるように形成する。電子部品１
がプリント基板Ａに対して傾いた姿勢の場合、ガイド用
リード線２ａ以外の他のリード線２ｂ・・が、ガイド用
リード線２ａに近いものから順に取付け孔Ａ１に嵌まる
ため、電子部品１は、その傾き角度θが小さくなるよう
に姿勢が修正されて行き、その結果、全てのリード線２
を取付け孔Ａ１に挿入することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、多数本のリード線を列
状に突設し、これら各リード線をプリント基板の取付け
孔に挿入して、プリント基板の裏面に各リード線を半田
付けするように構成した多リード線付きの電子部品に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】プリント基板の取付け孔に嵌まる多数本
のリード線を備えたＩＣ等の電子部品において、図１２
に示すように、多数本のリード線１２のうち当該リード
線１２の列の中央部に位置した複数本を、他のリード線
１２ｂよりも長さの長いガイド用リード線１２ａに構成
し、たのガイド用リード線１２ａを挟んで両側に位置し
た複数本ずつのリード線１２ｂを、同じ長さに切り揃え
ると共に先端を先窄まりに尖り形成することにより、プ
リント基板Ａに自動的に装着できるようにした電子部品
１１がある。

【０００３】すなわちこの電子部品１１は、ガイド用リ
ード線１２ａの先端を、２枚の粘着テープをその粘着面
が密着するように重ねて成る帯状のキャリアテープＢに
て挟み固定することにより、自動装着装置のクランプ装
置Ｃへの移送を正確且つ容易に行えるようにし、また、
図１３に示すように、クランプ装置Ｃにて掴持した状態
で、ガイド用リード線１２ａの先端をキャリアテープＢ
から切り離したのち、各リード線１２がプリント基板Ａ
の取付け孔Ａ１に向かうような姿勢にして、電子部品１
１をプリント基板Ａに向けて移動させるようにしたもの
である。

【０００４】そして、プリント基板Ａの裏側のうち各ガ
イド用リード線１２ａに対応した部位に、先端を凹み形
成したガイドピンＤを配置し、ガイドピンＤをプリント
基板Ａの取付け孔Ａ１に貫通して、ガイドピンＤの先端
にガイド用リード線１２ａの先端を係合した状態で、ガ
イドピンＤとクランプ装置Ｃとを同時に移動させること
により、ガイド用リード線１２ａをプリント基板Ａの取
付け孔Ａ１に確実に挿入し、更に、他の各リード線１２
ｂの先端を先窄まりに形成したことによるガイド作用に
て、電子部品１１の姿勢がプリント基板Ａに対して傾い
ていても、他の各リード線１２ｂを取付け孔Ａ１に挿入
できるようにしたものであった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のよう
に、ガイド用リード線１２ａ以外の他の各リード線１２
ｂを同じ長さに切り揃えていると、電子部品１１が傾い
た状態になった場合、図１４に示すように、他のリード
線１２ｂのうち最端部のリード線１２ｂが最初にプリン
ト基板Ａに接当することになるため、これら他のリード
線１２ｂの先端を先窄まりに形成しても、ガイド用リー
ド線１２ａ以外の他のリード線１２がプリント基板Ａの
取付け孔Ａ１に挿入不能になる場合があると言う問題が
あった。

【０００６】つまり、電子部品１１がプリント基板Ａに
対して傾くと、プリント基板Ａの表面に沿ってのガイド
用リード線１２ａと他のリード線１２ｂとの間隔寸法Ｌ
１が、ガイド用リード線１２ａに対する取付け孔Ａ１と
他のリード線１２ｂに対する取付け孔１２との間隔寸法
Ｌ２よりも大きくなることにより、他のリード線１２ｂ
はプリント基板Ａの取付け孔Ａ１に対して偏位すること
となり、その場合、取付け孔Ａ１に対する他のリード線
１２ｂの偏位量は、ガイド用リード線１２ａから遠ざか
るに従って大きくなるため、図１５に示すように、最端
部に位置したリード線１２ｂの先端がプリント基板Ａの
表面に接当してしまい、その結果、ガイド用リード線１
２ａ以外の他のリード線１２ｂを取付け孔Ａ１に挿入で
きず、装着不良が生じるのであった。

【０００７】この電子部品１１の装着不良の問題は、リ
ード線１２の本数が多くなるほど、換言すると、電子部
品１１が大型化するほど顕著に現れていた。本発明は、
この問題を解消した多リード線付き電子部品を提供する
ことを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は、プリント基板の取付け孔に挿入するための多
数本のリード線を列状に並べた状態で突設して成る電子
部品において、前記多数本のリード線のうち当該リード
線の列の中央部に位置した適宜本数を、他のリード線よ
りも長い長さのガイド用リード線に形成し、このガイド
用リード線を挟んだ両側に位置した複数本ずつのリード
線を、ガイド用リード線から離れるに従って長さが順次
短くなるように形成し、更に、少なくとも前記ガイド用
リード線以外の他のリード線の先端を先窄まりに形成す
る構成にした。

【０００９】

【発明の作用】このように構成すると、自動装着装置に
おけるクランプ装置にて電子部品を掴持し、電子部品
を、リード線を先にした状態でプリント基板に向けて移
動すると言う自動装着工程において、先ず、各リード線
のうちガイド用リード線が最初にプリント基板に嵌ま
り、次いで、ガイド用リード線の両側に位置した他のリ
ード線は、ガイド用リード線に近いものから順にプリン
ト基板の取付け孔に嵌まることになる。

【００１０】そして、電子部品がプリント基板に対して
傾いている場合、ガイド用リード線とこれに隣接したリ
ード線との間隔が短いことにより、ガイド用リード線に
隣接したリード線がプリント基板の取付け孔に対してず
れる偏位量も極く僅かであるため、電子部品がプリント
基板に対して傾いた姿勢であっても、ガイド用リード線
に隣接したリード線は、その先端を先窄まりに形成した
ことによるガイド作用にて、プリント基板の取付け孔に
確実に嵌まることになる。

【００１１】そして、ガイド用リード線に隣接したリー
ド線がプリント基板の取付け孔に嵌まると、プリント基
板に対する電子部品の接近動に連れて、ガイド用リード
線に隣接したリード線がプリント基板における取付け孔
の内面に接当することによるガイド作用にて、電子部品
は、その傾きの角度が小さくなるように姿勢が矯正され
る。

【００１２】すると、ガイド用リード線に２番目に近い
リード線はプリント基板の取付け孔に嵌まり易くなり、
ガイド用リード線に２番目に近いリード線がプリント基
板の取付け孔に嵌まると、更に、電子部品の傾きの角度
が小さくなると言うように、ガイド用リード線以外の他
のリード線が、ガイド用リード線に近いリード線から順
にプリント基板の取付け孔に順に嵌まって行きつつ、電
子部品の姿勢が順次矯正されていくことになる。

【００１３】

【発明の効果】このように本発明によると、電子部品を
プリント基板に自動的に装着するにおいて、電子部品が
プリント基板の表面に対して傾いた姿勢であっても、電
子部品をプリント基板に接近動させることにより、電子
部品の姿勢を自動的に矯正することができるから、多リ
ード線式の電子部品をプリント基板に自動的に装着する
において、その能率を格段に向上できる効果を有する。

【００１４】

【実施例】次に、本発明の実施例を図面（図１〜図９）
に基づいて説明する。図において符号１で示す電子部品
は、その下面に多数本（９本）のリード線２を一列に並
べた状態で突出しており、これらリード線２のうち当該
リード線２の列の中央部に位置した３本を、他のリード
線２よりも長さの長いガイド用リード線２ａに形成し、
これら３本のガイド用リード線２ａの先端を、キャリア
テープＢに挟み固定することにより、多数個の電子部品
１を一定間隔で移送するようにしている。

【００１５】そして、リード線２のうちガイド用リード
線２ａを除く他のリード線２の長さを、ガイド用リード
線２ａに隣接した第１リード線２ｂが最も長く、ガイド
用リード線２ａに次に近い第２リード線２ｃが次に長
く、ガイド用リード線２ａから最も遠い第３リード線２
ｄが最も短かくなるように形成し、つまり、電子部品１
の正面視で、リード線２の列が左右対称の山形になるよ
うに形成し、且つ、前記第１〜第３リード線２ｂ，２
ｃ，２ｄの先端を先窄まりに尖り形成する。

【００１６】この電子部品１をプリント基板Ａに装着す
る手順は前記先行技術の場合と同じであり、先ず図２に
示すように、電子部品１をクランプ装置Ｃにて掴持し、
その状態で、ガイド用リード線２ａの先端をカッター
（図示せず）にてキャリアテープＢから切り離し、次い
で、図３に示すように、電子部品１を、各リード線２が
プリント基板Ａの取付け孔Ａ１に向くようにした姿勢
で、プリント基板Ａに向けて移動し、ガイドピンＤのガ
イド作用にて、ガイド用リード線２ａをプリント基板Ａ
の取付け孔Ａ１に確実に挿入し、次いで、第１リード線
２ｂ，第２リード線２ｃ，第３リード線２ｄの順で、プ
リント基板Ａの取付け孔Ａ１に挿入する。

【００１７】なお、ガイド用リード線２ａの先端も先窄
まりに形成している。また、クランプ装置Ｃは、電子部
品１の姿勢が多少変更可能となるよう、若干の角度だけ
首振り可能に構成されている。この電子部品１の装着工
程において、図４に示すように、ガイド用リード線２ａ
をプリント基板Ａの取付け孔Ａ１に挿入した状態で、電
子部品１がプリント基板Ａの表面に対して傾いた姿勢に
なることがある。

【００１８】その場合、ガイド用リード線２ａ以外の他
のリード線２ｂ，２ｃ，２ｄのうち、ガイド用リード線
２ａに最も近い第１リード線２ｂが最初にプリント基板
Ａに接近する。すると、ガイド用リード線２ａと第１リ
ード線２ｂとの間隔が短いため、プリント基板Ａの表面
に沿ってのガイド用リード線２ａと第１リード線２ｂと
の間隔寸法Ｌ３が、ガイド用リード線２ａに対する取付
け孔Ａ１と第１リード線２ｂに対する取付け孔Ａ１の間
隔寸法Ｌ４よりも僅かに長いに過ぎない、換言すると、
取付け孔Ａ１に対する第１リード線２ｂの偏位量ｅが極
く僅かに過ぎないため、電子部品１が傾いた姿勢であっ
ても、第１リード線２ｂは、その先端が先窄まりである
ことによるガイド作用にて、取付け孔Ａ１に嵌まり込む
ことになる。

【００１９】そして、第１リード線２ｂが取付け孔Ａ１
に嵌まると、プリント基板Ａへの電子部品１の移動に連
れて、図６に示すように、第１リード線２ｂが取付け孔
Ａ１の内面に接当することによるガイド作用にて、電子
部品１は、その傾斜角度θが小さくなるように姿勢が修
正される。すると、取付け孔Ａ１に対する第２リード線
２ｃの偏位量ｅが小さくなるため、第２リード線２ｃ
は、その先端を先窄まりに形成したことによるガイド作
用にて、プリント基板Ａの取付け孔Ａ１に確実に嵌まり
込むことになり、この取付け孔Ａ１への第２リード線２
ｃの嵌まり込みにて、更に電子部品１は傾斜角度θが小
さくなるように姿勢が修正される。

【００２０】このように、第１リード線２ｂ，第２リー
ド線２ｃ，第３リード線２ｄが順次取付け孔Ａ１に嵌ま
って行きつつ、電子部品１の姿勢が順次矯正されて行く
から、全てのリード線２が、プリント基板１の取付け孔
Ａ１に対して自動的に嵌まり込むのである。各リード線
２がプリント基板Ａの取付け孔Ａ１に嵌まった後には、
プリント基板Ａの裏面から大きく突出したリード線２を
適当な長さに切り揃えて（又は切り揃えることなくその
ままの状態で）、各リード線２をプリント基板Ａの裏面
に半田Ｅ付けにて固着する。

【００２１】上記の実施例は、３本のガイド用リード線
２ａを同じ長さに切り揃えた場合であったが、図１０に
示すように、３本のガイド用リード線２ａを、中央に位
置したものが最も長くなるように形成しても良い。ま
た、図１０において、リード線２のうち中央に位置した
もののみをガイドピン２ａにしても良い。また、ガイド
用リード線２ａ以外の他のリード線２ｂ・・・における
先端の先窄まり形状としては、図１１に示すような半円
状であっても良いのである。更に本発明は、リード線を
一列状に突設した電子部品のみでなく、リード線を複数
列設けた電子部品にも適用できることは言うまでもな
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る電子部品をキャリアテープに保持
した状態の斜視図である。

【図２】キャリアテープから切り離した状態の図であ
る。

【図３】プリント基板への装着の手順を示す図である。

【図４】電子部品が傾いた状態の図である。

【図５】作用を示す拡大図である。

【図６】作用を示す図である。

【図７】作用を示す図である。

【図８】リード線の挿入が完了した状態の図である。

【図９】リード線をプリント基板に半田付けした状態の
図である。

【図１０】他の実施例を示す図である。

【図１１】他の実施例を示す図である。

【図１２】従来の電子部品をキャリアテープに保持した
状態の図である。

【図１３】従来の電子部品をプリント基板に取付ける状
態を示す図である。

【図１４】従来技術の問題点を示す図である。

【図１５】図１４の要部拡大図である。

【符号の説明】

１ 電子部品 ２ リード線 ２ａ ガイド用リード線 ２ｂ，２ｃ，２ｄ 他のリード線 Ａ プリント基板 Ａ１ 取付け孔 Ｂ キャリアテープ Ｃ クランプ装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】プリント基板の取付け孔に挿入するための
   多数本のリード線を列状に並べた状態で突設して成る電
   子部品において、前記多数本のリード線のうち当該リー
   ド線の列の中央部に位置した適宜本数を、他のリード線
   よりも長い長さのガイド用リード線に形成し、このガイ
   ド用リード線を挟んだ両側に位置した複数本ずつのリー
   ド線を、ガイド用リード線から離れるに従って長さが順
   次短くなるように形成し、更に、少なくとも前記ガイド
   用リード線以外の他のリード線の先端を先窄まりに形成
   したことを特徴とする多リード線付き電子部品。