JPH0677353B2 - Ｖｔｒ等におけるヘッドドラムの露除去装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、カセットVTR（ビデオテープレコーダ）、D
AT（デジタルオーディオテープレコーダ）等のようにヘ
ッドドラムを備えた機器における該ヘッドドラムの露を
除去する装置に関するものである。

［従来の技術］ 一般に、VTR等のように回転ヘッドを有し、、磁気テー
プをガイドするヘッドドラムを備えたものでは、例えば
冬期にVTRを寒い室外より暖かい室内に持ってくる等の
ようにVTRの温度が急激に変ると、前記ヘッドドラムに
露が付くことが知られている。

従来、この露を除去するものとして第３図に示すものが
知られている。第３図はVTRのヘッドドラム等を示すも
のであり、このヘッドドラム１は、ヘッドチップ２を有
する回転ドラム３と固定ドラム４とにより構成されてい
る。符号５は結露センサーであり、前記固定ドラム４に
取付けられ、該固定ドラムの表面の湿り気により変化す
る電気抵抗により露の付いたことを検出するものであ
る。符号６はヒーターであり、前記固定ドラム４に取付
けられ、前記結露センサー５により露の付着が検出され
たときに自動的に加熱用の電流が流れ、ヘッドドラム１
の露が除去されるようになっている。

ところで、上記のように固定ドラム４に設けたヒーター
６によりヘッドドラム１を加熱して露を除去するもので
は、ヒーター６によって回転ドラム３をも加熱しなけれ
ばならず、このため加熱用の消費電力が多くなるという
欠点があった。この欠点は、電源として電池を使用する
ポータブル機器において顕著となる。

この欠点を除去するために、前記ヘッドドラム１の近傍
に送風手段と、該送風手段により送られる風を加熱する
加熱手段とを設け、該加熱手段により加熱された温風を
ヘッドドラム１に吹きつけることも考えられる。

しかし、このように温風を吹きつけるには、送風手段及
び加熱手段をヘッドドラム１の近傍に設置する空間が必
要である。このような空間を設けると、機器が大型化す
るので、特にポータブル機器の場合には好ましくない。

このような欠点を除去し、少ない消費電力でしかも機器
を大型化することなく前記ヘッドドラムの露を除去する
ことができるVTR等におけるヘッドドラムの露除去装置
として、カセットVTR等のカセット装填部に装填可能な
外形を有し、かつ前記装填部に装填された状態での前記
VTR等のヘッドドラムに向かう側が開口された筐体と、
該筐体に内蔵された送風手段と加熱手段とを備え、該送
風手段から送られて加熱手段により加熱された温風が装
填状態にある前記筐体の前記した開口を通って前記ヘッ
ドドラムに吹きつけられるようにしたものも考えられ
る。

しかし、このようなものでは、前記の筐体をカセットVT
R等に装填する操作の外に、前記送風手段や加熱手段に
電源電流を供給するスイッチを操作しなければならな
い。

［発明が解決しようとする課題］ 前記のように、送風手段と加熱手段とを備え、該送風手
段から送られて前記加熱手段により加熱された温風がヘ
ッドドラムに吹き付けられるようにしたものでは、前記
したように、前記の筐体をカセットVTR等に装填する操
作の外に、前記送風手段や加熱手段に電源電流を供給す
るスイッチを操作しなければならない、という課題があ
る。

この発明は、前記の課題を解決し、前記の筐体をカセッ
トVTR等に装填する操作のみで、自動的に前記送風手段
や加熱手段に電源電流を供給するスイッチが操作される
ようにしたVTR等におけるヘッドドラムの露除去装置を
提供することを目的とするものである。

［課題を解決するための手段］ 上記の課題を解決するために、請求項１に記載のVTR等
におけるヘッドドラムの露除去装置では、 カセットVTR等のカセット装填部に装填可能な外形を有
し、かつ前記装填部に装填された状態での前記VTR等の
ヘッドドラムに向かう側が開口された筐体と、該筐体に
内蔵された送風手段と加熱手段とを備え、該送風手段か
ら送られて加熱手段により加熱された温風が装填状態に
ある前記筐体の前記した開口を通って前記ヘッドドラム
に吹きつけられるようにしたものにおいて、 前記筐体には前記送風手段及び加熱手段の電源を内蔵
し、かつ該筐体に前記カセットVTR等のリール軸が挿入
された時に前記の電源から前記の送風手段及び加熱手段
に電源電流を供給する電源スイッチを設けたことを特徴
とするものである。

また、請求項２に記載のVTR等におけるヘッドドラムの
露除去装置では、 カセットVTR等のカセット装填部に装填可能な外形を有
し、かつ前記装填部に装填された状態での前記VTR等の
ヘッドドラムに向かう側が開口された筐体と、該筐体に
内蔵された送風手段と加熱手段とを備え、該送風手段か
ら送られて加熱手段により加熱された温風が装填状態に
ある前記筐体の前記した開口を通って前記ヘッドドラム
に吹きつけられるようにしたものにおいて、 前記筐体には前記送風手段及び加熱手段の電源を内蔵
し、かつ該筐体が周知のカセットホルダーにホールドさ
れた時に該カセットホルダーによって押圧される可動突
起を前記筐体に設け、該突起が押圧された時に前記の電
源から前記の送風手段及び加熱手段に電源電流を供給す
る電源スイッチを設けたことを特徴とするものである。

［作用］ 上記請求項１のように構成されたVTR等におけるヘッド
ドラムの露除去装置では、前記VTR等のカセット装填部
にこの露除去装置を装填することにより、該露除去装置
の筐体に前記VTRのリール軸が挿入されて電源スイッチ
がオンになる。この電源スイッチのオンにより前記送風
手段と加熱手段に電源電流が供給されて該加熱手段によ
り加熱された送風手段からの温風が前記筐体の開口を通
ってVTR等のヘッドドラムに吹きつけられ、該ヘッドド
ラムの露が除去される。

また、請求項２のように構成されたVTR等におけるヘッ
ドドラムの露除去装置では、前記筐体をカセットホルダ
ーにホールドすることにより、前記可動突起が押圧され
て電源スイッチが操作され、該スイッチを介して電源電
流が送風手段及び加熱手段に供給される。この状態で、
送風手段及び加熱手段が動作を開始し、そして、前記筐
体が周知のようにVTR等のカセット装填部に装填された
状態では十分に動作状態となった送風手段からの風が加
熱手段により十分に加熱されてヘッドドラムに吹き付け
られる。

従って、請求項２のものでは、前記請求項１のものより
も、前記筐体をVTR等に挿入してから送風手段及び加熱
手段が動作するのが早くなり、ヘッドドラムの露除去も
早くなる。

［実施例］ 以下に、この発明の一実施例を図について説明する。第
１図は露除去装置の構成の概略を示すものであり、第２
図はこの露除去装置をカメラー体型VTRに装填した状態
を示すものである。第２図において符号７は周知のカメ
ラー体型VTRであり、レンズ８、マイク９、ファインダ
ー10等を有する。このVTR7の筐体の一部は切り欠いて示
してあり、内蔵されたヘッドドラムの回転ドラム11及び
テープガイド12、13の一部が見えている。14はこの発明
の露除去装置の筐体を示すものであり、VTR7の周知のカ
セット装填部に装填された状態が示されている。

この筐体14はこのVTR7に用いるカセットの筐体（図示せ
ず）と実質上同一の形状をしている。この筐体14は第１
図に鎖線で示すように、VTRへの装填時に図示していな
いリール軸が嵌合される孔15、16と、VTRに装填された
時にヘッドドラム（回転ドラム11）に向かう側に設けら
れた開口部17と、これとは反対側に設けられた開口部18
とを有し、前記の開口部17から開口部18にいたる空気の
通路19が形成されている。この通路19内の開口部17の近
傍には電熱線よりなるヒーター（加熱手段）20が設置さ
れ、開口部18の近傍にはファン21を有するモーター（送
風手段）22が設置されている。23、24は前記ヒーター20
及びモーター22の電源となる電池であり、前記筐体14に
収納されている。符号25は筐体14に取付けられたマイク
ロスイッチであり、該スイッチは前記電池23、24からヒ
ーター20及びモーター22へ電源電流を供給する電源スイ
ッチとなるものである。このスイッチ25は板バネよりな
る操作子26を有し、該操作子は前記の孔15の一部に至っ
ている。

上記のように構成された露除去装置を使用する場合につ
いて説明する。この露除去装置を前記VTRの前記したカ
セット装填部に、周知のカセットを装填するのと同様に
装填すると、このVTRのリール軸が筐体14の孔15、16に
挿入される。このリール軸の孔15への挿入により前記操
作子26は押圧され、前記スイッチ25がオンになる。この
スイッチ25がオンになることにより、電池23、24からは
前記ヒーター20とモーター22にその電源電流が供給され
る。これによりヒーター20が加熱され、モーター22が回
転される。このモーター22の回転により駆動されたファ
ン21によって前記開口部18から開口部17に向かって矢印
方向に風か送られ、この風は前記ヒーター20によって加
熱されて温風となる。この温風は前記開口部17からヘッ
ドドラムに向かって吹きつけられ、これにより該ヘッド
ドラムの露が除去される。

この露が除去された後、前記カセット装填部から露除去
装置を周知のカセットの場合と同様にして取り出すこと
により、前記筐体14の孔15からはリール軸が外れ、これ
により操作子26へのリール軸による押圧が解け、スイッ
チ25がオフになって電池23、24からのヒーター20及びモ
ーター22への電源電流が遮断される。

尚、上記実施例では、カメラー体型VTRに関してその露
を除去するものについて説明したが、これに限らず、据
置型VTRやDATについても実施できる。

また、上記実施例では、リール軸が孔15に挿入されたこ
とを検出して筐体14が装填されたことを検出し、これに
より電源電流を供給するようにしたが、これに限らず、
筐体14が周知のカセットホルダーにホールドされた時に
該カセットホルダーによって押圧される可動突起を前記
筐体14に設け、該突起が押圧された時に電源スイッチを
オンにするようにしてもよい。

尚、前記実施例の内、前者のように、前記筐体14に前記
カセットVTR等のリール軸が挿入された時に前記電池23,
24からヒーター20及びモーター22へ電源電流を供給する
スイッチ25を設けたものでは、周知のカセットの装填位
置に筐体14が至ったときにヒーター20及びモーター22の
動作が開始される。

これに比較して、後者のように、筐体14が周知のカセッ
トホルダーにホールドされた時に該カセットホルダーに
よって押圧される可動突起を前記筐体14に設け、該突起
が押圧された時に電池からヒーター及びモーターに電源
電流を供給するスイッチを設けたものでは、筐体14が前
記カセットホルダーにホールドされた時点で前記ヒータ
ー及びモーターがその動作を開始するので、前記筐体14
が周知のカセット装填位置（カセットの記録・再生可能
な位置）に至ったときには、前記ヒーター及びモーター
が十分な動作状態になっているので、露除去動作の開始
が早くなり、従って、露除去処理が早くなる。

［発明の効果］ この発明は、請求項１のように、 カセットVTR等のカセット装填部に装填可能な外形を有
し、かつ前記装填部に装填された状態での前記VTR等の
ヘッドドラムに向かう側が開口（開口部17）された筐体
14と、該筐体に内蔵されたファン21等の送風手段とヒー
ター20等の加熱手段とを備え、該送風手段から送られて
加熱手段により加熱された温風が装填状態にある前記筐
体14の前記した開口部17を通って前記ヘッドドラムに吹
きつけられるようにしたものにおいて、 前記筐体14には前記送風手段及び加熱手段の電源（電池
23,24）を内蔵し、かつ該筐体に前記カセットVTR等のリ
ール軸が挿入された時に前記の電源から前記の送風手段
及び加熱手段に電源電流を供給する電源スイッチ25を設
けたから、この露除去装置をVTR等に装填することによ
り、自動的に電源電流が供給され、温風がヘッドドラム
に吹き付けられて露が除去される。

また、この発明は、請求項２のように、 カセットVTR等のカセット装填部に装填可能な外形を有
し、かつ前記装填部に装填された状態での前記VTR等の
ヘッドドラムに向かう側が開口（開口部17）された筐体
14と、該筐体に内蔵されたファン21等の送風手段とヒー
ター20等の加熱手段とを備え、該送風手段から送られて
加熱手段により加熱された温風が装填状態にある前記筐
体14の前記した開口部17を通って前記ヘッドドラムに吹
きつけられるようにしたものにおいて、 前記筐体14には前記送風手段及び加熱手段の電源（電池
23,24）を内蔵し、かつ該筐体が周知のカセットホルダ
ーにホールドされた時に該カセットホルダーによって押
圧される可動突起を前記筐体14に設け、該突起が押圧さ
れた時に前記の電源から前記の送風手段及び加熱手段に
電源電流を供給する電源スイッチを設けたから、筐体14
が前記カセットホルダーにホールドされた時点で前記加
熱手段及び送風手段がその動作を開始するので、前記筐
体14が周知のカセット装填位置（カセットの記録・再生
可能な位置）に至ったときには、前記加熱手段及び送風
手段が十分な動作状態になっているので、前記請求項１
の発明のものよりも露除去動作の開始が早くなり、従っ
て、露除去処理が早くなる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例の概略の構成を示す正面
図、第２図は第１図のものの使用状態を示す一部切り欠
き斜視図、第３図は従来例を示す正面図である。 11:回転ドラム、14:筐体、17:開口部、20:ヒーター、2
1:ファン、22:モーター、23、24:電池、25:スイッチ。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】カセットVTR等のカセット装填部に装填可
   能な外形を有し、かつ前記装填部に装填された状態での
   前記VTR等のヘッドドラムに向かう側が開口された筐体
   と、該筐体に内蔵された送風手段と加熱手段とを備え、
   該送風手段から送られて加熱手段により加熱された温風
   が装填状態にある前記筐体の前記した開口を通って前記
   ヘッドドラムに吹きつけられるようにしたものにおい
   て、 前記筐体には前記送風手段及び加熱手段の電源を内蔵
   し、かつ該筐体に前記カセットVTR等のリール軸が挿入
   された時に前記の電源から前記の送風手段及び加熱手段
   に電源電流を供給する電源スイッチを設けたことを特徴
   とするVTR等におけるヘッドドラムの露除去装置。
2. 【請求項２】カセットVTR等のカセット装填部に装填可
   能な外形を有し、かつ前記装填部に装填された状態での
   前記VTR等のヘッドドラムに向かう側が開口された筐体
   と、該筐体に内蔵された送風手段と加熱手段とを備え、
   該送風手段から送られて加熱手段により加熱された温風
   が装填状態にある前記筐体の前記した開口を通って前記
   ヘッドドラムに吹きつけられるようにしたものにおい
   て、 前記筐体には前記送風手段及び加熱手段の電源を内蔵
   し、かつ該筐体が周知のカセットホルダーにホールドさ
   れた時に該カセットホルダーによって押圧される可動突
   起を前記筐体に設け、該突起が押圧された時に前記の電
   源から前記の送風手段及び加熱手段に電源電流を供給す
   る電源スイッチを設けたことを特徴とするVTR等におけ
   るヘッドドラムの露除去装置。