JPH0677042A - ノーマルフラックス型側壁浮上コイル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 浮上式鉄道用にノーマルフラックス型側壁浮
上コイルを採用し上下方向の磁気バネ等を改善すること
で性能向上を低コストで行うことを可能とする。 【構成】 浮上式鉄道用の浮上コイルを単一ループと
し、側壁に据えつけることとし、さらに、推進コイルと
の一体組合せ又は一体成型化により、推進・浮上・案内
用の地上コイル群を２層構造に収めることにより、超電
導磁気浮上式鉄道を低コストでかつ良好な保守性のもの
にすることを可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は車上に界磁装置を備え
る、いわゆる地上一次方式の超電導磁気浮上式鉄道に用
いられる側壁浮上コイルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】地上一次方式の超電導磁気浮上式鉄道に
おいては、単一ループのほぼ四角形の浮上コイルをガイ
ドウェイ面上に配置する対向浮上コイル方式と、ふたつ
のほぼ四角形の浮上コイルを側壁面上に配置するヌルフ
ラックス型側壁浮上コイル方式とが用いられている。

【０００３】しかし、超電導磁気浮上式鉄道において
は、浮上コイルによる超電導磁石への磁気的影響をさら
に低減することと、上下方向の磁気バネをさらに低減す
ることと、その磁気抗力をさらに低減することと、地上
コイルの価格性能比をよくすることとが課題であった。

【０００４】具体的には、対向浮上コイル方式の浮上力
特性を改善し、その超電導磁石への磁気的影響を改善
し、磁気抗力をさらに低減した方式がヌルフラックス型
側壁浮上コイルであるが、この場合、上下方向の磁気バ
ネをさらに低減することと、その超電導磁石への磁気的
影響をいっそう低減することと、その価格性能比をよく
することの対策が必要であるという状況であった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は従来のヌルフラックス型側壁浮上コイルでは、上下
方向の磁気バネが比較的固いことと、超電導磁石への列
車進行方向と垂直な垂直力の磁気的影響があることと、
２つのループによるコイルのために製作・取り付けにつ
いてやや経済性が劣ることである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は浮上用地上コイ
ルを単一のループコイルで構成し、それを側壁に設置す
ることと、その上辺の形状を超電導コイルへの磁気的影
響が少ない楕円形もしくは三角形などにしたこととを最
も主要な特徴とする。このノーマルフラックス型側壁浮
上コイルに案内力作用をもたせる場合、案内用配線の端
子を設けることとしている。さらに、浮上式鉄道用２相
き電方式などに用いる推進コイルと組み合わせて、一体
化成型することにより、１個の地上コイルで推進・浮上
・案内の各作用が併用できる。これらにより、上下方向
の磁気バネをさらに低減し、その超電導磁石への磁気的
影響をいっそう低減し、その価格性能比をよくするとい
う目的を経済性と施工性とを損なわずに実現した。

【０００７】

【作用】ノーマルフラックス型側壁浮上コイルはヌルフ
ラックス型側壁浮上コイルのようにふたつのループの起
電力の差により浮上用電流を流さないで、単一ループの
浮上コイルで構成するので浮上用電流の大きさが超電導
磁石の高低に鈍感になるので上下方向の磁気バネが半減
することと、ノーマルフラックス型側壁浮上コイルの縦
の辺を重ね合わせることにより浮上力に寄与しない超電
導磁石への列車進行方向と垂直な垂直力の磁気的影響を
低減することと、ノーマルフラックス型側壁浮上コイル
の上辺の形状を楕円形もしくは三角形などにすることに
より隣会う超電導コイルの端部の磁界の形状と同様にで
き超電導磁石への垂直力は低減することができるので浮
上用地上コイルが超電導コイルと超電導コイルの間付近
に位置したときでも垂直力は低減できることと、単一ル
ープなので製作・取り付けを容易にすることができると
いう作用を活用する。

【０００８】

【実施例】図１は本発明のノーマルフラックス型側壁浮
上コイルに関する１実施例の斜視図であって、１はノー
マルフラックス型側壁浮上コイルで、２は案内用の配線
端子であり、この例では上辺は楕円形にしてある。

【０００９】図２は本発明のノーマルフラックス型側壁
浮上コイルに関する１実施例の回路図であって、１はノ
ーマルフラックス型側壁浮上コイルで、２は案内用の配
線端子であり、この例では上辺は楕円形にしてある。

【００１０】図３はノーマルフラックス型側壁浮上コイ
ルの浮上力発生の説明図であり、１はノーマルフラック
ス型側壁浮上コイルで、３は超電導コイル、４はノーマ
ルフラックス型側壁浮上コイルの上辺で、５はノーマル
フラックス型側壁浮上コイルの下辺で、６は超電導コイ
ルの上辺で、７は超電導コイルの下辺である。ノーマル
フラックス型側壁浮上コイルの上辺４のような二重丸印
の場合は、電流が紙面の下側から上側に向かって電流が
流れていることを示しており、ノーマルフラックス型側
壁浮上コイルの下辺５のようなバッテン印の場合は、電
流が紙面の上側から下側に向かって電流が流れているこ
とを示している。超電導コイル３はノーマルフラックス
型側壁浮上コイル１と対面しているが、やや高目に位置
している。超電導コイルの上辺６と超電導コイルの下辺
７はノーマルフラックス型側壁浮上コイルの上辺４とノ
ーマルフラックス型側壁浮上コイルの下辺５から電磁力
を得てベクトルで示すような力を受ける。超電導コイル
の上辺６については小さめの合成されたベクトルＦ₁ が
結果としてかかり、超電導コイルの下辺７については大
きめの合成されたベクトルＦ₂ が結果としてかかること
を示している。

【００１１】図４はノーマルフラックス型側壁浮上コイ
ルの縦の辺をかさね合わせて並べた配置図であり、ノー
マルフラックス型側壁浮上コイル１が繰り返して地上に
配置されている。

【００１２】図５はノーマルフラックス型側壁浮上コイ
ルと２相き電方式に用いられる４相推進方式の推進コイ
ルとを一体成型した地上コイルの構成図であり、１はノ
ーマルフラックス型側壁浮上コイルで、８は推進コイル
で、９は一体成型した地上コイルで、１０は一体成型し
た地上コイルの配線端子である。

【００１３】図６は図５のノーマルフラックス型側壁浮
上コイルと推進コイルとを一体成型した地上コイルを横
方向に並べた配置図であり、１はノーマルフラックス型
側壁浮上コイルで、８は推進コイルである。この場合、
ノーマルフラックス型側壁浮上コイル１が図４のように
連続しないので、さらに、ノーマルフラックス型側壁浮
上コイル１の層を重ねる必要がある。

【００１４】図７はノーマルフラックス型側壁浮上コイ
ル１個置きに並べた配置図であり、１はノーマルフラッ
クス型側壁浮上コイルである。この場合、ノーマルフラ
ックス型側壁浮上コイル１の層を示したものであり、ノ
ーマルフラックス型側壁浮上コイル１を１個置きに配置
してある。

【００１５】図８は図６の層と図７の層とを重ね合わせ
た配置図であって、１はノーマルフラックス型側壁浮上
コイルで、８は推進コイルである。ノーマルフラックス
型側壁浮上コイル１、推進コイル８の層とノーマルフラ
ックス型側壁浮上コイル１だけの層とを重ねてある。

【００１６】図９は図８を上方から見たときの構成図で
あって、１はノーマルフラックス型側壁浮上コイルで、
８は推進コイルである。ノーマルフラックス型側壁浮上
コイル１と推進コイル８との地上コイル群がわずか２層
に収まっていることが分かる。

【００１７】図１０は図９を構造物にセットした時の断
面図であり、１はノーマルフラックス型側壁浮上コイル
であり、８は推進コイルであり、１１は地上コイルを支
える構造物である。ノーマルフラックス型側壁浮上コイ
ル１と推進コイル８との地上コイル群がわずか２層に収
まっていることが分かる。

【００１８】図１１は本発明を使用しない従来のヌルフ
ラックス型側壁浮上コイルの例を示した斜視図であり、
２は案内用の配線端子で、１２はヌルフラックス型側壁
浮上コイルである。

【００１９】本発明のノーマルフラックス型側壁浮上コ
イルにより、上下方向の磁気バネを柔らかくすることが
できることと、超電導磁石への列車進行方向と垂直な垂
直力を小さくできることと、単一のループによるコイル
のために製作・取り付けが容易に出来て経済性が改善さ
れるという利点がある。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したようにノーマルフラックス
型側壁浮上コイル方式にしたために、上下方向の磁気バ
ネを特別な機器・配線を用いることなく柔らかくでき、
ガイドウェイの施工精度にばらつきがあっても超電導磁
石に与える振動は少なくでき、また、超電導磁石への列
車進行方向と垂直な垂直力を小さくできることにより、
超電導磁石の信頼性・耐久性を向上させることの効果が
ある。製作・取り付けが容易に出来る単一のループ構成
としたことにより経済性が改善され、さらに、一体成型
した地上コイル化により大幅な省力化効果が生まれるこ
との効果がある。ノーマルフラックス型側壁浮上コイル
方式の場合、ヌルフラックス型側壁浮上コイル方式に比
べて超電導コイルの磁界に晒される部分が少なくできる
ので、そこで発生する渦電流損も小さくできることの効
果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】ノーマルフラックス型側壁浮上コイルの上辺を
楕円形にした場合の実施例を示した斜視図である。

【図２】ノーマルフラックス型側壁浮上コイルに案内用
配線の端子を設けた場合のの実施例を示した回路図であ
る。

【図３】ノーマルフラックス型側壁浮上コイルと超電導
コイルとの位置を横方向から見て、発生する浮上力を示
した説明図である。

【図４】ノーマルフラックス型側壁浮上コイルを縦の辺
を重ね合わせて配置した場合の例を示した配置図であ
る。

【図５】ノーマルフラックス型側壁浮上コイルと推進コ
イルを一体成型した地上コイルの例を示した構成図であ
る。

【図６】ノーマルフラックス型側壁浮上コイルと推進コ
イルの一体成型した地上コイルを横方向に配置して１層
を形成する場合の例を示した配置図である。

【図７】ノーマルフラックス型側壁浮上コイルを１個置
きに配置して１層を形成する場合の例を示した配置図で
ある。

【図８】ノーマルフラックス型側壁浮上コイルおよび推
進コイルの層とノーマルフラックス型側壁浮上コイルだ
けの層とを重ね合わせた場合の例を示した配置図であ
る。

【図９】図８を上方から見た場合を示した配置図であ
る。

【図１０】図８を地上コイルを支える構造物に組み込ん
だ場合の例を示した断面図である。

【図１１】本発明を使用しない従来のヌルフラックス型
側壁浮上コイルの例を示した斜視図である。

【符号の説明】

１ ノーマルフラックス型側壁浮上コイル ２ 案内用の配線端子 ３ 超電導コイル ４ ノーマルフラックス型側壁浮上コイルの上辺 ５ ノーマルフラックス型側壁浮上コイルの下辺 ６ 超電導コイルの上辺 ７ 超電導コイルの下辺 ８ 推進コイル ９ 一体成型した地上コイル １０ 一体成型した地上コイルの配線端子 １１ 地上コイルを支える構造物 １２ ヌルフラックス型側壁浮上コイル

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車上に界磁装置を備える超電導磁気浮上
   式鉄道において用いられる側壁浮上コイルであって、単
   一のループコイルを側壁に設置することと、その上辺の
   形状を超電導コイルへの磁気的影響が少ない楕円形もし
   くは三角形などにしたこととを特徴とするノーマルフラ
   ックス型側壁浮上コイル。
2. 【請求項２】 請求項１のノーマルフラックス型側壁浮
   上コイルに案内用配線の端子を設けたことを特徴とする
   請求項１記載のノーマルフラックス型側壁浮上コイル。
3. 【請求項３】 請求項１又は請求項２のノーマルフラッ
   クス型側壁浮上コイルと推進コイルとを一体化成型した
   ことを特徴とする請求項１記載又は請求項２記載のノー
   マルフラックス型側壁浮上コイル。