JPH0676919B2 - ダブルビーム型分光光度計 - Google Patents

ダブルビーム型分光光度計

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JPH0676919B2
JPH0676919B2 JP60109818A JP10981885A JPH0676919B2 JP H0676919 B2 JPH0676919 B2 JP H0676919B2 JP 60109818 A JP60109818 A JP 60109818A JP 10981885 A JP10981885 A JP 10981885A JP H0676919 B2 JPH0676919 B2 JP H0676919B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はダブルビーム型分光光度計に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
最近、液体クロマトグラフィ、色彩計測など種々の分野
において、多波長情報を瞬時に得る必要性が高まると共
に、一方ではフォトダイオードアレイやCCD(電荷結合
素子)等の光電変換素子が実用的レベルで使用可能とな
るに連れて、これらの光電変換素子アレイを光検知器と
して利用したダブルビーム型分光光度計が出現してきて
いる。
第8図はこの種の代表的な一例を示すもので、試料用光
路と参照用光路を別々に設け、分光器により分光された
各々の光束を、両光路中に設けたチョッパー等の手段に
より、試料光と参照光を時間的に交互に出射させて光電
変換素子アレイで検知する光学系を有している。
このダブルビーム型分光光度計は、光源1と、該光源1
からの光束を2分割する2焦点凹面鏡を使用したビーム
スプリッター2と、試料Sと参照体Cとが夫々セットさ
れる測定セル3と、試料S及び参照体Cを通過した両光
束を夫々分光する分光器4と、分光された両光束の光路
を一致させるビームミキサー5と、分光スペクトルが結
像する位置に配設された光電変換素子アレイ6と、前記
測定セル3の後方に回動可能に配設されたチョッパー7
とから構成されるものである。
そして、光源1からの光束をビームスプリッター2によ
り試料光束A(第8図に実線で表示)と参照光束B(第
8図に破線で表示)に分割し、測定セル3にセットされ
ている試料Sに試料光束Aを、参照体Cに参照光束Bを
各々照射する。測定セル3を通過した2つの光束A,Bは
分光器4により分光された後、試料光路と参照光路を一
致させるためのビームミキサー5を介して光電変換素子
アレイ6上に分光スペクトル像として結像する。
この際、測定セル3の後に設置されたチョッパー7の回
動により、試料光束Aと参照光束Bが交互に通過するよ
うにチョッピングされているので、光電変換素子アレイ
6上には、同一時間には試料光束Aあるいは参照光束B
のいずれか一方のみが到達することになる。
したがって、光電変換素子アレイ6上の個々の受光素子
は、各々試料光束Aおよび参照光束Bの同一の波長の光
強度検出を担うことになり、同一受光素子の試料光照射
時出力と参照光照射時出力との比を求めることにより比
較測光が実現される。
しかし、このダブルビーム型分光光度計は、チョッパー
7等の駆動機構や該チョッパー7による光の継続と光電
変換素子アレイ6の各受光素子からの出力信号の読み出
しを同期させるための同期回路が必要であり、その結果
として、構造の複雑性、駆動系を伴うことによる安定性
の阻害、さらには経済性などの問題が生じる。また、時
分割参照法であるため、試料光と参照光の時間差が大き
い場合には、比較測光方式であるにもかかわらず、光源
の光出力変動等が補償できないという問題点も存在す
る。
このため、特開昭51−135585号公報に開示される如きダ
ブルビーム型分光光度計が提案されている。
このダブルビーム型分光光度計は、上述の第8図のダブ
ルビーム型分光光度計と同様に、光源と、該光源からの
光束を2分割する2焦点凹面鏡を使用したビームスプリ
ッターと、試料と参照体とが夫々セットされる測定セル
と、試料及び参照体を通過した両光束を夫々分光する分
光器と、分光された両光束の光路を一致させるビームミ
キサーと、分光スペクトルが結像する位置に配設された
光電変換素子アレイとから構成され、チョッパーの代わ
りに、光電変換素子アレイの前面に光学マスクを配設
し、光学系より分光された試料光と参照光の両光束が、
光電変換素子アレイの受光域上で、予め設定されている
試料光用受光域と参照光用受光域とに夫々結像するよう
にしている。
即ち、このダブルビーム型分光光度計に用いられている
前記光学マスクは、上段に試料光を通すスリット孔が横
1列に、下段に参照光を通すスリット孔が横1列に並列
されており、且つ上段のスリット孔と下段のスリット孔
が位相を同じくして配列されているため、光電変換素子
アレイの受光面にも、上下2段に受光素子を各々横1列
に配列し、上段の受光素子を試料光の受光用に、下段の
受光素子を参照光の受光用としている。
〔発明が解決しようとする課題〕
このため、光電変換素子アレイが大型になることは勿
論、上下2段に受光素子を各々横1列に正確に配列する
と共に、上下の受光素子の位相が正確になるよう配列し
なければならず、受光素子の位置決め精度を正確にする
作業が面倒になる。
本発明は、このような課題をを解決すべくなされたもの
で、チョッパー等の駆動系を用いずに光源の放射強度変
動を補償でき、極めて安定性の高く、しかも、光検知器
に用いた光電変換素子アレイの受光素子配列が簡単で、
受光素子の位置決め精度を正確にする作業が容易であ
り、かつ光電変換素子アレイを小型にすることのできる
ダブルビーム型分光光度計を提供することを目的とする
ものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記課題を解決するため、光検知器に光電変
換素子アレイを用い、該光電変換素子アレイの前面に光
学マスクを配設し、光学系により分光された試料光と参
照光の両光束が、前記光電変換素子アレイの各受光素子
の受光域上に夫々結像するようにしたダブルビーム型分
光光度計において、前記光学マスクは、前記各受光素子
ごとに、試料光と参照光の内、一方が到達し、他方が遮
光されるパターンを有していることを特徴としている。
〔作 用〕
したがって、光電変換素子アレイの受光面に配列された
受光素子は、試料光と参照光のいずれか一方を受光すれ
ばよいから、1列にのみ受光素子を配列すればすみ、こ
のため、光電変換素子アレイが小型になることは勿論、
1列に受光素子を正確に配列することによる受光素子の
位置決め精度を正確にればよいから、その作業が容易に
なる。
〔実施例〕
以下、本発明に係るダブルビーム型分光光度計の一実施
例を第1図乃至第5図に基づいて説明する。
第1図において、ダブルビーム型分光光度計20の光学系
は、光源21と、該光源21からの光束を集光するレンズ22
と、該レンズ22の焦点の手前に配設され、試料Sと参照
体Cとをセットする測定セル23と、試料Sと通過した試
料光束A(第1図に実線で表示)及び参照体Cを通過し
た参照光束B(第1図に破線で表示)を夫々分光する分
光器24と、分光スペクトルが結像する位置に配設された
光電変換素子アレイ25と、該光電変換素子アレイ25の前
面に配設された光学マスク26とから構成されている。
該光学マスク26は、試料光測定の最小波長分解能(最小
バンド幅)の設定や参照光波長の設定の仕方に対応して
第2図あるいは第3図に例示するが如きマスクパターン
26a,26bが使用される。
これらのマスクパターン26a,26bは、光電変換素子アレ
イ25に横1列に配列された各受光素子25aごとに、試料
光と参照光の内、一方が到達し、他方が遮光されるパタ
ーンを有しており、光電変換素子アレイ25の個々の受光
素子25aが担うべき波長の光のみを各受光素子25aに照射
せしめるように、位置合わせをしてセットされるもの
で、受光素子25aの縦方向の長さに対応する長さlを二
分し、上半分を試料光照射域SBAに、下半分を参照光照
射域CBAに夫々区分している。
そして、第2図に示したマスクパターン26aは、上半分
の試料光照射域SBAには、光電変換素子アレイ25の各受
光素子25aの幅に対応する幅wの適宜倍数間隔で遮光部2
7を形成すると共に、下半分の参照光照射域CBAには、試
料光照射域SBAの遮光部27の下方となる位置のみに幅w
の透光部28を形成している。
また、第3図に示したマスクパターン26bは、上半分の
試料光照射域SBAには、光電変換素子アレイ25の各受光
素子25aの幅に対応する幅wで一つ置きに遮光部27を形
成すると共に、下半分の参照光照射域CBAには、試料光
照射域SBAの遮光部27の夫々の下方に幅wの透光部28が
一つ置きに形成されている。
そして、光源21からの光束は、レンズ22により測定セル
23上の試料S及び参照体Cに照射される。測定セル23を
通過した二つの光束は、分光器24により分光された後、
光学マスク26の透光部を通って、光電変換素子アレイ25
の各受光素子25aに結像する。
次に、光電変換素子アレイ25として一次元の自己走査型
フォトダイオードアレイを用い、かつ、アレイ上の1受
光素子25aが担うべき波長幅が1nm(10-9メートル)にな
るように設計された光学系配置を用いた場合について、
光学的マスクパターンとフォトダイオードアレイからの
信号出力の関係を第4図及び第5図により説明する。
第4図は第2図のマスクパターン26aの光学マスク26を
用いた場合に対応する信号出力を現わすもので、第4図
において黒い丸印が信号出力値を表わしている。本実施
例において、光電変換素子アレイ25に照射される試料光
スペクトルSSと参照光スペクトルCSの結像位置がアレイ
25の配列方向(横方向)に関して一致している場合、即
ち、1個の受光素子25a上には試料光と参照光の同一の
波長の光が位置する場合には、第4図の或る特定波長の
参照光は、自身の波長を中心として±3nm以内の波長域
の試料光に対して参照光としての機能を果すように設定
され得る。
また、第5図は第3図のマスクパターン26bの光学マス
ク26を用いた場合に対応する信号出力を表わすもので、
この場合には、試料光と参照光の波長差は1nmである。
ただし、上記の波長差はいずれも、光学マスク26上に照
射される分光スペクトルが、光電変換素子アレイ25配列
方向(横方向)の距離に対して波長幅が比例する、いわ
ゆるノーマルスペクトルであると想定した場合の値であ
る。
また、前記光学マスク26のパターンは種々選択可能であ
るが、試料光波長と参照光波長の波長差が、使用する光
源21の分光放射特性の時間的変動を補償し得る範囲内に
なるように選択されねばならない。
本実施例は以上のように構成したことにより、光検知器
として単一の光電変換素子アレイ25を用いるにもかかわ
らず、チョッパーなどの駆動系を用いることなく、簡単
な構造で複光束測光が可能となる。また、時分割参照法
における試料光と参照光の時間差の問題に関しては、本
実施例においては、光源21がパルス点灯の場合には原理
的に時間差ゼロとなし得るし、連続点灯光源と自己走査
型光電変換素子アレイの組合せを用いた場合であって
も、試料光と参照光の波長差が小さいため実質的には時
間差ゼロとみなし得る範囲で使用される。したがって、
光源の光出力変動に対しては、波長的にも時間的にも充
分な補償が達成される。
また、光電変換素子アレイ25の受光面に配列された受光
素子25aは、試料光と参照光のいずれか一方を受光すれ
ばよいから、1列にのみ受光素子25aを配列すればす
み、このため、光電変換素子アレイ25が小型になること
は勿論、1列に受光素子25aを正確に配列することによ
る受光素子25aの位置決め精度を正確にすればよいか
ら、その作業が容易になる。
尚、上記実施例においては、光源21より出射した光束を
試料照射光束と参照照射光束とに分割する手段は、測定
セル23上で試料S及び参照体Cを空間的に分離している
セル構造そのものが担っており、より具体的には測定セ
ル23の試料保持体の開口、及び参照体保持体の開口が担
っているが、2焦点凹面鏡を使用するなど種々のもので
実現可能である。
また、参照体Cは必ずしも具体的な形状を有する物体で
ある必要はなく、参照光路中の空気等の気体を使用して
もよく、本発明の参照体は気体も含まれるものである。
さらに、光検知器としての光電変換素子アレイ25も一次
元配列アレイの他に二次元配列アレイなども使用可能で
ある。
また、上記した実施例の他に、分光器を適切に選択して
配置すれば、試料光スペクトルおよび参照光スペクトル
を空間的に分割して照射できるので、例えば、第6図に
示すように、試料光用光学マスク30と参照光用光学マス
ク31とを同一直線上に配設して使用すると共に、両光学
マスク30,31と光電変換素子アレイ32との間をオプティ
カルファイバー束33,34でそれぞれ接続し、両光学マス
ク30,31を通過した試料光スペクトルSSと参照光スペク
トルCSとを前記オプティカルファイバー束33,34を介し
て光電変換素子アレイ32に照射させたり、また第7図に
示すように、試料光用光学マスク40と参照光用光学マス
ク41とを上下二段に配置し、両光学マスク40,41を通過
した試料光スペクトルSSと参照光スペクトルCSとをリレ
ーレンズ42を介して光電変換素子アレイ43に照射させる
構造としても良い。
また、前記各実施例において、光学マスクを着脱可能に
配設し、マスクパターンの異なる光学マスクと交換可能
とすることもできる。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明は、光検知器に光電変換素子
アレイを用い、該光電変換素子アレイの前面に光学マス
クを配設し、光学系により分光された試料光と参照光の
両光束が、前記光電変換素子アレイの各受光素子の受光
域上に夫々結像するようにし、前記光学マスクは、前記
各受光素子ごとに、試料光と参照光の内、一方が到達
し、他方が遮光されるパターンを有しているので、光電
変換素子アレイの受光面に配列された受光素子は、試料
光と参照光のいずれか一方を受光すればよいから、1列
にのみ受光素子を配列すればすみ、このため、チョッパ
ー等の駆動系を用いずに、光電変換素子アレイが小型に
なることは勿論、1列に受光素子を正確に配列すること
による受光素子の位置決め精度を正確にればよいから、
その作業が容易になる。
したがって、チョッパー等の駆動系を用いずに簡単な構
造で、極めて安定性・経済性が高く、かつ光源の光出力
変動を使用波長域全域にわたって補償できる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第5図は本発明の一実施例を示すもので、第
1図はダブルビーム型分光光度計の光学系配置図、第2
図及び第3図は光学マスクのマスクパターンの例を夫々
示す正面図、第4図及び第5図は第2図及び第3図の光
学マスクを使用した場合の出力信号の現出状態を示す説
明図、第6図及び第7図は夫々本発明の別の実施例にお
ける試料光と参照光の空間的分割手段を示す光学系配置
図、第8図は従来のダブルビーム型分光光度計の光学系
配置図である。 20……ダブルビーム型分光光度計、21……光源、22……
レンズ、23……測定セル、24……分光器、25……光電変
換素子アレイ、25a……受光素子、26……光学マスク、2
7……遮光部、28……透光部、30……試料光用光学マス
ク、31……参照光用光学マスク、32……光電変換素子ア
レイ、33,34……オプティカルファイバー束、40……試
料光用光学マスク、41……参照光用光学マスク、42……
リレーレンズ、43……光電変換素子アレイ、A……試料
光束、B……参照光束、SBA……試料光照射域、CBA……
参照光照射域、SS……試料光スペクトル、CS……参照光
スペクトル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 慎二 東京都千代田区神田富山町18番地 東京理 化器械株式会社内 (56)参考文献 特開 昭51−135585(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光検知器に光電変換素子アレイを用い、該
    光電変換素子アレイの前面に光学マスクを配設し、光学
    系により分光された試料光と参照光の両光束が、前記光
    電変換素子アレイの各受光素子の受光域上に夫々結像す
    るようにしたダブルビーム型分光光度計において、前記
    光学マスクは、前記各受光素子ごとに、試料光と参照光
    の内、一方が到達し、他方が遮光されるパターンを有し
    ていることを特徴とするダブルビーム型分光光度計。
JP60109818A 1985-05-22 1985-05-22 ダブルビーム型分光光度計 Expired - Lifetime JPH0676919B2 (ja)

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