JPH0676587A - 不揮発性半導体記憶装置 - Google Patents

不揮発性半導体記憶装置

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JPH0676587A
JPH0676587A JP27773192A JP27773192A JPH0676587A JP H0676587 A JPH0676587 A JP H0676587A JP 27773192 A JP27773192 A JP 27773192A JP 27773192 A JP27773192 A JP 27773192A JP H0676587 A JPH0676587 A JP H0676587A
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JP
Japan
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memory cell
data
bit line
gate
control gate
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Application number
JP27773192A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Tanaka
義幸 田中
Tomoharu Tanaka
智晴 田中
Yasushi Sakui
康司 作井
Hiroshi Nakamura
寛 中村
Kazunori Ouchi
和則 大内
Hideko Ohira
秀子 大平
Yutaka Okamoto
豊 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速アクセスが可能であり、かつ、メモリセ
ルの消去時のしきい値の正確な検知が可能なEEPRO
Mを提供すること。 【構成】 通常の読出し等(ランダムアクセス)におい
ては、非選択メモリセルの制御ゲートの充電をソース側
及びドレイン側選択ゲートの少なくとも1つよりも先行
して行う。メモリセルの消去時のしきい値の判定を行う
場合には、読出しモードにおいて、非選択メモリセルの
制御ゲートを負に充電するタイミングより遅れて、選択
ゲートの充電が開始される。すなわち、制御ゲートが完
全に負のテスト電圧に設定されるまでは、選択ゲートを
閉じておき、ビット線が放電されるのを防ぐ。そして、
制御ゲートが完全に負のテスト電圧に設定された後、選
択ゲートがONするように、選択ゲートの充電を遅れて
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気的書替え可能な不
揮発性半導体記憶装置(EEPROM)に係り、特にN
ANDセル構成のメモリセルアレイを有するEEPRO
Mに関する。
【0002】
【従来の技術】EEPROMの一つとして、高集積化が
可能なNANDセル型EEPROMが知られている。こ
のNANDセル型EEPROMは、1のメモリセルのソ
ースと隣接するメモリセルのドレインとを共用する形で
直列接続して構成された複数のメモリセルを一単位とし
てビット線に接続されて構成される。このメモリセル
は、通常、電荷蓄積層と制御ゲートとが積層されたFE
TMOS構造を有する。メモリセルアレイは、p型基板
又はn型基板に形成されたp型ウェル内に集積形成され
る。NANDセルのドレイン側は選択ゲートを介してビ
ット線に接続され、ソース側も選択ゲートを介してソー
ス線(基準電位配線)に接続される。メモリセルの制御
ゲートは、メモリセルアレイの行方向のメモリセルに連
続的に接続されてワード線となる。
【0003】上記のように構成されたNANDセル型E
EPROMの動作は次の通りである。
【0004】データ書込みの動作は、ビット線から最も
離れた位置のメモリセルから順に行われる。データを書
き込むために選択されたメモリセルの制御ゲートには高
電圧Vpp(=20V程度)が印加され、このメモリセル
よりもビット線側にあるメモリセルの制御ゲート及びド
レイン側の選択ゲートには中間電圧VppM (=10V程
度)が印加される。ビット線にはデータに応じて0V又
は中間電圧が与えられる。ビット線に0Vが与えられた
時に、その0Vの電位は選択メモリセルのドレインまで
伝達されることにより、ドレインから浮遊ゲートに電子
注入が生じる。この電子注入によりその選択されたメモ
リセルのしきい値は正方向にシフトする。この状態を例
えばデータ“0”とする。ビット線に中間電位が与えら
れた時には、電子注入が起こらないので、しきい値は変
化せず、負に止まる。この状態はデータ“1”である。
【0005】データ消去は、NANDセル内のすべての
メモリセルに対して同時に行われる。すなわち全ての制
御ゲートを0Vとし、ビット線及びソース線を浮遊状態
として、p型ウェル及びn型基板に高電圧20Vを印加
する。これにより、全てのメモリセルで浮遊ゲートの電
子がp型ウェルに放出され、しきい値は負方向にシフト
する。
【0006】データ読出しの動作は、選択されたメモリ
セルの制御ゲートの電位を0Vとし、それ以外のメモリ
セルの制御ゲート及び選択ゲートの電位を電源電位Vcc
(=5V)として、選択メモリセルで電流が流れるか否
かを検出することにより行われる。
【0007】以上の動作説明から明らかなように、NA
NDセル型EEPROMでは、書込み及び読出し動作時
には非選択メモリセルは転送ゲートとして作用する。こ
の観点から、書込みがなされたメモリセルのしきい値電
圧には制限が加わる。例えば、“0”書込みされたメモ
リセルのしきい値の好ましい範囲は、0.5〜3.0V
程度となる。データ書込み後の経時変化、メモリセルの
製造パラメータのばらつきや電源電位のばらつきを考慮
すると、データ書込み後のしきい値分布はこれより小さ
い範囲であることが要求される。
【0008】上記の要求を満たすために従来、以下の手
法によってデータの書込みと書込み状態の確認(ベリフ
ァイ)動作が行なわれている。図33にそのデータ書込
みと書込み状態の確認(ベリファイ)動作を示す。
【0009】図33は、一本の制御ゲート線(ワード
線)に沿う512個のメモリセル(すなわちカラムアド
レス0〜511)を1ページとして、単位書込み時間を
40μsec に設定して、ページモードでデータ書込みと
ベリファイ動作を繰り返す場合における1ページ分にデ
ータ書込み基本アルゴリズムを示している。
【0010】まず、データ書込み回数を示すNがN=1
に設定され、ページ内のアドレスが0に設定され(S1
)、書込みモード設定(S2 )、1ページ分のデータ
設定(S3 )を経て、40μsec の書込みパルスで1ペ
ージ分のデータ書込みが行われる(S4 )。
【0011】書込みが終了すると、書込みベリファイモ
ードに設定され(S5 )、1ページ内のデータが順次読
出されて書込み状態が十分であるか否かが確認される
(S7)。書込みが不十分であれば、N>100である
か否かが判定され(S8 )、NOであればNがステップ
アップされ(S9 )、ページ内アドレスが0に再設定さ
れて(S10)、再び書込み(S2 、S3 、S4 )とベリ
ファイ動作(S5 、S6)が繰り返される。この様に1
回の書込み時間を短くして小刻みな書込みとベリファイ
動作が繰り返される。
【0012】ベリファイ動作でデータ書込み状態が十分
である事が確認されると、ページ内アドレスから511
に達しているか否かが判断され(S11)、NOであれ
ば、読出しアドレスがステップアップされ(S2 )、次
のアドレスについて同様にべリファイ読出し動作が繰り
返される。
【0013】以上の動作を繰り返して、1ページ分、5
12個のメモリセルのデータ書込みがすべて十分である
ことが確認されると(S11)、ベリファイ読出しモード
が解除されて(S13)、1ページ分のデータ書込みが終
了する。
【0014】データ書込みを100回繰り返してもデー
タ書込みが終了しない場合には(S8 )、メモリセルに
何等かの異常があるものとみなして、ベリファイ読出し
モードが解除されて(S14)、書込み終了となる。
【0015】上記のベリファイ方式は、最も書込みにく
いメモリセルに注目して、そのメモリセルが十分書込ま
れるまで書込み動作を繰り返す。従って、書込みが十分
行なわれたメモリセルに対しては、不必要な書込み動作
が繰り返される。例えば、あるメモリセルのしきい値が
0.5Vにまで書込まれている場合を考慮すると、理想
的にはこの状態が保たれれば良いが、もし書込み不足の
メモリセルが存在するとそのメモリセルが十分書込まれ
るまで書込み動作が繰り返される結果、すでに十分に書
き込まれているメモリセルのしきい値が不必要に上昇し
てしまう。
【0016】以上のように、従来のEEPROMでは、
最も書込みにくいメモリセルを対象に書込み動作が繰り
返されるので、書込みやすいメモリセルに対し不必要な
しきい値の上昇をまねく。しきい値が高くなるとそのメ
モリセルが読出し時に転送ゲートとして作用する時に、
非選択ワード線電位(Vcc)としきい値との差が小さく
なる。その結果として、読出し時のセル電流を減少さ
せ、アクセスタイムの増加を招くという問題点を生じ
る。
【0017】NANDセル型EEPROMの別の問題と
して、センスアンプ回路の高速性能が十分でないという
問題がある。
【0018】従来NANDセル型EEPROMのセンス
アンプ回路として、信号同期式インバータを2個用い
て、データラッチ機能を持たせたものが知られている。
このようなインバータを用いたセンスアンプ回路方式で
は、データのセンスに際して回路しきい値までビット線
を放電する必要があるため、高速センスができない。高
速センス動作を可能とするためには、DRAMで用いら
れているフリップフロップを用いた差動型のセンスアン
プを適用することが考えられる。
【0019】しかし、その場合には次のような問題があ
る。NANDセル型EEPROMでは、選択メモリセル
が負のしきい値を持つ場合にセル電流が流れて、ビット
線電位が下がる。逆に正のしきい値を持つメモリセルの
場合にはセル電流は流れない。上記より、ビット線電位
はプリチャージレベルのままであるので、DRAMで行
われていると同様に、センスアンプ回路に対して一対の
ビット線を接続して両者を同電位にプリチャージした
後、データ読出しを行うと、ビット線電位は参照電位に
対して低い電位か同電位となる。従って、プリチャージ
電位のまま保たれるビット線に対しては、DRAMにお
けるセンスアンプをそのまま用いても読出しができな
い。
【0020】このように、従来のEEPROMのインバ
ータを用いたセンスアンプ回路は高速センスが難しく、
DRAMにおけるようなフリップフロップ型センスアン
プを用いようとしても、そのままではセンス動作ができ
ない場合がある。
【0021】更に、先に述べたように、NANDセル型
EEPROMでは、非選択メモリセルは転送ゲートとし
て用いられるため、データの読出しや書き込み時にその
制御ゲートを例えばVccに充電する必要がある。この場
合、制御ゲートはワード線として多数のメモリセルが接
続されるために負荷容量が非常に大きく、その立上がり
時間や立ち下がり時間がアクセス時間の多くの割合を占
める。従って、高速アクセスが難しいという問題があ
る。
【0022】データの読出しに際し、具体的に非選択メ
モリセルの制御ゲートの充電について説明する。
【0023】データの読出しは、まず、ビット線をVcc
に充電した後に、選択NANDセルブロックの非選択メ
モリセルの制御ゲートとソース側及びドレイン側の選択
ゲートを同じタイミングでVssの状態からVccに充電す
る。選択メモリセルの制御ゲートは回路上Vssに充電さ
れるように制御されるが、もともとVssに固定されてい
る。
【0024】上記の状態で、もし選択メモリセルのしき
い値が負であればセル電流が流れビット線電位はVssへ
放電される。もし選択メモリセルのしきい値が正であれ
ば、セル電流は流れずビット線電位は“H”レベルを保
つ。このビット線電位をセンスアンプでセンスする。
【0025】NANDセル型EEPROMでは、書込み
後に、メモリセルのしきい値はVcc以下に設定されてい
る必要性があり、テストモードでの書き込み後のメモリ
セルのしきい値分布を調べるということが通常行われ
る。この場合は、選択されたメモリセルの制御ゲートに
正の電圧を印加し(例えば、1V、2V)、セル電流が
流れるか判定して、しきい値分布を導き出す。この場
合、通常の読出しモードと同じタイミングで回路を動作
する。
【0026】更に、従来、消去側のメモリセルのしきい
値分布は詳細に測定することは困難である。しかし、信
頼性試験などの重要性から、選択メモリセルの制御ゲー
トに負の電圧を印加して、しきい値分布を得る方法が検
討され始めている。
【0027】上記のように従来の読出しモードでは、制
御ゲートと、ソース側、ドレイン側選択ゲートの充放電
を同じタイミングで行っている。ここで選択された制御
ゲートに負電圧を印加して、負のしきい値分布測定、若
しくは消去のベリファイ読出し動作を行う場合を考え
る。
【0028】例えば、メモリセルのしきい値が−2V以
下にあるかどうか調べる場合を例にとって説明する。
【0029】この場合、選択メモリセルの制御ゲートに
−2V、非選択メモリセルの制御ゲートにVccを印加
し、各セル電流が流れるかどうかを検出する。この時、
選択メモリセルの制御ゲートはVssから−2Vに充電さ
れるが、NANDセル型EEPROMの場合、1本の制
御ゲートに多くメモリセルが接続されており、その立ち
上がりには、μsec オーダーの時間を要する。
【0030】従って、もし選択メモリセルが−1V程度
のしきい値を有する場合、選択メモリセルの制御ゲート
がVssから−2Vに移行する段階で選択メモリセルはし
ばらくON状態にあり、選択メモリセルの制御ゲートが
−1V以下になった段階で初めてOFF状態になる。
【0031】この時、選択ゲートは選択メモリセルの制
御ゲートと同じタイミングでVccに充電されていくの
で、制御ゲートがVssから−1Vに至る間、セル電流が
流れ、ビット線電位は、放電されてしまう。
【0032】よって、選択メモリセルの制御ゲートが−
2Vに充電された段階でセル電流が流れるかどうか調べ
るということはできない。
【0033】従って、選択メモリセルの制御ゲートに負
電圧を印加して、メモリセルのしきい値を調べる場合、
選択メモリセルの制御ゲートと、選択ゲートを同時に充
電する従来の方法では、選択メモリセルの制御ゲートが
テスト電圧に充電される前にセル電流が流れてしまい、
正確な検知ができないという問題がある。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
不揮発性半導体記憶装置には、下記のような問題があっ
た。
【0035】書込み不足のメモリセルが存在するとその
メモリセルが十分書き込まれるまで書込み動作が繰り返
されるので、既に十分に書き込まれているメモリセルの
しきい値が不必要に上昇し、読出し時のセル電流を減少
させ、アクセスタイムの増加を招く。
【0036】更に、EEPROMのインバータを用いた
センスアンプ回路は高速センスが難しく、DRAMにお
けるようなフリップフロップ型センスアンプを用いよう
としても、そのままではセンス動作ができない場合があ
る。
【0037】また、NANDセル型EEPROMは、非
選択メモリセルが転送ゲートとして用いられるので、デ
ータの読出し及び書込み時にその選択ゲートを充電する
必要があるが、この制御ゲートはワード線として多数の
メモリセルが接続されるため負荷容量が非常に大きいの
で、高速アクセスが困難である。
【0038】加えて、選択メモリセルの制御ゲートに負
電圧を印加して、メモリセルのしきい値を調べる場合、
選択メモリセルの制御ゲートと、選択ゲートを同時に充
電する従来の方法では、選択メモリセルの制御ゲートが
テスト電圧に充電される前にセル電流が流れてしまい、
正確な検知ができない。
【0039】本発明は、上記の事情に基づいてなされた
もので、下記の事項を目的とする。
【0040】本発明の目的は、ビット毎のベリファイ動
作により、1ページ中の“0”書込み(電子注入)を行
うメモリセルにおいて、注入動作が不十分なメモリセル
に関しては再書込み動作を行うが、書込みが十分なされ
たメモリセルに対しては、それ以上電荷注入がおこなわ
れないようなベリファイ制御を可能としたEEPROM
を提供することである。
【0041】本発明の他の目的は、フリップフロップ型
のセンスアンプ回路を用いてデータ読出しを可能とした
EEPROMを提供することである。
【0042】本発明の更に他の目的は、高速アクセスが
可能であり、かつ、メモリセルの消去時のしきい値の正
確な検知が可能なEEPROMを提供することである。
【0043】
【課題を解決するための手段】本発明の第1局面のEE
PROMは、“0”書込みのメモリセルに対してはベリ
ファイ読出しを行ってラッチしたデータを破壊すること
なく、ベリファイ再書込みを行うようにことを特徴とし
ている。具体的には、1ページ分のメモリセル群に書込
み不足のメモリセルがある場合に、書込みが行なわれる
べきビット線に対してはベリファイ読出してラッチした
データを追加書込み時のデータとし、消去状態を保つべ
きビット線に対してはベリファイ読出してラッチしたデ
ータを反転させて追加書込み時のデータとすべく前記セ
ンスアンプ兼データラッチ回路のデータを制御する手段
を備えた。
【0044】本発明の第2局面のEEPROMは、デー
タラッチ兼センスアンプを、NMOSフリップフロップ
を構成する二つのNMOSトランジスタの間及びPMO
Sフリップフロップを構成する二つのPMOSトランジ
スタの間で電流駆動能力を異ならせたCMOSフリップ
フロップにより構成し、かつNMOSフリップフロップ
とPMOSフリップフロップを読出しアドレスによって
異なるタイミングで活性化するようにしたことを特徴と
する。
【0045】本発明の第3局面のEEPROMは、非選
択メモリセルの制御ゲートの充電をビット線の充電と同
時に行うことを特徴とする。すなわち、通常の読出し等
(ランダムアクセス)においては、非選択メモリセルの
制御ゲートの充電をソース側及びドレイン側選択ゲート
の少なくとも1つよりも先行して行う。次に、メモリセ
ルの消去時のしきい値の判定を行う場合には、読出しモ
ードにおいて、選択メモリセルの制御ゲートを負に充電
するタイミングより遅れて、選択ゲートの充電が開始さ
れることを特徴とする。すなわち、制御ゲートが完全に
負のテスト電圧に設定されるまでは、選択ゲートを閉じ
ておき、ビット線が放電されるのを防ぐ。そして、制御
ゲートが完全に負のテスト電圧に設定された後、選択ゲ
ートがONするように、選択ゲートの充電を遅れて行
う。
【0046】
【作用】上記手段を講じた結果、次のような作用が生じ
る。
【0047】本発明の第1局面によれば、“0”書込み
のメモリセルのベリファイ読出しデータを破壊すること
なく、次の再書込みを行うことによって、注入が不十分
なメモリセルに対しては、再び注入動作が、注入が十分
なメモリセルに対しては、ビット線に中間電位を与える
ことによって、さらなる注入をふせぐ動作がなされ、ビ
ット毎のベリファイ動作が可能となる。
【0048】データ書込み後、読出し動作を行って、外
部制御回路において、設定データと比較を行い、十分書
込みがおこなわれたセルに対してはデータは“0”から
“1”に変えて再びデータを設定し、再書込みを行うと
いう手法も考えられる。しかしこれは、外部制御回路に
大きな負担をかける他、ベリファイの度に1ページ分の
データを全て比較する必要が生じ書込み時間の増加を招
くなど問題点が大きい。本発明によれば、外部制御回路
から与えるデータを変更することなしに、ビットごとに
ベリファイを行なえる。従って、本発明の第1局面によ
れば、ビット毎のベリファイ動作を行うことによって、
従来のような過剰書込みをなくして信頼性向上を図り、
高速性能を実現したEEPROMを得ることができる。
【0049】本発明の第2局面によれば、電流駆動能力
の異なるトランジスタ対を用いたフリップフロップ型セ
ンスアンプは、電流駆動能力の等しいトランジスタを用
いたフリップフロップの二つのノードに電位差を与えた
と等価になるから、参照電位とセンス電位が等しい場合
にも所望の安定状態にフリップフロップを動作させるこ
とが可能になる。この場合、NMOSフリップフロップ
とPMOSフリップフロップの活性化のタイミングを読
出しアドレスによって異ならせ、二つのノードのいずれ
の側のデータをセンスするかに応じて一方の活性化を先
行させることによって、誤りなくデータを検出すること
ができる。従って、本発明の第2局面によれば、フリッ
プフロップ型センスアンプ回路を用いて高速センス動作
を実現したEEPROMを提供することができる。
【0050】本発明の第3局面によれば、非選択メモリ
セルの制御ゲートの充電をビット線と同時に行うように
したので、メモリセルの高速アクセスが可能になる。更
に、非選択メモリセルの制御ゲートがVssから負電圧へ
充電する過程でも、選択ゲートが閉じているので、ビッ
ト線電位は放電されない。制御ゲートが負のテスト電圧
に完全に設定された後、選択ゲートがONするので、確
実にしきい値の判定が可能となる。従って、本発明の第
3局面によれば、NANDセル型EEPROMの高速ア
クセスが可能になると共に、NANDセル型EEPRO
Mにおいて消去時のしきい値分布を正確に測定すること
ができる。
【0051】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0052】図1は、本発明の一実施例に係るNAND
セル型EEPROMシステムの構成例を示す。複数のN
ANDセル型EEPROMチップ1は、後に詳述するア
ルゴリズムに従って制御するための制御回路LSIチッ
プ2により書き替えられる。
【0053】図2(a)及び図2(b)は、図1のシス
テムをLSIメモリカードに適用した場合の斜視図と平
面図とをそれぞれ示す。こLSIメモリカードは、カー
ド本体3に4個のEEPROMチップ1と1個の制御回
路LSIチップ2を搭載しており、外部端子4により外
部との信号の送受信を行うように構成されている。
【0054】図3は、図1のNANDセル型EEPRO
Mの具体的な構成例を示す。
【0055】図3によれば、本EEPROMは、メモリ
セルアレイ21と、メモリセルアレイ21に対してデー
タ書込み及び読出しを行うためのビット線制御回路26
を有している。ビット線制御回路26はデータ入出力バ
ッファ25に接続されている。制御ゲート制御回路23
は、メモリセルアレイ21のロウデコーダ22によって
選択される制御ゲート線にデータ書込み、消去、読出し
及びベリファイの各動作に対応して所定の制御信号を出
力する。基板電位制御回路24はセルが構成されるp型
ウェルを通常は0V、消去時にVpp(〜20V)に制御
する。入力されたアドレスはアドレスバッファ28を通
してロウデコーダ22及びカラムデコーダ27に伝達さ
れる。
【0056】図4(a)及び図4(b)は、図3のメモ
リセルアレイ21の一つのNANDセル部分のそれぞれ
平面図及び等価回路図である。図5(a)及び図5
(b)はそれぞれ図4(a)のA−A′及びB−B′断
面図である。
【0057】素子分離酸化膜12で囲まれたp型シリコ
ン基板(又はp型ウェル)11に複数のNANDセルか
らなるメモリセルアレイが形成されている。一つのNA
NDセルに着目して説明する。
【0058】本実施例では、8個のメモリセルM1 〜M
8 が直列接続されて一つのNANDセルを構成してい
る。メモリセルはそれぞれ、基板11にゲート接続膜1
3を介して浮遊ゲート14(141 、142 、…、14
8 )が形成され、この上に層間絶縁膜15を介して制御
ゲート16(161 、162 、…、168 )が形成され
て、構成されている。これらのメモリセルのソース、ド
レインであるn型拡散層19は隣接するメモリセル同志
がソース及びドレインを互いに共用する形で、直列接続
されている。NANDセルのドレイン側及びソース側に
は、それぞれ、メモリセルの浮遊ゲート及び制御ゲート
と同時に形成された選択ゲート149 及び169 と、1
410及び1610とが設けられている。
【0059】上記のように素子形成された基板上はCV
D酸化膜17により覆われ、この上にビット線18が配
設されている。ビット線18はNANDセルの一端のド
レイン側拡散層19にコンタクトさせている。
【0060】メモリセルの行方向に並ぶNANDセルの
制御ゲート16は行方向のメモリセルの共通の制御ゲー
ト線CG1 、CG2 、…、CG8 として配設されてい
る。これらの制御ゲート線はワード線となる。選択ゲー
ト149 、169 、及び1410、1610もそれぞれ行方
向の選択ゲートの共通の選択ゲート線SG1 、SG2 と
して配設されている。
【0061】図6は、上記のように構成されたNAND
セルがマトリクス状に配列されたメモリセルアレイの等
価回路を示す。
【0062】図7及び図8は、図3のロウデコーダ22
の具体的な構成例を示す。図7において、NANDゲー
トG1 により、アドレスAiとイネーブル信号RDEN
Bによって1つのNANDセルブロックが選択される。
ゲートG1 の出力の1つは、インバータI1 を介し、E
タイプnチャネルMOSトランジスタQn9とEタイプp
チャネルMOSトランジスタQp6からなるトランスファ
ゲートを介してノードN1 に接続されている。ゲートG
1 の出力の他の1つは、インバータを介さずEタイプn
チャネルMOSトランジスタQn10 とEタイプpチャネ
ルMOSトランジスタQp7からなるトランスファゲート
を介してノードN1 に接続されている。これらの転送経
路は、制御信号ERASE、/ERASEによって、読
出し、書込みの場合と、消去の場合に応じて選択され
る。
【0063】DタイプnチャネルMOSトランジスタQ
D3、QD6はそれぞれ、ノードN1 、N3 を昇圧するため
のトランジスタである。IタイプnチャネルMOSトラ
ンジスタQI1、EタイプnチャネルMOSトランジスタ
Qn11 及びQn12 は、高電位VppをノードN3 に転送す
るためのポンプ回路を構成する。DタイプnチャネルM
OSトランジスタQD2、QD4、QD5はそれぞれノードN
5 とN1 、N1 とN2、N2 とN3 を電気的に分離する
ためのトランジスタである。
【0064】図8において、EタイプnチャネルMOS
トランジスタQn14 、Qn16 、Qn18 、Qn20 、Qn22
、Qn24 、Qn26 、Qn28 、Qn30 及びQn32 は、選
択ゲート及び制御ゲートをそれぞれ選択的に接地するた
めのトランジスタである。EタイプnチャネルMOSト
ランジスタQn13 、Qn15 、Qn17 、Qn19 、Qn21 、
Qn23 、Qn25 、Qn27 、Qn29 及びQn31 は、図3の
制御ゲート制御回路23の出力をそれぞれ、選択ゲート
SG1 、SG2 、制御ゲートCG1 〜CG8 に選択的に
転送するためのものである。
【0065】上記のように構成された、図7及び図8の
ロウデコーダ22の各モードにおける動作を次に説明す
る。
【0066】データ読出し時には、消去信号ERASE
は“L”、/ERASEは“H”である。アドレス信号
Aiとイネーブル信号RDENBが“H”となって選択
された場合、ノードN5 、N1 、N2 及びN3 はVcc、
ノードN4 は0Vとなる。このときクロックφL は
“H”である。この後、クロックφL が“L”になり、
クロックφB が“H”になると、ノードN1 とN3 は電
源電位Vccより高い電位(Vcc+Vth)になり、所望の
読出し電圧が選択ゲートSG1 、SG2 及び制御ゲート
CG1 〜CG8 に出力される。例えば、制御ゲートCG
2 が選択された場合には、SG1 、SG2 、CG1 並び
にCG3 〜CG8 はVccとなり、CG2 は0Vとなる。
ベリファイ読出しの場合には、選択された制御ゲートC
G2 は0.5Vとなる。
【0067】データ書込みの場合には、ERASEは
“L”、/ERASEは“H”である。従って、読出し
と同様に選択されたブロックでは、ノードN1 、N2 、
N3 、N5 はVcc、ノードN4 は0Vである。この後、
リングオシレータの出力φR が出力されると、選択され
たブロックのノードN1 、N2 、N3 、N5 はVpp(〜
20V)となる。この後クロックφL が“L”になり、
クロックφB が“H”になって、ノードN1 、N3 はV
pp+Vthになり、選択ゲートSG1 、SG2 、制御ゲー
トCG1 〜CG8 に所望の電位が出力される。例えば、
制御ゲートCG3が選択された場合には、SG1 はVM
(〜10V)となり、CG1 、CG2 はVH となり、C
G3 はVppとなり、CG4 〜CG8 はVM となり、SG
2 は0Vとなる。
【0068】データ消去の場合には、消去信号ERAS
Eが“H”、/ERASEが“L”となる。これにより
選択されたブロックのノードN1 、N2 、N3 及びN5
は0Vとなり、ノードN4 はVccとなり、選択ゲートS
G1 、SG2 並びに制御ゲートCG1 〜CG8 は0Vと
なる。非選択ブロックでは書込み時と同様に、ノードN
1 、N3 がVpp+Vthとなり、選択ゲートSG1 、SG
2 及び制御ゲートCG1 〜CG8 はVppとなる。
【0069】以上の動作に於いて、セルが形成されるp
型ウェルに与えられる電位Vwellは、図3の基板電位制
御回路27の出力により制御される。この出力により、
p型ウェル電位Vwellは、データ消去の時のみVppとな
り、それ以外の場合は0Vに保たれる。
【0070】図9は図3のビット線制御回路26の具体
的な構成例を示している。センスアンプ/データラッチ
回路は、EタイプpチャネルMOSトランジスタQp1、
Qp2、及びEタイプnチャネルMOSトランジスタQn
1、Qn2を用いた信号同期式インバータと、Eタイプp
チャネルQp3、Qp4及びEタイプnチャネルMOSトラ
ンジスタQn3、Qn4を用いた信号同期式インバータの組
み合わせにより構成されている。
【0071】EタイプnチャネルMOSトランジスタQ
n5、Qn6は、アドレスによって選ばれるカラム選択信号
CSLiによってオン、オフし、データ入出力線IO、
/IOとこのセンスアンプ/データラッチ回路の間のデ
ータの転送を制御するためのトランスファゲートであ
る。
【0072】1アドレスが8ビットの構成の場合は、C
SLiは8本のビット線に対し共通の信号となる。
【0073】EタイプnチャネルMOSトランジスタQ
n7はセンスアンプ/データラッチ回路とビット線BLi
のデータ転送を制御するトランスファゲートである。読
出し時にはクロックφCDが“H”、書込み時にはクロッ
クφCDはVM (〜10V)となって、このMOSトラン
ジスタQn7によりデータの転送が行われる。
【0074】EタイプpチャネルMOSトランジスタQ
p5は、ビット線プリチャージ用トランジスタである。制
御信号/PREが“L”になると、このMOSトランジ
スタNp5がオンとなり、ビット線BLiがVcc=5Vに
プリチャージされる。
【0075】EタイプnチャネルMOSトランジスタQ
n8は、リセット用トランジスタである。制御信号RES
ETが“H”になると、このMOSトランジスタQn8が
オンになり、ビット線BLi が接地電位にリセットされ
る。
【0076】DタイプnチャネルMOSトランジスタQ
D1は、高電位がメモリセルに印加されるデータ消去の時
にトランジスタQp5及びQn8に高電位が印加されないよ
うにするためのトランジスタであり、クロックφCUを
“L”にすることでMOSトランジスタQD1がオフにな
ってMOSトランジスタQp5及びQn8には高電位が印加
されなくなる。
【0077】図9の制御回路の各モードによる動作を説
明する。
【0078】データ読出し時には、クロックφA1、φB1
が“H”となり、クロックφA2、φB2が“L”となって
フリップフロップは非動作状態である。この時カラム選
択信号CSLiは“L”、クロックφCDは“H”、クロ
ックφCUは“H”、制御信号/PREは“H”、RES
ETは“L”、VBTはVccである。次に、制御信号/P
REは“L”となってビット線BLiがVccにプリチャ
ージされる。制御信号/PREが“H”となってビット
線BLiがフローティング状態になったら、ワード線を
所定の電位にしてメモリセルのデータが読出される。こ
の読出されたデータによってビット線BLiは“H”か
“L”となる。
【0079】φA1を“L”、φA2を“H”にすると、ビ
ット線電位に応じてノードnode2 の電位が確定し、φB1
を“L”、φB2を“H”にすればデータがラッチ状態に
なる。カラム選択信号CSLiを“H”とすることで、
データは入出力線IO、/IOに転送される。
【0080】図10にデータ入出力バッファ25の構成
例を示し、図11に非ベリファイ時のデータ入力波形を
示す。非ベリファイ時のデータ書込み時には、まず図9
のビット線制御回路26のクロックφCDが“L”となっ
てビット線BLiとセンスアンプが切り離される。
【0081】“0”書込みのビット線につながるIOに
はVssが、IOBにはVccが出力され、カラム選択信号
CSLiがアドレス信号によって選ばれ、node1 がIO
と、node2 がIOBとつながる。これによってnode1 が
Vssに、node2 がVccとなる。IO及びIOBはカラム
選択信号CSLiが閉じるまで、それぞれVss、Vccに
保たれており、node1 がVss、node2 がVccの状態でラ
ッチされる。
【0082】“1”書込みの場合も同様にして、IOに
はVccが、IOBにはVssが出力されて、node1 がVc
c、node2 がVssの状態でラッチされる。
【0083】1ページ分のデータがラッチされると、ク
ロックφCDが“H”となる。クロックφCDとVBTが電源
電位Vccから中間電位VM となって、データによってビ
ット線電位はVM か0Vとなる。書込みが終了すると、
VBTとφCDはVccとなり、φA1、φB1が“H”、φA2、
φB2が“L”となり、RESETが“H”となってリセ
ットされる。
【0084】次にベリファイ動作に移行し、読出し動作
が行われる。ベリファイ時の読出しでは選択ワード線に
0.5Vが与えられる。すなわち選択メモリセルのしき
い値が0.5V以上であれば“0”書込みされた状態、
0.5V以下であれば消去状態“1”とみなされる。従
って、ベリファイは“0”となるべきメモリセルが十分
注入動作がなされ“0”と読出されればOK、電子注入
動作が不十分で“1”と読出されればNGで再度の書込
みが必要と判定される。
【0085】“0”書込みの場合について考える。
【0086】注入が十分におこなわれ、“0”がベリフ
ァイ読出しされた場合には、セル電流は流れないで、読
出し動作後センスアンプ回路のノードnode1 にはVcc
が、node2 にはVssがラッチされている。このセルは再
度の書込み動作は不必要であるからベリファイ再書込み
の際には、node1 にはVccが、node2 にはVssがラッチ
されれば良い。すなわち読出し動作の後ラッチしたデー
タを保ったまま、再書込みモードに入れば都合が良い。
【0087】電子注入が不十分で“1”がベリファイ読
出しされた場合にはセル電流が流れ、読出し動作後セン
スアンプのノードnode1 にはVssが、node2 にはVccが
ラッチされている。このセルは再度の書込み動作が必要
であるから、ベリファイ再書込みの際にはnode1 にはV
ssが、node2 にはVccがラッチされれば良い。すなわち
この場合にも、読出し動作の後ラッチしたデータを保っ
たまま再書込みモードに入れれば都合が良い。
【0088】以上のように、“0”書込みのセルのベリ
ファイ動作に関しては、ベリファイ読出しでラッチした
データをそのまま保ったまま、次の再書込みモードに入
れれば、注入が十分なセルにはビット線に中間電位が与
えられて、さらなる不必要な電子注入を防ぎ、注入が不
十分なセルにはビット線にVssが与えられて、再注入が
行なわれるという、ビット毎のベリファイが可能とな
る。
【0089】“1”書込みの場合について考える。
【0090】この場合電子注入はされずにメモリセルは
消去状態を保ったままで、しきい値は負の状態である。
この場合ベリファイ読出し後においてセンスアンプ回路
ののノードnode1 にはVssが、node2 にはVccがラッチ
されている。このセルは次の再書込みモードにおいても
注入は行なわないようにするため、node1 にはVccが、
node2 にはVssがラチッされる必要がある。すなわち
“0”書込みの場合は逆にラッチデータを反転してやる
必要がある。
【0091】以上をまとめると、“0”書込みのメモリ
セルに対してはベリファイ読出しでラッチしたデータを
用い“1”書込みメモリセルに対してはベリファイ読出
しでラッチしたデータを反転してやれば良い。すなわち
再書込みの際外部制御回路から転送されてくるデータが
“0”であればラッチデータを保持したまま、“1”で
あればラッチデータを反転してやれば、外部制御回路か
らのデータを変化させることなくビット毎のベリファイ
が達成されることになる。
【0092】上記の条件を達成するための具体的なベリ
ファイ制御動作を以下に述べる。
【0093】ベリファィモードに入ると、ベリファイ制
御信号φVER が“H”にラッチされ、ベリファイ動作が
完了するまで“H”が保たれる。ベリファイモード時の
データ転送の波形図を図12に示す。
【0094】まず、制御信号φVER が“H”の状態にお
いて、IOはVccに固定される。この状態で、書き込み
制御信号WESBが“L”に遷移すると図10の回路に
おいてIOBも同様にVccに固定される。その後、カラ
ム選択信号CSLiがVccになる。
【0095】次に、制御信号WESBが“H”に遷移し
たときにデータが確定するが、“0”書込みの場合に
は、図10の制御回路によってIOBはVccを保つ。
“1”書込みの場合には図10の回路によってIOBは
VccからVssに反転する。その後カラム選択信号CSL
iがVssになる。
【0096】以上の条件をもとに“0”書込みで注入が
十分に成された場合、“0”書込みで注入が不十分だっ
た場合、及び、“1”書込みの場合の3種類の各々の場
合について図12を参照して説明する。
【0097】図12において、電子注入が十分成された
場合、ベリファイ読みだしによってノードnode1 にはV
ccが、node2 にはVssがラッチされている。カラム選択
信号CSLiがVccになった時、IO、IOBにはいず
れもVccが出力されている。この時IOBからカラムゲ
ートトランジスタQn5、node2 、クロック信号同期式イ
ンバータのトランジスタQn1、Qn2を通じて電流パスが
生じて、node2 の電位が上昇するが、トランジスタQn5
が五極管動作していてここでの電圧降下成分が大きいた
め、node2 の電位上昇は1V以下に押さえられる。従っ
て、ラッチデータが壊されることはない。次に制御信号
WESBが“H”に遷移するが、IO、IOBは変化せ
ずVccを保つ。その後カラム選択信号のCSLiがVss
になると、node1 はVccに、node2 はVssになり、ベリ
ファイ読みだし直後のラッチ状態に戻る。
【0098】図12の“0”書込みにおいて、電子注入
が不十分な場合の動作は次の通りである。この場合、ベ
リファイ読出しによって、ノードnode1 にはVssが、no
de2にはVccがラッチされている。カラム選択信号CS
LiがVccになった時、IO、IOBにはいずれもVcc
が出力されている。この時、IOからカラムゲートトラ
ンジスタQn6、node1 、クロック信号同期式インバータ
のトランジスタQn3、Qn4を通じて電流パスが生じて、
node1 の電位が上昇するが、トランジスタQn6が五極管
動作してしてここでの電圧降下成分が大きいため、node
1 の電位上昇は1V以下に押さえられる。従って、ラッ
チデータが壊されることはない。次に制御信号WESB
が“H”に遷移するが、IO、IOBには変化せずVcc
を保つ。その後カラム選択信号CSLiがVssになる
と、node1 はVssに、node2 はVccになり、ベリファイ
読出し直後のラッチ状態に戻る。
【0099】図12において、“1”書込みの動作は次
のようになる。この場合、ベリファイ読出しによって、
ノードnode1 にはVssが、node2 にはVccがラッチされ
ている。カラム選択信号CSLiがVccになった時、I
O、IOBにはいずれもVccが出力されている。この状
態では上述のようにラッチデータが破壊されることはな
い。次に制御信号WESBが“H”に遷移するが、IO
は変化せずVccを保ち、IOBはVssに反転する。これ
によってnode1 はVccに、node2 はVssになり、ベリフ
ァイ読出し直後のラッチ状態が反転される。その後カラ
ム選択信号CSLiがVssになると、node1 はVccに、
node2 はVssになり、ベリファイ読出し直後と反転した
状態にデータがラッチされる。
【0100】上記のようにして、1ページ分のデータが
ラッチされると、クロックφCDが“H”となる。次にφ
CDとVBTがVccから中間電位VM となって、データによ
ってビット線VM かVssになる。すなわち注入が十分行
なわれ、それ以上注入動作を必要としない“0”書込み
のビット線にはVM が、注入が不十分で更に注入動作を
必要とする“0”書込みのビット線はVssが“1”書込
みのビット線にはVMが供給される。
【0101】以上のような構成と基本動作モードとを持
つNANDセル型EEPROMを持つ図1のシステム
は、図13に示すアルゴリズムによってデータ書込みと
書込み状態の確認(ベリファイ)動作が行われる。ここ
では一本の制御ゲート線に沿う4096個のメモリセル
(即ちカラムアドレイ0〜511)を1ページとして、
ページモードでデータ書込みとベリファイ動作を繰り返
す場合のアルゴリズムを示している。
【0102】まず最初のページに対してページ番号0が
設定され(S1 )、次にデータ書込み回数を示す数Nが
N=0に設定され(S2 )、ページ内アドレスが0に設
定される。次に、書込みモードの設定(S4 )、1ペー
ジ分のデータ設定(S5 )を経た後、40μsec の書込
みパルスで1ページ分のデータ書込みが行われる(S6
)。
【0103】書込みが終了すると書込みベリファイモー
ドに設定され(S7 )、読出し動作が行われ(S8 )、
書込み状態が十分であるか否かが判定される(S9)。
書込みが不十分であると、N<3であるか否かが判定さ
れる(S12)。この判定結果がNOであれば、Nがステ
ップアップされ(S13)、再書込み時間を決定する数P
が計算される(S14)。
【0104】次に再び書込みモードに設定され(S1
5)、1ページ分のデータ設定(S16)を経て、P×1
msec のパルス幅で1ページ分のデータが再書込みされ
る(S17)。次に書込みベリファイモードに設定され
(S7 )、読出し動作が行われ(S8 )、書込み状態が
十分であるか否かが判定される(S9 )。書込みが十分
であることが確認されると、ページ内アドレスが511
に達しているかどうかが判断され(S10)、NOであれ
ば、次のアドレスに対して(S11)、ベリファイ読出し
動作が繰り返される。
【0105】以上の動作を繰り返して、1ページ分のメ
モリセルのデータ書込みが十分である事が確認される
と、ベリファイ読出しモードが解除され(S19)、1ペ
ージ分の書込みが終了する。
【0106】データ再書込みを3回繰り返してもデータ
書込みが終了しない場合には、メモリセルに何等かの異
常があるものとして、ベリファイモードが解除され(S
18)、書込み終了となる。
【0107】1ページ分の書込みが終了すると、ベリフ
ァイモードが解除され(S19)、最終ページであるかが
判断され(S20)、NOであればページ番号がステップ
アップされ(S21)、上記ベリファイ書込み動作が繰り
返される。最終ページであると判断されると書込み終了
となる。
【0108】再書込み(S17)のパルス幅を1msec と
して1回目のパルス幅40μsec に比べて大幅に増加さ
せている事について説明する。
【0109】書込み後のしきい値分布を0.5V〜3V
に収める場合を考えると、1回目のパルス幅40μsec
で0.5V以上のしきい値を持ったセルは再書込みされ
る必要はない。最も書込まれやすいセルのしきい値がパ
ルス幅40μsec で3Vを越えないような電圧で書込む
ことはいうまでもない。問題はパルス幅40μsec でぎ
りぎり0.5Vにしきい値が達しなかったセルである
が、再書込みパルス幅の上限はそのパルス幅40μsec
でぎりぎり0.5Vにしきい値が達しなかったセルが3
Vのしきい値を有するのにどの程度の書込み時間がかか
るかで決まる。しきい値の変動量は書込み時間に対して
指数関数的に減少するので、パルス幅40μsec でぎり
ぎり0.5Vにしきい値が達しなかったセルは1msec
程度の再書込みパルスを与えても、しきい値が3Vを越
えることはない。
【0110】書込みパルス幅をチップ内部で次のように
増加させてもよい。これは、チップ内部で自動ベリファ
イを行うときに有効である。パルス幅決定には、図14
に示すように、リングオシレータ51と、リングオシレ
ータ51が発生するパルス数が規定回数に達したら信号
を出す第1のカウンタ52と、再書込みの回数を記憶し
前記の規定回数の設定を行う第2のカウンタ53と、カ
ウンタ52、53のロジックをとり所定幅のパルス信号
及びリセット信号を出力するリセット信号発生回路54
を用いる。
【0111】上記の例では再書込みパルス幅を2倍又は
3倍ずつ増加しているが、その倍率の設定はTp =40
×KN (Kは任意)のように自由度を持つので、必ずし
も等比数列的に増加させなくてもよい。即ち、しきい値
の変動量の大きいNの小さい領域ではパルス幅を短く設
定できるよう(40μsec →40μsec →80μsec→
160μsec )のようにしてもよい。
【0112】数回再書込みする度に再書込みパルス幅を
増やしてもよい。例えば、(40μsec →40μsec →
120μsec →160μsec )のように2回再書込みを
する度に再書込みパルス幅を2倍としてもよい。再書込
みパルス幅を等差数列的にTp =40×(N+1)と
し、(40μsec →80μsec →120μsec →160
μsec )と増加させてもよい。更に、再書込みパルス幅
を指数関数的に増加させてもよい。
【0113】上記のように任意の数式に従って再書込み
パルス幅を増加又は変化させることが可能である。再書
込みパルス幅をどのように増加させるか外部(例えばC
PU)に記憶しておき、任意に再書込みパルス幅を決定
してもよい。
【0114】再書込みパルスの幅を2倍ずつ増加させる
場合について、図15を参照して説明する。
【0115】まず、最初のページに対してページ番号0
が設定され(S1 )、次にデータ書込み回数を示す数N
がN=0に設定され(S2 )、ページ内アドレスが0に
設定される。次に書込みモードの設定(S4 )、1ペー
ジ分のデータ設定(S5 )を経た後、40μsec の書込
みパルスで1ページ分のデータ書込みが行われる(S6
)。
【0116】書込みが終了すると書込みベリファイモー
ドに設定され(S7 )、読出し動作が行われ(S8 )、
書込み状態が十分であるか否かが判定される(S9 )。
書込みが不十分であると、Nがステップアップされる
(S13)。次に再び書込みモードに設定され(S15)、
1ページ分のデータ設定(S16)を経て、40×2N μ
sec のパルス幅で1ページ分のデータが再書込みされる
(S17)。次に書込みベリファイモードに設定され(S
7 )、読出し動作が行われ(S8 )、書込み状態が十分
であるか否かが判定される(S9 )。書込みが十分であ
ることが確認されると、ページ内アドレスが511に達
しているかどうかが判断され(S10)、NOであれば、
次のアドレスに対して(S11)、ベリファイ読出し動作
が繰り返される。
【0117】以上の動作を繰り返して、1ページ分のメ
モリセルのデータ書込みが十分である事が確認される
と、ベリファイ読出しモードが解除され(S19)、1ペ
ージ分の書込みが終了する。
【0118】1ページ分の書込みが終了すると、ベリフ
ァイモードが解除され(S19)、最終ページであるかが
判断され(S20)、NOであればページ番号がステップ
アップされ(S21)、上記ベリファイ書込み動作が繰り
返される。最終ページであると判断されると書込み終了
となる。
【0119】図9のセンスアンプ/データラッチ回路
は、EタイプpチャネルMOSトランジスタQp1、Qp
2、及びEタイプnチャネルMOSトランジスタQn1、
Qn2を用いた信号同期式インバータと、Eタイプpチャ
ネルQp3、Qp4及びEタイプnチャネルMOSトランジ
スタQn3、Qn4を用いた信号同期式インバータの組み合
わせにより構成されているが、図16にCMOSフリッ
プフロップ回路で構成されたセンスアンプ/データラッ
チ回路を示す。
【0120】更に、図9では、カラム選択信号CSLi
は複数本のビット線に対して共通な例を示したが、CS
Liがビット線ごとに分割されている場合は、上記実施
例によらずベリファイ時の再データ入力時に“0”デー
タならばCSLiを“L”のままで開かず、“1”デー
タならばCSLiを“H”として開いてラッチデータを
反転させてもよい。
【0121】図16に示すCMOSフリップフロップ型
センスアンプを用いた場合のより具体的な構成例を、図
17を用いて説明する。
【0122】先に述べたようにCMOSフリップフロッ
プを用いたセンスアンプ回路をそのままNANDセル型
EEPROMに適用した場合には、ビット線電位が変化
しないとデータを読出すことができない。図17の実施
例のセンスアンプ回路はこの問題を解決している。
【0123】センスアンプ回路本体は、nチャネルMO
SトランジスタQn41 及びQn42 とpチャネルMOSト
ランジスタQp41 及びQp42 とからなるCMOSフリッ
プフリップ構造で構成される。nチャネルMOSトラン
ジスタQn41 及びQn42 の共通ソースノードには活性化
用nチャネルMOSトランジスタQn43 が設けられ、同
様にpチャネルMOSトランジスタQp41 及びQp42 の
共通ソースノードには活性化用pチャネルMOSトラン
ジスタQp43 が設けられている。Qn46 は、フリップフ
ロップ回路の2個のノードをイコライズするnチャネル
MOSトランジスタである。フリップフロップ回路の2
個のノードN1 及びN2 はトランスファゲートnチャネ
ルMOSトランジスタQn44 及びQn45 を介して、ビッ
ト線BLL 、BLR に接続される。メモリセルはビット
線の負荷容量が大きなアンバランスを持たぬようにセン
スアンプ回路をはさんで同程度の数が接続されている。
【0124】ここで特徴的な構造として、図示しない
が、CMOSフリップフロップ回路を構成するトランジ
スタにおいて、nチャネルMOSトランジスタQn42 の
チャネル幅をnチャネルMOSトランジスタQn41 のチ
ャネル幅に対して2倍とし、pチャネルMOSトランジ
スタQp42 のチャネル幅をpチャネルMOSトランジス
タQp41 のチャネル幅に対して2倍としている。すなわ
ちnチャネルMOSトランジスタQn42 がnチャネルM
OSトランジスタQn41 より駆動能力が大きく、pチャ
ネルMOSトランジスタQp42 がpチャネルMOSトラ
ンジスタQp41 より駆動能力が大きくなるように、素子
寸法が設定されている。
【0125】上記のような構成を有するセンスアンプ回
路の動作を、図18及び図19の波形図を参照して説明
する。
【0126】図18は、ビット線BLL 側のメモリセル
ML8 を選択して、ランダムアクセスする時の波形図で
ある。
【0127】この場合、ビット線BLR は参照電位とし
ての役割を有する。その動作はまずイコライズ用トラン
ジスタQn46 のゲート信号EQを“H”にして両ビット
線BLL 、BLR を等電位にプリチャージする。ここで
は(1/2)Vccにする。その方法は、例えば、ビット
線BLL をVccに、ビット線BLR をVssにプリチャー
ジしてフローティング状態にした後、イコライズ信号E
Qを“H”にすることによって達成するか、或いは、周
辺回路からビット線BLL 又はBLR を(1/2)Vcc
を供絡してもよい。プリチャージ電位は(1/2)Vcc
に限らない。
【0128】この間、活性化信号φSAP は“H”、活性
化φSAN は“L”でフリップフロップ回路は不活性にな
っている。その後選択されたNANDセルの選択ゲート
トランジスタSGL1、SGL2にVccを与え、選択さ
れたメモリセルのコントロールゲートにVss、非選択メ
モリセルのコントロールゲートにVccを与える。この
時、選択されたメモリセルML8 が“0”状態(Vth>
0)であれば、セル電流が流れずビット線BLL は(1
/2)Vccを保つ。“1”状態(Vth<0)であればセ
ル電流が流れ、ビット線BLL は(1/2)Vccから低
下する。
【0129】一方フリップフロップ回路のノードN2 に
つながるビット線BLR に接続されているNANDセル
の選択ゲート及びコントロールゲートはVssのままで、
ビット線BLR は(1/2)Vccレベルを保持する。
【0130】“0”読出しの場合は、上記のように、両
ビット線BLL 及びBLR はいずれも(1/2)Vccで
同電位であるが、この状態において、nチャネル側の活
性化信号φSAN を“H”としてフリップフロップ回路中
のノードN3 をゆっくりとVssレベルに引き下げる。こ
のとき、MOSトランジスタQn42 のチャネル幅はMO
SトランジスタQn41 のチャネル幅の2倍であるから、
MOSトランジスタQn42 の方が約2倍の電流を流す。
よってノードN2 がノードN1 よりも速くVss電位へ引
き下げられる。
【0131】“1”読出しの場合、ビット線BLR は
(1/2)Vccに保たれているが、ビット線BLL はセ
ル電流が流れて(1/2)Vcc−0.5V程度まで低下
している。この状態でnチャネル側の活性化信号φSAN
を“H”としてノードN3 の電位を引き下げる。この場
合、MOSトランジスタQn42 はMOSトランジスタQ
n41 に比較して2倍のチャネル長を有するが、ゲート入
力電圧が0.5V低いために、ノードN1 がノードN2
よりも速くVss電位へ引き下げられる。
【0132】以上の様にビット線レベル差を拡大したの
ち、pチャネル側の活性化信号φSAP を“L”にするこ
とによって、ビット線レベルの差を拡大して、一方がV
cc、他方がVssの状態でデータラッチする。
【0133】図17の右側のNANDセルのメモリセル
MR8 を選択する場合を説明する。このときの動作波形
は図19である。
【0134】図18に示す場合と同様に両ビット線を
(1/2)Vccにイコライズした後、選択ゲートトラン
ジスタSGR1、SGR2にVcc、選択されたメモリセ
ルMR8 のコントロールゲートにVss、その他の非選択
メモリセルのコントロールゲートにはVccを与える。こ
の時選択されたメモリセルMR8 が“0”であればセル
電流が流れず、ビット線BLR は(1/2)Vccを保
つ。“1”状態であればセル電流が流れ、ビット線BL
R は(1/2)Vccから低下する。
【0135】一方フリップフロップ回路のノードN1 に
つながるビット線BLL に接続されているNANDセル
の選択ゲート及びコントロールゲートはVssのままであ
るので、ビット線BLL の電位は(1/2)Vccレベル
を保ち続ける。
【0136】“0”読出しの場合、両ビット線BLL 、
BLR はいずれも(1/2)Vccで同電位であるが、こ
の状態でまず、pチャネル側の活性化信号φSAP を
“L”としてフリップフロップ回路中のノードN4 をゆ
っくりとVccレベルへ引き上げる。トランジスタQp42
のチャネル幅はトランジスタQp41 のチャネル幅の2倍
であるから、トランジスタQp42 の方が約2倍電流駆動
能力が高い。よってノードN2 がノードN1 よりも速く
Vcc電位へ引き上げられる。
【0137】“1”読出しの場合、ビット線BLL は
(1/2)Vccに保たれているが、ビット線BLR はセ
ル電流が流れて(1/2)Vcc−0.5V程度まで低下
している。ここでノードN4 をVccへ引き上げる。この
場合トランジスタQp42 はQp41 の2倍のチャネル長を
有するが、ゲート入力電圧が0.5V高いためにノード
N1 がノードN2 より速くVcc電位に引き上げられる。
以上のようにビット線電位差を、nチャネル側活性化信
号φSAN を“H”にすることによって拡大してデータを
ラッチする。
【0138】以上をまとめると、左側のメモリセルを読
出す場合には、nチャネル側活性化信号φSAN を先に引
上げ、右側のメモリセルを読出す場合にはpチャネル側
の活性化信号φSAP を先に引下げることによって、参照
電位と検出電位が同電位でも所望の安定状態へフリップ
フロップを動作させることができる。
【0139】図18及び図19ではフリップフロップを
構成するトランジスタのチャネル幅を変えた場合につい
て説明している。しかし、フリップフロップの電流駆動
能力が違えば良いのであるから、チャネル幅を変えた場
合に限定されず、他にも種々の方法が考えられる。例え
ば、チャネル長を違えても良いし、しきい値電圧を変え
ても良いし、トランジスタの酸化膜厚を変えても良い
し、これらの組み合わせでもよい。
【0140】読出し時の各信号のタイミングも種々の変
形が可能である。例えば、図18及び図19において、
活性化信号φSAN を“H”、若しくは、活性化信号φSA
P を“L”にした後に、ビット線電位差が十分に開いた
ら、トランスファーゲートトランジスタQn44 及びQn4
5 のそれぞれの制御信号φL 及びφR を“L”として、
ビット線をフリップフロップ回路から切り離しても良
い。これにより、その後ビット線容量がセンスアンプか
ら見えなくなるために、高速なセンスが可能となる。そ
の場合のタイミング図を図20に示す。
【0141】更に、図18において、“1”読出し時、
セル電流が流れることによってある程度、ビット線電位
が下った後、選択ゲートや非選択メモリセルのコントロ
ールゲート電位をVssとしてもよい。そのタイミング
は、図21に示すように、nチャネル側活性化信号φSA
N を“H”とする前(時刻t1 )、nチャネル側活性化
信号φSAN を“H”とした後(時刻t2 )、pチャネル
側活性化信号φSAP を“L”とした後(時刻t3 )のい
ずれでも良い。図19のタイミングに対しても同様に考
える事ができる。
【0142】更に、選択ゲートと制御ゲートの制御タイ
ミングが異ってもよい。
【0143】以上では、NANDセル型EEPROMの
センスアンプの実施例を述べているが、他のEEPRO
M、EPROM、マスクROM等の不揮発性メモリを始
め各種半導体メモリに対して、同様のセンスアンプ回路
の適用可能である。
【0144】図22は、図17のセンスアンプ回路の変
形例である。活性化用トランジスタとして、pチャネル
側に二つのpチャネルMOSトランジスタQp431、Qp4
32が設けられ、同様にnチャネル側に二つのnチャネル
MOSトランジスタQn431、Qn432が設けられている。
ここで、nチャネルMOSトランジスタQn431の電流駆
動能力はnチャネルMOSトランジスタQn432よりも小
さく、pチャネルMOSトランジスタQp431の電流駆動
能力はpチャネルMOSトランジスタQp432よりも小さ
く設定されている。それ以外は、図17と同じである。
【0145】図22のセンスアンプ回路の場合、nチャ
ネル側をpチャネル側より先に活性化する時(左側のメ
モリセルを読み出す時)には、まず活性化信号φSAN1に
よりMOSトランジスタQn431がオンにされ、次に活性
化信号φSAN2によりMOSトランジスタQn432がオンさ
れる。この動作は、共通ソース電位の電位引き下げをゆ
っくり行い、両ビット線の電位差が開いたら電流駆動能
力の大きなトランジスタで急速にソース電位を引き下げ
るために行われる。pチャネル側を先に活性化する場合
(右側のメモリセルを読出す時)も同様に、電流駆動能
力の小さいMOSトランジスタQp431が先にオンにさ
れ、遅れて電流駆動能力の大きい方のMOSトランジス
タQp432がオンにされる。
【0146】左側のメモリセルを読出す時のpチャネル
側の活性化、及び、右側のメモリセルを読出す時のnチ
ャネル側の活性化は、二つの活性化トランジスタの駆動
の前後関係は問わない。例えば、図22の左側のメモリ
セルを読む場合、上述のように活性化信号φSAN1を先に
“H”とし、次に活性化信号φSAN2を“H”にする。そ
の後、pチャネル側を活性化することになるが、この場
合は、活性化信号φSAP1とφSAP2のタイミングは、φSA
P1の方が早くてもよいし、同時でも良いし、或いは駆動
能力の大きい方のφSAP2のみ“L”としてもよい。
【0147】先に述べたように、NANDセル型EEP
ROMでは、非選択メモリセルは転送ゲートとして用い
られるため、読出しや書き込み時にその制御ゲートを例
えばVccに充電する必要がある。この場合、制御ゲート
はワード線として多数のメモリセルが接続されるために
負荷容量が非常に大きく、その立上がり時間や立ち下が
り時間がアクセス時間の多くの割合を占める。従って、
高速アクセスが難しいという問題がある。
【0148】この問題を解決するためには、ランダムア
クセスモードにおいて、非選択メモリセルの制御ゲート
の充電をソース側選択ゲート又はドレイン側選択ゲート
のそれより先行させ、放電は逆に遅らせるという制御を
行うことが好ましい。その理由を、非選択メモリセルの
制御ゲートの充電をソース側選択ゲートのそれより先行
させることを例にとって、以下に述べる。
【0149】転送ゲートとして働く非選択メモリセルの
制御ゲートの電位はセル電流を大きく律速するので、確
実にVccに充電することが必要である。一方ソース側選
択ゲートはバックバイアス効果がないので、プロセス条
件で決定されるしきい値、例えば、約2V以上になれ
ば、セル電流を律速しない。選択ゲートを2Vに充電す
る時間はVccまで充電する時間に比べて、1/4程度に
なる。そこで、ビット線プリチャージ中にドレイン側選
択ゲートと非選択メモリセルの制御ゲートの充電を先行
して開始する。このとき、ソース側選択ゲートは閉じて
いるので、VccからVssへの電流パスはない。もし、ビ
ット線プリチャージの時間と、選択ゲート及び微制御ゲ
ートの充電時間が同等であるならば、ビット線プリチャ
ージ後はドレイン側選択ゲート及び非選択メモリセルの
制御ゲートの充電は終了しているので、その後はソース
側選択ゲートを2Vまで充電すればよい。これによっ
て、従来のようにビット線プリチャージの後に選択ゲー
トと非選択メモリセルの制御ゲートの充電を開始する場
合に比べて、大幅な時間短縮になる。
【0150】具体的に上記に示すような動作タイミング
を適用した実施例を説明する。
【0151】図23は本実施例のロウデコーダ部分の構
成を示し、図24はセンスアンプ部の構成を示す。動作
タイミングは、従来の図25に対して、図26のように
する。図26のタイミングが図25と異なるのは、ソー
ス側選択ゲートの制御に関係する信号RDENB、RE
AD、READB、φ2 等である。
【0152】ランダムアクセスは、従来と同様に、ロウ
アドレスの遷移を検出することにより始まる。信号同期
式インバータを用いたセンスアンプ部の活性化信号を、
SEN=“L”、SENB=“H”、RLCH=
“L”、RLCHB=“H”として、インバータを非活
性化すると同時に、信号RDENB=“H”とすること
によって、ドレイン側選択ゲートと非選択メモリセルの
制御ゲートの充電を先行して開始する。このときソース
側選択ゲートは、信号READ、READBによってロ
ウデコーダから切り離され、信号φ2 によってVssにな
っている。
【0153】次に信号PREを“L”とすることによっ
て、ビット線をVccにプリチャージする。このときドレ
イン側選択ゲートと非選択メモリセルの制御ゲートは充
電されているが、ソース側選択ゲートは閉じているの
で、VccからVssへの放電パスはない。次に、SEN=
“H”、RLCHB=“L”とすることによって、ラッ
チ回路をリセットすると同時にビット線の追加充電を行
う。続いて、SEN=“L”、RLCHB=“H”とす
ることによって、センスアンプを再び非活性化する。こ
こまでの全時間は、従来と変わらない。
【0154】次に、信号φ2 を“L”、READを
“H”、READBを“L”とする。これにより、ソー
ス側選択ゲートの充電を行う。ソース側選択ゲートは制
御ゲートと異なり、ソースがVssであるから、2V程度
まで充電されれば、セル電流を制限することはない。従
って選択ゲート及び制御ゲートの充電時間は、実質的に
これらをVccまで充電する時間から、ソース側選択ゲー
トを2Vまで充電する時間にまで短縮されたことにな
る。
【0155】その様子を従来例の図27(a)と比較し
て図27(b)に示す。
【0156】この後、選択メモリセルのデータによって
ビット線電位が変化する。そしてSEN=“H”、SE
NB=“L”として、ビット線を入力とする一方の信号
同期式インバータを活性化し、次いでRLCHB=
“L”、RLCH=“H”とすることによって他方の信
号同期式インバータを活性化することによって、読出し
たデータをラッチする。その後カラムアドレス選択信号
CSLにより、ラッチされたデータを入出力センスアン
プ、データ出力バッファを介して外部に出力する。
【0157】選択ゲート及び非選択メモリセルの制御ゲ
ートの立ち下げについても同様に考えることができる。
ソース側選択ゲートは2V以上あればセル電流を制限し
ないから、ドレイン側選択ゲートや非選択メモリセルの
制御ゲートより先に立下げる。ソース側選択ゲートさえ
放電されていれば、ドレイン側選択ゲートや非選択メモ
リセルの制御ゲートが放電されていない状態でも次のラ
ンダムアクセスモードに入ることができる。
【0158】ドレイン側選択ゲートは、制御ゲートに比
較すればセル電流を律速しないので、ソース側選択ゲー
トと同じタイミングで駆動してもよい。
【0159】以上のように、セル電流の制御をソース側
選択ゲートによって行うことにより、実質的にドレイン
側選択ゲート及び非選択メモリセルの制御ゲートの立ち
上がり、立ち下がりに要する時間を短くすることがで
き、読出し時間の短縮が図られる。
【0160】図28は、本発明の他の実施例における図
3のロウデコーダ22の具体的な構成例を示す図であ
る。
【0161】図28において、NANDゲートG1 にお
いてアドレスAi とイネーブル信号RDENBによって
1個のNANDセルブロックが選択される。
【0162】ゲートG1 の出力は、インバータI1 を介
し、p型MOSトランジスタQp41及びQp42 とn型M
OSトランジスタQn11 及びQn12 からなる電圧切り替
え回路に入力される。
【0163】n型MOSトランジスタQn18 〜Qn27 は
NANDセルブロックが非選択なときに、選択ゲートS
GD 、SGs 及び制御ゲートCG1 〜CG8 を電位Vus
s に設定するためのトランジスタである。
【0164】トランジスタQn13 及びQp43 はNAND
セルブロックが選択されている時に、SGDDを選択ゲー
トに転送するための転送ゲートである。
【0165】トランジスタQn32 及びQp52 はNAND
セルブロックが選択されている時に、SGSDを選択ゲー
トに転送するための転送ゲートである。
【0166】トランジスタQn14 〜Qn17 、Qn28 〜Q
n31 、Qp44 〜Qp47 及びQp48 〜Qp51 はNANDセ
ルブロックが選択されている時に、それぞれ制御ゲート
の入力CG1D〜CG8Dを制御ゲートに転送するための転
送ゲートである。
【0167】図29及び図30を参照して、負のしきい
値分布を測定する場合を例に説明する。
【0168】まず、ロウアドレスの遷移に従って読出し
が開始される。次に、SENが“L”、SENBが
“H”、RLCHBが“H”、RLCHが“L”とな
り、センスアンプが非活性となる。
【0169】その後、PREBが“L”となってビット
線をVccに充電する。PREBが“H”となった後に、
SENを“H”、RLCHBを“L”としてセンスアン
プ内をリセットすると共にビット線を更にVccへ充電す
る。次に、イネーブル信号RDENBが“H”になる。
【0170】そして、ロウデコーダのn型トランジスタ
(Qn11 〜Qn12 、Qn13 〜Qn32)が形成されている
p型ウェルと、電圧切り替え回路のn型トランジスタ
(Qn11 〜Qn12 )のソース電位VL と、NANDゲー
トG1 、インバータI1 及びI2 のn型トランジスタの
ソース電位と、選択されたメモリセルの制御ゲートの入
力電位CG8Dと、周辺ロジック部のアドレス信号主力A
i の“L”レベルと、をしきい値分布測定用の負電圧−
VTEに低下させる(例えば、−2V)。
【0171】非選択メモリセルの制御ゲート及びドレイ
ン側選択ゲートの入力電位(CG1D〜CG7D、SGDD)
はVccになり、制御ゲートCG1 〜CG7 及びドレイン
側選択ゲートSGD はVccに充電される。
【0172】この段階では、ソース側選択ゲートの入力
SGSDがVssであり、ソース側選択ゲートSGS の電位
はVssに固定されているために、ビット線とソース線間
にリークパスは無い。
【0173】選択メモリセルの制御ゲートがテスト電圧
である−VTEになった後、ソース側選択ゲートの入力S
GSDをVCCに上げ、ソース側選択ゲートSGS をVccに
充電する。この段階で、もし選択メモリセルのしきい値
が制御ゲート電圧−2Vより低ければ(負の深い方
向)、セル電流が流れて、ビット線はVssに充電され
る。もししきい値が−2Vより浅ければ、セル電流は流
れず、ビット線は“H”レベルを保つ。
【0174】その後、SENを“H”、SENBを
“L”にして、ビット線レベルをセンスした後に、RL
CHBを“L”、RLCHを“H”としてデータをラッ
チする。
【0175】次に、SGSDをVSSにしてソース側選択ゲ
ートSGS をVssにする。これは、選択メモリセルの制
御ゲートをVssに戻す際にビット線とソース線間にリー
クパスが発生し、センスアンプとソース線にリークが発
生しないようにするために行われる。
【0176】次に、非選択メモリセルの制御ゲートC
G、ドレイン側選択ゲートSGD をVssに放電し、負の
電圧にバイアスしていたn型トランジスタのp型ウェル
等をVssに戻す。
【0177】その後、又は、これらの作業と同時に、カ
ラムゲートCSLiを選択し、ラッチしていたデータを
IO、IOBを介して外部に読み出す。
【0178】上記の動作をテスト電圧を変化させて行う
ことにより、負のしきい値分布を調べることが可能とな
る。
【0179】上記の説明は、負のしきい値分布を調べる
場合について述べたが、消去のベリファイ動作について
も同様の考え方ができる。
【0180】消去動作後ベリファイ動作に移行するが、
1ページ単位に行う場合を説明する。この場合は負のし
きい値電圧分布を調べる場合と同様であり、しきい値を
−2V以下に制御するならば、選択メモリセルの選択制
御ゲートに−2Vを与えて読出しを行う。また1NAN
Dブロックの全制御ゲートに−2Vを与えてブロック一
括でベリファイすることも可能である。これらの場合も
制御ゲートが負に十分充電されてから選択ゲートをON
させるようタイミングを制御させる。図29のビット線
制御回路部には、そのための検知トランジスタQn9が設
けられている。
【0181】消去動作の確認はセンスアンプのビット線
側ノードをゲート入力にする検知トランジスタQn9を用
いて行われる。Qn9のドレインのVDTCEは各センスアン
プの検知トランジスタのドレインが共通接続されてい
る。1ビットでも消去不足のセルがあれば、センスアン
プのビット線側ノードには、“H”がラッチされ、検知
トランジスタQn9をONさせ、VDTCEラインを“L”に
する。全ビットが十分消去されれば全センスアンプのビ
ット線側には、“L”がラッチされるので、トランジス
タQn9はすべてOFF状態となり、VDTCEラインとアー
スの間にパスは無くなる。
【0182】このVDTCEラインのレベルを検知すれば、
ブロック毎に一括してベリファイの結果が検知可能であ
る。
【0183】本実施例は、次のようにして、変形して実
施可能である。
【0184】例えば、図31に示すように、データラッ
チ後に、φCDを“L”として。センスアンプをビット線
から切り離せば、選択メモリセルの制御ゲート、ドレイ
ン側選択ゲート、ソース側選択ゲートの放電を同時に行
っても、問題はない。
【0185】更に、図32に示すように、ビット線の充
電と制御ゲート及びドレイン側選択ゲートの充電を同時
に行っても良い。
【0186】加えて、上記の実施例では、ビット線とソ
ース線の貫通を防ぐ目的で、ソース側選択ゲートの充電
を制御ゲートの充電より遅いタイミングで行ってきた
が、ソース側選択ゲートをドレイン側選択ゲートを入れ
替えた議論(ドレイン側選択ゲートの充電を遅らす)で
も同様の効果が得られる。更に、ソース側及びドレイン
側選択ゲートの両者を制御ゲートの充電に対して遅らせ
ても良く、その両者は必ずしも、完全に同じタイミング
で動く必要もない。
【0187】これまでは、制御ゲートと選択ゲートの立
ち上がりが同程度の場合を説明してきた。しかし、選択
ゲートの立ち上がり、立ち下がりが制御ゲートのそれに
比較して速い場合は、その効果が大きくなることは明か
である。これは以下のように達成できる。
【0188】ドレイン側又はソース側選択ゲートのうち
少なくとも一方を低抵抗配線で裏打ちしてやれば良い。
【0189】上記実施例では、浮遊ゲートは第1層ポリ
シリコン、制御ゲートは第2層ポリシリコン、選択ゲー
トは第1層ポリシリコンを第2層ポリシリコンで裏打ち
して形成され、ビット線は第1層アルミである。よっ
て、ドレイン又はソース側選択ゲートの少なくとも一方
を、例えば、低抵抗の第3層目のポリシリコン(ポリサ
イド)又は第2層アルミで裏打ちさせれば良い。
【0190】全制御ゲートと全選択ゲートを裏打ちする
ことは不可能であるが、例えば、ソース側選択ゲート1
本のみ裏打ちすることは容易である。
【0191】上記のように、ドレイン又はソース側選択
ゲートの少なくとも一方を低抵抗配線で裏打ちすること
によって効果は大きくなる。また、配線遅延は抵抗と容
量の乗算(いわゆる、RC)であることから、選択ゲー
トの酸化膜厚を著しく厚くする等、容量を減らす方法に
よって、高速な立ち上がり、立ち下がりを実現しても良
い。
【0192】本発明は上記実施例に限定されず、その要
旨を変更しない範囲で種々変更して実施可能である。
【0193】
【発明の効果】本発明によれば次のような効果が得られ
る。
【0194】本発明の第1局面によれば、“0”書込み
のメモリセルのベリファイ読出しデータを破壊すること
なく、次の再書込みを行うことによって注入が不十分な
メモリセルに対しては、再び注入動作が、注入が十分な
メモリセルに対しては、ビット線に中間電位を与えるこ
とによって、さらなる注入をふせぐ動作がなされ、ビッ
ト毎のベリファイ動作が可能となる。
【0195】データ書込み後、読出し動作を行って、外
部制御回路において、設定データと比較を行い、十分書
込みがおこなわれたセルに対してはデータは“0”から
“1”に変えて再びデータを設定し、再書込みを行うと
いう手法も考えられる。しかしこれは、外部制御回路に
大きな負担をかける他、ベリファイの度に1ページ分の
データを全て比較する必要が生じ書込み時間の増加を招
くなど問題点が大きい。本発明によれば、外部制御回路
から与えるデータを変更することなしに、ビットごとに
ベリファイを行なえる。従って、本発明の第1局面によ
れば、ビット毎のベリファイ動作を行うことによって、
従来のような過剰書込みをなくして信頼性向上を図り、
高速性能を実現したEEPROMを得ることができる。
【0196】本発明の第2局面によれば、電流駆動能力
の異なるトランジスタ対を用いたフリップフロップ型セ
ンスアンプは、電流駆動能力の等しいトランジスタを用
いたフリップフロップの二つのノードに電位差を与えた
と等価になるから、参照電位とセンス電位が等しい場合
にも所望の安定状態にフリップフロップを動作させるこ
とが可能になる。この場合、NMOSフリップフロップ
とPMOSフリップフロップの活性化のタイミングを読
出しアドレスによって異ならせ、二つのノードのいずれ
の側のデータをセンスするかに応じて一方の活性化を先
行させることによって、誤りなくデータを検出すること
ができる。従って、本発明の第2局面によれば、フリッ
プフロップ型センスアンプ回路を用いて高速センス動作
を実現したEEPROMを提供することができる。
【0197】本発明の第3局面によれば、非選択メモリ
セルの制御ゲートの充電をビット線と同時に行うように
したので、メモリセルの高速アクセスが可能になる。更
に、非選択メモリセルの制御ゲートがVssから負電圧へ
充電する過程でも、選択ゲートが閉じているので、ビッ
ト線電位は放電されない。制御ゲートが負のテスト電圧
に完全に設定された後、選択ゲートがONするので、確
実にしきい値の判定が可能となる。従って、本発明の第
3局面によれば、NANDセル型EEPROMの高速ア
クセスが可能になると共に、NANDセル型EEPRO
Mにおいて消去時のしきい値分布を正確に測定すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るNANDセル型EEP
ROMシステムの構成例を示す図。
【図2】図1のシステムをLSIメモリカードに適用し
た場合の斜視図及び平面図。
【図3】図1のNANDセル型EEPROMの具体的な
構成例を示す図。
【図4】図3のメモリセルアレイの一つのNANDセル
部分の平面図及び等価回路図。
【図5】図4(a)のA−A′及びB−B′断面図。
【図6】図5のEEPROMのメモリセルアレイ等価回
路図。
【図7】図3のロウデコーダ部の構成例を示す図。
【図8】図3のロウデコーダ部の構成例を示す図。
【図9】図3のビット線制御回路部の構成例を示す図。
【図10】図3のデータ入出力バッファのベリファイ時
のデータ制御回路を示す図。
【図11】実施例の非ベリファイ時のデータ入力波形を
示す図。
【図12】実施例のベリファイ時のデータ入力波形を示
す図。
【図13】本発明のベリファイ動作のアルゴリズムを示
す図。
【図14】パルス幅決定のための回路を示す図。
【図15】本発明のベリファイ動作アルゴリズムの他の
例を示す図。
【図16】CMOSフリップフロップ型センスアンプ回
路の構成例を示す図。
【図17】より具体化したCMOSフリップフロップ型
センスアンプ回路部の構成例を示す図。
【図18】図17の左側のメモリセルを読出す場合のタ
イミング図。
【図19】図17の右側のメモリセルを読出す場合のタ
イミング図。
【図20】読出し時の各信号のタイミングの変形例を示
すタイミング図。
【図21】読出し時の各信号のタイミングの他の変形例
を示すタイミング図。
【図22】他の実施例のフリップフロップ型センスアン
プ回路を示す図。
【図23】高速アクセスを実現した実施例のEEPRO
Mのロウデコーダ部の構成を示す図。
【図24】同じくセンスアンプ兼データラッチ部の構成
を示す図。
【図25】従来法によるアクセスのタイミング図。
【図26】実施例によるアクセスのタイミング図。
【図27】従来と本発明の実施例によるアクセス時間短
縮の様子を示す図。
【図28】本発明の他の実施例における図3のロウデコ
ーダの具体的な構成例を示す図。
【図29】図9のビット線制御回路部の変形例を示す
図。
【図30】本発明の他の実施例による読出しタイミング
チャート。
【図31】本発明の他の実施例の変形例による読出しタ
イミングチャート。
【図32】本発明の他の実施例の更に変形例による読出
しタイミングチャート。
【図33】従来のベリファイ動作のアルゴリズム示す
図。
【符号の説明】
Qn41 、Qn42 …nチャネルMOSトランジスタ(ドラ
イバ)、 Qp41 、Qp42 …pチャネルMOSトランジスタ(ドラ
イバ)、 Qn43 …nチャネルMOSトランジスタ(活性化用)、 Qp43 …pチャネルMOSトランジスタ(活性化用)、 Qn44 、Qn45 …nチャネルMOSトランジスタ(トラ
ンスファゲート)、 Qn46 …nチャネルMOSトランジスタ(イコライズ
用)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 寛 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内 (72)発明者 大内 和則 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内 (72)発明者 大平 秀子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内 (72)発明者 岡本 豊 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板と、 前記半導体基板上に積層形成された電荷蓄積層及び制御
    ゲートからなり、前記電荷蓄積層と前記半導体基板との
    間の電荷の授受により電気的書替えが行われる複数のメ
    モリセルによって構成され、一端部を有するメモリセル
    アレイと、 前記メモリセルアレイの前記一端部に接続されたビット
    線と、 前記メモリセルアレイの前記一端部に設けられ、センス
    動作と書込みデータのラッチ動作を行うデータラッチ兼
    センスアンプと、 前記データラッチ兼センスアンプに書込みデータを与え
    るデータ入力バッファと、 前記メモリセルアレイの所定範囲の前記メモリセルに所
    定の時間データ書込みを行った後に、前記メモリセルに
    書き込まれたデータを読み出すことによって、書込み不
    十分のメモリセルを検出した時に、前記メモリセルアレ
    イに再書込みを行うベリファイ制御手段と、 前記ベリファイ制御手段による再書込み時に、書込みデ
    ータの“0”及び“1”のいずれかに応じて前記データ
    入力バッファを介してビット毎に前記データラッチ兼セ
    ンスアンプに与えられる再書込みデータを前記入力バッ
    ファに自動設定する手段と、を具備することを特徴とす
    る不揮発性半導体記憶装置。
  2. 【請求項2】前記メモリセルアレイは、マトリックス形
    成されて、1本の制御ゲートを共有する複数のメモリセ
    ルを1ページとする複数のページで構成されることを特
    徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
  3. 【請求項3】半導体基板と、 前記半導体基板上に積層形成された電荷蓄積層及び制御
    ゲートからなり、前記電荷蓄積層と前記半導体基板との
    間の電荷の授受により電気的書替えが行われる複数のメ
    モリセルによって構成され、一端部を有するメモリセル
    アレイと、 前記メモリセルアレイの前記一端部に接続されたビット
    線と、 NMOSフリップフロップを構成する二つのNMOSト
    ランジスタの間及びPMOSフリップフロップを構成す
    る二つのPMOSトランジスタの間で電流駆動能力が異
    なるように構成されたCMOSフリップフロップで構成
    され、前記メモリセルアレイの前記一端部に設けられ、
    センス動作と書込みデータのラッチ動作を行うデータラ
    ッチ兼センスアンプと、を具備し、 前記NMOSフリップフロップと前記PMOSフリップ
    フロップとが読出しアドレスに応じて異なるタイミング
    で活性化されることを特徴とする不揮発性半導体記憶装
    置。
  4. 【請求項4】電気的に書き替え可能であり、ドレインと
    ソースと制御ゲートを有するMOSトランジスタで構成
    され、1のトランジスタの前記ドレインとそれに隣接す
    る他のトランジスタの前記ソースとが共有領域で形成さ
    れるように直列接続されて構成され、ドレイン端及びソ
    ース端を有するメモリセルアレイを構成する複数のメモ
    リセルと、 一端及び他端を有し、一端が前記ドレイン端に接続され
    た第1選択ゲートと、 前記第1選択ゲートの他端に接続されたビット線と、 前記ソース端に接続された第2選択ゲートと、 非選択メモリセルの前記制御ゲートを前記第1及び第2
    選択ゲートの少なくとも1つよりも早く充電する手段
    と、を具備することを特徴とする不揮発性半導体記憶装
    置。
  5. 【請求項5】前記充電手段は、非選択メモリセルの前記
    制御ゲートと前記ビット線とを同時に充電する手段を含
    むことを特徴とする請求項4記載の不揮発性半導体記憶
    装置。
  6. 【請求項6】非選択メモリセルの前記制御ゲートを前記
    第1及び第2選択ゲートの少なくとも1つよりも遅れて
    放電する手段を更に具備することを特徴とする請求項4
    又は請求項5記載の不揮発性半導体記憶装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012185892A (ja) * 2011-03-07 2012-09-27 Toshiba Corp 半導体記憶装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012185892A (ja) * 2011-03-07 2012-09-27 Toshiba Corp 半導体記憶装置
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