JPH067657U - 殺菌用マット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 長時間薬効が持続し、薬剤の補充作業を頻繁
に行う必要がなく、殺菌効果の高い殺菌マットを提供し
ようとするもの 【構成】 ゴムベース１の上３の凹所２内にスポンジ板
４を配備しその上に被覆布５を固定的に敷設し、この被
覆布５及びスポンジ板４に、消毒液を含浸させたことを
特徴とする殺菌用マット

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、滅菌状態にある場所に出入りする場合内部に病原菌が入り込むのを 未然に防止し、あるいは疾病の院内感染することを防止するために病院等で使用 する殺菌用マットに関する。

【０００２】

【従来の技術と問題点】

清浄化された室や病院内に入る場合、履き物に付着した病原菌、雑菌が内部を 汚染することを防ぐため、ゴムベースに綿布を敷いたマットが出入口に置かれ使 用されているが、その構造はゴムベースに綿布を敷いただけのものであり、この 綿布に、適着の消毒剤を含浸させて使用されている。 しかし、かかるマットは薬剤散布後短時間の内に蒸散し長時間の薬効持続が期 待できず、その結果頻繁に薬剤の補充作業を行う必要があるため、多大の時間と 人手を要するという欠点があった。

【０００３】

【問題点を解決するための手段】

本発明は、このような欠点を解決するために長時間薬効が持続し、薬剤の補充 作業を頻繁に行う必要がなく、殺菌効果の高い殺菌マットを提供しようとするも のであり、その要旨とするところは、ゴムベースの上の凹所内にスポンジ板を配 備しその上に被覆布を固定的に敷設し、このスポンジ板及び被覆布に消毒液を含 浸させたことを特徴とする殺菌用マットである。

【０００４】 更に説明すると、本発明で使用するゴムベースは、天然、人工のゴム樹脂から なるものであるが、プラスチック一般の素材もゴム素材に含まれるものとする。 このゴムベースの上面には例えば方形の凹所が形成されており、ここに外形を同 じくし凹所の深さよりやや幅厚の板状のスポンジ部材をはめている。 スポンジ板の素材は天然及び人工樹脂を含み、スポンジ板の表面は、繊維物質 からなる被覆布で被覆してある。この被覆布は、織布、不織布のいずれをも含み 、素材としては綿、麻、混紡等いかなるものでもよく、吸水性、保水性が高いも のが望ましい。 この被覆布及びスポンジには、消毒液が含浸されており、消毒液としてはいか なるものでもよいが、クロルヘキシジングルコネート液、塩化ベンザルコニウム 液、アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩などが望ましい。

【０００５】 また、被覆布及びスポンジ板には、多孔性塗膜が形成される抗菌性コーティン グ剤を塗布するのが望ましく、その抗菌性コーティング剤としては、樹脂系バイ ンダーと有機系抗菌剤、脱臭剤との組み合わせ、ゼオライトまたはイオン交換樹 脂に金属イオンをイオン交換したものとの組み合わせ、オルガノアルコキシシラ ンを用いた抗菌剤を含むコーティング組成物がよく、組み合わせる抗菌剤はゼオ ライト及び金属塩が望ましい。 このオルガノアルコキシシランは、水の存在下で加水分解と重縮合反応を起こ して高分子化し塗膜となるが、含まれる抗菌剤の殺菌能を阻害しない多孔質層の 塗膜が形成されるものである。ゼオライトは金属塩をイオン化し、その金属イオ ンが持続性のある殺菌剤として利用される。

【０００６】

【作用】

以上のように構成されているので、ゴムベース内の凹所にはまっているスポン ジ板の沢山の孔内に多量の消毒剤が滞留しそこから徐々に蒸散するが、スポンジ 板の上部に被覆布が被覆されているので一部は再び被覆布内で液化しその蒸散速 度は極めて緩慢化される。履き物はそのような状態で蒸散しつつある綿布の上に 接し、履き物の底に付着した病菌の消毒を行うものである。

【０００７】

【実施例】

本考案を図面に従って説明すると、１はゴムベースであり、２はゴムベース１ の上面３に形成された凹所で有り、４は、この凹所２の中に装着されたスポンジ 板である。５は、スポンジ板４の上に接着剤で固定的に被覆された綿布である。 スポンジ板４と綿布５には、消毒剤が含浸せしめられ、またスポンジ板４と綿 布５にはスプレーで吹き付けられて形成された抗菌性コーティング剤の塗膜が形 成されている。

【０００８】 しかして、従来のゴムベースとこれに被覆布を被せただけの構造のマット（以 下従来マットという）を、本考案のマットと比較して実施した。 先ず、被験者１０名の片足の履き物の裏の細菌をレプリプレート（商標／宝酒 造）で採取しておき、０．２％塩化ベンザルコニウム（以下ＢＡＣという）を散 布してある本考案のマット（抗菌性コーティング処理をしていないもの）の上を 先と同じ足で一回踏み付けてからレプリプレートで細菌を採取し、摂氏３２度で 培養後、コロニー数を算定することにより除菌率を求めた。

【０００９】 マットを踏みつける前のコロニー数は被験者により異なり、４１／プレートか ら９６８／プレートとかなりの差があったが、マットを踏み付けてからは、８〜 ５１／プレートとそのコロニーの数はかなり接近した。マットヲ踏み付ける前の ものを基準として、マットに踏み付けた後のプレートのコロニー数と比較した。 その結果、除菌率は６０〜９６％であり、平均除菌率は７６％であった。 同等な実験を従来マットについて行ったが、数値的に約２０％ほど除菌率が低 下していることが確認された。 また、両者の水分残存率を調べたところ、４日目で散布した薬剤の量は従来マ ットの場合は１０．９％にまで減少したが、本考案マットの場合は３９．６％の 残存率を示した。

【００１０】 オルガノアルコキシシラン、親水性有機溶剤、水、ゼオライト、金属塩からな る組成物を予め本考案のスポンジ板と被覆布に塗布した本考案マットを使用して 同様の方法で実施した。その結果、除菌率の平均は８２％になり、４日後の水分 残存率も４３．４％になり、除菌性及び保水性が更に改善された。

【００１１】

【効果】

以上のように本考案においては、ゴムベースに凹所が形成されこれにスポンジ 材が嵌り、そのうえに被覆布が覆っているので、消毒液は凹所から漏れることは なく、また消毒剤はスポンジ材の気泡に保持されまたその保持量を多くすること が可能となり、更にスポンジ板の表面に被覆布が被されているので、量的に多く ても消毒液の蒸散が徐々に行われることになり、マットが常時消毒液で湿潤して いる状態が長時間保持され、その結果効果的な滅菌が行えるものである。また、 消毒液が多量に蓄えられる上蒸散速度が遅いので、薬剤散布回数を少なく出来る ものである。 特に、多孔性の塗膜を形成する例えばオルガノアルコキシシランを含む抗菌性 コーティング剤をスポンジ材等に予め塗付しておけば、スポンジ材の気泡より更 に小さい無数の気泡がその表面に形成されるので上記の効果が一層高められる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係るマットの断面図

【符合の説明】

１ ゴムベース ２ 凹所 ３ 上面 ４ スポンジ板 ５ 綿布

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ゴムベースの上の凹所内にスポンジ板を
   配備しその上に被覆布を固定的に敷設し、このスポンジ
   板及び被覆布に消毒液を含浸させたことを特徴とする殺
   菌用マット
2. 【請求項２】 前記スポンジ板及び被覆布に、多孔性塗
   膜を形成する抗菌性コーティング剤を塗布したことを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第１項の殺菌用マット