JPH0586232B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

［産業上の利用分野］ 本発明は、殺菌マツト、特に病院用の殺菌マツ
トに関する。 ［従来の技術及びその問題点］ 病院の清潔区域、生物化学工場、食品製造工
場、半導体製造工場等のクリーンゾーンでは、室
内をクリーンにする必要があり、特に病院では入
室する人、器物の出入時に除塵や殺菌をする必要
がある。 このため、フイルムに殺菌剤を混合した粘着材
を塗布しこれを何層も重ねたマツトが知られてい
る。このものはフイルム面がある程度汚れたとき
そのフイルムを取除くと新しい粘着面が出現する
ものであるが、乾燥状態のため除塵には効果はあ
るものの、殺菌には効果はない。 織物又はこれを重ねたもの、或は、布を入れた
袋状のものに薬液をしみ込ませた殺菌マツトもあ
るが、皺になつたり、人の足、器物の台車にまつ
わりついたりして具合が悪い。その上薬液の状態
が均一でなく均一な殺菌効果が得られにくい。
又、床が水びたしになつたり、薬液の蒸発が激し
く補給を頻繁に行なう必要がある。 別の手段として、床に直接薬液の槽を設けるこ
とが知られているが、通過する人、器物が水びた
しになるので人の場合履物がゴム靴に限定される
など問題が多く、又工事費がかさむ。 本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、簡
易な構造で、効率の持続する機能的な殺菌マツト
を提供するものである。 ［課題を解決するための手段］ 本発明は、高吸水性のポリマーを含む不織布又
は高分子発泡体層の上に不織布層が積層されたマ
ツトを、周辺を台形としたフレームの収納部にフ
レームの高さより下方にマツト面が位置する用に
収納してなる殺菌マツトにある。 本発明は上記のように構成されており、高吸水
性ポリマーを含む不織布又は高分子発泡体層の上
に積層する不織布としては、ポリプロピレン繊
維、アクリル繊維等の合成繊維を素材とし、これ
をニードルパンチング法等により不織布としたも
ので、厚さは１〜５mm、好ましくは３〜４mmのも
のが用いられる。 高吸水性ポリマーを含む不織布としては、高吸
水性ポリマーから製造した繊維、合成繊維を後加
工により高吸水性とした繊維又は繊維状物を、例
えばニードルパンチング法等により不織布とした
もの、２枚の通常繊維からなる不織布の間に高吸
水性ポリマーを挟んだもの等が用いられている。
高吸水性ポリマーを含む不織布は、これに代え又
は、併用して高分子発泡体層を用いてもよい。高
分子発泡体としては、ポリウレタン、ゴム、合成
ゴム等の発泡体が用いられ、これを適宜厚さに截
断したものである。 第１図は本発明の具体例を示したもので、図中
１は不織布、２は高吸水性ポリマーを含む不織布
又は高分子発泡体層を一体にしたマツトであり、
使用に当つては適当な大きさに截断し、殺菌剤を
含有させた薬液をしみこませ、クリーンルームの
入口の床に置き、入室する人には踏ませ、器物は
接触して通過させて人、器物の薬液接触部分を殺
菌する。なお、図において３は、高吸水性ポリマ
ーを含む不織布又は高分子発泡体層の下面に必要
に応じ貼付するフイルム又はシートからなる止水
層である。 本発明は、前記マツトをそのまま用いることも
できるが、周辺を台形としたフレームの収納部に
収納して用いる。第２図は本発明殺菌マツトの斜
視図、第３図は第２図のＡ−Ａ線の断面を、４は
周辺を台形としたフレーム、５はその収納部を示
している。収納部５には不織布１、高分子吸収ポ
リマーを含む不織布又は高分子発泡体層２からな
る殺菌マツトが収納されている。フレーム４は、
ゴム、合成ゴム又は合成樹脂を素材として構成さ
れ、水洩れのない様一体成型されたものがよい。
マツト収納部５の深さは５〜10mm程度であるが、
収納するマツトの厚さよりやや深くしておくのが
よい。マツトを構成する高分子吸水ポリマーを含
む不織布２が薬液水を吸水してかさ高になつた場
合フレーム４の高さに対応させることができる。
又、後述するようにマツトの上に第５図に示した
金属又は合成樹脂製の網、格子、簀子或は穴を多
数形成した板状物を載置した場合に之等が使用時
フレーム４からずれ落ちなくする役割を果す。 フレーム４の大きさは使用目的、場所によつて
適宜の大きさとするが、一般的には収納部の大き
さで780mm×470mm、1150mm×500mmの２種類であ
る。収納部５の底面は平面でもよいが、第４図に
示した如く平行又は格子状に溝６を設けておくと
薬液の貯溜量を多くすることができ、薬液補給回
数を減らすことが可能となると共に、マツトを湿
潤状態で長期間保持し、継続的に安定した殺菌効
果を確実に発揮する。溝の深さは５mm、巾５mm、
間隔４mm程度でよい。フレーム４は四辺が台形に
なつているので人の歩行、器物特にストレツチヤ
ーなどの台車が台形の傾斜によつてスムーズにマ
ツト上に移動できる。 本発明の殺菌マツトを使用するに当つてはマツ
ト上に殺菌薬液を注ぐ。薬液は最上層の不織布を
通過し、高吸水性ポリマーを含む不織布層又は高
分子発泡体層に達しそこに含浸保持される。又
は、フレームの収納部に殺菌薬液を注入しておき
マツトを収納する。薬液は、高吸水性ポリマーを
含む不織布又は高分子発泡体層に含浸保持され
る。最上層の不織布層は常に湿潤状態に保たれて
いる。 本発明マツトは、高吸水性ポリマーを含む不織
布層又は高分子発泡体層が薬液をよく保持し、こ
れをクリーンルームの入口の床に設置して置きこ
の上を人、ストレツチヤー、器材等を積んだ台車
が通過すると、最上層の不織布層から薬液が滲み
出し接触した履物、車輪等に附着している塵埃を
とると共に塵埃、履物、車輪等に付着している菌
を殺菌する。本発明殺菌マツトは、例えば人が踏
んだ場合マツトから滲み出した薬液と接触した履
物は、履物の裏の溝まで完全に消毒され確実に殺
菌でき、クリーンルーム等に有害な菌が持込まれ
るのを完全に防止できる。 殺菌マツトの薬液が消費、蒸発してマツトが乾
燥してきたら薬液を新たに補給する。 本発明殺菌マツトは、上述の如く使用に当りフ
レーム４の収納部５に適量の薬液を満し、収納し
たマツトに含浸させるのであるが、使用時薬液が
人、器物に過度に付着しない様、前述のように
網、格子、簀子又は穴を明けた板を載せる。その
補助具を第５図に示した。イは簀子、ロは格子状
としたもの、ハは合成樹脂板に多数の穴を形成し
たものである。 ［参考例］ ポリプロピレン繊維をニードルパンチングした
厚さ３mmの不織布の下に、高吸水性ポリマーを含
む繊維として「ラシシール」（日本エクスラン工
業(株)製、吸水繊維、商品名）入りシーツ状の不織
布を重ねその下にポリ塩化ビニルフイルムを貼
り、470mm×840mmの大きさに加工した。 このマツトに0.1％グルコン酸クロルヘキシジ
ン水溶液（英国ICI社製、ヒビデングルコネート
液（商品名）使用）約800mlをしみ込ませ、１日
平均50人を通過させた。５日後でもなおマツトは
湿潤性を保持していた。５日後の菌減少率法
（ACTT 100−1981）定量手順により代表的細菌
に対する抗菌テストを行つた。結果は次表の通り
であつた。

【表】 ［実施例］ 第４図に示した形状で収納部の底面に溝を設け
たゴム製のフレームに、厚さ３mmのポリウレタン
スポンジにポリプロピレン繊維をニードルパンチ
ングした厚さ３mmの不織布を重ね470mm×840mmの
寸法に加工したマツトを収納し、更にその上に同
じ大きさの合成樹脂製の網を重ねた。 次に参考例で用いた殺菌液約1000mlをしみこま
せ、１日平均50人通過で15日経過後もなお湿潤性
があつた。参考例と同様に菌減少率法で代表的細
菌に対する抗菌テストを行つたところ参考例の場
合と略同じ結果を得た。 ［発明の効果］ 本発明殺菌マツトは、従来技術の問題点を解決
し、簡便な構造で、長期間実潤状態を保つので継
続的、長期的に確実に殺菌を果すことができ、病
院はもとよりバイオ関係工場、食品製造工場、半
導体工場にも使用できる。 本発明殺菌マツトは、通過する人はマツトを踏
むことにより、器物はマツト上面を接触通過する
ことにより安全、確実に殺菌することができる。
又フレームに入れてあるので、薬液の量を多くす
ることができる上、使用薬液の蒸発や消耗を少く
することができ、一層長期間殺菌効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はマツトの斜視図、第２図は殺菌マツト
の斜視図、第３図は第２図Ａ−Ａ線の断面図、第
４図はフレームの斜視図、第５図イ，ロ，ハは本
発明殺菌マツト使用時の補助具である。 １……不織布、２……高吸水性ポリマーを含む
不織布又は高分子発泡体、４……フレーム、５…
…収納部、６……溝。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 高吸水性のポリマーを含む不織布又は高分子
   発泡体層の上に不織布層が積層されたマツトを、
   周辺を台形としたフレームの収納部にフレームの
   高さより下方にマツト面が位置するように収納し
   てなる殺菌マツト。 ２ フレームの収納部の底面に溝を設けた請求項
   １記載の殺菌マツト。