JPH0675969U - トラックローラの構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 建設・作業用車両に装着したトラックローラ
は、長時間使用しているとシャフトとカラーの嵌合部分
に設けたシール部のシール性が徐々に低下し、トラック
ローラ内部に封入した潤滑油の外部洩れが発生し、とき
には焼付き事故を誘発することもある。ところが従来技
術のトラックローラは、上記嵌合部分に単数個のシール
部材しか配設しておらず十分ではなかった。この問題点
を解決する。 ［構成］ 本考案では、シャフトと一対のカラーの嵌合
部分でシャフト軸方向の中央部付近のシャフト外周面部
の全周にわたってそれぞれ複数個の凹溝を、その溝幅と
同寸程度の間隔をおいて並列に形成し、それぞれの溝に
シ−ル部材を挿入し、構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主として油圧ショベルなど建設機械・作業車両に装着したトラック ローラの構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図２は、従来技術のトラックローラをトラックフレームに取付けた状態を示す 要部正面図である。図において、１はトラックフレーム、２はトラックローラ、 ３はボルトである。図３は、トラックローラ２の片側断面図である。図において ４，４′はカラー、５はシャフト、６はローラ、７はフローティングシール、８ はシャフト５の外周面に形成した凹溝、９はシール部材、１０はピンである。図 ３に示すように従来技術では、一対のカラー４，４′の間にシャフト５を固定し て取付け、そのシャフト５に回転可能にローラ６を支承し、上記カラー４，４′ とロ−ラ６の隣合う両側面間にフロ−ティングシール７を配設するとともに、上 記シャフト５と一対のカラー４，４′の嵌合部分で、シャフト軸方向の中央部付 近のシャフト５外周面部の全周にわたってそれぞれ凹溝８を設けて、シール部材 ９を挿入している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来技術のトラックローラは、シャフトとカラーの嵌合部分のシャフト外周面 に単数個の凹溝を設け、その凹溝にシール部材を挿入して、トラックローラ内部 に封入している潤滑油の外部洩れを防止しているが、本トラックローラを装着し た機械を使って長期間走行または掘削等の作業をしているうち、上記シャフトと カラーの嵌合部分より潤滑油の洩れを発生することがあり、ときにはトラックロ ーラ内部の摺動部分で焼付き事故を起こすこともある。本考案は、上記の問題点 を解決することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 本考案のトラックローラは、シャフトと一対のカラ−の嵌合部分で、シャフト 軸方向の中央部付近のシャフト外周面部の全周にわたってそれぞれ複数個の凹溝 を設け、それらの凹溝にシール部材を挿入して、構成した。

【０００５】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図１は、本考案のト ラックローラ１１の片側断面図である。図において、１２，１２′はカラー、１ ３はシャフト、１４はローラ、１５はフローティングシール、１６は凹溝、１７ はシール部材、１８はピンである。

【０００６】 次に、本考案のトラックロ−ラ１１の構成を図１について述べる。本考案のト ラックローラでは、一対のカラー１２，１２′の間にシャフト１３を固定して取 付け、そのシャフト１３に回転可能にローラ１４を支承し、上記カラー１２，１ ２′とローラ１４の隣合う両側面間にフローティングシ−ル１５を配設するとと もに、上記シャフト１３と一対のカラ−１２，１２′の嵌合部分で、シャフト１ ３軸方向の中央部付近のシャフト１３外周面部に、それぞれ複数個の凹溝１６を 設け、シール部材１７を挿入して、構成した。

【０００７】 次に、本考案のトラックローラの作用について述べる。トラックローラの内部 に配設したシャフトは、ローラを介して機械の重量を支え、掘削時の反力、それ にともなう振動、衝撃荷重を受け、また走行時の振動、衝撃及びローラの回転に よるラジアル荷重など多種多様の荷重を繰り返し受け、最終的にはその荷重をシ ャフトとカラーの嵌合部分で受けることになる。またシャフトとカラーの嵌合部 分には微小なすきまがあり、またピンとシャフト及びカラーの間にも微小なすき まがある。したがって長期間トラックローラを使用しているとき、トラックフレ ームに固定されたカラーとシャフトの嵌合部分では、シャフトにかかる上記荷重 によって歪み、衝打、摺動などを繰り返し、上記嵌合部分のすきまは徐々に不均 一に増大し、シール部材の偏摩耗も発生する。ところが従来技術のトラックロー ラでは、上記嵌合部分に単数個のシール部材しか配設していなかったので、この シール部のシール性が上記理由により低下すると、トラックローラ内部の潤滑油 がにじみ、洩れを発生し、その油はシャフト、カラ−間のすきまを通って外部に にじみ出る。本考案のトラックローラは、シャフト及びカラー間に複数個のシー ル部材を配設したことにより、シャフト軸方向で内側のシール部よりにじみ出た 潤滑油は、外側のシール部材によって更にシールされることになり外部への洩れ を防止できる。

【０００８】

【考案の効果】

本考案のトラックローラは、シャフトとカラーの嵌合部分の中央部付近に複数 個のシール部材を配設したので、本トラックローラを長期間使用しているとき、 上記嵌合部分のすきまの増大、あるいはシール部材の摩耗、その他の原因によっ て内側のシール部より油漏れが発生したとしても、その油は外側のシール部材に よってシールされることになり、外部への漏出を防止することができ、トラック ローラ内各部の焼付き事故を防止できる。これにより潤滑油の外部洩れを防止、 または油漏れ発生時間を延長することができ、トラックローラのメンテナンス性 向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のトラックローラの片側断面図である。

【図２】トラックローラの取付け状態を示す要部正面図
である。

【図３】従来技術のトラックローラの片側断面図であ
る。

【符号の説明】

１ トラックフレーム ２，１１ トラックローラ ４，４′，１２，１２′カラー ５，１３ シャフト ６，１４ ローラ ８，１６ 凹溝 ９，１７ シール部材 １０，１８ ピン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 装軌車両のトラックフレームの取付面に
   一対のカラーを固定して設け、その一対のカラー間にシ
   ャフトを固定して取付け、そのシャフトに回転可能にロ
   ーラを支承し、上記カラーとローラの隣合う両側面間に
   土砂、泥水の侵入を防止するフローティングシールを配
   設するとともに、上記シャフトと一対のカラーの嵌合部
   分で、シャフト軸方向の中央部付近のシャフト外周面部
   の全周にわたってそれぞれ凹溝を設け、シール部材を挿
   入しているトラックローラにおいて、上記嵌合部分の中
   央部付近のシャフト外周面部の全周にわたって複数個の
   凹溝を、その溝幅と同寸程度の間隔をおいて並列に形成
   し、それぞれの溝にシール部材を挿入したことを特徴と
   するトラックローラの構造。