JPH0675950B2 - 塗装金属板の製造方法 - Google Patents

塗装金属板の製造方法

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JPH0675950B2
JPH0675950B2 JP63243952A JP24395288A JPH0675950B2 JP H0675950 B2 JPH0675950 B2 JP H0675950B2 JP 63243952 A JP63243952 A JP 63243952A JP 24395288 A JP24395288 A JP 24395288A JP H0675950 B2 JPH0675950 B2 JP H0675950B2
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resin
fep
ptfe
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克則 窪田
佳男 菊田
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)もしくは四フ
ッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)
等のフッ化オレフィン系樹脂を含有した塗料を塗装した
非粘着性および潤滑性に優れた家電製品、容器類等に用
いられる塗装金属板に関する。
又、上記フッ素樹脂と共にポリスルホン等の耐熱性樹脂
を含有した塗料を塗装した耐熱用途に適した塗装金属板
に関する。
従来の技術 従来、フッ素系樹脂は耐候性、耐食性等が良好なため高
級塗装金属板用途に広く用いられている。
特に、フッ素樹脂の中でも表面エネルギーが低く、低摩
擦係数を有する四フッ化エチレン樹脂(以下PTFEと言
う。)や四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合
樹脂(以下FEPと言う。)は非粘着性や潤滑性(加工
性)を要求される分野に広く用いられており、塗料とし
てはPTFEやFEPに種々の樹脂(以下バインダー樹脂と言
う。)を混合した系として利用されることが多い(特公
昭55-44785、特開昭61-111378)。
非粘着性や潤滑性を要求される分野としては、たとえば
付着防止が必要な家庭用調理容器、冷凍食品容器や、潤
滑性が要求される無塗油で成形する分野などが挙げられ
る。
このようなPTFEやFEPとバインダー樹脂を主成分とする
塗料から形成される塗膜においては、PTFE、FEPは非粘
着性、潤滑性を、バインダー樹脂は基材との密着性およ
び可とう性の機能をそれぞれ発揮することが必要で、そ
のため膜構造としては上層にPTFE、FEPが、基材側にバ
インダー樹脂が富化された層分離構造が理想的である。
しかしながら、通常のPTFE、FEPを含有する塗装系で
は、焼付過程において表面に極く薄いPTFE、FEPの濃度
の高い層が形成されるものの、大規模な層形成には至ら
ず、良好な密着性、加工性に加え、長期使用に耐える安
定な非粘着性、潤滑性を得ることは困難であった。
従来、非粘着性、潤滑性を向上させる方法としては、 (1)PTFE、FEPの含有量を多くする(特開昭61-11365
9)。
(2)焼付け温度を高くする。
(3)塗膜面をロール圧下する(特開昭61-138567)。
等の方法があった。
発明が解決しようとする課題 しかし、(1)の方法においては非粘着性、潤滑性は向
上するが、密着性、加工性の低下を招き、(2)、
(3)の方法においては、レベリングによって、ある程
度非粘着性、潤滑性の向上は認められるが、良好な層分
離構造を呈するには至らずまだ十分とは言い難い。
本発明はこのような問題点を解消するためになされたも
ので、層分離挙動に及ぼす乾燥塗膜厚と塗料中のPTFE、
FEPの粒子径を検討し、従来のフッ素系樹脂粉末に比
し、その平均粒径又はラジアン粒径を大きくすることに
より、塗膜上層部にフッ素系樹脂の富化された層が形成
されることを見出し、本発明を完成するに至ったもので
ある。
課題を解決するための手段 本発明は、 (1)金属板上に、フッ化オレフィン系樹脂粉末とその
他の樹脂との混合物を主成分とする塗料を塗布、焼付け
して、塗膜を形成せしめてなる塗装金属板において、該
塗膜の乾燥塗膜厚(T)と該フッ化オレフィン系樹脂粉
末の平均粒径又はメジアン粒径(R)とがT/R=0.6〜2
の範囲内にあることを特徴とする塗装金属板。
(2)フッ化オレフィン系樹脂が四フッ化エチレン樹脂
(PTFE)及び四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共
重合樹脂(FEP)からなる群から選ばれた1種又は2種
以上のものであり、且つその他の樹脂がポリエーテルサ
ルホン樹脂(PES),ポリフェニレンスルフィド樹脂(P
PS)及びポリアミドイミド樹脂(PAI)からなる群から
選ばれた1種又は2種以上のものである請求項(1)記
載の塗装金属板。
である。
以下本発明を詳細に説明する。
作用 一般的に表面自由エネルギーの異なる互いに相溶しない
2種類以上の樹脂を混合した塗料の塗膜形態を考えた場
合、表面自由エネルギーの低い樹脂が上層に配向し表面
を覆う形態が熱力学的に最も安定した状態であると考え
られる。
したがって、樹脂の中で表面自由エネルギーが低いとさ
れるPTFEやFEPとその他の樹脂の混合系においては、PTF
E、FEPが自然的に上層に配向するような層分離構造が予
想される。しかし実際には混合される樹脂の粘性や、顔
料等の混合物の障害のため、焼付け過程において分散し
たPTFEやFEPの熱エネルギーによる拡散が十分に進行せ
ず、塗膜形成当初から表層付傍に位置するPTFE、FEPの
みが表面層の形成に寄与するだけで、大規模な層分離に
はなかなか至らないことが実験の結果わかった。
そこで、本発明者らは、PTFE、FEPの表面層形成の起動
力となる熱力学的なエネルギーポテンシャルの勾配をで
きるだけ多くのPTFE、FEPに作用させる方法を鋭意検討
した結果、乾燥塗膜厚をPTFE、FEPの平均粒径もしくは
メジアン粒径に対しあるレベル以下にした場合にPTFE、
FEP粒子が溶剤蒸発後の塗膜形成時において表面近傍に
多量に位置し、それらが表面層を形成することを見出し
た。
その結果、表面層近くにフッ素系樹脂がリッチな、又金
属板近くにバインダー樹脂のリッチな層形成が達成さ
れ、非粘着性、潤滑性、密着性、耐熱性等の良好な塗装
金属板を得ることができた。
ここで大規模な2層形成を実現するためのPTFE、FEPの
平均粒径もしくはメジアン粒径に対する乾燥塗膜厚の大
きさは2倍以下であることが必要である。しかし乾燥塗
膜厚がPTFE、FEPの平均粒径もしくはメジアン粒径の0.6
倍を下回るとPTFE、FEPの層が不均一となり密着性、加
工性の低下を招く。
塗膜物性を確保した上で非粘着性を向上するためのPTF
E、FEPの平均粒径もしくはメジアン粒径に対する乾燥塗
膜厚の大きさは0.6倍〜2倍の範囲であることが必要
で、特に好ましくは0.75〜1.75倍の範囲である。
なお、PTFE、FEPと混合されるその他の樹脂としては、
塗料として適用できるものであれば熱可塑性、熱硬化性
にかかわらず如何なるものでもよく、代表的にはポリエ
ステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレ
タン系樹脂などである。
特に常用耐熱温度が200〜260℃程度を要求される耐熱用
途の場合は、ポリエーテルサルホン樹脂(PES)、ポリ
フェニレンスルフィド樹脂(PPS)、ポリアミドイミド
樹脂(PAI)を単独もしくはそれらの混合物として用い
るのがよい。
これらの樹脂に対するPTFE、FEPの混合比率は要求特性
に応じて決定されるが、好ましくは全樹脂に対するPTF
E、FEPの含有割合が5〜60wt%となるようにするのがよ
い。またPTFE、FEPは混合して用いてもよい。
顔料、溶剤に関しては特に限定するものではなく、一般
に塗料用として用いられるものの適用が可能である。又
粉体塗料や分散塗料として使用してもよい。
金属板としては、冷延鋼板、ZnおよびZn合金メッキ鋼
板、AlおよびAl合金メッキ鋼板、Crメッキ鋼板(TF
S)、Niメッキ鋼板、Cuメッキ鋼板等のメッキ鋼板、お
よびアルミニウム板、チタン板、ステンレス板などが用
いられ、必要に応じてアルカリ脱脂等により表面を清浄
化した後、これらを直接またはブラッシングロールによ
る表面研磨や化成処理を施した後塗装される。
化成処理としてはクロメート化成処理やリン酸塩化成処
理、複合酸化皮膜処理などがあり、クロメート化成処理
には電解クロメート、塗布型クロメート、反応型クロメ
ート処理が、リン酸塩化成処理にはリン酸亜鉛処理、リ
ン酸鉄処理が、複合酸化皮膜処理にはニッケルとコバル
トを含有する処理などが適用できる。
また、耐食性、密着性向上等の目的で必要に応じてプラ
イマーを施すことも可能である。
該塗料は、スプレー、ロールコート、フローコートなど
の方法にて塗装され、塗膜の焼付けは使用するフッ化オ
レフィン系樹脂の融点以上の温度で行うことが必要であ
る。焼付け過程で、フッ化オレフィン系樹脂は、塗膜厚
みとフッ化オレフィン系樹脂の粒径の比を本発明のよう
に限定することによって塗膜表面に選択的に配向する
が、このままでは塗膜の表面を十分に覆うことができな
い。さらに焼付け温度を当該フッ化オレフィン系樹脂の
融点以上にすることによって、樹脂が溶融して塗膜の表
面を十分に覆うことが可能になる。フッ化オレフィン系
樹脂は表面エネルギーが低いため、表面に広がることに
よってエネルギー的に安定となるので、融点以上に加熱
されて流動性を増すことによって、表面を広くフッ化オ
レフィン系樹脂で覆うことが可能になるのである。すな
わち、塗膜表面を広い範囲にわたってフッ化オレフィン
系樹脂で覆うためには、フッ化オレフィン系樹脂の融点
以上の温度で塗膜を焼き付けることが必須である。
PTFEの融点は327℃、FEPの融点は253〜282℃(高分子デ
ータハンドブックによる)であるので、どちらを使用す
るかによって焼付け温度をこれらの温度以上になるよう
にすればよい。両者を混合して用いる場合には融点の低
いFEPの温度より高い温度で焼き付ければ良い。
実施例 実施例1〜14および比較例1〜8 第1表に5つの塗料組成毎に記載の実施例、比較例の塗
装条件に従いバーコーターで塗装を行ったサンプルの性
能確認結果を記す。
いずれの塗料組成においても、実施例と比較して乾燥塗
膜厚がフッ素樹脂の平均粒径の0.6倍を下回る比較例
(表中のT/R値が0.6を下回る例)に関しては密着性が劣
り、一方2倍を超える比較例(表中のT/R値が2を超え
る例)に関しては、非粘着性、潤滑性が劣ることがわか
る。
すなわち、本発明により得られる塗装金属板は非粘着
性、潤滑性が良好で塗膜物性に優れるという利点を有す
るものである。
なお、第1表に示す試験方法は次の通りである。
密着性:NTカッターにて、試料表面に100個の碁盤目をカ
ットし、エリクセン試験機にて、7mm押出し後テーピン
グし、はくり状況を評価する。評価方法は次の通り。
〇:全くはくりが認められず △:100個の碁盤目の内、1〜5個のはくりが発生する。
×:100個の碁盤目の内、5個以上のはくりが発生する 接触角:20℃雰囲気中で、ゴニオメーター式接触角測定
器G-I型(エルマ社製)を用い、滴下された純水の接触
角を測定する。測定は1つの試料につき5回測定し、最
大値、最小値を除いた3つのデーターの平均値を評価値
とする。
動摩擦係数:表面性測定器14型(新東科学社製)におい
て、荷重50gでスライド接触物として、ステンレスボー
ルを用い測定する。
発明の効果 以上説明したとおり本発明によれば、密着性、非粘着
性、潤滑性のいずれにおいても優れた塗装金属板を得る
ことができた。
又フッ素系樹脂は本来耐熱性が良好であり、耐熱性の良
いPES等のバインダーと組合せることにより耐熱用用途
にも有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 999999999 川上塗料株式会社 兵庫県尼崎市塚口本町2丁目41番1号 (72)発明者 金井 洋 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 會社君津製鐵所内 (72)発明者 岡 襄二 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 會社君津製鐵所内 (72)発明者 窪田 克則 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 會社君津製鐵所内 (72)発明者 菊田 佳男 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社高分子研究所内 (72)発明者 光田 敬治 兵庫県尼崎市塚口本町2丁目41番1号 川 上塗料株式会社内 (72)発明者 石井 昭二 兵庫県尼崎市▲塚▼口本町2丁目41番1号 川上塗料株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−179936(JP,A) 特開 昭52−37943(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属板上に、四フッ化エチレン樹脂(PTF
    E)及び四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合
    樹脂(FEP)の1種または2種からなるフッ化オレフィ
    ン系樹脂粉末と、ポリエーテルサルホン樹脂(PES),
    ポリフェニレンスルフィド樹脂(PAI)の1種または2
    種以上からなるバインダー樹脂との混合物を主成分とす
    る塗料を塗布、焼付けして、塗膜を形成する塗装金属板
    の製造方法において、該塗膜の乾燥塗膜厚(T)と該フ
    ッ化オレフィン系樹脂粉末の平均粒径又はメジアン粒径
    (R)との比をT/R=0.6〜2とし、焼付け温度を該フッ
    化オレフィン系樹脂の融点以上とすることを特徴とする
    塗装金属板の製造方法。
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