JPH0675522B2 - スライドファスナーの仕上げ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、連続スライドファスナーチェーンを一方向へ
走行する間に、上止めを取付けてスライドファスナーに
仕上げる装置に関する。

（従来の技術） この種のスライドファスナー仕上機は、連続スライドフ
ァスナーチェーン（以後単に連続チェーンと略称する）
をその長手方向に走行し、走行する間にまずスライダー
を挿通し、下止めを止着し、次いで合成樹脂製上止めを
溶着手段で取付け、最後に切断して完成品を得るもので
ある。ところで、従来の合成樹脂製上止めの取付け手段
は、合成樹脂フィルムを連続チェーンの表面における所
定位置に載置し、該フィルムを超音波加工あるいは高周
波加工によって溶融しかつ所定の形状に成形して取付け
るものが知られている。しかしこうして取付けた上止め
は片面にのみ溶着することから、取付け強度に対する信
頼性が薄く、またとげ状のバリが生じる欠点があった。

これを解決するため、合成樹脂線材をＵ字状に屈曲する
か、断面Ｕ字状の異形線を所定巾に切断した上止めを、
ファスナーテープの側縁に挾み込み、該上止めのファス
ナーテープと接する内面層のみを超音波加工あるいは高
周波加工によって溶融し、しかもファスナーテープにあ
けた開口を通じて、上止めの上脚と下脚とをその末端部
において互いに一体に融着して取付けるものが提案され
た。

そこで、上記上止めを取付ける手段として、連続チェー
ンをローラで送る間に、一旦停止してしかも連続チェー
ンを緊張した状態で保持し、Ｕ字状の一対の上止めを上
下より挟持したまま、連続チェーンの割込み部内に突入
し、割込み部の両側縁が各上止めの開口に向合した時、
連続チェーンが緊張していることから、押し拡げに対す
る復元力で両側縁が上止め内に挿入し、以後超音波など
のホーンで上止めを溶着するものである。

（発明が解決しようとする問題点） 上述の取付け手段による場合に、連続チェーンをローラ
で送ると共に、停止し且つ緊張保持する必要があり、送
りと緊張保持の双方を満足する送り手段が未解決であっ
た。

本発明は以上の問題を解決することにあり、特に上止め
の連続チェーンに対する取付け位置が狂うことなく正確
な位置に取付け得るスライドファスナーの仕上装置を提
供することにある。

（問題点を解決するための手段） 本発明による送り装置は、連続スライドファスナーチェ
ーンのスペース部の末端側に下止めが取付けてあり、一
方向へ間欠的に下止めが後位になるように送る走行路中
に、チェーンストッパーよりなる引寄せ手段と、送りロ
ーラと該ローラ上に対向する押えローラからなる送り手
段とを相前後して設け、前記引寄せ手段と送り手段との
間に上止め取付け手段が配設してあり、引寄せ手段のチ
ェーンストッパーは、連続スライドファスナーチェーン
の停止時、スペース部内に突入可能に設けると共に、ス
ペース部内に突入した状態で走行路の送り方向とは反対
側に移動可能に設けてあり、送り手段の送りローラは、
回転駆動部にクラッチを介して連結する従動軸に設け、
該従動軸にレバーを、従動軸の回転駆動部よりの回転時
には空廻りし、クラッチを切り送りローラが送り方向と
反対方向に回転した時には共廻りする一方向回転伝達機
構を介して嵌装し、該レバーに前記共廻り方向に抗して
付勢するスプリングを設けていることを特徴とする。

（実施例） 本発明によるスライドファスナーの仕上装置を具体的に
説明する。

第３図と第４図は本装置によって処理される仕上げ工程
を示すもので、連続チェーン１にスライダー２を挿通
し、下止め３を取付け、且つスペース部４よりスライダ
ー２までのファスナーエレメント５を開放した割込み部
６を設け、次いで本発明の対象となる上止め7,7を左右
ファスナーテープ8,8の側縁に取付けるものである。

上記の上止め７の取付け時には、チェーンストッパー９
をスペース部４内に突入した後僅かに走行して停止す
る。次いでチェーンストッパー９を走行方向と反対側に
引き動かし、予め固定支持している上止めと連続チェー
ンの取付けるべき位置とを向合してから、上止めを取付
ける工程を行なうものである。

これを第５図に示す装置によって実施できるもので、図
中左側より引寄せ手段Ａ、上止め取付け手段Ｂ、送り手
段Ｃとを順次配設したもので、この送り手段Ｃによって
連続チェーン１を水平にして長手方向に走行するもので
あり、上止め取付け部Ｂの前後にチェーンガイド12,13
を備えて走行路を形成している。

上記引寄せ手段Ａは、第５図の図中左側のチェーンガイ
ド12上に設けるもので、第１シリンダー14によって連続
チェーン１の走行方向に沿って前進後退するホルダー15
を設け、ホルダー15にファスナーエレメント５上に接合
する前記チェーンストッパー９を第２シリンダー16で上
下に揺動可能に枢着し、更に、チェーンガイド12にリミ
ットスイッチ17を固着し、ホルダー15にリミットスイッ
チ17に対向するドッグ18とストローク調節用のねじスト
ッパー19を設け、ホルダー15が前進（図中右側）する限
界時にドッグ18をリミットスイッチ17に当接し、同時に
送り手段Ｃを停止すると共に、ホルダー15が後退して上
止め取付け操作を行なうものである。

また図中右側のチェーンガイド13に、連続チェーン１を
下方に押し付ける押圧杆20を第３シリンダー21で上下に
揺動自在に設けている。

上止め取付け手段Ｂは、前記前後のチェーンガイド12,1
3間における中間部に設けてあり、上方に超音波などの
ホーン22を上下動自在に設け、下方に上止めを保持する
左右一対のポケット23を設けたもので、ポケット23は上
下動するアンビル24と該アンビル24と共に上下動する上
あご25間に設けてあり、かつ上あご25は傾倒してポケッ
ト23の上面を開放するようになっている。また上あご25
は正面より見て三角状をなし、アンビル24の上昇により
上あご25の三角状部で割込み部６を押し拡げるものであ
る。更にアンビル24に沿って上端部を三角状にした突き
矢26を上下動自在に設けてあって、突き矢26によって上
止め７の取付け後に割込み部６を押し拡げるものであ
る。

送り手段Ｃは、送りローラ10と押えローラ11とで構成す
るもので、送りローラ10に駆動力を伝達して連続チェー
ン１を送り、駆動力の伝達を止めて送りを停止し、前述
のチェーンストッパー９の後退で連続チェーン１を送り
とは反対側に引き付けた時、送りローラ10が制動を掛け
た状態に回転するように構成したもので、これを具体的
に第１図と第２図によって説明すると、回転駆動部27に
クラッチ28を介して従動軸29を連結し、回転駆動部27
は、従動軸29に従動プーリ30を回転自在に設け、該従動
プーリ30と従動軸29間にクラッチ28を介在したものであ
り、クラッチ28は前記リミットスイッチ17の指令で接続
状態から切られるものである。更に前記従動軸29はフレ
ーム34の軸受部35に支持してあって、該従動軸29に送り
ローラ10を左右のセットカラー36,37で挾むと共に、一
方のセットカラー36を皿バネ38で押圧して嵌装してい
る。また、従動軸29の軸受部35内においてレバー39をワ
ンウェイベアリングあるいはワンウェイクラッチなどの
一方向回転伝達機構40を介して嵌装している。一方向回
転伝達機構40は、主動軸27で従動軸29が回転される時に
はレバー39は空廻りし、クラッチ28を切った状態で、送
りローラ10が主動軸27の回転とは反対方向に回転した
時、従動軸29とレバー39が一緒に回転するようになって
おり、このレバー39の先端部とフレーム34の下部間に引
張りスプリング41がかけてあり、送りローラ10の逆転に
伴って回転するレバー39をその回転方向に抗する付勢力
を付与するものである。

尚、押えローラ11は前記フレーム34より突設した支軸42
に回転自在に嵌装したものである。また両ローラ10,11
にはファスナーエレメント５を案内する環状溝43,44を
有するものである。

従って、クラッチ28を入れて送りローラ10を回転駆動す
ることにより、連続チェーン１が第３図に矢印ｄの方向
に走行し、その間、チェーンストッパー９がファスナー
エレメント５上に軽く圧接している。しかしスペース部
４に至るとその間に突入し、更に走行するとチェーンス
トッパー９が下止め３に当接し、その時点でリミットス
イッチ17が作動して、クラッチ28を切る指令が出力され
る。この間に上止め取付け手段Ｂの突き矢26、上止め７
を保持するポケット23が上昇して、上止め７がファスナ
ーテープ8,8の側縁と対向する状態に支持される。

以上のようにクラッチ28が切れて走行を停止した後、第
１シリンダー14が駆動してホルダー15を後退するもの
で、この後退によってチェーンストッパー９により連続
チェーン１を、第４図図示の矢印ｅの方向、即ち走行方
向とは反対側に引き付け、一方送りローラ10が連続チェ
ーン１の引付けによって逆転し、レバー39も同時にスプ
リング41に抗して回転することから、このスプリング41
の抗張力によって送りローラ10に制動力が加えられるこ
とから、連続チェーン１に緊張力が与えられる。この緊
張によってファスナーテープ８の縁部が上止め７内に嵌
まり込む。以後ホーン22を下降して上止め７をファスナ
ーテープ８に溶着するものである。

こうして上止めを取付けた後は、チェーンストッパー９
を第５図の２点鎖線の如くに一旦上昇してから、クラッ
チ28を入れ連続チェーン１を走行するものである。

（発明の効果） 本発明によるスライドファスナーの仕上装置は、連続チ
ェーンに上止めを取付ける際に、連続チェーンを緊張す
るもので、その緊張するため、連続チェーンの走行路に
沿って引寄せ手段、上止め取付け手段、送り手段を配設
し、連続チェーンの停止時に、チェーンストッパーで走
行方向とは反対側に引き、送り手段の送りローラをその
駆動系統中に設けたクラッチを切って空廻り状態にする
と共に、その送りローラに設けたスプリング力を有する
レバーで、送りローラに制動力を与えるように構成した
もので、簡単な構造で連続チェーンの送りと緊張作用が
確実に与えられ、緊張して上止めを取付けることから、
上止めの取付け状態及びその位置が正確になるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるスライドファスナーの仕上装置を
示す縦断面図、第２図は従動軸のレバー取付け部分の横
断面図、第３図と第４図は上止めを取付ける工程を示す
平面図、第５図はスライドファスナーの仕上装置の上止
め取付け部を示す断面図である。 Ａ…引寄せ手段、Ｂ…上止め取付け手段、Ｃ…送り手
段、１…連続スライドファスナーチェーン、４…スペー
ス部、７…上止め、９…チェーンストッパー、10…送り
ローラ、11…押えローラ、27…回転駆動部、28…クラッ
チ、29…従動軸 39…レバー、40…一方向回転伝達機構、42…スプリング

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】連続スライドファスナーチェーン１のスペ
   ース部４の末端側に下止め３が取付けてあり、一方向へ
   間欠的に下止め３が後位になるように送る走行路中に、
   チェーンストッパー９よりなる引寄せ手段Ａと、送りロ
   ーラ10と該ローラー10上に対向する押えローラ11からな
   る送り手段Ｃとを相前後して設け、前記引寄せ手段とＡ
   と送り手段Ｃとの間に上止め取付け手段Ｂが配設してあ
   り、 引寄せ手段Ａのチェーンストッパー９は、連続スライド
   ファスナーチェーン１の停止時、スペース部４内に突入
   可能に設けると共に、スペース部４内に突入した状態で
   走行路の送り方向とは反対側に移動可能に設けてあり、 送り手段Ｃの送りローラ10は、回転駆動部27にクラッチ
   28を介して連結する従動軸29に設け、該従動軸29にレバ
   ー39を、従動軸29の回転駆動部27よりの回転時には空廻
   りし、クラッチ28を切り送りローラ10が送り方向と反対
   方向に回転した時には共廻りする一方向回転伝達機構40
   を介して嵌装し、該レバー39に前記共廻り方向に抗して
   付勢するスプリング41を設けていることを特徴とするス
   ライドファスナーの仕上装置。