JPH0675331U - 調理器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 調理器において、魚を美味しく、かつ、美感
を損ねないで焼き上げると共に油煙の発生を防止する。 【構成】 中央に円孔部１Ａを開口してリングトレー状
に形成した汁受皿１と、円孔部１Ａを閉塞するように汁
受皿１上に載置する火力調整体９を設ける。汁受皿１に
は複数個の串立筒６を円方向に所定の間隔で着脱自在、
かつ、汁受皿の中心に向かって前傾状に配設する。火力
調整体９は輪状蓋板部１０の中心上方部に蓋板部１０よ
り小径の天板部１１を連結アーム１２で一体に連結し、
両部１０と１１との間に開口窓１３を形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は主に魚などを串焼きする際に使用する調理器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、家庭で魚を焼く場合、図７に示すようにガスコンロ１の五徳２上に焼き 網３を載せ、その上に魚Ｆをおいて焼く方法がよく見受けられる。

【０００３】 一般に魚を焼くこつは、強火の遠火と言われているが、ガスコンロで上記の方 法により魚を焼く場合には、ガス火と魚との距離が短いので、その火加減が非常 に難しく、こんがりと美しく焼くには可成りの熟練を要し、強火にすると速く焼 けるが、中味は生焼けであったり、弱火で長く焼くと油気が無くなってパサパサ となり、味覚を損ねることになる。また、魚の油がガス火に落ちて油煙が部屋中 に立ち込め、部屋を汚染したり汚臭が残る欠点を有している。また、たとえばマ ンションなどの集合住宅では、油煙が屋外の廊下に立ち込めるので敬遠されがち である。さらに、魚の皮部などが焼き網に付着して剥がれ、魚の美感を損ねる問 題も有している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記実情に鑑みてなされたもので、熟練を要することなく、魚を美味 しく、かつ美感を損ねないで焼き上げると共に油煙の発生を防止できる調理器を 提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案に係る調理器は中央に円孔部を開口してリン グトレー状に形状した汁受皿と、この汁受皿の円孔部を閉塞するように汁受皿上 に載置する火力調整体とを有し、上記汁受皿には刺し串を立てる複数個の串立筒 を円方向に所定間隔を存して着脱自在、かつ、汁受皿の中心に向かって前傾状に 配設してあり、上記火力調整体は輪状蓋板部と、この蓋板部より小径な天板部を 連結アームで一体に連結して上記蓋板部と天板部の間に開口窓を形成してなるこ とを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】

汁受皿の串立筒に魚を刺して串の下端部を挿入すると、各魚は汁受皿の中心に 向かって前傾状に立てられるため、コンロなどの加熱源を中心にしてほぼ円錐形 状となる。そこで、コンロに点火すると、ガス火は火力調整板の天板部に衝当し て外周方向に拡散され、開口窓から上昇して魚の長手方向の面を遠火で平均的に 加熱し、魚を焼き上げる。そして、魚の脂肪分などの焼汁は流下して汁受皿上に 流入して溜められ、加熱源に直接落下しないので、油煙の発生を防止する。この ように、遠火でじっくり焼き上げるので、魚の生汁が抜け、生臭さが取れて美味 しく調理される。

【０００７】

【実施例】

以下、図面を参照して本考案の１実施例について説明する。図１は本考案に係 る調理器の１実施例を示す斜視図、図２は同上調理器の平面図、図３は図２のＡ −Ａ線断面図、図４〜図６は同上調理器の使用状態を示す斜視図である。

【０００８】 上記図１〜図６において、１は中央に円孔部１Ａを開口して所定幅のリングト レー状に形成した汁受皿で、この汁受皿はガスコンロ、卓上コンロ等に載置可能 な直径を有し、その外周と内周には夫々外周壁２と内周壁３とが設けられ、全体 に耐熱ホーロー加工が施されている。４は上記汁受皿１に固定された取手である 。

【０００９】 上記汁受皿１には、複数個（実施例では６個、ただし、その数量は任意に増減 可）の串立基部５が円周に沿って所定間隔で固定され、各串立基部５は汁受皿１ の中心に向かって前傾してある。６は串立筒で、串立筒６は下端に突設したネジ 部６ａにより、串立基部５に螺合して固定され、串立筒６のネジ部近傍の周壁に は、内部と連通する排液穴７が開口されている。なお、当然のことであるが、上 記各串立筒６は串立基部５に固定した際には、汁受皿１の中心に向かって前傾す ることになる。８は竹や金属等よりなる刺し串で、この串６は串立筒６に差し込 んで使用する。

【００１０】 ９は汁受皿１の円孔部１Ａを閉塞するように汁受皿１上に載置してセットする 火力調整体で、火力調整体９は汁受皿１上に載置される所定幅の輪状蓋板部１０ と、この蓋板部１０の内径より小径な円板状の天板部１１とを有している。そし て天板部１１は蓋板部１０と同心円上に、かつ、蓋板部１０より少し上方位置に 配置させ、連結アーム１２により両者１０，１１を一体に連結して蓋板部１０と 天板部１１との間に開口窓１３を形成してなっている。上記火力調整体９には耐 熱ホーロー加工が施されている。

【００１１】 実施例の調理器は上記のように構成したもので、次に調理方法の一例につき説 明する。調理する魚Ｆは適当な大きさのものを選定し、前処理として、その表面 の生汁を良く拭き取った後、きれいな姿焼きにするために、串８に波状に変形し て刺す。また、魚Ｆに塩を振って魚身を締めると共に尾びれや背びれに化粧塩を 指で多めに付けておく。

【００１２】 一方、上記魚Ｆを焼く加熱器として図４，図５に示すように卓上コンロＫやガ スコンロＫを使用し、このコンロＫの五徳１４上に汁受皿１を載せる。この際、 汁受皿１には少量の水を入れると良い。そして、汁受皿１の串立筒６に魚Ｆを刺 した串８の下端部を挿入すると、各魚Ｆは汁受皿１の中心に向かって前傾状に立 てられるため、コンロＫの加熱源を中心にしてほぼ円錐形状となる。

【００１３】 そこで、コンロＫを点火すると、ガス火は火力調整板９の天板部１１に衝当し て外周方向に拡散され、開口窓１３から上昇して魚Ｆの長手方向の片方の面（内 側の面）を平均的に加熱して焼くので、その焼き具合を見ながら串８を反転して 魚の両面をほどよく焼き上げる。この際、魚の脂肪分などの焼汁は流下して串立 筒６内に入り、排穴７から汁受皿１内の水中に流入して溜り、したがって、コン ロの加熱源に直接落下しないので、油煙を発生することがない。このように、遠 火でじっくり焼き上げるので、魚の生汁が抜け、生臭さが取れて美味に調理され 、また、余分な脂肪が除かれるので、健康及びダイエットに有効的である。そし て、使用後は、汁受皿１の水を捨てると共に、串立筒６を串立基部５から取り外 して洗浄すれば、油汚れなどの後片づけが簡単に行える。

【００１４】 図６は炭火を加熱源とする七輪コンロＳを使用して調理する例を示したもので 、炭焼の場合には、火力調整体９を使用しないで円孔部１Ａを完全に開放するこ とにより、強火の遠火できれいに焼き上げることができる。なお、この場合も油 煙の発生防止等については上記と同様である。

【００１５】

【考案の効果】

本考案によれば次のような効果を奏する。

【００１６】 魚を串刺しして遠火でじっくり焼き上げられるので、生汁が抜けて生臭さが取 れ、美味に調理されると共に、網焼きのように皮部などが剥がれて美感を損ねる ことなく、きれいに焼き上げることができる。

【００１７】 焼く際に魚の脂肪分などの焼汁は汁受皿内に流下捕集され、加熱源に落下しな いので油煙の発生を防止する。

【００１８】 串刺しされた魚は、加熱源に対して円錐形状に配置されて加熱されるので、複 数匹の魚を効率よく同時に焼き上げることができる。

【００１９】 串立筒は着脱自在になっているため、洗浄等、調理の後始末を簡単に行うこと ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る調理器の１実施例を示す斜視図で
ある。

【図２】同上調理器の平面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ線断面図である。

【図４】同上調理器の使用状態を示す斜視図である。

【図５】同上調理器の他の使用状態を示す斜視図であ
る。

【図６】同上調理器のさらに他の使用状態を示す斜視図
である。

【図７】従来の焼魚の調理方法の一例を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ 汁受皿 １Ａ 円孔部 ６ 串立筒 ８ 刺し串 ９ 火力調整体 １０ 輪状蓋板部 １１ 天板部 １２ 連結アーム １３ 開口窓

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中央に円孔部を開口してリングトレー状
   に形成した汁受皿と、この汁受皿の円孔部を閉塞するよ
   うに汁受皿上に載置する火力調整体とを有し、上記汁受
   皿には刺し串を立てる複数個の串立筒を円方向に所定間
   隔を存して着脱自在、かつ、汁受皿の中心に向かって前
   傾状に配設してあり、上記火力調整体は輪状蓋板部と、
   この蓋板部より小径な天板部を連結アームで一体に連結
   して上記蓋板部と天板部の間に開口窓を形成してなるこ
   とを特徴とする調理器。