JPH067522B2 - サ−マルヘツド - Google Patents
サ−マルヘツドInfo
- Publication number
- JPH067522B2 JPH067522B2 JP60267222A JP26722285A JPH067522B2 JP H067522 B2 JPH067522 B2 JP H067522B2 JP 60267222 A JP60267222 A JP 60267222A JP 26722285 A JP26722285 A JP 26722285A JP H067522 B2 JPH067522 B2 JP H067522B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cristobalite
- sio
- thermal head
- film
- target
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Electronic Switches (AREA)
- Non-Adjustable Resistors (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は感熱印字記録に用いらるサーマルヘッドに関す
る。
る。
サーマルヘッドの構造は第1図に示すようにガラスグレ
ーズ処理したセラミック基板(1)上に複数個の抵抗膜と
この発熱抵抗膜に電力を供給するための電気導体(3)と
を設け、記録すべき情報に従って、必要な熱パターンが
得られるように対応する発熱抵抗膜に電気導体を介して
電流を流して発熱させ、記録媒体に接触することにより
記録を行うものである。従来、発熱抵抗膜はTaとSiO2粉
を焼結して得られるターゲットをスパッタして得られる
Ta−SiO2抵抗膜がある。(例えば特開昭58−118272) しかしながら、この発熱抵抗膜は抵抗値のバラツキが大
きいために印字ムラとなる場合が多く、製品の歩留りを
低下させる大きな要因となっていたにもかかわらず、こ
の抵抗値異常の原因は明らかになっていなかった。
ーズ処理したセラミック基板(1)上に複数個の抵抗膜と
この発熱抵抗膜に電力を供給するための電気導体(3)と
を設け、記録すべき情報に従って、必要な熱パターンが
得られるように対応する発熱抵抗膜に電気導体を介して
電流を流して発熱させ、記録媒体に接触することにより
記録を行うものである。従来、発熱抵抗膜はTaとSiO2粉
を焼結して得られるターゲットをスパッタして得られる
Ta−SiO2抵抗膜がある。(例えば特開昭58−118272) しかしながら、この発熱抵抗膜は抵抗値のバラツキが大
きいために印字ムラとなる場合が多く、製品の歩留りを
低下させる大きな要因となっていたにもかかわらず、こ
の抵抗値異常の原因は明らかになっていなかった。
この発明は以上の点を考慮してなされたもので、発熱抵
抗膜の抵抗値バラツキの少ないサーマルヘッドを提供す
るものである。
抗膜の抵抗値バラツキの少ないサーマルヘッドを提供す
るものである。
本発明はサーマルヘッドの数々の発熱抵抗膜の構造解析
の結果から該発熱抵抗膜の抵抗値バラツキは該発熱抵抗
膜中に含まれるクリストバライト含有量に依存すること
を見い出し、該発熱抵抗体中のクリストバライト量をSi
O2の20wt%以下にした発熱抵抗膜を用いたことを特徴と
するサーマルヘッドである。
の結果から該発熱抵抗膜の抵抗値バラツキは該発熱抵抗
膜中に含まれるクリストバライト含有量に依存すること
を見い出し、該発熱抵抗体中のクリストバライト量をSi
O2の20wt%以下にした発熱抵抗膜を用いたことを特徴と
するサーマルヘッドである。
該発熱抵抗膜の構造解析はX線回折,透過型電子顕微
鏡,示差走査熱量計,などを用いて行った。
鏡,示差走査熱量計,などを用いて行った。
X線回折などの結果から発熱抵抗膜は非晶質膜であるこ
とが明らかである。又、示差走査熱量計による膜の熱特
性解析から特異的に抵抗値の高い部分には結晶相転移が
認められ、この相転移はターゲットの構成相クリストバ
ライトと相転移温度が一致しているため、クリストバラ
イトの相転移であると断定した。又クリストバライト量
は示差走査熱量計で得られた膜の相転熱とクリストバラ
イト相転移熱0.31Kcal/mol(化学便覧から引用)の比
から求めた。この結果、クリストバライト量は特異的に
抵抗値が高い部分ではSiO2の総量に対して20wt%以上含
まれておりこれに対して正常部では20wt%以下残りは非
晶質のSiO2とTaであった。又、発熱抵抗膜に使用するタ
ーゲットについても同様の解析を行った結果発熱抵抗膜
中のクリストバライト量とターゲット中のクリストバラ
イト量には相関性がある。発熱抵抗膜中のクリストバラ
イト量を20wt%以下にするためにはターゲット中のクリ
ストバライト量を20wt%以下に減少させることで達成で
きる。
とが明らかである。又、示差走査熱量計による膜の熱特
性解析から特異的に抵抗値の高い部分には結晶相転移が
認められ、この相転移はターゲットの構成相クリストバ
ライトと相転移温度が一致しているため、クリストバラ
イトの相転移であると断定した。又クリストバライト量
は示差走査熱量計で得られた膜の相転熱とクリストバラ
イト相転移熱0.31Kcal/mol(化学便覧から引用)の比
から求めた。この結果、クリストバライト量は特異的に
抵抗値が高い部分ではSiO2の総量に対して20wt%以上含
まれておりこれに対して正常部では20wt%以下残りは非
晶質のSiO2とTaであった。又、発熱抵抗膜に使用するタ
ーゲットについても同様の解析を行った結果発熱抵抗膜
中のクリストバライト量とターゲット中のクリストバラ
イト量には相関性がある。発熱抵抗膜中のクリストバラ
イト量を20wt%以下にするためにはターゲット中のクリ
ストバライト量を20wt%以下に減少させることで達成で
きる。
この様にして抵抗体とターゲットのクリストバライトを
20wt%以下にする様にした。望ましくは3wt%以下がよ
い。
20wt%以下にする様にした。望ましくは3wt%以下がよ
い。
次にこの用な抵抗体やターゲットを製造する方法につい
ての条件を述べる。焼結温度を1200〜1450℃としたのは
これ以上の温度ではクリストバライトが増加し、これ以
下の温度では焼結体の密度が十分高くならないためであ
る。望ましくは1250〜1350℃がよい。また、スパッタリ
ング時の基板加熱温度で90℃以上としたのは、これ以
下の温度ではクリストバライトができやすいためであ
る。しかし、焼結体中のクリストバライト量が少なけれ
ば基板加熱温度が90℃以下でも充分バラツキの少ない
抵抗膜は得られ、かつターゲットのクリストバライト量
が多くてもスパッタリング時の基板加熱温度が90℃以
上と高ければバラツキの少ない抵抗体が得られる。
ての条件を述べる。焼結温度を1200〜1450℃としたのは
これ以上の温度ではクリストバライトが増加し、これ以
下の温度では焼結体の密度が十分高くならないためであ
る。望ましくは1250〜1350℃がよい。また、スパッタリ
ング時の基板加熱温度で90℃以上としたのは、これ以
下の温度ではクリストバライトができやすいためであ
る。しかし、焼結体中のクリストバライト量が少なけれ
ば基板加熱温度が90℃以下でも充分バラツキの少ない
抵抗膜は得られ、かつターゲットのクリストバライト量
が多くてもスパッタリング時の基板加熱温度が90℃以
上と高ければバラツキの少ない抵抗体が得られる。
以上の説明に示すように本発明によれば抵抗値バラツキ
の少ない発熱抵抗膜を用いるため、印字ムラのないサー
マルヘッドを得ることができる。
の少ない発熱抵抗膜を用いるため、印字ムラのないサー
マルヘッドを得ることができる。
以下に本発明の実施例について説明する。
(実施例1) 平均粒径3μmに調整されたTa粉末と、事前に1000℃
の熱処理によって結晶水をとばしたSiO2の粉末を用意
し、Ta:SiO2=7:1の割合でボールミル中で混合し
た。その後カーボンのダイを用いてホットプレスにより
混合粉を焼結した。この時の焼結温度は1200℃である。
焼結体の一部をけずりとり、X線解折によって構成相を
調べた結果Si3Ta5,β−Ta2O5Ta,Ta2Siの存在がみと
められたが、クリストバライト型SiO2はこのX線回折法
ではほとんどないに等しかった。その後この構造をもつ
ターゲットを用いあらかじめグレース(2)を塗布してあ
るAl2O5基板(1)にスパッタリング法により発熱抵抗体
(3)を形成した。
の熱処理によって結晶水をとばしたSiO2の粉末を用意
し、Ta:SiO2=7:1の割合でボールミル中で混合し
た。その後カーボンのダイを用いてホットプレスにより
混合粉を焼結した。この時の焼結温度は1200℃である。
焼結体の一部をけずりとり、X線解折によって構成相を
調べた結果Si3Ta5,β−Ta2O5Ta,Ta2Siの存在がみと
められたが、クリストバライト型SiO2はこのX線回折法
ではほとんどないに等しかった。その後この構造をもつ
ターゲットを用いあらかじめグレース(2)を塗布してあ
るAl2O5基板(1)にスパッタリング法により発熱抵抗体
(3)を形成した。
スパッタリングはArガス中10-2Torrで行った。またこ
の時の基板加熱温度は、130℃であった。この後電極(4)
としてCu,Pd,Au,Crを蒸着し、所定のパターンをエッ
チングでつくった後保護膜(5)とSiO2とTa2O5をスパッタ
法で抵抗膜上に形成し抵抗体を駆動させる配線を行いサ
ーマルヘッドを完成させた。
の時の基板加熱温度は、130℃であった。この後電極(4)
としてCu,Pd,Au,Crを蒸着し、所定のパターンをエッ
チングでつくった後保護膜(5)とSiO2とTa2O5をスパッタ
法で抵抗膜上に形成し抵抗体を駆動させる配線を行いサ
ーマルヘッドを完成させた。
また比較のためターゲットの焼結温度を1700℃とし、ス
パッタ時の基板加熱温度を70℃とした同様なサーマル
ヘッドをつくった。
パッタ時の基板加熱温度を70℃とした同様なサーマル
ヘッドをつくった。
この2つのサーマールヘッドの抵抗値をしらべたところ
本発明品は基準抵抗値を100としたところ±10のバラ
ツキにおさえられたが、比較品はバラツキが±120と多
く、印字の際にむらが多く発生した。
本発明品は基準抵抗値を100としたところ±10のバラ
ツキにおさえられたが、比較品はバラツキが±120と多
く、印字の際にむらが多く発生した。
次に抵抗膜中とターゲット中のクリストバライトSiO2の
量を分析によって調べた。
量を分析によって調べた。
まず最初に発熱抵抗膜の示差走査熱量測定(DSC)を行
った。この時発熱抵抗膜に含まれるクリストバライトの
含有量はDSCデータから得られる相転移熱量とクリスト
バライトの相転移熱0.31Kcal/mol(化学便覧から引
用)の比から求めた。一方ターゲット中に含まれるクリ
ストバライトの含有量も上記方法により求めた。その結
果第1表に示す様に発熱抵抗膜中のクリストバライトの
含有量はターゲット中のクリストバライト量に依存する
ことが明らかになった。さらに第1表が示すように発熱
抵抗膜中のクリストバライトの含有率は非晶質SiO2に対
して3wt%以下が望ましい。
った。この時発熱抵抗膜に含まれるクリストバライトの
含有量はDSCデータから得られる相転移熱量とクリスト
バライトの相転移熱0.31Kcal/mol(化学便覧から引
用)の比から求めた。一方ターゲット中に含まれるクリ
ストバライトの含有量も上記方法により求めた。その結
果第1表に示す様に発熱抵抗膜中のクリストバライトの
含有量はターゲット中のクリストバライト量に依存する
ことが明らかになった。さらに第1表が示すように発熱
抵抗膜中のクリストバライトの含有率は非晶質SiO2に対
して3wt%以下が望ましい。
(実施例2〜5) 以下に示す4種を実施例1と同様に作製した。実施例1
と異なる条件は以下の通りである。
と異なる条件は以下の通りである。
サーマル 2:ターゲット1200℃スパッタ時の 220℃ ヘッド 焼結温度 基板加熱温度 〃 3: 〃 1300℃ 〃 200℃ 〃 4: 〃 1350℃ 〃 150℃ 〃 5: 〃 1250℃ 〃 100℃ このサーマルヘッドを実施例1と同様に分析した結果第
1表の様にクリストバライトSiO2量が少なく、抵抗値の
バラツキも少なかった。
1表の様にクリストバライトSiO2量が少なく、抵抗値の
バラツキも少なかった。
ここでターゲット中のクリストバライトの量は焼結前に
添加したSiO2重量に対する重量比で、抵抗中のクリスト
バライトは抵抗膜中の全SiO2重量に対する重量比で、バ
ラツキは目標抵抗値を100とした時の指数の差を表わし
ている。
添加したSiO2重量に対する重量比で、抵抗中のクリスト
バライトは抵抗膜中の全SiO2重量に対する重量比で、バ
ラツキは目標抵抗値を100とした時の指数の差を表わし
ている。
本発明は、焼結体のターゲットにかぎらずTaとSiO2を
組みあわせた複合体としてのターゲットにも応用するこ
とができる。またTaは、その他の抵抗値の高い元素た
とえば、Mu,Ni−Cr等といれかえることも可能であり、
高抵抗元素−SiO2の複合系に有効である。
組みあわせた複合体としてのターゲットにも応用するこ
とができる。またTaは、その他の抵抗値の高い元素た
とえば、Mu,Ni−Cr等といれかえることも可能であり、
高抵抗元素−SiO2の複合系に有効である。
第1図はサーマルヘッドの要部断面図。 3…発熱抵抗体。
Claims (5)
- 【請求項1】基板と前記基板上に形成された発熱抵抗膜
を有するサーマルヘッドにおいて前記抵抗膜はTaとSiO2
を主成分とし、結晶質SiO2の含有量がSiO2の総量に対し
て20wt%以下であることを特徴とするサーマルヘッド。 - 【請求項2】結晶質SiO2の主成分がクリストバライトで
あることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のサー
マルヘッド。 - 【請求項3】前記発熱抵抗膜はクリストバライトの存在
比がSiO2添加量に対して20wt%以下であるターゲットを
用いたスパッタリング膜であることを特徴とする特許請
求の範囲第1項記載のサーマルヘッド。 - 【請求項4】スパッタリング時の抵抗膜付着基板の温度
は90℃以上にたもたれる事を特徴とする特許請求の範
囲第3項記載のサーマルヘッド。 - 【請求項5】前記ターゲットは1200〜1450℃の範囲で焼
結されたものである事を特徴とする特許請求の範囲第3
項記載のサーマルヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60267222A JPH067522B2 (ja) | 1985-11-29 | 1985-11-29 | サ−マルヘツド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60267222A JPH067522B2 (ja) | 1985-11-29 | 1985-11-29 | サ−マルヘツド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62128101A JPS62128101A (ja) | 1987-06-10 |
JPH067522B2 true JPH067522B2 (ja) | 1994-01-26 |
Family
ID=17441831
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60267222A Expired - Lifetime JPH067522B2 (ja) | 1985-11-29 | 1985-11-29 | サ−マルヘツド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH067522B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6431678B2 (en) * | 1998-09-01 | 2002-08-13 | Hewlett-Packard Company | Ink leakage detecting apparatus |
JP6311928B2 (ja) * | 2014-07-11 | 2018-04-18 | 三菱マテリアル株式会社 | Ta−Si−O系薄膜形成用スパッタリングターゲット |
-
1985
- 1985-11-29 JP JP60267222A patent/JPH067522B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62128101A (ja) | 1987-06-10 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |