JPH07188911A - スパッタリングターゲット、それを用いて形成した膜抵抗体およびサーマルプリンタヘッド - Google Patents

スパッタリングターゲット、それを用いて形成した膜抵抗体およびサーマルプリンタヘッド

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JPH07188911A
JPH07188911A JP32920293A JP32920293A JPH07188911A JP H07188911 A JPH07188911 A JP H07188911A JP 32920293 A JP32920293 A JP 32920293A JP 32920293 A JP32920293 A JP 32920293A JP H07188911 A JPH07188911 A JP H07188911A
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sputtering target
niobium
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resistance
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JP32920293A
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Takashi Ishigami
隆 石上
Makoto Kikuchi
誠 菊池
Fumiyuki Kawashima
史行 川島
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 均一で組成ずれが少なく、抵抗値の温度変化
が小さい高比抵抗の膜を成膜することが可能なスパッタ
リングターゲットを提供する。 【構成】 Nbと、Siと、 Oと、 Bならびに W、Mo、Re、
Ruの遷移金属元素から選ばれた少なくとも 1種の元素(M
元素)とを主構成元素として含有するスパッタリングタ
ーゲットである。具体的には、酸化珪素を 5〜70mol%の
範囲で含み、残部が実質的にニオブ、ニオブ合金、酸化
ニオブ、酸化ニオブ合金、珪化ニオブおよび珪化ニオブ
合金から選ばれた少なくとも 1種と、 M元素、その酸化
物、珪化物、 M元素とニオブとの合金、その酸化物およ
び珪化物から選ばれた少なくとも 1種とからなる混合物
を焼結してなるNb-M-SiOx 系ターゲットである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、膜抵抗体の形成に好適
なスパッタリングターゲット、およびそれを用いて形成
した膜抵抗体、およびその膜抵抗体を用いたサーマルプ
リンタヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ファクシミリ、複写機、券売
機等に内蔵された記録装置として、少音、省保守等の利
点を生かして、サーマルプリンタヘッドを用いた熱転写
型記録装置が使用されている。このようなサーマルプリ
ンタヘッドにおいて、発熱して印刷媒体を溶かす発熱抵
抗体としては、Ta2 N 等が主として用いられてきたが、
近年より高比抵抗が得られるサーメット薄膜、例えばTa
-SiO2 抵抗膜が実用化されている。
【0003】ところで、上述したようなTa-SiO2 系のサ
ーメット抵抗膜は、例えばTa成分とSiO2 成分とを含む
焼結ターゲットを用いたスパッタ成膜や、Taターゲット
とSiO2 ターゲットとを用いた多元スパッタ成膜等によ
って形成されているが、TaとSiとのスパッタ放出角度が
大きく異なるために、スパッタ条件の微妙な違いによっ
て、ターゲット組成と膜組成との間にバラツキが生じ易
く、膜組成の制御が難しいという問題があった。また、
上記した理由から膜内の組成が不均一になり易いため
に、膜内のシート抵抗にバラツキが生じ易く、抵抗値の
再現性に乏しいといった問題を有していた。
【0004】このような従来のサーメット系抵抗膜の問
題点を解決するために、本出願人は先に、金属成分とし
てNb(Nb合金を含む)を用いたNb-SiOx 系のスパッタリ
ングターゲット、および膜抵抗体を提案している(特開
平3-811328号公報参照)。Nbの密度はTaの約 1/2と小さ
く、Siのスパッタ放出角度に近似するため、ターゲット
と得られる膜との組成ずれを小さくすることができ、よ
って得られる膜の組成を均一化することが可能となると
共に、膜内のシート抵抗値のバラツキを抑制することが
可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、Nb-S
iOx 系のスパッタリングターゲットは、ターゲット組成
と膜組成とのずれを小さくすることができるため、組成
やシート抵抗値の均一性に優れた膜抵抗体が得られると
いう利点を有している。
【0006】しかしながら、上記Nb-SiOx 系の膜抵抗体
は、抵抗値の温度変化が大きく、温度上昇に伴う抵抗値
の減少が大きいため、実使用温度において抵抗値制御が
困難となるという問題を有していた。例えば、サーマル
プリンタヘッドにおいては、膜抵抗体の温度が常温から
瞬間的には 500℃程度まで上昇するため、Nb-SiOx 系の
膜抵抗体を用いた場合には抵抗値が大きく変動し、印字
品質に悪影響を及ぼしたり、あるいは抵抗値の減少に伴
って電流値が増大することにより、膜抵抗体の破壊等を
招く可能性を有していた。
【0007】このようなことから、ターゲットと膜との
間の組成ずれや、組成、シート抵抗値等のバラツキの発
生を抑制した上で、抵抗値の温度変化を抑制した膜を形
成することが可能なスパッタリングターゲットが求めら
れており、また同様に、膜内のシート抵抗のバラツキが
少なく、かつ抵抗値の温度変化が小さい高比抵抗の膜抵
抗体が求められている。
【0008】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、均一で組成ずれが少なく、かつ抵抗
値の温度変化が小さい高比抵抗の膜を再現性よく成膜す
ることが可能なスパッタリングターゲットを提供するこ
とを目的としており、また本発明の他の目的は、膜内の
シート抵抗のバラツキや抵抗値の温度変化を抑制した、
高比抵抗の膜抵抗体およびそれを用いたサーマルプリン
タヘッドを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段と作用】本発明者らは、サ
ーマルプリンタヘッドの発熱抵抗体等として用いる膜抵
抗体について検討を重ねた結果、Nb-SiOx 系の膜抵抗体
に B、 W、Mo、Re、Ruから選ばれた少なくとも 1種の元
素を含有させることにより、Nb-SiOx 系の膜抵抗体が本
来有する、抵抗値、成膜性、膜組成の安定性等の特性を
低下させることなく、抵抗値の温度変化を小さくするこ
とが可能であることを見出した。
【0010】本発明は、上記したような知見に基いて成
されたものであり、本発明における第1のスパッタリン
グターゲットは、Nbと、Siと、 Oと、 Bならびに W、M
o、Re、Ruの遷移金属から選ばれた少なくとも 1種の元
素とを主構成元素として含有することを特徴としてい
る。また、第2のスパッタリングターゲットは、Nbと
B、W、Mo、ReおよびRuから選ばれた少なくとも 1種の元
素とを含有する金属ブロックと、酸化珪素ブロックとを
配列してなることを特徴としている。
【0011】また、本発明の膜抵抗体は、上記した焼結
スパッタリングターゲットを用いてスパッタ成膜してな
ることを特徴としている。さらに、本発明のサーマルプ
リンタヘッドは、絶縁性基体と、この絶縁性基体上に設
けられた多数の発熱抵抗体と、これら発熱抵抗体に接続
された電極とを具備するサーマルプリンタヘッドにおい
て、前記発熱抵抗体は、上記膜抵抗体からなることを特
徴としている。
【0012】本発明のスパッタリングターゲットは、基
本的にはターゲット中の金属成分としてNbを用いている
と共に、抵抗成分として SiOx を用いたものであり、Nb
とSiとはスパッタ放出角度が近似しているため、タ−ゲ
ットとの組成ずれが少ないスパッタ膜が得られる。そし
て、本発明においては、このようなスパッタリングター
ゲットに、 B、 W、Mo、ReおよびRuから選ばれた少なく
とも 1種の元素(以下、 M元素と記す)を含有させてい
る。なお、第2の発明における M元素は、Nbと共に金属
ブロック中に含有させている。 M元素を含有させること
によって、スパッタ成膜して得た膜の抵抗温度変化率を
抑制することが可能となる。 M元素の含有割合は、全組
成分に対して 0.001〜90mol%の範囲とすることが好まし
い。 M元素の含有割合が 0.001mol%未満であると、上記
した抵抗温度変化率の抑制効果を十分に得ることができ
ず、また90mol%を超えて含有させてもそれ以上の効果が
得られないばかりでなく、スパッタ膜のエッチング性が
低下したり、さらに第1の発明においては膜応力が大き
くなり、膜はがれやそれに伴うパーティクルの発生が起
き、工程上問題となる。
【0013】また、第1の発明のスパッタリングターゲ
ットにおけるNbは、酸化物や珪化物といった化合物の形
態でターゲット中に存在させることが好ましい。これに
より、得られる膜の組成をより均一化することができ
る。また、 M元素は単独で添加してもよいが、 M元素の
酸化物や珪化物といった化合物、あるいはNbとの合金の
酸化物や珪化物といった複合化合物の形態でターゲット
中に存在させることもできる。
【0014】第1の発明の Nb-M-Si-O系スパッタリング
ターゲットは、例えば酸化珪素粉末と、ニオブ粉末、ニ
オブ合金粉末、酸化ニオブ粉末、酸化ニオブ合金粉末、
珪化ニオブ粉末および珪化ニオブ合金粉末から選ばれた
少なくとも 1種のニオブ含有粉末と、 M元素粉末、 M元
素の酸化物粉末、Nb元素の珪化物粉末、ニオブと少なく
とも 1種の M元素との合金(Nb-M合金)粉末、Nb-M合金
の酸化物粉末およびNb-M合金の珪化物粉末から選ばれた
少なくとも 1種の M元素含有粉末とを含む混合粉末を、
焼結させることにより得られる。なお、 M元素含有粉末
としてNb-M合金粉末やその化合物粉末を用いる場合に
は、これら M元素含有粉末と酸化珪素粉末との混合粉末
を原料粉末として用いることも可能である。
【0015】上記混合粉末中の酸化珪素粉末の組成比と
しては、 5〜70mol%の範囲とすることが好ましい。酸化
珪素粉末が70mol%を超えると、得られる焼結体が脆くな
って、得られるスパッタ膜の均一性が低下する上に、ス
パッタ中の抵抗変化率が大きくなることによって、得ら
れるスパッタ膜の抵抗値の制御が困難となり、シート抵
抗のバラツキが大きくなる。一方、酸化珪素粉末が 5mo
l%未満では、得られるスパッタ膜の比抵抗が低下し、膜
抵抗体としての効果が低減する。上記混合粉末中におけ
る酸化珪素粉末のさらに好ましいモル比は20〜60mol%の
範囲である。
【0016】また、本発明のスパッタリングターゲット
におけるNbの出発原料としては、ニオブ粉末やその化合
物粉末に限られるものではなく、上述したようなニオブ
合金粉末やその化合物粉末を用いることができる。この
ニオブ合金としては、前述したNb-M合金に限らず、 Nb-
Ta合金、 Nb-Fe合金、 Nb-Al合金等を用いることもでき
る。特にNbとTaは含有率に違いがあるとはいうものの、
同一鉱石中に存在することが多いため、両金属からなる
合金を用いることは、精錬にかかる手間やコストの観点
からも望ましい。
【0017】上記した混合粉末の焼結方法としては、ホ
ットプレスが一般的であるが、熱間静水圧プレス(HI
P)、もしくは冷間静水圧プレス(CIP)と常圧焼結
との組合せ等を適用することも可能である。
【0018】また、第2の発明の Nb-M-Si-O系スパッタ
リングターゲットは、Nbと M元素との合金あるいはNbと
Bとからなる金属ブロックと酸化珪素ブロックとを、目
的とする膜の組成に応じた割合で配列することにより得
られる。この際の金属ブロックと酸化珪素ブロックとの
配列割合は、基本的にはそれらの表面積(ターゲット面
として機能する面の表面積)に基いて決定され、具体的
な配列割合は第1の発明に準ずるものである。
【0019】本発明における膜抵抗体は、上述した Nb-
M-Si-O系スパッタリングターゲットを用いてスパッタ成
膜した膜からなるものであり、基本的にはNb-M-SiOx
組成を有するものである。ただし、Nbや M元素は焼結過
程で酸化物や珪化物、あるいは複合化合物となる可能性
があると共に、出発原料としてそれらを用いることも可
能であるため、具体的な組成としてはNbx O y - Nbx Si
y -Mx O y -Mx Siy -SiOx やNbx My Oz - Nbx My Si
z -SiOx 等となる。
【0020】上記したようなNb-M-SiOx 系組成の膜抵抗
体は、前述したように抵抗温度変化率が小さいことか
ら、サーマルプリントヘッドの発熱抵抗体等として好適
なものである。すなわち、本発明の膜抵抗体をサーマル
プリントヘッドの発熱抵抗体等として使用する場合を考
えると、サーマルプリントヘッドの動作に伴って発熱抵
抗体の温度が大幅に変動した場合においても、発熱抵抗
体の抵抗変化を極力抑制することができ、良好な印字品
質を安定して得ることが可能となると共に、サーマルプ
リントヘッドの高速化や高耐熱化への対応を図ることが
できる。また、スパッタ成膜した直後の膜の抵抗値と、
その後にアニール等の熱処理を施した後の抵抗値との差
を極力抑えることができる。具体的には、本発明の膜抵
抗体において、抵抗値の温度係数を-400ppm/℃以下とす
ることができる。
【0021】また、本発明の膜抵抗体は、基本的にスパ
ッタ特性(スパッタ放出角や組成の均一性等)に優れた
スパッタリングターゲットを用いて形成したものである
ため、ターゲットとの組成ずれが少なく、すなわち膜組
成の再現性に優れ、かつ均一な組成を有するものとな
る。よって、高比抵抗を安定して実現できるだけでな
く、シート抵抗のバラツキを極めて小さくすることがで
きる。また、Nbの密度はTaの約 1/2であり、単位重量あ
たりの価格もほぼ 1/2であるため、コスト削減の観点か
らも極めて有用である。さらに、膜自体はその主体が非
晶質であるため、耐酸化性および耐熱性に優れている。
上記膜抵抗体は、膜厚が 5〜3000nmの範囲の薄膜とする
ことが好ましく、より好ましくは50〜 200nmの範囲、さ
らに望ましくは80〜 150nmの範囲である。このような膜
抵抗体をサーマルプリンタヘッドの発熱抵抗体として用
いることによって、安定して大きな発熱を得ることが可
能となり、優れた印字記録を実現することができる。
【0022】本発明の膜抵抗体は、発熱体として用いる
場合を考慮すると、高比抵抗を有している必要があり、
その比抵抗は102 μΩcm〜106 μΩcmの範囲とすること
が好ましい。比抵抗値が102 μΩcm未満では、高比抵抗
体としての役割を十分に果たすことができない。一方、
比抵抗値が106 μΩcmを超えると、得られる膜抵抗値の
安定性が低下する。比抵抗の望ましい範囲は 3×102 μ
Ωcm〜 6×105 μΩcmであり、さらに望ましくは 3×10
3 μΩcm〜 6×104 μΩcmである。なお、比抵抗とはシ
ート抵抗に膜厚を乗じたものである。また、シート抵抗
のバラツキは、20%以下とすることができる。シート抵
抗のバラツキが大きいと、サーマルプリンタヘッドに使
用した場合、基板内の発熱量のバラツキが大きくなり、
印字特性の劣化を招くこととなる。より好ましいシ−ト
抵抗のバラツキは10% 以下である。なお、ここで言うシ
−ト抵抗のバラツキは、 (抵抗の最高値−抵抗の最小値) /抵抗の平均値× 100
(%) で表される式によって求めた値である。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳細に説明す
る。
【0024】実施例1 まず、Nb粉末と B粉末(平均粒径:3μm)と SiO2 粉末
(平均粒径:1μm)とを、モル比でNb:B:SiO2 =44:3:53と
なるように配合し、ボールミルを用いて真空中で18時間
混合した。次いで、この混合粉末を真空ホットプレス装
置で100kg/cm2 の圧力をかけ、1500℃× 1時間の条件で
焼結させた。この後、得られた焼結体の表面を機械加工
により約 1mm研削し、直径 5インチ、厚さ 5mmのスパッ
タリングターゲットを得た。このようにして得たスパッ
タリングターゲットを、後述する特性評価に供した。
【0025】実施例2 表1に出発原料およびその組成を示す原料粉末を用い
て、実施例1と同様にスパッタリングターゲットを作製
した。このスパッタリングターゲットを後述する特性評
価に供した。
【0026】比較例1 平均粒径 3μm のTa粉末と、平均粒径が 1μm で十分に
乾燥させた酸化珪素粉末とを、モル比でTa:SiOx =70:30
となるように配合し、ボ−ルミルを用いて真空中で18時
間混合した。次いで、この混合粉末を真空ホットプレス
装置で100kg/cm2 の圧力をかけ、1400℃× 1時間の条件
で焼結させた。この後、上記焼結体の表面を機械加工に
より約 1mm研削し、直径 5インチ、厚さ 5mmのスパッタ
リングタ−ゲットを得た。
【0027】比較例2 平均粒径 3μm のNb粉末と、平均粒径が 1μm で十分に
乾燥させた酸化珪素粉末とを、モル比でNb:SiOx =70:30
となるように配合し、ボ−ルミルで真空中にて18時間混
合した。次いで、この混合粉末を真空ホットプレス装置
で100kg/cm2 の圧力をかけ、1400℃× 1時間の条件で焼
結させた。この後、上記焼結体の表面を機械加工により
約 1mm研削し、直径 5インチ、厚さ 5mmのスパッタリン
グタ−ゲットを得た。
【0028】上述した実施例および比較例により得た各
スパッタリングターゲットを用い、高周波マグネトロン
スパッタによって、出力300W、Ar流量17sccm、ガス圧
5.3〜5.5mTorrの条件下で、 3インチのグレーズアルミ
ナ基板上に厚さ 100nmの膜抵抗体をそれぞれ形成した。
そして、これら膜抵抗体の比抵抗、シート抵抗のバラツ
キ、抵抗の温度係数をそれぞれ測定した。それらの結果
を併せて表1に示す。
【0029】
【表1】 表1から明らかなように、従来のタ−ゲットを用いた場
合、抵抗値の温度変化率が大きく、実使用時における膜
の抵抗値制御が困難となることが予想されるのに対し、
本発明の焼結スパッタリングターゲットを用いることに
よって、抵抗温度係数が小さく、かつシート抵抗のバラ
ツキも極めて少ない、安定した膜抵抗体が得られること
が分かる。
【0030】実施例3 図1に示すように、 Bを 3mol%含むNb合金(Nb* )から
なる金属ブロック1と酸化珪素ブロック2とを、面積比
が30:70となるようにモザイク状に配置して、直径 5イ
ンチ、厚さ 5mmのスパッタリングターゲットを得た。こ
のようにして得たスパッタリングターゲットを用いて、
出力500W、Ar流量50sccm、ガス圧 5.3〜5.5mTorrの条件
下で、 3インチのグレーズアルミナ基板上に厚さ 100
nmの膜抵抗体を形成した。そして、この膜抵抗体の比抵
抗、シート抵抗のバラツキ、抵抗の温度係数を測定し
た。その結果、比抵抗は 28000μΩcm、シート抵抗のバ
ラツキは5.2%、抵抗の温度係数は 320ppm/℃であった。
【0031】このように、Nb合金ブロックと酸化珪素ブ
ロックとを用いたモザイク状のスパッタリングターゲッ
トによっても、抵抗温度係数が小さく、かつシート抵抗
のバラツキも少ない、安定した膜抵抗体が得られること
が分かる。
【0032】次に、本発明のサーマルプリンタヘッドの
実施例について述べる。この実施例で用いたサーマルプ
リンタヘッドは、セラミックス基板や表面に絶縁層を有
する金属基板等の絶縁性基板上に発熱抵抗体層を形成
し、この発熱抵抗体層にパターニングを施すことによっ
て、発熱抵抗体群を設けたものであり、これら各発熱抵
抗体上には、発熱部となる開口を形成する如く、Al等か
らなる共通電極と個別電極とを形成したものである。な
お、発熱部や電極の上には保護層を設けた。
【0033】まず、上記各実施例によって膜抵抗体を成
膜した各グレーズアルミナ基板を、上記したサーマルプ
リンタヘッドの絶縁性基板として用いると共に、膜抵抗
体を発熱抵抗体層として用い、この膜抵抗体にパターニ
ングを施した後、各発熱抵抗体上にAl電極を形成し、さ
らに保護膜を成膜して、サーマルプリンタヘッドを作製
した。得られたサーマルプリンタヘッドに対してパルス
幅 0.3sec 、周期 5msecの熱パルスを加えた時の抵抗値
変化率を測定した。その結果、本発明のサーマルプリン
タヘッドは、従来のNb-SiOx 系抵抗膜を用いたサ−マル
プリンタヘッドに比べて、熱パルスによる抵抗値の変動
が少なく、高品質の印字を安定して行うことができた。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のスパッタ
リングターゲットによれば、抵抗温度変化率が小さく、
かつ膜組成や抵抗値が安定した高抵抗膜を再現性よく形
成することができる。よって、サーマルプリンタヘッド
の発熱体等として有用な膜抵抗体を安定して提供するこ
とが可能となる。また、本発明のサ−マルプリンタヘッ
ドは、高速化、高耐熱化に容易に対応でき、さらに高印
字性能を満足するため、小型、高性能化が要求される記
録装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例で作製したモザイク状のス
パッタリングターゲットを示す斜視図である。
【符号の説明】
1……金属ブロック 2……酸化珪素ブロック

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Nbと、Siと、 Oと、 Bならびに W、Mo、
    Re、Ruの遷移金属から選ばれた少なくとも 1種の元素と
    を主構成元素として含有することを特徴とするスパッタ
    リングターゲット。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスパッタリングターゲッ
    トにおいて、 酸化珪素を 5〜70mol%の範囲で含み、残部が実質的にニ
    オブと前記遷移金属元素との合金、前記合金の酸化物お
    よび前記合金の珪化物から選ばれた少なくとも1種から
    なる混合物を、焼結してなることを特徴とするスパッタ
    リングターゲット。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のスパッタリングターゲッ
    トにおいて、 酸化珪素を 5〜70mol%の範囲で含み、残部が実質的にニ
    オブ、ニオブ合金、酸化ニオブ、酸化ニオブ合金、珪化
    ニオブおよび珪化ニオブ合金から選ばれた少なくとも 1
    種と、 Bならびに前記遷移金属元素、前記遷移金属元素
    の酸化物、前記遷移金属元素の珪化物、前記遷移金属元
    素とニオブとの合金、前記合金の酸化物および前記合金
    の珪化物からから選ばれた少なくとも 1種とからなる混
    合物を、焼結してなることを特徴とするスパッタリング
    ターゲット。
  4. 【請求項4】 Nbと B、 W、Mo、ReおよびRuから選ばれ
    た少なくとも 1種の元素とを含有する金属ブロックと、
    酸化珪素ブロックとを配列してなることを特徴とするス
    パッタリングターゲット。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項4記載のスパッタ
    リングターゲットを用いて、スパッタ成膜してなること
    を特徴とする膜抵抗体。
  6. 【請求項6】 絶縁性基体と、この絶縁性基体上に設け
    られた多数の発熱抵抗体と、これら発熱抵抗体に接続さ
    れた電極とを具備するサーマルプリンタヘッドにおい
    て、 前記発熱抵抗体は、請求項4記載の膜抵抗体からなるこ
    とを特徴とするサーマルプリンタヘッド。
JP32920293A 1993-12-27 1993-12-27 スパッタリングターゲット、それを用いて形成した膜抵抗体およびサーマルプリンタヘッド Withdrawn JPH07188911A (ja)

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