JPH07113164A - スパッタリングターゲット、それを用いて形成した膜抵抗体およびサーマルプリンタヘッド - Google Patents
スパッタリングターゲット、それを用いて形成した膜抵抗体およびサーマルプリンタヘッドInfo
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- JPH07113164A JPH07113164A JP25983493A JP25983493A JPH07113164A JP H07113164 A JPH07113164 A JP H07113164A JP 25983493 A JP25983493 A JP 25983493A JP 25983493 A JP25983493 A JP 25983493A JP H07113164 A JPH07113164 A JP H07113164A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 均一で組成ずれが少なく、抵抗値の温度変化
が小さい高比抵抗の膜を成膜することが可能なスパッタ
リングターゲットを提供する。膜内のシート抵抗のバラ
ツキや抵抗値の温度変化を抑制した高比抵抗の膜抵抗体
を提供する。 【構成】 ニオブ、珪素、酸素および炭素を主構成元素
として含有するスパッタリングターゲットである。具体
的には、酸化珪素と炭化珪素および炭素から選ばれた少
なくとも 1種とを15〜85mol%の範囲で含み、残部が実質
的にニオブ、ニオブ合金、酸化ニオブ、酸化ニオブ合
金、珪化ニオブ、珪化ニオブ合金、炭化ニオブおよび炭
化ニオブ合金から選ばれた少なくとも 1種からなる混合
物を反応焼結してなる Nb-Si-O-C系ターゲットである。
膜抵抗体は、上記した焼結スパッタリングターゲットを
用いてスパッタ成膜したものである。
が小さい高比抵抗の膜を成膜することが可能なスパッタ
リングターゲットを提供する。膜内のシート抵抗のバラ
ツキや抵抗値の温度変化を抑制した高比抵抗の膜抵抗体
を提供する。 【構成】 ニオブ、珪素、酸素および炭素を主構成元素
として含有するスパッタリングターゲットである。具体
的には、酸化珪素と炭化珪素および炭素から選ばれた少
なくとも 1種とを15〜85mol%の範囲で含み、残部が実質
的にニオブ、ニオブ合金、酸化ニオブ、酸化ニオブ合
金、珪化ニオブ、珪化ニオブ合金、炭化ニオブおよび炭
化ニオブ合金から選ばれた少なくとも 1種からなる混合
物を反応焼結してなる Nb-Si-O-C系ターゲットである。
膜抵抗体は、上記した焼結スパッタリングターゲットを
用いてスパッタ成膜したものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、膜抵抗体の形成に好適
なスパッタリングターゲット、およびそれを用いて形成
した膜抵抗体、およびその膜抵抗体を用いたサーマルプ
リンタヘッドに関する。
なスパッタリングターゲット、およびそれを用いて形成
した膜抵抗体、およびその膜抵抗体を用いたサーマルプ
リンタヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ファクシミリ、複写機、券売
機等に内蔵された記録装置として、少音、省保守等の利
点を生かして、サーマルプリンタヘッドを用いた熱転写
型記録装置が使用されている。このようなサーマルプリ
ンタヘッドにおいて、発熱して印刷媒体を溶かす膜抵抗
体としては、従来、窒化タンタルが安定な材料として多
用されてきた。Ta-N系の膜は、 N2 雰囲気中におけるTa
ターゲットの反応性スパッタにより形成されており、 N
の含有量が多くなるほど比抵抗が大きくなるが、発熱体
として用いる場合には、信頼性や安定性の点からTa2 N
が一般的に使用されてきた。
機等に内蔵された記録装置として、少音、省保守等の利
点を生かして、サーマルプリンタヘッドを用いた熱転写
型記録装置が使用されている。このようなサーマルプリ
ンタヘッドにおいて、発熱して印刷媒体を溶かす膜抵抗
体としては、従来、窒化タンタルが安定な材料として多
用されてきた。Ta-N系の膜は、 N2 雰囲気中におけるTa
ターゲットの反応性スパッタにより形成されており、 N
の含有量が多くなるほど比抵抗が大きくなるが、発熱体
として用いる場合には、信頼性や安定性の点からTa2 N
が一般的に使用されてきた。
【0003】しかし、Ta2 N 自体の比抵抗は約 200μΩ
cmであり、抵抗値を上げるために膜を非常に薄くかつ細
長くする等の工夫を施しても、その上限値には限界があ
る。例えば、Ta2 N を用いて 200Ωの抵抗値を得るため
には、縦と横の比が 2:1の細長い形状とすると共に、膜
厚を20nm程度に抑えなければならない。このように膜を
薄くすると、製造する際に膜厚を制御することが困難と
なり、抵抗値の再現性や均一性が低下し、さらに特性上
では電流密度が上がるために、破壊しやすくなるという
問題がある。
cmであり、抵抗値を上げるために膜を非常に薄くかつ細
長くする等の工夫を施しても、その上限値には限界があ
る。例えば、Ta2 N を用いて 200Ωの抵抗値を得るため
には、縦と横の比が 2:1の細長い形状とすると共に、膜
厚を20nm程度に抑えなければならない。このように膜を
薄くすると、製造する際に膜厚を制御することが困難と
なり、抵抗値の再現性や均一性が低下し、さらに特性上
では電流密度が上がるために、破壊しやすくなるという
問題がある。
【0004】一方、サーマルプリンタヘッドの膜抵抗体
等として、高比抵抗が得られるサーメット薄膜、例えば
Ta-SiO2 抵抗膜が実用化されている。このようなTa-SiO
2 抵抗膜は、例えばTaターゲットと SiO2 ターゲットと
を用いた多元スパッタ等によって成膜されているが、Ta
とSiとのスパッタ放出角度が大きく異なるために、スパ
ッタ条件の微妙な違いによって、ターゲットと膜の組成
にバラツキが生じ易く、膜組成の制御が難しいという問
題があった。また、上記した理由から膜内の組成が不均
一になり易いために、膜内のシート抵抗にバラツキが生
じ易く、抵抗値の再現性に乏しいといった問題を有して
いた。
等として、高比抵抗が得られるサーメット薄膜、例えば
Ta-SiO2 抵抗膜が実用化されている。このようなTa-SiO
2 抵抗膜は、例えばTaターゲットと SiO2 ターゲットと
を用いた多元スパッタ等によって成膜されているが、Ta
とSiとのスパッタ放出角度が大きく異なるために、スパ
ッタ条件の微妙な違いによって、ターゲットと膜の組成
にバラツキが生じ易く、膜組成の制御が難しいという問
題があった。また、上記した理由から膜内の組成が不均
一になり易いために、膜内のシート抵抗にバラツキが生
じ易く、抵抗値の再現性に乏しいといった問題を有して
いた。
【0005】このような従来のサーメット系抵抗膜の問
題を解決するために、本出願人は先に、金属成分として
Nb(Nb合金を含む)を用いたNb-SiOx 系のスパッタリン
グターゲット、および膜抵抗体を提案している(特表平
3-811328号公報参照)。Nbの密度はTaの約 1/2と小さ
く、Siのスパッタ放出角度に近似するため、ターゲット
と得られる膜との組成ずれを小さくすることができ、よ
って得られる膜の組成を均一化することが可能となると
共に、膜内のシート抵抗値のバラツキを抑制することが
可能となる。
題を解決するために、本出願人は先に、金属成分として
Nb(Nb合金を含む)を用いたNb-SiOx 系のスパッタリン
グターゲット、および膜抵抗体を提案している(特表平
3-811328号公報参照)。Nbの密度はTaの約 1/2と小さ
く、Siのスパッタ放出角度に近似するため、ターゲット
と得られる膜との組成ずれを小さくすることができ、よ
って得られる膜の組成を均一化することが可能となると
共に、膜内のシート抵抗値のバラツキを抑制することが
可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、Nb-S
iOx 系のスパッタリングターゲットは、ターゲット組成
と膜組成のずれを小さくすることができるため、組成や
シート抵抗値の均一性に優れた膜抵抗体が得られるとい
う利点を有している。しかしながら、上記Nb-SiOx 系の
膜抵抗体は、抵抗値の温度変化が大きく、温度上昇に伴
う抵抗値の減少が大きいため、実使用温度において抵抗
値制御が困難となるという問題を有していた。例えば、
サーマルプリンタヘッドにおいては、膜抵抗体の温度が
常温から瞬間的には 500℃程度まで上昇するため、Nb-S
iOx 系の膜抵抗体を用いた場合には抵抗値が大きく変動
し、印字品質に悪影響を及ぼしたり、あるいは抵抗値の
減少に伴って電流値が増大することにより、膜抵抗体の
破壊等を招く可能性を有していた。
iOx 系のスパッタリングターゲットは、ターゲット組成
と膜組成のずれを小さくすることができるため、組成や
シート抵抗値の均一性に優れた膜抵抗体が得られるとい
う利点を有している。しかしながら、上記Nb-SiOx 系の
膜抵抗体は、抵抗値の温度変化が大きく、温度上昇に伴
う抵抗値の減少が大きいため、実使用温度において抵抗
値制御が困難となるという問題を有していた。例えば、
サーマルプリンタヘッドにおいては、膜抵抗体の温度が
常温から瞬間的には 500℃程度まで上昇するため、Nb-S
iOx 系の膜抵抗体を用いた場合には抵抗値が大きく変動
し、印字品質に悪影響を及ぼしたり、あるいは抵抗値の
減少に伴って電流値が増大することにより、膜抵抗体の
破壊等を招く可能性を有していた。
【0007】このようなことから、ターゲットと膜との
間の組成ずれや、組成、シート抵抗値等のバラツキの発
生を抑制した上で、抵抗値の温度変化を抑制した膜を形
成することが可能なスパッタリングターゲットが求めら
れており、また同様に、膜内のシート抵抗のバラツキが
少なく、かつ抵抗値の温度変化が小さい高比抵抗の膜抵
抗体が求められている。
間の組成ずれや、組成、シート抵抗値等のバラツキの発
生を抑制した上で、抵抗値の温度変化を抑制した膜を形
成することが可能なスパッタリングターゲットが求めら
れており、また同様に、膜内のシート抵抗のバラツキが
少なく、かつ抵抗値の温度変化が小さい高比抵抗の膜抵
抗体が求められている。
【0008】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、均一で組成ずれが少なく、かつ抵抗
値の温度変化が小さい高比抵抗の膜を成膜することが可
能なスパッタリングターゲットを提供することを目的と
しており、また本発明の他の目的は、膜内のシート抵抗
のバラツキや抵抗値の温度変化を抑制した、高比抵抗の
膜抵抗体およびそれを用いたサーマルプリンタヘッドを
提供することにある。
になされたもので、均一で組成ずれが少なく、かつ抵抗
値の温度変化が小さい高比抵抗の膜を成膜することが可
能なスパッタリングターゲットを提供することを目的と
しており、また本発明の他の目的は、膜内のシート抵抗
のバラツキや抵抗値の温度変化を抑制した、高比抵抗の
膜抵抗体およびそれを用いたサーマルプリンタヘッドを
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段と作用】本発明者らは、サ
ーマルプリンタヘッドの発熱体等として用いる膜抵抗体
について検討を重ねた結果、Nb-SiOx 系の膜抵抗体に炭
素を含有させることにより、Nb-SiOx 系の膜抵抗体が本
来有する、抵抗値、成膜性、膜組成の安定性等の特性を
低下させることなく、抵抗値の温度変化を小さくするこ
とが可能であることを見出した。また、Nb-SiC系の膜抵
抗体においても、同様な効果が得られることを見出し
た。
ーマルプリンタヘッドの発熱体等として用いる膜抵抗体
について検討を重ねた結果、Nb-SiOx 系の膜抵抗体に炭
素を含有させることにより、Nb-SiOx 系の膜抵抗体が本
来有する、抵抗値、成膜性、膜組成の安定性等の特性を
低下させることなく、抵抗値の温度変化を小さくするこ
とが可能であることを見出した。また、Nb-SiC系の膜抵
抗体においても、同様な効果が得られることを見出し
た。
【0010】本発明のスパッタリングターゲットは、上
記したような知見に基いて成されたものであり、ニオ
ブ、珪素、酸素および炭素を主構成元素として含有する
こと、より具体的には、酸化珪素と、炭化珪素および炭
素から選ばれた少なくとも 1種とを15〜85mol%の範囲で
含み、残部が実質的にニオブ、ニオブ合金、酸化ニオ
ブ、酸化ニオブ合金、珪化ニオブ、珪化ニオブ合金、炭
化ニオブおよび炭化ニオブ合金から選ばれた少なくとも
1種からなる混合物を、反応焼結してなること(Nb-Si-O
-C系ターゲット)を特徴としている。
記したような知見に基いて成されたものであり、ニオ
ブ、珪素、酸素および炭素を主構成元素として含有する
こと、より具体的には、酸化珪素と、炭化珪素および炭
素から選ばれた少なくとも 1種とを15〜85mol%の範囲で
含み、残部が実質的にニオブ、ニオブ合金、酸化ニオ
ブ、酸化ニオブ合金、珪化ニオブ、珪化ニオブ合金、炭
化ニオブおよび炭化ニオブ合金から選ばれた少なくとも
1種からなる混合物を、反応焼結してなること(Nb-Si-O
-C系ターゲット)を特徴としている。
【0011】本発明における他のスパッタリングターゲ
ットは、炭化珪素および炭素から選ばれた少なくとも 1
種を0.05〜10mol%の範囲で含み、残部が実質的にニオ
ブ、ニオブ合金、酸化ニオブ、酸化ニオブ合金、炭化ニ
オブ、炭化ニオブ合金、珪化ニオブおよび珪化ニオブ合
金から選ばれた少なくとも 1種からなる混合物を反応焼
結してなること(Nb-Si-C系ターゲット)を特徴としてい
る。
ットは、炭化珪素および炭素から選ばれた少なくとも 1
種を0.05〜10mol%の範囲で含み、残部が実質的にニオ
ブ、ニオブ合金、酸化ニオブ、酸化ニオブ合金、炭化ニ
オブ、炭化ニオブ合金、珪化ニオブおよび珪化ニオブ合
金から選ばれた少なくとも 1種からなる混合物を反応焼
結してなること(Nb-Si-C系ターゲット)を特徴としてい
る。
【0012】また、本発明の膜抵抗体は、上記した焼結
スパッタリングターゲットを用いてスパッタ成膜したも
のである。さらに、本発明のサーマルプリンタヘッド
は、絶縁性基体と、この絶縁性基体上に設けられた多数
の発熱抵抗体と、これら発熱抵抗体に接続された電極と
を具備するサーマルプリンタヘッドにおいて、前記発熱
抵抗体は、上記した Nb-Si-O-C系のスパッタリングター
ゲットまたは Nb-Si-C系スパッタリングターゲットを用
いて、スパッタ成膜した膜抵抗体からなることを特徴と
している。
スパッタリングターゲットを用いてスパッタ成膜したも
のである。さらに、本発明のサーマルプリンタヘッド
は、絶縁性基体と、この絶縁性基体上に設けられた多数
の発熱抵抗体と、これら発熱抵抗体に接続された電極と
を具備するサーマルプリンタヘッドにおいて、前記発熱
抵抗体は、上記した Nb-Si-O-C系のスパッタリングター
ゲットまたは Nb-Si-C系スパッタリングターゲットを用
いて、スパッタ成膜した膜抵抗体からなることを特徴と
している。
【0013】本発明のスパッタリングターゲットは、基
本的には、ターゲット中の金属成分としてNbを用いてい
ると共に、抵抗成分として酸化珪素と炭化珪素の混合物
を用いたものである。NbとSiとは、スパッタ放出角度が
近似しているため、タ−ゲットとの組成ずれが少ないス
パッタ膜が得られる。なお、Nbは酸化物や珪化物、さら
には炭化物といった化合物の形態でターゲット中に存在
させることが好ましい。これにより、得られる膜の組成
をより均一化することが可能である。そして、抵抗成分
の一部として、例えば炭化珪素の形態で炭素を含有させ
ているため、抵抗値の温度変化を抑制することが可能と
なる。
本的には、ターゲット中の金属成分としてNbを用いてい
ると共に、抵抗成分として酸化珪素と炭化珪素の混合物
を用いたものである。NbとSiとは、スパッタ放出角度が
近似しているため、タ−ゲットとの組成ずれが少ないス
パッタ膜が得られる。なお、Nbは酸化物や珪化物、さら
には炭化物といった化合物の形態でターゲット中に存在
させることが好ましい。これにより、得られる膜の組成
をより均一化することが可能である。そして、抵抗成分
の一部として、例えば炭化珪素の形態で炭素を含有させ
ているため、抵抗値の温度変化を抑制することが可能と
なる。
【0014】なお、本発明において、スパッタ膜(膜抵
抗体)の要求特性によっては、スパッタリングターゲッ
ト中の抵抗成分を炭化珪素単独とする(Nb-Si-C系ターゲ
ット)ことも可能である。
抗体)の要求特性によっては、スパッタリングターゲッ
ト中の抵抗成分を炭化珪素単独とする(Nb-Si-C系ターゲ
ット)ことも可能である。
【0015】上記した本発明の Nb-Si-O-C系スパッタリ
ングターゲットは、例えば酸化珪素粉末と、炭化珪素粉
末および炭素粉末から選ばれた少なくとも 1種(以下、
炭素含有粉末と記す)と、ニオブ粉末、ニオブ合金粉
末、酸化ニオブ粉末、酸化ニオブ合金粉末、珪化ニオブ
粉末、珪化ニオブ合金粉末、炭化ニオブ粉末および炭化
ニオブ合金粉末から選ばれた少なくとも 1種(以下、ニ
オブ含有粉末と記す)とを含む混合粉末を反応焼結させ
ることによって得られる。なお、上記炭素含有粉末とし
て炭素粉末を用いたとしても、反応焼結後のターゲット
中においては炭化珪素や炭化ニオブ等として存在し、抵
抗成分として機能する。
ングターゲットは、例えば酸化珪素粉末と、炭化珪素粉
末および炭素粉末から選ばれた少なくとも 1種(以下、
炭素含有粉末と記す)と、ニオブ粉末、ニオブ合金粉
末、酸化ニオブ粉末、酸化ニオブ合金粉末、珪化ニオブ
粉末、珪化ニオブ合金粉末、炭化ニオブ粉末および炭化
ニオブ合金粉末から選ばれた少なくとも 1種(以下、ニ
オブ含有粉末と記す)とを含む混合粉末を反応焼結させ
ることによって得られる。なお、上記炭素含有粉末とし
て炭素粉末を用いたとしても、反応焼結後のターゲット
中においては炭化珪素や炭化ニオブ等として存在し、抵
抗成分として機能する。
【0016】上記混合粉末中の抵抗成分粉末(酸化珪素
粉末と炭素含有粉末との合計量)の組成比としては、炭
素含有粉末の量にもよるが、モル比で15mol%〜85mol%の
範囲とすることが好ましい。抵抗成分粉末のモル比が85
mol%を超えると、得られる焼結体が脆くなって、得られ
るスパッタ膜の均一性が低下する上に、スパッタ中の抵
抗変化率が大きくなることによって、得られるスパッタ
膜の抵抗値の制御が困難となり、シート抵抗のバラツキ
が大きくなる。一方、抵抗成分粉末のモル比が15mol%未
満では、得られるスパッタ膜の比抵抗が低下し、抵抗体
としての効果が低減するためである。上記混合粉末中に
おける抵抗成分粉末のモル比のさらに好ましい範囲は30
〜70mol%である。
粉末と炭素含有粉末との合計量)の組成比としては、炭
素含有粉末の量にもよるが、モル比で15mol%〜85mol%の
範囲とすることが好ましい。抵抗成分粉末のモル比が85
mol%を超えると、得られる焼結体が脆くなって、得られ
るスパッタ膜の均一性が低下する上に、スパッタ中の抵
抗変化率が大きくなることによって、得られるスパッタ
膜の抵抗値の制御が困難となり、シート抵抗のバラツキ
が大きくなる。一方、抵抗成分粉末のモル比が15mol%未
満では、得られるスパッタ膜の比抵抗が低下し、抵抗体
としての効果が低減するためである。上記混合粉末中に
おける抵抗成分粉末のモル比のさらに好ましい範囲は30
〜70mol%である。
【0017】また、上記混合粉末中の炭素含有粉末の組
成比は、スパッタ膜(膜抵抗体)への要求特性によって
も異なるが、サーマルプリンタヘッドの発熱抵抗体等を
作製する場合には、0.05〜10mol%の範囲とすることが好
ましい。炭素含有粉末の組成比が0.05mol%未満である
と、上記した抵抗温度変化率を十分に制御することがで
きず、また10mol%を超えると得られる焼結スパッタリン
グターゲットがポーラスとなり、スパッタ膜すなわち膜
抵抗体のシート抵抗のバラツキが大きくなると共に、エ
ッチング性が低下する。
成比は、スパッタ膜(膜抵抗体)への要求特性によって
も異なるが、サーマルプリンタヘッドの発熱抵抗体等を
作製する場合には、0.05〜10mol%の範囲とすることが好
ましい。炭素含有粉末の組成比が0.05mol%未満である
と、上記した抵抗温度変化率を十分に制御することがで
きず、また10mol%を超えると得られる焼結スパッタリン
グターゲットがポーラスとなり、スパッタ膜すなわち膜
抵抗体のシート抵抗のバラツキが大きくなると共に、エ
ッチング性が低下する。
【0018】このようなことから、炭素含有粉末の組成
比が10mol%を超える焼結スパッタリングターゲットは、
微細なパターニングを必要とするサーマルプリンタヘッ
ド用の発熱抵抗体の作製には不向きとなるが、そのよう
な要求が低いハイブリットIC用の抵抗体等の作製には
使用することができる。すなわち、ハイブリットIC用
の抵抗体等の作製に使用するスパッタリングターゲット
としては、炭素含有粉末の組成比が10mol%を超える混合
粉末の反応焼結体、さらには抵抗成分が炭化珪素単独の
反応焼結体を使用することができる。
比が10mol%を超える焼結スパッタリングターゲットは、
微細なパターニングを必要とするサーマルプリンタヘッ
ド用の発熱抵抗体の作製には不向きとなるが、そのよう
な要求が低いハイブリットIC用の抵抗体等の作製には
使用することができる。すなわち、ハイブリットIC用
の抵抗体等の作製に使用するスパッタリングターゲット
としては、炭素含有粉末の組成比が10mol%を超える混合
粉末の反応焼結体、さらには抵抗成分が炭化珪素単独の
反応焼結体を使用することができる。
【0019】また、本発明のスパッタターゲットにおけ
るNbの出発原料としては、ニオブ粉末のみに限られるも
のではなく、上記したようにニオブ合金粉末、さらには
酸化ニオブ粉末、酸化ニオブ合金粉末、珪化ニオブ粉
末、珪化ニオブ合金粉末、炭化ニオブ、炭化ニオブ合金
粉末等を用いることも可能である。上記したニオブ合金
としては、 Nb-Ta合金、 Nb-Fe合金、 Nb-Ni合金、 Nb-
Al合金等が用いられる。特にNbとTaは含有率に違いがあ
るとはいうものの、同一鉱石中に存在することが多いた
め、両金属からなる合金を用いることは、精錬にかかる
手間やコストの観点からも望ましい。このようなニオブ
合金粉末を用いた際には、NbはTaやFe等との複合酸化
物、複合珪化物、複合炭化物等としてターゲット中に存
在する。このような形態でNbをターゲット中に存在させ
た場合においても、上記した効果は同様に得られるもの
である。
るNbの出発原料としては、ニオブ粉末のみに限られるも
のではなく、上記したようにニオブ合金粉末、さらには
酸化ニオブ粉末、酸化ニオブ合金粉末、珪化ニオブ粉
末、珪化ニオブ合金粉末、炭化ニオブ、炭化ニオブ合金
粉末等を用いることも可能である。上記したニオブ合金
としては、 Nb-Ta合金、 Nb-Fe合金、 Nb-Ni合金、 Nb-
Al合金等が用いられる。特にNbとTaは含有率に違いがあ
るとはいうものの、同一鉱石中に存在することが多いた
め、両金属からなる合金を用いることは、精錬にかかる
手間やコストの観点からも望ましい。このようなニオブ
合金粉末を用いた際には、NbはTaやFe等との複合酸化
物、複合珪化物、複合炭化物等としてターゲット中に存
在する。このような形態でNbをターゲット中に存在させ
た場合においても、上記した効果は同様に得られるもの
である。
【0020】上記した混合粉末の焼結方法としては、ホ
ットプレスが一般的であるが、熱間静水圧プレス(HI
P)、もしくは冷間静水圧プレス(CIP)と常圧焼結
との組合せ等を適用することも可能である。
ットプレスが一般的であるが、熱間静水圧プレス(HI
P)、もしくは冷間静水圧プレス(CIP)と常圧焼結
との組合せ等を適用することも可能である。
【0021】本発明における膜抵抗体は、上記した Nb-
Si-O-C系または Nb-Si-C系スパッタリングターゲットを
用いてスパッタ成膜した膜からなるものであり、基本的
にはNb-SiOx -SiC系組成やNb-SiC系組成を有するもので
ある。ただし、Nbは焼結過程で酸化物、珪化物、炭化物
等となる可能性があると共に、出発原料としてそれらの
化合物を用いることも可能であるため、具体的な組成と
しては Nb-Nbx O y -Nbx Siy - Nbx C y -SiOx -SiC等
となる。Nbの出発原料として、Nb合金を用いた場合も同
様である。また、膜自体はその主体が非晶質であるた
め、耐酸化性および耐熱性に優れている。上記膜抵抗体
は、膜厚が 5nm〜3000nmの範囲の薄膜とすることが好ま
しく、より好ましくは50nm〜 200nmの範囲、さらに望ま
しくは80nm〜 150nmの範囲である。
Si-O-C系または Nb-Si-C系スパッタリングターゲットを
用いてスパッタ成膜した膜からなるものであり、基本的
にはNb-SiOx -SiC系組成やNb-SiC系組成を有するもので
ある。ただし、Nbは焼結過程で酸化物、珪化物、炭化物
等となる可能性があると共に、出発原料としてそれらの
化合物を用いることも可能であるため、具体的な組成と
しては Nb-Nbx O y -Nbx Siy - Nbx C y -SiOx -SiC等
となる。Nbの出発原料として、Nb合金を用いた場合も同
様である。また、膜自体はその主体が非晶質であるた
め、耐酸化性および耐熱性に優れている。上記膜抵抗体
は、膜厚が 5nm〜3000nmの範囲の薄膜とすることが好ま
しく、より好ましくは50nm〜 200nmの範囲、さらに望ま
しくは80nm〜 150nmの範囲である。
【0022】そして、本発明による膜抵抗体は、例えば
抵抗成分の一部となる炭化珪素等として炭素を含んでい
るため、抵抗温度変化を小さくすることが可能となる。
また、基本的にスパッタ特性(スパッタ放出角や組成の
均一性等)に優れたスパッタリングターゲットを用いて
形成したものであるため、基板との密着性に優れると共
に、ターゲットとの組成ずれが少なく、すなわち膜組成
の再現性に優れ、かつ均一な組成を有するものとなる。
よって、高比抵抗を安定して実現できるだけでなく、シ
ート抵抗のバラツキを極めて小さくすることができる。
また、Nbの密度はTaの約 1/2であり、単位重量あたりの
価格もほぼ 1/2であるため、コスト削減の観点からも極
めて有用である。このような膜抵抗体をサーマルプリン
タヘッドの発熱体として用いることによって、安定して
大きな発熱を得ることが可能となる。これによって、優
れた印字記録を実施することができる。
抵抗成分の一部となる炭化珪素等として炭素を含んでい
るため、抵抗温度変化を小さくすることが可能となる。
また、基本的にスパッタ特性(スパッタ放出角や組成の
均一性等)に優れたスパッタリングターゲットを用いて
形成したものであるため、基板との密着性に優れると共
に、ターゲットとの組成ずれが少なく、すなわち膜組成
の再現性に優れ、かつ均一な組成を有するものとなる。
よって、高比抵抗を安定して実現できるだけでなく、シ
ート抵抗のバラツキを極めて小さくすることができる。
また、Nbの密度はTaの約 1/2であり、単位重量あたりの
価格もほぼ 1/2であるため、コスト削減の観点からも極
めて有用である。このような膜抵抗体をサーマルプリン
タヘッドの発熱体として用いることによって、安定して
大きな発熱を得ることが可能となる。これによって、優
れた印字記録を実施することができる。
【0023】本発明の膜抵抗体は、発熱体として用いる
場合を考慮すると、高比抵抗を有している必要があり、
その比抵抗は102 μΩcm〜106 μΩcmの範囲とすること
が好ましい。比抵抗値が102 μΩcm未満では、高比抵抗
体としての役割を十分に果たすことができない。一方、
比抵抗値が106 μΩcmを超えると、膜の比抵抗値がター
ゲット中の酸化珪素や炭化珪素のモル比に依存すること
から、スパッタリングターゲット中の酸化珪素や炭化珪
素の割合が増えることによって、焼結ターゲットが脆く
なり、得られる膜抵抗値の安定性が低下するためであ
る。比抵抗の望ましい範囲は 3×102 μΩcm〜 6×105
μΩcmであり、さらに望ましくは 3×103μΩcm〜 6×1
04 μΩcmである。なお、比抵抗とはシート抵抗に膜厚
を乗じたものである。
場合を考慮すると、高比抵抗を有している必要があり、
その比抵抗は102 μΩcm〜106 μΩcmの範囲とすること
が好ましい。比抵抗値が102 μΩcm未満では、高比抵抗
体としての役割を十分に果たすことができない。一方、
比抵抗値が106 μΩcmを超えると、膜の比抵抗値がター
ゲット中の酸化珪素や炭化珪素のモル比に依存すること
から、スパッタリングターゲット中の酸化珪素や炭化珪
素の割合が増えることによって、焼結ターゲットが脆く
なり、得られる膜抵抗値の安定性が低下するためであ
る。比抵抗の望ましい範囲は 3×102 μΩcm〜 6×105
μΩcmであり、さらに望ましくは 3×103μΩcm〜 6×1
04 μΩcmである。なお、比抵抗とはシート抵抗に膜厚
を乗じたものである。
【0024】また、膜抵抗体は常に安定した高比抵抗を
提供することを可能にするため、シート抵抗のバラツキ
を小さくする必要があると共に、抵抗温度変化を小さく
する必要がある。そして、本発明の膜抵抗体において
は、抵抗成分の一部となる炭化珪素等として炭素を含ん
でいるため、抵抗値の温度係数を-400ppm/℃以下とする
ことができる。また、シート抵抗のバラツキは、 20%以
下とすることが可能である。シート抵抗のバラツキが大
きいと、サーマルプリンタヘッドに使用した場合、基板
内の発熱量のバラツキが大きくなり、印字特性の劣化を
招くこととなる。より好ましいシ−ト抵抗のバラツキは
10% 以下である。なお、ここで言うシ−ト抵抗のバラツ
キは、以下の式によって求めた値である。
提供することを可能にするため、シート抵抗のバラツキ
を小さくする必要があると共に、抵抗温度変化を小さく
する必要がある。そして、本発明の膜抵抗体において
は、抵抗成分の一部となる炭化珪素等として炭素を含ん
でいるため、抵抗値の温度係数を-400ppm/℃以下とする
ことができる。また、シート抵抗のバラツキは、 20%以
下とすることが可能である。シート抵抗のバラツキが大
きいと、サーマルプリンタヘッドに使用した場合、基板
内の発熱量のバラツキが大きくなり、印字特性の劣化を
招くこととなる。より好ましいシ−ト抵抗のバラツキは
10% 以下である。なお、ここで言うシ−ト抵抗のバラツ
キは、以下の式によって求めた値である。
【0025】(抵抗の最高値−抵抗の最小値) /抵抗の
平均値× 100(%) そして、本発明のサーマルプリンタヘッドは、上述した
ような特性を有する膜抵抗体を発熱体として利用してい
るため、高速化、高耐熱化に容易に対応でき、さらに印
字の安定性および解像度に優れたものとなる。
平均値× 100(%) そして、本発明のサーマルプリンタヘッドは、上述した
ような特性を有する膜抵抗体を発熱体として利用してい
るため、高速化、高耐熱化に容易に対応でき、さらに印
字の安定性および解像度に優れたものとなる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳細に説明す
る。
る。
【0027】実施例1 まず、平均粒径が 3μm のNb粉末と、平均粒径が 1μm
で十分に乾燥させた酸化珪素粉末と、平均粒径が 3μm
の炭化珪素粉末とを、モル比でNb:SiOx :SiC=69:30:1
となるように配合し、ボールミルで真空中にて18時間混
合した。次いで、この混合粉末を真空ホットプレス装置
で100kg/cm2 の圧力をかけ、1400℃× 1時間の条件で反
応焼結させた。この後、得られた焼結体の表面を機械加
工によって約 1mm研削し、直径 5インチ、厚さ 5mmのス
パッタリングターゲットを得た。このようにして得たス
パッタリングターゲットを用い、高周波マグネトロンス
パッタによって、出力300W、Ar流量17sccm、ガス圧 5.3
〜5.5mTorrの条件で、 3インチのグレーズアルミナ基板
上に厚さ 100nmの膜抵抗体を形成した。この膜抵抗体の
比抵抗、シート抵抗値、抵抗の温度係数をそれぞれ測定
した。これらの結果を下記の表1に示す。
で十分に乾燥させた酸化珪素粉末と、平均粒径が 3μm
の炭化珪素粉末とを、モル比でNb:SiOx :SiC=69:30:1
となるように配合し、ボールミルで真空中にて18時間混
合した。次いで、この混合粉末を真空ホットプレス装置
で100kg/cm2 の圧力をかけ、1400℃× 1時間の条件で反
応焼結させた。この後、得られた焼結体の表面を機械加
工によって約 1mm研削し、直径 5インチ、厚さ 5mmのス
パッタリングターゲットを得た。このようにして得たス
パッタリングターゲットを用い、高周波マグネトロンス
パッタによって、出力300W、Ar流量17sccm、ガス圧 5.3
〜5.5mTorrの条件で、 3インチのグレーズアルミナ基板
上に厚さ 100nmの膜抵抗体を形成した。この膜抵抗体の
比抵抗、シート抵抗値、抵抗の温度係数をそれぞれ測定
した。これらの結果を下記の表1に示す。
【0028】実施例2 平均粒径が 3μm のNb粉末と、平均粒径が 1μm で十分
に乾燥させた酸化珪素粉末と、平均粒径が 3μm の炭化
珪素粉末とを、モル比でNb:SiOx :SiC=54:45:1となるよ
うに配合し、ボールミルで真空中にて18時間混合した。
次いで、この混合粉末を真空ホットプレス装置で100kg/
cm2 の圧力をかけ、1400℃× 1時間の条件で反応焼結さ
せた。この後、得られた焼結体の表面を機械加工によっ
て約 1mm研削し、直径 5インチ、厚さ 5mmのスパッタリ
ングターゲットを得た。
に乾燥させた酸化珪素粉末と、平均粒径が 3μm の炭化
珪素粉末とを、モル比でNb:SiOx :SiC=54:45:1となるよ
うに配合し、ボールミルで真空中にて18時間混合した。
次いで、この混合粉末を真空ホットプレス装置で100kg/
cm2 の圧力をかけ、1400℃× 1時間の条件で反応焼結さ
せた。この後、得られた焼結体の表面を機械加工によっ
て約 1mm研削し、直径 5インチ、厚さ 5mmのスパッタリ
ングターゲットを得た。
【0029】このようにして得たスパッタリングターゲ
ットを用いて、実施例1と同一条件で、 3インチのグレ
ーズアルミナ基板上に厚さ 100nmの膜抵抗体を形成し
た。この膜抵抗体の比抵抗、シート抵抗値、抵抗の温度
係数をそれぞれ測定した。これらの結果を下記の表1に
示す。
ットを用いて、実施例1と同一条件で、 3インチのグレ
ーズアルミナ基板上に厚さ 100nmの膜抵抗体を形成し
た。この膜抵抗体の比抵抗、シート抵抗値、抵抗の温度
係数をそれぞれ測定した。これらの結果を下記の表1に
示す。
【0030】実施例3 平均粒径が 3μm のNb粉末と、平均粒径が 1μm で十分
に乾燥させた酸化珪素粉末と、平均粒径が 3μm の炭化
珪素粉末とを、モル比でNb:SiOx :SiC=42:53:5となるよ
うに配合し、ボールミルで真空中にて18時間混合した。
次いで、この混合粉末を真空ホットプレス装置で100kg/
cm2 の圧力をかけ、1400℃× 1時間の条件で反応焼結さ
せた。この後、得られた焼結体の表面を機械加工によっ
て約 1mm研削し、直径 5インチ、厚さ 5mmのスパッタリ
ングターゲットを得た。
に乾燥させた酸化珪素粉末と、平均粒径が 3μm の炭化
珪素粉末とを、モル比でNb:SiOx :SiC=42:53:5となるよ
うに配合し、ボールミルで真空中にて18時間混合した。
次いで、この混合粉末を真空ホットプレス装置で100kg/
cm2 の圧力をかけ、1400℃× 1時間の条件で反応焼結さ
せた。この後、得られた焼結体の表面を機械加工によっ
て約 1mm研削し、直径 5インチ、厚さ 5mmのスパッタリ
ングターゲットを得た。
【0031】このようにして得たスパッタリングターゲ
ットを用いて、実施例1と同一条件で、 3インチのグレ
ーズアルミナ基板上に厚さ 100nmの膜抵抗体を形成し
た。この膜抵抗体の比抵抗、シート抵抗値、抵抗の温度
係数をそれぞれ測定した。これらの結果を下記の表1に
示す。
ットを用いて、実施例1と同一条件で、 3インチのグレ
ーズアルミナ基板上に厚さ 100nmの膜抵抗体を形成し
た。この膜抵抗体の比抵抗、シート抵抗値、抵抗の温度
係数をそれぞれ測定した。これらの結果を下記の表1に
示す。
【0032】実施例4〜11 表1に組成を示す各原料粉末を用いて、それぞれ実施例
1〜3と同様にスパッタリングターゲットを作製した。
これら各スパッタリングターゲットを用いて、実施例1
と同一条件で、 3インチのグレーズアルミナ基板上に厚
さ 100nmの膜抵抗体を形成した。この膜抵抗体の比抵
抗、シート抵抗値、抵抗の温度係数をそれぞれ測定し
た。これらの結果を下記の表1に示す。
1〜3と同様にスパッタリングターゲットを作製した。
これら各スパッタリングターゲットを用いて、実施例1
と同一条件で、 3インチのグレーズアルミナ基板上に厚
さ 100nmの膜抵抗体を形成した。この膜抵抗体の比抵
抗、シート抵抗値、抵抗の温度係数をそれぞれ測定し
た。これらの結果を下記の表1に示す。
【0033】比較例1 平均粒径 3μm のNb粉末と、平均粒径が 1μm で十分に
乾燥させた酸化珪素粉末とを、モル比でNb:SiOx =70:30
となるように配合し、ボ−ルミルで真空中にて18時間混
合した。次いで、この混合粉末を真空ホットプレス装置
で100kg/cm2 の圧力をかけ、1400℃× 1時間の条件で焼
結させた。この後、上記焼結体の表面を機械加工によっ
て約 1mm研削し、直径 5インチ、厚さ 5mmのスパッタリ
ングタ−ゲットを得た。
乾燥させた酸化珪素粉末とを、モル比でNb:SiOx =70:30
となるように配合し、ボ−ルミルで真空中にて18時間混
合した。次いで、この混合粉末を真空ホットプレス装置
で100kg/cm2 の圧力をかけ、1400℃× 1時間の条件で焼
結させた。この後、上記焼結体の表面を機械加工によっ
て約 1mm研削し、直径 5インチ、厚さ 5mmのスパッタリ
ングタ−ゲットを得た。
【0034】このようにして得たスパッタリングターゲ
ットを用いて、実施例1と同一条件で、 3インチのグレ
ーズアルミナ基板上に厚さ 100nmの膜抵抗体を形成し
た。この膜抵抗体の比抵抗、シート抵抗値、抵抗の温度
係数をそれぞれ測定した。これらの結果を下記の表1に
示す。
ットを用いて、実施例1と同一条件で、 3インチのグレ
ーズアルミナ基板上に厚さ 100nmの膜抵抗体を形成し
た。この膜抵抗体の比抵抗、シート抵抗値、抵抗の温度
係数をそれぞれ測定した。これらの結果を下記の表1に
示す。
【0035】比較例2 平均粒径 3μm のNb粉末と、平均粒径が 1μm で十分に
乾燥させた酸化珪素粉末とを、モル比でNb:SiOx =45:55
となるように配合し、ボ−ルミルで真空中にて18時間混
合した。次いで、この混合粉末を真空ホットプレス装置
で100kg/cm2 の圧力をかけ、1400℃× 1時間の条件で焼
結させた。この後、上記焼結体の表面を機械加工によっ
て約 1mm研削し、直径 5インチ、厚さ 5mmのスパッタリ
ングタ−ゲットを得た。
乾燥させた酸化珪素粉末とを、モル比でNb:SiOx =45:55
となるように配合し、ボ−ルミルで真空中にて18時間混
合した。次いで、この混合粉末を真空ホットプレス装置
で100kg/cm2 の圧力をかけ、1400℃× 1時間の条件で焼
結させた。この後、上記焼結体の表面を機械加工によっ
て約 1mm研削し、直径 5インチ、厚さ 5mmのスパッタリ
ングタ−ゲットを得た。
【0036】このようにして得たスパッタリングターゲ
ットを用いて、実施例1と同一条件で、 3インチのグレ
ーズアルミナ基板上に厚さ 100nmの膜抵抗体を形成し
た。この膜抵抗体の比抵抗、シート抵抗値、抵抗の温度
係数をそれぞれ測定した。これらの結果を下記の表1に
示す。
ットを用いて、実施例1と同一条件で、 3インチのグレ
ーズアルミナ基板上に厚さ 100nmの膜抵抗体を形成し
た。この膜抵抗体の比抵抗、シート抵抗値、抵抗の温度
係数をそれぞれ測定した。これらの結果を下記の表1に
示す。
【0037】
【表1】 表1から明らかなように、従来のタ−ゲットを用いた場
合、抵抗値の温度変化率が極めて大きく、実使用時にお
ける膜の抵抗値制御が困難であるのに対し、本発明の焼
結スパッタリングターゲットを用いることによって、抵
抗温度係数が小さく、かつシート抵抗のバラツキも極め
て少ない、安定した膜が得られることが分かる。
合、抵抗値の温度変化率が極めて大きく、実使用時にお
ける膜の抵抗値制御が困難であるのに対し、本発明の焼
結スパッタリングターゲットを用いることによって、抵
抗温度係数が小さく、かつシート抵抗のバラツキも極め
て少ない、安定した膜が得られることが分かる。
【0038】次に、本発明のサーマルプリンタヘッドの
実施例について述べる。この実施例で用いたサーマルプ
リンタヘッドは、セラミックス基板や表面に絶縁層を有
する金属基板等の絶縁性基板上に発熱抵抗体層を形成
し、この発熱抵抗体層にパターニングを施すことによっ
て、発熱抵抗体群を設けたものであり、これら各発熱抵
抗体上には、発熱部となる開口を形成する如く、Al等か
らなる共通電極と個別電極とを形成したものである。な
お、発熱部や電極の上には保護層を設けた。
実施例について述べる。この実施例で用いたサーマルプ
リンタヘッドは、セラミックス基板や表面に絶縁層を有
する金属基板等の絶縁性基板上に発熱抵抗体層を形成
し、この発熱抵抗体層にパターニングを施すことによっ
て、発熱抵抗体群を設けたものであり、これら各発熱抵
抗体上には、発熱部となる開口を形成する如く、Al等か
らなる共通電極と個別電極とを形成したものである。な
お、発熱部や電極の上には保護層を設けた。
【0039】まず、上記実施例3および実施例4によっ
て膜抵抗体を成膜したグレーズアルミナ基板を、上記し
たサーマルプリンタヘッドの絶縁性基板としてそれぞれ
用いると共に、膜抵抗体を発熱抵抗体層として用い、こ
の膜抵抗体にパターニングを施した後、各発熱抵抗体上
にAl電極を形成し、さらに保護膜を成膜して、それぞれ
サーマルプリンタヘッドを作製した。得られた各サーマ
ルプリンタヘッドに対して、パルス幅0.3sec、周期 5ms
ecの熱パルスを加えた時の抵抗値変化率を図1に示す。
なお、上記比較例2によるNb-SiOx 系抵抗膜および TaN
系抵抗膜を使用したサーマルプリンタヘッドの試験結果
を比較例として併せて示す。
て膜抵抗体を成膜したグレーズアルミナ基板を、上記し
たサーマルプリンタヘッドの絶縁性基板としてそれぞれ
用いると共に、膜抵抗体を発熱抵抗体層として用い、こ
の膜抵抗体にパターニングを施した後、各発熱抵抗体上
にAl電極を形成し、さらに保護膜を成膜して、それぞれ
サーマルプリンタヘッドを作製した。得られた各サーマ
ルプリンタヘッドに対して、パルス幅0.3sec、周期 5ms
ecの熱パルスを加えた時の抵抗値変化率を図1に示す。
なお、上記比較例2によるNb-SiOx 系抵抗膜および TaN
系抵抗膜を使用したサーマルプリンタヘッドの試験結果
を比較例として併せて示す。
【0040】図1に示す結果から明らかなように、本発
明のサーマルプリンタヘッドは、比較例のNb-SiOx 系抵
抗膜を用いたサ−マルプリンタヘッドに比べて、熱パル
スによる抵抗値の変動が少なく、高品質の印字を安定し
て行うことができることが分かる。
明のサーマルプリンタヘッドは、比較例のNb-SiOx 系抵
抗膜を用いたサ−マルプリンタヘッドに比べて、熱パル
スによる抵抗値の変動が少なく、高品質の印字を安定し
て行うことができることが分かる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のスパッタ
リングターゲットによれば、抵抗温度変化率が小さく、
かつ膜組成や抵抗値が安定した高抵抗膜を再現性よく形
成することができる。よって、サーマルプリンタヘッド
の発熱体等として有用な膜抵抗体を安定して提供するこ
とが可能となる。また、本発明のサ−マルプリンタヘッ
ドは、高速化、高耐熱化に容易に対応でき、さらに高印
字性能を満足するため、小型、高性能化が要求される記
録装置として有用である。
リングターゲットによれば、抵抗温度変化率が小さく、
かつ膜組成や抵抗値が安定した高抵抗膜を再現性よく形
成することができる。よって、サーマルプリンタヘッド
の発熱体等として有用な膜抵抗体を安定して提供するこ
とが可能となる。また、本発明のサ−マルプリンタヘッ
ドは、高速化、高耐熱化に容易に対応でき、さらに高印
字性能を満足するため、小型、高性能化が要求される記
録装置として有用である。
【図1】本発明の実施例で作製したNb-SiOx -SiC系膜抵
抗体を発熱体として利用したサーマルプリンタヘッドに
熱パルスを加えた時の抵抗値変化率を従来のサーマルプ
リンタヘッドと比較して示すグラフである。
抗体を発熱体として利用したサーマルプリンタヘッドに
熱パルスを加えた時の抵抗値変化率を従来のサーマルプ
リンタヘッドと比較して示すグラフである。
Claims (7)
- 【請求項1】 ニオブ、珪素、酸素および炭素を主構成
元素として含有することを特徴とするスパッタリングタ
ーゲット。 - 【請求項2】 請求項1記載のスパッタリングターゲッ
トにおいて、 酸化珪素と、炭化珪素および炭素から選ばれた少なくと
も 1種とを15〜85mol%の範囲で含み、残部が実質的にニ
オブ、ニオブ合金、酸化ニオブ、酸化ニオブ合金、珪化
ニオブ、珪化ニオブ合金、炭化ニオブおよび炭化ニオブ
合金から選ばれた少なくとも 1種からなる混合物を、反
応焼結してなることを特徴とするスパッタリングターゲ
ット。 - 【請求項3】 請求項2記載のスパッタリングターゲッ
トにおいて、 前記混合物は、炭化珪素および炭素から選ばれた少なく
とも 1種を0.05〜10mol%の範囲で含むことをことを特徴
とするスパッタリングターゲット。 - 【請求項4】 炭化珪素および炭素から選ばれた少なく
とも 1種を0.05〜10mol%の範囲で含み、残部が実質的に
ニオブ、ニオブ合金、酸化ニオブ、酸化ニオブ合金、炭
化ニオブ、炭化ニオブ合金、珪化ニオブおよび珪化ニオ
ブ合金から選ばれた少なくとも 1種からなる混合物を、
反応焼結してなることを特徴とするスパッタリングター
ゲット。 - 【請求項5】 酸化珪素と、炭化珪素および炭素から選
ばれた少なくとも 1種とを15〜85mol%の範囲で含み、残
部が実質的にニオブ、ニオブ合金、酸化ニオブ、酸化ニ
オブ合金、珪化ニオブ、珪化ニオブ合金、炭化ニオブお
よび炭化ニオブ合金から選ばれた少なくとも 1種からな
る混合物を反応焼結してなる焼結スパッタリングターゲ
ットを用いて、スパッタ成膜したことを特徴とする膜抵
抗体。 - 【請求項6】 炭化珪素および炭素から選ばれた少なく
とも 1種を0.05〜10mol%の範囲で含み、残部が実質的に
ニオブ、ニオブ合金、酸化ニオブ、酸化ニオブ合金、炭
化ニオブ、炭化ニオブ合金、珪化ニオブおよび珪化ニオ
ブ合金から選ばれた少なくとも 1種からなる混合物を反
応焼結してなる焼結スパッタリングターゲットを用い
て、スパッタ成膜したことを特徴とする膜抵抗体。 - 【請求項7】 絶縁性基体と、この絶縁性基体上に設け
られた多数の発熱抵抗体と、これら発熱抵抗体に接続さ
れた電極とを具備するサーマルプリンタヘッドにおい
て、 前記発熱抵抗体は、請求項5または請求項6記載の膜抵
抗体からなることを特徴とするサーマルプリンタヘッ
ド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25983493A JPH07113164A (ja) | 1993-10-18 | 1993-10-18 | スパッタリングターゲット、それを用いて形成した膜抵抗体およびサーマルプリンタヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25983493A JPH07113164A (ja) | 1993-10-18 | 1993-10-18 | スパッタリングターゲット、それを用いて形成した膜抵抗体およびサーマルプリンタヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07113164A true JPH07113164A (ja) | 1995-05-02 |
Family
ID=17339643
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25983493A Withdrawn JPH07113164A (ja) | 1993-10-18 | 1993-10-18 | スパッタリングターゲット、それを用いて形成した膜抵抗体およびサーマルプリンタヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07113164A (ja) |
-
1993
- 1993-10-18 JP JP25983493A patent/JPH07113164A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20001226 |