JPH0674324A - 車両用自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents
車両用自動変速機の油圧制御装置Info
- Publication number
- JPH0674324A JPH0674324A JP25411992A JP25411992A JPH0674324A JP H0674324 A JPH0674324 A JP H0674324A JP 25411992 A JP25411992 A JP 25411992A JP 25411992 A JP25411992 A JP 25411992A JP H0674324 A JPH0674324 A JP H0674324A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- engine
- pressure
- hydraulic
- valve
- automatic transmission
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Control Of Transmission Device (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 長時間停止した後におけるエンジンの始動に
際して、エンジンの回転速度の大幅な上昇やエンジン打
音を発生させない車両用自動変速機の油圧制御装置を提
供する。 【構成】 エンジン10の停止状態が所定時間以上停止
していると判定された場合には、ライン圧調圧弁70に
よる調圧値が所定期間上昇させられるので、油圧ポンプ
30の駆動負荷が大きくされる。したがって、エンジン
10が長時間停止した後において潤滑油ポンプ18の回
転駆動負荷が大幅に小さくなっているエンジンの始動に
際しては、油圧ポンプ30の駆動負荷が大きくされてエ
ンジン10の回転速度が大幅に上昇することが抑制され
るので、運転者に違和感を与えることが防止されるとと
もに、エンジンの軸受部分などから発生する打音が抑制
される。
際して、エンジンの回転速度の大幅な上昇やエンジン打
音を発生させない車両用自動変速機の油圧制御装置を提
供する。 【構成】 エンジン10の停止状態が所定時間以上停止
していると判定された場合には、ライン圧調圧弁70に
よる調圧値が所定期間上昇させられるので、油圧ポンプ
30の駆動負荷が大きくされる。したがって、エンジン
10が長時間停止した後において潤滑油ポンプ18の回
転駆動負荷が大幅に小さくなっているエンジンの始動に
際しては、油圧ポンプ30の駆動負荷が大きくされてエ
ンジン10の回転速度が大幅に上昇することが抑制され
るので、運転者に違和感を与えることが防止されるとと
もに、エンジンの軸受部分などから発生する打音が抑制
される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用自動変速機の油
圧制御装置に関するものである。
圧制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】潤滑油ポンプを有するエンジンにより回
転駆動される油圧ポンプと、その油圧ポンプから供給さ
れる油圧を所定の圧力値に調圧する調圧弁とを備え、そ
の所定の圧力値の油圧によりギヤ段を切り換える形式の
車両用自動変速機の油圧制御装置が知られている。この
ような装置では、始動時のエンジンの負荷を軽減してそ
の始動性を高めるために、エンジンの始動に際しては調
圧弁の調圧値を低く制御して油圧ポンプの駆動負荷を小
さくする技術が提案されている。たとえば、特開昭61
−45151号公報に記載された自動変速機のライン圧
発生装置がそれである。
転駆動される油圧ポンプと、その油圧ポンプから供給さ
れる油圧を所定の圧力値に調圧する調圧弁とを備え、そ
の所定の圧力値の油圧によりギヤ段を切り換える形式の
車両用自動変速機の油圧制御装置が知られている。この
ような装置では、始動時のエンジンの負荷を軽減してそ
の始動性を高めるために、エンジンの始動に際しては調
圧弁の調圧値を低く制御して油圧ポンプの駆動負荷を小
さくする技術が提案されている。たとえば、特開昭61
−45151号公報に記載された自動変速機のライン圧
発生装置がそれである。
【0003】
【発明が解決すべき課題】ところで、エンジンが長時間
停止させられると、そのエンジン内に備えられた潤滑油
ポンプから軸受などの各潤滑部へ至る潤滑油路内から重
力により潤滑油が降下することから、その潤滑油路内は
潤滑油の代わりに空気が満たされるので、その潤滑油ポ
ンプを回転駆動するための負荷はエンジンの停止直後に
比較して大幅に小さくなる。このため、上記従来の装置
によれば、エンジンの始動に際して自動変速機の油圧回
路の調圧弁の調圧値が低くされてエンジンの始動負荷が
小さくされるため、長時間停止した後におけるエンジン
の始動に際しては、エンジンの回転速度が大幅に上昇し
て運転者に違和感を与えるとともに、それに伴ってエン
ジンの軸受部分などから比較的大きな打音を発生させる
欠点があった。
停止させられると、そのエンジン内に備えられた潤滑油
ポンプから軸受などの各潤滑部へ至る潤滑油路内から重
力により潤滑油が降下することから、その潤滑油路内は
潤滑油の代わりに空気が満たされるので、その潤滑油ポ
ンプを回転駆動するための負荷はエンジンの停止直後に
比較して大幅に小さくなる。このため、上記従来の装置
によれば、エンジンの始動に際して自動変速機の油圧回
路の調圧弁の調圧値が低くされてエンジンの始動負荷が
小さくされるため、長時間停止した後におけるエンジン
の始動に際しては、エンジンの回転速度が大幅に上昇し
て運転者に違和感を与えるとともに、それに伴ってエン
ジンの軸受部分などから比較的大きな打音を発生させる
欠点があった。
【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、長時間停止した
後におけるエンジンの始動に際して、エンジンの回転速
度の大幅な上昇やエンジン打音を発生させない車両用自
動変速機の油圧制御装置を提供することにある。
ものであり、その目的とするところは、長時間停止した
後におけるエンジンの始動に際して、エンジンの回転速
度の大幅な上昇やエンジン打音を発生させない車両用自
動変速機の油圧制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、図1の発明の要旨図
に示すように、潤滑油ポンプを有するエンジンにより回
転駆動される油圧ポンプと、その油圧ポンプから出力さ
れる油圧を所定の圧力に調圧する調圧弁とを備え、その
所定の圧力の油圧により変速比を自動的に切り換える形
式の車両用自動変速機の油圧制御装置であって、(1) 前
記エンジンが所定時間以上停止しているか否かを判定す
るエンジン停止状態判定手段と、(2) 前記エンジンの始
動を検出するエンジン始動検出手段と、(3) そのエンジ
ン始動検出手段によりエンジンの始動が検出されたと
き、前記エンジン停止状態判定手段により前記エンジン
の停止状態が所定時間以上停止していると判定された場
合には、前記調圧弁による調圧値を所定期間上昇させる
調圧値制御手段とを、含むことにある。
めの本発明の要旨とするところは、図1の発明の要旨図
に示すように、潤滑油ポンプを有するエンジンにより回
転駆動される油圧ポンプと、その油圧ポンプから出力さ
れる油圧を所定の圧力に調圧する調圧弁とを備え、その
所定の圧力の油圧により変速比を自動的に切り換える形
式の車両用自動変速機の油圧制御装置であって、(1) 前
記エンジンが所定時間以上停止しているか否かを判定す
るエンジン停止状態判定手段と、(2) 前記エンジンの始
動を検出するエンジン始動検出手段と、(3) そのエンジ
ン始動検出手段によりエンジンの始動が検出されたと
き、前記エンジン停止状態判定手段により前記エンジン
の停止状態が所定時間以上停止していると判定された場
合には、前記調圧弁による調圧値を所定期間上昇させる
調圧値制御手段とを、含むことにある。
【0006】
【作用】このようにすれば、エンジン始動検出手段によ
りエンジンの始動が検出されたとき、エンジン停止状態
判定手段により前記エンジンの停止状態が所定時間以上
停止していると判定された場合には、調圧値制御手段に
よって前記調圧弁による調圧値が所定期間上昇させられ
るので、油圧ポンプの駆動負荷が大きくされる。
りエンジンの始動が検出されたとき、エンジン停止状態
判定手段により前記エンジンの停止状態が所定時間以上
停止していると判定された場合には、調圧値制御手段に
よって前記調圧弁による調圧値が所定期間上昇させられ
るので、油圧ポンプの駆動負荷が大きくされる。
【0007】
【発明の効果】したがって、エンジンが長時間停止した
後において潤滑油ポンプの回転駆動負荷が大幅に小さく
なっているエンジンの始動に際しては、上記のように油
圧ポンプの駆動負荷が大きくされてエンジンの回転速度
が大幅に上昇することが抑制されるので、運転者に違和
感を与えることが防止されるとともに、エンジンの軸受
部分などから発生する打音が抑制される。
後において潤滑油ポンプの回転駆動負荷が大幅に小さく
なっているエンジンの始動に際しては、上記のように油
圧ポンプの駆動負荷が大きくされてエンジンの回転速度
が大幅に上昇することが抑制されるので、運転者に違和
感を与えることが防止されるとともに、エンジンの軸受
部分などから発生する打音が抑制される。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
細に説明する。
【0009】図2には、車両の主たる動力伝達装置およ
び制御系統が示されている。図において、車両のエンジ
ン10から出力された動力は、トルクコンバータ12、
自動変速機14、および図示しない差動歯車装置、車軸
を経て図示しない駆動輪へ伝達されるようになってい
る。
び制御系統が示されている。図において、車両のエンジ
ン10から出力された動力は、トルクコンバータ12、
自動変速機14、および図示しない差動歯車装置、車軸
を経て図示しない駆動輪へ伝達されるようになってい
る。
【0010】エンジン10内には、図示しないタイミン
グベルトによりクランク軸16と作動的に連結されてオ
イルパン17内に還流した潤滑油を圧送する潤滑油ポン
プ18が備えられている。その潤滑油ポンプ18はたと
えばトロコイド式ポンプであり、それから圧送された潤
滑油は、図示はされていないが、オイルフィルタを通
り、シリンダブロックに設けられた主潤滑油路(メーン
ギャラリ)19からクランク軸16を支持する軸受に分
配され、さらにクランク軸16内に設けられた潤滑油路
を介してコンロッドとの軸受に供給されるとともにピス
トンに向かって放出される。また、上記主潤滑油路内の
潤滑油の一部はシリンダブロックおよびシリンダヘッド
に設けられた潤滑油路からカムシャフト内に設けられた
潤滑油路を介して、カムシャフト軸受、カム、バルブリ
フタなどへ供給されるようになっている。上記の潤滑系
統は全体として比較的大きな上下差があり、しかも各潤
滑油路は開放型であることから、エンジン10が比較的
長い時間停止させられると、上記の各潤滑油路内の作動
油が下降して潤滑油路内が空となるため、潤滑油ポンプ
18の回転駆動負荷トルクは起動からの所定期間には大
幅に低下する特徴がある。
グベルトによりクランク軸16と作動的に連結されてオ
イルパン17内に還流した潤滑油を圧送する潤滑油ポン
プ18が備えられている。その潤滑油ポンプ18はたと
えばトロコイド式ポンプであり、それから圧送された潤
滑油は、図示はされていないが、オイルフィルタを通
り、シリンダブロックに設けられた主潤滑油路(メーン
ギャラリ)19からクランク軸16を支持する軸受に分
配され、さらにクランク軸16内に設けられた潤滑油路
を介してコンロッドとの軸受に供給されるとともにピス
トンに向かって放出される。また、上記主潤滑油路内の
潤滑油の一部はシリンダブロックおよびシリンダヘッド
に設けられた潤滑油路からカムシャフト内に設けられた
潤滑油路を介して、カムシャフト軸受、カム、バルブリ
フタなどへ供給されるようになっている。上記の潤滑系
統は全体として比較的大きな上下差があり、しかも各潤
滑油路は開放型であることから、エンジン10が比較的
長い時間停止させられると、上記の各潤滑油路内の作動
油が下降して潤滑油路内が空となるため、潤滑油ポンプ
18の回転駆動負荷トルクは起動からの所定期間には大
幅に低下する特徴がある。
【0011】トルクコンバータ12は、クランク軸16
に連結されたポンプ翼車20と、自動変速機14の入力
軸22に連結され且つ流体を介してポンプ翼車20から
動力が伝達されるタービン翼車24と、ポンプ翼車20
およびタービン翼車24を直結するロックアップクラッ
チ26とを備えている。
に連結されたポンプ翼車20と、自動変速機14の入力
軸22に連結され且つ流体を介してポンプ翼車20から
動力が伝達されるタービン翼車24と、ポンプ翼車20
およびタービン翼車24を直結するロックアップクラッ
チ26とを備えている。
【0012】自動変速機14は、図示しない複数組の遊
星歯車装置が同心に且つ直列に配列されることにより構
成されたよく知られたものであって、複数組の遊星歯車
装置の構成要素が、図示しない複数の摩擦係合装置、た
とえばクラッチC1 、C2 、C0 およびブレーキB0 、
B1 、B2 、B3 を用いて相互に係合させられ、或いは
ハウジング等の位置固定部材に係合させられることによ
り、たとえば、図3に示すように、後進ギヤ段、第1速
ギヤ段乃至第4速ギヤ段(O/D)のいずれかが選択的
に成立させられるようになっている。
星歯車装置が同心に且つ直列に配列されることにより構
成されたよく知られたものであって、複数組の遊星歯車
装置の構成要素が、図示しない複数の摩擦係合装置、た
とえばクラッチC1 、C2 、C0 およびブレーキB0 、
B1 、B2 、B3 を用いて相互に係合させられ、或いは
ハウジング等の位置固定部材に係合させられることによ
り、たとえば、図3に示すように、後進ギヤ段、第1速
ギヤ段乃至第4速ギヤ段(O/D)のいずれかが選択的
に成立させられるようになっている。
【0013】また、図2に示すように、この自動変速機
14には、上記複数のクラッチC1、C2 、C0 および
ブレーキB0 、B1 、B2 、B3 を制御するための油圧
回路28およびその油圧回路28の元圧であるライン油
PLを発生させる油圧ポンプ30が備えられている。こ
の油圧ポンプ30は、前記ポンプ翼車20に連結された
ロータ32を備えており、エンジン10のクランク軸1
6によって直接的に回転駆動されるようになっている。
14には、上記複数のクラッチC1、C2 、C0 および
ブレーキB0 、B1 、B2 、B3 を制御するための油圧
回路28およびその油圧回路28の元圧であるライン油
PLを発生させる油圧ポンプ30が備えられている。こ
の油圧ポンプ30は、前記ポンプ翼車20に連結された
ロータ32を備えており、エンジン10のクランク軸1
6によって直接的に回転駆動されるようになっている。
【0014】上記油圧回路28は、たとえば、シフトレ
バー34の操作に連動してライン油圧PLを切り換える
マニアル弁66、このマニアル弁66を通して供給され
たライン油圧PLを前記クラッチC1 、C2 、C0 およ
びブレーキB0 、B1 、B2、B3 を作動させる油圧ア
クチュエータに供給する複数の図示しないシフト弁、そ
れらシフト弁を制御するための第1電磁弁S1、第2電
磁弁S2などを備えている。それら第1電磁弁S1、第
2電磁弁S2のオンオフ状態の組み合わせにしたがって
前進4段のギヤ段が選択され、シフトレバー34に連動
するマニアル弁によって後進ギヤ段が選択されるように
なっている。
バー34の操作に連動してライン油圧PLを切り換える
マニアル弁66、このマニアル弁66を通して供給され
たライン油圧PLを前記クラッチC1 、C2 、C0 およ
びブレーキB0 、B1 、B2、B3 を作動させる油圧ア
クチュエータに供給する複数の図示しないシフト弁、そ
れらシフト弁を制御するための第1電磁弁S1、第2電
磁弁S2などを備えている。それら第1電磁弁S1、第
2電磁弁S2のオンオフ状態の組み合わせにしたがって
前進4段のギヤ段が選択され、シフトレバー34に連動
するマニアル弁によって後進ギヤ段が選択されるように
なっている。
【0015】図4は、上記油圧回路28の一部であっ
て、前記ライン圧PLを発生させるためのライン圧発生
回路68を示している。すなわち、このライン圧発生回
路68は、エンジン10の出力トルクに対応した所定の
ライン圧を得るために油圧ポンプ30から出力される作
動油の圧力をアクセル操作量或いはスロットル弁開度に
基づいて調圧するライン圧調圧弁70と、ライン圧調圧
弁70に信号圧PSを供給するリニアソレノイド弁72
と、ライン圧PLを予め定められた一定のモジュレータ
圧PMに調圧し、リニアソレノイド弁72に供給するモ
ジュレータ弁74とを備えている。
て、前記ライン圧PLを発生させるためのライン圧発生
回路68を示している。すなわち、このライン圧発生回
路68は、エンジン10の出力トルクに対応した所定の
ライン圧を得るために油圧ポンプ30から出力される作
動油の圧力をアクセル操作量或いはスロットル弁開度に
基づいて調圧するライン圧調圧弁70と、ライン圧調圧
弁70に信号圧PSを供給するリニアソレノイド弁72
と、ライン圧PLを予め定められた一定のモジュレータ
圧PMに調圧し、リニアソレノイド弁72に供給するモ
ジュレータ弁74とを備えている。
【0016】上記モジュレータ弁74は、ライン圧PL
が供給される入力ポート76とモジュレータ圧PMを出
力する出力ポート78との間を開閉するスプール弁子8
0と、スプール弁子80を開弁方向へ付勢するスプリン
グ82と、スプール弁子80を閉弁方向へ付勢するため
にモジュレータ圧PMが導かれるフィードバック油室8
4とを備え、ライン油圧PLの変動に拘わらず一定のモ
ジュレータ圧PMをリニアソレノイド弁72へ出力す
る。上記リニアソレノイド弁72は、モジュレータ圧P
Mが供給される入力ポート86と信号油圧PSを出力す
る出力ポート88との間を開閉するスプール弁子90
と、スプール弁子90を閉弁方向へ付勢するスプリング
92と、スプール弁子90を開弁方向へ付勢するリニア
ソレノイドLSと、スプール弁子90を閉弁方向へ付勢
するために信号油圧PSが導かれるフィードバック油室
96とを備え、リニアソレノイドLSに供給される駆動
電流SIに従って連続的に変化する信号油圧PSをライ
ン圧調圧弁70へ出力する。
が供給される入力ポート76とモジュレータ圧PMを出
力する出力ポート78との間を開閉するスプール弁子8
0と、スプール弁子80を開弁方向へ付勢するスプリン
グ82と、スプール弁子80を閉弁方向へ付勢するため
にモジュレータ圧PMが導かれるフィードバック油室8
4とを備え、ライン油圧PLの変動に拘わらず一定のモ
ジュレータ圧PMをリニアソレノイド弁72へ出力す
る。上記リニアソレノイド弁72は、モジュレータ圧P
Mが供給される入力ポート86と信号油圧PSを出力す
る出力ポート88との間を開閉するスプール弁子90
と、スプール弁子90を閉弁方向へ付勢するスプリング
92と、スプール弁子90を開弁方向へ付勢するリニア
ソレノイドLSと、スプール弁子90を閉弁方向へ付勢
するために信号油圧PSが導かれるフィードバック油室
96とを備え、リニアソレノイドLSに供給される駆動
電流SIに従って連続的に変化する信号油圧PSをライ
ン圧調圧弁70へ出力する。
【0017】上記ライン圧調圧弁70は、リリーフ形式
の圧力制御弁であって、油圧ポンプ30からの作動油が
供給されるライン油圧ポート100とその作動油を潤滑
油として流出させ或いはオイルタンクへ還流させるため
の第1流出ポート102および第2流出ポート104と
の間を開閉するスプール弁子106と、そのスプール弁
子106を開弁方向に付勢するスプリング108と、ス
プール弁子106を開弁方向に付勢するために信号油圧
PSが導かれる信号油室110と、スプール弁子106
を閉弁方向に付勢するためにライン圧PLが導かれるフ
ィードバック油室112とを備え、油圧ポンプ30から
の作動油量に拘わらず信号油圧PSに応じた調圧値のラ
イン圧PLを出力する。
の圧力制御弁であって、油圧ポンプ30からの作動油が
供給されるライン油圧ポート100とその作動油を潤滑
油として流出させ或いはオイルタンクへ還流させるため
の第1流出ポート102および第2流出ポート104と
の間を開閉するスプール弁子106と、そのスプール弁
子106を開弁方向に付勢するスプリング108と、ス
プール弁子106を開弁方向に付勢するために信号油圧
PSが導かれる信号油室110と、スプール弁子106
を閉弁方向に付勢するためにライン圧PLが導かれるフ
ィードバック油室112とを備え、油圧ポンプ30から
の作動油量に拘わらず信号油圧PSに応じた調圧値のラ
イン圧PLを出力する。
【0018】上記自動変速機14の油圧回路28は、全
体として上下差が小さくしかもライン圧PLを導く油路
は閉じられた系であるため、油圧ポンプ30の回転駆動
負荷トルクは、エンジン10の停止からの経過時間に関
連してそれほど変化しない。しかし、ライン圧調圧弁7
0の調圧値、すなわちライン圧PLに関連して油圧ポン
プ30の吐出圧が上昇させられることになるので、図5
に示すように、油圧ポンプ30の回転駆動負荷トルクは
ライン圧PLの値に伴って増加する特徴がある。
体として上下差が小さくしかもライン圧PLを導く油路
は閉じられた系であるため、油圧ポンプ30の回転駆動
負荷トルクは、エンジン10の停止からの経過時間に関
連してそれほど変化しない。しかし、ライン圧調圧弁7
0の調圧値、すなわちライン圧PLに関連して油圧ポン
プ30の吐出圧が上昇させられることになるので、図5
に示すように、油圧ポンプ30の回転駆動負荷トルクは
ライン圧PLの値に伴って増加する特徴がある。
【0019】図2に戻って、エンジン制御用電子制御装
置(EFI)120は、CPU、RAM、ROM、入出
力インターフェースなどを含む所謂マイクロコンピュー
タであって、エンジン水温センサ122から供給される
エンジン水温を表す信号WT、エンジン始動センサ12
4から供給されるスタータ作動中を表す信号STA、後
述のセンサからのクランク角度およびエンジン回転速度
を表す信号NE、スロットル弁開度を表す信号TA、車
速を表す信号SPD、図示しないセンサから供給される
吸入空気量を表す信号Q、吸気温度を表す信号AT、排
気中の酸度濃度を表す信号O2、カム位置を表す信号C
P、エアコンの作動を表す信号ACなどの入力信号を予
めROMに記憶されたプログラムに従って処理し、よく
知られた燃料噴射制御、アイドル回転速度制御、点火磁
気制御などを行うために燃料噴射弁126やイグナイタ
128を作動させる。また、上記エンジン制御用電子制
御装置120は、上記エンジン水温WTを表す信号およ
びスタータ信号STAを変速制御用電子制御装置(EC
T)130へ送信する。
置(EFI)120は、CPU、RAM、ROM、入出
力インターフェースなどを含む所謂マイクロコンピュー
タであって、エンジン水温センサ122から供給される
エンジン水温を表す信号WT、エンジン始動センサ12
4から供給されるスタータ作動中を表す信号STA、後
述のセンサからのクランク角度およびエンジン回転速度
を表す信号NE、スロットル弁開度を表す信号TA、車
速を表す信号SPD、図示しないセンサから供給される
吸入空気量を表す信号Q、吸気温度を表す信号AT、排
気中の酸度濃度を表す信号O2、カム位置を表す信号C
P、エアコンの作動を表す信号ACなどの入力信号を予
めROMに記憶されたプログラムに従って処理し、よく
知られた燃料噴射制御、アイドル回転速度制御、点火磁
気制御などを行うために燃料噴射弁126やイグナイタ
128を作動させる。また、上記エンジン制御用電子制
御装置120は、上記エンジン水温WTを表す信号およ
びスタータ信号STAを変速制御用電子制御装置(EC
T)130へ送信する。
【0020】上記変速制御用電子制御装置130も、C
PU、RAM、ROM、入出力インターフェースなどを
含む所謂マイクロコンピュータであり、それには上記エ
ンジン水温WTを表す信号およびスタータ信号STAが
供給されるとともに、シフト位置センサ132により検
出されたシフトレバー34の操作位置を表す信号PS、
アイドルスイッチを備えたスロットルセンサ134によ
り検出されたスロットル弁の開度を表す信号TA、車速
センサ136により検出された車速を表す信号SPD、
エンジン回転速度センサ138により検出されたエンジ
ン回転速度を表す信号NEが供給される。変速制御用電
子制御装置130は、変速制御では、予めROMに記憶
された変速マップから実際のシフト位置に対応した変速
マップを選択し、その変速マップから実際のスロットル
弁開度TAおよび車速APDに基づいて変速すべきギヤ
段を決定し、そのギヤ段が得られるように第1電磁弁S
1および第2電磁弁S2を作動させる。また、変速制御
用電子制御装置130は、前記油圧回路28のライン圧
PLを図6のフローチャートにしたがって制御する。
PU、RAM、ROM、入出力インターフェースなどを
含む所謂マイクロコンピュータであり、それには上記エ
ンジン水温WTを表す信号およびスタータ信号STAが
供給されるとともに、シフト位置センサ132により検
出されたシフトレバー34の操作位置を表す信号PS、
アイドルスイッチを備えたスロットルセンサ134によ
り検出されたスロットル弁の開度を表す信号TA、車速
センサ136により検出された車速を表す信号SPD、
エンジン回転速度センサ138により検出されたエンジ
ン回転速度を表す信号NEが供給される。変速制御用電
子制御装置130は、変速制御では、予めROMに記憶
された変速マップから実際のシフト位置に対応した変速
マップを選択し、その変速マップから実際のスロットル
弁開度TAおよび車速APDに基づいて変速すべきギヤ
段を決定し、そのギヤ段が得られるように第1電磁弁S
1および第2電磁弁S2を作動させる。また、変速制御
用電子制御装置130は、前記油圧回路28のライン圧
PLを図6のフローチャートにしたがって制御する。
【0021】図6のステップS1乃至S5においては、
エンジン10の長時間停止後の起動時におけるライン圧
上昇制御の実行条件が判定される。すなわち、ステップ
S1では、シフトレバー34の操作位置がニュートラル
(N)或いはパーキング(P)であるか否かが信号PS
に基づいて判断される。このステップS1の判断が否定
された場合にはエンジン10の起動操作がありえないの
で、ステップS7の通常のライン圧制御が実行される。
この通常のライン圧制御では、前記各摩擦係合装置のト
ルク容量が必要かつ充分な大きさとされるために、エン
ジン10の出力トルクに対応するスロットル弁開度に応
じてライン圧PLが増加させられる。
エンジン10の長時間停止後の起動時におけるライン圧
上昇制御の実行条件が判定される。すなわち、ステップ
S1では、シフトレバー34の操作位置がニュートラル
(N)或いはパーキング(P)であるか否かが信号PS
に基づいて判断される。このステップS1の判断が否定
された場合にはエンジン10の起動操作がありえないの
で、ステップS7の通常のライン圧制御が実行される。
この通常のライン圧制御では、前記各摩擦係合装置のト
ルク容量が必要かつ充分な大きさとされるために、エン
ジン10の出力トルクに対応するスロットル弁開度に応
じてライン圧PLが増加させられる。
【0022】しかし、上記ステップS1の判断が肯定さ
れた場合には、続くステップS2においてスロットル弁
がアイドル位置にあるか否かがスロットルセンサ134
からの信号TA或いはスロットルセンサ134内のアイ
ドルスイッチからの信号に基づいて判断される。このス
テップS2の判断が否定された場合には、もともとライ
ン圧がスロットル弁開度に応じて高く調圧されているか
ら、前記ステップS7の通常のライン圧制御が実行され
る。しかし、上記ステップS2の判断が肯定された場合
には、続くステップS3において車速SPDが予め設定
された判断基準値SPDa よりも大きいか否かが判断さ
れる。この判断基準値SPDa は、車両が停止状態であ
るか否かを判定するための値であり、殆ど零車速を示す
値が採用される。
れた場合には、続くステップS2においてスロットル弁
がアイドル位置にあるか否かがスロットルセンサ134
からの信号TA或いはスロットルセンサ134内のアイ
ドルスイッチからの信号に基づいて判断される。このス
テップS2の判断が否定された場合には、もともとライ
ン圧がスロットル弁開度に応じて高く調圧されているか
ら、前記ステップS7の通常のライン圧制御が実行され
る。しかし、上記ステップS2の判断が肯定された場合
には、続くステップS3において車速SPDが予め設定
された判断基準値SPDa よりも大きいか否かが判断さ
れる。この判断基準値SPDa は、車両が停止状態であ
るか否かを判定するための値であり、殆ど零車速を示す
値が採用される。
【0023】上記ステップS3の判断が否定された場合
には、車両の停止状態ではなく、長時間停止後の起動時
におけるライン圧上昇制御が不要であるので、前記ステ
ップS7の通常のライン圧制御が実行される。しかし、
上記ステップS3の判断が肯定された場合には、続くス
テップS4においてエンジン水温WTが予め設定された
判断基準値WTa よりも高いか否かが判断される。この
判断基準値WTa は、エンジン10が長時間停止状態に
あったか否かを判定するための値であり、たとえば常温
よりも僅かに高い値に設定される。エンジン10の冷却
水の温度WTは、エンジン10が停止した後では通常8
時間程度経過後に常温へ到達する性質があるため、この
ような性質を利用してエンジン10が長時間停止状態に
あるか否かが判断され得るのである。
には、車両の停止状態ではなく、長時間停止後の起動時
におけるライン圧上昇制御が不要であるので、前記ステ
ップS7の通常のライン圧制御が実行される。しかし、
上記ステップS3の判断が肯定された場合には、続くス
テップS4においてエンジン水温WTが予め設定された
判断基準値WTa よりも高いか否かが判断される。この
判断基準値WTa は、エンジン10が長時間停止状態に
あったか否かを判定するための値であり、たとえば常温
よりも僅かに高い値に設定される。エンジン10の冷却
水の温度WTは、エンジン10が停止した後では通常8
時間程度経過後に常温へ到達する性質があるため、この
ような性質を利用してエンジン10が長時間停止状態に
あるか否かが判断され得るのである。
【0024】上記ステップS4の判断が否定された場合
には、エンジン10が停止してから油圧ポンプ30の駆
動負荷トルクが大幅に低下するほどに充分に時間が経過
していない状態であるので、前記ステップS7の通常の
ライン圧制御が実行される。しかし、上記ステップS4
の判断が肯定された場合には、続くステップS5におい
てエンジン回転速度NEが予め設定された判断基準値N
Ea よりも高いか否かが判断される。この判断基準値N
Ea は、回転速度が極めて低く作動している状態でライ
ン圧PLを上昇させることによりエンジン10を停止さ
せてしまうことを防止するための値であり、たとえば通
常のアイドル回転速度よりも所定値高い値に設定され
る。
には、エンジン10が停止してから油圧ポンプ30の駆
動負荷トルクが大幅に低下するほどに充分に時間が経過
していない状態であるので、前記ステップS7の通常の
ライン圧制御が実行される。しかし、上記ステップS4
の判断が肯定された場合には、続くステップS5におい
てエンジン回転速度NEが予め設定された判断基準値N
Ea よりも高いか否かが判断される。この判断基準値N
Ea は、回転速度が極めて低く作動している状態でライ
ン圧PLを上昇させることによりエンジン10を停止さ
せてしまうことを防止するための値であり、たとえば通
常のアイドル回転速度よりも所定値高い値に設定され
る。
【0025】上記ステップS5の判断が否定された場合
には、エンジン10を停止させてしまうおそれがあるの
で、前記ステップS7の通常のライン圧制御が実行され
る。しかし、上記ステップS5の判断が肯定された場合
には、続くステップS6においてエンジン10の始動操
作が開始されてからの経過時間t、すなわちエンジン1
0のスタータに加えられる電圧信号であるスタータ信号
STAの持続時間が算出されるとともに、その経過時間
tが予め設定された判断基準値ta よりも小さいか否か
が判断される。この判断基準値ta は、長時間停止後の
油圧ポンプ30の負荷トルクをライン圧PLを上昇させ
ることによって一時的に増加させる期間に対応するもの
であり、作動油がエンジン10内の各潤滑油路に充満し
て潤滑油ポンプ18の負荷トルクが通常値に復帰するま
で期間と略同等となるような値に設定される。
には、エンジン10を停止させてしまうおそれがあるの
で、前記ステップS7の通常のライン圧制御が実行され
る。しかし、上記ステップS5の判断が肯定された場合
には、続くステップS6においてエンジン10の始動操
作が開始されてからの経過時間t、すなわちエンジン1
0のスタータに加えられる電圧信号であるスタータ信号
STAの持続時間が算出されるとともに、その経過時間
tが予め設定された判断基準値ta よりも小さいか否か
が判断される。この判断基準値ta は、長時間停止後の
油圧ポンプ30の負荷トルクをライン圧PLを上昇させ
ることによって一時的に増加させる期間に対応するもの
であり、作動油がエンジン10内の各潤滑油路に充満し
て潤滑油ポンプ18の負荷トルクが通常値に復帰するま
で期間と略同等となるような値に設定される。
【0026】上記ステップS6の判断が肯定された場合
には、経過時間tが予め設定された判断基準値ta に到
達していないので、ステップS8においてライン圧調圧
弁70により調圧されるライン圧PLの値がスロットル
弁開度に基づく通常値よりも所定の上昇幅ΔPLだけ大
きくされる。すなわち、リニアソレノイド弁72から出
力される信号圧PSが変速制御用電子制御装置130に
より所定値低くされる結果、ライン圧調圧弁70のスプ
ール弁子106は、その信号圧PSに基づく開弁方向の
推力が小さくなることからそれまでの位置よりも閉弁方
向に移動させられるので、ライン圧PLが通常値よりも
所定の上昇幅ΔPLだけ高くされるのである。
には、経過時間tが予め設定された判断基準値ta に到
達していないので、ステップS8においてライン圧調圧
弁70により調圧されるライン圧PLの値がスロットル
弁開度に基づく通常値よりも所定の上昇幅ΔPLだけ大
きくされる。すなわち、リニアソレノイド弁72から出
力される信号圧PSが変速制御用電子制御装置130に
より所定値低くされる結果、ライン圧調圧弁70のスプ
ール弁子106は、その信号圧PSに基づく開弁方向の
推力が小さくなることからそれまでの位置よりも閉弁方
向に移動させられるので、ライン圧PLが通常値よりも
所定の上昇幅ΔPLだけ高くされるのである。
【0027】そして、上記の状態が所定時間ta を経過
すると、エンジン10の始動操作が開始されてからの経
過時間tが判断基準値ta に到達してステップS6の判
断が否定されるので、前記ステップS7の通常のライン
圧制御に復帰させられる。
すると、エンジン10の始動操作が開始されてからの経
過時間tが判断基準値ta に到達してステップS6の判
断が否定されるので、前記ステップS7の通常のライン
圧制御に復帰させられる。
【0028】上述のように、本実施例によれば、エンジ
ン始動検出手段に対応するエンジン始動センサ124に
よりエンジン10の始動が検出されたとき、エンジン停
止状態判定手段に対応するステップS4によりエンジン
10の停止状態が所定時間以上停止していると判定され
た場合には、調圧値制御手段に対応するステップS8に
よってライン圧調圧弁70による調圧値が所定期間上昇
させられるので、油圧ポンプ30の駆動負荷が大きくさ
れる。したがって、エンジン10が長時間停止した後に
おいて潤滑油ポンプ18の回転駆動負荷が大幅に小さく
なっているエンジンの始動に際しては、上記のように油
圧ポンプ30の駆動負荷が大きくされてエンジン10の
回転速度が大幅に上昇することが抑制されるので、運転
者に違和感を与えることが防止されるとともに、エンジ
ンの軸受部分などから発生する打音が抑制される。
ン始動検出手段に対応するエンジン始動センサ124に
よりエンジン10の始動が検出されたとき、エンジン停
止状態判定手段に対応するステップS4によりエンジン
10の停止状態が所定時間以上停止していると判定され
た場合には、調圧値制御手段に対応するステップS8に
よってライン圧調圧弁70による調圧値が所定期間上昇
させられるので、油圧ポンプ30の駆動負荷が大きくさ
れる。したがって、エンジン10が長時間停止した後に
おいて潤滑油ポンプ18の回転駆動負荷が大幅に小さく
なっているエンジンの始動に際しては、上記のように油
圧ポンプ30の駆動負荷が大きくされてエンジン10の
回転速度が大幅に上昇することが抑制されるので、運転
者に違和感を与えることが防止されるとともに、エンジ
ンの軸受部分などから発生する打音が抑制される。
【0029】図7、図8、および図9を用いて本実施例
の作用効果をさらに詳しく説明する。エンジン10の発
生トルクをTEO、エンジン10により駆動されるオルタ
ネータの電気負荷トルクをΔTEE、エンジン10のフリ
クショントルクをΔTEF、エンジン10により駆動され
る潤滑油ポンプ18の負荷トルクをΔTEOP 、自動変速
機14に設けられた油圧ポンプ30の負荷トルクをΔT
AOP 、自動変速機14のフリクショントルクをΔTAFと
すると、エンジン10の回転速度が一定であれば、数式
1が成立する。
の作用効果をさらに詳しく説明する。エンジン10の発
生トルクをTEO、エンジン10により駆動されるオルタ
ネータの電気負荷トルクをΔTEE、エンジン10のフリ
クショントルクをΔTEF、エンジン10により駆動され
る潤滑油ポンプ18の負荷トルクをΔTEOP 、自動変速
機14に設けられた油圧ポンプ30の負荷トルクをΔT
AOP 、自動変速機14のフリクショントルクをΔTAFと
すると、エンジン10の回転速度が一定であれば、数式
1が成立する。
【0030】
【数1】 TEO−(ΔTEE+ΔTEF+ΔTEOP )−(ΔTAOP +ΔTAF)=0
【0031】上式の左辺第1項および第2項はエンジン
10から実際に出力されるトルクTE であり、第3項は
自動変速機14側の回転負荷トルクと平衡するときに定
常のエンジン回転速度が決定される。すなわち、図7に
それぞれ示すように、上記エンジン10から実際に出力
されるトルクTE は、エンジン回転速度NEに伴って負
荷ΔTEFおよびΔTEOP が増加するために低下する曲線
で表される一方、上記第3項の自動変速機14側の回転
負荷トルクTALはエンジン回転速度NEに伴って増加す
る曲線で表され、それらの曲線TE および曲線TALの交
点でのエンジン回転速度NE1が決定されるのである。
このため、エンジン10が長時間停止すると、前述のよ
うに潤滑油ポンプ18の負荷トルクΔTEOP が一時的に
大幅に小さくなることから、エンジン10から実際に出
力されるトルクTE はその負荷トルクΔTEOP 分だけ大
きい値TE ’(=TE −ΔTEOP )となるので、従来で
はエンジン回転速度は通常時のNE1よりも高い値NE
2に平衡することとなり、エンジンの起動に際しては、
図8の破線に示すようにエンジン回転速度NEが一時的
に上昇することが避けられなかった。
10から実際に出力されるトルクTE であり、第3項は
自動変速機14側の回転負荷トルクと平衡するときに定
常のエンジン回転速度が決定される。すなわち、図7に
それぞれ示すように、上記エンジン10から実際に出力
されるトルクTE は、エンジン回転速度NEに伴って負
荷ΔTEFおよびΔTEOP が増加するために低下する曲線
で表される一方、上記第3項の自動変速機14側の回転
負荷トルクTALはエンジン回転速度NEに伴って増加す
る曲線で表され、それらの曲線TE および曲線TALの交
点でのエンジン回転速度NE1が決定されるのである。
このため、エンジン10が長時間停止すると、前述のよ
うに潤滑油ポンプ18の負荷トルクΔTEOP が一時的に
大幅に小さくなることから、エンジン10から実際に出
力されるトルクTE はその負荷トルクΔTEOP 分だけ大
きい値TE ’(=TE −ΔTEOP )となるので、従来で
はエンジン回転速度は通常時のNE1よりも高い値NE
2に平衡することとなり、エンジンの起動に際しては、
図8の破線に示すようにエンジン回転速度NEが一時的
に上昇することが避けられなかった。
【0032】しかし、本実施例では、自動変速機14の
ライン圧PLがΔPLだけ高められて油圧ポンプ30の
負荷トルクが図9の実線に示すように一時的に大きくさ
れることから、図7に示すように自動変速機14側の回
転負荷トルクTALがそれまでよりも高い値TAL’となっ
てエンジン回転速度は通常時のNE1と略同様の値NE
3に平衡するので、長時間停止後のエンジン10の起動
に際しても図8の実線に示すようにエンジンの回転速度
NEが大幅に上昇することが抑制される。ライン圧PL
の上昇幅ΔPLはそのように設定されているのである。
ライン圧PLがΔPLだけ高められて油圧ポンプ30の
負荷トルクが図9の実線に示すように一時的に大きくさ
れることから、図7に示すように自動変速機14側の回
転負荷トルクTALがそれまでよりも高い値TAL’となっ
てエンジン回転速度は通常時のNE1と略同様の値NE
3に平衡するので、長時間停止後のエンジン10の起動
に際しても図8の実線に示すようにエンジンの回転速度
NEが大幅に上昇することが抑制される。ライン圧PL
の上昇幅ΔPLはそのように設定されているのである。
【0033】以上、本発明の一実施例を示す図面に基づ
いて説明したが、本発明はその他の態様においても適用
される。
いて説明したが、本発明はその他の態様においても適用
される。
【0034】たとえば、前述の実施例の自動変速機14
は、所謂A/Tとして知られる遊星歯車式の多段変速機
であったが、たとえば特開平2−271149号公報に
記載されているベルト式無段変速機であってもよいので
ある。要するに、潤滑油ポンプを有するエンジンの動力
を伝達するために変速比が自動的に切り換られる形式の
車両用自動変速機であればよいのである。
は、所謂A/Tとして知られる遊星歯車式の多段変速機
であったが、たとえば特開平2−271149号公報に
記載されているベルト式無段変速機であってもよいので
ある。要するに、潤滑油ポンプを有するエンジンの動力
を伝達するために変速比が自動的に切り換られる形式の
車両用自動変速機であればよいのである。
【0035】また、前述の実施例では、ライン圧調圧弁
70へ供給する信号圧PSがリニアソレノイド弁72か
ら発生させられていたが、デューティ駆動されるオンオ
フ型電磁弁から発生させられてもよいのである。
70へ供給する信号圧PSがリニアソレノイド弁72か
ら発生させられていたが、デューティ駆動されるオンオ
フ型電磁弁から発生させられてもよいのである。
【0036】また、前述の実施例では、エンジン制御用
電子制御装置120および変速制御用電子制御装置13
0が設けられていたが、エンジンおよび変速を制御する
単一のコンピュータが設けられ、前記リニアソレノイド
弁72はそのコンピュータにより制御されるようにして
もよいのである。
電子制御装置120および変速制御用電子制御装置13
0が設けられていたが、エンジンおよび変速を制御する
単一のコンピュータが設けられ、前記リニアソレノイド
弁72はそのコンピュータにより制御されるようにして
もよいのである。
【0037】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更が加えられ得るものである。
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更が加えられ得るものである。
【図1】本発明の要旨を示す図である。
【図2】本発明の一実施例の構成を説明するブロック線
図である。
図である。
【図3】図2の自動変速機のギヤ段と摩擦係合装置の作
動との関係を説明する図表である。
動との関係を説明する図表である。
【図4】図2の油圧回路の一部であって、ライン圧発生
回路の構成を説明する油圧回路図である。
回路の構成を説明する油圧回路図である。
【図5】図2の油圧ポンプの負荷トルクΔTAOP とライ
ン圧PLとの関係を示す図である。
ン圧PLとの関係を示す図である。
【図6】図2の変速制御用電子制御装置のライン圧制御
作動を説明するフローチャートである。
作動を説明するフローチャートである。
【図7】図2の実施例の作用効果を説明するために、エ
ンジン回転速度NEと実際のエンジン出力トルクTE 、
TE ’或いは自動変速機側の負荷トルクTAL、TAL’と
の関係を示す図である。
ンジン回転速度NEと実際のエンジン出力トルクTE 、
TE ’或いは自動変速機側の負荷トルクTAL、TAL’と
の関係を示す図である。
【図8】図2の実施例の作用効果を説明するために、エ
ンジン起動時からのエンジン回転速度NEの変化を示す
タイムチャートである。
ンジン起動時からのエンジン回転速度NEの変化を示す
タイムチャートである。
【図9】図2の実施例の作用効果を説明するために、エ
ンジン起動時からのライン圧PLの変化を示すタイムチ
ャートである。
ンジン起動時からのライン圧PLの変化を示すタイムチ
ャートである。
10:エンジン 14:自動変速機 18:潤滑油ポンプ 30:油圧ポンプ 70:ライン圧調圧弁(調圧弁) 124:エンジン始動センサ(エンジン始動検出手段) 130:変速制御用電子制御装置 (ステップS4:エンジン停止状態判定手段) (ステップS8:調圧値制御手段)
Claims (1)
- 【請求項1】 潤滑油ポンプを有するエンジンにより回
転駆動される油圧ポンプと、該油圧ポンプから出力され
る油圧を所定の圧力に調圧する調圧弁とを備え、該所定
の圧力に調圧された油圧により変速比を自動的に切り換
える形式の車両用自動変速機の油圧制御装置であって、 前記エンジンが所定時間以上停止しているか否かを判定
するエンジン停止状態判定手段と、 前記エンジンの始動を検出するエンジン始動検出手段
と、 該エンジン始動検出手段によりエンジンの始動が検出さ
れたとき、前記エンジン停止状態判定手段により前記エ
ンジンの停止状態が所定時間以上停止していると判定さ
れた場合には、前記調圧弁による調圧値を所定期間上昇
させる調圧値制御手段と、 を含むことを特徴とする車両用自動変速機の油圧制御装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25411992A JPH0674324A (ja) | 1992-08-28 | 1992-08-28 | 車両用自動変速機の油圧制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25411992A JPH0674324A (ja) | 1992-08-28 | 1992-08-28 | 車両用自動変速機の油圧制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0674324A true JPH0674324A (ja) | 1994-03-15 |
Family
ID=17260490
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25411992A Pending JPH0674324A (ja) | 1992-08-28 | 1992-08-28 | 車両用自動変速機の油圧制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0674324A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10169764A (ja) * | 1996-12-12 | 1998-06-26 | Jatco Corp | 自動変速機の油圧制御装置 |
-
1992
- 1992-08-28 JP JP25411992A patent/JPH0674324A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10169764A (ja) * | 1996-12-12 | 1998-06-26 | Jatco Corp | 自動変速機の油圧制御装置 |
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