JPH0674021B2 - 飲食容器の支持具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、車輌のドア、自動車のハンドルや車椅子の
パイプ材フレームに下げて取付け、缶や壜、ワイングラ
ス、ゴブレット、コップ、マグカップ、皿などを安定に
支持する飲食容器の支持具に関する。

〈従来の技術〉 車輌のドアの窓棚に上端のフックを引懸けて垂直に吊り
下げるボデーと、飲料容器を収容可能な開口を有し、前
記ボデーから水平に前に突出するＣ形のホルダーと、上
記ホルダーの下方でボデーから水平に前に突出するベー
スとを備えた飲料容器の支持具は米国特許第2289701号
により公知である。

この支持具は、Ｃ形のホルダーが囲む内部に上から飲料
缶やビンを入れ、その底をベース上に受止めさせことで
飲料缶やビンを支持することができる。

そして、使用しないときはホルダーを起して垂直な上向
きにすることもできる。

〈発明が解決しようとする課題〉 しかし、上記公知の支持具の、水平な前向きの使用状態
にしたホルダーは、ベースの上に底を載せた飲料缶やビ
ンの回りを囲むだけの役目しかなく、食べ物を乗せた重
い皿をホルダーの上に安定に支持することはできない。

〈課題を解決するための手段〉 本発明は、食べ物などを乗せた重い皿もホルダー上に安
定に支持できるようにしたのであって、支持体に垂直に
取付けられるボデー（14）と、飲料容器を収容可能な開
口（16）を有し、前記ボデーから水平に前に突出するホ
ルダー（10）と、上記ホルダーの下方でボデーから水平
に前に突出するベース（33）とを備え、前記ホルダー
（10）はＣ形で、自由端（18）が相対向した一対の弧状
腕（12）を有すると共に、ボデー（14）に対し水平な前
向きの使用状態と、上向きの垂直な格納状態に回動可能
に枢着されている飲食容器の支持具において、 ボデー（14）にはホルダーの上方で水平に前に突出する
フランジ（46）を設け、このフランジの下面に、前記ホ
ルダー（10）上に載せた皿の上縁が係合する溝（48）を
設けると共に、ボデーにはホルダー（10）を水平な前向
きの使用状態にしたときにホルダーの上面が当接する上
部当接面（34a）と、ホルダーの下面が当接する下部当
接面（32）を備えさせたことを特徴とする。

〈実施例〉 図示の実施例において、10はＣ形のホルダー、14は車輌
のドアの窓開口の壁などの支持体に対して垂直に取付け
られるボデーを示し、これらはデルリン（登録商標）と
して公知のアセチル樹脂のような合成樹脂で成形してあ
る。

ホルダーは自由端18が相対向した一対の弧状腕12,12に
よって飲料容器を収容する開口16を形成する。両弧状腕
の相対向した自由端18と18の間隔Ｘは、開口16の中央を
横切る直径Ｙの長さより短い（第１図参照）。上記弧状
腕12,12は弾性変形可能で、平面形状は約280°の円弧で
あり、一体に成形されている。弧状腕12,12は内周上縁
部に沿って段状の切欠き20を有し、この切欠き20上にワ
イングラスなどの底部台板の周縁部を嵌合することがで
きる。弧状腕12,12の各自由端18には第５図に示すよう
に上向きの突起22が設けてあり、弧状腕12,12の上に底
にリブがある皿を載せたとき、上記突起22が皿の底に接
触し、皿をほゞ水平に保つ。弧状腕上に載せる皿は、ヨ
ーロッパ特許第0106626号（特開昭59-90515号公報）に
記載されないようなものが好ましい。

ホルダー10はボデー14の一対の突出部26に枢着され、水
平な前向きの使用状態と、上向きの垂直な格納状態に回
動可能である。この実施例ではホルダーをボデー14に取
付けて枢着するため、ホルダーの両側に二つの平坦面24
aを有する小判形断面形状の一対の枢軸24が突設してあ
り（第３図参照）ボデーの一対の突出部26は、第４図に
示すように上記枢軸24が内部で回転可能な円筒形凹部28
と、この円筒形凹部28を突出部26の外に開通させる開通
スリット30を備えている。開通スリット30の幅は、小判
形の枢軸24の二つの平坦面24a間の厚さにほゞ等しい。
従って、例えばホルダーをボデー14に対して45°の斜め
上向きにし、その状態で枢軸24の二つの平坦面24aをボ
デーの突出部にある開通スリット30に摺接せて円筒形凹
部28まで挿入することでホルダーをボデーに対し回動可
能に組立てることができる。

ホルダーを水平な前向きの使用状態にし、その両弧状腕
12,12の上に食べ物などを入れた重い皿を載せたとき、
その皿を両弧状腕が安定に支持するため、ホルダーを使
用状態にすると、第２図に示すようにホルダーの中央基
部36の上面はボデー14に設けた窪み34の上縁の上部当接
面34aに当接し、両弧状腕の基部はボデーから前に張り
出した肩の上面である下部当接面32に当接する。

ボデーの下端には水平に前に突出するベース38を設け、
弧状腕12,12が囲む内部に入れた缶や壜の底を支える。
通常、缶の底は第２図に示すように中高になっているの
で、ベース38の上面には缶底の周縁の一部を受入れる扇
形溝40を設けるとよい。この扇形溝40はベースの前縁の
突起42と、ボデーに近いベースの後縁両側の一対の当接
部44との間に形成してある（第１図、第３図、第８図参
照）。

ボデー14の上端には水平に前に突出するフランジ46を設
け、フランジの下面にはホルダー上に載せた皿の上周縁
の一部が係合する扇形の溝48を設けてある（第２図参
照）。

車輌のドアの窓棚などの第５図に破線で示したような支
持体にボデー14を垂直に着脱可能に取付けるため、ボデ
ー14の上端には剛性の上部舌片52を収容するスリット50
が後向きに設けてある（第２図参照）。上部舌片52は、
車輌のドアと窓の間に差込む下向きのリム56を後端に備
えている。上記リム56と、ボデーの後面との間隔54を車
輌のドアの厚さの変化に対応させるため上部舌片52は図
示のように連結可能な二枚の板片58,58で構成してあ
る。両板片58,58には相係合する雌部60と、雄部62とを
設け、蟻溝式に一体に連結することができる。又、両片
の下面には一連の歯64を設け、この歯をスリット50の内
部に設けた弾力的な爪66と噛み合わせ、上部舌片52がス
リット50から後向きに突出する長さを調節できるように
することが好ましい。

又、ボデーの下端にも同様に後向きのスリットを設け、
これに下部舌片58aを差込んでボデーの後面から突出さ
せる。この下部舌片58aにも一連の歯64を設け、この歯
をスリット内に設けた爪と噛み合わせ、下部舌片58aの
後向きの突出長さを調節し、下部舌片の後端を車輌のド
アの内側に当接し、上部舌片52により車輌のドアの窓棚
から下げて取付けたボデー14に垂直にすることができ
る。

上部舌片52、下部舌片58aは、歯64と爪66との噛合いに
抗してスロットから抜いて外せるようにする。そのため
には爪66を歯64との噛合いから外せるようにしておくこ
とが好ましい。ボデー14は自転車のハンドルや、車椅子
などのパイプ材フレームに取付けるためにボデーの後面
にはフランジ46の下に差込口72、窪み34の内部に下向き
の鉤部70を夫々設けてある。従って、自転車や車椅子の
パイプ材フレームに、上記差込口72に挿入できる舌片
や、鉤部70を懸ける引懸け部を備えた装着板を管状クリ
ップなどで固定し、この装着板を介してボデーを下げれ
ばよい。

又、自転車には証明ランプ取付け用のブラケットがある
ので、このブラケットに下向きの鉤部70を引掛けて下げ
てもよい。

いずれにしてもボデー14を車輌のドア、自転車、車椅子
に垂直に取付けたら、ホルダー10を水平な前向きの使用
状態にし、弧状腕12,12で囲まれた内部に缶や壜を入
れ、その底をベース38で受止めて支持したり、弧状腕1
2,12の内周上縁部に沿って設けた段状の切欠き20上にワ
イングラスなどの底部台板の周縁部を嵌めて支持した
り、弧状腕12,12の上に皿を載せ、皿の上周縁の一部を
フランジ46の下面に設けた扇形の溝48に係合して支持す
ることができる。

使用しないときはホルダー10を垂直な上向きの格納状態
に回動する。これにより弧状腕12,12はその弾性によっ
てフランジ46の両側を挟むため、格納状態を保持でき、
不意に前向きに回動して倒れることがない。又、車室内
に出張らないので邪魔にならない。

〈発明の効果〉 本発明の支持具は、ホルダー10の上方で水平に前に突出
するフランジ46がボデー14に設けてあり、このフランジ
の下面にはホルダーの上に載せた皿の上縁が係合する溝
48が設けてある。従って、ホルダーを水平な前向きの使
用状態にし、食べ物などを入れた皿をホルダーの弧状腕
12,12の上に載せ、皿の上周縁の一部を第５図に示すよ
うにフランジの下面の溝48に係合させて支持できる。こ
の場合、皿の上周縁の一部は溝48に係合しているので、
皿は弧状腕12,12上でずれ動くことがなく、安定に支持
される。

又、ホルダーを水平な前向きの使用状態にすると、ホル
ダーの上面はボデーに設けた上部当接面34aに当接し、
ホルダーの下面はボデーに設けた下部当接面32に当接
し、これによってホルダーは安定する。従って、皿が食
べ物などを入れて重たいときでも安心して弧状腕12,12
上に置くことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の支持具の一実施例を示し、第１図は使用
状態の斜視図、第２図は第１図のII-II線での縦断面
図、第３図は第１図のIII-III線での水平断面図、第４
図はホルダーを枢着するボデーの突出部の一部の拡大斜
視図、第５図は第１図の側面図、第６図は第１図の後面
図、第７図は第１図の下面図、第８図はホルダーを上向
きの垂直な格納状態にした斜視図である。 10……ホルダー、12……弧状腕、14……ボデー、16……
弧状腕が囲む開口、18……弧状腕の自由端、32……下部
当接面、34a……上部当接面、38……ベース、46……フ
ランジ、48……フランジの下面に設けた溝。

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】支持体に垂直に取付けられるボデー（14）
   と、飲料容器を収容可能な開口（16）を有し、前記ボデ
   ーから水平に前に突出するホルダー（10）と、上記ホル
   ダーの下方でボデーから水平に前に突出するベース（3
   8）とを備え、前記ホルダー（10）はＣ形で、自由端（1
   8）が相対向した一対の弧状腕（12）を有すると共に、
   ボデー（14）に対し水平な前向きの使用状態と、上向き
   の垂直な格納状態に回動可能に枢着されている飲食容器
   の支持具において、 ボデー（14）にはホルダーの上方で水平に前に突出する
   フランジ（46）を設け、このフランジの下面に、前記ホ
   ルダー（10）上に載せた皿の上縁が係合する溝（48）を
   設けると共に、ボデーにはホルダー（10）を水平な前向
   きの使用状態にしたときにホルダーの上面が当接する上
   部当接面（34a）と、ホルダーの下面が当接する下部当
   接面（32）を備えさせたことを特徴とする飲食容器の支
   持具。
2. 【請求項２】特許請求の範囲第１項に記載の飲食容器の
   支持具において、上部当接面（34a）はボデー（14）に
   設けた窪み（34）の上縁で形成され、下部当接面（32）
   はボデーから前に張り出した肩の上面により形成されて
   いる飲食容器の支持具。
3. 【請求項３】特許請求の範囲第１項、第２項のどれか１
   項に記載の飲食容器の支持具において、ホルダー（10）
   は二つ平坦面（24a）を有する一対の小判形断面の枢軸
   （24）をボデーにある円筒形凹部（28）に突入させてボ
   デーに枢着され、上記円筒形凹部（28）は、前記枢軸
   （24）の二つの平坦面（24a）が摺接して通過し、円筒
   形凹部（28）に入ることができる開通スリット（30）を
   備えている飲食容器の支持具。
4. 【請求項４】特許請求の範囲第１項から第３項のどれか
   １項に記載の飲食容器の支持具において、フランジ（4
   6）の下面の溝（48）は扇形に形成されている飲食容器
   の支持具。
5. 【請求項５】特許請求の範囲第１項から第４項のどれか
   １項に記載の飲食容器の支持具において、ホルダー（1
   0）の一対の弧状腕（12）は弾性変形が可能であり、そ
   の開口（16）の輪郭は部分円形であり、前記一対の弧状
   腕（12）は、ワイングラスの底部台板が嵌合する段状の
   切欠き（20）を内周上縁部に沿って有する飲食容器の支
   持具。
6. 【請求項６】特許請求の範囲第５項に記載の飲料容器の
   支持具において、ホルダーの一対の弧状腕（12）は、ホ
   ルダーを上向きの格納状態にしたときにフランジ（46）
   を両側から挟むようになっている飲食容器の支持具。
7. 【請求項７】特許請求の範囲第１項から第６項のどれか
   １項に記載の飲食容器の支持具において、ボデー（14）
   は、その上部から後向きに突出する着脱可能な上部舌片
   （52）を有し、この上部舌片によりボデーは車輌のドア
   の窓棚に垂直に取付けられるようになっている飲食容器
   の支持具。
8. 【請求項８】特許請求の範囲第７項に記載の飲食容器の
   支持具において、ボデー（14）は、その下部から後向き
   に突出する着脱可能な下部舌片（58a）を有し、この下
   部舌片によって車輌のドアに対するボデーの傾きを加減
   できるようになっている飲食容器の支持具。