JP2019118883A - テンションレベラのロール洗浄装置 - Google Patents

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小橋 隆昭
Takaaki Kobashi
隆昭 小橋
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Abstract

【課題】簡易な構成かつ低コストで洗浄力を向上させることができるテンションレベラのロール洗浄装置を提供すること。【解決手段】テンションレベラ20のロール洗浄装置は、溶融亜鉛めっき鋼板Sの形状を矯正するテンションレベラ20の各ロール21に対して、溶融亜鉛めっき鋼板Sの板幅方向に沿って形成された複数の噴射口221を介して、液体と気体との混合流体を噴射するスプレーヘッダ22と、スプレーヘッダ22に接続された液体供給用配管51と、液体供給用配管51の途中に接続された気体供給用配管61と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、溶融亜鉛めっきライン上に配置されるテンションレベラのロール洗浄装置に関する。
溶融亜鉛めっきライン(CGL:Continuous Galvanizing Line)では、溶融亜鉛めっき鋼板の耳伸びや腹伸びを矯正し、形状厳格材を製造するために、テンションレベラが設けられていることが多い。このテンションレベラは、鋼板に張力をかけながら、複数の小径ロールによって繰り返し曲げ伸ばしを行うことにより、鋼板の形状を矯正する装置である。
前記したテンションレベラでは、高張力で曲げ伸ばしを行うため、溶融亜鉛めっき鋼板の表面から亜鉛が剥離してロールに付着し、溶融亜鉛めっき鋼板に疵をつけてしまうおそれがある。そのため、従来は、ロールに対して水スプレーを噴射することにより剥離した亜鉛を除去している。
しかし、めっき目付量の多い(例えば100g/m程度)溶融亜鉛めっき鋼板では、亜鉛が剥離しやすく、ロールに付着する量も多くなりやすいため、従来のロール洗浄での水スプレー(例えば、圧力:5kgf/cm以下)では、ロールに付着した亜鉛を完全に除去することが難しかった。そのため、溶融亜鉛めっき鋼板にスリ疵が発生し、ロールの交換や設備の清掃を頻繁に実施する必要があった。
そこで、例えば特許文献1では、ロールに対して高圧(圧力:15kgf/cm以上)で水スプレーを噴射することにより洗浄力を向上させる方法が提案されている。また、例えば特許文献2では、ガス溶解膜モジュールにおいて予め脱気水に対して所定のガスを溶解させた洗浄水を製造し、この洗浄水をロールに対して高圧で噴射することにより洗浄力を向上させる方法が提案されている。
特開平6−114418号公報 特開2012−143708号公報
しかしながら、特許文献1で提案された方法は、多数の小径ロールが配置されているテンションレベラでは設備が大掛かりとなり、設置が困難であるという問題があった。また、特許文献2で提案された方法についても、洗浄水を製造するための設備を溶融亜鉛めっきラインに別途設ける必要があるため、コストがかかるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易な構成かつ低コストで洗浄力を向上させることができるテンションレベラのロール洗浄装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るテンションレベラのロール洗浄装置は、溶融亜鉛めっき鋼板の形状を矯正するテンションレベラの各ロールに対して、前記溶融亜鉛めっき鋼板の板幅方向に沿って形成された複数の噴射口を介して、液体と気体との混合流体を噴射するスプレーヘッダと、前記スプレーヘッダに接続された液体供給用配管と、前記液体供給用配管の途中に接続された気体供給用配管と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係るテンションレベラのロール洗浄装置は、上記発明において、前記気体供給用配管は、前記液体供給用配管の水平位置から上方の位置に接続されていることを特徴とする。
本発明によれば、テンションレベラの各ロールに対して、液体に気体を予混合させた混合流体を噴射することにより、簡易な構成かつ低コストで洗浄力を向上させることができる。
図1は、本発明の実施形態に係るテンションレベラのロール洗浄装置が適用される溶融亜鉛めっきラインの構成を示す図である。 図2は、本発明の実施形態に係るテンションレベラのロール洗浄装置における液体供給用配管および気体供給用配管の構成を示す正面図である。 図3は、本発明の実施形態に係るテンションレベラのロール洗浄装置における液体供給用配管および気体供給用配管の構成を示す側面図である。
本発明に係るテンションレベラのロール洗浄装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、以下の実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
本実施形態に係るテンションレベラのロール洗浄装置(以下、「ロール洗浄装置」という)が適用される溶融亜鉛めっきライン1は、図1に示すように、ブライドルロール10と、テンションレベラ20と、リンガーロール30と、ブライドルロール40と、液体供給用配管51と、気体供給用配管61と、スプレーヘッダ22と、を備えている。上記構成のうち、ブライドルロール10、テンションレベラ20、リンガーロール30およびブライドルロール40は、溶融亜鉛めっき鋼板(以下、「鋼板」という)Sの進行方向に沿って、上流側から下流側に順次配置されている。また、本実施形態に係るロール洗浄装置は、上記構成のうちの、少なくとも液体供給用配管51、気体供給用配管61およびスプレーヘッダ22により構成される。
ブライドルロール10,40は、鋼板Sに対して所定の張力を付与する。テンションレベラ20は、複数のロール21を備えており、当該ロール21によって鋼板Sを繰り返し曲げ伸ばすことにより、鋼板Sの形状を矯正する。ロール21は、φ30〜φ60程度の小径ロールであり、鋼板Sの進行方向に所定間隔を空けて配置されている。また、ロール21は、鋼板Sの表面側および裏面側にそれぞれ配置されている。リンガーロール30は、テンションレベラ20を通過した鋼板Sに付着している水分を除去する。
スプレーヘッダ22は、鋼板Sの表面から剥離してロール21に付着した亜鉛を除去する。図1では図示を省略したが、スプレーヘッダ22は棒状に形成されており、鋼板Sの板幅方向に沿って配置されている。また、スプレーヘッダ22には、鋼板Sの板幅方向に沿って、複数の噴射口221が所定間隔で形成されている。そして、スプレーヘッダ22は、当該複数の噴射口221を介して、テンションレベラ20の各ロール21に対して液体と気体との混合流体(本実施形態では水とエアとの混合流体)を噴射することにより、各ロール21を洗浄する。スプレーヘッダ22には、液体供給用配管51が接続されている。
液体供給用配管51は、内部に液体が流れる配管である。本実施形態では、液体供給用配管51内を流れる液体として水を想定している。水の圧力や流量は、装置サイズにより適宜設定すればよいが、本実施形態では、鋼板幅1800mmとし、水の圧力は「3kgf/cm」とし、水の流量(スプレーヘッダ一本当たり)は「40L/min」とした。
液体供給用配管51には、流量調整用のバルブ52,53と、液体の逆流を防ぐための逆止弁54と、が設けられている。また、液体供給用配管51の先端側は、スプレーヘッダ22に接続されている。また、液体供給用配管51の途中には、気体供給用配管61が接続されている。これにより、スプレーヘッダ22の手前の位置で液体と気体とが予混合される。このように液体に対して気体を予混合させることにより、液体の粒子を細かくすることができ、かつ液体の流速を早めることができるため、各ロール21に対する衝突力が増加する。
液体供給用配管51には、図2および図3に示すように、気体供給用配管61が接続されている。気体供給用配管61は、内部に気体が流れる配管である。本実施形態では、気体供給用配管61内を流れる気体としてエアを想定している。
エアの圧力は、装置サイズにより適宜設定すればよいが、本実施形態では、鋼板幅1800mm、水の圧力「3kgf/cm」としたときのエアの圧力は「4kgf/cm」とし、エアの流量(スプレーヘッダ一本当たり)は「5Nm/min」とした。なお、気体供給用配管61内に流す気体の圧力は、前記した液体供給用配管51内に流す液体の圧力よりも1kgf/cm〜3kgf/cm程度高くすることが好ましい。これにより、各ロール21に対する衝突力を増加させることができる。
気体供給用配管61には、流量調整用のバルブ62,63と、気体の逆流を防ぐための逆止弁64と、が設けられている。また、気体供給用配管61は、液体供給用配管51の地面に対して平行になっている部分(平行管部512)の上側から、当該平行管部512に対して垂直に接続されている。すなわち、気体供給用配管61は、液体供給用配管51の水平位置から上方の位置に接続されている。
ここで図3においては、液体供給用配管51が地面に対して平行になっている部分(平行管部512)に気体供給用配管61が接続されているが、これに限るものではない。但し、地面に対して垂直に上側から供給した場合を0°、垂直に下側から供給した場合を180°とした場合、液体供給用配管51に対する気体供給用配管61の設置角度は、0°〜90°とすることが好ましく、0°〜85°とすることがさらに好ましい。
ここで、図1において、気体供給用配管61が液体供給用配管51に接続される位置、すなわち液体と気体との混合位置と、スプレーヘッダ22の噴射口221との距離dが長すぎると、気体混合の効果が小さくなる。従って、上記距離dは、例えば5m以内とすることが好ましい。
以上説明したような本実施形態に係るロール洗浄装置を利用したテンションレベラ20のロール洗浄方法によれば、テンションレベラ20の各ロール21に対して、液体に気体を予混合させた混合流体を噴射することにより、簡易な構成かつ低コストで洗浄力を向上させることができる。従って、めっき目付量の多い(例えば100g/m程度)鋼板Sをテンションレベラ20に通した場合においても、各ロール21に付着した亜鉛を適切に除去することができる。
例えば、従来の水スプレー(例えば、圧力:5kgf/cm、流量(スプレーヘッダ一本当たり):10L/min)では、鋼板Sの10%でスリ疵が発生していたが、本発明(水の圧力:3kgf/cm、水の流量(スプレーヘッダ一本当たり):40L/min、エアの圧力:4kgf/cm、エアの流量(スプレーヘッダ一本当たり):5Nm/min)によれば、スリ疵の発生を1%以下に留めることが可能となる。従って、ロール21の交換や設備の清掃の回数を大幅に減らすことができる(例えば従来は3回/月、本発明は1回/半年)。
なお、従来の水スプレーでは、水の流量(スプレーヘッダ一本当たり)を単に増加させると(例えば10L/min→40L/min)、鋼板とロールとの間でスリップが発生し、操業自体が困難となる場合があった。一方、本発明では、水に対してエアを混合させているため、水の流量(スプレーヘッダ一本当たり)を従来よりも増加させたとしても(例えば10L/min→40L/min)、鋼板Sとロール21との間でスリップが発生することはない。
以上、本発明に係るテンションレベラのロール洗浄装置について、発明を実施するための形態により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変等したものも本発明の趣旨に含まれることはいうまでもない。
例えば、気体供給用配管61に流す気体として、エアの代わりに窒素等を流しても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
1 溶融亜鉛めっきライン
10,40 ブライドルロール
20 テンションレベラ
21 ロール
22 スプレーヘッダ
221 噴射口
30 リンガーロール
51 液体供給用配管
512 平行管部
52,53 バルブ
54 逆止弁
61 気体供給用配管
62,63 バルブ
64 逆止弁
S 溶融亜鉛めっき鋼板(鋼板)

Claims (2)

  1. 溶融亜鉛めっき鋼板の形状を矯正するテンションレベラの各ロールに対して、前記溶融亜鉛めっき鋼板の板幅方向に沿って形成された複数の噴射口を介して、液体と気体との混合流体を噴射するスプレーヘッダと、
    前記スプレーヘッダに接続された液体供給用配管と、
    前記液体供給用配管の途中に接続された気体供給用配管と、
    を備えることを特徴とするテンションレベラのロール洗浄装置。
  2. 前記気体供給用配管は、前記液体供給用配管の水平位置から上方の位置に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のテンションレベラのロール洗浄装置。
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