JP7406754B2 - ガスワイピングノズル - Google Patents

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本発明は、溶融金属めっき浴から上方に引き上げられた鋼帯に対しガスを噴き付け(吹き付け)、鋼帯の表面に付着した溶融金属膜の膜厚を調整するガスワイピングノズルに関する。
従来、めっき鋼板は、例えば、図6に示すめっき装置80を使用して、鋼帯81を連続的に搬送しながら、その表面に亜鉛等の溶融金属(めっき液)82をめっきして製造している。このめっき装置80は、溶融金属82を貯留しためっき槽83と、めっき槽83内の溶融金属82中に配置され、鋼帯81を溶融金属82に連続的に浸漬させると共にその進行方向を鉛直方向に変更するシンクロール84と、シンクロール84の上方に配置され、鉛直方向に上昇する鋼帯81を厚み方向両側から挟む一対のサポートロール85、86と、めっき槽83の上方に配置された一対のガスワイピングノズル87とを有するものである。使用にあっては、溶融金属82(溶融金属めっき浴)から上方に引き上げられた鋼帯81に、その厚み方向両側に配置されたガスワイピングノズル87からそれぞれガスを噴き付け、鋼帯81の表面に付着した溶融金属膜の膜厚を調整している。
めっき装置80に使用するガスワイピングノズル87は、鋼帯81の幅(搬送方向とは直交する方向の幅)よりも幅広であるスリット状のガス噴出口を有するものである。
例えば、特許文献1には、互いに対向して設けられ、ガスが導入されるノズル室を内側に形成する第1、第2のリップ部と、ノズル室から噴射されるガスの噴出口として、第1、第2のリップ部の鋼帯側の端部の内側にそれぞれ形成されるスリットとを備えるガスワイピングノズルが開示されている。
また、特許文献2には、縦断面でみて、先端部の肉厚を上下それぞれ0~1.0mmに、先端部からノズル後方に向け傾斜する上下の外壁面とガス噴射方向とのなす角を45度以下に、ガス通路部(ガス噴出口に相当)の長さをスリット状開口厚みの10~40倍にしたガスワイピングノズルが開示されている。
特開2018-178146号公報 特開2000-219951号公報
しかしながら、特許文献1、2に開示のガスワイピングノズルはいずれも、ガス噴出口にガスを流すノズル室の基側(上流側)の縦断面形状が、角部を有する形状となっており、ノズル室内で乱流が発生し易く(圧力損失が生じ易く)、ガス噴出口から噴出されるガスの圧力が変動し易かった(揺らぎが発生し易かった)。更に、ガスは、コンプレッサー等によりノズルへ供給されているが、コンプレッサーの特性により、ノズルへ供給されるガスに圧力変動(脈動)が発生し、上記した問題がより顕著になっていた。このため、鋼帯の表面に付着した余分な溶融金属を吹き飛ばす能力に影響を及ぼしていた。
また、鋼帯表面に対するノズル(ガス噴出口)の配置位置が近い場合、鋼帯の表面から除去される溶融金属が飛散し、ガス噴出口に付着し易くなるため、ノズルによる溶融金属の除去を安定にできず、めっきした鋼帯の製品品質の低下を招くおそれがある。このため、鋼帯の表面とノズルのガス噴出口との距離を広げたいが、上記したように、ガスの圧力は変動し易いため、距離を広げづらかった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、ガス噴出口から噴き付けられるガスの圧力変動を従来よりも低減でき、鋼帯の表面とノズルのガス噴出口との距離を広げることが可能なガスワイピングノズルを提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係るガスワイピングノズルは、溶融金属めっき浴から上方に引き上げられた鋼帯に対しガスを噴き付け、該鋼帯の表面に付着した溶融金属膜の膜厚を調整するガスワイピングノズルにおいて、
スリット状のガス噴出口を先端部に備えたノズル本体の内部には、外部からガスが導入されるガスヘッダ室と、該ガスヘッダ室のガスが導入され、該導入されたガスが前記ガス噴出口に流れる均圧室とが設けられ、
前記均圧室は、拡幅領域と、該拡幅領域及び前記ガス噴出口に連接する先細り領域と、前記ガスヘッダ室から前記拡幅領域へガスを導入する導入部とを有し、
前記拡幅領域の内表面の縦断面形状が、前記導入部側に向けて膨らんだ角部のない円弧状となって、前記拡幅領域の内表面に連続して前記先細り領域を形成する対向する内表面の間隔が、前記ガス噴出口に向けて徐々に狭くなるテーパ状になっている(均圧室の拡幅領域と先細り領域の縦断面形状が、いわゆる涙型となっている)。
本発明に係るガスワイピングノズルにおいて、前記拡幅領域の断面円弧状部の曲率半径は13mm以上20mm以下であり、前記拡幅領域の断面円弧状部の曲率中心から前記先細り領域の先端位置までの長さは30mm以上65mm以下であることが好ましい。
本発明に係るガスワイピングノズルは、均圧室が、拡幅領域と、この拡幅領域及びガス噴出口に連接する先細り領域と、ガスヘッダ室から拡幅領域へガスを導入する導入部とを有し、拡幅領域の内表面の縦断面形状が、導入部側に向けて膨らんだ円弧状となって、先細り領域を形成する対向する内表面の間隔が、ガス噴出口に向けてテーパ状となっているので、拡幅領域の基側の縦断面形状が角部を有する形状となったノズル(従来のノズル)と比較して、ガス噴出口から噴き付けられるガスの圧力変動を低減できる。
本発明の一実施の形態に係るガスワイピングノズルの縦断面図である。 同ガスワイピングノズルの平面図である。 変形例に係るガスワイピングノズルの縦断面図である。 比較例に係るガスワイピングノズルの縦断面図である。 (A)~(C)はガスワイピングノズルによるガスの噴き付けをシミュレーションして得られたガス挙動の説明図である。 従来例に係るめっき装置の説明図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1、図2に示す本発明の一実施の形態に係るガスワイピングノズル(以下、単にノズルとも記載)10は、溶融金属めっき浴(以下、単にめっき浴とも記載)から上方に引き上げられた鋼帯に対しガスを噴き付け、この鋼帯の表面に付着した溶融金属膜の膜厚を調整するノズルである(図6参照)。
以下、詳しく説明する。
鋼帯(金属帯)は、めっき浴を構成する溶融金属によりめっき処理が施される対象である。
溶融金属としては、例えば、Zn、Al、Sn、Pbの単体、又は、これらの合金がある。この溶融金属には、これらの金属又は合金に、例えば、SiやP等の非金属元素、Ca、Mg、Sr等の典型金属元素、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu等の遷移金属元素を含有するものも含まれる。
ノズル10は、鋼帯に対する溶融金属の目付量を調節するため、めっき浴から鉛直方向上方に引き上げられた鋼帯の表面(両面)にガス(空気等)を噴射するものである。なお、ノズル10には、例えば、コンプレッサー(図示しない)によって圧縮されたガスが導入される。
これにより、鋼帯の表面から余剰の溶融金属が掻き取られ、鋼帯の表面に対する溶融金属の目付量が適正量に調整されて、溶融金属膜の膜厚が調節される。
ノズル10は、図1、図2に示すように、スリット状のガス噴出口11を先端部(鋼帯との対向側端部)に備えたノズル本体12を有している。
ノズル本体12は、分離可能な(図1では上下方向に分割可能な)対となる分割ノズル部13、14と、この分割ノズル部13と分割ノズル部14との間に配置されるシム(スペーサ)15とを有し、シム15を挟んで配置された分割ノズル部13、14をボルト等の締結手段(図示しない)で固定することにより構成されている。このシム15は、平面視して分割ノズル部13、14と略同一面積(外周輪郭が同一形状)の板材の、ガス噴出口11側に配置される領域について、幅方向中央部(幅方向両端部を除いた部分、即ち、ガス噴出口11と、後述する均圧室17の拡幅領域18及び先細り領域19に相当する部分)が除去された構成となっている。なお、分割ノズル部13、14は、従来のノズルと同様の材質、例えば、高硬度かつ高強度のクロムモリブデン鋼等で構成され、その外表面には、耐食性を備えるためのめっき処理が施されている。
ガス噴出口11は、鋼帯の搬送方向(図1では上下方向)に開口したスリット状の隙間を有し、鋼帯の幅(鋼帯の搬送方向とは直交する方向の幅)よりも幅広に開口したものである。即ち、ノズル本体12は、図2に示すように、鋼帯の幅方向に長尺のものである。
このガス噴出口11は、上記したように、シム15を分割ノズル部13、14で挟むことにより形成されるものであり、上記したシム15のガス噴出口11側の幅方向両端部(ノズル本体12の側壁部となる部分)と、分割ノズル部13、14の先端部とで囲まれた開口部分により形成される。このため、シム15の厚みが、ガス噴出口11のスリット状の隙間の間隔Gに相当する。なお、スリット状の隙間の間隔Gは、ガス噴出口11の基端から先端まで略同一であって、例えば、0.5mm以上1.0mm以下(好ましくは、上限が0.8mm)程度であり、ガス噴出口11の基端から先端までの長さL1は、例えば、10mm以上20mm以下程度であるが、特に限定されるものではない。
ノズル本体12の内部には、コンプレッサー(加圧装置:外部)からガスが導入されるガスヘッダ室16と、このガスヘッダ室16のガスが導入され、導入されたガスがガス噴出口11に流れる均圧室17とが設けられている。なお、符号16aは、コンプレッサーが接続された配管を取り付けるための取り付け部である。
このガスヘッダ室16は、コンプレッサーからの加圧空気を一旦貯めて、ノズル本体12の横幅方向でのガスの圧力分布を平均化すための空間であり、図2に示すように、ノズル本体12の幅方向両端部(ノズル本体12の側壁部)を除く部分に、ノズル本体12の幅方向に渡って同一形状となるようにノズル本体12(分割ノズル部13、14とシム15)に形成されている。なお、ガスヘッダ室16は、縦断面視した場合の形状が長方形状となっているが、ガスの圧力分布を平均化できれば特に限定されるものではなく、例えば、正方形状等でもよい(従来のノズルと同様の形状でもよい)。
均圧室17は、図2に示すように、均圧室17の上流側と下流側の間(中間位置)に配置された拡幅領域18と、この拡幅領域18及びガス噴出口11に連接する(均圧室17の下流側に配置された)先細り領域19と、ガスヘッダ室16から拡幅領域18へガスを導入する(均圧室7の上流側に配置された)導入部(ガス導入路)20、21とを有している。
この均圧室17の拡幅領域18と先細り領域19は、ノズル本体12の幅方向両端部(ノズル本体12の側壁部)を除く部分に、ノズル本体12の幅方向に渡って同一形状となるようにノズル本体12(分割ノズル部13、14とシム15)に形成されている。
また、均圧室17の導入部20、21は、ガスヘッダ室16と拡幅領域18を連通する断面円形の貫通孔(例えば、内径(直径)が3~10mm程度)であり、ノズル本体12の幅方向に間隔を有して複数形成されている。
この2本の導入部20、21のうち、一方の導入部20は分割ノズル部13に、他方の導入部21は分割ノズル部14に、それぞれ形成され、しかも、一方の導入部20をガスヘッダ室16の上側から、他方の導入部21をガスヘッダ室16の下側から、拡幅領域18の中央部に向けて斜めに形成している。図1に示すノズル本体12の縦断面図では、対となる2本の導入部20、21が線対称に形成されている。
これにより、ガスヘッダ室16に導入されたガスが拡幅領域18へ流入し合流する前に、ガスヘッダ室16からのガスの流れを整流して、拡幅領域18への流入時の圧力変動を更に抑制することができる。
また、上記したように、2本の導入部がある場合、拡幅領域18との接続位置を離間させて配置することが好ましい。これにより、拡幅領域18へのガスの流入時及び合流時に、流れの干渉による乱れを抑え、拡幅領域18から先細り領域19に至る空間内の圧力変動を抑えることが可能となる。
なお、導入部の内径、本数、拡幅領域に対する傾きの程度(傾斜角度)は、ガスの圧力変動を低減できれば特に限定されるものではなく、ノズル本体を縦断面視した場合において、例えば、導入部の本数を3本以上の複数本にすることもできる。
均圧室17の拡幅領域18と先細り領域19は、シム15を中心として対称の形状(同一形状)となった、一方の分割ノズル部13に形成された均圧部22と、他方の分割ノズル部14に形成された均圧部23と、シム15の開口部分とを、組合わせることで形成される。具体的には、均圧室17の拡幅領域18の内表面24の縦断面形状は、導入部20、21側に向けて膨らんだ角部のない円弧状となっている。
このように、拡幅領域18の内表面の縦断面形状を円弧状とすることで、角部を有する形状と比較して、拡幅領域18(均圧室17)内での乱流の発生を抑制でき、ガス噴出口11における圧力変動を抑制できるが、特に、ガス噴出口11のスリット状の隙間の間隔Gに応じて、拡幅領域18の断面円弧状部の曲率半径(R)を13mm以上20mm以下(好ましくは、上限が17mm)にすることが好ましい(例えば、図1において、拡幅領域18の上下方向の間隔(拡幅領域18の最大内幅)が間隔Gの30~50倍程度)。
また、均圧室17の先細り領域19を形成する、上下方向に間隔を有して対向する内表面25、26はそれぞれ、拡幅領域18の内表面24になだらかに連続し、この対向する内表面25、26の間隔が、拡幅領域18からガス噴出口11に向けて徐々に狭くなるテーパ状になっている。なお、内表面25、26とガス噴出口11を形成する対向面27、28との連続部分は、なだらかな曲面とすることが好ましい。
ここで、拡幅領域18の断面円弧状部の曲率中心Pから、先細り領域19の先端位置(ガス噴出口11の基端位置)までの長さL2は、例えば、ノズル本体12の大きさと、上記した拡幅領域18の断面円弧状部の曲率半径により、ある程度決定されるが、特に、30mm以上65mm以下(好ましくは、上限が54mm)にすることが好ましい。
使用にあっては、例えば、コンプレッサーで圧縮されたガスをノズル10の内部に導入する。
ノズル10内に導入されたガスは、ガスヘッダ室16から均圧室17に導入され(導入部20、21、拡幅領域18、及び、先細り領域19を順次流れ)、この導入されたガスがガス噴出口11に流れ、対向する鋼帯の表面に噴き付けられる。このとき、ノズル10から噴出した音速に近いジェット流で、鋼帯に付着した余分な溶融金属が吹き飛ばされる。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
ここでは、要素試験データと実測データを反映した自主開発したシステム(in-house code)を使用し、ガスワイピングノズルのガス噴出口から噴き付けられるガスの圧力変動をシミュレーションした結果(解析結果)について説明する。
解析には、図1に示すノズル10(実施例1)、図3に示すノズル10a(実施例2)、図4に示すノズル10b(比較例)を、それぞれ使用した。これらのノズル10、10a、10bの各構成を、以下に簡単に説明する。
(実施例1)
ノズル10は、均圧室17が拡幅領域18と先細り領域19と導入部20、21を有し、均圧室17の拡幅領域18の断面円弧状部の曲率半径を、前記した最適範囲(13mm以上20mm以下)内にしたものである。
(実施例2)
ノズル10aは、ノズル10とは均圧室17aの構成のみが異なり、この均圧室17aの拡幅領域18aの断面円弧状部の曲率半径を、前記した最適範囲外(20mm超)にしたものである(実施例1の変形例)。なお、ノズル10aについて、ノズル10の構成部材とは異なる構成部材の符号に「a」を付して、詳しい説明を省略する。
(比較例)
ノズル10bは、ノズル10とは均圧室17bの構成のみが異なり、均圧室17bの内表面の縦断面形状が、瓢箪型となっている(均圧室17bが拡幅領域と先細り領域を有するものではない)。なお、ノズル10bについて、ノズル10の構成部材とは異なる構成部材の符号に「b」を付して、詳しい説明を省略する。
上記した3種類のノズル10、10a、10bを使用して、ガスの圧力変動を解析した結果を、図5(A)~(C)にそれぞれ示す。この図5(A)~(C)の縦軸は無次元化した圧力を、横軸は時間経過を、それぞれ示している。
以下に、シミュレーションで採用した各種条件を示す。
・コンプレッサー(貯槽)の圧力:0.6MPa(大気圧の6倍)
・ガスの流量:3300m/Hr
・ガスの出口温度(ガス噴出口でのガス温度)≒250℃
・ガスの出口マッハ数(ガス噴出口でのマッハ数):1
・ガスの出口音速=ガスの出口での流速(ガス噴出口でのガス流速)≒316m/s
・ガスの出口圧力(ガス噴出口でのガス圧力)≒600kPa
なお、図5(A)~(C)においては、前提条件として、ノズルに導入されるガスの流入圧力変動(コンプレッサーの特性によって発生するガスの圧力変動(脈動):変動幅10%、変動周期0.3msec(0.0003sec:約3.3kHz))が反映されている。
ノズル10では、図5(A)に示すように、ガス噴出口から噴き付けられるガスの圧力変動はほとんどなく、良好な結果が得られることが分かった。
また、ノズル10aでは、図5(B)に示すように、図5(A)に比較して、ガス噴出口から噴き付けられるガスに圧力変動が発生した。
一方、ノズル10bは、均圧室17bの導入部20、21と連通する領域の内表面の縦断面形状が円弧状となってはいるものの(従来のノズルのように角部を有する形状とはなっていないものの)、均圧室17b(導入部20、21を除いた領域)が瓢箪型となっているため、圧力損失が発生し、図5(C)に示すように、ガス噴出口から噴き付けられるガスに大きな圧力変動が発生した。
このように、ノズル10aでは、ガス噴出口から噴き付けられるガスに圧力変動が発生したものの、ノズル10bと比較して小さかった。
なお、ノズル10bで発生したガスの圧力変動には周期性があり、これは上記したコンプレッサーの特性によるものと考えられる。しかし、ノズル10aではノズル10bより圧力変動が小さく、更にノズル10では圧力変動がほとんどないことから、この圧力変動がノズル内の均圧室17部分でのバッファ効果で吸収され、周期的な圧力変動を抑制できることがわかった。
以上のことから、本発明のガスワイピングノズルを使用することで、ガス噴出口から噴き付けられるガスの圧力変動を従来よりも低減できることを確認できた。これにより、ガス噴出口から、その幅方向に渡って一定の圧力で従来よりも長い距離、ガスを噴き付けることができるため、鋼帯の表面とノズルのガス噴出口との距離を従来よりも広げることができる(従来は5mm程度であったが、例えば7mm以上(従来の1.5倍程度)に広げることができる)。
従って、鋼帯の表面から除去されて飛散する溶融金属のガス噴出口への付着を、従来よりも抑制できるため、ノズルによる溶融金属の除去を安定にでき、めっきした鋼帯の製品品質の向上が図れる。更に、本発明のガスワイピングノズル(均圧室)の構成は、例えば、上記した比較例の構成(瓢箪型)よりも簡単であるため、加工も容易である。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明のガスワイピングノズルを構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
前記実施の形態においては、ガスワイピングノズルのノズル本体を、対となる分割ノズル部とその間に配置される1枚のシムとで構成した場合について説明した。しかし、内部に、拡幅領域と先細り領域と導入部を有する均圧室が設けられた構成であれば、特に限定されるものではなく、例えば、対となる分割ノズル部の間に2枚以上の複数枚のシムを配置した構成でもよく、また、シムを用いることなく、対となる分割ノズル部のみで構成することもできる。
なお、均圧室は、拡幅領域と先細り領域と導入部を有していれば、その形状が、シムを中心として対称の形状(同一形状)でなくてもよい(異なる形状でもよい)。
本発明に係るガスワイピングノズルは、ガス噴出口から噴き付けられるガスの圧力変動を従来よりも低減できる。これにより、例えば、鋼帯の表面とノズルのガス噴出口との距離を従来よりも広げることができ、鋼帯の表面から除去されて飛散する溶融金属のガス噴出口への付着を、従来よりも抑制できるため、製品品質の向上が図れ、また、付着した溶融金属の除去作業等の頻度を低減でき作業性が良好になる。
10、10a、10b:ガスワイピングノズル、11:ガス噴出口、12、12a、12b:ノズル本体、13、13a、13b、14、14a、14b:分割ノズル部、15:シム、16:ガスヘッダ室、16a:取り付け部、17、17a、17b:均圧室、18、18a:拡幅領域、19、19a:先細り領域、20、21:導入部、22、23:均圧部、24~26:内表面、27、28:対向面

Claims (2)

  1. 溶融金属めっき浴から上方に引き上げられた鋼帯に対しガスを噴き付け、該鋼帯の表面に付着した溶融金属膜の膜厚を調整するガスワイピングノズルにおいて、
    スリット状のガス噴出口を先端部に備えたノズル本体の内部には、外部からガスが導入されるガスヘッダ室と、該ガスヘッダ室のガスが導入され、該導入されたガスが前記ガス噴出口に流れる均圧室とが設けられ、
    前記均圧室は、拡幅領域と、該拡幅領域及び前記ガス噴出口に連接する先細り領域と、前記ガスヘッダ室から前記拡幅領域へガスを導入する導入部とを有し、
    前記拡幅領域の内表面の縦断面形状が、前記導入部側に向けて膨らんだ角部のない円弧状となって、前記拡幅領域の内表面に連続して前記先細り領域を形成する対向する内表面の間隔が、前記ガス噴出口に向けて徐々に狭くなるテーパ状になっており、
    前記ノズル本体は、上下に分離可能な対となる分割ノズル部と、その間に配置されるスペーサとを有し、
    前記ノズル本体の幅方向に、対となる2本の前記導入部が間隔を有して複数形成され、対となる2本の前記導入部のうち、一方の前記導入部が前記ガスヘッダ室の上側から、他方の前記導入部が前記ガスヘッダ室の下側から、前記拡幅領域の中央部に向けて斜めに形成され、しかも、前記ノズル本体を縦断面視して、対となる2本の前記導入部が前記スペーサを中心として線対称に形成されていることを特徴とするガスワイピングノズル。
  2. 溶融金属めっき浴から上方に引き上げられた鋼帯に対しガスを噴き付け、該鋼帯の表面に付着した溶融金属膜の膜厚を調整するガスワイピングノズルにおいて、
    スリット状のガス噴出口を先端部に備えたノズル本体の内部には、外部からガスが導入されるガスヘッダ室と、該ガスヘッダ室のガスが導入され、該導入されたガスが前記ガス噴出口に流れる均圧室とが設けられ、
    前記均圧室は、拡幅領域と、該拡幅領域及び前記ガス噴出口に連接する先細り領域と、前記ガスヘッダ室から前記拡幅領域へガスを導入する導入部とを有し、
    前記拡幅領域の内表面の縦断面形状が、前記導入部側に向けて膨らんだ角部のない円弧状となって、前記拡幅領域の内表面に連続して前記先細り領域を形成する対向する内表面の間隔が、前記ガス噴出口に向けて徐々に狭くなるテーパ状になっており、
    前記拡幅領域の断面円弧状部の曲率半径は13mm以上20mm以下であり、前記拡幅領域の断面円弧状部の曲率中心から前記先細り領域の先端位置までの長さは30mm以上65mm以下であることを特徴とするガスワイピングノズル。
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