JPH0673675B2 - 電解による次亜塩素酸含有殺菌水の製造方法 - Google Patents
電解による次亜塩素酸含有殺菌水の製造方法Info
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Description
及びおしぼり用等、広範囲の分野に使用される電解によ
る次亜塩素酸含有殺菌水の新規な製造方法に関し、詳細
には電解槽の陽極室側の水に次亜塩素酸ナトリウムなど
の次亜塩素酸塩を添加して電解を行う、安全な殺菌水を
低コストで製造できる殺菌水の製造方法に関する。
る。例えば、熱処理、アルコール処理、紫外線照射、オ
ゾンによる酸化等を利用した装置、また、食器や食品あ
るいは水道水の殺菌には塩素ガスや次亜塩素酸ナトリウ
ムの希釈水溶液を利用した装置が広く用いられている。
隔膜電解することにより、次亜塩素酸ナトリウムを製造
したり、あるいは有隔膜電解によりアノード側で塩素ガ
スを、カソード側で苛性ソーダを製造することは工業的
に従来から行われている。また、「淡水に近い低濃度食
塩水溶液の無隔膜直接電解による次亜塩素酸塩の生成」
が電気化学および工業物理化学56,No.5(1988)に報告
されている。さらに、特開昭61−283391号には、水道水
中に少量含まれている塩素イオンを塩素に変換すること
による飲料水の殺菌方法が示されている。
ウムの希釈水溶液を使用したりする、いわゆる塩素殺菌
の場合は、水溶液のpHにより残留塩素の存在比が変化し
(第2図参照)、それに伴って同一の残留塩素濃度でも
殺菌効果が変動する。殺菌効果が最も大きいといわれて
いる次亜塩素酸(HClO)の存在比の高いpH範囲、すなわ
ち、pH3〜7、好ましくはpH5〜6.5にすれば低い残留塩
素濃度でも大きな殺菌効果を発揮することができる。
最も強い殺菌力を呈し、ClO-にくらべて約8倍とも80倍
ともいわれている。
2図のようにpHによって大きく影響され、pH3〜7位で
はHClOが約80〜100%であるのに対し、pHが7を越える
とHClOが急激に減少し、ClO-の割合が増加することが知
られている。そこで殺菌効率の良い殺菌水を得る方法と
して、塩化ナトリウム水溶液を有隔膜電解槽で電解し、
陽極室側にpH3〜7の次亜塩素酸水を得ることを試み
た。
入して電解するものであり、塩素イオンCl-を効率良く
次亜塩素酸HClOへ転換するためには、食塩濃度を高める
必要があり、食塩が一部無駄になってくる。また、塩素
イオンCl-の次亜塩素酸HClOへの生成反応が電極表面の
状態で変化するため、次亜塩素酸水の濃度を知るために
測定器で実測する必要が生じた。ところでこの測定器は
特に高濃度を測定するものは高価で、且つ、寸法的にも
大きくなり、これを各殺菌水生成装置に取付けるとなる
と装置全体が大きくなりそのコストは著しく高いものに
なる。また、そのメンテナンスについてもセンサーの洗
浄などに手間がかかる等の問題に対面した。
条件下で最大限に利用され、これにより最少限度の薬液
添加で殺菌力が保証されるとともに、加えて、陽極室の
原水に対する薬液投入量から次亜塩素酸の所望最低保証
濃度を簡単に割り出すことができる次亜塩素酸含有殺菌
水の製造方法を提供することにある。
入し、陽極室の原水に対し所定量の次亜塩素酸塩、好ま
しくは次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)を添加するとと
もに、陽極室に生成される次亜塩素酸水溶液のpHが3〜
7になるように電解槽の水を電気分解することによって
達成される。
ば1〜200ppmの範囲になるように所定量添加する。
ウムが食品衛生法上などの面から特に望ましい。
度やpH値に調節して使用することが可能であり、かかる
調節によって本発明利用分野においては、残留塩素濃度
が1〜80ppmの範囲においても殺菌効果が充分に期待さ
れる。
を有する。このpH範囲の選択はpHが7より大きいとClO-
が増大して殺菌効果が低下し、不安定となる。一方、3
より小さいとHClOの存在が不安定となることによる。
強いのはHClOであるが、pH5.5以上でHClOは電離してClO
-になり始め、pHが大きくなるに従いClO-の存在比が増
加することから殺菌力を強く維持するためにはHClOが90
%以上であることが好ましい(第2図、残留遊離塩素の
存在比参照)。
室の原水に例えば次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)を投
入して陽極室の水がpH3〜7になるように電解すると、
添加した次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)はナトリウム
イオンNa+と次亜塩素酸イオンClO-に電気分解され、ナ
トリウムイオンNa+は陰極室に移動し、陽極室側にはClO
-とH+が結合した次亜塩素酸(HClO)が水溶液として生
成される。H+イオンは陽極面での、2H2O→4H++O2反応
で補給される。
(12%溶液)はpHが12程度の強アルカリを示し、殺菌水
として使用するのに必要な200ppm程度の残留塩素濃度に
薄めてもせいぜいpH8程度までしか下がらない。この範
囲のppm値の下では次亜塩素酸ナトリウム水溶液はClO-
の存在比が大幅に増え、このため、前述のようにHClOの
存在比が80〜100%のときにくらべ殺菌力が著しく低下
する。これに対し、本発明では、電解によって陽極室側
が酸性になることを利用して次亜塩素酸ナトリウムを電
解槽の陽極室側の水に添加して電解するので、次亜塩素
酸水溶液のpH値を3〜7程度に下げることができる。す
なわち、pH値がこの範囲に保たれれば次亜塩素酸は水溶
液中にHClOの形で維持され、高い殺菌力の水が得られる
とともに、この場合のHClOはNaClOナトリウムイオンNa+
が陰極側に移動した結果として得られる分子であるか
ら、殺菌水としてのHClO濃度の所望最低保証値は原水量
に対する次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)の添加量から
計算によって容易に求められる。
その残留塩素濃度が100ppmになるように投入して電解す
れば陽極室には次亜塩素濃度が少なくとも100ppm以上に
保証された殺菌水が生成される。
(CaCl)が含まれ、また、添加する次亜塩素酸塩として
次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)水溶液を使用する場合
は同液に食塩(NaCl)が含まれており、それらの塩素イ
オンCl-の存在のため、電解によって生ずる塩素ガス(Cl
2)により若干の次亜塩素酸HClOが別途生成されるが、そ
の量はわずかであり、この場合でも上記計算による濃度
は殺菌水としての効力の最低保証を示す値として利用で
きる。
ない場合は電解材質を塩素過電圧の高い白金等にするこ
とで対処できる。
設定した比率で導入し、陽極室の原水に対し所定量の次
亜塩素酸塩、好ましくは次亜塩素酸ナトリウムを添加す
るとともに、陽極室に生成される次亜塩素酸水溶液のpH
が3〜7になるように電解槽の水を電気分解することか
ら成る。
によって陽極室と陰極室に区画された構成になり、この
電解槽は連続的に水を給排水しながら電解を行う通水式
電解槽でもまた、バツチ式電解槽でもよいが、図のよう
に連続通水式の電解槽を用いる場合は給水路に定流量バ
ルブを設けるとともに、陰極室と陽極室の流量比を弁
1、弁2によって予め設定しておき、陽極室に導入され
る単位時間当りの原水量がわかるようにしておく。この
設定比率は通常、アルカリ水を最少とするように設定す
るが、この場合pH調節する電流が増えるため、酸性水:
アルカリ水=2:1にするのが好ましい。
液を使用し、これを電解槽の陽極室側にだけ添加し、陽
極室の水に一定の割合で混合されるように必要ならば定
流量バルブを介して単位時間当りの流量がわかるように
して投入される。
残留塩素濃度が例えば1〜200ppmの範囲になるように添
加する。
に直流電解電圧を印加し、陽極室の電解水がpH3〜7に
なるように電解する。このpH調整は印加電圧の調整によ
って行われる。すなわち、電極間に調整した電圧を印加
することによって陽極室の電解水をpH3〜7に維持する
ことができる。pHの検知はpH計(図示せず)等で行う。
して陰極室に移動し、陽極室には次亜塩素酸(HClO)が
水溶液として残る。従って、陽極室の電解生成水はpHが
3〜7の次亜塩素酸水となり殺菌性の高い水となる。こ
の場合、水溶液のHClOは電解によりNaClO+H2O→Na++
HClOによって生成されるのでHClOの生成に無駄がなく、
また水中のHClOの量はNaClOの投入量によって決まるこ
とになる。従って、陽極室に生成される次亜塩素酸水溶
液(殺菌水)のHClO濃度は原水供給量に対するNaClOの
投入量から計算によって容易に割り出すことができる。
整されているので殺菌性がきわめて高く、このため残留
塩素濃度が30〜60ppm程度の低濃度でも残留塩素濃度200
ppm、pH8の次亜塩素酸ナトリウム水溶液と同程度の殺菌
効果のある殺菌水として供し得る。
用する場合について述べたが、その他の次亜塩素酸塩、
例えば、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素カリウム等を
用いることももちろん可能である。
H+と結合してHClOの形で水溶液中に残存するので無駄が
なく、殺菌水の生産効率が良い。加えて、この次亜塩素
酸水溶液は最も殺菌力の強いpH3〜7の範囲にあるので
低濃度で高い殺菌力が得られる。ちなみに、本発明の方
法によって得られる殺菌水は残留塩素が30〜60ppmの低
濃度のものでも、残留塩素濃度200ppm程度でpH8.5程度
の次亜塩素酸ナトリウム水と同程度の殺菌効果が得られ
る。
で、原水の供給量とこれに対するNaClOの添加量から次
亜塩素酸水の残留塩素濃度の所望最低保証値を計算によ
って簡単に知ることができる。従って、高価な濃度計が
不要になり、経済的である。
しては、食器、食品等の被消毒対象物に直接散布した
り、食品の調理水として直接使用する等、種々の使用方
法があり、次亜塩素酸ナトリウムによって得られる本発
明の殺菌水の場合は食品衛生上等の面からも特に殺菌水
としての使用方法において何ら問題はない。
略図、第2図は次亜塩素酸水溶液の残留遊離塩素存在比
と溶液のpHの関係を示すグラフであり、第2図は1989年
6月10日技報堂出版株式会社発行、「浄水の技術」(1
版4刷)による。
Claims (3)
- 【請求項1】電解槽の陰極室と陽極室に原水を導入し、
陽極室の原水に対し所定量の次亜塩素酸塩を添加すると
ともに、陽極室に生成される次亜塩素酸水溶液のpHがほ
ぼ3〜7になるように電解槽の水を電気分解することを
特徴とする次亜塩素酸含有殺菌水の製造方法。 - 【請求項2】陽極室の水に対し、次亜塩素酸塩を残留塩
素濃度が1〜200ppmの範囲になるように所定量添加する
ことを特徴とする請求項(1)記載の次亜塩素酸含有殺
菌水の製造方法。 - 【請求項3】次亜塩素酸塩が次亜塩素酸ナトリウムであ
ることを特徴とする請求項(1)または(2)記載の次
亜塩素酸含有殺菌水の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP5552890A JPH0673675B2 (ja) | 1990-03-07 | 1990-03-07 | 電解による次亜塩素酸含有殺菌水の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP5552890A JPH0673675B2 (ja) | 1990-03-07 | 1990-03-07 | 電解による次亜塩素酸含有殺菌水の製造方法 |
Publications (2)
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JPH03258392A JPH03258392A (ja) | 1991-11-18 |
JPH0673675B2 true JPH0673675B2 (ja) | 1994-09-21 |
Family
ID=13001230
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5552890A Expired - Lifetime JPH0673675B2 (ja) | 1990-03-07 | 1990-03-07 | 電解による次亜塩素酸含有殺菌水の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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- 1990-03-07 JP JP5552890A patent/JPH0673675B2/ja not_active Expired - Lifetime
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