JP4369530B2 - 歯科用殺菌水及びその生成方法並びにその生成装置 - Google Patents

歯科用殺菌水及びその生成方法並びにその生成装置 Download PDF

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Description

本発明は、歯周病原菌又はう蝕病原菌を殺菌することを用途とした歯科用殺菌水及びその生成方法並びにその生成装置に関する。
口腔内に検出される菌を原因とした細菌感染症としては、主としてミュータンスレンサ球菌を原因菌としたう蝕と、歯周病原菌を原因菌とした歯肉炎や歯周病がよく知られている。
う蝕は、ミュータンスレンサ球菌がショ糖(スクロース)を発酵させて乳酸等の有機酸を生成し、かかる有機酸が歯のエナメル質を溶かすことによって歯の脱灰が進行する疾患である。ミュータンスレンサ球菌(mutans streptococci)は現在7菌種に分類されており、ヒトの口腔からは、主としてストレプトコッカス・ミュータンス(S.mutans, Streptococcus mutans)とストレプトコッカス・ソブリナス(S. sobrinus, Streptococcus sobrinus) の2菌種が検出される。
一方、歯肉炎は、歯と歯肉との間にある歯肉溝に付着したプラークが原因で起こる疾患であり、歯周病は、この歯肉炎が進行して歯と歯肉との間に歯周ポケットと呼ばれる深い溝が形成される疾患である。歯周病原菌は、血液を介して体内のいたるところに運ばれるため、菌血症、心筋梗塞、狭心症、細菌性心内膜炎、動脈硬化、高血圧症、肺炎、敗血症といったさまざま病気を発症させる原因になるのみならず、糖尿病の病状を悪化させ、あるいは早産や未熟児(低体重児)出産の原因ともなることが最近になって解明されつつある。
歯周病の病原菌としては、主として嫌気性のグラム陰性桿菌とスピロヘータが知られているが、具体的には、グラム陰性短桿菌であるポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis、以下、P.gingivalis)、同じくグラム陰性短桿菌であるアクチノバシラス・アクチノミセテムコミタンス(Actinobacillus actinomycetemcomitans、以下、A.actinomycetemcomitans)、プレボテラ・インターメディア(Prevotella intermedia)、タネレラ・フォーサイセンシス、グラム陰性短桿菌であるエイケネラ・コローデンス(Eikenella corrodens)、グラム陰性菌であるカンピロバクター・レクタス(Campylobacter rectus)、スピロヘータ(ラセン菌)であるトレポネーマ・デンティコーラ(Treponema denticola、以下、T.denticola)が含まれる。
このようなう蝕や歯周病の治療法には多くの方法があるが、いずれも根本的な治療方法を見い出せていないのが現状である。例えば、歯周病治療としてオゾン治療が知られているが、オゾン自体が不安定であるため、嫌気性病原菌であって歯周ポケットの奥深くに棲息する歯周病原菌を死滅させることができるかは不明である。また、抗生剤による治療は、耐性菌の出現というリスクがあり、根本的な歯周病治療としては万全ではない。
また、3DSというう蝕治療法が知られているが、患者それぞれの歯列に合ったトレーを作成しなければならない、除菌に使う薬剤の関係上、除菌操作一回あたり、5分程度の時間を要する、除菌操作自体を何度か繰り返さねばならないといった理由により、治療側及び患者側とも時間的負担が大きく、治療の手順も煩雑でコストもかかる。
次亜塩素酸ナトリウム(NaClO、次亜塩素酸ソーダ)の殺菌性については従来から広く知られているとともに、加水分解で生成される次亜塩素酸(HClO)がその殺菌成分であることも周知である。
いわゆる有効塩素(遊離残留塩素)は、pHによってその形態を大きく変化させることはよく知られており、殺菌力の強い次亜塩素酸は、pH7を越えると、存在比率が急激に低下し、殺菌力の弱い次亜塩素酸イオン(ClO)に形態を変化させてしまうと考えられており、強酸性側での塩素ガス発生を防止することとも併せて、殺菌水のpHは、次亜塩素酸の存在比率が高いpH3〜7に設定されていた(特許文献1〜9)。
一方、このような従来の殺菌水は、果実・野菜の消毒、食品の製造ラインの殺菌消毒、浴室等の消毒、プール水の消毒、漂白剤、下水処理後の排水の消毒等を用途とされていることもあって、有効塩素濃度はほとんどが数十ppmにとどまっている。
しかし、この程度の有効塩素濃度では、たとえ次亜塩素酸の存在比が高いといえども、細菌を死滅させる、すなわち細菌の表面に存在する細胞壁を透過して細菌体内に含まれるタンパク質を変成させることはできない。
かかる状況下、本出願人は、細菌を死滅させることが可能な高濃度の次亜塩素酸を殺菌成分とする歯周病治療用の殺菌水を開発し、歯周病原菌を死滅し得ることを臨床試験で確認した(特許文献10)。
上記発明は、水道水を逆浸透膜に通し、その通過水に塩化ナトリウムのみを添加して電気分解することを特徴としており、かかる発明によれば、空気中に存在する二酸化炭素が溶媒に溶け込んで弱酸性となるため、塩酸や酢酸といった酸をわざわざ添加する必要がないという作用効果も奏するものであり、有効塩素濃度が数百ppm程度であっても、無味無臭の殺菌水を生成することができる。
特開平3−258392 特開平4−131184 特開平4−94788 特開平6−312189 特開平8−323365 特開平9−262587 特開平10−76270 特開平10−24294 特開2005−342702 国際公開2007−72697
しかしながら、かかる発明を用いても、バイオフィルムについては、別の手段で物理的に破壊しなければならないという問題を生じていた。
すなわち、病原菌は、それらのほとんどが浮遊菌としてではなく、自らが産生した菌体外多糖からなるバイオフィルムで保護されながら、また、該バイオフィルムで人体内の生体防御機構や抗生剤を遮断しつつ、緩やかに増殖を続ける。
そのため、高濃度の次亜塩素酸だけでは、バイオフィルム内の病原菌を死滅させることができない。これがいわゆるバイオフィルム感染症であり、抗生剤投与による治療を困難にする原因ともなっている。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、脱灰を防止可能で、かつ殺菌作用のみならずバイオフィルムを破壊する作用をも併せ持つ歯科用殺菌水及びその生成方法並びにその生成装置を提供することを目的とする。
本発明に係る歯科用殺菌水は請求項1に記載したように、有効塩素濃度が50〜700ppm、pHが6.3〜8であって、次亜塩素酸及び炭酸水素ナトリウムを含んでなり、歯周病原菌又はう蝕病原菌を殺菌することで歯科疾患を治療又は予防できるようになっているものである。
また、本発明に係る歯科用殺菌水は、有効塩素濃度を、前記50〜700ppmに代えて、201〜700ppmとするとともに、歯科疾患の治療を用途としたものである。
また、本発明に係る歯科用殺菌水は、有効塩素濃度を、前記201〜700ppmに代えて、400〜700ppmとしたものである。
また、本発明に係る歯科用殺菌水は、有効塩素濃度を、前記201〜700ppmに代えて、500〜700ppmとしたものである。
また、本発明に係る歯科用殺菌水は、有効塩素濃度を、前記50〜700ppmに代えて、50〜300ppmとするとともに、歯科疾患の予防を用途としたものである。
また、本発明に係る歯科用殺菌水は、pHを、前記6.3〜8に代えて、7〜8としたものである。
また、本発明に係る歯科用殺菌水の生成方法は請求項7に記載したように、塩化ナトリウム及び二酸化炭素が添加された水溶液を作製して原液とする工程と、該原液を、有効塩素濃度が50〜700ppm、pHが6.3〜8となるように、かつ次亜塩素酸及び炭酸水素ナトリウムが生成されるように電気分解する工程とを含んでなり、歯周病原菌又はう蝕病原菌を殺菌することで歯科疾患を治療又は予防できるようになっているものである。
また、本発明に係る歯科用殺菌水の生成方法は、前記原液を、水を逆浸透膜に通し、その通過水に塩化ナトリウムを添加し、該塩化ナトリウムの添加工程と同時に又はその前後に炭酸ガスを吹き込み又はドライアイスを添加することによって作製するものである。
また、本発明に係る歯科用殺菌水の生成方法は、前記原液を、純水又は蒸留水に塩化ナトリウムを添加し、該塩化ナトリウムの添加工程と同時に又はその前後に炭酸ガスを吹き込み又はドライアイスを添加することによって作製するものである。
また、本発明に係る歯科用殺菌水の生成方法は、前記原液を、水を逆浸透膜に通し、その通過水に塩化ナトリウムを添加するとともに、前記通過水に接する二酸化炭素分圧を大気中の分圧よりも高くすることによって作製するものである。
また、本発明に係る歯科用殺菌水の生成方法は、前記原液を、純水又は蒸留水に塩化ナトリウムを添加するとともに、前記純水又は前記蒸留水に接する二酸化炭素分圧を大気中の分圧よりも高くすることによって作製するものである。
また、本発明に係る歯科用殺菌水の生成方法は、有効塩素濃度を、前記50〜700ppmに代えて、201〜700ppmとするとともに、歯科疾患の治療を用途としたものである。
また、本発明に係る歯科用殺菌水の生成方法は、有効塩素濃度を、前記201〜700ppmに代えて、400〜700ppmとするものである。
また、本発明に係る歯科用殺菌水の生成方法は、有効塩素濃度を、前記201〜700ppmに代えて、500〜700ppmとするものである。
また、本発明に係る歯科用殺菌水の生成方法は、有効塩素濃度を、前記50〜700ppmに代えて、50〜300ppmとするとともに、歯科疾患の予防を用途としたものである。
また、本発明に係る歯科用殺菌水の生成方法は、pHを、前記6.3〜8に代えて、7〜8としたものである。
また、本発明に係る歯科用殺菌水の原液は請求項20に記載したように、歯周病原菌又はう蝕病原菌を殺菌することで歯科疾患を治療又は予防できるようになっている歯科用殺菌水の原液であって、塩化ナトリウム及び二酸化炭素が添加されてなり、電気分解によって、有効塩素濃度が50〜700ppm、pHが6.3〜8となるように、かつ次亜塩素酸及び炭酸水素ナトリウムが生成されるようになっているものである。
また、本発明に係る歯科用殺菌水の原液は、有効塩素濃度を、前記50〜700ppmに代えて、201〜700ppmとするとともに、歯科疾患の治療を用途としたものである。
また、本発明に係る歯科用殺菌水の原液は、有効塩素濃度を、前記201〜700ppmに代えて、400〜700ppmとしたものである。
また、本発明に係る歯科用殺菌水の原液は、有効塩素濃度を、前記201〜700ppmに代えて、500〜700ppmとしたものである。
また、本発明に係る歯科用殺菌水の原液は、有効塩素濃度を、前記50〜700ppmに代えて、50〜300ppmとするとともに、歯科疾患の予防を用途としたものである。
また、本発明に係る歯科用殺菌水の原液は、pHを、前記6.3〜8に代えて、7〜8としたものである。
また、本発明に係る歯科用殺菌水の生成装置は請求項26に記載したように、歯周病原菌又はう蝕病原菌を殺菌することで歯科疾患を治療又は予防できるようになっている歯科用殺菌水を生成する装置であって、塩化ナトリウム及び二酸化炭素が添加された原液を貯留する原液タンクと、該原液タンクに連通接続され前記原液を電気分解する電解槽とを備え、該電解槽は、前記原液を、有効塩素濃度が50〜700ppm、pHが6.3〜8となるように電気分解することで、所定濃度の次亜塩素酸及び炭酸水素ナトリウムを生成させるようになっているものである。
また、本発明に係る歯科用殺菌水の生成装置は、前記50〜700ppmに代えて、201〜700ppmとするとともに、歯科疾患の治療を用途としたものである。
また、本発明に係る歯科用殺菌水の生成装置は、有効塩素濃度を、前記201〜700ppmに代えて、400〜700ppmとするものである。
また、本発明に係る歯科用殺菌水の生成装置は、有効塩素濃度を、前記201〜700ppmに代えて、500〜700ppmとするものである。
また、本発明に係る歯科用殺菌水の生成装置は、有効塩素濃度を、前記50〜700ppmに代えて、50〜300ppmとするとともに、歯科疾患の予防を用途としたものである。
また、本発明に係る歯科用殺菌水の生成装置は、pHを、前記6.3〜8に代えて、7〜8としたものである。
従来技術の説明で述べたように、本出願人は、歯周病用の殺菌水を開発するにあたり、当初、井戸水や水道水に自然に溶け込んでいる二酸化炭素を利用して高濃度の次亜塩素酸(HClO)を含む殺菌水の生成に成功するとともに、歯周病原菌を死滅し得ることを臨床試験で確認した。
しかしながら、上述したように、高濃度の次亜塩素酸を生成することができたとしても、バイオフィルムを破壊することができなければ、殺菌水を細菌に接触させることができないため、バイオフィルムを破壊する手段が別途必要になる。
実際、歯周病治療の臨床現場においては、超音波スケーラーやレーザーでバイオフィルムを物理的に破壊し、う蝕治療の臨床現場においては、炭酸水素ナトリウムの微粉末と水とを圧縮空気で歯の表面に吹き付ける歯面清掃方法で歯の表面に形成されているバイオフィルムを物理的に除去しなければならなかった。
そこで、本出願人は、バイオフィルムの破壊についてさらに研究を進めた結果、塩化ナトリウム(NaCl)及び二酸化炭素が添加された水溶液を原液とし、かかる原液を、有効塩素濃度が201〜700ppm、pHが6.3〜8となるように電気分解して殺菌水を作製すれば、次亜塩素酸(HClO)のみならず、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)も高濃度であらたに生成させ含有させることができるという新たな知見を得るとともに、試験を行った結果、細胞壁が非常に厚いために死滅させることが困難と考えられていたう蝕病原菌であっても、かつ口腔内に棲息している環境、すなわちバイオフィルムで守られている環境下であっても、上記殺菌水を含嗽するだけで数秒〜数十秒程度以内に死滅させることが可能であり、歯周病原菌であれば、歯周ポケット内に注入するだけでやはり数秒〜数十秒程度以内に死滅させることができることを確認した。
これは、高濃度の炭酸水素ナトリウムがバイオフィルムを破壊し、その破壊されたバイオフィルム内の細菌を高濃度次亜塩素酸で死滅させるという、炭酸水素ナトリウムと次亜塩素酸との協働作用によって病原菌を完全殺菌することができることを意味するものであり、歯科分野のみならず、医学分野全体においても画期的な発明と言える。
一方、炭酸水素ナトリウムがバイオフィルムを破壊するため、有効塩素濃度が201ppm未満であっても、歯周ポケットを除く口腔内部位、例えば歯冠表面や歯根の浅い部分の表面については、次亜塩素酸の濃度低下を招く有機物が比較的少ないため、上記部位に棲息する歯周病原菌又はう蝕病原菌を十分に殺菌し得ることもわかった。
また、本発明に係る歯科用殺菌水は、歯科疾患の治療だけではなく、予防にも用いることが可能であり、特に有効塩素濃度が50〜300ppmとなるようにすれば、患者自らが日常的に使用する際にも十分な安全性が確保されることとなり、在宅使用が可能となる。
歯科疾患とは、歯周病原菌又はう蝕病原菌を原因とした疾患であって、歯周病原菌を原因菌とする歯周病と、う蝕病原菌を原因菌とするう蝕がその代表的な歯科疾患であるが、歯周病原菌又はう蝕病原菌を原因とする限り、かかる疾患には限定されない。
有効塩素濃度が201〜700ppm、pHが6.3〜8となるように電気分解するためには、塩化ナトリウムを例えば2〜5質量%添加するとともに、二酸化炭素についても、大気中に存在する二酸化炭素(380ppm、日本の大気中二酸化炭素の年平均濃度、「理科年表(第2版環境編)」から抜粋)による分圧で自然に溶け込む程度の量では全く足りず、強制溶解によって二酸化炭素の溶解度を高める必要がある。
すなわち、本明細書において二酸化炭素の強制溶解とは、二酸化炭素の溶解度を、自然に溶解し得る濃度(大気中に存在する二酸化炭素の分圧下における溶解度)よりも高くすることを意味するものとする。ここで、二酸化炭素を強制溶解させる具体的な方法としては、原液を、下記(a)〜(d)のいずれかの方法で作製すればよいが、いずれの方法においても、塩酸、酢酸その他炭酸を除く酸は一切添加しない。したがって、原液組成条件は、塩化ナトリウムの添加量が主たるパラメータとなる。
(a)水を逆浸透膜に通し、その通過水に塩化ナトリウムを添加し、該塩化ナトリウムの添加工程と同時に又はその前後に炭酸ガスを吹き込み、又はドライアイスを添加する。
(b)純水又は蒸留水に塩化ナトリウムを添加し、該塩化ナトリウムの添加工程と同時に又はその前後に炭酸ガスを吹き込み、又はドライアイスを添加する。
(c)水を逆浸透膜に通し、その通過水に塩化ナトリウムを添加するとともに、通過水に接する二酸化炭素分圧を大気中の分圧よりも高くする。
(d)純水又は蒸留水に塩化ナトリウムを添加するとともに、純水又は蒸留水に接する二酸化炭素分圧を大気中の分圧よりも高くする。
ここで、(a)及び(c)において原液の構成要素である水は、井戸水、水道水などを使用することが可能であり、あえて純水を使用する必要はない。但し、電解槽の電極損傷や電極反応の低下を未然に防止するためには、カルシウムイオン、マグネシウムイオンなどを含まない純水を使用した方がよいことは言うまでもない。
本発明に係る殺菌水を用いて歯周病原菌又はう蝕病原菌を殺菌するには、う蝕病原菌であれば、殺菌水を口腔内に含んで数秒〜数十秒間、含嗽し、歯周病原菌であれば、歯周ポケット内に殺菌水を注入する。
このようにすると、上記殺菌水は、バイオフィルムを破壊しながら、また、周囲に存在する有機物や他の菌体の酸化によって殺菌力を徐々に失いつつも、歯周病原菌又はう蝕病原菌を短時間にかつ確実に殺菌する。
ここで、pHを6.3〜8としたのは、pH6.3以下では歯の脱灰の懸念があり、さらにpH6未満では、H2CO3、HCO3 -及びCO3 2-の濃度分率におけるHCO3 -の存在比率が低くなって、バイオフィルムを破壊できるだけの炭酸水素ナトリウムを生成させることが困難になり、pH8を上回ると、Cl2、HClO及びClO-の濃度分率におけるHClOの存在比率が低下して、細菌、特にう蝕病原菌を殺菌することができるだけの高濃度の次亜塩素酸を生成させることが困難になるからである。
また、pHを望ましくは7以上としたのは、う蝕病原菌によって産生される乳酸を中和し、口腔内が酸性化するのを防止できるからである。
また、有効塩素濃度を50ppm以上としたのは、歯冠表面や歯根の浅い部分の表面に付着した歯周病原菌又はう蝕病原菌であっても、50ppm未満では殺菌が困難だからである。
また、有効塩素濃度を201ppm以上としたのは、200ppm以下の濃度では、歯周ポケットの奥深くに棲息する歯周病原菌又はう蝕病原菌を殺菌することができないためである。またそれに加えて、下記(i)〜(iii)の条件を達成することが困難だからである。
(i)一般的に口腔内細菌は、浮遊状態で存在する割合よりもバイオフィルムを形成してその内部に棲息している割合が圧倒的に大きく、かかるバイオフィルム内の細菌を死滅させるには、その周囲に存在するさまざまな有機物や他の菌体を酸化しても、なお十分な殺菌力を保持していることが必要であり、歯冠表面や歯根の浅い部分の表面に付着している場合を除き、数十ppm程度の次亜塩素酸では殺菌力が低すぎる。
(ii)長時間、例えば60秒以上かけて殺菌を行うことは、数十万の口腔内細菌を体内(血管内)に送り込んで菌血症を招き全身疾患を誘発する懸念があるため、30秒以内、できれば10秒以内に死滅させなければならない。
(iii)バイオフィルム内には300〜400種の口腔内細菌が一定の均衡を維持しながら寄生的に繁殖して細菌叢(そう)を形成しているが、これがなんらかの原因で他の菌と置換されたり、少数の菌が異常に増えたりすると、菌交代現象とよばれる細菌叢の変化が生じる。すなわち、一部のう蝕病原菌や歯周病原菌が殺菌されずに生き残ると、菌交代現象が発生し、残った細菌が急激に増殖する。このような事態を防止するためには、バイオフィルム内に棲息する細菌を全て死滅させなければならない。
また、望ましくは500ppm以上としたのは、pH8近傍において次亜塩素酸の存在比率が低いとしても、歯周病原菌又はう蝕病原菌を殺菌あるいは溶菌できるだけの次亜塩素酸の濃度を十分に確保することができるからである。
一方、700ppm以下としたのは、700ppmを上回る濃度は、殺菌や上記(i)〜(iii)の達成には不必要な濃度だからである。
ここで、有効塩素濃度を300〜700ppmにした場合、歯周病原菌又はう蝕病原菌を30秒程度以内に殺菌ないしは溶菌することができる。また、有効塩素濃度を400〜700ppmにした場合には10秒程度以内に殺菌あるいは溶菌することができる。
本実施形態に係る歯科治療用殺菌水の生成装置を示した概略図。 次亜塩素酸の存在比を示したグラフ。 変形例に係る歯科治療用殺菌水の生成装置を示した概略図。
符号の説明
51 歯科治療用殺菌水の生成装置
52 原液
3 原液タンク
5 電解槽
6 吐出管
57 希釈水
8 希釈水タンク
11 脱気モジュール
14 3次生成水タンク
以下、本発明に係る歯科用殺菌水及びその生成方法並びにその生成装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態に係る歯科用殺菌水としての歯科治療用殺菌水は、次亜塩素酸(HClO)及び炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)を含み、有効塩素濃度を201〜700ppm、望ましくは400〜700ppm、さらに望ましくは500〜700ppmとするとともに、pHを6.3以上8以下、望ましくは7以上8以下とし、歯周病原菌又はう蝕病原菌を殺菌することで、歯周病やう蝕などの歯科疾患を治療できるようになっているものである。
本実施形態に係る歯科治療用殺菌水の生成装置を図1に示す。
同図でわかるように、本実施形態に係る歯科治療用殺菌水の生成装置51は、原液52を貯留する原液タンク3と、該原液タンクに連通接続されたストロークポンプ4と、該ストロークポンプに連通接続された電解槽5と、該電解槽に連通接続された吐出管6と、希釈水57が貯留された希釈水タンク8とを備えるとともに、吐出管6の先端が希釈水タンク8に貯留された希釈水57の水位以下となるように、吐出管6の先端位置に対する希釈水タンク8の設置位置を相対的に位置決めしてある。
原液52は、後述するいずれかの方法で作製するが、いずれの方法においても、塩酸、酢酸その他炭酸を除く酸は一切添加されていない。
希釈水57は、井戸水、水道水、純水その他任意の水を使用することができるが、生成される殺菌水のpHが上述した範囲になるようにpHを適宜選択する。
本実施形態に係る生成装置51はさらに、1次生成水が希釈水タンク8内において希釈水57で希釈されてなる2次生成水60に注水側が連通された脱気モジュール11を備えており、該脱気モジュールは、真空ポンプ12による減圧によって2次生成水60の溶存酸素を除去するようになっているとともに、2次生成水60から溶存酸素が除去された3次生成水を殺菌水63として貯留する3次生成水タンク14を備えている。
なお、生成装置51に用いるチューブ類あるいは必要に応じて適宜設ける電磁弁は、高濃度の次亜塩素酸による酸化で劣化のおそれがあるため、フッ素で形成するのが望ましい。
本実施形態に係る歯科治療用殺菌水の生成装置51を用いて歯科治療用殺菌水63を生成するには、3次生成水の有効塩素濃度が201〜700ppm、望ましくは400〜700ppm、さらに望ましくは500〜700ppmであり、かつpHが6.3〜8、望ましくは7〜8となるように、原液52の組成条件(主として塩化ナトリウムの添加量)、電気分解時の動作条件(例えば電圧値や電流値)及び希釈条件(希釈倍率や希釈水のpH)を定めるとともに、配合された原液52を原液タンク3に貯留する。
塩化ナトリウムは例えば2〜5質量%添加する。
二酸化炭素の溶解度を高めるためには、逆浸透膜に通された通過水、純水又は蒸留水を溶媒とし、該溶媒中に二酸化炭素を強制的に混入させることで二酸化炭素の溶解度を一時的に高める方法と、溶媒に接している二酸化炭素の分圧を上げる方法と、溶媒の温度を下げる方法とが考えられるが、電解時に生じる熱によって水温が上昇することを考えた場合、二酸化炭素を強制的に混入させる方法か、二酸化炭素の分圧を上げる方法のいずれかを選択するのが望ましい。
二酸化炭素の溶解度を一時的に高める方法としては、炭酸ガスの吹込みによる方法か、ドライアイスの添加による方法のいずれかにさらに分類することができる。ここで、一時的とは、溶媒に接している二酸化炭素の分圧が大気中に存在する二酸化炭素の分圧と等しいため、換言すれば、二酸化炭素の混入を大気圧下で行うため、一時的に強制圧入したとしても、空気に含まれる二酸化炭素の分圧との圧力平衡により、時間が経過するにしたがって、二酸化炭素の溶解度が減少する場合を指す。この場合、二酸化炭素の溶解度が低下しないうちに、速やかに電解処理を行う必要がある。
二酸化炭素の分圧を上げることで二酸化炭素の溶解度を高める方法としては、逆浸透膜を通過した通過水、純水又は蒸留水を溶媒として該溶媒を気密タンクに封入し、その気中空間に二酸化炭素を圧入するか、気密タンク内の溶媒に炭酸ガスを吹き込み若しくは溶媒にドライアイスを添加する方法を採用することができる。
この場合、所定の二酸化炭素分圧で二酸化炭素を溶媒に溶かすとともに、その分圧を維持したまま、原液52を電解槽5に送り込んで電気分解を行う必要があるため、二酸化炭素の分圧が低下しないよう、原液タンク3、ストロークポンプ4及び電解槽5を全体として気密に構成すればよい。
以上まとめると、二酸化炭素の強制溶解は、以下に示す方法のいずれかを選択して作製する。
(a-1) 水道水を逆浸透膜に通し、その通過水に塩化ナトリウムを添加するとともに、該塩化ナトリウムの添加工程と同時又はその前後に炭酸ガスを吹き込むことで、二酸化炭素を通過水に強制的に溶解させる。
(a-2) 水道水を逆浸透膜に通し、その通過水に塩化ナトリウムを添加するとともに、該塩化ナトリウムの添加工程と同時又はその前後にドライアイスを添加することで、二酸化炭素を通過水に強制的に溶解させる。
(b-1) 純水又は蒸留水に塩化ナトリウムを添加するとともに、該塩化ナトリウムの添加工程と同時又はその前後に炭酸ガスを吹き込むことで、二酸化炭素を強制的に溶解させる。
(b-2) 純水又は蒸留水に塩化ナトリウムを添加するとともに、該塩化ナトリウムの添加工程と同時又はその前後にドライアイスを添加することで、二酸化炭素を強制的に溶解させる。
(c) 水を逆浸透膜に通し、その通過水に塩化ナトリウムを添加するとともに、通過水に接する二酸化炭素分圧を大気中の分圧よりも高くすることによって、大気中の二酸化炭素分圧での溶解度よりも高い溶解度で二酸化炭素を通過水に溶解させる。
(d) 純水又は蒸留水に塩化ナトリウムを添加するとともに、純水又は蒸留水に接する二酸化炭素分圧を大気中の分圧よりも高くすることによって、大気中の二酸化炭素分圧での溶解度よりも高い溶解度で二酸化炭素を通過水に溶解させる。
逆浸透膜に通す水は、どのような性状のものでもよいが、逆浸透膜やそれを使った浄水器の負担を軽減し、あるいは捨て水の量をなるべく少なくするという意味では、ある程度浄化された水が望ましい。例えば、地下水、水道水又は市販されているミネラルウォータ(市販水)を使用することができる。以下、本実施形態では、逆浸透膜に通す水として水道水を用いるものとする。
水道水を逆浸透膜に通すことで原液52を作製する場合には、逆浸透膜を備えた浄水器が市販されているので、それらから適宜選択し利用すればよい。また、二酸化炭素の分圧が高い環境下で通過水、純水又は蒸留水に二酸化炭素を溶解させる場合には、従来公知の二酸化炭素溶解装置を適宜利用することができる。
原液52を作製したならば、次に、かかる原液52を殺菌水1バッチ分に相当する量だけ計量し原液タンク3に貯留するとともに、同じく殺菌水1バッチ分に相当する量の希釈水57を希釈水タンク8に貯留する。殺菌水1バッチ分に相当する希釈水57の量は、希釈倍率や希釈水のpHに応じて適宜定めればよい。
次に、原液52をストロークポンプ4で電解槽5に送り、定められた動作条件で電解槽5を動作させ、原液52を電気分解する。
次に、電解槽5内で生成された1次生成水を、該電解槽に連通接続された吐出管6を介して、予め希釈水タンク8に貯留された希釈水57内に注入する。
ここで、希釈水タンク8は、吐出管6の先端位置が希釈水タンク8の中に貯留された希釈水57の水位以下となるように、その設置位置を相対的に位置決めしてある。
そのため、1次生成水は、空気(外気)と接触することなく、吐出管6を介して希釈水57内に注入される。また、1次生成水は、予め計量された希釈水57に注入されるいわばバッチ方式で注入されることになるため、従来のような配管内混合とは異なり、1次生成水は、希釈水57に均質に混合される。
次に、2次生成水60を脱気モジュール11に通すことにより、溶存ガス、特に溶存酸素が除去された3次生成水を生成し、これを殺菌水33として3次生成水タンク14に貯留する。
本実施形態に係る歯科治療用殺菌水63を用いて歯周病原菌又はう蝕病原菌を殺菌するには、う蝕病原菌であれば、例えば殺菌水を口腔内に含んで数秒〜数十秒間、含嗽し、歯周病原菌であれば、歯周ポケット内に殺菌水を注入すればよい。
本実施形態に係る歯科治療用殺菌水63を、上述したように例えば含嗽や歯周ポケットへの注入という方法で歯周病原菌又はう蝕病原菌に接触させると、殺菌水63に含まれる炭酸水素ナトリウムがバイオフィルムを破壊する一方、次亜塩素酸は、周囲に存在する有機物や他の菌体の酸化によって殺菌力を徐々に失いつつも、対象となる細菌を短時間にかつ確実に殺菌する。
以上説明したように、本実施形態に係る歯科治療用殺菌水63及びその生成方法並びに生成装置51によれば、塩化ナトリウム及び二酸化炭素が添加された水溶液を原液とし、該原液を、有効塩素濃度が201〜700ppm、望ましくは400〜700ppm、さらに望ましくは500〜700ppm、pHが6.3〜8、望ましくは7〜8となるように電気分解するようにしたので、バイオフィルムを破壊できるだけの高濃度の炭酸水素ナトリウムと、歯周病原菌又はう蝕病原菌を殺菌できるだけの高濃度の次亜塩素酸とを両方生成することが可能となり、従来のように、レーザーや超音波スケーラーといった除去手段を用いてバイオフィルムを予め破壊せずとも、歯周病原菌又はう蝕病原菌を数秒〜数十秒で殺菌あるいは溶菌することができるという画期的な作用効果を奏する。
また、本実施形態に係る殺菌水の生成方法及び生成装置51によれば、二酸化炭素を強制的に溶解させるようにしたので、高濃度の炭酸水素ナトリウムを生成させることができるとともに、それによってバイオフィルムを破壊することができるという作用効果を奏する。もちろん、塩酸や酢酸といった酸をわざわざ添加する必要がないので、無味無臭の殺菌水を生成することが可能であり、例えば有効塩素濃度が500ppm〜700ppmであっても、患者に何ら不快感を与えることなく、かつ数秒〜数十秒程度という短時間で歯周病原菌又はう蝕病原菌を完全殺菌しあるいは溶菌することができるという作用効果を奏する。
図2は、従来知られていた有効塩素の存在比を示したグラフである(「浄水の技術」、技報堂出版株式会社発行から抜粋)。同図でわかるように、従来においては、次亜塩素酸の存在比はpH7以上で急激に低下し、pH8では存在比が20%になるものと考えられていた。
しかしながら、本出願人が臨床試験を行ったところ(詳細については後述)、pH6〜8の範囲でう蝕病原菌を死滅させることが可能であるという結果を得た。う蝕病原菌については上述したように、その細胞壁を透過させて内部のタンパク質を変成させる、いわゆる溶菌は、歯科分野では、次亜塩素酸であっても難しいと考えられており、ましてや次亜塩素酸イオン(ClO-)ではう蝕病原菌の細胞壁を破壊することなど到底不可能であると認識されている。
本実施形態に係る歯科治療用殺菌水63によれば、従来全く注目されてこなかったpH7〜8の範囲において次亜塩素酸が十分な殺菌力をもって細菌を死滅させることができるとともに、かかるpH領域において存在比率が高い炭酸水素ナトリウムのバイオフィルム破壊作用との相乗効果で、バイオフィルムを予め除去せずとも、該バイオフィルム内の細菌を死滅させることができるという産業上顕著な効果を奏するものである。加えて、上記殺菌水による細菌の死滅は、細胞壁を壊して内部のタンパク質を変成させる、いわゆる溶菌の状態に至らしめるものであって、耐性菌が出現するリスクもない。
また、本実施形態に係る歯科治療用殺菌水の生成装置51によれば、吐出管6の先端位置が希釈水タンク8の中に貯留された希釈水57の水位以下となるように、希釈水タンク8の設置位置を相対的に位置決めしたので、1次生成水は、空気(外気)と非接触の状態で希釈水57内に注入されることとなり、かくして、原液52の配合比率や電解槽5の動作条件が設計値と異なり、それが原因で万一、塩素ガスが発生したとしても、該塩素ガスは、pH環境が中性に近い希釈水57の中でその形態が次亜塩素酸に変化するとともに、塩素ガスとして気中に揮散する懸念もなくなる。
また、電解槽5内で生成された1次生成水は、予め計量された希釈水57内にバッチ方式で注入されるため、従来のような配管内混合とは違って均質な混合が可能となり、2次生成水60のpH及びそれに含まれる有効塩素濃度を設計値通りに合わせることが可能となる。
また、本実施形態に係る殺菌水の生成方法及び生成装置51によれば、2次生成水60から溶存ガスを除去して3次生成水63を生成し、これを殺菌水としたので、口腔内での発泡現象を未然に防止し、口腔内細菌を体内(血管内)に送り込むという事態を未然に防止することが可能となる。
本実施形態では、2次生成水60中の溶存ガスを脱気モジュール11を用いて除去するようにしたが、2次生成水60中の溶存ガスの濃度が低いために発泡現象が起きる懸念がないのであれば、溶存ガスを除去する工程を省略してもかまわない。かかる場合には、2次生成水60がすなわち殺菌水となる。
図3は、溶存ガスの除去工程を省略する際に用いる生成装置51aを示した図であり、脱気モジュール11、真空ポンプ12及び3次生成水タンク14を生成装置21から省略してある。
また、本実施形態では、殺菌水1バッチ分に対応する量の原液52と希釈水57とを計量し、それぞれを原液タンク3と希釈水タンク8に予め貯留するようにしたが、これに代えて、殺菌水1バッチ分よりも多い量、例えば数バッチ分に対応する量の原液52を原液タンク3に予め貯留しておくのであれば、殺菌水1バッチ分に対応する原液52の量をそのつど計量するための水位計測手段を備えるようにすればよい。かかる水位計測手段は、例えば超音波センサや電極式センサ等で適宜構成することができる。
また、本実施形態では、原液を電気分解した後、これを希釈して殺菌水を生成するようにしたが(後希釈)、これに代えて、原液を希釈し、しかる後、該希釈水を電気分解して殺菌水を得るようにしてもかまわない(前希釈)。なお、かかる変形例の場合においては、希釈水タンク8を省略し、これに代えて、希釈された原液を貯留するための希釈原液タンクを原液タンク3と電解槽5との間に別途備えればよい。
また、本実施形態では、有効塩素濃度を201〜700ppmとしたが、歯周ポケットを除く口腔内部位、例えば歯冠表面や歯根の浅い部分の表面については、次亜塩素酸の濃度低下を招く有機物が比較的少ないため、有効塩素濃度が201ppm未満の場合であっても、上記部位に棲息する歯周病原菌又はう蝕病原菌を十分に殺菌し得る。すなわち、有効塩素濃度が50ppm以上201ppm未満の場合でも、歯科疾患を治療する殺菌水として用いることが可能である。
また、本実施形態では、歯科疾患を治療する歯科治療用殺菌水について説明したが、本発明に係る歯科用殺菌水は、治療用途に限定されるものではなく、歯科疾患を予防する場合にも適用することができる。
特に、有効塩素濃度が50〜300ppmとなるようにすれば、患者自らが日常的に使用する際にも十分な安全性が確保されることとなり、在宅使用も可能となる。
(殺菌水の生成)
まず、逆浸透膜を備えた浄水器に水道水を注水し、次いで、逆浸透膜を通過した水に3質量%の塩化ナトリウムを添加するとともに、ドライアイスを添加して原液とし、次いで、この原液を5倍に希釈した(前希釈)。
次に、希釈した原液を電解槽で電気分解して殺菌水とした。
以上のプロセスで電気分解を行ったところ、pH6.3〜8の範囲内で有効塩素濃度が600〜700ppmの殺菌水を生成することができた。なお、殺菌水中における有効塩素の濃度を測定するにあたっては、200ppmを越える濃度測定が可能な計器や試験紙あるいは試薬がなかったため、二倍希釈を二度繰り返すことで有効塩素濃度を計測した。
また、500ppmの殺菌水の作用効果を確認するためのコントロール(標準試薬)として、同様な手順で40ppmの殺菌水も併せて作製した。
(殺菌水を用いた臨床試験の概要 〜歯周病原菌〜)
歯周病原菌に対する臨床試験を行った。試験を行うにあたっては、上記殺菌水を歯周ポケット内に注入する治療を行い、次いで、唾液に触れないようにして探針を歯周ポケット底部に挿入し、歯根面に付着したプラークを採取し、これをスライドガラスに載せて生理食塩水で懸濁した後、カバーガラスで覆い、これを3600倍の高解像度位相差顕微鏡で観察した。次に、その顕微鏡による観察によって殺菌できたかどうかを調べた。試験結果を表1に示す。
Figure 0004369530
同表でわかるように、本発明に係る殺菌水によれば、すべての患者に対して歯周病原菌を溶菌できていることがわかる。
(殺菌水を用いた臨床試験の概要 〜う蝕病原菌〜)
次に、う蝕病原菌に対する臨床試験を行った。試験を行うにあたっては、上記殺菌水を口腔内に含んで10秒間、含嗽し、その後、唾液を採取して該唾液中のストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)、ストレプトコッカス・ソブリナス(Streptococcus sobrinus)及びラクトバチラス(Lactobacilli)の菌体数(唾液1ml中当たり)を調べた。試験は、株式会社モリタから販売されている「シーエーティー21ファスト」(短時間う蝕活動性試験)を用いた。
20分培養後(37゜C)と24時間培養後(37゜C)の2ケースを行い、菌体数を調べたところ、有効塩素濃度が40ppmである場合においては、20分培養後では102〜103(安全域〜注意域)、24時間培養後では105〜106(危険域)であった。これらの試験結果から、有効塩素濃度が40ppm程度では、う蝕病原菌を十分に殺菌することができないことがわかった。
次に、本発明に係る殺菌水を用いた試験結果を表2に示す。
Figure 0004369530
同表でわかるように、本発明に係る殺菌水を用いた場合、治療後においてすべての患者で安全域となり、う蝕病原菌を溶菌できることがわかった。これは、炭酸水素ナトリウムによるバイオフィルムの破壊作用と次亜塩素酸による殺菌作用とが相乗し、う蝕病原菌を死滅させることができたものと思われる。
(殺菌水の生成に関する実験その2)
1)原液
原液として、以下の4つの試験溶液を準備した。
試験溶液A;
大気圧下かつ室温下で蒸留水にドライアイス5%(w/v)を添加することで、該蒸留水にドライアイスを構成する二酸化炭素を溶解させ(飽和炭酸水)、しかる後、塩化ナトリウムを0.6%(w/v)を溶解させた。
試験溶液B;
試験溶液Aの中間生成物である飽和炭酸水を蒸留水で5倍に希釈し、しかる後、塩化ナトリウムを0.6%(w/v)を溶解させた。
試験溶液C;
試験溶液Aの中間生成物である飽和炭酸水を蒸留水で10倍に希釈し、しかる後、塩化ナトリウムを0.6%(w/v)を溶解させた。
試験溶液D;
大気圧下かつ室温下で蒸留水を大気に曝露することで、該蒸留水に空気中の二酸化炭素を溶解させ、次いで、塩化ナトリウムを0.6%(w/v)を溶解させた。
2)試験方法
無隔膜タイプの電解槽に上記原液を4L投入し、2.8Aの直流電流で電気分解を行った。
3)結果
試験結果を表3に示す。
Figure 0004369530
同表でわかるように、飽和炭酸水を使った試験溶液A〜試験溶液Cでは、pH範囲は、次亜塩素酸及び炭酸水素ナトリウムが十分な濃度で存在し得る6〜8となった。それに対し、空気中の二酸化炭素を自然溶解させた試験溶液Dでは、pHが9.2となった。したがって、空気中の二酸化炭素を自然溶解させる方法では、次亜塩素酸及び炭酸水素ナトリウムの両方を十分な濃度で生成することは困難であろうと思われる。

Claims (31)

  1. 有効塩素濃度が50〜700ppm、pHが6.3〜8であって、次亜塩素酸及び炭酸水素ナトリウムを含んでなり、歯周病原菌又はう蝕病原菌を殺菌することで歯科疾患を治療又は予防できるようになっていることを特徴とする歯科用殺菌水。
  2. 有効塩素濃度を、前記50〜700ppmに代えて、201〜700ppmとするとともに、歯科疾患の治療を用途とした請求項1記載の歯科用殺菌水。
  3. 有効塩素濃度を、前記201〜700ppmに代えて、400〜700ppmとした請求項2記載の歯科用殺菌水。
  4. 有効塩素濃度を、前記201〜700ppmに代えて、500〜700ppmとした請求項2記載の歯科用殺菌水。
  5. 有効塩素濃度を、前記50〜700ppmに代えて、50〜300ppmとするとともに、歯科疾患の予防を用途とした請求項1記載の歯科用殺菌水。
  6. pHを、前記6.3〜8に代えて、7〜8とした請求項1乃至請求項5のいずれか一記載の歯科用殺菌水。
  7. 塩化ナトリウム及び二酸化炭素が添加された水溶液を作製して原液とする工程と、該原液を、有効塩素濃度が50〜700ppm、pHが6.3〜8となるように、かつ次亜塩素酸及び炭酸水素ナトリウムが生成されるように電気分解する工程とを含んでなり、歯周病原菌又はう蝕病原菌を殺菌することで歯科疾患を治療又は予防できるようになっていることを特徴とする歯科用殺菌水の生成方法。
  8. 前記原液を、水を逆浸透膜に通し、その通過水に塩化ナトリウムを添加し、該塩化ナトリウムの添加工程と同時に又はその前後に炭酸ガスを吹き込み又はドライアイスを添加することによって作製する請求項7記載の歯科用殺菌水の生成方法。
  9. 前記原液を、純水又は蒸留水に塩化ナトリウムを添加し、該塩化ナトリウムの添加工程と同時に又はその前後に炭酸ガスを吹き込み又はドライアイスを添加することによって作製する請求項7記載の歯科用殺菌水の生成方法。
  10. 前記原液を、水を逆浸透膜に通し、その通過水に塩化ナトリウムを添加するとともに、前記通過水に接する二酸化炭素分圧を大気中の分圧よりも高くすることによって作製する請求項7記載の歯科用殺菌水の生成方法。
  11. 前記原液を、純水又は蒸留水に塩化ナトリウムを添加するとともに、前記純水又は前記蒸留水に接する二酸化炭素分圧を大気中の分圧よりも高くすることによって作製する請求項7記載の歯科用殺菌水の生成方法。
  12. 有効塩素濃度を、前記50〜700ppmに代えて、201〜700ppmとするとともに、歯科疾患の治療を用途とした請求項7乃至請求項11のいずれか一記載の歯科用殺菌水の生成方法。
  13. 有効塩素濃度を、前記201〜700ppmに代えて、400〜700ppmとする請求項12記載の歯科用殺菌水の生成方法。
  14. 有効塩素濃度を、前記201〜700ppmに代えて、500〜700ppmとする請求項12記載の歯科用殺菌水の生成方法。
  15. 有効塩素濃度を、前記50〜700ppmに代えて、50〜300ppmとするとともに、歯科疾患の予防を用途とした請求項7乃至請求項11のいずれか一記載の歯科用殺菌水の生成方法。
  16. pHを、前記6.3〜8に代えて、7〜8とした請求項7乃至請求項11のいずれか一記載の歯科用殺菌水の生成方法。
  17. pHを、前記6.3〜8に代えて、7〜8とした請求項12記載の歯科用殺菌水の生成方法。
  18. pHを、前記6.3〜8に代えて、7〜8とした請求項13記載の歯科用殺菌水の生成方法。
  19. pHを、前記6.3〜8に代えて、7〜8とした請求項14記載の歯科用殺菌水の生成方法。
  20. 歯周病原菌又はう蝕病原菌を殺菌することで歯科疾患を治療又は予防できるようになっている歯科用殺菌水の原液であって、塩化ナトリウム及び二酸化炭素が添加されてなり、電気分解によって、有効塩素濃度が50〜700ppm、pHが6.3〜8となるように、かつ次亜塩素酸及び炭酸水素ナトリウムが生成されるようになっていることを特徴とする歯科用殺菌水の原液。
  21. 有効塩素濃度を、前記50〜700ppmに代えて、201〜700ppmとするとともに、歯科疾患の治療を用途とした請求項20記載の歯科用殺菌水の原液。
  22. 有効塩素濃度を、前記201〜700ppmに代えて、400〜700ppmとした請求項21記載の歯科用殺菌水の原液。
  23. 有効塩素濃度を、前記201〜700ppmに代えて、500〜700ppmとした請求項21記載の歯科用殺菌水の原液。
  24. 有効塩素濃度を、前記50〜700ppmに代えて、50〜300ppmとするとともに、歯科疾患の予防を用途とした請求項20記載の歯科用殺菌水の原液。
  25. pHを、前記6.3〜8に代えて、7〜8とした請求項20乃至請求項24のいずれか一記載の歯科用殺菌水の原液。
  26. 歯周病原菌又はう蝕病原菌を殺菌することで歯科疾患を治療又は予防できるようになっている歯科用殺菌水を生成する装置であって、塩化ナトリウム及び二酸化炭素が添加された原液を貯留する原液タンクと、該原液タンクに連通接続され前記原液を電気分解する電解槽とを備え、該電解槽は、前記原液を、有効塩素濃度が50〜700ppm、pHが6.3〜8となるように電気分解することで、所定濃度の次亜塩素酸及び炭酸水素ナトリウムを生成させるようになっていることを特徴とする歯科用殺菌水の生成装置。
  27. 有効塩素濃度を、前記50〜700ppmに代えて、201〜700ppmとするとともに、歯科疾患の治療を用途とした請求項26記載の歯科用殺菌水の生成装置。
  28. 有効塩素濃度を、前記201〜700ppmに代えて、400〜700ppmとする請求項27記載の歯科用殺菌水の生成装置。
  29. 有効塩素濃度を、前記201〜700ppmに代えて、500〜700ppmとする請求項27記載の歯科用殺菌水の生成装置。
  30. 有効塩素濃度を、前記50〜700ppmに代えて、50〜300ppmとするとともに、歯科疾患の予防を用途とした請求項26記載の歯科用殺菌水の生成装置。
  31. pHを、前記6.3〜8に代えて、7〜8とした請求項26乃至請求項30のいずれか一記載の歯科用殺菌水の生成装置。
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