JPH0673365A - 高接着性接着剤組成物 - Google Patents

高接着性接着剤組成物

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JPH0673365A
JPH0673365A JP14230493A JP14230493A JPH0673365A JP H0673365 A JPH0673365 A JP H0673365A JP 14230493 A JP14230493 A JP 14230493A JP 14230493 A JP14230493 A JP 14230493A JP H0673365 A JPH0673365 A JP H0673365A
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JP
Japan
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ionomer
adhesive
composition according
urethane
aqueous dispersion
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Pending
Application number
JP14230493A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuichi Tsubouchi
裕一 坪内
Shigemasa Akeki
繁正 明木
Junzo Makino
純三 牧野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Cemedine Co Ltd
Original Assignee
Cemedine Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 環境上の問題がなく、架橋樹脂発泡体と表皮
材、又は基材との広範囲の条件における接着性及び成形
性が優れ、良好なポットライフと作業性を有する高接着
性接着剤組成物を得、かつこの接着剤を用いて効率よく
積層体を製造する。 【構成】 アイオノマー組成物と該アイオノマー組成物
を架橋せしめる架橋剤とから高接着性接着剤組成物を構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アイオノマー組成物と
該アイオノマー組成物を架橋せしめる架橋剤とからなる
高接着性接着剤組成物及びプライマー組成物さらにその
接着剤組成物を用いた接着方法、また水性アイオノマー
組成物と水性架橋剤とからなる水性の架橋型接着剤組成
物及び水性の架橋型プライマー組成物さらにその接着剤
組成物を用いた接着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両内装材、その他家具や建材
等に使用されている緩衝材には架橋ポリオレフイン発泡
体を含む各種発泡体と表皮材及び/又は基材との積層体
で構成されている。このような積層体には、表皮材ある
いは基材と発泡体との接着性、成形性及び感触性等が要
求される。
【0003】従来、前記積層体の接着には溶剤系あるい
は無溶剤系ポリウレタン樹脂系接着剤が主に使用されて
いる。しかし、溶剤系ポリウレタン樹脂系接着剤には多
量の各種有機溶剤が含まれている。このため、引火性や
爆発性及び毒性等の問題があり作業環境、自然環境を汚
染することがある。一方、無溶剤系のポリウレタン樹脂
系接着剤には、硬化剤成分として添加されているポリイ
ソシアネート中のイソシアネートモノマーの蒸発による
毒性等の問題がある。
【0004】また、ポリウレタン樹脂を乳化剤を用いて
水性化した接着剤や、遊離のイソシアネート基を重亜硫
酸塩でブロックすることによって親水化したウレタンプ
レポリマーからなる接着剤も提供されている。しかし、
これらの接着剤では前記特性を満足することができてい
ない。たとえば、15倍程度の低発泡倍率のオレフイン
発泡体に対する接着性や120℃での耐熱接着性が不十
分である。
【0005】また、架橋オレフイン発泡体の未処理面の
接着性を改良するために塗布するプライマーとしては溶
剤系のウレタン樹脂系やポリエステル樹脂系やクロロプ
レンゴム系の組成物が単独であるいはポリイソシアネー
トを添加して使用されている。やはり、多量の各種有機
溶剤が含まれているため引火性や爆発性及び毒性等の問
題があり作業環境、自然環境を汚染することがある。硬
化剤成分として添加されているポリイソシアネート中の
モノマーの蒸発による毒性等の問題もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来技術の問題点を解決すべく発明されたもので、環境上
の問題がなく、架橋樹脂発泡体と表皮材、又は基材との
広範囲の条件における接着性及び成形性が優れ、良好な
ポットライフと作業性を有する高接着性接着剤組成物及
びその接着剤組成物を用いた接着方法を提供することを
目的とする。また、本発明は、環境上の問題がなく、良
好なポットライフと作業性を有するプライマー組成物を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の高接着性接着剤組成物は、アイオノマー組
成物と該アイオノマー組成物を架橋せしめる架橋剤とか
らなるようにしたものである。
【0008】本発明のプライマー組成物は、アイオノマ
ー組成物と該アイオノマー組成物を架橋せしめる架橋剤
とからなるようにしたものである。
【0009】上記アイオノマー組成物はオレフイン系ア
イオノマーとウレタン系アイオノマーとからなるのが好
適である。このアイオノマー組成物の配合割合は、オレ
フィン系アイオノマーの含量が20〜90重量%、ウレ
タン系アイオノマーの含量が80〜10重量%であるの
が好ましく、オレフィン系アイオノマーの含量が30〜
80重量%、ウレタン系アイオノマーの含量が70〜2
0重量%であるのがさらに好ましい。上記アイオノマー
組成物としては、脱溶剤系である水系又は無溶剤系のも
のが好ましい。
【0010】上記オレフィン系アイオノマーとしてはエ
チレン系アイオノマーがある。上記ウレタン系アイオノ
マーとしてはポリエステル系ウレタンアイオノマーがあ
げられる。
【0011】上記アイオノマー組成物は水性アイオノマ
ー組成物が好適である。上記水性アイオノマー組成物が
オレフィン系アイオノマーの水性ディスパージョンとウ
レタン系アイオノマーの水性ディスパージョンとからな
るのが好ましい。
【0012】上記オレフィン系アイオノマーの水性ディ
スパージョンとしてはエチレン系アイオノマーの水性デ
ィスパージョンが用いられる。
【0013】上記ウレタン系アイオノマーの水性ディス
パージョンとしてはポリエステル系ウレタンアイオノマ
ーの水性ディスパージョンが用いられる。
【0014】上記架橋剤としてはエポキシ樹脂又は水性
エポキシ樹脂が好適である。
【0015】本発明の接着方法においては、上記した高
接着性接着剤組成物を用い、被着材の少なくとも一方に
接着剤を塗布し接着するようにしたものである。
【0016】上記接着方法において、塗布した接着剤の
架橋硬化前に被着材を加熱圧着し、架橋硬化処理して接
着するようにする。
【0017】本発明の接着方法により、樹脂発泡体と熱
可塑性樹脂シート又は織物・編物・不織布を接着し表皮
材を製造することができる。
【0018】本発明の接着方法により、樹脂発泡体の一
面に熱可塑性樹脂シート又は織物・編物・不織布を接着
し、当該樹脂発泡体の他面に基材を接着し内装材を製造
することができる。上記樹脂発泡体としてはポリオレフ
ィン系樹脂発泡体が用いられる。
【0019】本発明のプライマー組成物をポリオレフイ
ン系樹脂発泡体に塗布することによってその接着性を改
良することができる。本発明のプライマー組成物は、本
発明の高接着性組成物とほぼ同じ又は全く同じ組成物を
用いることができる。本発明のプライマー組成物は、本
発明の高接着性接着剤組成物とは、塗布量が10〜20
g/cm2 wet と少ないこと、塗布層の焼付けのための処理
温度がより高いこと、粘度が1500cP/20℃未満
とより低いこと等異なる。
【0020】本発明の接着方法を適用するに際し、表皮
材が多孔質であればウエツトラミネーシヨン法も可能で
あるが、通常は熱活性接着法が好ましい。
【0021】本発明で用いられるアイオノマー組成物と
は、イオン性の共重合体をいい、具体的には、ポリオレ
フィン系、ポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエス
テル系、ポリアミド系等を例示することができる。特
に、本発明では、ポリオレフィン系、ポリウレタン系が
好ましい。
【0022】本発明で用いられるオレフイン系アイオノ
マーとしては、エチレンとα、β不飽和カルボン酸共重
合体のカルボキシル基の少なくとも一部が金属陽イオン
及び/又は有機アミンにより中和されたもの、不飽和カ
ルボン酸もしくはその誘導体でグラフト重合されたポリ
エチレンの不飽和カルボン酸のカルボキシル基の少なく
とも一部が金属陽イオン及び/又は有機アミンにより中
和されたもの、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体で
グラフト重合されたポリプロピレンの不飽和カルボン酸
のカルボキシル基の少なくとも一部が金属陽イオン及び
/又は有機アミンにより中和されたもの等の水性デイス
パージヨンや、ポリブタジエン系ポリオールの二重結合
を水素またはハロゲンなどで飽和した鎖状のポリエチレ
ンポリオール、塩素化ポリエチレンポリオールや分岐を
もつ飽和炭化水素ポリオールなどのポリオレフィンポリ
オールとポリイソシアネートを常法に従って溶剤の存在
或いは不存在下で反応させたポリウレタンプレポリマー
をジアミノカルボン酸やカルボン酸ジオール等の塩形成
性の基を有する活性水素化合物と反応させ、カルボキシ
ル基の少なくとも一部を金属陽イオン及び/又は有機ア
ミンにより中和し、水性化する等の公知の方法により製
造されたポリオレフィン系ポリオールを主骨格としたポ
リウレタン水性ディスパージョン等を例示できる。
【0023】上記したポリイソシアネートとしては、ト
リレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシ
アネート、ナフチレンジイソシアネート、1,6−ヘキ
サメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネートなどが例示できる。
【0024】この内で、エチレンとα、β不飽和カルボ
ン酸共重合体のカルボキシル基の少なくとも一部が金属
陽イオン及び/又は有機アミンにより中和されたものの
水性デイスパージヨン、さらにはエチレンとα、β不飽
和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の少なくとも一
部が金属陽イオン及び/又は有機アミンにより中和され
たものの水性デイスパージヨンにスチレン系モノマーが
グラフト重合されたものが造膜温度が低い点で好まし
い。
【0025】また、飽和度の高い炭化水素系ポリオール
で平均分子量が500〜4000、水酸基の平均官能数
が1.5〜3のポリオレフィン系ポリオールを主鎖とす
るポリウレタン水性デイスパージヨンが好ましく、さら
に水素添加ポリブタジエンポリオール等のポリエチレン
ポリオールを主鎖とするポリウレタン水性デイスパージ
ヨンが好ましい。
【0026】上記したα、β不飽和カルボン酸共重合体
としては炭素数3〜8程度のものが好ましく、具体的に
はアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水マレイ
ン酸、マレイン酸、モノメチルエステル、マレイン酸モ
ノエステル等が例示できる。これらの不飽和カルボン酸
のうちメタクリル酸が特に好ましい。このような不飽和
カルボン酸は分散性の点からランダム共重合されたもの
がよい。
【0027】上記したスチレン系モノマーとしてはスチ
レン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−エチルメチ
ルスチレン、p−エチルメチルスチレン、o−イソプロ
ピルスチレン、m−イソプロピルスチレン、p−イソプ
ロピルスチレン等を例示できるが、スチレンが好まし
い。
【0028】これらのエチレン不飽和カルボン酸共重合
剤全体として、エチレン含有量が40〜99重量%、好
ましくは50〜98重量%、また不飽和カルボン酸は1
〜50重量%、好ましくは2〜40重量%の量で存在し
ていることが望ましい。
【0029】スチレンをグラフトしたエチレン不飽和カ
ルボン酸共重合体に占めるスチレン含量は1〜50重量
%、好ましくは2〜40重量%であることが望ましい。
【0030】前記の中和成分として、Na+ 、K+ 、L
+ 、Ca++、Mg++、Zn++、Cu++、Co++、Ni
++、Mn++、Al+++ 等の1価から3価の金属陽イオン
及び/又はn−ヘキシルアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、1、3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、メタオ
キシジアミンなどの有機アミンを例示することができ
る。
【0031】中和によって生じたカルボキシル塩は公知
であるがアイオノマーのカルボキシル基と水性架橋剤の
エポキシ基との結合反応の触媒として作用する。中和度
は通常5〜100%、好ましくは10〜90%、特に好
ましくは20〜80%である。
【0032】本発明で好適に用いられるウレタンアイオ
ノマーは、飽和カルボン酸とアルキレングリコールとか
らなるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポ
リオール、ポリヘキサメチレンカーボネートポリオール
等のポリエステルポリオールの単独あるいは2種以上の
混合ポリオールとトリレンジイソシアネート、4、4−
ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ポリイソ
シアネートや、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシ
アネート、とを常法に従って溶剤の存在あるいは不存在
下で反応させたポリウレタンプレポリマーをジアミノカ
ルボン酸やカルボン酸ジオール等の塩形成性の基を有す
る活性水素化合物と反応させ、カルボキシル基の少なく
とも一部を金属陽イオン及び/又は有機アミンにより中
和し、水性化する等の公知の方法により製造された熱可
塑性の芳香族や脂肪族のポリエステルウレタンアイオノ
マーの水性デイスパージヨンである。
【0033】飽和カルボン酸としては、コハク酸、アジ
ピン酸、セバシン酸等の脂肪族2塩基酸が望ましい。ま
た、アルキレングリコールとしては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1、6−ヘキサンジオー
ル、1、4−ブタンジオール等が例示できる。
【0034】前記水性アイオノマー組成物はエチレン系
アイオノマーの水性デイスパージヨンとポリエステルウ
レタン系アイオノマーの水性デイスパージヨンから構成
されているが、固形分換算でエチレン系アイオノマーの
含量が25〜85重量%、ポリエステルウレタン系アイ
オノマーの含量が15〜75重量%、望ましくはエチレ
ン系アイオノマーの含量が30〜80重量%、ポリエス
テルウレタン系アイオノマーの含量が20〜70重量%
である。
【0035】エチレン系アイオノマーの含量が25重量
%より少ないと架橋オレフイン発泡体に対する密着性が
劣り、ポリエステルウレタン系アイオノマーの含量が1
5重量%より少ないと熱可塑性樹脂シート、例えば軟質
塩ビシートに対する密着性が劣る。
【0036】本発明における架橋剤としては、ビスフェ
ノールA、ハロゲン化ビスフェノールA、ビスフェノー
ルFのポリグリシジルエーテルや、カテコール、レゾル
シノール等の多価フェノールや、グリセリン等からでき
るポリグリシジルエーテル等の各種エポキシ化合物、ア
ジリジン、メラミン、ヒドラジド等のアミン化合物、オ
キサゾリン化合物等を挙げることができる。このうち、
エポキシ化合物が好適である。このエポキシ化合物のア
イオノマー組成物に対する配合割合は、アイオノマー組
成物100重量部に対し1〜90重量部が好ましく、5
〜80重量部がより好ましい。
【0037】本発明において用いられる水性架橋剤とし
ては水性エポキシ樹脂、水性エポキシアミン類等が例示
できる。これらの水性架橋剤は単独で、または2種以上
混合して用いられる。上記水性エポキシ樹脂は2個以上
のエポキシ基を有するものが望ましい。
【0038】このような水性エポキシ樹脂として次のよ
うなものが例示できる。エチレンプロピレングリコール
ジグリシジルエーテル、プロピレンプロピレングリコー
ルジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグ
リシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、
ペンタエリスリトールジグリシジルエーテル、ソルビト
ールポリグリシジルエーテル、グリセロールポログリシ
ジルエーテル、ポリグリセロールポログリシジルエーテ
ル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、
ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリグリシジルト
リス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ペン
タエリスリト−ルポリグリシジルエーテル、ビスフエノ
ールAとエピクロルヒドリンの付加縮合物やエポキシク
レソールノボラックの水性乳化物、グリシジルエーテル
系水性エポキシ樹脂およびエピクロルヒドリン系水性エ
ポキシ樹脂等が例示できる。水性エポキシ架橋剤の形態
は液状であってもよいし、水性エマルジヨンであっても
よい。
【0039】前記の水性接着剤組成物および水性プライ
マー組成物は水性アイオノマー組成物と水性架橋剤とか
ら構成されるが、その混合物の固形分が10〜80重量
%、望ましくは20〜60重量%、20℃における粘度
が600〜15000cP、望ましくは1000〜10
000cPに調整して使用される。
【0040】固形分が10重量%未満の場合には、特殊
な塗布装置が必要になったり、乾燥の熱的な効率が悪く
なる。また、逆に固形分が80重量%を超えると、薄く
塗布することが困難になったり、成分の安定性が不十分
になったりする。接着剤組成物の粘度が20℃における
600cP未満の場合には、塗布後乾燥するまでの間に
接着剤組成物が流れたれ、均一な接着剤層を形成するこ
とができないことがある。一方、接着剤組成物の粘度が
15000cPを超えると各種の塗布方法に適用するこ
とが難しくなる。
【0041】本発明の高接着性接着剤組成物には、機械
的安定や塗布適性を改善したり、化学的安定性を改善す
るために、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、
湿潤剤、帯電防止剤、造膜助剤、増粘剤、無機充填剤、
老化防止剤、粘着付与剤等を添加してもよい。また、ア
クリル樹脂エマルジヨン、変性ビニル共重合体エマルジ
ヨン、ゴムラテックス等を添加してもよい。
【0042】本発明の高接着性接着剤組成物は、広範囲
の条件における接着性に優れているが、例えば、120
℃における接着性は架橋樹脂発泡体が材破する接着力を
示し、また80℃下400時間後および50℃95%R
H下400時間後の接着性は架橋樹脂発泡体が材破する
接着力を示す。
【0043】また、80℃下400時間後および50℃
95%RH下400時間後の耐熱クリープ性は100g
/25mmの荷重をかけた120℃下24時間後の剥離
長が0mmと非常に優れている。
【0044】本発明の高接着性接着剤組成物を用いて表
皮材、内装材等の積層体を好適に製造することができ
る。その製造手順の概略を以下に説明する。
【0045】まず、樹脂発泡体の表面が35〜72dy
n/cmのヌレ指数を示すようにコロナ処理や火炎処理
や硝酸塩及び/又はは亜硝酸塩を用いた処理等の表面処
理または、前記プライマー組成物を塗布・乾燥し、その
塗膜層の温度が115℃以上となるよう加熱焼き付けす
ることからなる等のプライマー処理を施すことが望まし
い。
【0046】なお、ヌレ指数が35dyn/cm未満の
場合は、前記発泡体と接着剤組成物との十分な密着性を
得るためには乾燥温度を上げたり、ラインスピードを遅
くする等しなければならず、生産性が落ちる。一方、ヌ
レ指数が72dyn/cmを超える場合には、樹脂発泡
体表面の耐湿性、耐水性が悪化する。
【0047】次に、前記接着剤組成物を、前記表面処理
が施された樹脂発泡体の表面に、ロールコート法、グラ
ビアコート法等の公知の塗布方法を用いて、10〜20
0g/m2 (ウエット)、好ましくは30〜100g/
2 (ウエット)塗布する。そして、この接着剤組成物
の水分を60〜150℃の熱風あるいは赤外線ヒーター
等の加熱手段を用いて取り除く。なお、前記加熱手段は
併用されてもよい。
【0048】前記水性接着剤組成物が塗布された樹脂発
泡体には、表皮材および/または基材が積層される。表
皮材および/または基材は予め50〜150℃に加熱し
ておくことが望ましい。これらの表皮材および/または
基材は、0.3〜200kg/cm2 の圧力で加圧接着
ざれる。
【0049】このようにして得られた表皮材−樹脂発泡
体、樹脂発泡体−基材、あるいは表皮材−樹脂発泡体−
基材からなる積層材を、常温で24時間以上養生させる
と本発明の接着方法による積層体を得ることができる。
なお、養生では加熱促進することができ、養生時間の短
縮ができる。
【0050】本発明の高接着性接着剤組成物が適用され
る積層体としては、例えば車輛用内装材等があり、具体
的に言えばダッシュボード、ドアトリム、成形天井、シ
ートバック、リアクォータートリム、センターピラーパ
ッド等を挙げることができる。
【0051】なお、本発明の接着方法により作成した積
層体の接着性は常温における剥離接着力、120℃にお
ける剥離接着力、80℃下で400時間放置後の常温で
の剥離接着力、50℃・95%RH下で400時間放置
後の常温での剥離接着力、120℃下で100g/25
mmの荷重をかけ24時間放置後の剥離長さを測定する
耐熱クリープ性等により評価する。
【0052】また、本発明の接着方法により作成した表
皮材、内装材等の積層体は120℃乃至200℃の成形
可能な温度に加熱され、真空、圧空、真空圧空あるいは
プレス方法等の周知の成形方法によって所望の形状に成
形される。
【0053】更に、あらかじめ所定形状に成形した基材
に前記接着剤組成物を塗布し、この基材に表皮材−樹脂
発泡体からなる積層体を基材に沿うように成形すると同
時に接着積層し、基材−樹脂発泡体−表皮材からなる積
層体、例えば車輛用内装材を得ることもできる。
【0054】成形性はL/D値で表される。すなわち、
直径5cm(D)、深さLcmの円筒状の金型を用い、
120〜200℃に加熱した表皮材−樹脂発泡体からな
る積層体を真空成形する。得られる成形品のどの部分に
も破れがなく、無理なく成形できた場合の深さLの最大
値からL/D値を求める。
【0055】上記した架橋樹脂発泡体と表皮材との積層
体の成形性L/D(Lは成形金型の深さ、Dは成形金型
の直径)は0.3以上である。
【0056】本発明でいう樹脂発泡体とは、ポリプロピ
レン系樹脂・ポリエチレン系樹脂等のポリオレフィン系
樹脂、またはポリ塩化ビニル系樹脂の架橋樹脂発泡体で
ある。
【0057】ポリプロピレン系樹脂発泡体に用いられる
ポリプロピレン系樹脂としては、エチレンを2〜15重
量%含有するエチレンープロピレン共重合体と柔軟性樹
脂との混合樹脂が望ましい。
【0058】前記柔軟性樹脂としては、直鎖状低密度ポ
リエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、塩素化ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、エチレンー酢酸ビニル共
重合体、エチレンーアクリル酸アルキルエステル、エチ
レンープロピレンゴム(EPR)、可塑化軟質ポリ塩化
ビニル、内部可塑化軟質ポリ塩化ビニル、エチレンーα
オレフィン共重合エラストマー、スチレンーブタジエン
ゴム(SBR)、SBR水添樹脂等が例示できる。
【0059】これらの柔軟性樹脂は、単独で用いられて
もよいし、2種以上混合して用いられてもよい。なお、
エチレンープロピレン共重合体を用いるのは、車両用内
装材に要求される耐熱性および成形性を満足させるため
である。
【0060】また、柔軟性樹脂を用いるのは、車両用内
装材の柔軟性および耐衝撃性を満足させるためである。
【0061】前記ポリプロピレン系樹脂は、エチレンー
プロピレン共重合体を40重量%〜90重量%、柔軟性
樹脂を10〜60重量%含有しているのが望ましい。
【0062】また、前記ポリプロピレン系樹脂には、滑
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、、着色剤、帯電防止
剤、難燃剤、タルク、炭酸カルシウム等の増量剤や造核
剤その他の無機物が添加されてもよい。
【0063】前記ポリプロピレン系樹脂を用いた樹脂架
橋発泡体として特にのぞましいのは、エチレンープロピ
レンランダム共重合体40〜85重量%と、密度が0.
885〜0.940g/cm3 の直鎖状低密度ポリエチ
レン15〜60重量%とを含む樹脂成分からなり、発泡
倍率が10〜40倍(望ましくは15〜30倍)、架橋
度指数が15〜61%(望ましくは18〜50%)のも
のである。
【0064】発泡倍率が余り小さすぎると、発泡体の特
徴である柔軟性、クッション性、断熱性等が不十分であ
り、利用価値が少なくなる。逆に、発泡倍率があまりに
大きすぎると、機械的強度の低下が著しく、成形性が低
下する。
【0065】また、架橋度指数が小さいと、発泡体の表
面に荒れが生じやすく美観上好ましくない。逆に、架橋
度指数が大きいと、成形性が悪化する場合がある。
【0066】なお、架橋度指数は、発泡体の細片0.2
gを130℃のテトラリンに2時間浸漬して得られた残
渣を十分に洗浄・乾燥してから測定した重量(W)か
ら、次の式により計算した値である。 架橋度指数=W/0.2×100(%)
【0067】ポリエチレン系樹脂としては、高圧法低密
度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポ
リエチレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレン
ーアクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレンーア
クリル酸アルキルエステル−無水フタル酸共重合体等の
エチレンを主体とするものが例示できる。
【0068】これらは単独で使用されてもよいし、2種
以上混合して用いられてもよい。なお、前記高圧低密度
ポリエチレンは、密度が0.918〜0.930g/cm
3 であり、メルトインデックスが0.5〜10g/10
分のものを用いるのが望ましい。
【0069】また、直鎖状低密度ポリエチレンとして
は、エチレンーαオレフィン共重合体の密度が0.88
5〜0.940g/cm3 であり、メルトインデックス
が0.5〜10g/10分のものを用いるのが望まし
い。
【0070】前記ポリエチレン系樹脂には、ポリ塩化ビ
ニル系樹脂、スチレンーエチレン・ブチレンースチレン
ブロック共重合体樹脂等が添加されていてもよい。これ
らは、ポリエチレン系樹脂に対して、通常5〜50重量
%添加される。
【0071】さらに、前記ポリエチレン系樹脂には、前
記ポリプロピレン系樹脂の場合と同様に増量剤や造核剤
その他の無機物が添加されてもよい。
【0072】ポリエチレン系樹脂発泡体の発泡倍率は、
3〜25倍が望ましい。また、架橋度指数は15〜60
%、さらに18〜50%が望ましい。発泡倍率および架
橋度指数が、前記範囲以外の場合には、ポリプロピレン
系樹脂発泡体の場合と同様不具合を生じる場合がある。
なお、架橋度指数は、ポリプロピレン系樹脂発泡体の場
合と同様の方法により測定した値である。
【0073】なお、ポリエチレン系樹脂発泡体は、前記
ポリプロピレン系樹脂発泡体に比べ耐熱性には劣るもの
の柔軟性が優れているため、触感性が要求される部位の
車両用内装材等に用いられる。
【0074】ポリ塩化ビニル系樹脂発泡体に用いられる
ポリ塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル、エチレン
ー塩化ビニル共重合体、酢酸ビニルー塩化ビニル共重合
体、エチレンー酢酸ビニル・塩化ビニルグラフト共重合
体、アクリルゴム・塩化ビニルグラフト共重合体、ポリ
塩化ビニル・アルキルアクリレート・アクリロニトリル
グラフト共重合体等が例示できる。前記ポリ塩化ビニル
系樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上混合し
て用いられてもよい。
【0075】前記ポリ塩化ビニル系樹脂には、フタル酸
エステル系等の可塑剤、エチレンー酢酸ビニル共重合
体、エチレンー酢酸ビニルー一酸化炭素共重合体、アク
リロニトリルーブタジエンースチレン共重合体(AB
S),塩素化ポリエチレン、アクリルゴム等のポリ塩化
ビニル系樹脂に使用可能な可塑剤が、単独で、もしくは
2種以上混合して添加されてもよい。
【0076】前記ポリ塩化ビニル系樹脂に使用可能な可
塑剤は、ソリビリティパラメーター値(SP値)が0.
8〜9.5のが望ましい。また、ポリ塩化ビニル系樹脂
において、前記可塑剤が占める割合は、50重量%未満
が望ましい。
【0077】なお、前記ポリ塩化ビニル系樹脂には、ポ
リプロピレン系樹脂の場合と同様に、増量剤や造核剤等
の無機成分が添加されてもよい。
【0078】ポリ塩化ビニル系樹脂発泡体の発泡倍率
は、3〜30倍、さらに5〜20倍が望ましい。また、
架橋度指数は15〜60%、さらに18〜50%が望ま
しい。
【0079】発泡倍率および架橋度指数が、前記範囲以
外の場合には、ポリプロピレン系樹脂発泡体の場合と同
様の不具合を生じる場合がある。なお、架橋度指数はポ
リプロピレン系樹脂発泡体の場合と同様の方法で測定し
た値である。
【0080】ポリ塩化ビニル系樹脂発泡体は、ポリプロ
ピレン系樹脂発泡体に比べて耐熱性には劣るものの、柔
軟性が優れているため、触感性や高周波ウエルダー加工
性が要求される部位の車輛用内装材等に用いられる。
【0081】本発明でいう表皮材としては、塩化ビニル
成分を50〜90重量%含有するポリ塩化ビニル系シー
ト、エチレン・プロピレン等を含有する熱可塑性ゴム弾
性樹脂からなるシート、SBR、イソプレンゴム(1
R)、アクリルゴム等の合成ゴムからなるシート、ある
いは前記ポリ塩化ビニル系樹脂、熱可塑性ゴム弾性樹脂
および合成ゴムの混合物から得られる厚さが0.1〜2
mmのシート、ポリエステル、ナイロン、およびポリウ
レタン等の混紡からなる布があげられる。また、前記シ
ートに電気埴毛したものを用いてもよい。
【0082】本発明でいう基材としては、たとえばポリ
プロピレンを主体とする樹脂からなるシート、ABS、
ポリスチレンを主成分とするシート、パーチクルボー
ド、ハードボード等の単板、あるいはこれらの成形物等
が例示できる。
【0083】
【実施例】以下に、本発明の高接着性接着剤組成物を用
いて製造した車両用内装材について添付図面に基づいて
説明する。
【0084】図1において、符号Hは本発明の高接着性
接着剤組成物を用いて製造した車両用内装材である。該
内装材Hは、樹脂発泡体11の表面に表皮材12が本発
明の接着剤層14を介して積層されている構造を有す
る。
【0085】また、本発明でいう車両用内装材Hは、図
2に示すように、基材層13の表面に、樹脂発泡体11
が本発明の接着剤層14を介して積層されていてもよ
い。さらに、本発明でいう車両用内装材Hは、図3に示
すように、基材層13の表面に、樹脂発泡体11が本発
明の接着剤層4を介して積層し、この樹脂発泡体11の
表面に接着剤層14を介して表皮材12を積層させても
よい。
【0086】図4は、本発明のプライマー層16を介在
させて内装材Hを製造した場合の一例を示すもので、接
着剤層としては本発明の接着剤層14を用いてもよい
し、本発明の接着剤組成物以外の樹脂発泡体基材との貼
合せ用に用いられる公知の接着剤の接着剤層15を用い
ることもできる。
【0087】続いて、本発明の高接着性接着剤組成物の
製造及び性能について、具体例を挙げてさらに説明す
る。
【0088】実施例1 スチレングラフト重合エチレンメタクリル酸共重合体水
性デイスパージヨンであるケミパールSA−100〔三
井石油化学(株)製〕50重量部(固形分)とポリエス
テル系芳香族ウレタンアイオノマーデイスパージヨンで
あるハイドランHW−311〔大日本インキ化学工業
(株)製〕50重量部(固形分)からなる水性アイオノ
マー組成物に対し、ビスフェノールA系ポリグリシジル
エーテルの水性エマルジョンであるEM−85〔大日本
インキ化学工業(株)製〕15重量部(固形分)を加
え、粘度1500cP/20℃、不揮発分41%の接着
剤組成物を得た。
【0089】この接着剤組成物は24時間以上のポット
ライフを有していた。この接着剤組成物を、エチレン−
プロピレン共重合体80重量部と直鎖状低密度ポリエチ
レン(L−LDPE)20重量部との樹脂混合物からな
る発泡倍率18倍、架橋度指数40%、厚さ4mmの板
状の発泡体に、リバースロールコーターで50g/m2
wet塗布し、80〜90℃の熱風乾燥炉で1分間乾燥
し、貼り合わせ面を110℃に加熱し、ポリ塩化ビニル
樹脂90重量部とABS樹脂10重量部との樹脂混合物
からなる厚さ0.6mmのシート状の表皮材を圧着し、
積層体を得た。
【0090】この積層体を、予め所望の形状に成形して
あり、予めこの接着剤組成物を塗布してある、L/D
0.6相当の厚さ3mmのABS樹脂基材に沿うように
成形すると同時に接着積層し、車輛用内装材を得た。
【0091】得られた車輛用内装材について、表皮材と
発泡体および発泡体と基材との剥離接着強度、及び成形
性を調べ、表1に示した。
【0092】実施例2 実施例1と同じ接着剤組成物を用い、エチレン−プロピ
レン共重合体80重量部とL−LDPE20重量部との
樹脂混合物からなる発泡倍率25倍、架橋度指数37
%、厚さ3mmの板状の発泡体とポリ塩化ビニル樹脂1
00重量部とジイソデシルフタレート(DIDP)40
重量部との樹脂混合物からなる厚さ0.5mmのシート
状の表皮材とL/D0.7相当で厚さ3.0mmの木質
ハードボード基材を用いて、実施例1と同様の車輛用内
装材を得た。
【0093】得られた車輛用内装材について、実施例1
と同様に剥離接着強度、および成形性を調べ、表1に示
した。
【0094】実施例3 実施例1の接着剤組成物を用い、ポリ塩化ビニル樹脂1
00重量部とDIDP40重量部との樹脂混合物からな
る発泡倍率13倍、架橋度指数35%の板状の発泡体と
実施例2と同じ表皮材、予め所望の形状に成形してある
L/D0.6相当で厚さ1.5mmのABS樹脂基材を
用いて、実施例1と同様の車輛用内装材を得た。
【0095】得られた車輛用内装材について、実施例1
と同様に剥離接着強度、および成形性を調べ、表1に示
した。
【0096】実施例4 スチレングラフト重合エチレンメタクリル酸共重合体ア
イオノマーの水性デイスパージヨンであるケミパールS
A−100〔三井石油化学(株)製〕20重量部(固形
分)と水素添加ポリブタジエンポリオール(平均分子量
2200)を主骨格とするポリウレタンの水性デイスパ
ージヨンであるアイゼラックスS−8020〔保土ヶ谷
化学工業(株)製〕40重量部(固形分)とポリエステ
ル系芳香族ポリウレタン水性デイスパージヨンであるア
デカボンタイターHUX−575〔旭電化工業(株)
製〕50重量部(固形分)とSNシックナー−A−81
2〔サンノプコ(株)製、増粘剤〕1重量部(固形分)
とからなる水性アイオノマー組成物に対し、ビスフェノ
ールA系ポリグリシジルエーテルの水性エマルジョンで
あるEM−85〔大日本インキ化学工業(株)製〕10
重量部(固形分)を添加し、粘度1200cP/20
℃、不揮発分40%の接着剤組成物を得た。
【0097】この接着剤組成物は24時間以上のポット
ライフを有していた。この接着剤組成物を用い、実施例
1と同じ発泡体、表皮材そして基材によって得た車輛用
内装材について、表皮材と発泡体および発泡体と基材と
の剥離接着強度、および成形性を調べ、表1に示した。
【0098】実施例5 水素添加ポリブタジエンポリオール(平均分子量220
0)を主骨格とするポリウレタン水性デイスパージヨン
であるアイゼラックスS−8020〔保土ヶ谷化学工業
(株)製〕40重量部(固形分)とポリカーボネート系
脂肪族ポリウレタン水性デイスパージヨンであるスーパ
ーフレックスF−8105D〔第一工業製薬(株)製〕
60重量部(固形分)とからなる水性アイオノマー組成
物に対し、ビスフェノールA系ポリグリシジルエーテル
の水性デイスパージヨンであるEM−85〔大日本イン
キ化学工業(株)製〕10重量部(固形分)を加え、粘
度800cP/20℃、不揮発分40%の接着剤組成物
を得た。
【0099】この接着剤組成物は24時間以上のポット
ライフを有していた。この接着剤組成物を用い、実施例
2と同じ発泡体、表皮材そして基材によって得た車輛用
内装材について、表皮材と発泡体および発泡体と基材と
の剥離接着強度、および成形性を調べ、表1に示した。
【0100】比較例1 実施例1の水性アイオノマー組成物のみを用いた他は、
実施例1と同じ発泡体、表皮材そして基材によって車輛
用内装材を得た。この車輛用内装材について、表皮材と
発泡体および発泡体と基材との剥離接着強度、および成
形性を調べ、表2に示した。
【0101】比較例2 実施例1で用いた樹脂発泡体、表皮材および基材を、ポ
リエステル系ポリオールのみからなるポリウレタンデイ
スパージヨンであるセメダインEM−800−1〔セメ
ダイン(株)製〕と水性エポキシ樹脂であるセメダイン
EA(架橋剤)〔セメダイン(株)製〕とからなる粘度
2000cP/20℃の接着剤を用い、車輛用内装材を
得た。この車輛用内装材について、実施例1と同様に表
皮材と発泡体および発泡体と基材との剥離接着強度、お
よび成形性を調べ、表2に示した。
【0102】比較例3 実施例1で用いたハイドランHW−311〔大日本イン
キ化学工業(株)製〕100重量部(固形分)とEM−
85〔大日本インキ化学工業(株)製〕10重量部(固
形分)からなる組成物を用い、実施例1と同じ発泡体、
表皮材そして基材によって車輛用内装材を得た。この車
輛用内装材について、表皮材と発泡体および発泡体と基
材との剥離接着強度、および成形性を調べ、表2に示し
た。
【0103】比較例4 実施例4で用いたケミパールSA−100〔三井石油化
学(株)製〕20重量部(固形分)とアイゼラックスS
−8020〔保土ヶ谷化学工業(株)製〕40重量部
(固形分)にEM−85〔大日本インキ化学工業(株)
製〕5重量部(固形分)を加えた組成物により、実施例
2で用いた表皮材と発泡体及び基材によって車輛用内装
材を作成した。しかし、表皮材と発泡体が密着せず、積
層体を作成できなかった。また、発泡体と基材との密着
性も、基材への密着性が不充分であった。
【0104】
【表1】
【0105】
【表2】
【0106】表1及び表2における各符号の説明は次の
通りである。 試験項目 (1)は20℃剥離接着力(kgf/25mm) 、(2)は12
0℃剥離接着力(kgf/25mm) 、(3)は80℃×400
時間後の剥離接着力(kgf/25mm) 、(4)は50℃・9
5%RH×400時間後の剥離接着力(kgf/25mm) 、
(5)は耐熱クリープ性、剥離長(mm)(実施例3の
み90℃)、(6)は成形性(L/D)である。
【0107】実施例、比較例において番号の下のa,
bは、aが発泡体/表皮材で、bが発泡体/基材を示
す。
【0108】MF:発泡体の材破、AF:界面での接
着破壊、AMF:MFとAFの存在、X:発泡体と基材
が剥離を示す。
【0109】上記各試験項目は下記の試験法によって行
った。 (1)20℃での剥離接着力 積層体を幅25mm、長さ15cmに裁断する。そし
て、表皮材を樹脂発泡体と基材とを端部から長さ方向に
約7cm剥がしてサンプルとする。このサンプルをテン
シロン型引張り試験機により、引張り速度200mm/min
で引張り、剥離接着強さを測定する。
【0110】(2)120℃下での剥離接着力 常温(20℃)での測定に用いたものと同様のサンプル
を120℃に保った恒温槽に入れ15分間加熱する。加
熱したサンプルを120℃に保ったテンシロン型引張り
試験機の恒温槽に素早く取り付ける。そして、120℃
に5分保った後、サンプルを引張り速度500mm/minで
引張り、剥離接着強さを測定する。
【0111】(3)耐熱老化性(80℃×400時間放
置後の20℃での剥離接着力) 積層体を幅25mm、長さ15cmに裁断する。これを
80℃に保った恒温槽に400時間放置した後、取り出
し20℃に1日放置する。これを(1)と同様にして剥
離接着力を測定する。
【0112】(4)耐湿熱老化性(50℃・95%RH
×400時間放置後の20℃での剥離接着力) 積層体を幅25mm、長さ15cmに裁断する。これを
50℃、95%RHに保った恒温恒湿槽に400時間放
置した後、取り出し20℃に1日放置する。これを
(1)と同様にして剥離接着力を測定する。
【0113】(5)120℃耐熱クリープ性 (1)と同様のサンプルに対し、100g/25mm の
90度剥離荷重をかけ、120℃に保った恒温槽に24
時間放置する。24時間後に取り出し、剥離長を測定す
る。
【0114】
【発明の効果】以上のべたごとく、本発明の高接着性接
着剤組成物は、環境上の問題がなく、架橋樹脂発泡体と
表皮材、又は基材との広範囲の条件における接着性及び
成形性が優れ、良好なポットライフと作業性を有し、こ
の高接着性接着剤組成物を用いることによって効率よく
積層体を製造することができる。
【0115】また、本発明のプライマー組成物は、環境
上の問題がなく、良好なポットライフと作業性を有し、
架橋ポリオレフインに対する接着性の改良に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高接着性接着剤組成物を用いて製造し
た車両用内装材の一例を示す縦断面図である。
【図2】本発明の高接着性接着剤組成物を用いて製造し
た車両用内装材の他の例を示す縦断面図である。
【図3】本発明の高接着性接着剤組成物を用いて製造し
た車両用内装材の別の例を示す縦断面図である。
【図4】本発明の高接着性接着剤組成物及びプライマー
組成物を用いて製造した車両用内装材の一例を示す縦断
面図である。
【符号の説明】 11 樹脂発泡体 12 表皮材 13 基材層 14 本発明の接着剤層 15 公知の接着剤層 16 プライマー層

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アイオノマー組成物と該アイオノマー組
    成物を架橋せしめる架橋剤とからなることを特徴とする
    高接着性接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 上記アイオノマー組成物がオレフイン系
    アイオノマーとウレタン系アイオノマーとからなること
    を特徴とする請求項1記載の高接着性接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 上記オレフィン系アイオノマーがエチレ
    ン系アイオノマーであることを特徴とする請求項2記載
    の高接着性接着剤組成物。
  4. 【請求項4】 上記ウレタン系アイオノマーがポリエス
    テル系ウレタンアイオノマーであることを特徴とする請
    求項2又は3記載の高接着性接着剤組成物。
  5. 【請求項5】 上記アイオノマー組成物が水性アイオノ
    マー組成物であることを特徴とする請求項1又は2記載
    の高接着性接着剤組成物。
  6. 【請求項6】 上記水性アイオノマー組成物がオレフィ
    ン系アイオノマーの水性ディスパージョンとウレタン系
    アイオノマーの水性ディスパージョンとからなることを
    特徴とする請求項5記載の高接着性接着剤組成物。
  7. 【請求項7】 上記オレフィン系アイオノマーの水性デ
    ィスパージョンがエチレン系アイオノマーの水性ディス
    パージョンであることを特徴とする請求項6記載の高接
    着性接着剤組成物。
  8. 【請求項8】 上記ウレタン系アイオノマーの水性ディ
    スパージョンがポリエステル系ウレタンアイオノマーの
    水性ディスパージョンであることを特徴とする請求項6
    又は7記載の高接着性接着剤組成物。
  9. 【請求項9】 上記架橋剤がエポキシ樹脂であることを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の高接
    着性接着剤組成物。
  10. 【請求項10】 上記架橋剤が水性エポキシ樹脂である
    ことを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載
    の高接着性接着剤組成物。
  11. 【請求項11】 アイオノマー組成物と該アイオノマー
    組成物を架橋せしめる架橋剤とからなることを特徴とす
    るプライマー組成物。
  12. 【請求項12】 上記アイオノマー組成物がオレフイン
    系アイオノマーとウレタン系アイオノマーとからなるこ
    とを特徴とする請求項11記載のプライマー組成物。
  13. 【請求項13】 上記オレフィン系アイオノマーがエチ
    レン系アイオノマーであることを特徴とする請求項12
    記載のプライマー組成物。
  14. 【請求項14】 上記ウレタン系アイオノマーがポリエ
    ステル系ウレタンであることを特徴とする請求項12又
    は13記載のプライマー組成物。
  15. 【請求項15】 上記アイオノマー組成物が水性アイオ
    ノマー組成物であることを特徴とする請求項11又は1
    2記載のプライマー組成物。
  16. 【請求項16】 上記水性アイオノマー組成物がオレフ
    ィン系アイオノマーの水性ディスパージョンとウレタン
    系アイオノマーの水性ディスパージョンとからなること
    を特徴とする請求項15記載のプライマー組成物。
  17. 【請求項17】 上記オレフィン系アイオノマーの水性
    ディスパージョンがエチレン系アイオノマーの水性ディ
    スパージョンであることを特徴とする請求項16記載の
    プライマー組成物。
  18. 【請求項18】 上記ウレタン系アイオノマーの水性デ
    ィスパージョンがポリエステル系ウレタンアイオノマー
    の水性ディスパージョンであることを特徴とする請求項
    16又は17記載のプライマー組成物。
  19. 【請求項19】 上記架橋剤がエポキシ樹脂であること
    を特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載
    のプライマー組成物。
  20. 【請求項20】 上記架橋剤が水性エポキシ樹脂である
    ことを特徴とする請求項15乃至18のいずれか1項に
    記載のプライマー組成物。
  21. 【請求項21】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    した高接着性接着剤組成物を用い、被着材の少なくとも
    一方に接着剤を塗布し接着することを特徴とする方法。
  22. 【請求項22】 上記塗布した接着剤の架橋硬化前に被
    着材を加熱圧着し、架橋硬化処理して接着することを特
    徴とする請求項21記載の方法。
  23. 【請求項23】 請求項21又は22に記載した方法に
    よって樹脂発泡体と熱可塑性樹脂シート又は織物・編物
    ・不織布を接着し製造されたことを特徴とする表皮材。
  24. 【請求項24】 請求項21又は22に記載した方法に
    よって樹脂発泡体の一面に熱可塑性樹脂シート又は織物
    ・編物・不織布を接着し、当該樹脂発泡体の他面に基材
    を接着し製造されたことを特徴とする内装材。
  25. 【請求項25】 上記樹脂発泡体がポリオレフィン系樹
    脂発泡体であることを特徴とする請求項23記載の表皮
    材。
  26. 【請求項26】 上記樹脂発泡体がポリオレフィン系樹
    脂発泡体であることを特徴とする請求項24記載の内装
    材。
  27. 【請求項27】 請求項11〜20のいずれか1項に記
    載されたプライマー組成物を塗布することによって接着
    性を改良されたポリオレフイン系樹脂発泡体。
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