JPH0673304A - ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法 - Google Patents

ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法

Info

Publication number
JPH0673304A
JPH0673304A JP24893492A JP24893492A JPH0673304A JP H0673304 A JPH0673304 A JP H0673304A JP 24893492 A JP24893492 A JP 24893492A JP 24893492 A JP24893492 A JP 24893492A JP H0673304 A JPH0673304 A JP H0673304A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phthalocyanine
parts
crystal
hydroxygallium phthalocyanine
chlorogallium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP24893492A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2765399B2 (ja
Inventor
Katsumi Nukada
克己 額田
Katsumi Daimon
克己 大門
Masakazu Iijima
正和 飯島
Yasuo Sakaguchi
泰生 坂口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP24893492A priority Critical patent/JP2765399B2/ja
Priority to US08/108,426 priority patent/US5393881A/en
Priority to DE69323250T priority patent/DE69323250T2/de
Priority to EP93113400A priority patent/EP0584754B1/en
Publication of JPH0673304A publication Critical patent/JPH0673304A/ja
Priority to US08/321,865 priority patent/US5556967A/en
Priority to US08/321,878 priority patent/US5472816A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP2765399B2 publication Critical patent/JP2765399B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 帯電性および暗減衰率にばらつきがなく、安
定した電子写真特性を示すヒドロキシガリウムフタロシ
アニンを製造する方法を提供する。 【構成】 トリハロゲン化ガリウムと、フタロニトリル
またはジイミノイソインドリンとをハロゲン化芳香族炭
化水素中で反応させ、得られたクロロガリウムフタロシ
アニンをアミド系溶剤で処理した後、加水分解して、ヒ
ドロキシガリウムフタロシアニン結晶を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒドロキシガリウムフ
タロシアニン結晶の新規な製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】フタロシアニンは、塗料、印刷インキ、
触媒あるいは電子材料として有用な材料であり、特に近
年、電子写真感光体用材料、光記録用材料及び光電変換
材料として広範に検討がなされている。一般に、フタロ
シアニン化合物は、製造方法、処理方法の相違により、
多数の結晶型を示し、これら結晶型の違いは、フタロシ
アニン化合物の光電変換特性に大きな影響を及ぼすこと
が知られている。フタロシアニン化合物の結晶型につい
ては、例えば、銅フタロシアニンについてみると、安定
系のβ型以外に、α、π、x、ρ、γ、δ等の結晶型が
知られており、これ等の結晶型は、機械的歪力、硫酸処
理、有機溶剤処理及び熱処理等により、相互に転移が可
能であることが知られている(例えば米国特許第2,7
70,629号、同第3,160,635号、同第3,
708,292号及び同第3,357,989号明細
書)。また、特開昭50−38543号公報には、銅フ
タロシアニンの結晶型と電子写真特性との関係について
記載されている。さらに、銅フタロシアニン以外にも、
メタルフリーフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタ
ロシアニン、クロルアルミニウムフタロシアニン、クロ
ロインジウムフタロシアニン等について、種々の結晶型
のものを電子写真感光体に用いることが提案されてい
る。ヒドロキシガリウムフタロシアニンの結晶型と電子
写真特性に関しては、特開平1−221459号公報
に、アシッドペースティング法によって得られたものに
ついて記載されている。
【0003】本発明者等は、さらに検討を加えた結果、
ヒドロキシガリウムフタロシアニンのついて、5種の新
規な結晶型を発見し、そしてそれらが電子写真感光体と
して優れたものであることを見出した。(特願平3−1
22812号)ヒドロキシガリウムフタロシアニンは、
まずハロゲン化ガリウムフタロシアニンを合成し、それ
をアシッドペースティングによって加水分解することに
よって合成することができるが、ハロゲン化ガリウムフ
タロシアニンで、例えばそのうちの1つのクロロガリウ
ムフタロシアニンの合成方法としては、例えば、3塩
化ガリウムとジイミノイソインドリンを反応させる方法
(D.C.R.AcadSci.、1956、242、
1026)、3塩化ガリウムとフタロニトリルを反応
させる方法(特公平3−30854号公報)、、3塩
化ガリウムとフタロニトリルをブチルセロソルブ中で、
触媒の存在下に反応させる方法(特開平1−22145
9号公報)、3塩化ガリウムとフタロニトリルをキノ
リン中で反応させる方法(Inorg.Chem.19
80、19、3131)等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これら公知
の方法で合成したクロロガリウムフタロシアニンを用い
てアシッドペースティングにより加水分解を行うと、得
られたヒドロキシガリウムフタロシアニンの電子写真特
性は、使用したクロロガリウムフタロシアニンの合成方
法に大きく影響を受け、結晶型は同一であっても電子写
真感光体として用いた場合に、特に帯電性、暗減衰率の
ばらつきが大きく、安定した特性のものを得ることが困
難であると言う問題があった。本発明は、従来の技術に
おける上記のような実情に鑑みてなされたものである。
したがって、本発明は、従来の方法とは異なった合成法
を採用することにより、電子写真特性の安定したヒドロ
キシガリウムフタロシアニンを製造することを目的とす
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、検討の結
果、特定の溶剤を用いて合成したクロロガリウムフタロ
シアニンを加水分解することにより、安定した電子写真
特性を有し、特に感度が改善されたヒドロキシフタロシ
アニンが得られることを見出し、本発明を完成するに至
った。すなわち、本発明は、ヒドロキシガリウムフタロ
シアニンの製造方法に関するものであって、トリハロゲ
ン化ガリウムと、フタロニトリルまたはジイミノイソイ
ンドリンとを芳香族炭化水素溶剤中で反応させ、得られ
たクロロガリウムフタロシアニンを加水分解することを
特徴とする。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいては、まず、3塩化ガリウムとフタロニトリルまた
はジイミノイソインドリンとからクロロガリウムフタロ
シアニンを合成するが、その際、フタロニトリルまたは
ジイミノイソインドリンは、3塩化ガリウムに対し4倍
量以上用いることが好ましく、通常は、4倍〜10倍当
量の範囲で使用される。また、反応に用いる芳香族炭化
水素溶剤としては、クロロガリウムフタロシアニンの生
成速度の問題から、沸点150℃以上であることが好ま
しく、例えば、α−およびβ−クロロナフタレン、o−
およびp−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等の
ハロゲン化芳香族炭化水素溶剤が特に好ましい。これら
の芳香族炭化水素は、フタロニトリルまたはジイミノイ
ソインドリンに対して0.2〜20倍量の範囲で使用で
きるが、少なすぎると、撹拌し難く、多すぎると処理に
時間がかかり、また、不経済であるので、通常、0.3
〜10倍量の範囲で用いるのが好ましい。反応は、窒素
等の不活性雰囲気下、100℃〜溶剤の沸点の範囲で加
熱することによって実施することができる。
【0007】上記の合成反応によって得られたクロロガ
リウムフタロシアニンは、次いで、溶剤洗浄を行う。用
いる溶剤としては、DMF、NMP等のアミド系溶剤が
特に好ましい。この溶剤洗浄処理は、反応生成物を濾別
した後、得られたフィルターケーキをアミド系溶剤に分
散させ、攪拌すればよい。攪拌は、加熱下に行ってもよ
い。また、フィルターケーキをアミド系溶剤で洗浄する
だけでもよい。アミド系溶剤としてはジメチルホルムア
ミド、N−メチルピロリドンなどが使用できる。
【0008】次に、上記のようにして得られたクロロガ
リウムフタロシアニンを酸を用いて加水分解する。すな
わち、クロロガリウムフタロシアニンを酸に溶解した溶
液を、適当な溶剤に注入してヒドロキシガリウムフタロ
シアニンを析出させる。酸としては、クロロガリウムフ
タロシアニンに対する溶解度の高いトリクロロ酢酸、ト
リフルオロ酢酸、リン酸、メタンスルホン酸、塩酸、硫
酸、硝酸等を用いることができるが、特に硫酸が高い溶
解度を有し、また発煙性もないので取扱易く、好まし
い。加水分解に用いる酸の量は、通常、クロロガリウム
フタロシアニン1部に対して、2〜70部の範囲であ
り、好ましくは10〜50部の範囲である。また、クロ
ロガリウムフタロシアニンを溶解させる温度としては、
0〜100℃、好ましくは5〜80℃が採用される。ク
ロロガリウムフタロシアニンを溶解した溶液が注入され
る溶剤としては、水、水と有機溶剤の混合溶剤、アルカ
リ水溶液等があげられる。溶剤の量としては、用いる酸
1部に対して、2〜70部、好ましくは5〜50部の範
囲である。溶剤は、析出に際しての発熱を避けるために
10℃以下に保持したものを使用するのが好ましい。
【0009】上記のようにして得られたヒドロキシガリ
ウムフタロシアニンは、種々の溶剤中で処理して、所望
の結晶型に変換することができる。例えば、アミド類
(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルア
セトアミド、N−メチルピロリドン等)、エステル類
(酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸iso-アミル等)、ケ
トン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルiso-ブ
チルケトン等)などを使用して、X線回折スペクトルに
おけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.
9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1
°および28.3°に強い回折ピークを有するヒドロキ
シガリウムフタロシアニン結晶を得ることができる。同
様に、アルコール類(メタノール、エタノール等)、多
価アルコール類(エチレングリコール、グリセリン、ポ
リエチレングリコール等)、スルホキシド類(ジメチル
スルホキシド等)、芳香族類(トルエン、クロロベンゼ
ン等)などを用いて、X線回折スペクトルにおけるブラ
ッグ角(2θ±0.2°)の7.7°、16.5°、2
5.1°および26.6°に強い回折ピークを有するヒ
ドロキシガリウムフタロシアニン結晶を、芳香族アルコ
ール類(ベンジルアルコール等)を用いることによっ
て、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±
0.2°)の7.0°、7.5°、10.5°、11.
7°、12.7°、17.3°18.1°、24.5
°、26.2°および27.1°に強い回折ピークを有
するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を多価アル
コール類(エチレングリコール、グリセリン、ポリエチ
レングリコール等)を用いることによって、X線回折ス
ペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)の6.
8°、12.8°、15.8°および26.0°に強い
回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン
結晶を製造することができる。また、アミド類(N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドン等)、有機アミン類(ピリジ
ン、ピペリジン等)、スルホキシド類(ジメチルスルホ
キシド等)等を用いることによって、X線回折スペクト
ルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.9°、
16.5°、24.4°および27.6°に強い回折ピ
ークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を
製造することができる。これらの溶剤処理は、0〜15
0℃の温度範囲において、ヒドロキシガリウムフタロシ
アニン結晶1部に対して、1〜200部の範囲で実施す
ることができる。
【0010】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明する。な
お、実施例および比較例における「部」は「重量部」を
意味する。 (クロロガリウムフタロシアニンの合成例) 例1 α−クロロナフタレン1500ml、3塩化ガリウム1
00部およびフタロニトリル291部を、窒素気流下2
00℃で4時間反応させた後、生成したクロロガリウム
フタロシアニン結晶を濾別した。得られたフィルターケ
ーキをジメチルホルムアミド(DMF)1000mlに
分散させ、150℃で30分間加熱攪拌した。濾過によ
って得られたフィルターケーキをメタノールで十分洗浄
した後、乾燥して、クロロガリウムフタロシアニン結晶
156部(44.1%)を得た。
【0011】例2 α−クロロナフタレン100ml、フタロニトリル2
9.1部を窒素気流下、室温でよく攪拌した後、3塩化
ガリウム10部を塊のまま加え、窒素気流下200℃で
24時間反応させた後、生成したクロロガリウムフタロ
シアニン結晶を濾別した。得られたフィルターケーキを
DMF100mlに分散させ、150℃で30分間加熱
攪拌した。濾過によって得られたフィルターケーキをメ
タノールで十分洗浄した後、乾燥して、クロロガリウム
フタロシアニン結晶28.9部(82.5%)を得た。
【0012】例3 o−ジクロロベンゼン100ml、3塩化ガリウム10
部およびフタロニトリル29.1部を、窒素気流下で4
時間、加熱還流した後、生成したクロロガリウムフタロ
シアニン結晶を濾別した。得られたフィルターケーキを
DMF100mlに分散させ、150℃で30分間加熱
攪拌した。濾過によって得られたフィルターケーキをメ
タノールで十分洗浄した後、乾燥して、クロロガリウム
フタロシアニン結晶12.2部(34.6%)を得た。
【0013】例4 o−ジクロロベンゼンの代わりにp−ジクロロベンゼン
を用いた以外は、例3と同様に反応させ、洗浄してクロ
ロガリウムフタロシアニン結晶5.1部(14.5%)
を得た。
【0014】例5(比較例) 13−ジイミノイソインドリン30部および3塩化ガリ
ウム9.1部を、キノリン230部中に入れ、窒素気流
下200℃で3時間反応させた後、生成したクロロガリ
ウムフタロシアニン結晶を濾別し、アセトンおよびメタ
ノールで洗浄し、次いで湿フィルターケーキを乾燥し
て、クロロガリウムフタロシアニン結晶28部を得た。
【0015】例6(比較例) フタロニトリル29.1部および3塩化ガリウム10部
を、300mlのフラスコ中で、窒素気流下300℃で
4時間反応させた後、生成した青色の塊を乳鉢でよく粉
砕し、200mlのDMFに懸濁させて、窒素気流下で
1.5時間加熱還流した。得られたクロロガリウムフタ
ロシアニン結晶を濾別し、洗浄した後、このDMF洗浄
をさらに2回繰り返し、最後に600mlのメタノール
を用いて3回洗浄し、乾燥してクロロガリウムフタロシ
アニン結晶25.1部を得た。得られたクロロガリウム
フタロシアニン結晶の元素分析値は、下記の通りであっ
た。また、Massスペクトル測定の結果から、このク
ロロガリウムフタロシアニン結晶は、フタロシアニン環
にCl原子が0〜4個置換したものの混合物であること
が分かった。
【0016】 元素分析値(%) (C32168 GaClとして) 計算値 C:62.22 H:2.61 N:18.1
4 Cl:5.74 実測値 C:60.80 H:2.43 N:17.1
5 Cl:6.95
【0017】実施例1 上記例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶
3部を、濃硫酸90部に0℃で溶解した後、5℃の蒸留
水450部中に滴下し、結晶を再析出させた。蒸留水で
十分に洗浄し、粉末X線回折スペクトルを測定した。そ
の結果を図1に示す。さらに希アンモニア水を用いて洗
浄した。次いで2%アンモニア水100mlに懸濁し、
室温で1時間攪拌した。2%アンモニア水を加えた際
に、色相が濃緑色から濃青色に変色した。さらに蒸留水
で十分洗浄した後、乾燥して、ヒドロキシガリウムフタ
ロシアニン結晶0.5部を得た。粉末X線回折スペクト
ルを図2に示す。得られたヒドロキシガリウムフタロシ
アニン結晶0.5部をN,N−ジメチルホルムアミド1
5部に加え、直径1mmのガラスビーズ30部と共に2
4時間ミリングした後、結晶を分離し、メタノールで洗
浄し、乾燥して、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結
晶を得た。その粉末X線回折図を、図3に示す。
【0018】実施例2〜4および比較例1〜2 例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶の代
わりに例2〜6で得られたクロロガリウムフタロシアニ
ン結晶を用いた以外は、実施例1と同様に処理してヒド
ロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。実施例2〜
4および比較例1の粉末X線回折図は、図3と同様であ
った。なお、比較例2の粉末X線回折図は、図4に示
す。
【0019】応用例1〜4および参考例1〜2 アルミニウム基板上にジルコニウム化合物(商品名;オ
ルガチックスZC540、マツモト製薬社製)10部お
よびシラン化合物(商品名;A1110、日本ユンカー
社製)1部とi−プロパノール40部およびブタノール
20部からなる溶液を浸漬コーティング法で塗布し、1
50℃において10分間加熱乾燥し、膜厚0.5μmの
下引き層を形成した。次に、実施例1で得られたヒドロ
キシガリウムフタロシアニン結晶0.1部を、ポリビニ
ルブチラール(商品名;エスレックBM−S、積水化学
(株)製)0.1部および酢酸n−ブチル10部と混合
し、ガラスビーズと共にペイントシェーカーで1時間処
理して分散した後、得られた塗布液を、上記下引き層上
にワイヤーバーNo.5で塗布し、100℃において1
0分間加熱乾燥して、膜厚約0.15μmの電荷発生層
を形成した。また、分散後の前記ヒドロキシガリウムフ
タロシアニン結晶の結晶型はX線回折によって分散前の
結晶型と比較して変化していないことを確認した。次
に、下記構造式(I)で示される化合物2部と下記構造
式(II)で示される繰り返し単位を有するポリカーボネ
ート3部を、モノクロロベンゼン20部に溶解し、得ら
れた塗布液を、電荷発生層が形成されたアルミニウム基
板上に浸漬コーティング法で塗布し、120℃において
1時間加熱乾燥し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し
た。
【0020】
【化1】
【0021】このようにして得られた電子写真感光体の
電子写真特性を、自社内で作製したフラットプレートス
キャナーを用いて、常温常湿(20℃、40%RH)の
環境下で、−2.5μAのコロナ放電を行なって帯電さ
せ(V0 (V))、1秒放置して電位:VDDP (V)を
測定し、暗減衰率:DDR(DDR=(V0 −VDDP)
/V0 ×100(%))を計算した。その後、タングス
テンランプの光を、モノクロメーターを用いて780n
mの単色光にし、感光体表面上で0.25μW/cm2
になるように調整し、照射して、初期感度:dV/dE
(V−cm2 /erg)を測定した。その結果を表1に
示す。実施例2〜4および比較例1〜2で得られたヒド
ロキシガリウムフタロシアニン結晶を用いて同様の感光
体を作製し、評価した。その結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】本発明により製造されるヒドロキシガリ
ウムフタロシアニン結晶は、低い暗減衰率および高い感
度を有する電子写真感光体に有用な結晶型に容易に変換
することができ、得られる電子写真感光体は、帯電性お
よび暗減衰率にばらつきがなく、安定した電子写真特性
を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の加水分解直後のヒドロキシガリウ
ムフタロシアニンのX線回折図である。
【図2】 実施例1の中和後のヒドロキシガリウムフタ
ロシアニンのX線回折図である。
【図3】 実施例1のヒドロキシガリウムフタロシアニ
ンのX線回折図である。
【図4】 比較例2のヒドロキシガリウムフタロシアニ
ン結晶のX線回折図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒドロキシガリウムフ
タロシアニン結晶の新規な製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】フタロシアニンは、塗料、印刷インキ、
触媒あるいは電子材料として有用な材料であり、特に近
年、電子写真感光体用材料、光記録用材料及び光電変換
材料として広範に検討がなされている。一般に、フタロ
シアニン化合物は、製造方法、処理方法の相違により、
多数の結晶型を示し、これら結晶型の違いは、フタロシ
アニン化合物の光電変換特性に大きな影響を及ぼすこと
が知られている。フタロシアニン化合物の結晶型につい
ては、例えば、銅フタロシアニンについてみると、安定
系のβ型以外に、α、π、x、ρ、γ、δ等の結晶型が
知られており、これ等の結晶型は、機械的歪力、硫酸処
理、有機溶剤処理及び熱処理等により、相互に転移が可
能であることが知られている(例えば米国特許第2,7
70,629号、同第3,160,635号、同第3,
708,292号及び同第3,357,989号明細
書)。また、特開昭50−38543号公報には、銅フ
タロシアニンの結晶型と電子写真特性との関係について
記載されている。さらに、銅フタロシアニン以外にも、
メタルフリーフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタ
ロシアニン、クロルアルミニウムフタロシアニン、クロ
ロインジウムフタロシアニン等について、種々の結晶型
のものを電子写真感光体に用いることが提案されてい
る。ヒドロキシガリウムフタロシアニンの結晶型と電子
写真特性に関しては、特開平1−221459号公報
に、アシッドペースティング法によって得られたものに
ついて記載されている。
【0003】本発明者等は、さらに検討を加えた結果、
ヒドロキシガリウムフタロシアニンのついて、5種の新
規な結晶型を発見し、そしてそれらが電子写真感光体と
して優れたものであることを見出した。(特願平3−1
22812号)ヒドロキシガリウムフタロシアニンは、
まずハロゲン化ガリウムフタロシアニンを合成し、それ
をアシッドペースティングによって加水分解することに
よって合成することができるが、ハロゲン化ガリウムフ
タロシアニンで、例えばそのうちの1つのクロロガリウ
ムフタロシアニンの合成方法としては、例えば、3塩
化ガリウムとジイミノイソインドリンを反応させる方法
(D.C.R.AcadSci.、1956、242、
1026)、3塩化ガリウムとフタロニトリルを反応
させる方法(特公平3−30854号公報)、、3塩
化ガリウムとフタロニトリルをブチルセロソルブ中で、
触媒の存在下に反応させる方法(特開平1−22145
9号公報)、3塩化ガリウムとフタロニトリルをキノ
リン中で反応させる方法(Inorg.Chem.19
80、19、3131)等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これら公知
の方法で合成したクロロガリウムフタロシアニンを用い
てアシッドペースティングにより加水分解を行うと、得
られたヒドロキシガリウムフタロシアニンの電子写真特
性は、使用したクロロガリウムフタロシアニンの合成方
法に大きく影響を受け、結晶型は同一であっても電子写
真感光体として用いた場合に、特に帯電性、暗減衰率の
ばらつきが大きく、安定した特性のものを得ることが困
難であると言う問題があった。本発明は、従来の技術に
おける上記のような実情に鑑みてなされたものである。
したがって、本発明は、従来の方法とは異なった合成法
を採用することにより、電子写真特性の安定したヒドロ
キシガリウムフタロシアニンを製造することを目的とす
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、検討の結
果、特定の溶剤を用いて合成したクロロガリウムフタロ
シアニンを加水分解することにより、安定した電子写真
特性を有し、特に感度が改善されたヒドロキシフタロシ
アニンが得られることを見出し、本発明を完成するに至
った。すなわち、本発明は、ヒドロキシガリウムフタロ
シアニンの製造方法に関するものであって、トリハロゲ
ン化ガリウムと、フタロニトリルまたはジイミノイソイ
ンドリンとを芳香族炭化水素溶剤中で反応させ、得られ
たクロロガリウムフタロシアニンを加水分解することを
特徴とする。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいては、まず、3塩化ガリウムとフタロニトリルまた
はジイミノイソインドリンとからクロロガリウムフタロ
シアニンを合成するが、その際、フタロニトリルまたは
ジイミノイソインドリンは、3塩化ガリウムに対し4倍
量以上用いることが好ましく、通常は、4倍〜10倍当
量の範囲で使用される。また、反応に用いる芳香族炭化
水素溶剤としては、クロロガリウムフタロシアニンの生
成速度の問題から、沸点150℃以上であることが好ま
しく、例えば、α−およびβ−クロロナフタレン、o−
およびp−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等の
ハロゲン化芳香族炭化水素溶剤が特に好ましい。これら
の芳香族炭化水素は、フタロニトリルまたはジイミノイ
ソインドリンに対して0.2〜20倍量の範囲で使用で
きるが、少なすぎると、撹拌し難く、多すぎると処理に
時間がかかり、また、不経済であるので、通常、0.3
〜10倍量の範囲で用いるのが好ましい。反応は、窒素
等の不活性雰囲気下、100℃〜溶剤の沸点の範囲で加
熱することによって実施することができる。
【0007】上記の合成反応によって得られたクロロガ
リウムフタロシアニンは、次いで、溶剤洗浄を行う。用
いる溶剤としては、DMF、NMP等のアミド系溶剤が
特に好ましい。この溶剤洗浄処理は、反応生成物を濾別
した後、得られたフィルターケーキをアミド系溶剤に分
散させ、攪拌すればよい。攪拌は、加熱下に行ってもよ
い。また、フィルターケーキをアミド系溶剤で洗浄する
だけでもよい。アミド系溶剤としてはジメチルホルムア
ミド、N−メチルピロリドンなどが使用できる。
【0008】次に、上記のようにして得られたクロロガ
リウムフタロシアニンを酸を用いて加水分解する。すな
わち、クロロガリウムフタロシアニンを酸に溶解した溶
液を、適当な溶剤に注入してヒドロキシガリウムフタロ
シアニンを析出させる。酸としては、クロロガリウムフ
タロシアニンに対する溶解度の高いトリクロロ酢酸、ト
リフルオロ酢酸、リン酸、メタンスルホン酸、塩酸、硫
酸、硝酸等を用いることができるが、特に硫酸が高い溶
解度を有し、また発煙性もないので取扱易く、好まし
い。加水分解に用いる酸の量は、通常、クロロガリウム
フタロシアニン1部に対して、2〜70部の範囲であ
り、好ましくは10〜50部の範囲である。また、クロ
ロガリウムフタロシアニンを溶解させる温度としては、
0〜100℃、好ましくは5〜80℃が採用される。ク
ロロガリウムフタロシアニンを溶解した溶液が注入され
る溶剤としては、水、水と有機溶剤の混合溶剤、アルカ
リ水溶液等があげられる。溶剤の量としては、用いる酸
1部に対して、2〜70部、好ましくは5〜50部の範
囲である。溶剤は、析出に際しての発熱を避けるために
10℃以下に保持したものを使用するのが好ましい。
【0009】上記のようにして得られたヒドロキシガリ
ウムフタロシアニンは、種々の溶剤中で処理して、所望
の結晶型に変換することができる。例えば、アミド類
(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルア
セトアミド、N−メチルピロリドン等)、エステル類
(酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸iso-アミル等)、ケ
トン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルiso-ブ
チルケトン等)などを使用して、X線回折スペクトルに
おけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.
9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1
°および28.3°に強い回折ピークを有するヒドロキ
シガリウムフタロシアニン結晶を得ることができる。同
様に、アルコール類(メタノール、エタノール等)、多
価アルコール類(エチレングリコール、グリセリン、ポ
リエチレングリコール等)、スルホキシド類(ジメチル
スルホキシド等)、芳香族類(トルエン、クロロベンゼ
ン等)などを用いて、X線回折スペクトルにおけるブラ
ッグ角(2θ±0.2°)の7.7°、16.5°、2
5.1°および26.6°に強い回折ピークを有するヒ
ドロキシガリウムフタロシアニン結晶を、芳香族アルコ
ール類(ベンジルアルコール等)を用いることによっ
て、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±
0.2°)の7.0°、7.5°、10.5°、11.
7°、12.7°、17.3°18.1°、24.5
°、26.2°および27.1°に強い回折ピークを有
するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を多価アル
コール類(エチレングリコール、グリセリン、ポリエチ
レングリコール等)を用いることによって、X線回折ス
ペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)の6.
8°、12.8°、15.8°および26.0°に強い
回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン
結晶を製造することができる。また、アミド類(N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドン等)、有機アミン類(ピリジ
ン、ピペリジン等)、スルホキシド類(ジメチルスルホ
キシド等)等を用いることによって、X線回折スペクト
ルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.9°、
16.5°、24.4°および27.6°に強い回折ピ
ークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を
製造することができる。これらの溶剤処理は、0〜15
0℃の温度範囲において、ヒドロキシガリウムフタロシ
アニン結晶1部に対して、1〜200部の範囲で実施す
ることができる。
【0010】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明する。な
お、実施例および比較例における「部」は「重量部」を
意味する。 (クロロガリウムフタロシアニンの合成例) 例1 α−クロロナフタレン1500ml、3塩化ガリウム1
00部およびフタロニトリル291部を、窒素気流下2
00℃で4時間反応させた後、生成したクロロガリウム
フタロシアニン結晶を濾別した。得られたフィルターケ
ーキをジメチルホルムアミド(DMF)1000mlに
分散させ、150℃で30分間加熱攪拌した。濾過によ
って得られたフィルターケーキをメタノールで十分洗浄
した後、乾燥して、クロロガリウムフタロシアニン結晶
156部(44.1%)を得た。
【0011】例2 α−クロロナフタレン100ml、フタロニトリル2
9.1部を窒素気流下、室温でよく攪拌した後、3塩化
ガリウム10部を塊のまま加え、窒素気流下200℃で
24時間反応させた後、生成したクロロガリウムフタロ
シアニン結晶を濾別した。得られたフィルターケーキを
DMF100mlに分散させ、150℃で30分間加熱
攪拌した。濾過によって得られたフィルターケーキをメ
タノールで十分洗浄した後、乾燥して、クロロガリウム
フタロシアニン結晶28.9部(82.5%)を得た。
【0012】例3 o−ジクロロベンゼン100ml、3塩化ガリウム10
部およびフタロニトリル29.1部を、窒素気流下で4
時間、加熱還流した後、生成したクロロガリウムフタロ
シアニン結晶を濾別した。得られたフィルターケーキを
DMF100mlに分散させ、150℃で30分間加熱
攪拌した。濾過によって得られたフィルターケーキをメ
タノールで十分洗浄した後、乾燥して、クロロガリウム
フタロシアニン結晶12.2部(34.6%)を得た。
【0013】例4 o−ジクロロベンゼンの代わりにp−ジクロロベンゼン
を用いた以外は、例3と同様に反応させ、洗浄してクロ
ロガリウムフタロシアニン結晶5.1部(14.5%)
を得た。
【0014】例5(比較例) 1,3−ジイミノイソインドリン30部および3塩化ガ
リウム9.1部を、キノリン230部中に入れ、窒素気
流下200℃で3時間反応させた後、生成したクロロガ
リウムフタロシアニン結晶を濾別し、アセトンおよびメ
タノールで洗浄し、次いで湿フィルターケーキを乾燥し
て、クロロガリウムフタロシアニン結晶28部を得た。
【0015】例6(比較例) フタロニトリル29.1部および3塩化ガリウム10部
を、300mlのフラスコ中で、窒素気流下300℃で
4時間反応させた後、生成した青色の塊を乳鉢でよく粉
砕し、200mlのDMFに懸濁させて、窒素気流下で
1.5時間加熱還流した。得られたクロロガリウムフタ
ロシアニン結晶を濾別し、洗浄した後、このDMF洗浄
をさらに2回繰り返し、最後に600mlのメタノール
を用いて3回洗浄し、乾燥してクロロガリウムフタロシ
アニン結晶25.1部を得た。得られたクロロガリウム
フタロシアニン結晶の元素分析値は、下記の通りであっ
た。また、Massスペクトル測定の結果から、このク
ロロガリウムフタロシアニン結晶は、フタロシアニン環
にCl原子が0〜4個置換したものの混合物であること
が分かった。
【0016】 元素分析値(%) (C32168 GaClとして) 計算値 C:62.22 H:2.61 N:18.1
4 Cl:5.74 実測値 C:60.80 H:2.43 N:17.1
5 Cl:6.95
【0017】例7(比較例) 1.3−ジイミノイソインドリン33部、3塩化ガリウ
ム10部をN−メチルピロリドン150部中にいれ、2
00℃において3時間反応させた後、生成物を濾別し、
アセトン、水、DMF、メタノールで洗浄し、次いで、
湿ケーキを乾燥後、クロロガリウムフタロシアニン結晶
17部を得た。
【0018】実施例1 上記例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶
3部を、濃硫酸90部に0℃で溶解した後、5℃の蒸留
水450部中に滴下し、結晶を再析出させた。蒸留水で
十分に洗浄し、粉末X線回折スペクトルを測定した。そ
の結果を図1に示す。さらに希アンモニア水を用いて洗
浄した。次いで2%アンモニア水100mlに懸濁し、
室温で1時間攪拌した。2%アンモニア水を加えた際
に、色相が濃緑色から濃青色に変色した。さらに蒸留水
で十分洗浄した後、乾燥して、ヒドロキシガリウムフタ
ロシアニン結晶0.5部を得た。粉末X線回折スペクト
ルを図2に示す。得られたヒドロキシガリウムフタロシ
アニン結晶0.5部をN,N−ジメチルホルムアミド1
5部に加え、直径1mmのガラスビーズ30部と共に2
4時間ミリングした後、結晶を分離し、メタノールで洗
浄し、乾燥して、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結
晶を得た。その粉末X線回折図を、図3に示す。
【0019】実施例2〜4および比較例1〜3 例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶の代
わりに例2〜7で得られたクロロガリウムフタロシアニ
ン結晶を用いた以外は、実施例1と同様に処理してヒド
ロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。実施例2〜
4および比較例1、3の粉末X線回折図は、図3と同様
であった。なお、比較例2の粉末X線回折図は、図4に
示す。
【0020】応用例1〜4および参考例1〜3 アルミニウム基板上にジルコニウム化合物(商品名;オ
ルガチックスZC540、マツモト製薬社製)10部お
よびシラン化合物(商品名;A1110、日本ユンカー
社製)1部とi−プロパノール40部およびブタノール
20部からなる溶液を浸漬コーティング法で塗布し、1
50℃において10分間加熱乾燥し、膜厚0.5μmの
下引き層を形成した。次に、実施例1で得られたヒドロ
キシガリウムフタロシアニン結晶0.1部を、ポリビニ
ルブチラール(商品名;エスレックBM−S、積水化学
(株)製)0.1部および酢酸n−ブチル10部と混合
し、ガラスビーズと共にペイントシェーカーで1時間処
理して分散した後、得られた塗布液を、上記下引き層上
にワイヤーバーNo.5で塗布し、100℃において1
0分間加熱乾燥して、膜厚約0.15μmの電荷発生層
を形成した。また、分散後の前記ヒドロキシガリウムフ
タロシアニン結晶の結晶型はX線回折によって分散前の
結晶型と比較して変化していないことを確認した。次
に、下記構造式(I)で示される化合物2部と下記構造
式(II)で示される繰り返し単位を有するポリカーボネ
ート3部を、モノクロロベンゼン20部に溶解し、得ら
れた塗布液を、電荷発生層が形成されたアルミニウム基
板上に浸漬コーティング法で塗布し、120℃において
1時間加熱乾燥し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し
た。
【0021】
【化1】
【0022】このようにして得られた電子写真感光体の
電子写真特性を、自社内で作製したフラットプレートス
キャナーを用いて、常温常湿(20℃、40%RH)の
環境下で、−2.5μAのコロナ放電を行なって帯電さ
せ(V0 (V))、1秒放置して電位:VDDP (V)を
測定し、暗減衰率:DDR(DDR=(V0 −VDDP)
/V0 ×100(%))を計算した。その後、タングス
テンランプの光を、モノクロメーターを用いて780n
mの単色光にし、感光体表面上で0.25μW/cm2
になるように調整し、照射して、初期感度:dV/dE
(V−cm2 /erg)を測定した。その結果を表1に
示す。実施例2〜4および比較例1〜3で得られたヒド
ロキシガリウムフタロシアニン結晶を用いて同様の感光
体を作製し、評価した。その結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】本発明により製造されるヒドロキシガリ
ウムフタロシアニン結晶は、低い暗減衰率および高い感
度を有する電子写真感光体に有用な結晶型に容易に変換
することができ、得られる電子写真感光体は、帯電性お
よび暗減衰率にばらつきがなく、安定した電子写真特性
を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂口 泰生 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社竹松事業所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリハロゲン化ガリウムと、フタロニト
    リルまたはジイミノイソインドリンとを芳香族炭化水素
    溶剤中で反応させ、得られたクロロガリウムフタロシア
    ニンを加水分解することを特徴とするヒドロキシガリウ
    ムフタロシアニン結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 芳香族炭化水素溶剤が、沸点150℃以
    上のハロゲン化芳香族炭化水素である請求項1記載のヒ
    ドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】 トリハロゲン化ガリウムが、3塩化ガリ
    ウムであることを特徴とする請求項1記載のヒドロキシ
    ガリウムフタロシアニン結晶の製造方法。
JP24893492A 1992-08-26 1992-08-26 ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法 Expired - Fee Related JP2765399B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24893492A JP2765399B2 (ja) 1992-08-26 1992-08-26 ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法
US08/108,426 US5393881A (en) 1992-08-26 1993-08-19 Crystalline forms of hydroxygallium phthalocyanine
DE69323250T DE69323250T2 (de) 1992-08-26 1993-08-23 Verfahren zur Herstellung von Hydroxygalliumphthalocyaninen
EP93113400A EP0584754B1 (en) 1992-08-26 1993-08-23 Process for producing hydroxygallium phthalocyanine
US08/321,865 US5556967A (en) 1992-08-26 1994-10-14 Process for producing hydroxygallium phthalocyanine
US08/321,878 US5472816A (en) 1992-08-26 1994-10-14 Process for producing hydroxygallium phthalocyanine

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24893492A JP2765399B2 (ja) 1992-08-26 1992-08-26 ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0673304A true JPH0673304A (ja) 1994-03-15
JP2765399B2 JP2765399B2 (ja) 1998-06-11

Family

ID=17185592

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24893492A Expired - Fee Related JP2765399B2 (ja) 1992-08-26 1992-08-26 ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2765399B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013014677A (ja) * 2011-07-04 2013-01-24 Ricoh Co Ltd 複合顔料およびそれを用いた電子写真感光体、画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッジ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013014677A (ja) * 2011-07-04 2013-01-24 Ricoh Co Ltd 複合顔料およびそれを用いた電子写真感光体、画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッジ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2765399B2 (ja) 1998-06-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5521306A (en) Processes for the preparation of hydroxygallium phthalocyanine
JPH07331107A (ja) ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶及びそれを用いた電子写真感光体
US5456998A (en) Photoconductive imaging members containing alkoxy-bridged metallophthalocyanine dimers
JPH08100134A (ja) ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法
US5556967A (en) Process for producing hydroxygallium phthalocyanine
JPH0788482B2 (ja) チタニルフタロシアニンの製造法
JPH06122833A (ja) ヒドロキシメタルフタロシアニン顔料の顔料化方法
JPH07292268A (ja) アルコキシ橋かけ金属フタロシアニン二量体
JPH0753892A (ja) ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法およびそれを用いた電子写真感光体
JP2765397B2 (ja) ヒドロキシガリウムフタロシアニンの製造方法
JP2765398B2 (ja) クロロガリウムフタロシアニン結晶の製造方法
JPH04351673A (ja) オキシチタニウムフタロシアニンとヒドロキシメタルフタロシアニンとの混合結晶、その製造方法および電子写真感光体
US5362589A (en) Electrophotographic photoreceptor containing phthalocyanine mixed crystals
JPH05194523A (ja) クロロガリウムフタロシアニンの新規な結晶の製造方法及びその結晶を用いた電子写真感光体
JP3178484B2 (ja) 光電変換材料用ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、その製造方法、およびそれを用いた電子写真感光体
US5567559A (en) Electrophotographic photoreceptors containing titanyl phthalocyanine processed through ammoniated complex, and method for production thereof
US5292604A (en) Phthalocyanine crystal of mixed pigments and electrophotographic photoreceptor using the same
JP2765399B2 (ja) ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法
US6232466B1 (en) Process for preparing titanyl phthalocyanine crystal by solvent treatment of amorphous or quasi-amorphous titanyl phthalocyanine
JP3836190B2 (ja) 光導電性画像形成部材
JP2932932B2 (ja) ガリウムフタロシアニン化合物の製造方法
JPH0655908B2 (ja) オキシチタニウムフタロシアニン結晶の製造方法
JPH11130775A (ja) チタニルフタロシアニンおよびその使用
JPH0693203A (ja) ハロゲン含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶およびそれを用いた電子写真感光体
JPH07207171A (ja) クロロガリウムフタロシアニンの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080403

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090403

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees