JPH0673161A - 加熱硬化性ポリエポキシド系組成物 - Google Patents

加熱硬化性ポリエポキシド系組成物

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JPH0673161A
JPH0673161A JP3692592A JP3692592A JPH0673161A JP H0673161 A JPH0673161 A JP H0673161A JP 3692592 A JP3692592 A JP 3692592A JP 3692592 A JP3692592 A JP 3692592A JP H0673161 A JPH0673161 A JP H0673161A
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JP
Japan
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polyepoxide
group
diepoxide
formula
component
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JP3692592A
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English (en)
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Harumasa Sugino
治正 杉野
Yasuo Chiba
康夫 千葉
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Fuji Kasei Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Fuji Kasei Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は45℃での長期貯蔵安定性に
優れ、100℃〜140℃の低温加熱で速やかに硬化す
る加熱硬化性エポキサイド系組成物の提供である。 【構成】 該組成物は、分子内に平均1.5個以上のエ
ポキシ基を持つ軟化点が80℃以上のポリエポキサイド
1.0当量、及びポリ(4−エポキシエチル−シクロヘ
キシレン−1,2−ジオール)エーテル系ポリエポキサ
イド1.0当量と一般式R1-CH(NH2)-R2(R1
2はアルキル基又は連結してシクロヘキシル基を表
す)で示されるアミン1.0〜2.5当量を反応させて
造られるアミン誘導体0.6〜1.5当量を混合するこ
とにより造られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】分子内にオキシラン環を有するポ
リエポキサイド系化合物は種々の硬化剤又は硬化触媒と
呼ばれる物質と組み合わせ、これらと混合することによ
つて常温又は加熱のどちらの方法でも硬化させることが
できる性質を持つ。そして、その硬化物は多くの物質に
たいし優れた接着性、機械的性質、電気的性質及び化学
的性質を持つため、接着、塗料、注入、含浸、積層、成
形、注型、ポッティングなどの分野に多くの実績があ
る。このような種々の用途分野の中で、粉末状にしたポ
リエポキサイドと常温では硬化しない潜在性硬化剤又は
触媒とからなる粉体塗料組成物は、粉体静電スプレー方
式や粉体流動浸漬方式などによる塗装の後に加熱硬化さ
せる方式の塗料として実用化されている。そして、この
硬化物としての塗膜は優れた機械的性質、電気的性質、
化学的性質などを備えているために種々の物質への被覆
材料として多用されている。しかしながら、このポリエ
ポキサイドに基づく粉体塗料システムは、現状では様々
の制約を持っている。すなわち、このエポキサイド系組
成物は基本的に反応性を持つ多数成分を混合し、これを
様々な環境に保存し、必要に応じて取り出して加熱硬化
させる事が必要であるため、これらに関連する問題を持
つ。そして、より具体的には保存時の安定性の問題であ
り、また加熱時の硬化性の問題である。そして、更に具
体的には、このエポキシ樹脂組成物は可能な限り長い保
存寿命が必要であり、加熱硬化時には比較的低い温度に
おいて素早く硬化することが必要である。
【0002】従って、この発明は貯蔵安定性に優れ、比
較的低温で、かつ短時間に硬化させることができる粉体
塗料を主たる目的とする粉末状の加熱硬化性ポリエポキ
サイド系組成物に関連するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】通常、ポリエポキサイ
ドに基づく粉体塗料及びその他の粉末状組成物の用途に
おいては、ポリエポキサイド化合物とこの硬化剤とし
て、室温では反応しないが加熱により反応を開始し硬化
させる性質を持つ硬化剤いわゆる潜在性硬化剤が必要で
ある。潜在性硬化剤としてこれまでいくつかの物質が提
案されており、その代表的なものとしては、ジシアンジ
アミド、二塩基酸ジヒドラジド類、三フッ化ほう素アミ
ン錯塩、グアナミン類、メラミン、イミダゾール類など
が挙げられる。これら硬化剤化合物の中でジシアンジア
ミド、メラミン、グアナミンなどのグアナミン類を出発
原料とする物質をポリエポキサイドの硬化剤成分として
使用したものは、貯蔵安定性に優れているが150℃以
上の高温で、そして長時間の硬化条件を必要とする欠点
がある。また、これらと硬化促進剤と呼ばれる種々の物
質を併用して硬化時間を短縮することも広く行われてい
るが、この硬化促進剤の添加により硬化時間は短縮する
が貯蔵安定性が著しく損なわれるという欠点が生じてし
まう。一方、二塩基酸ジヒドラジド類やイミダゾール類
を硬化剤成分として使用したものは、比較的低温で硬化
はするが貯蔵安定性に乏しい。また、三フッ化ほう素ア
ミン錯塩を硬化剤成分として用いたものは貯蔵安定性に
優れ硬化時間は短いという長所があるが、これによる硬
化物は耐水性に劣り、金属に対する腐食性を持つなど、
それぞれに欠点を持っている。そして、このような現状
から、貯蔵安定性に優れ加熱した時に短時間で硬化しう
る硬化剤、そしてそのものを使用して硬化物とした時に
種々の性能に優れるポリエポキサイド系組成物の開発が
望まれている。このような粉体塗料を主たる目的とする
粉末状の加熱硬化性のポリエポキサイド組成物に望まれ
る理想的性質は、次のようなものである。 固体であり、微粉砕が可能であること。 ポリエポキサイドと硬化剤化合物とを混合し保存し
たときに貯蔵安定性に優れること。 できるだけ低い温度での加熱時にすばやく硬化する
こと。 硬化時に着色、変色又はその他の表面状態の欠陥を
起こさないこと。 硬化物が機械的性質に優れていること。 硬化物が電気的性質に優れていること。 硬化物が化学的性質に優れていること。 硬化物が耐候性に優れていること。
【0004】
【従来の技術】このようなエポキシ樹脂系粉体塗料の分
野においては従来からポリアミン又はこれらポリアミン
を種々の方法で変成した硬化剤が使用されていた。この
場合のポリアミンとは脂肪族又は芳香族ポリアミンであ
った。そして、より古くは芳香族ポリアミンが脂肪族ポ
リアミンに比較して反応性に劣り、これゆえにポリエポ
キサイドと混合した場合に貯蔵安定性に優れるために使
用されていた実績がある。しかし、粉体塗料を主たる用
途とする粉末状のポリエポキサイド系組成物において
は、色調の安定性が重要である。この点に立脚すると、
芳香族ポリアミンを出発原料とする硬化剤化合物の場合
には加熱硬化時の着色及びその後の使用環境暴露時の変
色の問題から大きな欠点がある。また、硬化に際しては
高い温度と長い時間を必要とするなどの欠点が多かっ
た。この点において、色調の安定性に加え、基本的な貯
蔵安定性と比較的低い温度領域すなわち100から14
0℃での素早い硬化性の実現は、原料に脂肪族ポリアミ
ンを使用する方法にのみ専ら期待されている。一つの改
善案として、公開特許公報昭57−42760及び昭5
8−147417では、脂肪族ポリアミンであるイソホ
ロンジアミンとポリエポキサイドであるビスフェノール
Aグリシジルエーテルとからの反応生成物をポリエポキ
サイド系組成物の硬化剤成分として使用する方法が提案
されていた。しかし、これらによって合成されるところ
の硬化剤化合物を硬化剤成分として使用すると、加熱時
の硬化性に優れ、また、硬化物の性能に優れるものを与
えるが、ポリエポキサイドとの混合組成物としては未だ
貯蔵安定性に優れるものにはならない。公開特許公報昭
57−100127では脂肪族アミンであるジアルキル
アミンとグリシジル基を分子内に持つポリエポキサイド
とから合成される硬化剤化合物を用いることが提案され
ている。しかし、これによって得られる組成物は貯蔵安
定性に乏しく、また、硬化の温度が高い欠点をもってい
る。公開特許公報昭58−13623には種々のイミダ
ゾールとヒドロキシフェニルアルケンジグリシジルエ−
テルとの反応物を硬化剤成分として使用する方法につい
ての記述がある。しかし、この場合に得られるポリエポ
キシサイド系組成物も硬化に際する温度が150℃以上
を必要とし、エネルギーコストの観点から好ましいもの
ではない。
【0005】
【課題を解決する手段】このような現状の認識から、我
々は最大の努力を行った結果、現状の課題の解決に有効
なる方法を見いだした。すなわち、この発明は加熱時に
着色及びその後の使用環境においても着色変化の少ない
粉体塗料及びその他粉末状組成物を主な用途とする加熱
硬化性ポリエポキサイド系組成物を提供するものであ
り、一成分系で良好な貯蔵安定性を保持しつつ、加熱硬
化したときに比較的低温すなわち100〜140℃で短
時間に硬化可能なポリエポキサイド系組成物を提供する
ものである。
【0006】すなわち、この発明は基本的に次のような
内容を包含し、これにより導かれるポリエポキサイド系
組成物は現状の課題の解決に極めて有効であることを見
いだした。
【0007】即ち、成分Aとして、分子内に平均1.5
個以上のエポキシ基を持つポリエポキサイドと、成分B
として、下記の一般式(a)又は(b) R1(R2)CH−NH2‥‥‥(a) (式中、R1及びR2は炭素数1から8までのアルキル
基、アルケニル基、アルコキシアルキル基、ジアルコキ
シアルキル基、フェニル基、アルキルフェニル基、フェ
ニルアルキル基、シクロヘキシルアルキル基を表す。) R3−NH2‥‥‥‥‥‥‥‥‥(b) (式中、R3は炭素数が6から8までのシクロヘキシル
基及びアルキルシクロヘキシル基を表す。)で示される
β位及びβ’位に炭素が存在するアミン又はこれらの混
合物と、下記の一般式(c)
【化5】 [式中、R4はn個の水酸基を有するアルコ−ル化合物
の残基で、アルコキシ基を表わす。nは1から6までの
整数である。−(X)m1−‥‥‥−(X)mn−のXはそれぞ
れ独立に、次式(d)(e)及び(f)
【化6】 からなる群から、式(d)で示されるもの単独又は式
(d)、(e)及び(f)の混合物として選択される。
Xは、式(c)で示される分子内に3個以上含まれる。
m1、m2、‥‥‥‥‥mnは、それぞれ独立に0又は
1から50までの整数を表わし、それらの和は3から5
0である。]で示されるポリエポキサイド(以後PEH
Eと記載する)、又はこのPEHEとジビニルシクロヘ
キセンジエポキサイド、ジビニルベンゼンジエポキサイ
ド、リモネンジエポキサイド、2,2−ビス(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)プロパン、ビス(2,3−エポ
キシシクロペンチル)エーテル、ジシクロペンタジエン
ジエポキサイド及びスチレンオキサイドからなる群から
選択されるエポキサイドとの混合物とを加熱により反応
させ、この後未反応アミンを減圧蒸留により除去するこ
とにより合成される硬化剤とからなり、成分A及び成分
Bとが混合された加熱硬化性ポリエポキシド系組成物に
関するものである。
【0008】この発明の必須成分である分子内に平均
1.5個以上のエポキシ基を持つ固体のポリエポキサイ
ドとしては次のような例を示すことができる。ビスフェ
ノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビ
スフェノールS、ビス(ヒドロキシシクロヘキシル)メ
タン、テトラメチルビスフェノールA、カテコール、レ
ゾルシン、フロログルシン、テトラブロモビスフェノー
ルA、ジヒドロキシキシレン、トリヒドロキシビフェニ
ル、ベンゾフェノン、ビスレゾルシノール、ビスフェノ
ールヘキサフルオロアセトン、ハイドロキノン、テトラ
メチルビスフェノールF、テトラメチルヒドロキシビフ
ェニル、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシアント
ラセン、トリヒドロキシフェニルメタン、トリス(ヒド
ロキシフェニル)メタン、トリス(ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、テトラ(ヒドロキシフェニル)エタン、ビ
スヒドロキシシクロヘキシルエタン、ビスヒドロキシシ
クロヘキシルプロパン、ポリ(メチレンヒドロキシフェ
ニル)、ポリ(メチレンクレゾール)、ポリ(メチレン
キシレノール)、ポリ(メチレンクレゾールトリシクロ
ペンタジエン)、ポリ(メチレンヒドロキシナフタレ
ン)などの多価フェノール類や、ヒダントイン、フェニ
ルヒダントイン酸、フェニルヒダントインなどのヒダン
トイン類とエピクロルヒドリンとを反応させて得られる
分子内に2個以上エポキシプロピル基を持つポリエポキ
シサイド、更には、PEHE、ジビニルベンゼンジエポ
キサイド、ジビニルシクロヘキセンジエポキサイド、リ
モネンジエポキサイドなどのエポキシエチル基を持つポ
リエポキサイドが示され、これらの中から選択された単
体、又は2種類以上を混合したもので、軟化点が80℃
以上を持つものが使用できる。
【0009】この発明の成分Bである硬化剤の合成に使
用されるβ位及びβ’位に炭素が存在するアミンとは、
下記の一般式(a)又は(b)で表されるもので、 R1(R2)CH−NH2‥(a) (式中、R1及びR2は炭素数1から8までのアルキル
基、アルケニル基、アルコキシアルキル基、ジアルコキ
シアルキル基、フェニル基、アルキルフェニル基、フェ
ニルアルキル基、シクロヘキシルアルキル基を表す。) R3−NH2‥‥‥‥‥‥‥(b) (式中、R3は炭素数が6から8までのシクロヘキシル
基及びアルキルシクロヘキシル基を表す。)2−ペンタ
ミン、2−ヘキサミン、2−ヘプタミン、2−オクタミ
ン、1−メトキシ−2−アミノプロパン、1−メトキシ
−2−アミノペンタン、1−メトキシ−2−アミノヘキ
サン、1−メトキシ−2−アミノヘプタン、1−メトキ
シ−2−アミノオクタン、1,1−ジメトキシ−2−ア
ミノプロパン、1,1−ジメトキシ−2−アミノブタ
ン、1,1−ジメトキシ−2−アミノペンタン、1,1
−ジメトキシ−2−アミノヘプタン、シクロヘキシルア
ミン、メチルシクロヘキシルアミン、エチルシクロヘキ
シルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジエチル
シクロヘキシルアミン、α−フェニルエチルアミン、1
−メチル−3−フェニルプロピルアミン、ベンジルアミ
ン、4−メトキシベンジルアミンなどのアミンが使用で
きる。この発明の成分Bである硬化剤の合成に使用され
るPEHEとは4−ビニルシクロヘキセンオキサイドの
開環重合によって得られるポリビニルシクロヘキセンエ
ーテルを過酢酸でエポキシ化することにより得られるポ
リエポキサイドであり、公開特許公報昭60−1706
20により示されるものである。固体のPEHEは、硬
化剤化合物の合成のためにはあらかじめ溶剤で希釈され
た状態で使用される。
【0010】硬化剤化合物は具備すべき装置を備えた反
応容器の中にアミンをあらかじめ仕込み、不活性ガスを
流入させ、また掻きまぜを行いながらこのアミンのモル
量に対してPEHEのエポキシ当量が過剰にならないよ
うな量でもって、すなわちPEHEのエポキシ当量に対
してアミンの仕込みモル量が過剰となる量でもって行
い、反応に際する発熱を避けつつPEHEの溶液を滴下
しながら反応を行う。反応の速さは温度に関連があり、
一般的な法則に従う。そして反応の温度は100から1
50℃の範囲で行うことが望ましい。アミンとPEHE
との反応が終了した後、過剰量のアミンは最初常圧蒸
留、次いで減圧蒸留により除去する。硬化剤化合物の合
成に際して、アミンの仕込みモル量がPEHEのエポキ
シ当量より過剰でない場合には合成される化合物の分子
量が大で熔融粘度の大なるものとなってしまい、粉体塗
料として加熱硬化する場合に流動性が不足し、表面状態
の良好なものにならないか、又は合成の初期にゲル化を
呈する結果を招く。
【0011】成分Aの分子内に平均1.5個以上のグリ
シジルを持つ固体ポリエポキサイドと成分Bのアミンと
PEHEとから合成される硬化剤化合物との混合比率
は、成分Aのポリエポキサイドのエポキシ当量が1に対
して硬化剤化合物の活性水素当量が0.6から1.5の間
の関係にある。
【0012】この発明は基本的に固体のポリエポキサイ
ドと固体の硬化剤とを混合し粉体としたものであるが、
この調整の過程においてあらかじめ粉体とした両方の成
分を混合する方式も可能であり、また粉体としない塊状
のものを加熱し熔融状態とした後に混合し、この後に粉
砕する方法も可能である。
【0013】ポリエポキサイドに対する硬化剤化合物の
配合量は、ポリエポキサイドの種類、特にそのポリエポ
キサイドが持つエポキシ基の濃度と硬化剤の持つ活性ア
ミノ基濃度との関係によつて決められる。
【0014】この発明の加熱硬化性ポリエポキサイド系
組成物には、例えば酸無水物、ジシアンジアミド、メラ
ミン、グアナミン類、二塩基酸ジヒドラジド類、イミダ
ゾール類などの従来から潜在性硬化剤として知られてい
る種々の硬化剤物質と併用することも可能である。ま
た、この発明による加熱硬化性ポリエポキサイド系組成
物には、着色を目的とする顔料や必要に応じてその他の
添加物を加えることができる。このような添加物の例と
しては、アルミナ、シリカ、珪石粉、タルク、ベントナ
イト、炭酸カルシウム、セメントなどの無機質材料粉
末、石綿、ガラス繊維、合成繊維、雲母、金属粉、各種
の難燃剤など、更には各種の揺変性付与材及びこれらに
類する物が挙げられる。
【0015】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
の実施例の範囲に限定されるものではない。この実施例
及び比較例で用いたポリエポキサイド類の詳細及び製造
会社などは次の通りである。 (1) EHPE3150:ダイセル化学工業株式会社製の
エポキシ当量約183のPEHEポリエポキサイド (2) EHPE3070:ダイセル化学工業株式会社製の
エポキシ当量約194のPEHEポリエポキサイド (3) EHPE3156:ダイセル化学工業株式会社製の
エポキシ当量約286のPEHEポリエポキサイド (4) ERL4206:ユニオンカーバイド社製のエポキ
シ当量約70のジビニルシクロヘキセンジエポキサイド (5) セロキサイド3000:ダイセル化学工業株式会社
製のエポキシ当量約94のリモネンジエポキサイド (6) スチレンオキサイド:ダイセル化学工業株式株式製
のモノエポキサイド (7) エピコート1001:油化シェルエポキシ株式会社
製のエポキシ当量約490のビスフェノールAグリシジ
ルエーテルジエポキサイド (8) エピコート1004:油化シェルエポキシ株式会社
製のエポキシ当量約950のビスフェノールAグリシジ
ルエーテルジエポキサイド
【0016】硬化剤製造例A〜H 温度計、還流冷却器、窒素流入装置、かくはん装置及び
滴下ロートを備えた500cc容量の四つ口フラスコ
に、アミンとキシレンとを同重量仕込む。窒素を流入さ
せ掻き交ぜを行いながら、加熱し内液温度を120℃す
る。この温度を保ちながら、滴下ロートに入れたエポキ
サイドの単体又は混合物とトルエン、キシレン及びイソ
プロピルアルコールとから選択された単独又は二種以上
の混合溶剤で希釈された溶液を過度の発熱を避けながら
約2時間で滴下した。終了後温度を130℃とし、この
後2時間保った。次に還流冷却器の下部にトラップを装
着し、温度を徐々に210℃に上昇させながら溶剤と未
反応アミンを蒸留により流出除去した。この終わりに減
圧操作を行いこれを完全に除去した。冷却して取り出し
て、アミン価、軟化点を調べた。この方法により合成し
た硬化剤を次の表1に示した。
【0017】 表1 硬化剤の原料構成と性質硬化剤記号 比較例 当 量 エホ゜キシト゛ a(1) 1.0 1.0 1.0 0.7 0.7 0.8エホ゜キシト゛ b(2) 1.0エホ゜キシト゛ c(3) 1.0エホ゜キシト゛ d(4) 0.3エホ゜キシト゛ e(5) 0.3エホ゜キシト゛ f(6) 0.2エホ゜キシト゛g(7) 1.0 硬化剤記号 比較例 モ ル CHA(8) 2.0 2.0 2.0 2.0 2.0 2.0 MCHA(9) 2.0 PEA(10) 2.0IPDA(11) 1.0 軟化点℃(12) 127 123 116 133 99 111 105 101 113 アミン価 180 177 128 175 178 204 199 195 219粘度,mPa・s(13) 940 635 655 1,100 170 200 150 140 1,500 注(1)エポキシドa:EHPE−3150, 注(2)エポキシドb:EHPE−3070, 注(3)エポキシドc:EHPE−3156, 注(4)エポキシドd:ERL−4206, 注(5)エポキシドe:セロキサイド3000, 注(6)エポキシドf:スチレンオキサイド, 注(7)エポキシドg:エピコート1001, 注(8)CHA:シクロヘキシルアミン, 注(9)MCHA:2−メチルシクロヘキシルアミン, 注(10)PEA:α−フェニルエチルアミン, 注(11)IPDA:イソホロンジアミン, 注(12)環球法, 注(13)200℃での粘度
【0018】比較用硬化剤の合成 硬化剤製造例と同様な装置にイソホロンジアミンとキシ
レンとを仕込んだ。窒素を流入させ、かくはんを行いな
がら、加熱し内液温度を100℃とする。この温度を保
ちながら、滴下ロートに入れたエポキシ当量約490の
ビスフェノールAグリシジルエーテルとキシレンとの混
合溶液を徐々に滴下した。終了後温度を120℃とし、
この後1時間保つた。次に還流冷却器の下部にトラップ
を装着し、温度を徐々に240℃に上昇させながらキシ
レンと未反応のイソホロンジアミンとを流出除去した。
この終わりに減圧操作により完全なものとした。冷却し
て取り出すと、このものは淡い褐色の固体で、軟化点1
13℃を持っていた。
【0019】加熱硬化性組成物としての実施例1〜9及
び比較例 加熱硬化性組成物としての性能試験は次のように実施さ
れた。基本的に必須成分であるエポキサイドと硬化剤と
を所定の比率で採取し、ほぼ140℃の温度に設定した
熱板上で手早く熔融し混合する。このものを乳鉢とふる
いとを用いてほぼ10〜20μmの粒子になるように粉
砕分別した。この粉末組成物について次に示す種々の試
験を実施した。
【0020】(1) 貯蔵安定性 45℃の加熱恒温槽に保存された粉末組成物を経時的に
取り出し、130℃の温度に設定した熱板上に保持した
とき流動性を示さなくなくなるまでの日数を測定した。 (2) ゲル化時間 温度130℃に設定した鉄板上に約0.1〜0.2gの粉
末組成物をのせ、つま楊枝の先端でかきまぜながら、糸
曳きのなくなるまでの時間を測定した。 (3) 硬化物のガラス転移点 所定のアルミニューム容器に入れた粉末組成物を、DS
C熱分析装置に装着し、5℃/min の昇温条件で245
℃まで加熱して硬化させた。冷却し、この操作を繰り返
して行い、熱量変化の吸収ピークからガラス転移点を求
めた。 (4) 塗膜としての平滑性 鉄板の上に散布した粉末組成物を、130℃の加熱恒温
槽中に30分間保つ。取り出した後に表面の平滑性を観
察する。
【0021】これらの試験結果を表2に示す。 表2 加熱硬化性組成物の性能試験 実施例番号 1 2 3 4 5 6 7 8 比較例 硬化剤記号 A B C D E F G H 比較例 硬化剤量(14) 33 33 46 34 33 29 30 30 27 貯蔵安定性,週 8 10 >12 9 8 >12 >12 >12 4 ゲル化時間 2'00" 2'15" 4'10" 2'10" 2'00" 1'55" 2'45" 2'25" 2'00" 硬化物のガラ ス転移点,℃ 84 93 87 85 91 94 87 88 83 塗料膜としての平滑性(15) G G E G G E E E F 注(14)硬化剤量は成分Aとしてのエピコート1004の
100部に対する重量部数を表す。 注(15)評価 E(Excellent)=優良、G(Good)=良、
F(Fair)=可 P(Poor)=悪い
【0022】
【発明の効果】以上の説明により、本発明は優れた貯蔵
安定性を有し、そして加熱したときに低い温度領域で速
やかに硬化しうるエポキシ樹脂組成物を提供し得るもの
であることは明らかである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱硬化性ポリエポキシド系組成物に於
    いて、分子内に平均1.5個以上のエポキシ基を持つポ
    リエポキサイドからなる成分Aと、下記の一般式(a)
    又は(b) R1(R2)CH−NH2‥‥‥(a) (式中、R1及びR2は炭素数1から8までのアルキル
    基、アルケニル基、アルコキシアルキル基、ジアルコキ
    シアルキル基、フェニル基、アルキルフェニル基、フェ
    ニルアルキル基、シクロヘキシルアルキル基を表す。) R3−NH2‥‥‥‥‥‥‥‥‥(b) (式中、R3は炭素数が6から8までのシクロヘキシル
    基及びアルキルシクロヘキシル基を表す。)で示される
    β位及びβ’位に炭素が存在するアミン又はこれらの混
    合物と、下記の一般式(c) 【化1】 [式中、R4はn個の水酸基を有するアルコ−ル化合物
    の残基で、アルコキシ基を表わす。nは1から6までの
    整数である。−(X)m1−‥‥‥−(X)mn−のXはそれぞ
    れ独立に、次式(d)(e)及び(f) 【化2】 からなる群から、式(d)で示されるもの単独又は式
    (d)、(e)及び(f)の混合物として選択される。
    Xは、式(c)で示される分子内に3個以上含まれる。
    m1、m2、‥‥‥‥‥mnは、それぞれ独立に0又は
    1から50までの整数を表わし、それらの和は3から5
    0である。]で示されるポリエポキサイド、又はこのポ
    リエポキサイドとジビニルシクロヘキセンジエポキサイ
    ド、ジビニルベンゼンジエポキサイド、リモネンジエポ
    キサイド、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシ
    ル)プロパン、ビス(2,3−エポキシシクロペンチ
    ル)エーテル、ジシクロペンタジエンジエポキサイド及
    びスチレンオキサイドからなる群から選択されるエポキ
    サイドとの混合物とを反応させてなる成分Bからなる、
    加熱硬化性ポリエポキサイド系組成物。
  2. 【請求項2】 成分Aの分子内に平均1.5個以上のエ
    ポキシ基を持つ固体ポリエポキサイドが、軟化点80℃
    以上を持つものである請求項1記載の加熱硬化性ポリエ
    ポキサイド系組成物。
  3. 【請求項3】 成分Bがアミン1モルに対して一般式
    (c)で示されるポリエポキサイド、又はこのポリエポ
    キサイドとジビニルシクロヘキセンジエポキサイド、ジ
    ビニルベンゼンジエポキサイド、リモネンジエポキサイ
    ド、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プ
    ロパン、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エー
    テル、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、スチレン
    オキサイドから選択されたものとの混合物とが0.4か
    ら1.0エポキシ当量の間の関係で反応させ、その後未
    反応アミンを減圧蒸留により除去することにより合成さ
    れる硬化剤である請求項1記載の加熱硬化性ポリエポキ
    サイド系組成物。
  4. 【請求項4】 成分A及び成分Bとが混合されている請
    求項1〜3の何れか一に記載の加熱硬化性ポリエポキサ
    イド系組成物。
  5. 【請求項5】 成分Aの1エポキシ当量に対して成分B
    のアミン活性水素当量が0.6から1.5当量の間の関係
    で混合される請求項1記載の加熱硬化性ポリエポキサイ
    ド系組成物。
  6. 【請求項6】 加熱硬化されたポリエポキシド系組成物
    に於いて、分子内に平均1.5個以上のエポキシ基を持
    つポリエポキサイドからなる成分Aと、下記の一般式
    (a)又は(b) R1(R2)CH−NH2‥‥‥(a) (式中、R1及びR2は炭素数1から8までのアルキル
    基、アルケニル基、アルコキシアルキル基、ジアルコキ
    シアルキル基、フェニル基、アルキルフェニル基、フェ
    ニルアルキル基、シクロヘキシルアルキル基を表す。) R3−NH2‥‥‥‥‥‥‥‥‥(b) (式中、R3は炭素数が6から8までのシクロヘキシル
    基及びアルキルシクロヘキシル基を表す。)で示される
    β位及びβ’位に炭素が存在するアミン又はこれらの混
    合物と、下記の一般式(c) 【化3】 [式中、R4はn個の水酸基を有するアルコ−ル化合物
    の残基で、アルコキシ基を表わす。nは1から6までの
    整数である。−(X)m1−‥‥‥−(X)mn−のXはそれぞ
    れ独立に、次式(d)(e)及び(f) 【化4】 からなる群から、式(d)で示されるもの単独又は式
    (d)、(e)及び(f)の混合物として選択される。
    Xは、式(c)で示される分子内に3個以上含まれる。
    m1、m2、‥‥‥‥‥mnは、それぞれ独立に0又は
    1から50までの整数を表わし、それらの和は3から5
    0である。]で示されるポリエポキサイド、又はこのポ
    リエポキサイドとジビニルシクロヘキセンジエポキサイ
    ド、ジビニルベンゼンジエポキサイド、リモネンジエポ
    キサイド、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシ
    ル)プロパン、ビス(2,3−エポキシシクロペンチ
    ル)エーテル、ジシクロペンタジエンジエポキサイド及
    びスチレンオキサイドからなる群から選択されるエポキ
    サイドとの混合物とを反応させてなる成分Bとを、混合
    加熱硬化させたポリエポキシド系組成物。
  7. 【請求項7】 成分Bが、EHPE−3150、EHP
    E−3070、EHPE−3156からなる群から選択
    されるポリエポキサイド、又はこのポリエポキサイドと
    ジビニルシクロヘキセンジエポキサイド、ジビニルベン
    ゼンジエポキサイド、リモネンジエポキサイド、2,2
    −ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、
    ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ジ
    シクロペンタジエンジエポキサイド及びスチレンオキサ
    イドからなる群から選択されるエポキサイドとの混合物
    とを反応させてなる請求項1又は6のポリエポキシド系
    組成物。
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