JPH0672360B2 - 毛さばき装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は毛さばき針布、あるいは金ブラシ等を用いて、
布帛に毛さばき（毛割り）作用を行わせる装置に関する
ものである。

従来の技術およびその問題点 従来の毛さばき装置は、第７図に示すように毛さばき針
布を捲付けた２本の針布ローラ１の前後に、布送り装置
２、およびバックテンション装置３を設け、更に、針布
ローラ下部にガイドローラ群４と、レッジ５とを有する
布の案内装置６とより構成されている。

従来の毛さばき装置は、布の案内装置を別体としている
ため、装置が大型となるばかりか、針布ローラとレッジ
の平行度を正確に維持することが困難である。

また、毛さばき針布とレッジ間のゲージを変化させると
平行度が変動する危険性がある。

更に、布送り装置のキヤプスタンローラ７の駆動あるい
はバックテンションローラ８のブレーキによる布との摩
擦力によって布に張力が与えられると、その布の摩擦面
が毛さばき作用を受ける面となるため、仕上り面の繊維
が損傷したり、切断したり、配列が乱れたりするという
問題点がある。

本発明は上記問題点を解決した毛さばき装置を提供する
ことを目的とする。

問題点を解決するための手段 本発明は、２本の毛さばき針布を捲付けた針布ローラを
並列して配置し、上記２本の針布ローラの前後に、布送
り装置およびバックテンション装置を設け、かつ上記針
布ローラの上部に夫々ガイドローラを設け、更に、装置
本体に設けられた軸受に上記夫々の針布ローラと平行に
支承された２本のシャフトに夫々揺動アームを固着し、
上記夫々の揺動アームの一端にナイフ状のエッジを有す
るレッジを設け、上記夫々のシャフトの一部に、ハンド
ルを有する調整ねじを螺合した揺動ピンアームの一端を
固着して、上記ハンドルを回動することにより夫々のレ
ッジが針布ローラに近接・離間するよう揺動自在に配置
したことを特徴とする。

実施例 以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図・第２図において９は機紡系統を内蔵する本体で
あり、全周囲がカバーにて覆われている。10は制御箱で
あり、電源・電気系統の制御回路を内蔵しており、表面
には速度計、押ボタンスイッチ等が配設されている。

上記本体９の前面には、裸径70φの円筒面に針高15〜30
mm程度の毛さばき針布を巻付けた２本の針布ローラ11,1
1を片持式に所要間隔をおいて平行に設け、各針布ロー
ラは独立して可変速モータにて駆動される。一方の針布
ローラ11の前にはキヤプスタンローラ12、ピンチローラ
13、キヤプスタン補助ローラ14で構成される布送り装置
15を、また他方の針布ローラ11の後には、バックテンシ
ョンローラ16、ピンチローラ17で構成されるバックテン
ション装置18を設ける。また、上記２本の針布ローラ11
のほぼ中間上部には回転自在のガイドローラ19と、さら
に、針布ローラ11の上方部に回転自在の２本のガイドロ
ーラ20を設けると共に、ナイフ状のエッジを有するレッ
ジ21,21を各針布ローラ11に近接・離間するよう揺動自
在に設けて本発明の毛さばき装置を構成する。

ところで、上記針布ローラ11は、２本設けたが時に応じ
て、１本又は３〜５本設けることも可能である。

また、針布ローラのみ又は針布ローラ、布送り装置及び
バックテンション装置の回転方向は、布帛の状態に応じ
て制御箱10表面の切替スイッチにより、正逆自在に回転
するよう選択可能にする。

キヤプスタンローラ12は外径93φ表面硬度60゜程度のEP
T（エチレンプロピレンターポリマー）スポンジゴムで
被覆されており、モータで可変速駆動される。バックテ
ンションローラ16はキヤプスタンローラ12と同じ構造で
あるがパウダブレーキに連結されており、布に伴回りす
る。ピンチローラ13 17は鋼製ローラであるが、第３図
に示すように、ゴムを被覆することもでき、機台枠に回
動自在に設けられたシヤフトの一端に固着されたピンチ
ローラ揺動アーム22に回転自在に軸支されている。ピン
チローラ揺動アーム22の端部は引張ばね23によって下方
に引張られ、キヤプスタンローラ12、あるいはバックテ
ンションローラ16に対してピンチローラ13 17が押し付
けられるように構成されているが、ピンチローラの自重
を重くし重力によって布を押付けるようにすることもあ
る。

また、ピンチローラ揺動アーム22の他端にはハンドル24
を設け、ピンチローラを上方に上げることができるよう
になす。

また、機台枠にはリミットスイッチ25を設けており、ハ
ンドル24にてピンチローラを上方に上げた位置で作動
し、スイッチが作動している間、機械は全く運転できな
いようになす。

レッジ21は、第４図に示すように先端に角度60゜のエッ
ジ部を有し、揺動アーム26に固着され、揺動アーム26は
機台枠に設けられた軸受に回動自在に軸承されるシヤフ
ト27の一端に固着されている。

シヤフト27の中間には、揺動ピンアーム28が固着され、
一端にハンドル29を有する調整ねじ30によりレッジ21を
上下に揺動することができる。

ガイドローラ19,20はころがり軸受によりシヤフトに軸
承されており、またガイドローラ20の下方にはガイドシ
ヤフト31を設けるとピンチローラ13 17上を回っている
布に接触しないようにすることができる。

作用 本発明の毛さばき装置は上記の構成よりなるので、ピン
チローラ13,17およびレッジ21を上方に上げた状態で、
第５図のように布32を挿通する。

ハンドル24を作動し、ピンチローラ13,17を下げ、布32
をキヤプスタンローラ12、およびバックテンションロー
ラ16に押し付ける。次に、制御箱10正面の起動押ボタン
スイッチを押すと装置は作動し、キヤプスタンローラ1
2、キヤプスタン補助ローラ14、針布ローラ11が回転
し、布は図の如く右方向に進む。左右の調整ハンドル29
を所定の方向に回転させるとレッジ21,21は下方に下
り、レッジ21,21の中心線が、針布ローラ11,11のほぼ中
心を通るよう所定の位置まで下がると、布32の加工面は
針布ローラ11の針布に接触し、所要の毛さばき加工が行
なわれることになる。

本実施例においてキヤプスタンローラ12は3.5〜7r.p.m
の速度で、針布ローラ11は125〜250r.p.mの速度で回転
可能である。

ところで、第６図は本発明の装置を起毛装置に応用した
例を示し、上記本発明の構成に更に針布ローラを追加し
て、起毛針布を用いた起毛作用をも行うことができるよ
うな構成とした装置である。

すなわち毛さばき針布に代え起毛針布を捲きつけた２本
の針布ローラ11の間に２本の起毛針布を捲きつけた針布
ローラ33を配置し、上記４本の針布ローラを布が所定の
角度で接するような位置とすると共に、起毛針布の働方
向、および回転方向を所定方向とすることによりパイル
ローラ、あるいはカウンタパイルローラとしての作用を
なすことができる。

ところで上記４本のローラは２本一対２組のローラとし
て可変速モータによりパウダクラッチを介して駆動され
るものである。

なお、この応用例の場合、ガイドローラ19,20、レッジ2
1、ガイドシヤフト31は省略することも可能である。

発明の効果 本発明の毛さばき装置は上記構成よりなり、レッジ21を
本体側に組込んでいるため、針布ローラ11とレッジ21の
軸心の平行度は十分に確保され、また、針布の針高が変
り、レッジ21の角度を変えても平行度は確保されるので
均一な毛さばき作用をすることができる。また、レッジ
21と布32との接触の程度は調整ハンドル29を回すことに
より簡単に調整することができる。また、布32は第５図
のように通るため、キヤプスタンローラ12、あるいはバ
ックテンションローラ16と接触しない方の面を針布で加
工するため、加工面は損傷することなく所定の美しい仕
上面が得られる。

更に、ピンチローラ17の位置をリミットスイッチ25で検
出し、ピンチローラ17が上に上がった状態ではローラが
回転しないようにしているため、誤って装置を運転し、
布がローラ、特にキヤプスタンローラ12に巻付いてトラ
ブルを発生するという危険性は全くない等の優れた効果
を有する発明である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の毛さばき装置の一実施例を示す正面
図、第２図は同斜視図、第３図は本発明に用いる布送り
装置、あるいはバックテンション装置の部分分解組立
図、第４図はレッジの分解部分組立斜視図、第５図は本
発明の要部構成図、第６図は本発明の装置を起毛装置と
して用いた場合の斜視図、第７図は従来の毛さばき装置
を示す構成図である。 1,11,33……針布ローラ、2,15……布送り装置、3,18…
…バックテンション装置、４……ガイドローラ群、5,21
……レッジ、６……案内装置、7,12……キヤプスタンロ
ーラ、8,16……バックテンションローラ、９……本体、
10……制御箱、13,17……ピンチローラ、14……キヤプ
スタン補助ローラ、19,20……ガイドローラ、22……ピ
ンチローラ揺動アーム、23……ばね、24,29……ハンド
ル、25……リミットスイッチ、26……揺動アーム、27…
…シヤフト、28……揺動ピンアーム、30……調整ねじ、
31……ガイドシヤフト、32……布

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】２本の毛さばき針布を捲付けた針布ローラ
   を並列して配置し、上記２本の針布ローラの前後に、布
   送り装置およびバックテンション装置を設け、かつ上記
   針布ローラの上部に夫々ガイドローラを設け、更に、装
   置本体に設けられた軸受に上記夫々の針布ローラと平行
   に支承された２本のシャフトに夫々揺動アームを固着
   し、上記夫々の揺動アームの一端にナイフ状のエッジを
   有するレッジを設け、上記夫々のシャフトの一部に、ハ
   ンドルを有する調整ねじを螺合した揺動ピンアームの一
   端を固着して、上記ハンドルを回動することにより夫々
   のレッジが針布ローラに近接・離間するよう揺動自在に
   配置したことを特徴とする毛さばき装置。
2. 【請求項２】布送り装置およびバックテンション装置を
   構成するピンチローラが一定以上上方に上がったとき検
   出するリミットスイッチを設けたことを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載の毛さばき装置。
3. 【請求項３】針布ローラ、布送りローラを可変速モータ
   で駆動するようになしたことを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載の毛さばき装置。