JPH067205Y2 - 組立カムシャフト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、カムロブ、ジャーナル等の構成部品を中空ス
チールシャフトにスチールワッシャを介して組付けてな
る組立カムシャフトに関する。

「従来の技術」 従来組立カムシャフトは液相燒結材またはスチール材な
どの一体形ジャーナルをパイプ外周部に挿入し、しかる
のち冶金学的結合あるいは銅ろう付けをしている。

「考案が解決しようとする問題点」 現在エンジンは一般ニーズの要求により、高出力および
軽量化され、レスポンスの良いエンジンが求められてい
る。

この求めに応じて、カムシャフトも高出力に対応できる
高面圧化における耐ピッチング性および耐摩耗性または
軽量化が要求されており、これら要求、特に軽量化が本
考案の技術的課題である。

「問題点を解決するための手段」 上記技術的課題を解決するための手段は次の通りであ
る。

中空スチールシャフトと燒結合金よりなる肉厚の構成部
品本体と、その両側に配置されるスチールワッシャとか
らなる組立カムシャフトにおいて、該構成部品本体とス
チールワッシャは周方向において回り止めできるよう一
方の柱状凸部に対応する凹部が他方に形成された凹凸部
でもって係合され、前記構成部品本体の内周面と、前記
中空スチールシャフトの外周面間には空間が形成され、
前記構成部品本体と前記スチールワッシャは冶金学的に
一体結合され、前記スチールワッシャと前記中空スチー
ルシャフトはろう付け結合あるいは溶接結合されている
ことを特徴とする組立カムシャフトを提供することにあ
る。

「作用」 構成部品の内周面と中空スチールシャフトの外周面間に
は環状の空間部が形成されているため、構成部品の重量
削減が大きく、組立カムシャフト全体の軽量化に役立
つ。

また、前記空間部によりスチールワッシャとの結合面積
が減少するため、構成部品とスチールワッシャ間に凹凸
部を形成し、これにより、両者間の周方向回り止めを計
ることができる。

「実施例」 以下図に基いて本考案の一実施例を説明する。

第１図乃至第２図における構成部品は例えばジャーナル
１０で、該ジャーナルは燒結合金から構成部品本体、す
なわちジャーナル本体１１とその両側に配されるスチー
ルワッシャ３０からなり、該ジャーナル本体１１は燒結
材料として高Ｃｕ−Ｃ−Ｆｅ系燒結材（例えば、Ｃｕ：
１７〜３５重量％含有）あるいは、鉄系液相燒結材を使
用する。

該燒結材料は、円筒形状のジャーナル本体１１が形成さ
れると同時に両側壁１０１．１０１には回り止め凸部１
０２．１０２・・・が少なくとも２ケ以上を成形され
る。

１０３は前記スチールワッシャ３０と嵌合するための環
状凹部である。

１０４はジャーナル本体１１の嵌挿穴で、該嵌挿穴１０
４の内径は中空スチールシャフト２０の外径よりも稍大
きく形成されている。

３０は外径が前記ジャーナル本体１１の凹部１０３の外
径と略同一に形成されたスチールワッシャで、該ワッシ
ャ３０の内方平坦面３１には回り止め用凹部３２．３２
・・・が形成されている。

該スチールワッシャ３０をジャーナル本体１１の環状凹
部１０３に嵌合したさいに軸方向に突出するような肉厚
を有し、中央貫通穴３３は中空スチールシャフト２０の
外径と略同一に形成する。

次に、上記中空スチールシャフト２０に構成部品の１つ
であるジャーナル１０を組み付ける手段を説明する。

ジャーナル１０は、燒結材料よりなるジャーナル本体１
１と中空スチールシャフトに接合されるスチールワッシ
ャ３０よりなる。

Ｉ．前記スチールワッシャ３０が中空スチールシャフト
２０にろう付け接合される場合 プレス成形された燒結圧粉体よりなるジャーナル本体１
１の両側にスチールワッシャ３０を嵌挿し、ジャーナル
となす。このジャーナルを中空スチールシャフトの所定
位置に配し、スチールワッシャと中空スチールシャフト
との間に銅又は銅合金よりなるろう材を配して、燒結炉
を通すことにより、ジャーナル本体１１とスチールワッ
シャ３０は冶金学的に一体結合されると同時にスチール
ワッシャ３０は中空スチールシャフト２０にろう付け接
合されることになり生産上きわめて有利である。

上記ジャーナル本体の燒結材料が高Ｃｕ−Ｃ−Ｆｅ系燒
結材（例えば、Ｃｕ：１７〜３５重量％含有）の時は、
燒結炉を通過させる途中で燒結され、燒結材中の銅が溶
融浸出し、ジャーナル本体とスチールワッシャとの間隙
に浸入して両者が凝固結合、すなわち冶金学的結合によ
り一体結合される。

また、ジャーナル本体の燒結材料が鉄系液相燒結材の時
は、燒結炉中で液相燒結させスチールワッシャに拡散結
合させて冶金学的に一体結合される。

II．前記スチールワッシャ３０が中空スチールシャフト
２０に溶接結合される場合 プレス成形された燒結圧粉体（高Ｃｕ−Ｃ−Ｆｅ系燒結
材あるいは鉄系液相燒結材）よりなるジャーナル本体１
１の両側にスチールワッシャ３０を嵌挿し、ジャーナル
となし、燒結炉中で燒結し、ジャーナル本体１１とスチ
ールワッシャ３０を冶金学的に一体結合させる。

そして、形成されたジャーナル１０を中空スチールシャ
フト２０の所定位置に組付け、前記スチールワッシャ３
０と中空スチールシャフト２０を溶接により結合する。

「考案の効果」 本考案の組立カムシャフトは中空スチールシャフトの数
ケ所に組付けられるジャーナルは燒結材を圧縮し、その
内径をシャフトの外径より大きく成形すると同時にジャ
ーナルの両側面には複数個の回り止めが成形されている
ため、該ジャーナルの軽量化が達成される。

また、組立カムシャフトも高出力に対応できる高面圧化
における耐ピッチング性および耐摩耗性あるいは軽量化
が同時に達成される。

また、該ジャーナルの両側に結合されるスチールワッシ
ャは該ジャーナルの補強と位置決めが行われると共に、
該ワッシャの凹部には前記ジャーナルの回り止めが嵌合
されるので、ジャーナルとスチールワッシャとの結合度
がアップし、両者間に滑りが全くなく確実に保持され
る。

また、スチールワッシャは左右同一形状に製作されるた
め、プレス金型は１ケにてすみ、組立カムシャフトのコ
スト低減に役立つ。

また、ジャーナルに結合されるスチールワッシャはジャ
ーナル側壁より軸方向に突出（約１〜２mm）しているの
で、カムロブなどの反復回転により作用する圧縮並びに
引っ張り荷重に対しても十分な強度を有する。

第２ａ図および第２ｂ図は本考案の他の実施例の１つ
で、上記第１ａ図、第１ｂ図との相違点はジャーナルと
スチールワッシャとの回り止めにある。

該回り止めはジャーナル１０の環状凹部側半径側に突出
せしめた突起で、該回り止め突起１０２１に対応するＶ
溝３２１がスチールワッシャ３０の外周に形成される。

作用効果は前記第１実施例と同一につき省略する。

【図面の簡単な説明】

第１ａ図は本考案組立カムシャフトの縦断正面図、第１
ｂ図は第１ａ図Ａ−Ａ線断面側面図、第１ｃ図は本考案
ジャーナルの縦断正面図、第１ｄ図は本考案ジャーナル
の側面図、第２ａ図は他の実施例の縦断正面図、第２ｂ
図は第２ａ図Ｂ−Ｂ線断面側面図である。 符号の説明 １０：ジャーナル １１：ジャーナル本体 ２０：中空スチールシャフト ３０：スチールワッシャ ３２：回り止め凹部 １０２：回り止め凸部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】中空スチールシャフトと燒結合金よりなる
   肉厚の構成部品本体と、その両側に配置されるスチール
   ワッシャとからなる組立カムシャフトにおいて、該構成
   部品本体とスチールワッシャは周方向において回り止め
   できるよう一方の柱状凸部に対応する凹部が他方に形成
   された凹凸部でもって係合され、前記構成部品本体の内
   周面と、前記中空スチールシャフトの外周面間には空間
   が形成され、前記構成部品本体と前記スチールワッシャ
   は冶金学的に一体結合され、前記スチールワッシャと前
   記中空スチールシャフトはろう付け結合あるいは溶接結
   合されていることを特徴とする組立カムシャフト。