JPH0672055A - 昇華型感熱転写記録方式の被記録体 - Google Patents

昇華型感熱転写記録方式の被記録体

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Publication number
JPH0672055A
JPH0672055A JP4228968A JP22896892A JPH0672055A JP H0672055 A JPH0672055 A JP H0672055A JP 4228968 A JP4228968 A JP 4228968A JP 22896892 A JP22896892 A JP 22896892A JP H0672055 A JPH0672055 A JP H0672055A
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JP
Japan
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group
active energy
energy rays
resin
dyeing
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Withdrawn
Application number
JP4228968A
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English (en)
Inventor
Kenji Kushi
憲治 串
Kazuhiko Jufuku
和彦 寿福
Takayuki Izeki
隆幸 井関
Tadayuki Fujiwara
匡之 藤原
Terushi Ueda
昭史 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 記録画像の耐光性や染色感度が良好な被記録
体。 【構成】 基材表面に、少なくとも1種の次式のポリビ
ニルアセタール系樹脂と、活性エネルギー線で硬化しう
る少なくとも1種の架橋剤とを含む樹脂組成物を塗工
し、活性エネルギー線で硬化して得られる昇華型感熱転
写記録方式の被記録体。 (式中、R1はH、(置換)アルキル基、(置換)アル
コキシ基、(置換)フェニル基、アルケニル基;また、
1個のポリマー分子中、これらの基のうち2個以上で構
成されていても良い。1,m,nは各基のモル%を表
し、1+m+n=100,5≦1≦85,0.5≦m≦
30,5≦n≦80を満足する数)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、昇華型感熱転写記録方
式に使用される被記録体に関するものである。
【0002】
【従来技術】昇華型感熱記録方式は、音が静かである、
装置が小型で安価である、保守が容易である、出力時間
が短いなどの特徴を有し、かつ昇華性染料を用いるため
発熱エネルギー量を連続的に変化させることにより容易
に高階調な記録ができるほか、高濃度、高解像度である
などの特徴を持っている。その為、他の記録方式に比べ
特にフルカラーハードコピーを得るのに有利であり、カ
ラープリンター、ビデオプリンターなどの記録方式とし
て多く採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ビデオプリンター等を用いて従来の被記録体に画像を記
録すると、被記録体の染色感度が十分でなかったり、記
録画像に多量の光を照射すると色調や染色濃度が変化す
るという問題があった。本発明の目的は上記した従来技
術の欠点を改良し、記録画像の耐光性や染色感度が良好
な被記録体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、被記録体
の受像層に、下記一般式(I)で示されるポリビニルア
セタール系樹脂と、活性エネルギー線で硬化しうる少な
くとも1種の架橋剤とを含有させることで解決される。
【化2】 式(I)中、R1は水素原子、置換基を有しても良いア
ルキル基、置換基を有しても良いアルコキシ基、置換基
を有していても良いフェニル基、アルケニル基の中から
選ばれる基である。また、R1 は1個のポリマー分子
中、これらの基のうち2個以上で構成されていても良
い。式中1,m,nは各基のモル%を表し、1+m+n
=100、5≦1≦85、0.5≦m≦30、5≦n≦
80を満足する数である。
【0005】以下、本発明について図面を用いて詳細に
説明する。図1は本発明の被記録体の構造を示す模式的
な断面図である。図1中、1は基材、2は受像層であ
る。本発明の被記録体を構成する基材1としては、フィ
ルムまたは紙が適しており、例えば、ポリエステルフィ
ルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィル
ム、ポリスチレンフィルム、ナイロンフィルム、塩化ビ
ニルフィルム等の各種プラスチック製フィルム及びこれ
らに白色顔料や充填剤を加えた白色フィルム;印刷用
紙、アート紙、コート紙等のセルロース繊維を主体とす
る紙;アクリル紙、ポリプロピレン紙、ポリエステル紙
などプラスチック繊維を主体とする紙、合成紙などが挙
げられ、特に限定するものではない。これらの紙または
フィルムは、それ自体をそのまま使用しても良いが、必
要に応じて、洗浄、エッチング、コロナ放電、活性エネ
ルギー線照射、染色、印刷等の前処理が施されたものを
使用しても良い。また、上記基材の2種以上を貼り合わ
せたラミネート基材も使用できる。中でも、被記録体と
しての性能、例えば、記録画質のざらつき感や記録後の
そりなどを考慮すると普通紙の両面に合成紙もしくはプ
ラスチックフィルムを張り合わせたラミネート紙が好ま
しい。
【0006】受像層2は、被染着性成分を含有する層で
ある。本発明の被記録体は、被染着性成分として、一般
式(I)で示されるポリビニルアセタール系樹脂および
活性エネルギー線で硬化しうる少なくとも1種の架橋剤
を含んでいる。
【0007】
【化3】 式(I)中、R1は水素原子、置換基を有しても良いア
ルキル基、置換基を有しても良いアルコキシ基、置換基
を有していても良いフェニル基、アルケニル基の中から
選ばれる基である。また、R1 は1個のポリマー分子
中、これらの基のうち2個以上で構成されていても良
い。式中、1,m,nは各基のモル%を表し、1+m+
n=100、5≦1≦85、0.5≦m≦30、5≦n
≦80を満足する数である。
【0008】本発明において、染着樹脂として用いられ
るポリビニルアセタール系樹脂は、ポリビニルアルコー
ルと1種以上のアルデヒド類とを反応させることにより
得ることができる。このとき使用されるアルデヒド類の
具体例としては、ホルムアルデヒド;アセトアルデヒ
ド、ブチルアルデヒド、オクチルアルデヒド、パルミチ
ルアルデヒドなどの直鎖または分岐のアルキルアルデヒ
ド;クロロアセトアルデヒド、ブロムアセトアルデヒ
ド、アミノアセトアルデヒドなどの置換基を有するアル
キルアルデヒド;メトキシアルデヒド、エトキシアルデ
ヒドなどのアルコキシアルデヒド;2−メトキシエトキ
シアルデヒド、2−エトキシエトキシアルデヒドなどの
置換基を有するアルコキシアルデヒド;ベンズアルデヒ
ド;ベンジルアルデヒド、O−クロロベンズアルデヒ
ド、アミノベンズアルデヒド、ジメチルアミノベンズア
ルデヒドなどの置換基を有する芳香族アルデヒド;クロ
トンアルデヒド、アクロレインなどのアルケニルアルデ
ヒドであり、これらは単独または2種以上の混合系で使
用される。耐光性や染色感度の向上の点では2種以上の
アルデヒドを用いて合成されたポリマーが好ましい。2
種のアルデヒドを用いた場合、その好ましい割合は3:
7〜7:3の範囲である。一方、ポリビニルアセタール
系樹脂のアセタール化度は5モル%〜85モル%の範囲
のものが好ましい。5モル%より小さいものは耐光性及
び染色感度の改善効果が十分でなく、85モル%より大
きいものは合成が困難である。また、ポリビニルアルコ
ール由来の未ケン化ビニルアセテート基は30モル%以
下が好ましく、30モル%より大きいと樹脂の耐熱性が
低下するので、記録品の高温下における保存安定性が低
下する。本発明において、染着樹脂は上記ポリビニルア
セタール系樹脂を単独あるいは異なる組成のものを2種
以上混合して使用しても良い。
【0009】染着樹脂の配合量は活性エネルギー線で硬
化し得る架橋剤との合計量の40〜95重量%、特に5
5重量%〜94重量%の範囲であることが望ましい。こ
の配合量が40重量%未満では昇華性染料により染色濃
度が低エネルギー条件下では濃くならず、逆に染着樹脂
の配合量が95重量%を超えると架橋剤量が少なくな
り、昇華性染料が塗布されたカラーシートとの耐ブロッ
キング性が悪くなり、受像層とカラーシートが熱転写時
にスティッキングを起こすようになる。活性エネルギー
線で硬化し得る架橋剤は本発明の被記録体に使用される
樹脂組成物に耐ブロッキング性を付与するために必要で
あり、好ましい配合量は染着樹脂との合計量の5〜60
重量%の範囲であり、より好ましくは6〜45重量%の
範囲である。架橋剤の量が5重量%未満であるとブロッ
キングがでやすくなり、逆に架橋剤の量が60重量%を
超えると耐ブロッキング性は良好になるものの染着樹脂
の比率が低下して十分な染色感度が得られにくくなる。
【0010】活性エネルギー線で硬化し得る架橋剤の具
体例としては、光硬化型シリコーンオイルや(メタ)ア
クリロイルオキシ基を有する多官能性モノマーもしくは
多官能性オリゴマーが挙げられるが、より好ましくは
(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能性モノマ
ーもしくは多官能性オリゴマーである。これらは、活性
エネルギー線として取扱いの容易な紫外線を使用するこ
とができ、非常に短時間で硬化させることができるため
生産性の点で好ましい。
【0011】このような(メタ)アクリロイルオキシ基
を有するモノマーおよびオリゴマーとしては、ポリエー
テル(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アク
リレート系、ポリオール(メタ)アクリレート系、エポ
キシ(メタ)アクリレート系、アミドウレタン(メタ)
アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ス
ピロアセタール(メタ)アクリレート系、ポリブタジエ
ン(メタ)アクリレート系などのモノマー・オリゴマー
を挙げることができる。このようなモノマーもしくはオ
リゴマーの具体例としては1,2,6−ヘキサントリオー
ル/プロピレンオキシド/アクリル酸、トリメチロール
プロパン/プロピレンオキシド/アクリル酸から合成さ
れたポリエーテル(メタ)アクリレート;アジピン酸/
1,6−ヘキサンジオール/アクリル酸、コハク酸/ト
リメチロールエタン/アクリル酸等から合成されたポリ
エステル(メタ)アクリレート;トリエチレングリコー
ルジアクリレート、ヘキサプロピレングリコールジアク
リレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、
1,4−ブタンジオールジメタクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリ
レート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、エチル
カルビトールアクリレート、トリメチロールプロパント
リアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジ
ペンタエリスリトールペンタアクリレート、2,2−ビ
ス(4−アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−アクリロイルオキシプロポキ
シフェニル)プロパン等の(メタ)アクリレート又はポ
リオール(メタ)アクリレート;ジグリシジルエーテル
化ビスフェノールA/アクリル酸、ジグリシジルエーテ
ル化ポリビスフェノールA/アクリル酸、トリグリシジ
ルエーテル化グリセリン/アクリル酸等のエポキシ(メ
タ)アクリレート;γ−ブチロラクトン/N−メチルエ
タノールアミン/ビス(4−イソシアナトシクロヘキシ
ル)メタン/2−ヒドロキシエチルアクリレート、γ−
ブチロラクトン/N−メチルエタノールアミン/2,6
−トリレンジイソシアネート/テトラエチレングリコー
ル/2−ヒドロキシエチルアクリレート等のアミドウレ
タン(メタ)アクリレート;2,6−トリレンジイソシ
アネートジアクリレート、イソホロンジイソシアネート
ジアクリレート、ヘキサメチレンジイソシアネートジア
クリレート等のウレタンアクリレート;ジアリリデンペ
ンタエリスリトール/2−ヒドロキシエチルアクリレー
トから合成されたスピロアセタールアクリレート;エポ
キシ化ブタジエン/2−ヒドロキシエチルアクリレート
から合成されたアクリル化ポリブタジエン等が挙げら
れ、これらのモノマー及びオリゴマーは単独又は2種以
上の混合系で使用される。 前記モノマー、オリゴマー
の中でも次の一般式(II)
【0012】
【化4】 〔式(II)中、m1は1〜4の整数であり、Xは少なく
とも3個が下記一般式:
【0013】
【化5】 (式中、R2 は単結合、炭素原子数1〜8のアルキレン
基又は炭素原子数1〜8のアルキレン基を有するポリオ
キシアルキレン基を表す。)で示される基を表し、その
残余が炭素原子数1〜8のアルキル基、水酸基、アミノ
基、下記一般式:
【0014】
【化6】 (式中、R3は炭素原子数1〜8のアルキレン基を表
し、m2は正の整数である。)で示される基、下記一般
式:
【0015】
【化7】 (式中、R3は炭素原子数1〜8のアルキレン基を表
し、m2は正の整数である。)で示される基、又は下記
一般式:
【0016】
【化8】 (式中、R3は炭素原子数1〜8のアルキレン基を表
し、m2は正の整数である。)で示される基を表す。〕
で示される化合物、例えばジペンタエリスリトールテト
ラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリ
レート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、
トリペンタエリスリトールペンタアクリレート、トリペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリペンタエ
リスリトールヘプタアクリレート等か、次の一般式(II
I)
【0017】
【化9】 (式(III)中、m3 は1〜10の整数、Xは任意に−
OHか−OCOCH=CH2である。)で示されるポリ
ビスフェノールA型ポリアクリレート、例えばジグリシ
ジルエーテル化ビスフェノールAのジアクリレート、エ
ピコート#1001(m3 =3、シエル社製)のジアク
リレート等か、次の一般式(IV)
【0018】
【化10】 (式(IV)中、X1 ,X2 ,・・・・,Xp 及びY1 ,
Y2 ,・・・・,Yqは炭素数6以下の同じもしくは異
なるアルキレン基又はその水素原子1個が水酸基で置換
された構造のものであり、p及びqは0〜5の整数であ
る。)で示される化合物、例えば2,2−ビス(4−ア
クリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,
2−ビス(4−アクリロイルオキシトリエトキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロイルオキシ
プロポキシフェニル)プロパン等が、活性エネルギー線
として紫外線を用いた場合、空気中での速乾性が非常に
良好であり好ましい。更にその中でも−OH基を有する
架橋剤はポリビニルアセタール系樹脂との相溶性にも優
れているので特に好ましい架橋剤である。モノマー、オ
リゴマー中、−OH基を有するものの割合が50重量%
より小さい場合は、記録品に記録ムラがでる場合があ
る。
【0019】本発明の被記録体を製造するための樹脂組
成物は、電子線、イオン線などの粒子線、γ線、X線、
紫外線、可視光線などの電磁波線などの活性エネルギー
線が使用される。なかでも硬化速度、大型化した際の設
備の簡易さなどの点から紫外線を使用するのが好まし
い。活性エネルギー線として紫外線を使用する場合に
は、本発明の組成物の染着樹脂と架橋剤の合計100重
量部に対して光重合開始剤を0.1〜10重量部添加す
る。使用される光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベ
ンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケター
ル、エチルフェニルグリオキシレート、ジエトキシアセ
トフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、4′−
イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフ
ェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン/ジエタノールア
ミン、4,4′−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、
2−メチルチオキサントン、tert−ブチルアントラキノ
ン、ベンジル等のカルボニル化合物、テトラメチルチウ
ラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィ
ドなどの硫黄化合物、アゾビスイソブチルニトリル、ア
ゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルなどのアゾ化
合物、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパ
ーオキサイドなどのパーオキサイド化合物が挙げられ
る。これらの化合物は単独でまたは2種以上を併用して
用いることができる。
【0020】尚、本発明においては被記録体とカラーシ
ートとの耐ブロッキング性(耐スティッキング性)を更
に改善するために離型剤を配合すると良い。離型剤とし
ては、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ポ
リオルガノシロキサンを幹又は枝とするグラフトポリマ
ー、シリコン系あるいは含フッ素系の架橋構造をとり得
る化合物、例えばアミノ変性シリコンとエポキシ変性シ
リコンの組み合わせなどを挙げることができ、これらの
離型剤を単独あるいは併用して使用することができる。
離型剤の使用量は特に限定されるものではないが、染着
樹脂および架橋剤の合計100重量部に対し、0.01
〜30重量部含有させることが望ましい。
【0021】シリコン系界面活性剤としては、ポリジメ
チルシロキサンとポリオキシアルキレンがブロックにな
った化合物(その他の官能基で若干変性されていてもよ
い。)が有効で、特にシリコン系界面活性剤中のCH3
−(SiO)1/2基と−OR5−基(R5 :アルキレン残
基)の割合がCH3−(SiO)1/2/−OR5−=1/
10〜1/0.1のもの、好ましくは1/5〜1/0.2
の範囲のものが、ブロッキング改良性とレベリング改良
性及び染色濃度向上に効果がある。上記シリコン系界面
活性剤の具体例としては、下記一般式(V),(VI)で
示される化合物等が挙げられる。
【0022】
【化11】 (式(V)中、Pは
【0023】
【化12】 であり、n1およびn2は1,2,3,・・・・の正の整
数を、またxおよびyは0,1,2,3,・・・の数を
表し、式
【0024】
【数1】 を満足する値をとる。R5 は水素、アルキル基、アシル
基またはアリール基、アセトキシ基を表す。)
【0025】
【化13】 (式中、Qは
【0026】
【化14】 であり、n3およびn4は1,2,3,・・・・の正の整
数を、またxおよびyは0,1,2,3,・・・の数
を、zは0または1〜5の整数を表し、式
【0027】
【数2】 を満足する値をとる。R6 は
【0028】
【化15】 水素、アルキル基、アシル基またはアリール基を表し、
R7 は、水素、アルキル基、アシル基またはアリール
基、アセトキシ基を表す。)
【0029】又、フッ素系界面活性剤としては、染着樹
脂と架橋剤の混合物に可溶性であり、耐ブロッキング性
を示すものであれば、ノニオン系、アニオン系、カチオ
ン系または両性系のいずれかのフッ素系界面活性剤を1
種類以上用いることが可能である。例えば、フルオロア
ルコキシポリフルオロアルキル硫酸エステル、フルオロ
カーボンスルホン酸塩、フルオロカーボンカルボン酸塩
等のアニオン系界面活性剤;例えば、N−フルオロアル
キルスルホンアミドアルキルアミン4級アンモニウム
塩、N−フルオロアルキルスルホンアミドアルキルアミ
ン塩、N−フルオロアルキルアミドアルキルアミン4級
アンモニウム塩、N−フルオロアルキルアミドアルキル
アミン塩、N−フルオロアルキルスルホンアミドアルキ
ルハロメチルエーテル4級アンモニウム塩などのカチオ
ン界面活性剤;例えば、フルオロカーボンスルホンアミ
ド、フルオロカーボンアミノスルホンアミド、フルオロ
カーボンカルボキシスルホンアミド、フルオロカーボン
ヒドロキシスルホンアミド、フルオロカーボンスルホン
アミドエチレンオキサイド付加物、フルオロカーボンヒ
ドロキシスルホンアミド硫酸エステル、フルオロカーボ
ンアミノ酸アミド、フルオロカーボン酸アミド、フルオ
ロカーボンヒドロキシ酸アミド、フルオロカーボン酸ア
ミドのエチレンオキサイド付加縮合物、フルオロカーボ
ンヒドロキシ酸アミド硫酸エステル、フルオロカーボン
スルホン酸、フルオロハイドロカーボンカルボン酸、フ
ルオロハイドロカーボンアルキルエステル、フルオロハ
イドロカーボンアルキルエーテル、フルオロハイドロカ
ーボンカルボキシアルキルエステル、フルオロハイドロ
カーボンヒドロキシアミド、フルオロハイドロカーボン
アルキルエステル硫酸、フルオロアルキルジアミンなど
のノニオン系界面活性剤;例えば、ベタイン型フルオロ
カーボンスルホンアミド結合を有するアルキルアミン、
ベタイン型フルオロカーボン酸アミド結合を有するアル
キルアミン等の両性界面活性剤が挙げられる。上記界面
活性剤のなかでも本発明の被記録体のレベリング改良、
ブロッキング解消等を特に考慮するとノニオン系界面活
性剤が好ましい。
【0030】ポリオルガノシロキサンを幹又は枝とする
グラフトポリマーとしては、まずビニル重合、重縮合、
開環重合等によって得られる重合体あるいは共重合体を
幹とし、ポリオルガノシロキサンを枝とするグラフトポ
リマーを挙げることができる。これらのグラフトポリマ
ーの例としては片末端メタクリロイルオキシ基、ビニル
基またはメルカプト基が付加されたポリシロキサン(マ
クロモノマー)にアルキル(メタ)アクリレート、(メ
タ)アクリル酸、官能基を有する(メタ)アクリル酸の
誘導体、酢酸ビニル、塩化ビニル、(メタ)アクリロニ
トリル、スチレン等の単量体の少なくとも1種を重合し
てなるグラフトポリマー;ポリシロキサンの末端の近く
に2個のヒドロキシル基またはカルボキシル基を有する
マクロモノマーにジカルボン酸とジオールを反応させて
得られるグラフトポリマー;ポリシロキサンの末端の近
くに2個のヒドロキシル基またはカルボキシル基を有す
るマクロモノマーにジエポキシまたはジイソシアネート
化合物を反応させて得られるグラフトポリマー等を挙げ
ることができる。
【0031】他のグラフトポリマーとしては、ポリオル
ガノシロキサンを幹とし、ビニル重合、重縮合、開環重
合等によって得られる重合体あるいは共重合体を枝とす
るグラフトポリマーを挙げることができる。これらの例
としては、オルガノシランとビニル重合性基を有するシ
ラン、例えば、3−メタクリルオキシプロピルジメトキ
シメチルシラン、メチルビニルジメトキシシラン、エチ
ルビニルジエトキシシラン等とを縮合することによって
側鎖にメタクリロイルオキシ基を有するポリシロキサン
を合成し、次いで該モノマーとアルキル(メタ)アクリ
レート、(メタ)アクリル酸、官能基を有するメタ(ア
クリル)酸の誘導体、酢酸ビニル、塩化ビニル、(メ
タ)アクリロニトリル、スチレン等の単量体の少なくと
も1種を重合して得られるグラフトポリマー;オルガノ
シランとジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチル
シランとを縮合することによって側鎖にグリシジル基を
有するポリシロキサンを合成し、次いでこれを(メタ)
アクリル酸と反応させて(メタ)アクリロイルオキシ基
を含有する単量体を得たのち、該単量体を重合させて得
られるグラフトポリマー;オルガノシランとヒドロキシ
エチルメチルジメトキシシランとを縮合することによっ
て側鎖にヒドロキシル基を有するポリシロキサンを合成
し、次いでジカルボン酸と該ジオールを重縮合させて得
られるグラフトポリマー等を挙げることができる。
【0032】グラフトポリマーの幹又は枝となるポリシ
ロキサンの合成に際しては、環状シラン、特に繰返し単
位が3〜8個の環状ジメチルポリシロキサンを主原料と
し、分子量調節剤としてトリメチルメトキシシランまた
はトリメチルエトキシシランなどの1分子中1個のアル
コキシ基を有するシラン化合物を用い、官能基含有シラ
ンと強酸または強塩基を触媒として70〜150℃で重
合すればよい。
【0033】グラフトポリマーの配合量は染着樹脂と架
橋剤の混合物100重量部に対して、グラフトポリマー
の少なくとも1種を0.01〜30重量部、好ましくは
0.05〜10重量部であり、配合によってカラーシー
トとのブロッキングがより解消されるとともに染色した
物品の暗退色性が改善される。配合量が0.01重量部
未満の場合はブロッキング解消効果が少なくなるととも
に暗退色性も改善されず、好ましくない。また、配合量
が30重量部を超える場合には活性エネルギー線で硬化
した硬化物が乳白化するとともに昇華性染料で染色した
際の染色感度が低下するようになり、好ましくない。
【0034】ポリシロキサンを含むグラフトポリマーの
分子量は1000以上であることが好ましい。またポリ
オルガノシロキサン成分とポリオルガノシロキサン成分
以外の幹または枝となる重合体あるいは共重合体との重
量比は(ポリオルガノシロキサン成分)/(重合体ある
いは共重合体成分)=95/5〜10/90であるのが
好ましく、より好ましくは90/10〜20/80であ
る。該比率が95/5を超えるようになると暗退色性が
不良になる傾向にあり、逆に10/90未満になると耐
ブロッキング性が低下する傾向にあるとともに暗退色性
も不良になる傾向にある。また、グラフトポリマーの分
子量が1000未満であると、暗退色性が改善されにく
い傾向にある。
【0035】また、このような離型剤に代えて、シリコ
ン系、含フッ素系から選ばれた少なくとも1種の架橋構
造をとることのできる離型剤を使用することも可能であ
る。シリコン系、含フッ素系から選ばれた少なくとも1
種の架橋構造をとることのできる離型剤としては、少な
くとも1種以上から構成されている熱架橋型の化合物、
または少なくとも1種以上から構成されている活性エネ
ルギー線硬化型の化合物を挙げることができる。熱架橋
型の化合物の例としては、シリコン系では、付加反応を
起こすシリコン系化合物、ラジカル反応を起こすシリコ
ン系化合物、縮合反応を起こすシリコン系化合物などが
ある。付加反応を起こすシリコン系化合物としては、ビ
ニル基を有するシリコンと−SiH基を有するシリコン
との組み合わせ、アミノ変性シリコンとエポキシ変性シ
リコンの組み合わせなどがあり、必要に応じて白金系化
合物等の触媒を併用しても良い。
【0036】ラジカル反応を起こすシリコン系化合物と
しては、ビニル基を有するシリコンとメチルシランを有
するシリコンの組み合わせなどがあり、重合開始剤とし
ては有機過酸化物を使用しても良い。縮合反応を起こす
シリコン系化合物としては、アルコキシ基を有するシリ
コン、シラノール基を有するシリコン、アルコキシ基を
有するシリコンとシラノール基を有するシリコンの組み
合わせ、シラノール基を有するシリコンと−SiH基を
有するシリコンとの組み合わせ、シラノール基を有する
シリコンとアミノオキシ基を有するシリコンとの組み合
わせなどがある。
【0037】含フッ素系の付加反応を起こす例として
は、エポキシ基含有含フッ素化合物とアミノ基含有含フ
ッ素化合物の組み合わせ、縮合反応を起こす例として
は、カルボン酸基含有含フッ素化合物とアミノ基含有含
フッ素化合物の組み合わせ等がある。これらのシリコン
系又は含フッ素系化合物が十分な架橋構造を形成するた
めには化合物1分子当り少なくとも2個を超える官能基
を有している必要があり、1分子当りの官能基が2個以
下では高分子量物が形成されても十分な架橋構造をとる
ことはできない。
【0038】活性エネルギー線架橋型の化合物の例とし
ては、シリコン系、含フッ素系ともビニル基、アリル
基、メタアクリロイル基、アクリロイル基等のラジカル
重合性基を有する化合物を挙げることができる。活性エ
ネルギー線として紫外線を使用する場合は、紫外線によ
る重合性が良好なアクリロイルオキシ基を有する化合物
が好ましい。これらの活性エネルギー線架橋型の化合物
が十分な架橋構造をとるためには1分子当り重合性基が
少なくとも1個を超えている必要がある。又、熱架橋
型、活性エネルギー線架橋型、シリコン系、含フッ素系
を問わず必要ならこれらを組み合わせて使用することも
可能である。
【0039】前記離型剤が活性エネルギー線架橋型の場
合は本発明組成物を活性エネルギー線で硬化する際に該
離型剤も同時に硬化するが、離型剤が熱架橋型の場合
は、本発明組成物の活性エネルギー線による硬化の直前
又は直後に熱硬化工程を加える必要がある。従って生産
性の点では活性エネルギー線架橋型離型剤の方が好まし
てい言える。架橋構造をとることのできる離型剤の配合
量は染着樹脂と架橋剤の混合物100重量部に対して、
離型剤の少なくとも1種以上を0.01〜30重量部、
好ましくは0.05〜25重量部である。
【0040】本発明では、受像層の耐光性をさらに向上
させる目的で、紫外線吸収剤を含有させても良い。紫外
線吸収剤としては、公知のベンゾトリアゾール系あるい
はベンゾフェノン系等の紫外線吸収剤が使用できる。例
えば、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤の具体例と
しては、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)
ベンゾトリアゾール(商品名TINUVIN P、チバガイギ
ー社製)、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α
−ジメチル−ベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリ
アゾール(商品名TINUVIN 234,チバガイギー社
製)、2−(5−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール(商品名TINUVINPS,チバガ
イギー社製)、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒ
ドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(商品名TINUVI
N 320,チバガイギー社製)、2−(3−t−ブチ
ル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール(商品名TINUVIN 326,チバ
ガイギー社製)、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−
ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
(商品名TINUVIN 327,チバガイギー社製)、2−
(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)
ベンゾトリアゾール(商品名TINUVIN 328,チバガ
イギー社製)、2−〔2−ヒドロキシ−3−(3,4,
5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチ
ルフェニル〕ベンゾトリアゾール(商品名SUMISORB 2
50,住友化学工業製)、2−(4−オクトキシ−2−
ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ−ルなどが挙げら
れる。
【0041】べンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
オクトキシべンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデ
シルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベン
ジルオキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テト
ラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ
−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒ
ドロキシ−4,4′−ジオクトキシベンゾフェノン、2,
2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジドデシルオキシベン
ゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スル
ホンベンゾフェノンなどが挙げられる。これらの紫外線
吸収剤は、単独でも、2種以上を混合しても使用するこ
とができる。使用量は特に限定されないが、染着樹脂お
よび架橋剤の合計100重量部に対し0.1〜10重量
部、好ましくは0.2〜8重量部含有させることが好ま
しい。使用量が少なすぎると耐光性向上効果が十分でな
く、逆に多すぎると、該紫外線吸収剤が受像層表面にブ
リードアウトしてきたり、記録画像が経時的ににじんで
きたりすることがある。
【0042】また、受像層の耐光性をさらに向上させる
目的で、さらにヒンダードアミン系光安定剤を含有させ
ても良い。ヒンダードアミン系光安定剤としては公知の
ものが使用できる。具体的には、ビス(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(商品名SA
NOL LS770、三共社製)、ビス(1,2,2,6,6
−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート(商品名
SANOL LS765、三共社製)、1−〔2−〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
(商品名SANOL LS2626、三共社製)、4−ベン
ゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
(商品名SANOL LS744、三共社製)、8−アセチ
ル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,
3,8−トリアザスピロ〔4,5〕デカン−2,4−ジオ
ン(商品名SANOL LS440、三共社製)、2−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−
n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチ
ル−4−ピペリジル)(商品名TINUVIN 144,チバ
ガイギー社製)、コハク酸ビス(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジニル)エステル(商品名TINUVIN
780FF、チバガイギー社製)、コハク酸ジメチル
と1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの重縮合物(商
品名TINUVIN 622LD、チバガイギー社製)、ポリ
{〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ
−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキ
サメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)イミノ〕}(商品名CHIMASSORB 944LD、
チバガイギー社製)、N−N′−ビス(3−アミノプロ
ピル)エチレンジアミンと2,4−ビス〔N−ブチル−
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ア
ミノ〕−6−クロロ−1,3,5−トリアジンの重縮合物
(商品名CHIMASSORB 119FL、チバガイギー社
製)、HA−70G(三共社製)、アデカスタブ LA
−52、アデカスタブ LA−57、アデカスタブ L
A−62、アデカスタブLA−67、アデカスタブ L
A−63、アデカスタブ LA−68、アデカスタブ
LA−82、アデカスタブ LA−87(いずれも旭電
化工業製)などが挙げられる。 これらのヒンダードア
ミン系光安定剤は、単独でも、2種以上を混合しても使
用することができるが、耐光性向上効果を考慮すると、
前述の紫外線吸収剤と併用することが好ましい。ヒンダ
ードアミン系光安定剤の使用量は特に限定されないが染
着樹脂および架橋剤の合計100重量部に対し0.1〜
10重量部、好ましくは0.2〜8重量部含有させるこ
とが好ましい。使用量が少なすぎると耐光性向上効果が
十分でなく、逆に多すぎると、該ヒンダードアミン系光
安定剤が受像層表面にブリードアウトしてきたり、記録
画像が経時的ににじんできたりすることがある。
【0043】また、受像層の耐光性をさらに向上させる
目的で、さらに酸化防止剤を含有させても良い。酸化防
止剤としては、公知のフェノール系酸化防止剤、アミン
系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤
などが使用できる。これらの酸化防止剤は、単独でも、
2種以上を混合しても使用することができる。酸化防止
剤の使用量は特に限定されないが染着樹脂および架橋剤
の合計100重量部に対し0.1〜20重量部含有させ
ることが好ましい。使用量が少なすぎると耐光性向上効
果が十分でなく、逆に多すぎると、該酸化防止剤が受像
層表面にブリードアウトしてきたり、記録画像が経時的
ににじんできたりすることがある。
【0044】本発明の被記録体の受像層には、目的に応
じてポリビニルアセタール系樹脂以外の熱可塑性樹脂を
含有させても良い。このような熱可塑性樹脂としては、
例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、エチル
ヒドロキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース等のセ
ルロース系樹脂;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルピロリドン、スチレン
等のビニル系樹脂;ポリメチル(メタ)アクリレート、
ポリブチル(メタ)アクリレート、ポリアクリルアミ
ド、ポリアクリロニトリル等のアクリレート系樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン
樹脂、ポリアミド樹脂、尿素樹脂、ポリカプロラクトン
樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂などやこ
れらの共重合体もしくは混合物などが挙げられる。これ
らの熱可塑性樹脂を使用する場合の配合量は、本発明の
目的を考慮すると前記特定のポリビニルアセタール系樹
脂の配合量を超えないように使用するのが好ましい。
【0045】また、本発明においては目的に応じて、更
に数μm以下の微小な無機微粒子、例えば、シリカ、ア
ルミナ、タルク、酸化チタン等を配合してもよい。本発
明の被記録体を製造するための樹脂組成物は、架橋剤の
一成分としてポリマーの溶解性が強く粘度の低いテトラ
ヒドロフルフリルアクリレート等の単量体を使用する場
合にはそのままロールコート、バーコート、ブレードコ
ートなどのコーティングが可能であるが、塗工作業性を
向上させるためには、これらの組成物に溶剤、例えば、
エチルアルコール、メチルエチルケトン、トルエン、酢
酸エチル、ジメチルホルムアミド等を配合し、適当な塗
工粘度に調整した方がよい。これによりスプレーコー
ト、カーテンコート、フローコート、ディップコートな
どを容易に行うことができる。なお、これらの溶剤を配
合する場合には、樹脂組成物を塗布後に溶剤を揮散、乾
燥させる必要がある。
【0046】以上の樹脂組成物を基材上に塗工し、活性
エネルギー線を照射して被記録体を製造する。受像層
は、膜厚が0.5〜100μm、好ましくは1〜50μ
mになるように形成することが好ましい。0.5μm以
下では高い記録濃度が得られない。
【0047】また、本発明の被記録体は、受像層と基材
の間に、易接着層、帯電防止層、白度向上層、あるいは
これらの機能を複合した複合層などの層を設けてもよ
い。さらに本発明の被記録体は、受像層と反対の面に、
帯電防止層、汚染防止層、滑性付与、筆記性付与などの
処理を施すこともできる。
【0048】
【実施例】本発明の実施例を揚げ、さらに詳細に説明す
る。なお、実施例および比較例中、「部」は「重量部」
を示す。
【0049】〔基材の作製〕コート紙(厚さ85μm)
の片面に、乳白色ポリエステルフィルム(ダイアホイル
社製W−300、厚さ38μm)をラミネートし、反対
側に白色ポリプロピレン紙(東洋紡トヨパールSS、厚
さ50μm)をラミネートした。接着剤は東洋モートン
製AD−577−1とCAT−52を使用し、塗布量は
乳白色ポリエステルフィルム/コート紙間はドライで5
g/m2、コート紙と白色ポリプロピレン紙間はドライ
で3g/m2となるようにした。乾燥は80℃で約30
秒行い、40℃で2日間エージングした。
【0050】〔受像層の作製〕表1及び表2に記載の各
組成を有する受像層塗布液A〜Jを作製し、上記作製し
た基材上に浸漬法により均一に塗布し、溶剤を揮散さ
せ、さらに空気中で高圧水銀灯により紫外線を照射して
膜厚5〜6μmの実施例1〜8及び比較例1,2の受像
層を作製した。また、表1及び表2に記載されている組
成を有する受像層塗布液Kを作成し、同じく上記作製し
た基材上に浸漬法により均一に塗布した後、乾燥させ、
膜厚5〜6μmの比較例3の受像層を作製した。即ち、
比較例3の受像層は紫外線で架橋硬化させてないもので
ある。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】表1中、 *1)2P6A ・・・ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレート *2)2P5A ・・・ジペンタエリスリトールペンタア
クリレート *3)2P4A ・・・ジペンタエリスリトールテトラア
クリレート *4)ビスコート540 ・・・ジグリシジルエーテル化
ビスフェノールAのジアクリレート *5)A−DEP ・・・2,2−ビス(4−アクリロイル
オキシジエトキシフェニル)プロパン *6)染着樹脂A ・・・上記一般式(I)において、R1
=−C37、1=51、m=3、n=46であり、平
均重合度が約300のポリビニルアセタール樹脂 *
7)染着樹脂B ・・・一般式(I)において、R1 =−
37、1=53、m=3、n=44であり、平均重合
度が約700のポリビニルアセタール樹脂 *8)染着樹脂C ・・・一般式(I)において、R1=−
37、1=60、m=10、n=30であり、平均重
合度が約800のポリビニルアセタール樹脂 *9)染着樹脂D ・・・一般式(I)において、R1=−
37、1=55、m=3、n=42であり、平均重合
度が約1000のポリビニルアセタール樹脂 *10)染着樹脂E ・・・一般式(I)において、R1
=−C37、1=57、m=2、n=41であり、平均
重合度が約2000のポリビニルアセタール樹脂 *1
1)染着樹脂F ・・・一般式(I)において、R1=−C
3:−C37=50:50、1=80、m=1、n=
19であり、平均重合度が約2400のポリビニルアセ
タール樹脂 *12)染着樹脂G ・・・一般式(I)において、R1=
フェニル基:−C37=60:40、1=80、m=
1、n=19であり、平均重合度が約2400のポリビ
ニルアセタール樹脂 *13)染着樹脂H ・・・テレフタル酸/イソフタル酸
/セバシン酸/エチレングリコール/ネオペンチルグリ
コール/1,4−ブタンジオールを重縮合してなるポリ
エステル樹脂(分子量18000〜20000、Tg=
47℃) *14)染着樹脂I ・・・テレフタル酸/イソフタル酸
/エチレングリコール/ネオペンチルグリコールを重縮
合してなるポリエステル樹脂(分子量15000〜20
000、Tg=67℃) *15)染着樹脂J ・・・テレフタル酸/イソフタル酸
/セバシン酸/エチレングリコール/ネオペンチルグリ
コールを重縮合してなるポリエステル樹脂(分子量20
000〜25000、Tg=7℃)
【0054】表2中、 *16)シリコン系界面活性剤A ・・・次式で示される
化合物
【0055】
【化16】 (式中、n3、n4、xは整数で、かつ
【数3】 を満足するものである。)
【0056】このようにして作製された実施例1〜8、
比較例1〜3の被記録体について、耐光性、染色感度、
記録品の記録ムラ(目視による)を評価した。結果を表
3に示す。
【0057】
【表3】
【0058】表3中、 *1)耐光性試験の記録条件は次の通り サーマルヘッド:京セラ製サーマルヘッド(6ドット/
mm) 記録電圧 :13V 記録パルス幅 :10ms カラーシート :松下電器製ビデオプリンターNV−M
PI用カラーシートVW−VS100。 この記録品をキセノンフェードメーター(スガ試験機製
FAL−25AX型)にて80時間曝露し、その前後の
色差ΔEにより評価。ΔEが大きくなるほど耐光性不良
であることを表す。
【0059】*2)染色感度の記録条件は次の通り サーマルヘッド:京セラ製サーマルヘッド(6ドット/
mm) 記録電圧 :13V 記録パルス幅 :14ms カラーシート :松下電器製ビデオプリンターNV−M
PI用カラーシートVW−VS100のシアン色。 この記録品をマクベス濃度計TR−927にて測色し
た。
【0060】表3から、一般式(I)で示されるポリビ
ニルアセタール系樹脂および活性エネルギー線で硬化し
得る架橋剤を含む樹脂組成物を活性エネルギー線で硬化
した被染着樹脂を受像層に用いた実施例1〜8の被記録
体は比較例の被記録体に比べて明らかに耐光性および染
色感度が優れていることが判る。
【0061】
【発明の効果】本発明の昇華型感熱転写記録方式の被記
録体は、前記一般式(I)で示される少なくとも1種の
ポリビニルアセタール系樹脂と、活性エネルギー線で硬
化し得る少なくとも1種の架橋剤とを含む樹脂組成物を
活性エネルギー線で硬化した受像層を有するもので、耐
光性および染色感度に優れたものである。従って、記録
画像に多量の光が照射されたとしても色調や染色濃度が
変化しにくいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象となる被記録体の一例を示す断面
図。
【符号の説明】
1 基材 2 受像層
フロントページの続き (72)発明者 藤原 匡之 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央研究所内 (72)発明者 上田 昭史 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に、下記一般式(I)で示され
    る少なくとも1種のポリビニルアセタール系樹脂と、活
    性エネルギー線で硬化しうる少なくとも1種の架橋剤と
    を含む樹脂組成物を塗工し、活性エネルギー線で硬化し
    て得られることを特徴とする昇華型感熱転写記録方式の
    被記録体。 【化1】 式(I)中、R1 は水素原子、置換基を有しても良いア
    ルキル基、置換基を有しても良いアルコキシ基、置換基
    を有していても良いフェニル基、アルケニル基の中から
    選ばれる基である。また、R1 は1個のポリマー分子
    中、これらの基のうち2個以上で構成されていても良
    い。式中1,m,nは各基のモル%を表し、1+m+n
    =100,5≦1≦85,0.5≦m≦30,5≦n≦
    80を満足する数である。
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