JPH06166272A - 昇華型感熱転写記録方式の被記録体 - Google Patents

昇華型感熱転写記録方式の被記録体

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Publication number
JPH06166272A
JPH06166272A JP30A JP2641791A JPH06166272A JP H06166272 A JPH06166272 A JP H06166272A JP 30 A JP30 A JP 30A JP 2641791 A JP2641791 A JP 2641791A JP H06166272 A JPH06166272 A JP H06166272A
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JP
Japan
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weight
vinyl
group
image
acid
Prior art date
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Application number
JP30A
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English (en)
Inventor
Kenji Kushi
憲治 串
Takayuki Izeki
隆幸 井関
Tadayuki Fujiwara
匡之 藤原
Kazuhiko Jufuku
和彦 壽福
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低エネルギー量でも昇華性分散染料で容易に
高濃度に染色され、感熱転写記録の高速化ならびに省エ
ネルギー化を可能とするとともに、高温多湿の条件下で
の記録画像の保存安定性にも優れ、表面光沢が高く、画
像の乱れのない鮮明な良質の画像を得る。 【構成】 ポリエステル樹脂95〜25重量%と塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体5〜75重量%よりなる染着
樹脂40〜95重量部および活性エネルギー線で硬化し
うる架橋剤5〜60重量部を含有する受像層を構成する
樹脂組成物を紫外線等の活性エネルギー線で硬化してな
る受像層を基材表面に有する昇華型感熱転写記録方式の
被記録体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、昇華型感熱転写記録方
式に使用される被記録体に関するものであり、さらに詳
しくは受像層が活性エネルギー線で硬化され、低エネル
ギー量でも容易に染色可能で、色にじみのない優れた記
録画像が得られる昇華型感熱転写記録方式の被記録体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】昇華型感熱転写記録方式は、記録時の音
が静かで、装置が小型で安価で、保守が容易で、出力時
間が短い等の特徴を有している。また、昇華型分散染料
を使用しているために、発熱エネルギー量を連続的に変
化させることにより、容易に高い階調度を有する記録が
できるとともに、高濃度、高解像度である等の特徴も有
している。このような特徴から、昇華型感熱転写方式
は、他の記録方式に比べて特にフルカラーハードコピー
を得るのに適しており、カラープリンター、ビデオプリ
ンター等の記録方式として多く採用されてきている。
【0003】従来、昇華型感熱転写記録方式に使用され
る被記録体の受像層としては、特開昭61−10629
3号公報に示されているような、ポリエステル樹脂を主
体とする染着樹脂を反応性のシリコーンによって熱硬化
させたもの、あるいは特開昭63−67189号公報に
示されているような、ポリエステル樹脂を主体とする染
着樹脂を活性エネルギー線で硬化しうる架橋剤により硬
化させたものなどが用いられてきた。しかしながら、こ
れらポリエステル樹脂を主体とした染着樹脂を昇華型分
散染料で十分に染色するには、高エネルギー量を与える
必要があり、さらには画像を記録した被記録体を高温多
湿の条件下で保存すると、画像の色にじみが発生すると
いう問題があった。
【0004】このような問題点を改善するために、例え
ば特開昭61−283595号公報あるいは特開昭62
−294595号公報に示されているように、ポリエス
テル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主体とす
る染着樹脂を反応性シリコーンによって熱硬化させた受
像層が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ポリエステル
樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主体とする染
着樹脂を反応性シリコーンによって熱硬化させた受像層
では、染色濃度の向上が図れないばかりか、高温多湿の
条件下での画像の色にじみも未だ十分には改善されるも
のではなかった。特に、高温多湿の条件下で長時間保存
した場合の画像の色にじみの改善は不十分なものであっ
た。
【0006】本発明は、このような従来技術の欠点を改
良し、低エネルギー量でも昇華性分散染料により容易に
染色可能で、高濃度に発色し、高温多湿の条件下での長
期保存によっても記録画像の色にじみのない、昇華型感
熱転写記録方式の被記録体を提供することを目的とする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な状況に鑑み鋭意検討した結果、ポリエステル樹脂、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体および架橋剤を特定の割
合で含有する樹脂組成物を活性エネルギー線で硬化して
得られる受像層が、低エネルギー量でも昇華性分散染料
により容易に高濃度に染色され、高温多湿の条件下で長
時間保存しても記録画像の色にじみが極めて少ないこと
を見出し、本発明に到達したものである。
【0008】すなわち、本発明の昇華型感熱転写方式の
被記録体は、ポリエステル樹脂95〜25重量%と塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体5〜75重量%よりなる染
着樹脂40〜95重量部および活性エネルギー線で硬化
しうる架橋剤5〜60重量部を含有する樹脂組成物を活
性エネルギー線で硬化してなる受像層を基材表面に有す
ることを特徴とするものである。
【0009】本発明の受像層を構成する染着樹脂は、ポ
リエステル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とを
混合してなるものであり、本発明において使用可能なポ
リエステル樹脂としては、ジカルボン酸とジオールとの
縮重合によって得られた線状熱可塑性ポリエステル樹
脂、反応性の二重結合をもつ不飽和多塩基酸と多価アル
コールとの縮重合によって得られた不飽和ポリエステル
樹脂などが挙げられる。中でも、少なくとも1種のジカ
ルボン酸と少なくとも1種のジオールとの縮重合によっ
て得られ、分子量が2000〜40000で結晶化度が
1%以下である線状熱可塑性ポリエステル樹脂が、有機
溶剤に対する溶解性と耐光性の点から好ましい。
【0010】本発明の線状熱可塑性ポリエステル樹脂を
構成するジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフ
タル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテル
−4,4−ジカルボン酸、グルタル酸、アジピン酸、セ
バシン酸、シュウ酸、コハク酸、あるいはこれらのエス
テル形成誘導体などが挙げられ、ジオールとしてはエチ
レングリコール、プロピレングリコール、トリエチレン
グリコール、ブタンジオールール、ジエチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノ
ール、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなど
が挙げられる。
【0011】少なくとも1種のジカルボン酸と少なくと
も1種のジオールとの縮重合によって得られた線状熱可
塑性ポリエステル樹脂の具体例としては、テレフタル酸
/イソフタル酸/エチレングリコール/ネオペンチルグ
リコールより得られたポリエステル樹脂、その他、テレ
フタル酸/イソフタル酸/エチレングリコール/ビスフ
ェノールA−エチレンオキシド付加物、テレフタル酸/
イソフタル酸/エチレングリコール/1,6−ヘキサン
ジオール、テレフタル酸/イソフタル酸/セバシン酸/
エチレングリコール/ネオペンチルグリコール、テレフ
タル酸/セバシン酸/エチレングリコール/ネオペンチ
ルグリコール、テレフタル酸/イソフタル酸/アジピン
酸/エチレングリコール/ネオペンチルグリコールなど
から得られるポリエステル樹脂を挙げることができる。
また、これら線状熱可塑性ポリエステル樹脂は、単独で
用いても2種以上を併用して用いてもよい。特に、2種
以上のポリエステル樹脂を併用して用いた場合には、
光、熱、水などに対する安定性を向上させためには好ま
しい。
【0012】反応性の二重結合をもつ不飽和多塩基酸と
多価アルコールとの縮重合によって得られた不飽和ポリ
エステル樹脂の具体例としては、無水マレイン酸/無水
フタル酸/プロピレングリコール、無水マレイン酸/イ
ソフタル酸/プロピレングリコール、マレイン酸/フマ
ール酸/イソフタル酸/1,3−ブタンジオール、マレ
イン酸/イソフタル酸/ネオペンチルグリコール、無水
マレイン酸/無水テトラヒドロフタル酸/ジプロピレン
グリコールなどから得られる不飽和ポリエステル樹脂を
挙げることができる。
【0013】本発明において、染着樹脂中のポリエステ
ル樹脂の含有量は、25〜95重量%の範囲であること
が必要である。これは、ポリエステル樹脂の配合量が9
5重量%を超えると、本発明の目的である低エネルギー
量での高い染色濃度が得られず、高温多湿の条件下での
記録画像の色にじみも大きく、記録時での熱転写シート
の変形によってもたらされる皺のために記録画像に乱れ
が発生しやすいためである。逆に、ポリエステル樹脂の
含有量が25重量%未満では、高温多湿の条件下で長時
間保存した場合に、受像層の色が黄色く変化しやすくな
るためである。本発明で使用可能な塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体としては、例えば、ビニライトVYHH、
ビニライトVYHD、ビニライトVYLF、ビニライト
VYNS−3、ビニライトVAGH、ビニライトVAG
D、ビニライトVYNC、ビニライトVAGF、ビニラ
イトVAGC、ビニライトVROH、ビニライトVYE
S−4、ビニライトVP−200、ビニライトVMC
H、ビニライトVMCC、ビニライトVMCA、ビニラ
イトVERR−40(以上、ユニオンカーバイド社
製)、NISSIN MPR TS、NISSIN M
PR TSL、NISSIN MPR TSH、NIS
SIN MPR TSN、NISSIN MPRT5、
NISSIN MPR TS40、NISSIN MP
R TA、NISSIN MPR TA5、NISSI
N MPR TAL、NISSIN MPR TM、N
ISSIN MPR NM、NISSIN MPR T
MF(以上、日信化学工業社製)、デンカビニール#1
000A、デンカビニール#1000AS、デンカビニ
ール#1000C、デンカビニール#CS、デンカビニ
ール#1000CK、デンカビニール#1000GK、
デンカビニール#1000GKT、デンカビニール#1
000GSK、デンカビニール#1000LT3 、デン
カビニール#1000D、デンカビニール#1000M
T、デンカビニール#1000MT2 、デンカビニール
#MT3 、デンカビニール#1000L、デンカビニー
ル#1000LCH、デンカビニール#1000W(以
上、電気化学工業社製)、ビニクロン1000LG(三
井東圧化学社製)、M1007、M1008、MA10
08、MB1008(以上、鐘淵化学工業社製)、エス
レックスA、エスレックスC、エスレックスM(以上、
積水化学工業社製)などが挙げられる。
【0014】本発明において、染着樹脂中の塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体は、5〜75重量%の範囲で含有
することが必要である。これは、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体の含有量が5重量%未満では、低エネルギー
量での高い染色濃度が得られず、高温多湿の条件下での
記録画像の色にじみも大きく、記録時での熱転写シート
の変形によってもたらされる皺のために記録画像に乱れ
が発生しやすいためである。逆に、75重量%を超える
と、高温多湿の条件下で長時間保存した場合に、受像層
の色が黄色く変化しやすくなるためである。
【0015】本発明で使用される塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体としては、塩化ビニル成分を50〜97重量
%の範囲で含んだものが好ましい。特に、塩化ビニル成
分を50〜85重量%の範囲で含んだものは、ガラス転
移温度が低いために、より高濃度に染色され、各種溶剤
への溶解性にも優れていることからより好ましい共重合
体である。また、本発明において、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体は、重合度200〜900程度のものが使
用できる。さらに、ビニルアルコール、マレイン酸、塩
化ビニリデンなどを共重合体成分として含有した塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体であってもよい。
【0016】本発明における染着樹脂の配合量は合計量
の40〜95重量%であり、好ましくは55〜94重量
%の範囲である。これは、染着樹脂が40重量%未満で
は、低エネルギー量での昇華性分散染料による染着濃度
が低く、逆に95重量%を超えると、架橋剤の比率が少
なくなり昇華型分散染料が塗布された転写シートとの耐
ブロッキング性が不十分となり、熱転写時に非記録体と
転写シートがブロッキング(スティッキング)を起こす
ためである。
【0017】本発明においては、受像層を構成する樹脂
組成物を活性エネルギー線で硬化し、受像層に十分な耐
ブロッキング性を付与するために架橋剤を配合するが、
その配合量は染着樹脂との合計量の5〜60重量%の範
囲であり、好ましくは6〜45重量%の範囲である。こ
れは、架橋剤の配合量が5重量%未満であると、ブロッ
キングが起こりやすくなり、逆に60重量%を超える
と、染着樹脂の比率が低下し十分な染色濃度がえられな
くなるためである。
【0018】本発明に使用される架橋剤としては、樹脂
組成物の硬化と非記録体の耐ブロッキング性を考慮する
と、少なくとも1種の多官能性モノマーを有しているこ
とが好ましく、活性エネルギー線として紫外線を使用す
る場合には、架橋剤の重合性基としてアクリロイルオキ
シ基またはメタクリロイルオキシ基を有するモノマーが
好ましい。
【0019】(メタ)アクリロイルオキシ基を有するモ
ノマーとしては、ポリエーテルアクリレートもしくはポ
リエーテルメタクリレート系(以下、「アクリレートも
しくはメタルリレート」を単に「(メタ)アクリレー
ト」と略記する。)、ポリエステル(メタ)アクリレー
ト系、ポリオール(メタ)アクリレート系、エポキシ
(メタ)アクリレート系、アミドウレタン(メタ)アク
リレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、スピロ
アセタール(メタ)アクリレート系、ポリブタジエン
(メタ)アクリレート系などのモノマー、オリゴマーを
挙げることができる。このようなモノマー、オリゴマー
の具体例としては、1,2,6−ヘキサントリオール/
プロピレンオキシド/アクリル酸、トリメチロールプロ
パン/プロピレンオキシド/アクリル酸から合成された
ポリエーテル(メタ)アクリレート、アジピン酸/1,
6−ヘキサンジオール/アクリル酸、コハク酸/トリメ
チロールエタン/アクリル酸から合成されたポリエステ
ル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジア
クリレート、ヘキサプロピレングリコールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート1,4−ブ
タンジオールジメタクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、エチルカルビトー
ルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールペンタアクリレート、2,2−ビス
(4−アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−アクリロイルオキシプロポキシ
フェニル)プロパンなどの(メタ)アクリレートまたは
ポリオール(メタ)アクリレート、ジグリシジルエーテ
ル化ビスフェノールA/アクリル酸、ジグリシジルエー
テル化ポリビスフェノールA/アクリル酸、トリグリシ
ジルエーテル化グリセリン/アクリル酸などのエポキシ
(メタ)アクリレート、γ−ブチロラクトン/N−メチ
ルエタノールアミン/ビス(4−イソシアナトシクロヘ
キシル)メタン/2−ヒドロキシエチルアクリレート、
γ−ブチロラクトン/N−メチルエタノールアミン/
2,6−トリレンジイソシアネート/テトラエチレング
リコール/2−ヒドロキシエチルアクリレートなどのア
ミドウレタン(メタ)アクリレート、2,6−トリレン
ジイソシアネートジアクリレート、イソホロンジイソシ
アネートジアクリレート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ートジアクリレートなどのウレタンアクリレート、ジア
リリデンペンタエリスリトール/2−ヒドロキシエチル
アクリレートから合成されたスピロアセタールアクリレ
ート、エポキシ化ブタジエン/2−ヒドロキシエチルア
クリレートから合成されたアクリル化ポリブタジエンな
どが挙げられる。これらモノマー、オリゴマーは、単独
または2種以上の混合系として使用される。
【0020】本発明において、特に好ましい架橋剤とし
てのモノマーあるいはオリゴマーとしては、次の一般式
(1)
【0021】
【化1】
【0022】(式中、m1は1〜4の整数であり、Xは
少なくとも3個が一般式:CH2=CH−COO−R1
(式中、R1は単結合、炭素原子数1〜8のアルキレン
基または炭素原子数1〜8のアルキレン基を有するポリ
オキシアルキレン基を表す。)で示される基を表し、残
余が炭素原子数1〜8のアルキル基、水酸基、アミノ
基、式:−(OR2m2−OH(式中、R2は炭素原子数
1〜8のアルキレン基を表し、m2は正の整数であ
る。)で示される基または式:−(OR2m2−OH
(式中、R2は炭素原子数1〜8のアルキレン基を表
し、m2は正の整数である。)で示される基を表す。)
で示される化合物、例えばジペンタエリスリトールテト
ラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリ
レート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、
トリペンタエリスリトールペンタアクリレート、トリペ
ンタエリスリトールヘキサアキリレート、トリペンタエ
リスリトールヘプタアクリレートなど、次の一般式
(2)
【0023】
【化2】
【0024】(式中、m3 は1〜10の正の整数、Xは
任意に−0Hか−OCOCH=CH2である。)で示さ
れるポリビスフェノールA型のポリアクリレート、例え
ばジグリシジルエーテル化ビスフェノールAのジアクリ
レート、エピコート#1001(シェル社製:m3 =
3)のジアクリレートなど、あるいは次の一般式(3)
【0025】
【化3】
【0026】(式中、X1、X2、・・・、Xm4は炭素数
6以下の同じか、もしくは異なるアルキレン基またはそ
の水素原子1個が水酸基で置換された構造のものであ
り、m4は0〜5の整数である。)で示される化合物、
例えば2,2−ビス(4−アクリロイルオキシジエトキ
シフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロイ
ルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プ
ロパンなどが挙げられ、特に活性エネルギー線として紫
外線を用いた場合には、空気中での速乾性が非常によ
く、特に好ましい架橋剤である。
【0027】また、本発明においては、被記録体と転写
シートとの耐ブロッキング性(耐スティッキング性)を
さらに向上させるために、受像層に離型剤を配合するこ
とが好ましい。使用される離型剤としては、シリコン系
界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ポリオルガノシロキ
サンを幹または枝とするグラフトポリマー、シリコン系
あるいは含フッ素系の架橋構造をとり得る化合物などを
挙げることができ、これら離型剤を単独または併用して
使用することができる。離型剤の配合量は、染着樹脂と
架橋剤の合計量100重量部に対して0.01〜30重
量部、好ましくは0.05〜10重量部の範囲である。
【0028】シリコン系界面活性剤としては、ポリジメ
チルシロキサンとポリオキシアルキレンがブロックにな
った化合物(その他の官能基で若干変性されていてもよ
い。)が有効で、CH3−(Si0)1/2−基と−OR−
基(R:アルキレン残基)の割合が1/10〜1/0.
1のもの、好ましくは1/5〜1/0.2の範囲のもの
が、耐ブロッキング性、レベリング性および染色濃度の
向上に効果がある。
【0029】このようなシリコン系界面活性剤の具体例
としては、次の一般式(4)および(6)で示される化
合物などが挙げられる。
【0030】
【化4】
【0031】(式中、Pは次の一般式(5)
【0032】
【化5】
【0033】であり、n1およびn2は正の整数を、また
xおよびyは0または正の整数を表し、式:1/10≦
(2n1+1)/(n2x+n2y)≦10を満足する。
3は水素、アルキル基、アシル基、アリール基または
アセトキシ基を表す。)
【0034】
【化6】
【0035】(式中、Qは次の一般式(7)
【0036】
【化7】
【0037】であり、n3およびn4は正の整数を、また
xおよびyは0または正の整数を表し、式:1/10≦
(2n3+n4+1)/(n4x+n4y)≦10を満足す
る。zは0または1〜5の整数である。また、R4 は−
Si(CH33、水素、アルキル基、アシル基またはア
リール基を表し、R5 は水素、アルキル基、アシル基、
アリール基あるいはアセトキシ基を表す。) フッ素系界面活性剤としては、染着樹脂と架橋剤との混
合物に可溶性であり、耐ブロッキング性を示すものであ
れば、ノニオン系、アニオン系、カチオン系あるいは両
性系のいずれかのフッ素系界面活性剤を1種以上用いる
ことができる。中でも、被記録体のレベリング性や耐ブ
ロッキング性の向上を考慮すれば、ノニオン系界面活性
剤が好ましい。
【0038】本発明で使用されるフッ素系界面活性剤の
具体例としては、例えばフルオロアルコキシポリフルオ
ロアルキル硫酸エステル、フルオロカーボンスルホン酸
塩、フルオロカーボンカルボン酸塩などのアニオン系界
面活性剤、N−フルオロアルキルスルホンアミドアルキ
ルアミン4級アンモニウム塩、N−フルオロアルキルス
ルホンアミドアルキルアミン塩、N−フルオロアルキル
アミドアルキルアミン4級アンモニウム塩、N−フルオ
ロアルキルアミドアルキルアミン塩、N−フルオロアル
キルスルホンアミドアルキルハロメチルエーテル4級ア
ンモニウム塩などのカチオン系界面活性化剤、フルオロ
カーボンスルホンアミド、フルオロカーボンアミノスル
ホンアミド、フルオロカーボンカルボキシスルホンアミ
ド、フルオロカーボンヒドロキシスルホンアミド、フル
オロカーボンスルホンアミドエチレンオキサイド付加
物、フルオロカーボンヒドロキシスルホンアミド硫酸エ
ステル、フルオロカーボンアミノ酸アミド、フルオロカ
ーボン酸アミド、フルオロカーボンヒドロキシ酸アミ
ド、フルオロカーボン酸アミドのエチレンオキサイド付
加縮合物、フルオロカーボンヒドロキシ酸アミド硫酸エ
ステル、フルオロカーボンスルホン酸、フルオロハイド
ロカーボンカルボン酸、フルオロハイドロカーボンアル
キルエステル、フルオロハイドロカーボンアルキルエー
テル、フルオロハイドロカーボンカルボキシアルキルエ
ステル、フルオロハイドロカーボンヒドロキシアミド、
フルオロハイドロカーボンアルキルエステル硫酸、フル
オロアルキルジアミンなどのノニオン系界面活性剤、ベ
タイン型フルオロカーボンスルホンアミド結合を有する
アルキルアミン、ベタイン型フルオロカーボン酸アミド
結合を有するアルキルアミンなどの両性界面活性剤など
が挙げられる。
【0039】ポリオルガノシロキサンを幹または枝とす
るグラフトポリマーとしては、まずビニル重合、重縮
合、開環重合などによって得られる重合体あるいは共重
合体を幹とし、ポリオルガノシロキサンを枝とするグラ
フトポリマーを挙げることができる。これらグラフトポ
リマーの例としては、片末端メタクリロイルオキシ基、
ビニル基またはメルカプト基が付加されたポリシロキサ
ン(マクロモノマー)にアルキル(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリル酸、官能基を有する(メタ)アク
リル酸の誘導体、酢酸ビニル、塩化ビニル、(メタ)ア
クリロニトリル、スチレンなどの単量体の少なくとも1
種を重合してなるグラフトポリマー、ポリシロキサンの
末端近くに2個のヒドロキシル基またはカルボキシル基
を有するマクロモノマーにジカルボン酸とジオールを反
応させて得られるグラフトポリマー、ポリシロキサンの
末端近くに2個のヒドロキシ基またはカルボキシル基を
有するマクロモノマーにジエポキシまたはジイソシアネ
ート化合物を反応させて得られるグラフトポリマーなど
を挙げることができる。
【0040】他のグラフトポリマーとしては、ポリオル
ガノシロキサンを幹とし、ビニル重合、重縮合、開環重
合などによって得られる重合体あるいは共重合体を枝と
するグラフトポリマーを挙げることができる。これらの
グラフトポリマーの例としては、オルガノシランとビニ
ル重合性基を有するシラン、例えば3−メタクリルオキ
シプロピルジメトキシメチルシラン、メチルビニルジメ
トキシシラン、エチルビニルエトキシシランなどを縮合
することによって側鎖にメタクリロイルオキシ基を有す
るポリシロキサンを合成し、次いで該モノマーとアルキ
ル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、官能基
を有する(メタ)アクリル酸の誘導体、酢酸ビニル、塩
化ビニル、(メタ)アクリロニトリル、スチレン等の単
量体の少なくとも1種を重合して得られるグラフトポリ
マー、オルガノシランとジエトキシ−3−グリシドキシ
プロピルメチルシランとを縮合することによって側鎖に
グリシジル基を有するポリシロキサンを合成し、次いで
これを(メタ)アクリル酸と反応させて(メタ)アクリ
ロイルオキシ基を含有する単量体を得たのち、該単量体
を重合させて得られるグラフトポリマー、オルガノシロ
キサンとヒドロキシエチルメチルジメトキシシランと縮
合することによって側鎖にヒドロキシル基を有するポリ
シロキサンを合成し、次いでジカルボン酸と該ジオール
を重縮合させて得られるグラフトポリマーなどを挙げる
ことができる。
【0041】グラフトポリマーの幹または枝となるポリ
シロキサンの合成に際しては、環状シラン、特に繰返し
単位が3〜8個の環状ジメチルポリシロキサンを主原料
とし、分子量調整剤としてトリメチルメトキシシランま
たはトリメチルエトキシシランなどの1分子中1個のア
ルコキシ基を有するシラン化合物を用い、官能基含有シ
ランと強酸または強塩基を触媒として70〜150℃で
重合すればよい。
【0042】これらグラフトポリマーを受像層に配合す
ることによって、転写シートとの耐ブロッキング性を向
上させるとともに、染色した受像層の暗退色性をも改良
される。その配合量は、染着樹脂と架橋剤との混合物1
00重量部に対して0.01〜30重量部が好ましく、
より好ましくは0.05〜10重量部の範囲である。こ
れは、配合量が0.01重量部未満では耐ブロッキング
性の向上が少なくなるとともに暗退色性も改善されない
ためであり、逆に30重量部を超えると活性エネルギー
線で硬化した受像層が乳白化するとともに染色濃度も低
下するためである。
【0043】ポリオルガノシロキサンを含むグラフトポ
リマーとしては、暗退色性の観点から分子量が1000
以上のものが好ましい。また、ポリオルガノシロキサン
成分とポリオルガノシロキサン以外の重合体あるいは共
重合体との重量比は、ポリオルガノシロキサン成分/重
合体あるいは共重合体=95/5〜10/90であるこ
とが好ましく、より好ましくは90/10〜20/80
の範囲である。この比率が95/5を超えると暗退色性
が不良になる傾向にあり、逆に10/90未満では耐ブ
ロッキング性の低下とともに暗退色性も不良になる傾向
にある。
【0044】シリコン系あるいは含フッソ系の架橋構造
をとり得る熱架橋型または活性エネルギ線架橋型の離型
剤としては、シリコン系では、付加反応を起こすシリコ
ン系化合物、ラジカル反応を起こすシリコン系化合物、
縮合反応を起こすシリコン系化合物などが挙げられる。
付加反応を起こすシリコン系化合物としては、ビニル基
を有するシリコーンと−SiH基を有するシリコーンと
の組合せ、アミノ変性シリコーンとエポキシ変性シリコ
ーンとの組合せなどがあり、必要に応じて白金化合物な
どの触媒を併用してもよい。ラジカル反応を起こすシリ
コン系化合物としては、ビニル基を有するシリコーンと
メチルシランを有するシリコーンの組合せなどがあり、
重合開始剤として有機過酸化物を使用してもよい。縮合
反応を起こすシリコン系化合物としては、アルコキシ基
を有するシリコーン、シラノール基を有するシリコー
ン、アルコキシ基を有するシリコーンとシラノール基を
有するシリコーンの組合せ、シラノール基を有するシリ
コーンと−SiH基を有するシリコーンとの組合せ、シ
ラノール基を有するシリコーンとアミノオキシ基を有す
るシリコーンとの組合せなどがある。
【0045】含フッ素系では、付加反応を起こす含フッ
素系化合物としてエポキシ基含有含フッ素化合物とアミ
ノ基含有含フッ素化合物との組合せ、縮合反応を起こす
含フッ素系化合物としてカルボン酸基含有含フッ素化合
物とアミノ基含有含フッ素化合物の組合せなどがある。
【0046】これらシリコン系または含フッ素系化合物
が十分な架橋構造を形成するためには、化合物1分子当
たり少なくとも2個を超える官能基を有する必要があ
り、1分子当たりの官能基が2個以下では高分子量物が
形成されても十分な架橋構造をとることができない。
【0047】活性エネルギー線架橋型のシリコン系また
は含フッ素系化合物としては、ビニル基、アリル基、メ
タアクリロイル基、アクリロキル基などのラジカル重合
性を有する化合物などを挙げることができる。活性エネ
ルギー線として紫外線を使用する場合には、紫外線によ
る重合性が良好なアクリロイルオキシ基を有する化合物
が好ましい。これら活性エネルギー線架橋型の化合物が
十分な架橋構造をとるためには、1分子当たり重合性基
が少なくとも1個を超えて有することが必要である。
【0048】本発明において、活性エネルギ線架橋型の
離型剤を使用する場合には、受像層を構成する樹脂組成
物を活性エネルギー線で硬化する際に、離型剤も同時に
硬化することができるが、熱架橋型の離型剤を使用する
場合には、樹脂組成物の硬化とは別に熱硬化工程を加え
る必要がある。従って、生産性の点からは活性エネルギ
ー線架橋型離型剤を使用する方が好ましい。
【0049】本発明の被記録体を製造する際に、架橋剤
としてポリマーへの溶解性が高く粘度の低いテトラヒド
ロフルフリルアクリレートなどの単量体を使用する場合
には、そのままロールコート、バーコート、ブレードコ
ートなどのコーティングによって、基材表面に樹脂組成
物を塗工し受像層を形成することが可能である。しか
し、塗工作業の作業性を向上させるためには、樹脂組成
物にエチレンアルコール、メチルエチルケトン、トルエ
ン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミドなどの溶剤を配
合して、適当な塗工粘度に調節して行った方が好まし
い。これにより、スプレーコート、カーテンコート、フ
ローコート、デイップコートなどを容易に行うことがで
きる。
【0050】本発明において、受像層を構成する樹脂組
成物を硬化するためには、電子線、紫外線などの活性エ
ネルギー線が使用されるが、線源の管理を考慮すると紫
外線を使用するのが好ましい。活性エネルギー線として
紫外線を使用する場合には、光重合開始剤を染着樹脂と
架橋剤との混合物100重量部に対して0.1〜10重
量部添加する。
【0051】使用される光重合開始剤としては、ベンゾ
イン、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチ
ルケタール、エチルフェニルグリオキシレート、ジエト
キシアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノ
ン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチル
プロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン/ジエタ
ノールアミン、4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフ
ェノン、2−メチルチオキサントン、tert−ブチル
アントラキノン、ベンジルなどのカルボニル化合物、テ
トラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウ
ラムジスルフィドなどの硫黄化合物、アゾビスイソブチ
ロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリ
ルなどのアゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−
tert−ブチルパーオキサイドなどのパーオキサイド
化合物が挙げられる。これら化合物は単独でまたは2種
以上を併用して用いることができる。
【0052】さらに、本発明においては、目的に応じて
受像層に数μm以下の微小なシリカ、アルミナ、タル
ク、酸化チタンなどの無機微粒子を配合してもよい。以
上の樹脂組成物を基材表面に塗工し活性エネルギー線を
照射して、本発明の被記録体を製造することができる
が、この受像層の厚さは1μm以上が好ましく、1μm
未満では染色濃度と安定性が不十分となる。
【0053】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに説明す
る。なお、記録濃度(OD値)は、転写シートとして三
菱電機社製CK200LB(シアン)を使用し、京セラ
社製サーマルヘッド(950Ω、6ドット/mm)によ
って、記録電圧13V、パルス幅10msで被記録体に
記録して、マクベス濃度計(TR−927)でステータ
スAフィルターを使用して測定した。
【0054】色にじみは、転写シートとして三菱電機社
製CK200LB(シアン)を使用し、京セラ社製サー
マルヘッド(950Ω、6ドット/mm)によって、記
録電圧15V、パルス幅12msで記録した被記録体
を、温度60℃、湿度60%の条件下で10日間保存し
た後に、マイクロスコープで観察した結果を次の基準に
基づいて評価した。 ○:色にじみなし △:やや色にじみあり ×:色にじみ多い 変色は、未記録の被記録体を、温度60℃、湿度60%
の条件下で10日間保存した後に、受像層を目視で観察
した結果を次の基準に基づいて評価した。 ○:変色なし ×:黄色に変色 画像の乱れは、三菱電機社製プリンターCP100Aを
使用して、全面黒色像を記録した後に、画像に転写シー
トのしわが転写されてた画像の乱れの有無を、目視にて
観察した結果を次の基準に基づいて評価した。 ○:画像の乱れなし ×:画像の乱れあり 表面光沢は、未記録の被記録体の受像層を目視観察した
結果を次の基準に基づいて評価した。 ○:光沢の高いもの ×:光沢の低いもの 実施例1〜9 厚さ85μmのコート紙の片面に、厚さ38μmの乳白
色ポリエステルフィルム(ダイアホイル社製W−30
0)をラミネートし、これと反対の面に厚さ50μmの
白色ポリプロピレン紙(東洋紡績社製トヨパールSS)
をラミネートして、80℃で約30秒間乾燥し、次いで
40℃で2日間エージングして基材を製造した。なお、
ラミネートに使用した接着剤は、東洋モートン社製AD
−577−1とCAT−52で、その塗布量は乳白色ポ
リエステルフィルムとコート紙とのラミネートではドラ
イで5g/m2 、コート紙と白色ポリプロピレン紙との
ラミネートではドライで3g/m2 となるようにした。
【0055】得られた基材上に、表1に示す組成物を混
合・調製して浸漬法によって均一に塗布し、次いで空気
中で高圧水銀灯により紫外線を照射して、膜厚5〜6μ
mの受像層を有する被記録体を得た。得られた被記録体
の記録濃度(OD値)、色にじみ、変色、画像の乱れお
よび表面光沢の評価結果を表1に示した。
【0056】比較例1〜6 実施例と同様の方法で得られた基材上に、表2示す組成
物を混合・調製して浸漬法によって均一に塗布し、次い
で空気中で高圧水銀灯により紫外線を照射して、膜厚5
〜6μmの受像層を有する被記録体を得た。得られた被
記録体の記録濃度(OD値)、色にじみ、変色、画像の
乱れおよび表面光沢の評価結果を表2に示した。なお、
表1および2に記載した樹脂、添加剤および溶剤は以下
の通りである。 樹 脂 A:テレフタル酸/イソフタル酸/セバシン酸
/エチレングリコール/ネオペンチルグリコールを縮重
合により重合したポリエステル樹脂(分子量20000
〜25000、ガラス転移温度10℃) 樹 脂 B:テレフタル酸/イソフタル酸/セバシン酸
/エチレングリコール/ネオペンチルグリコール/1,
4−ブタンジオールを縮重合により重合したポリエステ
ル樹脂(分子量20000〜25000、ガラス転移温
度47℃) 共重合体A:塩化ビニル87重量%と酢酸ビニル13重
量%よりなる重合度430の共重合体 共重合体B:塩化ビニル75重量%と酢酸ビニル25重
量%よりなる重合度400の共重合体 共重合体C:塩化ビニル68重量%と酢酸ビニル32重
量%よりなる重合度400の共重合体 共重合体D:塩化ビニル86重量%と酢酸ビニル13重
量%とマレイン酸1重量%よりなる分子量27000の
共重合体 共重合体E:塩化ビニル92重量%と酢酸ビニル3重量
%とビニルアルコール5重量%よりなる重合度300の
共重合体 架橋剤A :ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト 架橋剤B :ジペンタエリスリトールペンタアクリレー
ト 架橋剤C :ジペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト 架橋剤D :2,2−ビス(4−アクリロイルオキシジ
エトキシフェニル)プロパン 離型剤A :次の一般式(8)で示されるシリコン系界
面活性剤で、式中n3 、n4 よびxは、式:(2n3+
n4+1)/(n4x)=1.3 を満足する。
【0057】
【化8】
【0058】離型剤B :次の一般式(9)で示される
シリコン系界面活性剤で、式中n3 、n4 は異なる値で
あって、式:23n4/(2n3+n4)=3 を満足す
る。
【0059】
【化9】
【0060】離型剤C :信越化学工業社製アミノ変性
シリコーン(KF−393) 離型剤D :信越化学工業社製エポキシ変性シリコーン
(X−22−343)重 合開始剤:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン 溶 剤A :メチルエチルケトン 溶 剤B :トルエン
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】表1および表2から明かなように、本発明
の被記録体である実施例1〜9では、いずれも記録濃度
(OD値)が高く、色にじみ、受像層の変色、画像の乱
れがなく、受像層表面の光沢も高いものであった。特
に、塩化ビニル成分を50〜85重量%の範囲で含有す
る塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を20〜40重量部
の範囲で配合した実施例2、3、7、8の被記録体で
は、1.00を超えるOD値を示し、極めて高い記録濃
度を有する優れたものであった。これに対して、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体を含まないか5重量部未満の
被記録体(比較例1および3)では、色にじみが多く、
画像の乱れも有り、記録濃度も低いものであった。ま
た、架橋剤を含まないか5重量部未満の被記録体(比較
例2および5)では、表面光沢が低く、やや色にじみが
あり、記録濃度も低いものであったり、記録時に転写シ
ートとの融着を起こしたりした。さらに、ポリエステル
樹脂の含有率の低い被記録体(比較例4)では受像層の
黄変が起こったり、架橋剤を多量に含む被記録体(比較
例6)では記録濃度が著しく低くなったりした。
【0064】
【発明の効果】本発明の昇華型感熱転写記録方式の被記
録体は、染着樹脂として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体を含み、活性エネルギー線で硬化しうる架橋剤を配合
して、活性エネルギー線で硬化してなる受像層を有する
ことにより、低エネルギー量でも昇華性分散染料で容易
に高濃度に染色されるため、感熱転写記録の高速化なら
びに省エネルギー化を可能とし、高温多湿の条件下での
長期間の保存においても画像の色にじみがなく記録画像
の保存安定性に優れ、表面光沢が高く、画像の乱れのな
い鮮明な良質の画像を得ることができる。
【0065】
【手続補正書】
【提出日】平成3年3月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】本発明において、染着樹脂中のポリエステ
ル樹脂の含有量は、25〜95重量%の範囲であること
が必要である。これは、ポリエステル樹脂の配合量が9
5重量%を超えると、本発明の目的である低エネルギー
量での高い染色濃度が得られず、高温多湿の条件下での
記録画像の色にじみも大きく、記録時での熱転写シート
の変形によってもたらされる皺のために記録画像に乱れ
が発生しやすいためである。逆に、ポリエステル樹脂の
含有量が25重量%未満では、高温多湿の条件下で長時
間保存した場合に、受像層の色が黄色く変化しやすくな
るためである。本発明で使用可能な塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体としては、例えば、ビニライトVYHH、
ビニライトVYHD、ビニライトVYLF、ビニライト
VYNS−3、ビニライトVAGH、ビニライトVAG
D、ビニライトVYNC、ビニライトVAGF、ビニラ
イトVAGC、ビニライトVROH、ビニライトVYE
S−4、ビニライトVP−200、ビニライトVMC
H、ビニライトVMCC、ビニライトVMCA、ビニラ
イトVERR−40(以上、ユニオンカーバイド社
製)、NISSIN MPR TS、NISSIN M
PR TSL、NISSIN MPR TSH、NIS
SIN MPR TSN、NISSIN MPRT5、
NISSIN MPR TS40、NISSIN MP
R TA、NISSIN MPR TA5、NISSI
N MPR TAL、NISSIN MPR TM、N
ISSIN MPR NM、NISSIN MPR T
MF(以上、日信化学工業社製)、デンカビニール#1
000A、デンカビニール#1000AS、デンカビニ
ール#1000C、デンカビニール#1000CS、デ
ンカビニール#1000CK、デンカビニール#100
0GK、デンカビニール#1000GKT、デンカビニ
ール#1000GSK、デンカビニール#1000LT
3 、デンカビニール#1000D、デンカビニール#1
000MT、デンカビニール#1000MT2 、デンカ
ビニール#1000MT3 、デンカビニール#1000
L、デンカビニール#1000LCH、デンカビニール
#1000W(以上、電気化学工業社製)、ビニクロン
1000LG(三井東圧化学社製)、M1007、M1
008、MA1008、MB1008(以上、鐘淵化学
工業社製)、エスレックA、エスレックC、エスレッ
(以上、積水化学工業社製)などが挙げられる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】(メタ)アクリロイルオキシ基を有するモ
ノマーとしては、ポリエーテルアクリレートもしくはポ
リエーテルメタクリレート系(以下、「アクリレートも
しくはメタルリレート」を単に「(メタ)アクリレー
ト」と略記する。)、ポリエステル(メタ)アクリレー
ト系、ポリオール(メタ)アクリレート系、エポキシ
(メタ)アクリレート系、アミドウレタン(メタ)アク
リレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、スピロ
アセタール(メタ)アクリレート系、ポリブタジエン
(メタ)アクリレート系などのモノマー、オリゴマーを
挙げることができる。このようなモノマー、オリゴマー
の具体例としては、1,2,6−ヘキサントリオール/
プロピレンオキシド/アクリル酸、トリメチロールプロ
パン/プロピレンオキシド/アクリル酸から合成された
ポリエーテル(メタ)アクリレート、アジピン酸/1,
6−ヘキサンジオール/アクリル酸、コハク酸/トリメ
チロールエタン/アクリル酸から合成されたポリエステ
ル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジア
クリレート、ヘキサプロピレングリコールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート1,4−
ブタンジオールジメタクリレート、2−エチルヘキシル
アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、エチルカルビト
ールアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリ
レート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、
ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエ
リスリトールペンタアクリレート、2,2−ビス(4−
アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−アクリロイルオキシプロポキシフェ
ニル)プロパンなどの(メタ)アクリレートまたはポリ
オール(メタ)アクリレート、ジグリシジルエーテル化
ビスフェノールA/アクリル酸、ジグリシジルエーテル
化ポリビスフェノールA/アクリル酸、トリグリシジル
エーテル化グリセリン/アクリル酸などのエポキシ(メ
タ)アクリレート、γ−ブチロラクトン/N−メチルエ
タノールアミン/ビス(4−イソシアナトシクロヘキシ
ル)メタン/2−ヒドロキシエチルアクリレート、γ−
ブチロラクトン/N−メチルエタノールアミン/2,6
−トリレンジイソシアネート/テトラエチレングリコー
ル/2−ヒドロキシエチルアクリレートなどのアミドウ
レタン(メタ)アクリレート、2,6−トリレンジイソ
シアネートジアクリレート、イソホロンジイソシアネー
トジアクリレート、ヘキサメチレンジイソシアネートジ
アクリレートなどのウレタンアクリレート、ジアリリデ
ンペンタエリスリトール/2−ヒドロキシエチルアクリ
レートから合成されたスピロアセタールアクリレート、
エポキシ化ブタジエン/2−ヒドロキシエチルアクリレ
ートから合成されたアクリル化ポリブタジエンなどが挙
げられる。これらモノマー、オリゴマーは、単独または
2種以上の混合系として使用される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【補正の内容】
【0021】
【化1】 (式中、m1は1〜4の整数であり、Xは少なくとも3
個が一般式:CH2=CH−COO−R1−(式中、R1
は単結合、炭素原子数1〜8のアルキレン基または炭素
原子数1〜8のアルキレン基を有するポリオキシアルキ
レン基を表す。)で示される基を表し、残余が炭素原子
数1〜8のアルキル基、水酸基、アミノ基、式:−(O
2m2 −H(式中、R2は炭素原子数1〜8のアルキレ
ン基を表し、m2は正の整数である。)で示される基ま
たは式:−(OR2m2−OH(式中、R2は炭素原子数
1〜8のアルキレン基を表し、m2は正の整数であ
る。)で示される基を表す。)で示される化合物、例え
ばジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペン
タエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサアクリレート、トリペンタエリスリトー
ルペンタアクリレート、トリペンタエリスリトールヘキ
サアキリレート、トリペンタエリスリトールヘプタアク
リレートなど、次の一般式(2)
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】であり、n1およびn2は正の整数を、また
xおよびyは0または正の整数を表し、式:1/10≦
(2n1+1)/(n2x+n2y)≦10を満足する。
3は水素、アルキル基、アシル基またはアリール基を
表す。)
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】であり、n3およびn4は正の整数を、また
xおよびyは0または正の整数を表し、式:1/10≦
(2n3+n4+1)/(n4x+n4y)≦10を満足す
る。zは0または1〜5の整数である。また、R4 は−
Si(CH33、水素、アルキル基、アシル基またはア
リール基を表し、R5 は水素、アルキル基、アシル基
たはアリール基を表す。) フッ素系界面活性剤としては、染着樹脂と架橋剤との混
合物に可溶性であり、耐ブロッキング性を示すものであ
れば、ノニオン系、アニオン系、カチオン系あるいは両
性系のいずれかのフッ素系界面活性剤を1種以上用いる
ことができる。中でも、被記録体のレベリング性や耐ブ
ロッキング性の向上を考慮すれば、ノニオン系界面活性
剤が好ましい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】本発明で使用されるフッ素系界面活性剤の
具体例としては、例えばフルオロアルコキシポリフルオ
ロアルキル硫酸エステル、フルオロカーボンスルホン酸
塩、フルオロカーボンカルボン酸塩などのアニオン系界
面活性剤、N−フルオロアルキルスルホンアミドアルキ
ルアミン4級アンモニウム塩、N−フルオロアルキルス
ルホンアミドアルキルアミン塩、N−フルオロアルキル
アミドアルキルアミン4級アンモニウム塩、N−フルオ
ロアルキルアミドアルキルアミン塩、N−フルオロアル
キルスルホンアミドアルキルハロメチルエーテル4級ア
ンモニウム塩などのカチオン系界面活性剤、フルオロカ
ーボンスルホンアミド、フルオロカーボンアミノスルホ
ンアミド、フルオロカーボンカルボキシスルホンアミ
ド、フルオロカーボンヒドロキシスルホンアミド、フル
オロカーボンスルホンアミドエチレンオキサイド付加
物、フルオロカーボンヒドロキシスルホンアミド硫酸エ
ステル、フルオロカーボンアミノ酸アミド、フルオロカ
ーボン酸アミド、フルオロカーボンヒドロキシ酸アミ
ド、フルオロカーボン酸アミドのエチレンオキサイド付
加縮合物、フルオロカーボンヒドロキシ酸アミド硫酸エ
ステル、フルオロカーボンスルホン酸、フルオロハイド
ロカーボンカルボン酸、フルオロハイドロカーボンアル
キルエステル、フルオロハイドロカーボンアルキルエー
テル、フルオロハイドロカーボンカルボキシアルキルエ
ステル、フルオロハイドロカーボンヒドロキシアミド、
フルオロハイドロカーボンアルキルエステル硫酸、フル
オロアルキルジアミンなどのノニオン系界面活性剤、ベ
タイン型フルオロカーボンスルホンアミド結合を有する
アルキルアミン、ベタイン型フルオロカーボン酸アミド
結合を有するアルキルアミンなどの両性界面活性剤など
が挙げられる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】ポリオルガノシロキサンを幹または枝とす
るグラフトポリマーとしては、まずビニル重合、重縮
合、開環重合などによって得られる重合体あるいは共重
合体を幹とし、ポリオルガノシロキサンを枝とするグラ
フトポリマーを挙げることができる。これらグラフトポ
リマーの例としては、片末端メタクリロイルオキシ基、
ビニル基またはメルカプト基が付加されたポリシロキサ
ン(マクロモノマー)にアルキル(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリル酸、官能基を有する(メタ)アク
リル酸の誘導体、酢酸ビニル、塩化ビニル、(メタ)ア
クリロニトリル、スチレンなどの単量体の少なくとも1
種を重合してなるグラフトポリマー、ポリシロキサンの
末端近くに2個のヒドロキシル基またはカルボキシル基
を有するマクロモノマーにジカルボン酸とジオールを反
応させて得られるグラフトポリマー、ポリシロキサンの
末端近くに2個のヒドロキシル基またはカルボキシル基
を有するマクロモノマーにジエポキシまたはジイソシア
ネート化合物を反応させて得られるグラフトポリマーな
どを挙げることができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】他のグラフトポリマーとしては、ポリオル
ガノシロキサンを幹とし、ビニル重合、重縮合、開環重
合などによって得られる重合体あるいは共重合体を枝と
するグラフトポリマーを挙げることができる。これらの
グラフトポリマーの例としては、オルガノシランとビニ
ル重合性基を有するシラン、例えば3−メタクリルオキ
シプロピルジメトキシメチルシラン、メチルビニルジメ
トキシシラン、エチルビニルジエトキシシランなどを縮
合することによって側鎖にメタクリロイルオキシ基を有
するポリシロキサンを合成し、次いで該モノマーとアル
キル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、官能
基を有する(メタ)アクリル酸の誘導体、酢酸ビニル、
塩化ビニル、(メタ)アクリロニトリル、スチレン等の
単量体の少なくとも1種を重合して得られるグラフトポ
リマー、オルガノシランとジエトキシ−3−グリシドキ
シプロピルメチルシランとを縮合することによって側鎖
にグリシジル基を有するポリシロキサンを合成し、次い
でこれを(メタ)アクリル酸と反応させて(メタ)アク
リロイルオキシ基を含有する単量体を得たのち、該単量
体を重合させて得られるグラフトポリマー、オルガノ
ランとヒドロキシエチルメチルジメトキシシランと縮合
することによって側鎖にヒドロキシル基を有するポリシ
ロキサンを合成し、次いでジカルボン酸と該ジオールを
重縮合させて得られるグラフトポリマーなどを挙げるこ
とができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】本発明の被記録体を製造する際に、架橋剤
としてポリマーの溶解性が高く粘度の低いテトラヒドロ
フルフリルアクリレートなどの単量体を使用する場合に
は、そのままロールコート、バーコート、ブレードコー
トなどのコーティングによって、基材表面に樹脂組成物
を塗工し受像層を形成することが可能である。しかし、
塗工作業の作業性を向上させるためには、樹脂組成物に
エチルアルコール、メチルエチルケトン、トルエン、酢
酸エチル、ジメチルホルムアミドなどの溶剤を配合し
て、適当な塗工粘度に調節して行った方が好ましい。こ
れにより、スプレーコート、カーテンコート、フローコ
ート、デイップコートなどを容易に行うことができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】色にじみは、転写シートとして三菱電機社
製CK200LB(シアン)を使用し、京セラ社製サー
マルヘッド(950Ω、6ドット/mm)によって、記
録電圧15V、パルス幅12msで記録した被記録体
を、温度60℃、湿度60%の条件下で10日間保存し
た後に、マイクロスコープで観察した結果を次の基準に
基づいて評価した。 ○:色にじみなし △:やや色にじみあり ×:色にじみ多い 変色は、未記録の被記録体を、温度60℃、湿度60%
の条件下で10日間保存した後に、受像層を目視で観察
した結果を次の基準に基づいて評価した。 ○:変色なし ×:黄色に変色 画像の乱れは、三菱電機社製プリンターCP100Aを
使用して、全面黒色像を記録した後に、画像に転写シー
トのしわが転写されてできた画像の乱れの有無を、目視
にて観察した結果を次の基準に基づいて評価した。 ○:画像の乱れなし ×:画像の乱れあり 表面光沢は、未記録の被記録体の受像層を目視観察した
結果を次の基準に基づいて評価した。 ○:光沢の高いもの ×:光沢の低いもの 実施例1〜9 厚さ85μmのコート紙の片面に、厚さ38μmの乳白
色ポリエステルフィルム(ダイアホイル社製W−30
0)をラミネートし、これと反対の面に厚さ50μmの
白色ポリプロピレン紙(東洋紡績社製トヨパールSS)
をラミネートして、80℃で約30秒間乾燥し、次いで
40℃で2日間エージングして基材を製造した。なお、
ラミネートに使用した接着剤は、東洋モートン社製AD
−577−1とCAT−52で、その塗布量は乳白色ポ
リエステルフィルムとコート紙とのラミネートではドラ
イで5g/m2 、コート紙と白色ポリプロピレン紙との
ラミネートではドライで3g/m2 となるようにした。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正内容】
【0056】比較例1〜6 実施例と同様の方法で得られた基材上に、表2示す組成
物を混合・調製して浸漬法によって均一に塗布し、次い
で空気中で高圧水銀灯により紫外線を照射して、膜厚5
〜6μmの受像層を有する被記録体を得た。得られた被
記録体の記録濃度(OD値)、色にじみ、変色、画像の
乱れおよび表面光沢の評価結果を表2に示した。なお、
表1および2に記載した樹脂、添加剤および溶剤は以下
の通りである。 樹 脂 A:テレフタル酸/イソフタル酸/セバシン酸
/エチレングリコール/ネオペンチルグリコールを縮重
合により重合したポリエステル樹脂(分子量20000
〜25000、ガラス転移温度10℃) 樹 脂 B:テレフタル酸/イソフタル酸/セバシン酸
/エチレングリコール/ネオペンチルグリコール/1,
4−ブタンジオールを縮重合により重合したポリエステ
ル樹脂(分子量20000〜25000、ガラス転移温
度47℃) 共重合体A:塩化ビニル87重量%と酢酸ビニル13重
量%よりなる平均重合度430の共重合体 共重合体B:塩化ビニル75重量%と酢酸ビニル25重
量%よりなる平均重合度400の共重合体 共重合体C:塩化ビニル68重量%と酢酸ビニル32重
量%よりなる平均重合度400の共重合体 共重合体D:塩化ビニル86重量%と酢酸ビニル13重
量%とマレイン酸1重量%よりなる平均分子量2700
0の共重合体 共重合体E:塩化ビニル92重量%と酢酸ビニル3重量
%とビニルアルコール5重量%よりなる平均重合度30
0の共重合体 架橋剤A :ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト 架橋剤B :ジペンタエリスリトールペンタアクリレー
ト 架橋剤C :ジペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト 架橋剤D :2,2−ビス(4−アクリロイルオキシジ
エトキシフェニル)プロパン 離型剤A :次の一般式(8)で示されるシリコン系界
面活性剤で、式中n3 、n4 およびxは、式:(2n3
+n4+1)/(n4x)=1.3 を満足する。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】
【化8】
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】離型剤B :次の一般式(9)で示される
シリコン系界面活性剤で、式中n3 、n4、xおよびy
は異なる値であって、式:(2n3+n4+1)/(n3
x+n4y)=0.35を満足する。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正内容】
【0059】
【化9】 離型剤C :信越化学工業社製アミノ変性シリコーン
(KF−393) 離型剤D :信越化学工業社製エポキシ変性シリコーン
(X−22−343)重 合開始剤:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン 溶 剤A :メチルエチルケトン 溶 剤B :トルエン
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】
【表1】
フロントページの続き (72)発明者 壽福 和彦 広島県大竹市御幸町20番1号三菱レイヨン 株式会社中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル樹脂95〜25重量%と塩
    化ビニル−酢酸ビニル共重合体5〜75重量%よりなる
    染着樹脂40〜95重量部および活性エネルギー線で硬
    化しうる架橋剤5〜60重量部を含有する樹脂組成物を
    活性エネルギー線で硬化してなる受像層を基材表面に有
    することを特徴とする昇華型感熱転写記録方式の被記録
    体。
  2. 【請求項2】 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が塩化
    ビニル成分を50〜97重量%含有することを特徴とす
    る請求項1の昇華型感熱転写記録方式の被記録体。
JP30A 1991-02-20 1991-02-20 昇華型感熱転写記録方式の被記録体 Pending JPH06166272A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000020224A1 (fr) * 1998-10-08 2000-04-13 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Couche receptrice et recepteur d'images pour impression par transfert thermique
US10221521B2 (en) 2014-08-20 2019-03-05 Mimaki Engineering Co., Ltd. Textile printing method, textile printing device, ink, and medium for transfer

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US6673744B1 (en) 1998-10-08 2004-01-06 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Thermal transfer recording image receiving layer and thermal transfer recording image receiver
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