JPH0672050A - 光記録媒体の記録・再生・消去方法 - Google Patents
光記録媒体の記録・再生・消去方法Info
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- JPH0672050A JPH0672050A JP4231000A JP23100092A JPH0672050A JP H0672050 A JPH0672050 A JP H0672050A JP 4231000 A JP4231000 A JP 4231000A JP 23100092 A JP23100092 A JP 23100092A JP H0672050 A JPH0672050 A JP H0672050A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 繰り返し再生においても確実な情報記録の保
持が保証されるフォトクロミック系の光記録媒体の記録
・再生・消去方法を提供する。 【構成】 光刺激によってシス体−トランス体の相互異
性化反応および開環−閉環反応を示すアゾ化合物であっ
て、トランス体、シス・開環体およびシス・閉環体の3
つの状態をとり得るアゾ化合物を含有する記録膜を備え
る光記録媒体の記録・再生・消去方法であって、該方法
は、記録前の初期の状態で、記録膜に含有されるアゾ化
合物がすべてトランス体の状態となっており、記録に際
しては、存在するトランス体をすべて一定の割合でシス
・開環体およびシス・閉環体に変化させる第一の波長の
光と、存在するシス・開環体をすべて一定の割合でシス
・閉環体およびトランス体に変化させる第二の波長の光
との混合光を記録膜に照射し、記録膜中のアゾ化合物を
トランス体とシス・閉環体の状態とし、再生に際して
は、前記第二の波長の光を用い、消去に際しては、存在
するシス・閉環体をすべてトランス体に変化させる第三
の波長の光を照射するように構成する。
持が保証されるフォトクロミック系の光記録媒体の記録
・再生・消去方法を提供する。 【構成】 光刺激によってシス体−トランス体の相互異
性化反応および開環−閉環反応を示すアゾ化合物であっ
て、トランス体、シス・開環体およびシス・閉環体の3
つの状態をとり得るアゾ化合物を含有する記録膜を備え
る光記録媒体の記録・再生・消去方法であって、該方法
は、記録前の初期の状態で、記録膜に含有されるアゾ化
合物がすべてトランス体の状態となっており、記録に際
しては、存在するトランス体をすべて一定の割合でシス
・開環体およびシス・閉環体に変化させる第一の波長の
光と、存在するシス・開環体をすべて一定の割合でシス
・閉環体およびトランス体に変化させる第二の波長の光
との混合光を記録膜に照射し、記録膜中のアゾ化合物を
トランス体とシス・閉環体の状態とし、再生に際して
は、前記第二の波長の光を用い、消去に際しては、存在
するシス・閉環体をすべてトランス体に変化させる第三
の波長の光を照射するように構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光記録媒体、特に、ア
ゾ化合物系のフォトクロミック材料を記録膜として用い
た光記録媒体の記録・再生・消去方法に関する。
ゾ化合物系のフォトクロミック材料を記録膜として用い
た光記録媒体の記録・再生・消去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フォトクロミック材料の用途としては、
光量調整用フィルタ、ディスプレイ、光量計、写真印刷
工程の記録媒体、塗料などの分野がある。
光量調整用フィルタ、ディスプレイ、光量計、写真印刷
工程の記録媒体、塗料などの分野がある。
【0003】さらに最近では当該フォトクロミック材料
が情報の高密度な可逆メモリ媒体としての可能性を有す
るという理由から、レーザ光を用いる光記録媒体の分野
でも注目されている。
が情報の高密度な可逆メモリ媒体としての可能性を有す
るという理由から、レーザ光を用いる光記録媒体の分野
でも注目されている。
【0004】このようなフォトクロミック材料、特にア
ゾ化合物系の記録材料を記録膜に用いた光記録媒体の記
録、再生および消去は通常、以下のような操作によって
行われる。すなわち、例えば、420nmの波長の記録
光を記録膜に照射すると光照射部分は着色反応をおこ
し、着色された記録スポットが形成される。この記録ス
ポットに550nmの波長の消去光を照射すると着色さ
れた記録スポットは、消色して記録ピットは消える。
ゾ化合物系の記録材料を記録膜に用いた光記録媒体の記
録、再生および消去は通常、以下のような操作によって
行われる。すなわち、例えば、420nmの波長の記録
光を記録膜に照射すると光照射部分は着色反応をおこ
し、着色された記録スポットが形成される。この記録ス
ポットに550nmの波長の消去光を照射すると着色さ
れた記録スポットは、消色して記録ピットは消える。
【0005】しかしながら、情報を再生(読出し)する
に際して、420nmの波長の光で読むと、着色したピ
ットの部分はそのまま消えないで残るが、それ以外のピ
ットでなかった場所にも着色がおこり、結果として、全
体が着色され記録部分が分からなくなってしまう(結果
として記録情報がなくなる)。一方、550nmの波長
の光で読むと、今度は逆に、記録ピットが消色して、情
報が消えてしまうという現象が生じる。このように、フ
ォトクロミック材料を用いた光記録媒体の最大のネック
は、繰り返しの情報再生(読出し)ができないことにあ
る。
に際して、420nmの波長の光で読むと、着色したピ
ットの部分はそのまま消えないで残るが、それ以外のピ
ットでなかった場所にも着色がおこり、結果として、全
体が着色され記録部分が分からなくなってしまう(結果
として記録情報がなくなる)。一方、550nmの波長
の光で読むと、今度は逆に、記録ピットが消色して、情
報が消えてしまうという現象が生じる。このように、フ
ォトクロミック材料を用いた光記録媒体の最大のネック
は、繰り返しの情報再生(読出し)ができないことにあ
る。
【0006】このような問題を解決するために、近時、
420nmの波長の光(以下、単に420nm光とい
う)と、550nmの波長の光(以下、単に550nm
光という)との混同光を用いて、記録を再生する方法が
提案されている。この原理について簡単に説明すると、
記録部の再生にあたっては、記録部に420nm光と
550nm光の混合光を照射をすると、550nm光を
吸収して消色しようとする時、記録材料から熱が発生
し、この熱が420nm光による着色反応を促進して着
色状態を保持する。未記録部に420nm光と550
nm光の混合光を照射すると、550nm光を吸収しな
いために、熱は発生せず、420nm光を吸収して着色
してもその反応はわずかで、550nm光によって消さ
れてしまい、未記録部は維持される。
420nmの波長の光(以下、単に420nm光とい
う)と、550nmの波長の光(以下、単に550nm
光という)との混同光を用いて、記録を再生する方法が
提案されている。この原理について簡単に説明すると、
記録部の再生にあたっては、記録部に420nm光と
550nm光の混合光を照射をすると、550nm光を
吸収して消色しようとする時、記録材料から熱が発生
し、この熱が420nm光による着色反応を促進して着
色状態を保持する。未記録部に420nm光と550
nm光の混合光を照射すると、550nm光を吸収しな
いために、熱は発生せず、420nm光を吸収して着色
してもその反応はわずかで、550nm光によって消さ
れてしまい、未記録部は維持される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
この方法を用いたとしても、未記録部の再生の際、記録
部ほどまでいかないまでもわずかな着色反応が生じる。
そして、このわずかな着色がトリガーとなり、再生を繰
り返していくと、未記録部が550nm光の吸収により
温度上昇が大きくなって、結局は記録部と未記録部との
区別がつかないくらいに着色してしまうという問題がや
はり生じる。
この方法を用いたとしても、未記録部の再生の際、記録
部ほどまでいかないまでもわずかな着色反応が生じる。
そして、このわずかな着色がトリガーとなり、再生を繰
り返していくと、未記録部が550nm光の吸収により
温度上昇が大きくなって、結局は記録部と未記録部との
区別がつかないくらいに着色してしまうという問題がや
はり生じる。
【0008】本発明はこのような実情に鑑み創案された
ものであり、その目的は、上記の問題点を解決し、繰り
返し再生においても確実な情報記録の保持が保証され、
なおかつ記録、消去が確実に行える光記録媒体の記録・
再生・消去方法を提供することにある。
ものであり、その目的は、上記の問題点を解決し、繰り
返し再生においても確実な情報記録の保持が保証され、
なおかつ記録、消去が確実に行える光記録媒体の記録・
再生・消去方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、光刺激によってシス体−トランス体の相互異
性化反応および開環−閉環反応を示すアゾ化合物であっ
て、トランス体、シス・開環体およびシス・閉環体の3
つの状態をとり得るアゾ化合物を含有する記録膜を備え
る光記録媒体の記録・再生・消去方法であって、該方法
は、記録前の初期の状態で、記録膜に含有されるアゾ化
合物がすべてトランス体の状態となっており、記録に際
しては、存在するトランス体をすべて一定の割合でシス
・開環体およびシス・閉環体に変化させる第一の波長の
光と、存在するシス・開環体をすべて一定の割合でシス
・閉環体およびトランス体に変化させる第二の波長の光
との混合光を記録膜に照射し、記録膜中のアゾ化合物を
トランス体とシス・閉環体の状態とし、再生に際して
は、前記第二の波長の光を用い、消去に際しては、存在
するシス・閉環体をすべてトランス体に変化させる第三
の波長の光を照射するように構成した。
本発明は、光刺激によってシス体−トランス体の相互異
性化反応および開環−閉環反応を示すアゾ化合物であっ
て、トランス体、シス・開環体およびシス・閉環体の3
つの状態をとり得るアゾ化合物を含有する記録膜を備え
る光記録媒体の記録・再生・消去方法であって、該方法
は、記録前の初期の状態で、記録膜に含有されるアゾ化
合物がすべてトランス体の状態となっており、記録に際
しては、存在するトランス体をすべて一定の割合でシス
・開環体およびシス・閉環体に変化させる第一の波長の
光と、存在するシス・開環体をすべて一定の割合でシス
・閉環体およびトランス体に変化させる第二の波長の光
との混合光を記録膜に照射し、記録膜中のアゾ化合物を
トランス体とシス・閉環体の状態とし、再生に際して
は、前記第二の波長の光を用い、消去に際しては、存在
するシス・閉環体をすべてトランス体に変化させる第三
の波長の光を照射するように構成した。
【0010】
【実施例】以下、本発明の光記録媒体を、図1に基づい
て説明する。図1は光記録媒体の部分断面を拡大した図
である。
て説明する。図1は光記録媒体の部分断面を拡大した図
である。
【0011】この図において光記録媒体1は、基板2の
上に記録膜3を有し、通常、透明な基板2側から記録光
が照射され、記録膜への記録が行われる。なお、基板2
と記録膜3との間や、記録膜3の上に公知の種々の層な
どを設層する構成も採択され得る。
上に記録膜3を有し、通常、透明な基板2側から記録光
が照射され、記録膜への記録が行われる。なお、基板2
と記録膜3との間や、記録膜3の上に公知の種々の層な
どを設層する構成も採択され得る。
【0012】前記記録膜3には、フォトクロミック材料
として、光刺激によってシス体−トランス体の相互異性
化反応および開環−閉環反応を示すアゾ化合物であっ
て、トランス体、シス・開環体およびシス・閉環体の3
つの状態をとり得るアゾ化合物が含有される。
として、光刺激によってシス体−トランス体の相互異性
化反応および開環−閉環反応を示すアゾ化合物であっ
て、トランス体、シス・開環体およびシス・閉環体の3
つの状態をとり得るアゾ化合物が含有される。
【0013】このようなアゾ化合物は、その一つの状態
が例えばトランス体として下記一般式[I]で示され
る。
が例えばトランス体として下記一般式[I]で示され
る。
【0014】
【化2】 上記式[I]において、PおよびQは必要に応じて設け
られる置換もしくは非置換のベンゼン環もしくはナフタ
レン環であり、これらの環は同種であっても異種であっ
てもよい。もちろんこれらの環はなくてもよい。Xおよ
びYは、O,S,Se,NR(Rは置換もしくは非置換
のアルキル基を表す)のいずれかの原子であり、これら
は同種であっても異種であってもよい。R1 およびR2
は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ
基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、ア
リル基、ピリル基、フリル基、チェニル基、アミノ基、
シアノ基、ニトロ基、チアゾリル基であり、これらは同
種であっても異種であってもよい。nおよびmは、置換
基の数を表し、上記PおよびQで表されるベンゼン環も
しくはナフタレン環が存在しない場合は、0〜3の整数
を表し、上記PおよびQで表されるベンゼン環もしくは
ナフタレン環が存在する場合は、0または1の整数を表
す。nおよびmが2以上の整数、すなわち、2以上の置
換基をとる場合には、これらは互いに同種であっても異
種であってもよい。
られる置換もしくは非置換のベンゼン環もしくはナフタ
レン環であり、これらの環は同種であっても異種であっ
てもよい。もちろんこれらの環はなくてもよい。Xおよ
びYは、O,S,Se,NR(Rは置換もしくは非置換
のアルキル基を表す)のいずれかの原子であり、これら
は同種であっても異種であってもよい。R1 およびR2
は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ
基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、ア
リル基、ピリル基、フリル基、チェニル基、アミノ基、
シアノ基、ニトロ基、チアゾリル基であり、これらは同
種であっても異種であってもよい。nおよびmは、置換
基の数を表し、上記PおよびQで表されるベンゼン環も
しくはナフタレン環が存在しない場合は、0〜3の整数
を表し、上記PおよびQで表されるベンゼン環もしくは
ナフタレン環が存在する場合は、0または1の整数を表
す。nおよびmが2以上の整数、すなわち、2以上の置
換基をとる場合には、これらは互いに同種であっても異
種であってもよい。
【0015】さらに、記録膜3の中には、通常、上記の
アゾ化合物に加えてバインダが含有される。バインダと
しては、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリメタクリル酸メチル、アモルファスポリオレ
フィン、ポリサルフォン、ポリアリルサルフォン、ポリ
エーテルイミド、ポリアリレート、ポリエーテルサルフ
ォン等の樹脂が用いられる。
アゾ化合物に加えてバインダが含有される。バインダと
しては、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリメタクリル酸メチル、アモルファスポリオレ
フィン、ポリサルフォン、ポリアリルサルフォン、ポリ
エーテルイミド、ポリアリレート、ポリエーテルサルフ
ォン等の樹脂が用いられる。
【0016】なお、前記アゾ化合物は、バインダ100
重量部に対して1〜100重量部、より好ましくは、5
〜20重量部とされる。この値が、1重量部未満となる
と、再生波長において記録部と未記録部の区別がつかな
くなるという不都合が生じ、この値が、100重量部を
越えると、バインダに溶解しづらくなるという不都合が
生じる。
重量部に対して1〜100重量部、より好ましくは、5
〜20重量部とされる。この値が、1重量部未満となる
と、再生波長において記録部と未記録部の区別がつかな
くなるという不都合が生じ、この値が、100重量部を
越えると、バインダに溶解しづらくなるという不都合が
生じる。
【0017】このような記録膜3を有する記録媒体の記
録・再生・消去方法は以下のように行われる。なお、記
録・再生・消去の状態に応じて、アゾ化合物は、トラン
ス体、シス・開環体およびシス・閉環体の3つの状態の
うち、少なくとも一つの状態を保有し、場合によっては
二つの状態を保有する。この説明をよりわかりやすくす
るために、アゾ化合物の一つを例示し、このもののトラ
ンス体、シス・開環体およびシス・閉環体の3つの状態
を下記構造式[α],[β]および[γ]で示すととも
に下記表1を用いる。なお、構造式[α],[β]およ
び[γ]の中で、XおよびYは前記一般式[I]のそれ
らと同義であり、R11〜R16は前記一般式[I]の
R1 ,R2 と同義、あるいは、R12とR13、R15とR16
の筒所で環形成される置換もしくは非置換のベンゼン環
もしくはナフタレン環である。
録・再生・消去方法は以下のように行われる。なお、記
録・再生・消去の状態に応じて、アゾ化合物は、トラン
ス体、シス・開環体およびシス・閉環体の3つの状態の
うち、少なくとも一つの状態を保有し、場合によっては
二つの状態を保有する。この説明をよりわかりやすくす
るために、アゾ化合物の一つを例示し、このもののトラ
ンス体、シス・開環体およびシス・閉環体の3つの状態
を下記構造式[α],[β]および[γ]で示すととも
に下記表1を用いる。なお、構造式[α],[β]およ
び[γ]の中で、XおよびYは前記一般式[I]のそれ
らと同義であり、R11〜R16は前記一般式[I]の
R1 ,R2 と同義、あるいは、R12とR13、R15とR16
の筒所で環形成される置換もしくは非置換のベンゼン環
もしくはナフタレン環である。
【0018】
【化3】
【0019】
【化4】
【0020】
【化5】
【0021】
【表1】 まず、記録前の初期の状態では、記録膜に含有されるア
ゾ化合物はすべてトランス体の状態(すなわち構造式
[α])となっている。
ゾ化合物はすべてトランス体の状態(すなわち構造式
[α])となっている。
【0022】情報の記録に際しては、例えば400nm
未満程度の第一の波長の光と、例えば、400〜450
nmの第二の波長の光との混合光を記録膜に照射させ
る。第一の波長の光によって、存在するすべてのトラン
ス体(構造式[α])は、シス・開環体(構造式
[β])およびシス・閉環体(構造式[γ])に変化さ
せられる。表1の例では、第一の波長の光の照射によっ
て100%の[α]が、例えば50%の[β]と、50
%の[γ]とに変わっている。さらに第二の波長の光の
照射によって、存在するすべてのシス・開環体[β]
は、シス・閉環体[γ]およびトランス体[α]に変化
させられる。これによって、前記第一の波長の光によっ
て変えられた50%のシス・開環体[β]は例えば25
%のシス・閉環体[γ]と、例えば25%のトランス体
[α]に変化させられる。すなわち、第一の波長の光と
第二の波長の光との混合光を記録膜に照射させると、結
果として、例えば25%のトランス体[α]と例えば7
5%のシス・閉環体[γ]とが形成される。
未満程度の第一の波長の光と、例えば、400〜450
nmの第二の波長の光との混合光を記録膜に照射させ
る。第一の波長の光によって、存在するすべてのトラン
ス体(構造式[α])は、シス・開環体(構造式
[β])およびシス・閉環体(構造式[γ])に変化さ
せられる。表1の例では、第一の波長の光の照射によっ
て100%の[α]が、例えば50%の[β]と、50
%の[γ]とに変わっている。さらに第二の波長の光の
照射によって、存在するすべてのシス・開環体[β]
は、シス・閉環体[γ]およびトランス体[α]に変化
させられる。これによって、前記第一の波長の光によっ
て変えられた50%のシス・開環体[β]は例えば25
%のシス・閉環体[γ]と、例えば25%のトランス体
[α]に変化させられる。すなわち、第一の波長の光と
第二の波長の光との混合光を記録膜に照射させると、結
果として、例えば25%のトランス体[α]と例えば7
5%のシス・閉環体[γ]とが形成される。
【0023】情報の再生に際しては前記第二の波長の光
が用いられる。前記第二の波長の光は、前述したように
存在するすべてのシス・開環体[β]を、一定の割合で
シス・閉環体[γ]およびトランス体[α]に変化させ
る役目を果たす。ところが、記録部および未記録部に
は、シス・開環体[β]が存在しないので、当該第二の
波長の光を用いて再生したとしても、記録部および未記
録部には全く影響を及ぼさず、繰り返し再生しても確実
な情報記録の保持が保証される。
が用いられる。前記第二の波長の光は、前述したように
存在するすべてのシス・開環体[β]を、一定の割合で
シス・閉環体[γ]およびトランス体[α]に変化させ
る役目を果たす。ところが、記録部および未記録部に
は、シス・開環体[β]が存在しないので、当該第二の
波長の光を用いて再生したとしても、記録部および未記
録部には全く影響を及ぼさず、繰り返し再生しても確実
な情報記録の保持が保証される。
【0024】一方、情報の消去に際しては、存在するシ
ス・閉環体[γ]をすべてトランス体[α]に変化させ
る第三の波長、例えば、450nm以上の波長が用いら
れる。これにより、記録の状態で75%存在していたシ
ス・閉環体[γ]は、すべてトランス体[α]に変化さ
せられ、トランス体[α]は100%となり、情報書込
み前の状態(初期化)に戻る。
ス・閉環体[γ]をすべてトランス体[α]に変化させ
る第三の波長、例えば、450nm以上の波長が用いら
れる。これにより、記録の状態で75%存在していたシ
ス・閉環体[γ]は、すべてトランス体[α]に変化さ
せられ、トランス体[α]は100%となり、情報書込
み前の状態(初期化)に戻る。
【0025】なお、表1に示される変化のパセンテージ
(%)は、説明をわかりやすくするために簡潔な数字と
したのであって、実際にはもう少し複雑な数値をとる。
しかし数値は違っても、変化の定性的なものは変わらな
い。また、使用する上記第一,第二および第三の波長の
具体的数値も、用いるアゾ化合物の具体的構造によって
異なってくることはいうまでもない。しかし、前記第
一、第二および第三の波長の関係は、第一の波長<第二
の波長<第三の波長としなければならないことは、研究
結果として本発明で判明している。なお、本発明では、
上記記録の状態も見方を変えれば消去の状態であり、こ
の逆に上記の消去の状態も見方を変えれば記録である。
この認識のもとに、前記特許請求の範囲の「記録」およ
び「消去」をそれぞれ「消去」および「記録」と読み変
えても良いことは勿論である。
(%)は、説明をわかりやすくするために簡潔な数字と
したのであって、実際にはもう少し複雑な数値をとる。
しかし数値は違っても、変化の定性的なものは変わらな
い。また、使用する上記第一,第二および第三の波長の
具体的数値も、用いるアゾ化合物の具体的構造によって
異なってくることはいうまでもない。しかし、前記第
一、第二および第三の波長の関係は、第一の波長<第二
の波長<第三の波長としなければならないことは、研究
結果として本発明で判明している。なお、本発明では、
上記記録の状態も見方を変えれば消去の状態であり、こ
の逆に上記の消去の状態も見方を変えれば記録である。
この認識のもとに、前記特許請求の範囲の「記録」およ
び「消去」をそれぞれ「消去」および「記録」と読み変
えても良いことは勿論である。
【0026】以下、本発明の具体的実験例を示し、本発
明をさらに詳細に説明する。 〔実験例〕本発明サンプルの作製 上記構造式[α],[β]および[γ]で示されるアゾ
化合物において、XをS、YをS、R11、R14をメチル
基、R12とR13およびR15とR16の位置にそれぞれベン
ゼン環を巻かせたアゾ化合物を10重量部と、ポリカー
ボネートを100重量部とを混合し、この混合物をガラ
ス基板の上に、厚さ10μmとなるように形成した。
明をさらに詳細に説明する。 〔実験例〕本発明サンプルの作製 上記構造式[α],[β]および[γ]で示されるアゾ
化合物において、XをS、YをS、R11、R14をメチル
基、R12とR13およびR15とR16の位置にそれぞれベン
ゼン環を巻かせたアゾ化合物を10重量部と、ポリカー
ボネートを100重量部とを混合し、この混合物をガラ
ス基板の上に、厚さ10μmとなるように形成した。
【0027】このような本発明サンプルを用い、第一、
第二および第三の波長をそれぞれ、370nm、440
nm、520nmの光とし、上記本発明の方法にそっ
て、記録・再生・消去を試みたところ、繰り返し再生に
おいても確実な情報記録の保持が保証されるという効果
が奏された。
第二および第三の波長をそれぞれ、370nm、440
nm、520nmの光とし、上記本発明の方法にそっ
て、記録・再生・消去を試みたところ、繰り返し再生に
おいても確実な情報記録の保持が保証されるという効果
が奏された。
【0028】
【発明の作用および効果】上記の結果より本発明の効果
は明らかである。すなわち、本発明は、光刺激によって
シス体−トランス体の相互異性化反応および開環−閉環
反応を示すアゾ化合物であって、トランス体、シス・開
環体およびシス・閉環体の3つの状態をとり得るアゾ化
合物を含有する記録膜を備える光記録媒体の記録・再生
・消去方法であって、該方法は、記録前の初期の状態
で、記録膜に含有されるアゾ化合物がすべてトランス体
の状態となっており、記録に際しては、存在するトラン
ス体をすべて一定の割合でシス・開環体およびシス・閉
環体に変化させる第一の波長の光と、存在するシス・開
環体をすべて一定の割合でシス・閉環体およびトランス
体に変化させる第二の波長の光との混合光を記録膜に照
射し、記録膜中のアゾ化合物をトランス体とシス・閉環
体の状態とし、再生に際しては、前記第二の波長の光を
用い、消去に際しては、存在するシス・閉環体をすべて
トランス体に変化させる第三の波長の光を照射するよう
にしているので、繰り返し再生においても確実な情報記
録の保持が保証されるという効果が奏される。
は明らかである。すなわち、本発明は、光刺激によって
シス体−トランス体の相互異性化反応および開環−閉環
反応を示すアゾ化合物であって、トランス体、シス・開
環体およびシス・閉環体の3つの状態をとり得るアゾ化
合物を含有する記録膜を備える光記録媒体の記録・再生
・消去方法であって、該方法は、記録前の初期の状態
で、記録膜に含有されるアゾ化合物がすべてトランス体
の状態となっており、記録に際しては、存在するトラン
ス体をすべて一定の割合でシス・開環体およびシス・閉
環体に変化させる第一の波長の光と、存在するシス・開
環体をすべて一定の割合でシス・閉環体およびトランス
体に変化させる第二の波長の光との混合光を記録膜に照
射し、記録膜中のアゾ化合物をトランス体とシス・閉環
体の状態とし、再生に際しては、前記第二の波長の光を
用い、消去に際しては、存在するシス・閉環体をすべて
トランス体に変化させる第三の波長の光を照射するよう
にしているので、繰り返し再生においても確実な情報記
録の保持が保証されるという効果が奏される。
【図1】本発明の光記録媒体の一部を示す断面図であ
る。
る。
2…基板 3…記録膜
Claims (3)
- 【請求項1】 光刺激によってシス体−トランス体の相
互異性化反応および開環−閉環反応を示すアゾ化合物で
あって、トランス体、シス・開環体およびシス・閉環体
の3つの状態をとり得るアゾ化合物を含有する記録膜を
備える光記録媒体の記録・再生・消去方法であって、 該方法は、 記録前の初期の状態で、記録膜に含有されるアゾ化合物
がすべてトランス体の状態となっており、 記録に際しては、存在するトランス体をすべて一定の割
合でシス・開環体およびシス・閉環体に変化させる第一
の波長の光と、存在するシス・開環体をすべて一定の割
合でシス・閉環体およびトランス体に変化させる第二の
波長の光との混合光を記録膜に照射し、記録膜中のアゾ
化合物をトランス体とシス・閉環体の状態とし、 再生に際しては、前記第二の波長の光を用い、 消去に際しては、存在するシス・閉環体をすべてトラン
ス体に変化させる第三の波長の光を照射することを特徴
とする光記録媒体の記録・再生・消去方法。 - 【請求項2】 前記アゾ化合物は下記一般式[I]で示
されることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体の
記録・再生・消去方法。 【化1】 上記式[I]において、PおよびQは必要に応じて設け
られる置換もしくは非置換のベンゼン環もしくはナフタ
レン環であり、これらの環は同種であっても異種であっ
てもよく、XおよびYは、O,S,Se,NR(Rはア
ルキル基)のいずれかの原子であり、これらは同種であ
っても異種であってもよく、R1 およびR2 は、水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリー
ル基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリル基、ピ
リル基、フリル基、チェニル基、アミノ基、シアノ基、
ニトロ基、チアゾリル基であり、これらは同種であって
も異種であってもよく、nおよびmは、置換基の数を表
し、PおよびQで表されるベンゼン環もしくはナフタレ
ン環が存在しない場合は、0〜3の整数であり、存在す
る場合は、0または1の整数である。 - 【請求項3】 前記第一、第二および第三の波長の関係
は、第一の波長<第二の波長<第三の波長であることを
特徴とする請求項1または請求項2に記載の光記録媒体
の記録・再生・消去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4231000A JPH0672050A (ja) | 1992-08-31 | 1992-08-31 | 光記録媒体の記録・再生・消去方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4231000A JPH0672050A (ja) | 1992-08-31 | 1992-08-31 | 光記録媒体の記録・再生・消去方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0672050A true JPH0672050A (ja) | 1994-03-15 |
Family
ID=16916665
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4231000A Pending JPH0672050A (ja) | 1992-08-31 | 1992-08-31 | 光記録媒体の記録・再生・消去方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0672050A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7507504B2 (en) * | 2002-02-15 | 2009-03-24 | University Of Massachusetts | Optical storage system |
-
1992
- 1992-08-31 JP JP4231000A patent/JPH0672050A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7507504B2 (en) * | 2002-02-15 | 2009-03-24 | University Of Massachusetts | Optical storage system |
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